説明

電子機器

【課題】パターンの断線を抑制できるテレビを提供する。
【解決手段】一つの実施の形態に係るテレビは、筐体と、ディスプレイモジュールと、電子部品と、フレキシブルケーブルとを備える。前記電子部品はコネクタを有する。前記フレキシブルケーブルは、前記コネクタに接続され、第1の面と、第2の面と、第1の配線パターンと、第2の配線パターンと、端子パターンと、第1のカバー部と、第2のカバー部と、を備える。前記第1の配線パターンおよび前記端子パターンは、前記第1の面に設けられる。前記第2の配線パターンは、前記第2の面に設けられ、前記第1の配線パターンに電気的に接続される。前記端子パターンは、前記コネクタの端子と接触するとともに、前記第2の配線パターンに電気的に接続される。前記第1のカバー部は、前記第1の配線パターンの少なくとも一部を覆う。前記第2のカバー部は、前記第2の配線パターンを覆う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、テレビおよび電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビは、その内部にプリント配線板やチューナのような、種々の電子部品を備える。これらの電子部品は、例えばフレキシブルプリント配線板のような柔軟性を有するケーブルによって相互に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−194459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記ケーブルは、電子部品に設けられたコネクタに接続される。前記ケーブルは、配線パターンが曲げられて断線することを防ぐために、例えば補強板で補強される。しかし、ケーブルのような部品には、断線を抑制するために更なる改良の余地がある。
【0005】
本発明の目的の一つは、パターンの断線を抑制できるテレビを提供することにある。また、本発明の目的の一つは、導電部の断線を抑制できる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施の形態に係るテレビは、筐体と、ディスプレイモジュールと、電子部品と、フレキシブルケーブルとを備える。前記ディスプレイモジュールは、前記筐体に収容され、画像を表示する。前記電子部品は、前記筐体に収容され、コネクタを有する。前記フレキシブルケーブルは、前記コネクタに接続され、第1の面と、第2の面と、第1の配線パターンと、第2の配線パターンと、端子パターンと、第1のカバー部と、第2のカバー部と、を備える。前記第2の面は、前記第1の面の反対側に位置する。前記第1の配線パターンおよび前記端子パターンは、前記第1の面に設けられる。前記第2の配線パターンは、前記第2の面に設けられ、前記第1の配線パターンに電気的に接続される。前記端子パターンは、前記コネクタの端子と接触するとともに、前記第2の配線パターンに電気的に接続される。前記第1のカバー部は、前記第1の配線パターンの少なくとも一部を覆って前記第1の面に積層される。前記第2のカバー部は、前記第2の配線パターンを覆って前記第2の面に積層される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施の形態に係るテレビを示す正面図。
【図2】第1の実施形態の基板の一部およびフレキシブルケーブルの一部を示す斜視図。
【図3】第1の実施形態の基板の一部を示す断面図。
【図4】第1の実施形態のフレキシブルケーブルを示す斜視図。
【図5】第1の実施形態のフレキシブルケーブルの一部を示す平面図。
【図6】第1の実施形態のフレキシブルケーブルを図5のF6−F6線に沿って示す断面図。
【図7】第1の実施形態の曲げられたフレキシブルケーブルを示す断面図。
【図8】第2の実施の形態に係るフレキシブルケーブルの一部を示す平面図。
【図9】第2の実施形態のフレキシブルケーブルを図8のF9−F9線に沿って示す断面図。
【図10】第3の実施の形態に係るフレキシブルケーブルの一部を示す平面図。
【図11】第3の実施形態のフレキシブルケーブルを図10のF11−F11線に沿って示す断面図。
【図12】第4の実施の形態に係るポータブルコンピュータを示す斜視図。
【図13】第5の実施の形態に係るスレートコンピュータを示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、第1の実施の形態について、図1から図7を参照して説明する。図1は、第1の実施の形態に係るテレビ10を示す正面図である。テレビ10は、受信装置、表示装置、ディスプレイ、およびモニタのような、他の表現が可能な要素である。図1に示すように、テレビ10は、筐体11と、スタンド12と、ディスプレイモジュール13と、基板14と、ストレージ15と、フレキシブルケーブル16とを有している。筐体11は、外装部分、収容部、および壁部のような、他の表現が可能な要素である。ディスプレイモジュール13は、表示部、表示装置、モジュール、および電子部品のような、他の表現が可能な要素である。基板14は、電子部品の一例であり、扁平形状の部品、回路基板、および電子部品のような、他の表現が可能な要素である。ストレージ15は、電子部品、他の部品、および接続機器のような、他の表現が可能な要素である。フレキシブルケーブル16は、フレキシブルケーブルおよび部品の一例である。フレキシブルケーブル16は、ケーブル、可撓性の部品、扁平形状の部品、コネクタ、接続部品、回路基板、および基板のような、他の表現が可能な要素である。
【0009】
筐体11は、扁平な箱型に形成されている。筐体11の正面部に、開口部11aが設けられている。スタンド12は、筐体11の背面部に取り付けられ、筐体11を支持している。
【0010】
ディスプレイモジュール13は、筐体11に収容されている。ディスプレイモジュール13は、例えば液晶ディスプレイであり、画像を表示する表示部13aを有している。なお、ディスプレイモジュール13は、プラズマディスプレイや有機ELディスプレイのような他の種類のディスプレイモジュールであっても良い。筐体11の開口部11aから、ディスプレイモジュール13の表示部13aが露出されている。
【0011】
図1に破線で示すように、基板14と、ストレージ15と、フレキシブルケーブル16とは、筐体11に収容されている。言い換えると、基板14と、ストレージ15と、フレキシブルケーブル16とは、筐体11の中にある。基板14は、例えばリジッドプリント配線板であり、コンデンサのような種々の部品が実装されている。なお、基板はこれに限らず、フレキシブルプリント配線板のような他の種類の基板であっても良い。
【0012】
ストレージ15は、例えば録画されたデータを保存するためのHDDである。基板14とストレージ15とが、フレキシブルケーブル16によって互いに接続されている。言い換えると、ストレージ15は、フレキシブルケーブル16によって基板14とつながっている。
【0013】
図2は、基板14の一部とフレキシブルケーブル16の一部とを示す斜視図である。図3は、基板14の一部を示す断面図である。図2に示すように、基板14の端部に、コネクタ20が実装されている。コネクタ20は、部品、接続部、接続部品、固定部、および嵌合部のような、他の表現が可能な要素である。図3に示すように、コネクタ20は、ケース21と、複数の端子22とを有している。端子22は、接続のための部位である。
【0014】
図2に示すように、ケース21は、扁平な箱状に形成され、基板14に固定されている。ケース21に、挿入口21aが設けられている。挿入口21aの形状は、フレキシブルケーブル16に対応している。
【0015】
図3に示すように、端子22は、ケース21の内部に位置するコンタクト部24と、ケース21の外に延びる接続部25とをそれ有している。コンタクト部24は、端子、導電部、通電部、挟持部、押圧部、および接触部のような、他の表現が可能な要素である。コンタクト部24は、ケース21の内部において、弾性的に変位可能である。接続部25は、例えば基板14の表面に形成されたパッドに接続されている。
【0016】
コネクタ20に、フレキシブルケーブル16が接続されている。言い換えると、コネクタ20に、フレキシブルケーブル16が取り付けられている。フレキシブルケーブル16は、ケース21の挿入口21aから挿入される。フレキシブルケーブル16は、ケース21の内部で、端子22のコンタクト部24とケース21の内面とに挟持されている。なお、フレキシブルケーブル16を挟持する部分はケース21の内面に限らず、ケース21とは別の部品であっても良い。当該部品は、挟持部、および当接部のような、種々の表現が可能な要素である。
【0017】
図4は、フレキシブルケーブル16を示す斜視図である。図5は、フレキシブルケーブル16の一部を示す平面図である。図6は、図5のF6−F6線に沿って示すフレキシブルケーブル16の断面図である。
【0018】
図4に示すように、フレキシブルケーブル16は、フレキシブルプリント配線板である。なお、フレキシブルケーブルはこれに限らない。フレキシブルケーブル16は、短冊状に形成されている。フレキシブルケーブル16の両端部には、コネクタ20およびストレージ15に接続される端子部分16a,16bが設けられている。端子部分16a,16bは、導電性のパターンが露出した部分である。端子部分16aは、コネクタ20に接続される。他方の端子部分16bは、ストレージ15に接続される。
【0019】
図6に示すように、フレキシブルケーブル16は、ベース部31と、複数の第1の配線パターン32と、複数の第2の配線パターン33と、複数の端子パターン34と、第1のカバー部35と、第2のカバー部36と、を備えている。ベース部31は、扁平な部品、可撓性の部品、基礎、およびフィルム部のような、他の表現が可能な要素である。第1の配線パターン32は、第1の配線パターンおよび第1の導電部の一例である。第2の配線パターン33は、第2の配線パターンおよび第2の導電部の一例である。端子パターン34は、端子パターンおよび第3の導電部の一例である。第1および第2の配線パターン32,33および端子パターン34は、導電性の部分、導電性薄膜、および通電部分のような、他の表現が可能な要素である。第1および第2のカバー部35,36は、絶縁部、積層部、および被覆部のような、他の表現が可能な要素である。
【0020】
ベース部31は、例えばポリイミドによって形成されたベースフィルムである。なお、ベース部はこれに限らず、ポリエステルによって形成されたベースフィルム、積層板、または他の部品であっても良い。
【0021】
ベース部31は、例えば矩形状に形成され、可撓性を有した、フレキシブルケーブル16の一部分である。ベース部31は、第1の面41と、第2の面42とを有している。第2の面42は、第1の面41とは異なる面であり、第1の面41の反対側に位置する。
【0022】
第1の配線パターン32は、ベース部31の第1の面41に設けられている。第1の配線パターン32は、例えば、絶縁性の第1の接着剤44によって第1の面41に接着され、エッチングによってパターン形成された銅箔である。第1の接着剤44は、接着部、接着層、または絶縁性の部分のような、他の表現が可能な要素である。第1の配線パターン32の一方の端部32aは、ベース部31の一方の端部31aから離れて位置している。
【0023】
第2の配線パターン33は、ベース部31の第2の面42に設けられている。第2の配線パターン33は、例えば、絶縁性の第2の接着剤45によって第2の面42に接着され、エッチングによってパターン形成された銅箔である。第2の接着剤45は、接着部、接着層、または絶縁性の部分のような、他の表現が可能な要素である。
【0024】
図6に示すように、第2の配線パターン33の一部33aは、第1の配線パターン32の一方の端部32aと、ベース部31を挟んで重なる位置に配置されている。第1の配線パターン32の一方の端部32aは、一部、円形部分、および接続部分のような、他の表現が可能な要素である。第2の配線パターン33の一部33aと、第1の配線パターン32の一方の端部32aとは、第1のスルーホール47によって電気的に接続されている。第2の配線パターン33の一部33aは、円形部分、および接続部分のような、他の表現が可能な要素である。第1のスルーホール47は、接続部、電気的接続部、貫通接続部、および層間接続部のような、他の表現が可能な要素である。すなわち、ベース部31、第1の配線パターン32の一方の端部32a、および第2の配線パターン33の一部33aを貫通する孔が設けられ、当該孔の内面にメッキ部48が設けられることにより、第1の配線パターン32と第2の配線パターン33とが電気的に接続される。メッキ部48は、例えば銅メッキのような導電体のメッキ部分である。
【0025】
第1の配線パターン32と第2の配線パターン33との電気的接続は、第1のスルーホール47によるものに限らない。例えば、他のバイアホールや、導電性の部品によって、第1の配線パターン32と第2の配線パターン33とが電気的に接続されても良い。
【0026】
第2の配線パターン33は、その一部33aから、ベース部31の端部31aに向かってそれぞれ延びている。なお、第2の配線パターン33は、ベース部31の端部31aから離れるような経路を通って当該端部31aに向かっても良い。
【0027】
端子パターン34は、ベース部31の第1の面41に設けられている。端子パターン34は、例えば、第1の接着剤44によって第1の面41に接着され、エッチングによってパターン形成された銅箔である。なお、上記の第1および第2の配線パターン32,33および端子パターン34は、例えば導電性の接着剤のような他の種類の導電体によって形成されても良く、また線状の部分に限らず種々の部分であって良い。
【0028】
端子パターン34の一方の端部34aは、第1の配線パターン32の一方の端部32aから離れて位置している。また、端子パターン34の一方の端部34aは、第2の配線パターン33の他の一部33bと、ベース部31を挟んで重なる位置に配置されている。端子パターン34の一方の端部34aは、一部、円形部分、および接続部分のような、他の表現が可能な要素である。第2の配線パターン33の他の一部33bは、円形部分、および接続部分のような、他の表現が可能な要素である。
【0029】
端子パターン34の端部34aと、第2の配線パターン33の他の一部33bとは、第2のスルーホール49によって電気的に接続されている。第2のスルーホール49は、接続部、電気的接続部、貫通接続部、および層間接続部のような、他の表現が可能な要素である。すなわち、ベース部31、第2の配線パターン33の他の一部33b、および端子パターン34の端部34aを貫通する孔が設けられ、当該孔の内面にメッキ部48が設けられることにより、第2の配線パターン33と端子パターン34とが電気的に接続される。
【0030】
端子パターン34の他方の端部34bは、ベース部31の端部31aに位置している。すなわち、端子パターン34は、一方の端部34aから、ベース部31の端部31aに向かって延びている。
【0031】
複数の端子パターン34は、コネクタ20の複数の端子22に対応して設けられている。図5に示すように、複数の端子パターン34は、ベース部31の幅方向に、おおよそ等間隔で並んで配置されている。
【0032】
図3に示すように、端子パターン34に、コネクタ20の端子22のコンタクト部24がそれぞれ接触する。言い換えると、端子パターン34は、端子22のコンタクト部24にそれぞれ接する。
【0033】
図5に示すように、第1の配線パターン32の幅および第2の配線パターン33の幅は同一であり、端子パターン34の幅よりも狭い。言い換えると、第1および第2の配線パターン32,33は、端子パターン34よりも細い。このため、第1および第2の配線パターン32,33の特性インピーダンスは、端子パターン34での特性インピーダンスよりも高い。特性インピーダンスは、パターンの幅が広いと低くなり、パターンの幅が狭いと高くなる。また、第1の配線パターン32の長さは、端子パターン34の長さよりも長い。
【0034】
第1のカバー部35は、例えばポリイミドによって形成されたカバーフィルムである。第1のカバー部35は、第1の配線パターン32を全て覆って、第1の面41に積層されている。言い換えると、第1のカバー部35は、第1の面41に重なっている。端子パターン34は、第1のカバー部35に覆われずに、外部に露出されている。別の表現を用いれば、第1の配線パターン32は、第1のカバー部35の縁の手前まで配設されている。
【0035】
図6に示すように、第1のカバー部35は、絶縁性の第3の接着剤51によって、ベース部31の第1の面41と、第1の配線パターン32とに貼り付けられている。第3の接着剤51は、接着部、接着層、または絶縁性の部分のような、他の表現が可能な要素である。第2のスルーホール49は、第1のカバー部35から離れて設けられている。なお、第1のカバー部35は、端子パターン34の一部を覆っても良い。
【0036】
第3の接着剤51は、エッチングによって銅箔が除かれたベース部31の第1の面41に付着している。このため、第3の接着剤51は、第1の配線パターン32の一方の端部32aと、端子パターン34の一方の端部34aとの間に介在している。言い換えると、第3の接着剤51は、第1の配線パターン32と端子パターン34との間に位置する。
【0037】
第2のカバー部36は、例えばポリイミドによって形成されたカバーフィルムである。第2のカバー部36は、第2の配線パターン33を全て覆って、第2の面42に積層されている。言い換えると、第2のカバー部36は、第2の面42に重なっている。
【0038】
第2のカバー部36は、絶縁性の第4の接着剤52によって、ベース部31の第2の面42と、第2の配線パターン33とに貼り付けられている。第4の接着剤52は、接着部、接着層、または絶縁性の部分のような、他の表現が可能な要素である。なお、第2のカバー部36は、第2の配線パターン33の一部を覆うものでも良い。
【0039】
上記のメッキ部48は、第1のスルーホール47の内面と、第2のスルーホール49の内面だけでなく、第1の配線パターン32の表面と、第2の配線パターン33の表面と、端子パターン34の表面とにそれぞれ設けられている。
【0040】
第2のカバー部36に、補強部54が貼り付けられている。補強部54は、板、扁平な部品、剛性付加部品、およびスペーサのような、他の表現が可能な要素である。補強部54は、例えばポリイミドによって矩形の板状に形成されている。なお、補強部54はこれに限らず、例えばポリイミドよりも剛性が高い他の材料によって形成されても良い。また、補強部54は、例えば第2のカバー部36の一部であっても良い。
【0041】
補強部54は、端子パターン34と重なる位置に配置される。補強部54が設けられることで、当該箇所のフレキシブルケーブル16の剛性は、フレキシブルケーブル16のその他の部分の剛性よりも高い。
【0042】
補強部54が設けられた箇所のフレキシブルケーブル16の厚さは増加する。これにより、フレキシブルケーブル16の厚さが、コネクタ20のケース21の挿入口21aに対応する。
【0043】
ベース部31の第1の面41において、第1の配線パターン32および端子パターン34は、補強部54の縁に重なる部分から外れている。言い換えると、補強部54の縁は、第1の配線パターン32と端子パターン34との間の部分に重なる。
【0044】
図3に示すように、フレキシブルケーブル16がコネクタ20に接続されると、補強部54がケース21の内面に当接する。コネクタ20の端子22のコンタクト部24が、フレキシブルケーブル16の端子パターン34に当接すると、補強部54がケース21の内面に押圧される。このように、フレキシブルケーブル16は、コネクタ20の端子22と、ケース21の内面との間に挟持される。
【0045】
以下に、フレキシブルケーブル16の製造方法の一例について説明する。まず、ベース部31の第1および第2の面41,42に、例えば圧延銅によって形成された銅箔を積層する。当該銅箔には、それぞれ、第1の接着剤44または第2の接着剤45がそれぞれ塗布されている。次に、第1および第2のスルーホール47,48が設けられる位置に、例えばドリルで孔を開ける。
【0046】
次に、エッチングによって銅箔の一部を除去し、第1および第2の配線パターン32,33と、端子パターン34とを形成する。当該エッチングにより、第1の配線パターン32と端子パターン34との間が途切れる。その後、上記孔の内面にメッキを施してメッキ部48を形成することで、第1および第2のスルーホール47,49が形成される。
【0047】
次に、第1の面41に第3の接着剤51が塗布された第1のカバー部35を積層し、第2の面42に第4の接着剤52が塗布された第2のカバー部36を積層する。ベース部31、第1のカバー部35、および第2のカバー部36をプレスすることで、第1および第2のカバー部35,36がベース部31に接着される。
【0048】
次に、ベース部31の余計な部分を切除することで、フレキシブルケーブル16が形成される。その後、端子パターン34と重なる位置において、第2のカバー部36に補強部54を貼り付ける。
【0049】
図7は、曲げられたフレキシブルケーブル16を示す断面図である。前記構成のフレキシブルケーブル16は、例えば、フレキシブルケーブル16をコネクタ20に接続する際に、作業者によって図7の矢印に示すように曲げられることがある。
【0050】
フレキシブルケーブル16が図7のように曲げられると、曲げられたフレキシブルケーブル16の外側に位置する部分が引っ張られる。すなわち、第1の配線パターン32と、端子パターン34とが引っ張られる。しかし、第1の面41において第1の配線パターン32と端子パターン34との間が途切れているため、第1の配線パターン32と端子パターン34とにそれぞれ作用する引張力が逃げる。これにより、第1の配線パターン32および端子パターン34の断線を抑制できる。前記構成のフレキシブルケーブル16は、製造工程の特別な変更および追加が不要であるため、製造コストの増加を抑制できる。
【0051】
補強部54の縁は、第1の配線パターン32と端子パターン34との間の部分に重なる。これにより、第1の配線パターン32および端子パターン34に作用する引張力が抑制され、第1の配線パターン32および端子パターン34の断線を抑制できる。
【0052】
第1の配線パターン32と端子パターン34とは、第2の面42に設けられた第2の配線パターン33にそれぞれ電気的に接続されている。このため、第1の配線パターン32と端子パターン34との間を途切れさせても、第1の配線パターン32と端子パターン34とは電気的に接続される。
【0053】
第1および第2の配線パターン32,33は、端子パターン34よりも細い。このため、第1および第2の配線パターン32,33の特性インピーダンスを高くすることができ、高速伝送を実現できる。また、端子パターン34が第1および第2の配線パターン32,33よりも太いため、端子パターン34とコネクタ20の端子22のコンタクト部24との接触不良を抑制できる。さらに、上記のように、第1および第2の配線パターン32,33を細くしたとしても、第1の配線パターン32の断線は抑制される。
【0054】
端子パターン34と重なる位置において、第2のカバー部36に補強部54が設けられている。これにより、端子パターン34が曲げられて断線することを抑制できる。また、フレキシブルケーブル16が図7に示す矢印と逆方向に曲げられたとしても、補強部54によって第2の配線パターン33に作用する引張力が抑制される。したがって、第2の配線パターン33の断線を抑制できる。
【0055】
第1のカバー部35が、第1の配線パターン32を全て覆っている。これにより、図7に示すようにフレキシブルケーブル16が曲げられたとしても、第1の配線パターン32に作用する引張力が抑制される。また、応力が集中し易い第1のカバー部35の縁から、第1の配線パターン32が離れている。言い換えると、第1の面41に設けられた導電部は、第1のカバー部35の縁に接することなく、第2の面42を経由して配設される。これにより、第1の配線パターン32の断線を抑制できる。
【0056】
第1の配線パターン32と第2の配線パターン33とは、第1のスルーホール47によって電気的に接続されている。これにより、第1の配線パターン32と第2の配線パターン33とを容易に電気的に接続することができる。
【0057】
第2の配線パターン33と端子パターン34とは、第2のスルーホール49によって電気的に接続されている。これにより、第2の配線パターン33と端子パターン34とを容易に電気的に接続することができる。
【0058】
第1の配線パターン32と端子パターン34との間に、絶縁性の第3の接着剤51が介在している。これにより、第1の配線パターン32と端子パターン34とが接触することを防止できる。また、第1のカバー部35を第1の面41に接着する第3の接着剤51を用いることで、容易に第1の配線パターン32と端子パターン34との間を絶縁でき、フレキシブルケーブル16の製造コストの増加を抑制できる。
【0059】
端子パターン34は、第1のカバー部35から離れて設けられている。これにより、露出した端子パターン34の面積が小さくなることを防止でき、端子パターン34とコネクタ20の端子22との接触が損なわれることを抑制できる。
【0060】
なお、上記の実施の形態において、フレキシブルケーブル16は基板14とストレージ15とを接続していたが、これに限らない。例えば、フレキシブルケーブル16は、二つの基板を接続しても良い。
【0061】
次に、図8および図9を参照して、第2の実施の形態について説明する。なお、以下に開示する実施形態において、第1の実施形態のテレビ10と同一の機能を有する構成部分には同一の参照符号を付す。さらに、当該構成部分については、その説明を一部または全て省略することがある。
【0062】
図8は、第2の実施の形態に係るフレキシブルケーブル16の一部を示す平面図である。図9は、図8のF9−F9線に沿ってフレキシブルケーブル16を示す断面図である。図8および図9に示すように、第2の実施形態における第2のスルーホール49は、ベース部31の端部31aに設けられている。
【0063】
第2のスルーホール49は、例えば半分に分割されている。図9に示すように、ベース部31、第2の配線パターン33の他の一部33b、および端子パターン34の一方の端部34aに亘って切欠きが設けられ、当該切欠きの内面にメッキ部48が設けられることにより、第2のスルーホール49が形成されている。当該切欠きは溝、凹部、または他の表現で称し得る。第2のスルーホール49によって、第2の配線パターン33と端子パターン34とが電気的に接続される。
【0064】
第2の実施形態において、端子パターン34の一方の端部34aは、ベース部31の端部31aに位置している。これに対応し、第2の配線パターン33の他の一部33bは、ベース部31の端部31aに位置している。
【0065】
端子パターン34の他方の端部34bは、一方の端部34aよりも第1のカバー部35に近い。すなわち、端子パターン34は、一方の端部34aから、第1のカバー部35に向かって延びている。
【0066】
第2の実施形態の第2のスルーホールは、例えば次のように形成される。上述のフレキシブルケーブル16の製造工程において、ベース部31の余計な部分を切除することで、ベース部31に設けられた孔を分割する。これにより、ベース部31に設けられた孔が切欠きになる。当該切欠きの内面には第1のスルーホール47と同時にメッキを施すことにより、メッキ部48を形成している。これにより、第2の実施形態の第2のスルーホール49が形成される。
【0067】
前記構成のテレビ10によれば、第1の実施形態と同様に、第1の面41において第1の配線パターン32と端子パターン34との間が途切れている。このため、第1の配線パターン32と端子パターン34とにそれぞれ作用する引張力が逃げる。これにより、第1の配線パターン32および端子パターン34の断線を抑制できる。
【0068】
第2のスルーホール49が、ベース部31の端部31aに設けられる。端子パターン34の一方の端部34aは、メッキ部48によってベース部31の端部31aに固定される。これにより、端子パターン34がベース部31から剥がれることが抑制できる。
【0069】
次に、図10および図11を参照して、第3の実施の形態について説明する。図10は、第3の実施の形態に係るフレキシブルケーブル16の一部を示す平面図である。図11は、図10のF11−F11線に沿ってフレキシブルケーブル16を示す断面図である。
【0070】
図10に示すように、第1のカバー部35は、第1の配線パターン32の一部を覆っている。端部32aを含む第1の配線パターン32の一部は、外部に露出されている。
【0071】
前記構成のテレビ10によれば、第1の実施形態と同様に、第1の面41において第1の配線パターン32と端子パターン34との間が途切れている。このため、第1の配線パターン32と端子パターン34とにそれぞれ作用する引張力が逃げる。これにより、第1の配線パターン32および端子パターン34の断線を抑制できる。
【0072】
次に、図12を参照して、第4の実施の形態について説明する。図12は、第4の実施の形態に係るポータブルコンピュータ60を示す斜視図である。ポータブルコンピュータ60は、電子機器の一例であり、ノート型コンピュータ、パーソナルコンピュータ、モバイルコンピュータ、および端末のような、他の表現が可能な要素である。図12に示すように、ポータブルコンピュータ60は、第1の筐体61と、第2の筐体62と、ディスプレイモジュール13と、基板14と、フレキシブルケーブル16と、光ディスクドライブ63とを備えている。第1および第2の筐体61,62は、外装部分、収容部、および壁部のような、他の表現が可能な要素である。第2の筐体62は、筐体の一例である。光ディスクドライブ63は、電子部品、他の部品、および接続機器のような、他の表現が可能な要素である。
【0073】
第1の筐体61は、扁平な箱状に形成されている。第1の筐体61は、一対のヒンジ部65によって、第2の筐体62の後端部に回動可能に取り付けられている。第1の筐体61は、第2の筐体62の上に重なる閉じ位置と、第2の筐体62の後端部から立ち上がる開き位置との間で回動する。
【0074】
第1の筐体61は、ディスプレイモジュール13を収容している。言い換えると、ディスプレイモジュール13は、第1の筐体61の中にある。第1の筐体61に開口部61aが設けられている。ディスプレイモジュール13の表示部13aは、開口部61aから露出される。
【0075】
第2の筐体62は、扁平な箱状に形成されている。第2の筐体62の上面に、キーボード67と、タッチパッド68と、一対のクリックボタン69とが設けられている。図12において、キーボード67のキーは、一部省略して示される。
【0076】
第2の筐体62は、基板14と、フレキシブルケーブル16と、光ディスクドライブ63とを収容している。言い換えると、基板14と、フレキシブルケーブル16と、光ディスクドライブ63とは、第2の筐体62の中にある。フレキシブルケーブル16は、基板14と光ディスクドライブ63とを互いに接続している。
【0077】
フレキシブルケーブル16は、第1の実施形態のフレキシブルケーブル16と同じもので、基板14に実装されたコネクタ16に接続されている。当該フレキシブルケーブル16では、第1の面41において第1の配線パターン32と端子パターン34との間が途切れている。このため、第1の配線パターン32と端子パターン34とにそれぞれ作用する引張力が逃げる。これにより、第1の配線パターン32および端子パターン34の断線を抑制できる。このように、フレキシブルケーブル16は、ポータブルコンピュータ60に利用できる。
【0078】
なお、上記の実施の形態において、フレキシブルケーブル16は基板14と光ディスクドライブ63とを接続していたが、これに限らない。例えば、フレキシブルケーブル16は、二つの基板を接続しても良い。
【0079】
次に、図13を参照して、第5の実施の形態について説明する。図13は、第五の実施の形態に係るスレートコンピュータ70を示す斜視図である。スレートコンピュータ70は、電子機器の一例であり、タブレット、板状のモジュール、および端末のような、他の表現が可能な要素である。スレートコンピュータ70は、筐体11と、ディスプレイモジュール13と、基板14と、フレキシブルケーブル16と、他の基板72とを備えている。他の基板72は、電子部品、他の部品、および接続機器のような、他の表現が可能な要素である。
【0080】
筐体11は、ディスプレイモジュール13と、基板14と、フレキシブルケーブル16と、他の基板72とを収容している。言い換えると、ディスプレイモジュール13と、基板14と、フレキシブルケーブル16とは、筐体11の中にある。図13に破線で示すように、フレキシブルケーブル16は、基板14と他の基板72とを互いに接続している。
【0081】
フレキシブルケーブル16は、第1の実施形態のフレキシブルケーブル16と同じもので、基板14に実装されたコネクタ20に接続されている。当該フレキシブルケーブル16では、第1の面41において第1の配線パターン32と端子パターン34との間が途切れている。このため、第1の配線パターン32と端子パターン34とにそれぞれ作用する引張力が逃げる。これにより、第1の配線パターン32および端子パターン34の断線を抑制できる。このように、フレキシブルケーブル16は、スレートコンピュータ70に利用できる。
【0082】
なお、上記の実施の形態において、フレキシブルケーブル16は基板14と他の基板72とを接続していたが、これに限らない。例えば、フレキシブルケーブル16は、基板14とディスプレイモジュール13とを接続しても良い。
【0083】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、第1の面に設けられた第1の配線パターンおよび端子パターンと、第2の面に設けられて前記第1の配線パターンおよび前記端子パターンに接続された第2の配線パターンと、を備えることにより、各パターンの断線を抑制できる。
【0084】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0085】
10…テレビ、11…筐体、16…フレキシブルケーブル、20…コネクタ、22…端子、32…第1の配線パターン、33…第2の配線パターン、34…端子パターン、35…第1のカバー部、36…第2のカバー部、41…第1の面、42…第2の面、47…第1のスルーホール、48…第2のスルーホール、54…補強部、60…ポータブルコンピュータ、62…第2の筐体、70…スレートコンピュータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に収容され、画像を表示するディスプレイモジュールと、
前記筐体に収容され、コネクタを有した電子部品と、
前記コネクタに接続されたフレキシブルケーブルと、
を具備し、前記フレキシブルケーブルは、
第1の面と、
前記第1の面の反対側に位置する第2の面と、
前記第1の面に設けられた第1の配線パターンと、
前記第2の面に設けられ、前記第1の配線パターンに電気的に接続された第2の配線パターンと、
前記第1の面に設けられて前記コネクタの端子と接触するとともに、前記第2の配線パターンに電気的に接続された端子パターンと、
前記第1の配線パターンの少なくとも一部を覆って前記第1の面に積層された第1のカバー部と、
前記第2の配線パターンを覆って前記第2の面に積層された第2のカバー部と、
を備えたテレビ。
【請求項2】
前記第1の配線パターンが前記端子パターンよりも細く、
前記第2の配線パターンが前記端子パターンよりも細い請求項1に記載のテレビ。
【請求項3】
前記端子パターンと重なる位置において、前記第2のカバー部に補強部が設けられた請求項1または2に記載のテレビ。
【請求項4】
前記第1のカバー部の縁部が前記第1の配線パターンから離れた請求項1または3に記載のテレビ。
【請求項5】
前記第1の配線パターンと前記第2の配線パターンとは、第1のスルーホールによって電気的に接続された請求項1または4に記載のテレビ。
【請求項6】
前記第2の配線パターンと前記端子パターンとは、第2のスルーホールによって電気的に接続された請求項1または5に記載のテレビ。
【請求項7】
前記第1の配線パターンと前記端子パターンとの間に、絶縁体が設けられた請求項1または6に記載のテレビ。
【請求項8】
前記絶縁体は、前記第1のカバー部を前記第1の面に接着する接着剤である請求項7に記載のテレビ。
【請求項9】
前記端子パターンは、前記第1のカバー部から離れて設けられた請求項1または8に記載のテレビ。
【請求項10】
筐体と、
前記筐体の内部に配置されたコネクタと、
前記コネクタに接続された部品と、を具備し、
前記部品は、
第1の面に設けられた第1の導電部と、
前記第1の面とは異なる第2の面に設けられ、前記第1の導電部に電気的に接続された第2の導電部と、
前記第1の面に設けられて前記コネクタの端子と接するとともに、前記第2の導電部に電気的に接続された第3の導電部と、
前記第1の導電部の少なくとも一部を覆った第1のカバー部と、
前記第2の導電部の少なくとも一部を覆った第2のカバー部と、
を備えた電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−104897(P2013−104897A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246513(P2011−246513)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【特許番号】特許第5150761号(P5150761)
【特許公報発行日】平成25年2月27日(2013.2.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】