説明

電子機器

【課題】
機器の安全性の向上。
【解決手段】
起動時にCPU28は、撮像部10の各部に異常が生じているか否かを判定する。その結果、異常が生じていると判定された場合は内蔵メモリ24に記録されているデータを外部メモリ26にバックアップするとともに、診断結果生成部20が自装置の自己診断を実行し、機器の状態情報を収集する。診断結果生成部20は収集された状態情報から診断結果データを作成し、外部メモリ26に書き込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関し、特に電子機器の安全性の向上に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラやICレコーダーなどの電子機器が普及している。これらの電子機器は、小型で携行性に優れている。
【0003】
そのため、ユーザーが携行中に電子機器を何かにぶつけたり、誤って落下させてしまうなどして、電子機器を破損させてしまうことや、電子機器が持つ機能が損なわれてしまうこと(以下、故障と表記する。)などがある。
【0004】
このような場合、ユーザーは、カスタマーサービスなどに故障した電子機器の修理を依頼することとなる。カスタマーサービスでは、作業者は、故障した電子機器を修理するために、電子機器を分解し故障の原因を分析し、その分析結果に基づいて修理作業を行う。
【0005】
例えば、特許文献1には、修理モードに設定されたことに応じて、自装置の自己診断を実行し、その診断結果を表示するカメラについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−176571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されている発明は、修理モードに設定することで自己診断が実行される。即ち、ユーザーによって手動で修理モードが設定されない限り、自己診断が行われることはない。
【0008】
したがって、機器が故障しているにもかかわらず、ユーザーが故障に気付かずに機器を使用し続けてしまい、その結果、事故につながる恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、本願発明にかかる電子機器は、(クレーム完成後、挿入)ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、例えば、電子機器の起動時など所定のタイミングで電子機器を構成する各部位の異常検出を行い、異常が検出された場合に、データのバックアップを実行する。
【0011】
また、異常が検出された時の機器の状態を診断し、その診断結果を診断結果データとして外部メモリに記録する。これにより、ユーザーは電子機器が故障した、或いは故障した可能性があることを容易に察知することができ、安全性が向上する。
【0012】
また、カスタマーサービスの修理作業者は診断結果データを参照することで、故障の原因分析を効率的に行うことができ、修理作業の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明にかかる撮像装置1の構成の概略を示すブロック図である。
【図2】本発明にかかる撮像装置1が異常検出の報知を実行する態様の一例を示す図解図である。
【図3】本発明にかかる撮像装置1の起動処理の処理動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明にかかる撮像装置1のデータバックアップ実行時の処理動作を示すフローチャートである。
【図5】自己診断実行時に診断される診断項目の一例を示す模式図である。
【図6】本発明にかかる撮像装置1の自己診断実行時の処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施例]
本発明の一実施形態として、本発明をデジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置に適用した場合を例として説明する。
【0015】
(撮像装置1の構成)
図1は本発明に係る撮像装置1の構成の概略を示すブロック図である。撮像装置1は、撮像素子(イメージセンサ)2と、被写体の撮影画角(ズーム倍率)を変更するためのズームレンズ4、被写体にピントを合わせる為のフォーカスレンズ6、露光量を調整するための絞り8などを備える撮像部10を備える。
【0016】
また、撮像装置1は、撮像部10が捉えた被写体に相当する画像(以下、被写体画像と記載する。)等を一時記録するRAM(Random Access Memory)12、RAM12に一時記録された被写体画像に色補間処理、ホワイトバランス調整、ノイズリダクション処理等の各種信号処理を施す信号処理部14を備える。
【0017】
また、撮像装置1は、信号処理部14で処理された被写体画像が静止画である場合はJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式、動画である場合はMPEG(Moving
Picture Experts Group)方式などにより該被写体画像に圧縮符号化処理を施し、圧縮画像信号を生成する画像コーデック部16を備える。
【0018】
また、撮像装置1は、自装置の各部に電力を供給し、動作させるためのバッテリー18、撮像装置1の動作異常を検出する診断結果生成部20を備える。
【0019】
また、撮像装置1は、被写体画像を表示する表示部22、撮影された被写体画像を記録するための内蔵メモリ24、および外部メモリ26を備える。
【0020】
また、撮像装置1は、自装置の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)28、撮像装置1本体の状態を検出するセンサ部30、および撮像装置1に対するユーザからの操作を受け付け、当該操作に応じた指示をCPU28に与える操作部32、を備える。
【0021】
撮像素子2は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の固体撮像素子が使用される。
【0022】
RAM12は、例えば、VRAM(Video Random Access Memory)、SRAM(Static
Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、或いはSDR
AM(Synchronous DRAM)などの一般的に用いられているRAMが使用される。
【0023】
表示部22は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)モニタや有機EL(Electro-Luminescence)モニタが使用される。また、表示部22は、人の指の接触を感知するタッチパネル式であっても構わない。
【0024】
内蔵メモリ24は、例えば、フラッシュメモリや内蔵型HDD(Hard Disk Drive)などの撮像装置1に内蔵される内蔵記録媒体が使用される。
【0025】
外部メモリ26は、例えば、SDメモリカードやメモリスティック(登録商標)、外付けHDDなどの撮像装置1への着脱が自在な外部記録媒体が使用される。
【0026】
センサ部30は、撮像装置1の現在位置を測位するGPS(Global Positioning System)301、および、撮像装置1の本体内部の温度を検出する温度センサ302、などを備える。
【0027】
操作部32は、撮影処理を実行させるシャッタボタン321、ズームレンズ4を駆動させ、被写体のズーム倍率を調節するズームスイッチや、セルフタイマーをセットするタイマースイッチ(共に図示せず。)、などを備える。
【0028】
(撮像装置1の起動処理)
次に、図2および図3を参照して、撮像装置1の起動処理動作について説明する。
【0029】
撮像装置1の電源がオンされると、バッテリー18から、撮像装置1の各部に電源が供給される。
【0030】
CPU28は、所定の動作パターンを撮像部10に実行させ、その際に出力される信号に基づき撮像部10を構成する各部に異常が生じているか否かを判定する。異常の検出方法については後述する。
【0031】
CPU28によって、撮像部10を構成する各部に異常が生じていないと判定された場合は、撮像装置1を起動させ、静止画撮影モード、動画撮影モードなど、および再生モードなど、被写体の撮影や再生にかかる動作モードに移行する。
【0032】
以後、ユーザーによって電源オフ操作が与えられるまで撮像装置1はユーザーの操作に応じて各動作モードに従った処理動作を行う。
【0033】
一方、CPU28によって、撮像部10を構成する各部の少なくとも1つの部位に異常が生じていると判定された場合、内蔵メモリ24に記録されている全てのデータを外部メモリ26にバックアップする。
【0034】
これは、撮像装置1を修理に出さなければならない場合、修理中は内蔵メモリ24に記録されているデータが閲覧できなくなること、また修理の内容によっては、内蔵メモリ24に記録されているデータの消去を伴う場合があるためである。
【0035】
バックアップを実行する場合、CPU28は図2Aに示すように表示部22にバックアップを実行する旨を表示させることでユーザーに報知する。
【0036】
データのバックアップ中は、図2Bに示すようにバックアップの進捗状況を表示部22に表示するようにしてもよい。また、バックアップに際して必要のない部位(例えば、信
号処理部14など。)への電力供給を中止するようにしてもよい。
【0037】
データのバックアップが完了すると、CPU28は、診断結果生成部20に撮像装置1の自己診断の実行を指示する。
【0038】
CPU28から自己診断の実行指示を受け付けると、診断結果生成部20は、異常検出時の撮像装置1の状態情報を収集し診断結果データを作成し、外部メモリ26に記録する。自己診断中は、その旨を表示部22に表示させるようにしてもよい。
【0039】
診断結果データの作成および外部メモリ26への記録が完了すると、撮像装置1の電源は自動的にオフされる。このようにして、ユーザーは撮像装置1が故障したことを容易に知ることができる。
【0040】
図3は、撮像装置の起動処理に係る処理動作を示すフローチャートである。ステップS301では、撮像装置1の電源がオンされたか否かを判定する。
【0041】
電源がオンされた場合はステップS303に進み、そうでない場合はステップS301を繰り返す。
【0042】
ステップS303では、撮像部10の各部の異常検出処理を実行する。ステップS305では、撮像部10に異常が生じているか否かを判定する。
【0043】
撮像部10に異常が生じている場合はステップS307に進み、そうでない場合はステップS315に進む。
【0044】
ステップS307では、異常を検出したことをユーザーに報知する。ステップS309では、データのバックアップを実行する。データのバックアップが完了したらステップS311に進む。
【0045】
ステップS311では、撮像装置1の診断結果データを生成し、生成した診断結果データを外部メモリ26に書き込む。診断結果データの書き込みが完了したらステップS313に進む。ステップS313では、撮像装置1の電源がオフされる。
【0046】
ステップS315では、撮像装置1を通常起動させ、プレビューモードに設定する。ステップS317では、ユーザーによって電源オフ操作が為されたか否かを判定する。電源オフ操作が為された場合はステップS313に進み、そうでない場合はステップS317を繰り返す。
(撮像装置1のデータバックアップ時の処理動作)
次にデータのバックアップを実行する際の撮像装置1の処理動作について説明する。CPU28は、内蔵メモリ24に記録されているデータ(以下、バックアップデータと記載する。)のデータサイズを算出する。
【0047】
続いて、CPU28は、外部メモリ26の空き容量を参照し、バックアップデータを記録可能な空き容量があるか否かを判定する。
【0048】
この時、外部メモリ26の空き容量が、バックアップデータのデータサイズよりも数Mbyteから数十Mbyte程度上回る容量であるか否かを判定するようにしておくことが望ましい。
【0049】
これは診断結果データを記録する領域を確保しておくためである。この様にしておくこ
とで、診断結果データを外部メモリ26に書き込むときに、再度、外部メモリ26の空き容量を参照する必要がなくなり処理時間を短縮することができる。
【0050】
バックアップデータを記録可能な空き容量がないと判定された場合は、表示部22にその旨を報知させ、他の外部メモリの装着をユーザーに促す。
【0051】
新たな外部メモリ26が装着された場合は、再度、外部メモリ26の空き容量を参照する。
【0052】
外部メモリ26にバックアップデータを記録可能な空き容量があると判定されると、バックアップデータを外部メモリ26に書き込む。
【0053】
バックアップデータの外部メモリ26への書き込みが完了したらバックアップ処理を終了する。
【0054】
図4は、図3のステップS305におけるデータバックアップにかかる処理動作を示すフローチャートである。データバックアップ処理は以下のサブルーチンにしたがって実行される。
【0055】
ステップS401では、バックアップデータのデータサイズを算出する。ステップS403では、外部メモリ26の空き容量を算出する。
【0056】
ステップS405では、外部メモリ26の空き容量がバックアップデータのデータサイズを上回るか否かを判定する。外部メモリ26の空き容量がバックアップデータのデータサイズを上回る場合はステップS407に進み、そうでない場合は、ステップS411に進む。
【0057】
ステップS407では、バックアップデータを外部メモリ26に書き込む。ステップS409では、バックアップデータの書き込みが完了したか否かを判定する。バックアップデータの書き込みが完了した場合は上階層のルーチンに復帰し、そうでない場合はステップS409を繰り返す。
【0058】
ステップS411では、外部メモリ26の空き容量が不足していることを報知する。ステップS413では、新たな外部メモリ26が撮像装置1に装着されたか否かを判定する。
【0059】
新たな外部メモリ26が装着された場合はステップS403に戻り、そうでない場合はステップS411に戻る。
(撮像装置1の自己診断実行時の処理動作)
次に自己診断を実行する際の撮像装置1の処理動作について説明する。CPU28は、異常を検出した時の撮像装置1の状態情報を収集し、診断結果データを生成する。
【0060】
図5は、診断結果データの内容を示す模式図である。診断結果データは複数の診断項目と各診断項目の診断結果で構成される。
【0061】
診断項目は、例えば、エラーを検出した日時、撮像部10の各部の駆動状況、絞り8の駆動状況、バッテリー残量、および本体温度、などの項目が含まれる。
【0062】
撮像部10の各部の駆動状況は、所定の動作パターンを撮像部10に実行させ、その際に出力される信号と、予め内蔵メモリ24に記録されている期待値とを比較することで正
常駆動しているか否かを判断する。撮像部10の異常検出処理の詳細は後述する。
【0063】
CPU28は各診断項目の情報を収集し、診断結果生成部20に書き込む。すべての診断項目の情報の収集が完了すると、診断結果生成部20は、書き込まれた各診断結果を集約した1つのデータファイル(例えば、テキストファイル。以下、診断結果データと記載する。)を生成して、外部メモリ26に書き込む。
【0064】
診断結果データの書き込みが完了すると診断結果生成部20に書き込まれた各診断項目の情報を削除して、自己診断を終了する。
【0065】
図5は、図3のステップS307における自己診断にかかる処理動作を示すフローチャートである。自己診断は以下のサブルーチンにしたがって実行される。
【0066】
ステップS501では、各診断項目にしたがって撮像装置1の情報を収集する。ステップS503では、情報の収集が完了したか否かを判定する。各診断項目の情報の収集が完了した場合はステップS505に進み、そうでない場合はステップS501に戻る。
【0067】
ステップS505では、収集した診断項目の情報から診断結果データを生成する。ステップS507では、ステップS505で生成した診断結果データを外部メモリ26に書き込む。
【0068】
ステップS509では、診断結果生成部20に書き込まれた各診断項目の情報を削除し、上階層のルーチンに復帰する。
(撮像部10の異常検出処理動作)
次に、撮像装置1の異常検出処理動作について説明する。CPU28は異常検出を行うために、撮像部10の各部に対して、所定パターンの動作指示を出力する。
【0069】
撮像部10の各部はCPU28から出力された動作指示にしたがって所定パターンの動作を行い、動作時の出力値をCPU28に返す。
【0070】
CPU28は予め内蔵メモリ24に記録されている期待値を読み出し、撮像部10の各部から出力される出力値と、内蔵メモリ24から読み出した期待値との比較を行う。
【0071】
この期待値は、所定パターンの動作が正常に行われた場合に撮像部10各部から出力される出力値を示しており、撮像部の各部に対応する期待値がそれぞれ用意されている。
【0072】
比較の結果、撮像部10の各部が出力した出力値が、対応する期待値と一致、或いは、出力値と期待値の差分が所定の範囲内である場合は、正常に駆動していると判断する。
【0073】
具体的には、次のようにして検出される。まず、撮像素子2の異常検出について説明する。
【0074】
CPU28は絞り8に対して、絞り8を閉状態にする命令を出力する。絞り8が閉状態にされると、外部からの光が遮断される。同時にCPU28は所定時間(例えば、1/4秒間など。)撮像素子2を駆動させ電荷を蓄積する。
【0075】
撮像素子2において、暗電流の多い欠陥画素については、絞り8が閉状態にされているにもかかわらず電荷が蓄積していく。
【0076】
1/4秒間の電荷蓄積が終了すると、CPU28は撮像素子2の各画素の電荷量を予め
定められた所定値と比較し、所定値を上回る画素数をカウントする。
【0077】
カウントの結果、所定値を上回る電荷量を持つ画素数が所定数(例えば100個など。)以上あった場合に、撮像素子2に異常が生じていると判断する。
【0078】
次にズームレンズ4の異常検出について説明する。ズームレンズ4は撮像装置1内に設けられたアクチュエータ(図示せず。)によって駆動される。
【0079】
アクチュエータは、モータに接続された回転するギヤとそれに噛み合うカム枠等によって構成され、モータの回転がギヤを介してカム枠に伝わることで、ズームレンズ4を光軸方向に沿って駆動させることができる。
【0080】
また、アクチュエータは、モータが所定量回転するごとにパルス信号を出力するエンコーダを備え、このパルス信号をカウントすることでモータの回転速度(換言すると単位時間当たりの回転数。)を検出することができる。
【0081】
CPU28はズームレンズ4を駆動させるモーターを所定の回転速度(以下、指示回転速度と記載する。)で回転させる命令を出力する。
【0082】
モーターはこの指示回転速度にしたがって回転する。エンコーダーは、モーターの回転によって発生するパルス信号をCPU28に出力する。CPU28は、所定時間の間に発生したパルス信号をカウントし、実際の回転速度を検出する。
【0083】
CPU28は指示回転速度と実際の回転速度との差分を算出し、この差分が予め定められた閾値THの範囲内であるか否かを判定する。
【0084】
判定の結果、誤差が閾値THの範囲内である場合はズームレンズ4は正常に駆動していると判断し、閾値THの範囲外である場合はズームレンズ4の駆動に異常が生じていると判断する。
【0085】
このようにして、ズームレンズ4の駆動状況を検出することができる。また、フォーカスレンズ6の駆動状況についても同様の方法で検出することができる。
【0086】
尚、指示回転速度と実際の回転速度の差分を算出するのではなく、指示回転速度と実際の回転速度の比率を用いて異常判定を行うようにしてもよい。
【0087】
次に、絞り8の異常検出について説明する。CPU28は、絞り8を開放状態にする命令を出力する。絞り8が開放状態にされると測光を実行し、その時の明るさを検出すると共にこの明るさを示す値をRAM12に格納する。
【0088】
次に、CPU28は検出された明るさが所定の明るさ以上であるか否かを判定する。この時、検出された明るさが所定の明るさを下回る場合は絞り8に異常が生じていると判断する。
【0089】
検出された明るさが、所定の明るさ以上であった場合、CPU28は絞り8を最大まで絞り込み状態にする命令を出力する。
【0090】
絞り8が最大絞り込み状態にされると再度、測光を実行し、その時の明るさを検出すると共にこの明るさを示す値をRAM12に格納する。
【0091】
CPU28はRAM12に格納した開放状態での明るさを示す値と最大絞り込み状態での明るさを示す値の差分を算出し、この差分が所定の閾値TH2の範囲内であるか否かを判定する。
【0092】
判定の結果、当該差分が閾値TH2の範囲内である場合は、絞り8は正常に駆動していると判断し、そうでない場合は絞り8に異常が生じていると判断する。
【0093】
尚、開放状態での明るさを示す値と最大絞り込み状態での明るさを示す値の差分を算出するのではなく、開放状態での明るさを示す値と最大絞り込み状態での明るさを示す値の比率を用いて異常判定を行うようにしてもよい。
(まとめ)
上記実施例では、撮像装置1の電源がオンされると撮像部10の異常検出を実行するようにしているが、例えば、電源がオフされる時にも異常検出を実行するようにしてもよい。また、電源がオン中は、所定周期毎に異常検出を行うようにしてもよい。
【0094】
上記実施例では、バックアップデータおよび診断結果データを撮像装置1に装着された外部メモリ26に記録するようにしている。
【0095】
しかし、バックアップ先はこれに限定されず、例えば、無線通信により外部サーバーとデータ通信が可能な電子機器の場合は、バックアップデータおよび診断結果データを外部サーバーに送信するようにしてもよい。
【0096】
上記実施例では、異常検出した場合、その旨を表示部22に表示することでユーザーに報知する。
【0097】
しかし、報知の方法はこれに限定されず、例えば、音声を出力するスピーカーを備える電子機器の場合は、音声を出力することでユーザーに報知するようにしてもよい。
【0098】
また、図1の撮像装置1をハードウェア、或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって構成することもできる。
【0099】
ソフトウェアを用いて撮像装置1を構成する場合、ソフトウェアによって実現される部位についてのブロック図は、その部位の機能ブロック図を表すことになる。
【0100】
ソフトウェアによって実現される機能はプログラムとして記述され、当該プログラムがプログラム実行装置(例えば、コンピュータなど。)によって実行されることによって、その機能が実現される。
【0101】
具体的には、例えば、図1のブロック図において図示されないプログラム格納用のフラッシュメモリに格納されたプログラムをCPU28に実行させることで、上述の各機能を実現することができる。
【0102】
図1のブロック図においては、例えば、CPU28と撮像部10、RAM12、バッテリー18、表示部22、内蔵メモリ24、外部メモリ26、センサ部30および操作部32をハードウェアにて構成し、他のブロックをソフトウェアにて構成することができる。
【0103】
ただし、診断結果生成部20および操作部32の一部または全部をハードウェアにて構成しても構わない。
【0104】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、
その要旨の範囲内で変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0105】
2 撮像素子
4 ズームレンズ
6 フォーカスレンズ
8 絞り
12 メモリ
14 信号処理部
16 画像コーデック部
18 バッテリー
20 診断結果生成部
22 表示部
24 内蔵メモリ
26 外部メモリ
28 CPU
30 センサ部
301 GPS
302 温度センサ
32 操作部
321 シャッタボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを記録する内部記録媒体、
所定のタイミングで自装置の異常を検出する異常検出部、および
自装置の状態を診断する診断部を備え、
前記異常検出部によって異常が検出された場合に前記診断部に自装置の診断を実行させ、診断結果と前記内部記録媒体に記録されているデータを外部記録媒体に記録する電子機器。
【請求項2】
前記所定のタイミングは自装置の電源がオンまたはオフされた時である請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記異常検出部によって異常が検出されたことを報知する報知部をさらに備え、
前記異常検出部によって異常が検出された場合にその旨を報知する報知部をさらに備える請求項1および2記載の電子機器
【請求項4】
前記報知部は、音声出力又は発光の少なくとも一方で報知を行う請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
前記診断結果には、異常を検出した日時に関連する情報、自装置の温度に関連する情報、およびバッテリー残量に関連する情報のうち少なくとも1つの情報が含まれる請求項1乃至4記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−115726(P2013−115726A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262200(P2011−262200)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】