説明

電子機器

【課題】起動時の更なる電力消費量の低減を達成する。
【解決手段】それぞれが所定の処理を行なう複数の処理手段と、主電源がONされると、前記複数の処理手段に対して電源を供給することで、当該複数の処理手段を起動させる供給手段を有し、前記複数の処理手段全てが起動完了すると、起動完了する電子機器であって、前記複数の処理手段それぞれの起動完了する時刻が全て同時になるように、前記複数の処理手段に対する前記電源の供給開始時刻を調整する供給制御手段を有することを特徴とする電子機器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、周辺機や、内部に設けられた処理手段を用いて、所定の処理を行なう電子機器が提案されている。また、当該電子機器において、電力消費量を低減させる技術が様々、提案されている。例えば、特許文献1では、当該電子機器の起動時の電力消費量を低減させる目的で、周辺機や処理手段の起動開始時刻をずらす技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図1に、特許文献1記載の電子機器の処理手段や周辺機についての電源供給開始時刻や、起動開始時刻について示す。図1の例では、電子機器は、処理手段として、エンジン制御手段、書込手段、読取手段、定着手段、コントローラ制御手段を有し、周辺機としては第1周辺機や第2周辺機を有する。また、図1の例では、ハッチングを付加しているバーが、起動処理時の消費電力を示し、ドットを付加しているバーが、待機時消費電力を示している。「起動処理時の消費電力」とは、「起動処理開始時」から「起動処理終了時」までに消費される電力である。また、「待機時消費電力」とは、1つの処理手段が、起動完了してから、電子機器全体(全ての処理手段や周辺機)が起動完了するまでに待機するのに消費される電力である。
【0004】
図1の例では、ドット付加しているバーに示すように、処理手段や周辺機の全てが起動完了するまで、エンジン制御手段や、第1周辺機などは待機する必要がある。そして、エンジン制御手段や第1周辺機が待機している間にも待機時消費電力が消費されている。
【0005】
本発明では、起動時の更なる電力消費量の低減を達成する電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、それぞれが所定の処理を行なう複数の処理手段と、主電源がONされると、前記複数の処理手段に対して電源を供給することで、当該複数の処理手段を起動させる供給手段を有し、前記複数の処理手段全てが起動完了すると、起動完了する電子機器であって、前記複数の処理手段それぞれの起動完了する時刻が全て同時になるように、前記複数の処理手段に対する前記電源の供給開始時刻を調整する供給制御手段を有することを特徴とする電子機器を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電子機器であれば、起動時の更なる電力消費量の低減を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】従来技術の電子機器の消費電力などを示した図。
【図2】本実施例の画像形成装置の機能構成例を示す図。
【図3】本実施例の制御手段の機能構成例などを示す図。
【図4】本実施例の電子機器の電源供給開始時刻などを示した図。
【図5】本実施例の差分時間などを示した図。
【図6】本実施例の起動時間の記憶形態の一例を示した図。
【図7】本実施例の電子機器の処理フローの一例を示した図。
【図8】本実施例の効果を説明するための図。
【図9】別の実施形態の制御手段の機能構成例などを示す図。
【図10】電源制御回路の機能構成例などを示した図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態1>
本実施例では、電子機器とは、電源が供給されることで起動し、所定の処理を行なうものである。以下では、電子機器を画像形成装置であるとして説明する。画像形成装置とは例えば、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機などである。また、以下の説明では、各実施形態において、機能構成例、処理フロー、の説明では、同じ処理については、同じ参照番号、同じステップ番号を付加し、重複説明を省略する。
[ハードウェア構成]
図2に、本実施例の画像形成装置100のハードウェア構成を示す。図2に示すようには、本実施例の画像形成装置100は、コントローラ制御手段105、エンジン制御手段180、操作手段220、第1周辺機202、第2周辺機204、書込手段206、読取手段208、定着手段210、などを含む。
【0010】
制御手段110は、コンピュータの中で、各装置の制御やデータの演算、加工を行う。また、制御手段110は、RAM120に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、外部からデータを受け取り、演算、加工した上で、当該データを出力する。
【0011】
RAM120には、制御手段110が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存される。また、ROM(Read Only Memory)130については後述する。また、RAM120、ROM130をそれぞれ第1記憶手段120、第2記憶手段130としてもよい。
【0012】
外部記憶装置I/F手段140は、USB(Universal Serial Bus)などのデータ伝送路を介して接続された記憶媒体150(例えば、フラッシュメモリなど)と画像形成装置100とのインタフェースである。
【0013】
また、記憶媒体150に、所定のプログラムを格納し、この記憶媒体150に格納されたプログラムは外部記憶装置I/F手段140を介して画像形成装置100にインストールされ、インストールされた所定のプログラムは画像形成装置100により実行可能となる。
【0014】
エンジンI/F手段160は、エンジン制御手段180とコントローラ制御手段105とのインタフェースである。また、ユーザI/F手段170は、操作手段220とコントローラ制御手段105とのインタフェースである。ユーザにより操作手段220から操作された操作内容は、コントローラ制御手段105に入力される。
【0015】
また、画像形成装置100は、内部に内部処理手段と、後付機としての周辺機を有する。内部処理手段とは、画像形成装置100の内部に設けられたものであり、図2の例では、内部処理手段は、コントローラ制御手段105、エンジン制御手段180、書込手段206、読取手段208、定着手段210である。また、周辺機は、画像形成装置100の周辺に設けられたものであり、図2の例では、第1周辺機202、第2周辺機204である。第1周辺機202、第2周辺機204とは例えば、フィニッシャーや、ADF(auto document feeder)や、排紙トレイなどである。本実施例では、コントローラ制御手段105、エンジン制御手段180、第1周辺機202、第2周辺機204、書込手段206、読取手段208、定着手段210をまとめて、処理手段200とする。処理手段200それぞれは、所定の処理を行なうものである。
【0016】
エンジン制御手段180は、制御手段110の指示の元、第1周辺機202、第2周辺機204、書込手段206、読取手段208、定着手段210を動作させる。例えば、ユーザが読取対象の原稿をセットして、操作手段220から読み取る旨の操作をすると、読取手段208は、原稿を光学的に読み取ることで、画像データを生成する。当該画像データは、制御手段110に送信される。そして、制御手段110が、回転、拡大、縮小など、ユーザにより設定された処理を画像データに対して施す。そして、書込手段206が感光体ドラムに対して、潜像を書込み、定着手段210が当該潜像を用紙に対して定着させる。また、第1周辺機202や、第2周辺機204などにより、所定の処理が行なわれる。
【0017】
図3に、本実施例の画像形成装置100の電源供給についてのブロック図を示す。図3の例の画像形成装置100には、主電源301と、供給手段302と、制御手段110と、エンジン制御手段180と、第1周辺機202、第2周辺機204、書込手段206、読取手段208、定着手段210とが含まれている。図3中の細線の矢印は制御信号を示し、太線の矢印は供給される電源の流れを示す。
【0018】
また、エンジン制御手段180中の電源制御回路1802は、処理手段200の一部(この例では、第1周辺機202、第2周辺機204、書込手段206、読取手段208、定着手段210)に対して、供給手段302からの電源を供給する。そして、電源制御回路1802による各処理手段200への電源供給の開始時刻(開始タイミング)は、供給制御手段1102により制御される。供給制御手段1102の制御手法、カウンタ1104、算出手段1106の処理内容については、後述する。また、全ての処理手段200それぞれは電源が供給開始されることで起動開始し、全ての処理手段200が起動完了した時に、画像形成装置100自身は起動完了する。
[電源供給制御について]
次に、本実施例の電源供給制御について説明する。図4に、各処理手段200の電源供給開始タイミングについて示す。また、本実施例の画像形成装置では、図4に示すように、それぞれの処理手段200への電源供給開始と、当該処理手段の起動開始とを同時に行なう。また、それぞれの処理手段200は、電源が一定量供給されることで起動完了する。本実施例では、図4に示すように、供給制御手段1102(図3参照)は、複数の処理手段200それぞれの起動完了する時刻が同時になるように、複数の処理手段200に対する電源の供給開始時刻を調整する。
【0019】
また、図5に各処理手段200についての起動時間について示す。起動時間とは、電源供給開始時刻(起動開始時刻)から、起動完了時刻までに要する時間であり、例えば、画像形成装置100の製造時に予め測定され定められるものである。図5のハッチングを付しているバーは、起動時間内での(起動処理)の消費電力を示している。本実施例では、管理者などが、各処理手段200の起動時間を予め測定しておき、本実施例のRAM120(図2参照)に、全ての処理手段200の起動時間が記憶させておく。上述のように、本実施例の各処理手段は、電源が供給されると同時に、起動開始する。
【0020】
図5の例では、エンジン制御手段180、第1周辺機202、第2周辺機204、書込手段206、読取手段208、定着手段210、コントローラ制御手段105それぞれの起動時間は、t1、t2、t3、t4、t5、t6、tcとする。当該起動時間は、例えは、図6記載のような形式で、ROM130に記憶されている。
【0021】
そして、算出手段1106は、ROM130に記憶されている、各処理手段200の起動時間をRAM120に展開する。そして、算出手段1106は、各処理手段200の起動開始時刻を算出して、RAM120に展開する。ここで、複数の処理手段200のうち、起動時間が最も長い処理手段を「第1処理手段310」とし、第1処理手段とは他の処理手段を「第2処理手段320」とする。図5、図6の例では、第1処理手段310とは、コントローラ制御手段105であり、第2処理手段320とは、エンジン制御手段180、第1周辺機202、第2周辺機204、書込手段206、読取手段208、定着手段210である。
【0022】
図5に示すように、第1処理手段310の電源供給開始時刻は、主電源ON時刻T1とされる。主電源ON時刻T1とは、ユーザにより画像形成装置100の主電源がONされた時刻である。また、第2処理手段320の電源供給開始時刻は、主電源ON時刻T1から、第1処理手段310の起動時間tcから第2処理手段320の起動時間t1〜t5を差し引いた時間の経過後の時刻であるとする。
【0023】
図5の例では、エンジン制御手段180、第1周辺機202、第2周辺機204、書込手段206、読取手段208、定着手段210(第2処理手段320)の電源供給開始時刻をそれぞれTx1、Tx2、Tx3、Tx4、Tx5、Tx6とする。また、コントローラ制御手段105(第1処理手段310)の電源供給開始時刻をTx7とする。Tx1、〜Tx7は以下の式により定められる。
電源供給開始時刻Tx1=主電源ON時刻T1から、差分時間td1経過後の時刻
差分時間td1=tc−t1
電源供給開始時刻Tx2=主電源ON時刻T1から、差分時間td2経過後の時刻
差分時間td2=tc−t2
電源供給開始時刻Tx3=主電源ON時刻T1から、差分時間td3経過後の時刻
差分時間td3=tc−t3
電源供給開始時刻Tx4=主電源ON時刻T1から、差分時間td4経過後の時刻
差分時間td4=tc−t4
電源供給開始時刻Tx5=主電源ON時刻T1から、差分時間td5経過後の時刻
差分時間td5=tc−t5
電源供給開始時刻Tx6=主電源ON時刻T1から、差分時間td6経過後の時刻
差分時間td6=tc−t6
電源供給開始時刻Tx7=主電源ON時刻T1
となる。これらの式をまとめて式(1)とする。
【0024】
算出手段1106は上記式(1)を演算することで、電源開始時刻Tx1〜Tx7を求めると、当該電源開始時刻Tx1〜Tx7をRAM120に展開する。そして、供給制御手段1102は、それぞれの電源開始時刻に到達すると、電源制御回路1802にそれぞれの処理手段200に対して電源供給を開始する。時刻(時間)の計測は、カウンタ1104が行なう。
【0025】
つまり、供給制御手段1102は、電源開始時刻Tx1になると、エンジン制御手段180への電源供給を開始する。供給制御手段1102は、電源開始時刻Tx2になると、第1周辺機202への電源供給を開始する。供給制御手段1102は、電源開始時刻Tx3になると、第2周辺機204への電源供給を開始する。供給制御手段1102は、電源開始時刻Tx4になると、書込手段206への電源供給を開始する。供給制御手段1102は、電源開始時刻Tx5になると、読取手段208への電源供給を開始する。供給制御手段1102は、電源開始時刻Tx6になると、定着手段210への電源供給を開始する。供給制御手段1102は、電源開始時刻Tx7(つまり、主電源がONとされたと同時)になると、コントローラ制御手段105への電源供給を開始する。
【0026】
このような電源供給を行なうと、全ての処理手段200が同時に(起動完了時刻T2に)起動完了する。そして、全ての処理手段200の起動が完了すると(起動完了時刻T2に至ると)と共に、画像形成装置100の起動が完了する。つまり、全ての処理手段200の起動完了時刻T2が、画像形成装置100の起動完了時刻T2となる。図5のように、供給制御手段1102が、電源供給開始時刻の調整を行なうことで、各処理手段200の起動完了時刻を同時にすることが出来る。
【0027】
また、上記では、カウンタ1104は時間を計測すると説明したが、カウンタ1104は、短時間ごと(例えば、0.1秒ごとに)カウントしていくようしてもよい。図7にカウンタ1104がカウントする場合の処理フローを示す。また、本実施例において、カウンタ1104が時間を計測する処理には、カウンタ1104がカウントする処理が含まれているとする。また、図7の処理フローは、カウンタ1104が時間を計測する場合でも適用することが出来る。
【0028】
まず、主電源がONされると(ステップS2のYes)、当該主電源がONされたと同時に、供給手段302(図3参照)は最初にコントローラ制御手段105に電力を供給する。上述のように、コントローラ制御手段105は、起動時間が最も長い第1処理手段310だからである。電力が供給されたコントローラ制御手段105内のカウンタ1104は、当該コントローラ制御手段105内のカウント開始する(ステップS6)。
【0029】
次に、算出手段1106は、それぞれの処理手段200の起動カウント値を読み出す。起動カウント値とは、図5記載の各処理手段200それぞれの起動時間t1、t2、t3、t4、t5、t6、tcに対応するものである。そして、算出手段1106は、電源供給開始カウント値を算出する(ステップS10)。当該電源供給開始カウント値は、図5記載の差分時間td1、td2、td3、td4、td5、td6に対応するものである。そして、供給制御手段1102は、以下の式(2)が成立するか否かを判断する(ステップS12)。
カウンタ1104がカウントしたカウント値>電源供給開始カウント値 (2)
式(2)が成立するということは、現在の時刻が、処理手段200それぞれの電源供給開始時刻Tx1、Tx2、Tx3、Tx4、Tx5、Tx6に到達したということである。供給制御手段1102は、式(2)の不等式が成立した処理手段200に対して(ステップS12のYes)、電源制御回路1802に電源供給を開始させる。図5の例では、定着手段210、エンジン制御手段180・・・の順番で、電源供給を開始させる。また、各処理手段200は、電源が供給されると同時に、起動を開始する(ステップS14)。そして、全ての処理手段200の起動が完了すると、画像形成装置100全体の起動が完了する(ステップS16)。このように、カウンタ1104がカウントする構成であっても、全ての処理手段についての起動完了時刻を同時にすることが出来る。
【0030】
また、上記の説明では、画像形成装置100を起動させている最中に、差分時間td1、〜td6(図7の例では、ステップS10の電源供給開始カウント値)を算出した。第1処理手段310の起動時間tcと、第2処理手段320の起動時間t1〜t6、tcは予め測定されているものであるから、他の実施形態として、差分時間td1〜td6を予め測定しておき、RAM120(記憶手段)に記憶させることも出来る。そして、供給制御手段1102は、記憶された差分時間td1〜td6を用いて、Tx1〜Tx7を定めるようにしてもよい。このようにすることで、差分時間td1〜td6の算出コストを削減することが出来る。
【0031】
また、上記の説明では、式(1)などを用いて、全ての処理手段の起動完了時刻を同一にすることを説明したが、他の手法を用いて全ての処理手段の起動完了時刻を同一にするようにしてもよい。
【0032】
本実施形態1の画像形成装置100であれば、従来と比較して、画像形成装置100の起動時の消費電力量を低減させることが出来る。従来と比較して低減される消費電力量を図8に模式的に示す。図8は、図1のドットが付されたバーを白色にしたものである。当該白色のバーが従来と比較して、低減された消費電力量である。つまり、起動完了時刻T2(全ての処理手段200の起動が完了するまでの時刻)まで、起動完了した処理手段200が待機する間に消費される待機消費電力量が、低減された消費電力量となる。
【0033】
また、本実施例の画像形成装置100では、電力供給と各処理手段200への起動開始とを同一にする。従って、各処理手段200へ起動開始信号を送信する必要はないので、起動開始信号の送信コストを削減することが出来る。
[実施形態2]
次に、実施形態2の画像形成装置について説明する。この実施形態2は、RAM120に予め差分時間を記憶させておく場合の形態である。図9に、実施形態2のコントローラ制御手段105−2の機能構成例について示す。図9記載のコントローラ制御手段105−2は、図3記載のコントローラ制御手段105と比較して、測定手段1108が設けられている点で異なる。実施形態1の画像形成装置では、起動時間は予め定められているとして説明した。
【0034】
ところで、画像形成装置の使用が進むにつれて、老朽化などの原因により、複数の処理手段200それぞれの起動時間が変化する場合がある。そこで、実施形態2では、測定手段1108が複数の処理手段200それぞれの起動時間のうち、少なくとも1つの起動時間を測定する。好ましくは、測定手段1108は、複数の処理手段200全ての起動時間を測定する。測定手段1108は、主電源がONされて、起動完了したした場合に(図4、図5など参照)、少なくとも1つの起動時間の測定タイミングを測定するようにすればよい。以下では、測定手段1108は、複数の複数の処理手段200全ての起動時間t1〜t6、tc(図5参照)を測定するものとする。
【0035】
そして、測定手段1108は、上記式(1)中の差分時間の式を演算することで、差分時間td1〜td6を求める。そして、測定手段1108は、RAM120に既に記憶されていた差分時間td1〜td6を、新たに測定手段1108により求められた差分時間td1〜td6に更新する。
【0036】
そして、再び、ユーザが画像形成装置100を使用するために主電源301がONされたとする。当該主電源301がONされると、図7の処理フローが実行される。実施形態2の供給制御回路1102は、更新された差分時間を用いて、電源の供給開始時刻を定める。
【0037】
また、測定手段1108は、主電源301がONされる度に、起動時間、差分時間の測定を行なうようにしてもよく、所定回数、主電源301がONされる毎に(例えば、3回、主電源301がONされる毎に)、起動時間、差分時間の測定を行なうようにしてもよい。この際に、RAM120に記憶されていた、測定手段1108により測定された少なくとも1つの起動時間は更新される。
【0038】
つまり、今回の主電源のONがN回目であるとした場合に、N−1回目、または、N−2回目以前に主電源がONされた際に、測定手段1108により測定された起動時間を用いて、電源の供給開始時刻を定める。
【0039】
この実施形態2の画像形成装置によれば、測定手段1106により測定された起動時間、差分時間を用いて、処理手段200への電源の供給開始時刻を定める。従って、画像形成装置の老朽化などにより、複数の処理手段の起動時間が変化したとしても、当該変化した起動時間を反映させた電源の供給開始時刻を定めることが出来る。
[実施形態3]
次に、実施形態3の画像形成装置について説明する。実施形態3では、電源制御回路1802の詳細を説明する。図10の例では、電源制御回路1802は、4個のN−Ch:MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field effect transistor)1902と、4個のP−ch:MOSFET1904と、リレー手段1906とを含む。
【0040】
第1周辺機202、第2周辺機204、書込手段206、読取手段208は、DC電源で駆動するとする。DC電源で駆動する処理手段については、N−Ch:MOSFET1902とP−ch:MOSFET1904とで駆動制御する。N−Ch:MOSFET1902は、NPNトランジスタに代替しても同様の処理を行なうことができる。また、P−ch:MOSFET1904は、PNPトランジスタに代替しても同様の処理を行なうことができる。また、定着手段210は、AC電源で駆動する。AC電源で駆動する処理手段については、リレー手段1906で駆動制御する。
【0041】
また、供給制御手段1102は、電源制御回路1802に対して、制御信号としてハイレベル信号を送信すると、当該電源制御回路1802は、電源供給を開始する。また、供給制御手段1102は、電源制御回路1802に対して、制御信号としてローレベル信号を送信すると、当該電源制御回路1802は、電源供給を停止する。
【0042】
つまり、電源制御回路1802は、FET、トランジスタ、リレーのうち少なくとも1つで構成されていることが好ましい。
【符号の説明】
【0043】
100 画像形成装置
105 コントローラ制御手段
110 制御手段
120 RAM
130 ROM
140 外部記憶装置I/F手段
150 記憶手段
160 エンジンI/F手段
170 ユーザI/F手段
180 エンジン制御手段
200 処理手段
220 操作手段
302 供給手段
310 第1処理手段
320 第2処理手段
1102 供給制御手段
1104 カウンタ
1106 算出手段
1108 測定手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0044】
【特許文献1】特開2008−307733号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが所定の処理を行なう複数の処理手段と、
主電源がONされると、前記複数の処理手段に対して電源を供給することで、当該複数の処理手段を起動させる供給手段を有し、前記複数の処理手段全てが起動完了すると、起動完了する電子機器であって、
前記複数の処理手段それぞれの起動完了する時刻が全て同時になるように、前記複数の処理手段に対する前記電源の供給開始時刻を調整する供給制御手段を有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記供給制御手段は、
前記複数の処理手段のうち、起動時間が最も長い処理手段への前記電源の供給開始時刻を、前記主電源がONされた時刻とし、
前記複数の処理手段のうち、前記起動時間が最も長い処理手段とは別の1以上の処理手段への前記電源の供給開始時刻を、前記主電源がONされた時刻から、当該別の1以上の処理手段それぞれの起動時間を差し引いた差分時間の経過後の時刻とすることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記1以上の差分時間は予め求められるものであり、当該求められた前記1以上の差分時間が記憶されている記憶手段を有し、
前記供給制御手段は、
複数の処理手段のうち、前記別の1以上の処理手段への前記電源の供給開始時刻を、前記主電源がONされた時刻から、前記記憶手段に記憶されている前記1以上の差分時間の経過後の時刻とすることを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記1以上の差分時間を測定し、前記記憶手段に記憶されている前記1以上の差分時間を当該測定された前記1以上の差分時間に更新する測定手段を有することを特徴とする請求項3記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−61719(P2013−61719A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198373(P2011−198373)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】