説明

電子機器

【課題】使用時に傾斜することが可能な電子機器を提供する。
【解決手段】一つの実施形態によれば、電子機器は、操作面を有した第1の筐体と、第2の筐体と、前記第1の筐体の端部に隣り合う可動部と、ヒンジ部と、を備える。前記ヒンジ部は、前記第1の筐体と前記可動部とを連結した第1のヒンジと、前記第2の筐体と前記可動部とを連結して前記第1のヒンジと連動した第2のヒンジとを有し、前記第2の筐体が前記操作面から離れる向きに回動された時、前記可動部を前記操作面とは反対側に回動させて前記可動部を前記操作面とは反対側に突出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
表示部が本体部に対して回動される電子機器が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−216116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
使用時に傾斜することが可能な電子機器が要望されている。
【0005】
本発明の目的は、使用時に傾斜することが可能な電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、電子機器は、操作面を有した第1の筐体と、第2の筐体と、前記第1の筐体の端部に隣り合う可動部と、ヒンジ部と、を備える。前記ヒンジ部は、前記第1の筐体と前記可動部とを連結した第1のヒンジと、前記第2の筐体と前記可動部とを連結して前記第1のヒンジと連動した第2のヒンジとを有し、前記第2の筐体が前記操作面から離れる向きに回動された時、前記可動部を前記操作面とは反対側に回動させて前記可動部を前記操作面とは反対側に突出させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態に係る電子機器の閉じられた状態を示す斜視図。
【図2】図1中に示された電子機器の開かれた状態を示す斜視図。
【図3】図1中に示された電子機器の断面図。
【図4】図1中に示された電子機器の内部を模式的に示す斜視図。
【図5】図4中に示された電子機器のF5線で囲まれた領域を示す斜視図。
【図6】図4中に示された電子機器のF6線で囲まれた領域を示す斜視図。
【図7】図5中に示されたヒンジ部の斜視図。
【図8】図7中に示されたヒンジ部を分解して示す斜視図。
【図9】図7中に示されたヒンジ部の動きを示す図。
【図10】図1中に示された電子機器の第1の変形例を示す図。
【図11】図1中に示された電子機器の第2の変形例を示す斜視図。
【図12】図1中に示された電子機器の第3の変形例を示す斜視図。
【図13】図1中に示された電子機器の第4の変形例を示す斜視図。
【図14】図13中に示されたヒンジ部の別の状態を示す斜視図。
【図15】図1中に示された電子機器の第5の変形例を示す断面図。
【図16】図1中に示された電子機器の第6の変形例を示す斜視図。
【図17】第2の実施形態に係る電子機器の閉じられた状態を示す斜視図。
【図18】図17中に示された電子機器の開かれた状態を示す斜視図。
【図19】第3の実施形態に係る電子機器を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1乃至図16は、第1の実施形態に係る電子機器1を開示している。電子機器1は、例えばノートブック型パーソナルコンピュータ(ノートPC)である。なお本実施形態が適用可能な電子機器は、上記に限定されるものではない。本実施形態は、例えば、携帯電話やスマートフォン、電子書籍端末、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などを含む種々の電子機器に広く適用可能である。
【0010】
図1乃至図4に示すように、電子機器1は、第1のユニット2(例えば本体部)と、第2のユニット3(例えば表示部)と、第3のユニット4(例えばチルト部)と、ヒンジ部5,6とを備えている。第1のユニット2は、第1の筐体11を備えている。第1の筐体11は、上壁12、下壁13、及び周壁14を有し、扁平な箱状に形成されている。上壁12は、「第1の壁部」の一例である。下壁13は、「第2の壁部」の一例であり、上壁12とは反対側に位置されている。
【0011】
下壁13は、電子機器1を机の上に置いた時に、その机上面S(載置面)に向かい合う。下壁13には、例えば複数の脚部15が設けられている。電子機器1が折り畳まれた姿勢で机の上に置かれた時、脚部15は、机上面Sに接し、電子機器1を支持する。
【0012】
上壁12は、下壁13との間に空間を空けて、下壁13と略平行に広がる。上壁12には、キーボード16が取り付けられている。キーボード16は、「入力部」の一例である。なお入力部としては、例えばタッチパネルなど他の入力機構であってもよい。上壁12は、キーボード16などの入力部が設けられ、電子機器1への入力を受け付ける「操作面」の一例である。以下、説明の便宜上、「上壁12」を「操作面12」と読み替えることもある。
【0013】
周壁14は、下壁13に対して起立し、下壁13の周縁部と上壁12の周縁部との間を繋いでいる。第1の筐体11には、回路基板17が収容されている。回路基板17の一例は、メインボードである。なお回路基板17は、後述の第2の筐体21に収容されてもよい。
【0014】
第1の筐体11は、第1の端部11a(例えば後端部)と、第2の端部11b(例えば前端部)とを有する。第1の端部11aには、ヒンジ部5,6が連結されている。第2の端部11bは、第1の端部11aとは反対側に位置される。なお本明細書では、電子機器1を使用するユーザーに近い方を「前」、ユーザーから遠い方を「後ろ」と定義している。また電子機器1を使用するユーザーから見て左右を定義している。
【0015】
図2に示すように、第2のユニット3は、第2の筐体21と、この第2の筐体21に収容された表示装置22とを備えている。表示装置22は、例えば液晶ディスプレイであるが、これに限定されるものではない。表示装置22は、画像や映像が表示される表示画面22aを有する。
【0016】
第2の筐体21は、ヒンジ部5,6によって、第1の筐体11の第1の端部11aに回動可能(開閉可能)に連結されている。第2の筐体21は、第1の筐体11に重ねられ、第1の筐体11を覆う第1の位置(第1の姿勢)と、操作面12から離れる向きに上記第1の位置から回動され、操作面12が外部に露出される第2の位置(第2の姿勢)との間で回動可能である。
【0017】
第2の筐体21は、前壁23、背壁24、及び周壁25を有し、扁平な箱状に形成されている。前壁23は、第2の筐体21が上記第1の位置にあるとき、第1の筐体11の操作面12に向かい合う。前壁23は、表示装置22の表示画面22aが露出される開口部23aを有する。背壁24は、前壁23との間に空間を空けて、前壁23と略平行に広がる。周壁25は、前壁23及び背壁24に対して起立し、前壁23の周縁部と背壁24の周縁部との間を繋いでいる。
【0018】
第2の筐体21は、第1の端部21a(例えば下端部)と、第2の端部21b(例えば上端部)とを有する。第1の端部21aには、ヒンジ部5,6が連結されている。第2の端部21bは、第1の端部21aとは反対側に位置される。なお本明細書では、上記第2の位置にある電子機器1の姿勢を基準に各部を呼称している。
【0019】
第3のユニット4は、第3の筐体31を有する。第3の筐体31は、「可動部」の一例である。図1に示すように、第3の筐体31は、第1の筐体11及び第2の筐体21の後方に設けられている。第3の筐体31は、第1の筐体11と第2の筐体21とが重ねられた時、第1の筐体11及び第2の筐体21とは重ならない位置に設けられている。
【0020】
第3の筐体31は、第1の筐体11よりも厚く、第2の筐体21よりも厚い。第3の筐体31の厚さは、例えば第1の筐体11と第2の筐体21とを合わせた厚さと略同じである。第1の筐体11と第2の筐体21とが重ねられた時、第3の筐体31の表面(例えば上面)と第2の筐体21の表面(例えば上面)とは、略同じ平面上に位置される。
【0021】
なお第3の筐体31の厚さは、第1の筐体11と第2の筐体21とを合わせた厚さよりも小さくてもよく、大きくてもよい。なお第3の筐体31の厚さが、第1の筐体11と第2の筐体21とを合わせた厚さと略同じがそれよりも小さいと、電子機器1の可搬性(携帯性)が向上する。
【0022】
図1に示すように、第3の筐体31は、第1の筐体11の第1の端部11a及び第2の筐体21の第1の端部21aの近く(例えば近傍)に位置され、第1の筐体11の第1の端部11a及び第2の筐体21の第1の端部21aに隣接している。第3の筐体31は、第1の筐体11の長手方向に延びている。第3の筐体31は、第1の筐体11及び第2の筐体21と略同じ幅を有する。
【0023】
第3の筐体31は、第1の筐体11と第2の筐体21とが重ねられた時、第1の筐体11及び第2の筐体21と略平行になり、第1の筐体11及び第2の筐体21と略水平に並ぶ。すなわち、第1の筐体11の短手方向(第2の端部11bから第1の端部11aに向かう方向)において、第1の筐体11と第3の筐体31とは略直線状に並ぶ。
【0024】
図1乃至図3に示すように、第3の筐体31は、前壁32、後壁33、上壁34、下壁35、左側壁36、及び右側壁37を有する。前壁32は、第1の筐体11と第2の筐体21とが重ねられた時、略鉛直方向に延びるとともに、第1の筐体11及び第2の筐体21に向かい合う。後壁33は、前壁32とは反対側に位置される。
【0025】
上壁34は、第1の筐体11と第2の筐体21とが重ねられた時、第2の筐体21の背壁24と共に略水平に広がり、背壁24と略同じ平面上に位置される。下壁35は、第1の筐体11と第2の筐体21とが重ねられた時、第1の筐体11の下壁13と共に略水平に広がり、下壁13と略同じ平面上に位置される。左側壁36及び右側壁37は、第3の筐体31の左右の端部に設けられ、それぞれ前壁32の縁部と後壁33の縁部との間を繋いでいる。
【0026】
図1及び図3に示すように、第3の筐体31には、バッテリー41が搭載されている。バッテリー41は、例えば第1の筐体11よりも厚く、第2の筐体21よりも厚い。バッテリー41は、電子機器1のなかの重量物のひとつであり、例えば回路基板17よりも重い。第3の筐体31は、バッテリー41を搭載することで、比較的重くなっている。図3に示すように、バッテリー41は、円柱状のセル42(バッテリセル)を有する。第3の筐体31の後壁33の少なくとも一部は、例えばセル42の外形に沿う円弧状に形成されている。
【0027】
図1に示すように、第3の筐体31の左側壁36または右側壁37には、コネクタ43が搭載されている。コネクタ43は、「電子部品」の一例であり、第3の筐体31に収容されている。なお、第3の筐体31に収容される電子部品は上記に限定されず、例えばバッテリー41に関連した電源部品や、その他の部品であってもよい。コネクタ43の一例は、例えばRJ45のようなLANコネクタや、RGBコネクタであり、比較的背が高い大型のコネクタである。コネクタ43は、外部に露出されている。
【0028】
図2及び図3に示すように、第3の筐体31の少なくとも一部は、第1の筐体11と第2の筐体21の間に位置される。第3の筐体31の左前端部と右前端部には、一対の受け部45が設けられている。受け部45は、第3の筐体31の内側に向けて窪んでいる。第1の筐体11は、第3の筐体31の受け部45に突出した一対の突出部46を有する。第2の筐体21は、第3の筐体31の受け部45に突出した一対の突出部47を有する。
【0029】
図4乃至図6に示すように、一対のヒンジ部5,6は、電子機器1の左右の端部に分かれて設けられ、それぞれ第1の筐体11、第2の筐体21、及び第3の筐体31を回動可能に連結している。電子機器1の左端部のヒンジ部5は、右端部のヒンジ部6と構成及び機能が略同じであるので、右端部のヒンジ部6を代表して詳しく説明し、同一の機能を有する構成に同一の符号を付して左端部のヒンジ部5の説明は省略する。
【0030】
図5、図7乃至図9に示すように、ヒンジ部6は、2軸ヒンジ機構51を有する。2軸ヒンジ機構51は、第1のヒンジ52、第2のヒンジ53、及び連動部54を有する。第1のヒンジ52は、第1の筐体11と第3の筐体31との間に設けられ、第1の筐体11と第3の筐体31とを回動可能に連結している。第2のヒンジ53は、第2の筐体21と第3の筐体31との間に設けられ、第2の筐体21と第3の筐体31とを回動可能に連結している。連動部54は、第1のヒンジ52の動きと第2のヒンジ53の動きとを連動させる。
【0031】
詳しく述べると、2軸ヒンジ機構51は、第1の筐体11に固定された第1の固定部55(例えば本体部固定板金)と、第2の筐体21に固定された第2の固定部56(例えば表示部固定板金)と、第3の筐体31に固定された第3の固定部57(例えばチルト部固定板金)を備えている。第1の固定部55は、第1のヒンジ52の一部である。第2の固定部56は、第2のヒンジ53の一部である。第3の固定部57は、第1のヒンジ52の一部であるとともに、第2のヒンジ53の一部でもある。第3の固定部57は、第1及び第2のヒンジ52,53のヒンジ軸を支持するヒンジホルダーであり、2つの孔57a,57b(支持孔)を有する。
【0032】
図7及び図8に示すように、第1のヒンジ52は、第1の軸61(第1のヒンジ軸)と、第1の歯車62と、ワッシャー63と、皿ばね64とを有する。第1の固定部55は、第1の軸61の端部に固定されている。第1の軸61は、第3の固定部57の孔57aに挿入され、第3の固定部57に回動可能に支持されている。第1の軸61は、第3の固定部57に側方から向かい合う拡径部65を有する。
【0033】
第1の歯車62は、第3の固定部57と第1の軸61の拡径部65との間に配置されるとともに、第1の軸61に固定されている。第1の歯車62は、第1の軸61と同軸上に位置される。ワッシャー63及び皿ばね64は、第1の軸61に取り付けられ、協働して、第1のヒンジ52にトルク(ブレーキトルク)を与える第1のブレーキ部66を構成している。
【0034】
第1のブレーキ部66は、第1の軸61の拡径部65とは反対側から第3の固定部57に当接し、第3の固定部57を第1の歯車62に向けて押圧している。これにより、第3の固定部57と第1の軸61との間に所定のトルクが与えられている。
【0035】
同様に、第2のヒンジ53は、第2の軸71(第2のヒンジ軸)と、第2の歯車72と、ワッシャー73と、皿ばね74とを有する。第2の固定部56は、第2の軸71の端部に固定されている。第2の軸71は、第3の固定部57の孔57bに挿入され、第3の固定部57に回動可能に支持されている。第2の軸71は、第3の固定部57に側方から向かい合う拡径部75を有する。
【0036】
第2の歯車72は、第3の固定部57と第2の軸71の拡径部75との間に配置されるとともに、第2の軸71に固定されている。第2の歯車72は、第2の軸71と同軸上に位置される。ワッシャー74及び皿ばね74は、第2の軸71に取り付けられ、協働して、第2のヒンジ53にトルク(ブレーキトルク)を与える第2のブレーキ部76を構成している。
【0037】
第2のブレーキ部76は、第2の軸71の拡径部75とは反対側から第3の固定部57に当接し、第3の固定部57を第2の歯車72に向けて押圧している。これにより、第3の固定部57と第2の軸71との間に所定のトルクが与えられている。
【0038】
第2の歯車72は、第1の歯車62に係合し、噛み合っている。つまり、第1及び第2の歯車62,72は、互いに連動して動く。第1及び第2の歯車62,72は、協働して連動部54の一例を構成している。これにより、図9に示すように、第1のヒンジ52と第2のヒンジ53とは互いに連動しており、第1の固定部55に対して第2の固定部56を回動させると、第1の固定部55に対して第3の固定部57も回動する。すなわち、第1の筐体11に対して第2の筐体21を回動させると、第1の筐体11に対して第3の筐体31が自動的に回動される。
【0039】
詳しく述べると、図2及び図3に示すように、第3の筐体31は、ヒンジ部5,6によって、第1の筐体11の第1の端部11a及び第2の筐体21の第1の端部21aに連結されている。第1の筐体11と第2の筐体21とが開かれた時、すなわち、第2の筐体21が第1の筐体11の操作面12から離れる向きに回動された時、電子機器1は、操作面12及び表示画面22aが外部に露出された使用状態になる。
【0040】
このとき、第3の筐体31は、第2の筐体21の回動に連動し、操作面12とは反対側に自動的に回動される。つまり、第2の筐体21が操作面12から離れる向きに回動された時、第3の筐体31が操作面12とは反対側に突出するように、第3の筐体31が自動的に回動される。
【0041】
換言すれば、電子機器1が使用状態にされる時、第3の筐体31は、第1の筐体11に対して真っ直ぐな姿勢から、第1のヒンジ52の軸61を回動中心にして、第1の筐体11に対して折れ曲がる。これにより、第3の筐体31は、第1の筐体11の下壁13の後端部の脚部15よりも下方に突出する。
【0042】
このように第3の筐体31が操作面12とは反対側に突出すると、この第3の筐体31によって第1の筐体11の第1の端部11aが第2の端部11bに比べて持ち上がる。そして、第1の筐体11の第2の端部11b及び第3の筐体31が机上面Sに接し、第1の筐体11は、当該第1の筐体11の第2の端部11bと、第3の筐体31とによって支持される。このとき、第1の筐体11の第1の端部11aは、机上面Sから浮いた状態になる。
【0043】
図3に示すように、電子機器1が使用状態にされた時、第1の筐体11は、第1の端部11aから第2の端部11bに向かう第1の方向D1に進むに従い低くなるように傾斜する。すなわち第1の筐体11は、前下がりに傾斜する。第3の筐体31は、第1の方向D1とは反対の第2の方向D2に進むに従い低くなるように傾斜する。すなわち第3の筐体31は、後ろ下がり傾斜する。
【0044】
図3に示すように、電子機器1の使用状態では、第1の筐体11の第2の端部11bと、第3の筐体31とが、ヒンジ部5,6の前後に分かれて位置される。第1の筐体11は、当該第1の端部11aの第2の端部11bと、第3の筐体31とによって互いに異なる方向から支持される。
【0045】
図9に示すように、第1の歯車62と第2の歯車72のギア比は、例えば1対1である。すなわち第1及び第2の歯車62,72は、同一の直径の回転体の上に、同じサイズの歯がついている。このため、第1の固定部55と第2の固定部56との間の回動角度を2θとすると、第1の固定部55と第3の固定部57との間の回動角度はθとなる。すなわち、第1の筐体11に対して第2の筐体21を回動させたとき、第1の筐体11と第2の筐体21との間の回動角度の半分だけ、第1の筐体11に対して第3の筐体31は回動される。
【0046】
換言すると、第2の筐体21は、第1のヒンジ52の回動量と第2のヒンジ53の回動量とを合わせた大きさで回動され、第3の筐体31は、第1のヒンジ52の回動量で回動される。これにより、第3の筐体31は、第1の筐体11に対する第2の筐体21の回動角度よりも小さな角度だけ第1の筐体11に対して回動させる。なお「第1のヒンジの回動量」とは、第1の固定部55に対する第3の固定部57の回動量を指す。「第2のヒンジの回動量」とは第3の固定部57に対する第2の固定部56の回動量を指す。
【0047】
次に、電子機器1の作用について説明する。
図1に示すように、電子機器1が不使用状態の時、第2の筐体21は、操作面12を覆うように第1の筐体11に重ねられている。このとき、電子機器1は、第1の筐体11から第3の筐体31まで真っ直ぐ伸びた状態であり、保管性及び可搬性に優れている。
【0048】
図2及び図3に示すように、電子機器1を使用状態にする時、ユーザーは例えば第2の筐体21の第2の端部21bに手をかけ、操作面12から離れる向きに第2の筐体21を回動させる。これにより、操作面12及び表示画面22aが外部に露出され、電子機器1が操作できるようにする。
【0049】
このとき、第3の筐体31は、第2の筐体21の回動に伴って自動的に回動され、下方に向いて折れ曲がる。これにより、第1の筐体11の第1の端部11aが持ち上げられ、第1の筐体11は、後ろ上がりに傾斜した姿勢になる。このため、第1の筐体11に設けられた入力部(例えばキーボード16)も後ろ上がりに傾斜する。
【0050】
このような構成によれば、薄型化を図るとともに、使用時に傾斜することができる電子機器を提供される。
【0051】
ノートPCのような電子機器は、携帯性向上のため薄型化が進められている。しかしながら、電子機器1が薄くなると、キーボードのような入力部と机上面との間に角度差が生じにくいため、キー入力時に手首に負担がかかることがある。
【0052】
ここで比較のため、ある電子機器を考える。電子機器を使用時に傾斜させるためには、筐体に収容されたスライド脚が外部にスライドして出てくる構造を採用することも考えられる。ここで、A4サイズ(奥行き210mm)のノートPCで例えば5度のチルト角度を得るためには、電子機器の後端部を約18mm持ち上げなくてはならない。筐体からスライド脚が18mm飛び出して安定して電子機器を支持するためには、スライド脚は筐体の内部にも略同じ距離が入っていないと安定しにくい。
【0053】
そのため、スライド脚の全長は、少なくとも36mm必要となる。さらに電子機器は、筐体の肉厚やヒンジが固定される部分などが必要になる。このため、筐体の厚さは40mmを超えた厚いものになりやすい。例えば10度のチルト角度を得るためには、筐体はさらに厚いものになる。
【0054】
さらに、スライド脚はぐらつきやすい。なぜなら、筐体からスライド脚をスライドさせるためには、スライド脚と、このスライド脚を収納する収納部との間にある程度のクリアランス(ガタ)が必要になる。このため、スライド脚は安定した保持が難しく、ノートPCが使用時にぐらつく可能性がある。
【0055】
一方で、本実施形態では、電子機器1は、操作面12を有した第1の筐体11と、第2の筐体21と、ヒンジ部5,6と、第1の筐体11の端部に連結され、第2の筐体21の回動に連動して操作面12とは反対側に回動される可動部31と、を備える。この構成では、第2の筐体21を回動させた時、可動部31が自動的に回動されて、第1の筐体11の下方に突出する。これにより、第1の筐体11が後ろ上がりに傾斜し、第1の筐体11に設けられた操作面12も後ろ上がりに傾斜する。これにより、例えばキー入力のような操作時に、ユーザーの手首に負担がかかりにくくなる。
【0056】
ここで、可動部31は、例えば略水平な姿勢から回動されて、操作面12とは反対側に突出する。このような構成であれば、上記スライド脚を有する構造に比べて、第1の筐体11を薄くすることができる。さらに、回動による構造は、上記スライド脚のスライド構造に比べて必要なクリアランスが小さく、ガタツキにくい。このため、使用時に電子機器1が安定しやすい。
【0057】
本実施形態では、電子機器1は、第1の筐体11と第3の筐体31とを回動可能に連結した第1のヒンジ52と、第2の筐体21と第3の筐体31とを回動可能に連結した第2のヒンジ53と、第1のヒンジ52と第2のヒンジ53とを連動させた連動部54とを有する。これによれば、第2の筐体21の回動に連動させて第3の筐体31を回動させるヒンジ部5,6を、比較的コンパクトに構成することができる。これは、電子機器1の薄型化に寄与する。
【0058】
本実施形態では、電子機器1の使用状態では、第1の筐体11は前下がりに傾斜し、第3の筐体31は後ろ下がりに傾斜する。このため、第1の筐体11は、第2の端部11bと第3の筐体31とによって互いに異なる複数の方向から支持される。このため、第1の筐体11は安定して支持され、電子機器1をより安定して使用することができる。
【0059】
本実施形態では、第3の筐体31には、電子部品(例えばコネクタ43)が収容されている。すなわち、電子機器1を傾斜させるチルト部を利用して、電子部品が収容されている。これは、電子機器1の高密度実装及び薄型化に寄与する。
【0060】
本実施形態では、第3の筐体31には、電子機器1のなかで比較的重い部品であるバッテリー41が搭載されている。このため、第1の筐体11の第1の端部11aを持ち上げた状態でも、電子機器1の重心が低い位置に維持されやすく、電子機器1がより安定しやすい。
【0061】
またバッテリー41は、電子機器1のなかで比較的厚い部品のひとつである。バッテリー41を第3の筐体31に搭載すると、バッテリー41と表示装置22とが重ならないため、製品を薄く設計することができる。これにより、より可搬性に優れた電子機器1が提供可能になる。また、バッテリー41を第3の筐体31に搭載すると、バッテリー41の厚さにとらわれず、第1及び第2の筐体11,21の薄型化を図ることができ、電子機器1の薄型化をより図ることができる。
【0062】
本実施形態では、第3の筐体31は、電子機器1の不使用時では、第1の筐体11及び第2の筐体21とは重ならない位置に設けられるとともに、第1の筐体11よりも厚い。そして、この比較的厚い第3の筐体31を利用してコネクタ43が搭載されている。このため、コネクタ43の高さ(厚さ)にとらわれずに、第1の筐体11の薄型化を図ることができ、電子機器1の薄型化をより図ることができる。
【0063】
本実施形態では、第3の筐体31の厚さは、第1の筐体11と第2の筐体21とを合わせた厚さと略同じであり、第2の筐体21が第1の筐体11に重ねられた時、第3の筐体31の表面と第2の筐体21の表面とが略同じ平面上に位置される。これによれば、電子機器1の可搬性が向上するとともに、美観も向上する。
【0064】
本実施形態では、第3の筐体31は、電子機器1の不使用時に、第1の筐体11と略平行に並ぶ。すなわち電子機器1は、不使用状態でフラットな形状になる。これによれば、電子機器1が不使用状態でより薄いものになり、保管性や可搬性がより向上する。
【0065】
本実施形態では、第2の筐体21は、第1のヒンジ52の回動量と第2のヒンジ53の回動量とを合わせた大きさで回動され、第3の筐体31は、第1のヒンジ52の回動量で回動されることで、第2の筐体21よりも小さな角度だけ回動される。これによれば、第3の筐体31をチルトに必要な角度だけ回動させることができる。
【0066】
本実施形態では、第3の筐体31の後壁33は、円弧状に形成されている。この後壁33は、電子機器1の使用状態で、机上面Sに接する壁部である。この後壁33が円弧状に形成されていると、第3の筐体31の回動角度によらず、第3の筐体31が机上面Sに安定して当接しやすい。このため、電子機器1の支持がより安定する。
【0067】
以下、電子機器1のいつくかの変形例について説明する。なお以下に説明する以外の構成は、上記実施形態と同じである。
【0068】
図10は、電子機器1の第1の変形例を示す。図10に示すように、第1の歯車62と第2の歯車72のギア比は、1対1に限定されない。本変形例では、第1の歯車62と第2の歯車72のギア比は、例えば2対3である。このため、第1の固定部55と第3の固定部57との間の回動角度がθの時、第3の固定部57と第2の固定部56との間の回動角度は3分の2θとなる。
【0069】
このため、同じ角度だけ第2の筐体21を回動させた時、ギア比が1対1の場合に比べて、本変形例の方が第3の筐体31がより大きく回動される。このため、第1の筐体11をより大きく傾けることができる。すなわち、より大きなチルトをつけることができる電子機器1が提供される。
【0070】
図11は、電子機器1の第2の変形例を示す。図11に示すように、本変形例では、第2のヒンジ53のブレーキ部76が省略されている。第2のヒンジ53のブレーキ部76を省略しても、第2のヒンジ53は、第1及び第2の歯車62,72を介して第1のブレーキ部66からトルクを受けることができる。皿ばねを含むブレーキ部は、比較的高価であるため、ブレーキ部76を省略することができると、電子機器1のコストダウンに寄与する。なお、第2のヒンジ53のブレーキ部76を省略するのに代えて、第1のヒンジ52のブレーキ部66を省略してもよい。
【0071】
図12は、電子機器1の第3の変形例を示す。図12に示すように、本変形例では、上記実施形態に比べて、第2のヒンジ53のブレーキ部76の皿ばねが減らされ、トルクが小さくなっている。これによれば、電子機器1のコストダウンを図るとともに、例えば第2の変形例よりも第2のヒンジ53のガタツキをより抑制することができる。
【0072】
図13及び図14は、電子機器1の第4の変形例を示す。図13に示すように、本変形例の連動部54は、第1及び第2の歯車62,72に代えて、第1のヒンジ52の動きと第2のヒンジ53の動きとを連動させるリンク機構81を有する。
【0073】
リンク機構81は、リンク片82を有する。リンク片82の第1の端部は、第1のヒンジ52の第1の軸61の例えば拡径部65に回動可能に連結されている。リンク片82の第2の端部は、第2のヒンジ53の第2の軸71の例えば拡径部75に回動可能に連結されている。第1及び第2のヒンジ52,53は、リンク片82を介して互いに連動する。
【0074】
図15は、電子機器1の第5の変形例を示す。図14に示すように、本変形例では、第3の筐体31にアンテナ85が収容されている。アンテナ85は、「電子部品」の一例である。第1及び第2の筐体11,21は、例えば金属製である。第3の筐体31は、プラスチック製である。アンテナ85は、第3の筐体31の例えば上壁34に沿って配置されている。電子機器1が使用状態にあるとき、アンテナ85は、第1及び第2の筐体11,21とは異なる方向に向くとともに、第1及び第2の筐体11,21に覆われない。このような構成によれば、アンテナの送受信が、第1及び第2の筐体11,21や表示装置22から影響を受けにくく、より良好になる。
【0075】
図16は、電子機器1の第6の変形例を示す。図15に示すように、本変形例では、第1の筐体11の第1の端部11aに、可動部91が設けられている。可動部91は、上記実施形態の第3の筐体31と同様に、第2の筐体21が操作面12から離れる向きに回動された時、操作面12とは反対側に突出するように可動部91が回動される。図15に示すように、可動部91は、第1の筐体11の一部に対応して設けられてもよい。なお図1に示すように、可動部31が第1及び第2の筐体11,21と略同じ幅を有すると、可動部31による電子機器1の支持がより安定する。
【0076】
なお上記第1乃至第6の変形例は、下記の第2及び第3の実施形態でもそれぞれ適用可能である。
【0077】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る電子機器1について、図17及び図18を参照して説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、上記第1の実施形態と同じである。
【0078】
本実施形態に係る電子機器1は、例えば携帯電話である。図17及び図18に示すように、電子機器1は、上記第1の実施形態と同様に、第1の筐体11と、第2の筐体21と、第3の筐体31(可動部)と、ヒンジ部5,6とを備えている。
【0079】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る電子機器1について、図19を参照して説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、上記第1の実施形態と同じである。
【0080】
図19に示すように、電子機器1は、第1の筐体11と、第2の筐体21と、第3の筐体31(可動部)と、ヒンジ部5,6とを備えている。第1の筐体11は、表示装置101が収容されている。表示装置101は、表示画面101aを有する。第1の筐体11は、表示画面101aを露出させる開口部12aを有する。表示画面101には、例えばタッチパネルが設けられ、種々の入力を受付可能になっている。表示画面101は、「入力部」の一例である。第2の筐体21に収容された表示装置22の表示画面22aも、例えば同様にタッチパネルが設けられ、種々の入力を受付可能になっている。
【0081】
本実施形態の電子機器1は、例えば電子書籍のリーダーとしても利用可能であり、電子機器1を縦にした姿勢で、第1及び第2の筐体11,21が例えば本のように開かれた状態で使用することもできる。
【0082】
以上のような第1乃至第3の実施形態によれば、薄型化を図るとともに、使用時に傾斜することが可能な電子機器を提供することができる。
【0083】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0084】
例えばヒンジ部5,6の構成は、2軸ヒンジ機構51に限定されるものではなく、他の構成でもよい。可動部は、電子部品が収容されている必要は無く、バッテリー41を搭載している必要も無い。第2の筐体21の回動に連動させて第3の筐体31(可動部)を回動させる機構は、電子機器1の左右の両端部に設けられる必要は無く、どちらか一方の端部またはその他の部分にだけ設けてもよい。また必要に応じて、机上面Sに接する第3の筐体31(可動部)の部分や、第1の筐体11の一部に、滑り止め(例えばゴム部材)などを取り付けてもよい。
以下、いくつかの電子機器を付記する。
[1]、(i)操作面を有した第1の筐体と、(ii)表示装置が収容された第2の筐体と、(iii)前記第1の筐体の端部に隣接した第3の筐体と、(iv)前記第1の筐体と前記第3の筐体とを回動可能に連結した第1のヒンジと、前記第2の筐体と前記第3の筐体とを回動可能に連結した第2のヒンジと、前記第1のヒンジと前記第2のヒンジとを連動させた連動部とを有し、前記第2の筐体が前記操作面から離れる向きに回動された時、前記第3の筐体が前記操作面とは反対側に突出するように、前記第2の筐体の回動に連動させて前記第3の筐体を回動させるヒンジ部と、を備えた電子機器。
[2]、[1]の記載において、前記第1の筐体は、前記第3の筐体に隣接した第1の端部と、この第1の端部とは反対側に位置された第2の端部とを有し、前記第3の筐体が前記操作面とは反対側に突出した時、前記第1の端部が前記第2の端部に比べて持ち上がり、当該第1の筐体は、前記第2の端部と前記第3の筐体とによって支持される電子機器。
[3]、[2]の記載において、前記第3の筐体が前記操作面とは反対側に突出した時、前記第1の筐体は、前記第1の端部から前記第2の端部に向かう第1の方向に進むに従い低くなるように傾斜し、前記第3の筐体は、前記第1の方向とは反対の第2の方向に進むに従い低くなるように傾斜し、前記第2の端部と前記第3の筐体とが互いに異なる方向から前記第1の筐体を支持する電子機器。
[4]、[1]または[3]の記載において、前記第3の筐体は、電子部品が収容された電子機器。
[5]、[1]または[4]の記載において、前記第1の筐体または前記第2の筐体に収容された回路基板と、前記第3の筐体に搭載され、前記回路基板よりも重いバッテリーと、を備えた電子機器。
[6]、[1]または[5]の記載において、前記第3の筐体は、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが重ねられた時、前記第1の筐体及び前記第2の筐体とは重ならない位置に設けられ、この第3の筐体は、前記第1の筐体よりも厚いとともに、外部に露出されたコネクタが搭載された電子機器。
[7]、[1]または[6]の記載において、前記第3の筐体の厚さは、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを合わせた厚さと略同じであり、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが重ねられた時、前記第3の筐体の表面と前記第2の筐体の表面とが略同じ平面上に位置される電子機器。
[8]、[1]または[7]の記載において、前記第3の筐体は、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが重ねられた時、前記第1の筐体と略平行に並び、前記第2の筐体が前記操作面から離れる向きに回動された時、前記第1の筐体に対して折れ曲がる電子機器。
[9]、[1]または[8]の記載において、前記第2の筐体は、前記第1のヒンジの回動量と前記第2のヒンジの回動量とを合わせた大きさで回動され、前記第3の筐体は、前記第1のヒンジの回動量で回動されることで、第2の筐体よりも小さな角度だけ回動される電子機器。
[10]、(i)操作面を有した第1の筐体と、(ii)第2の筐体と、(iii)前記第1の筐体と前記第2の筐体とを回動可能に連結したヒンジ部と、(iv)前記ヒンジ部によって前記第1の筐体の端部に連結され、前記第2の筐体の回動に連動して前記操作面とは反対側に回動される可動部と、を備えた電子機器。
【符号の説明】
【0085】
D1…第1の方向、D2…第2の方向、1…電子機器、5,6…ヒンジ部、11…第1の筐体、11a…第1の端部、11b…第2の端部、12…操作面、17…回路基板、21…第2の筐体、22…表示装置、31…第3の筐体(可動部)、41…バッテリー、43…コネクタ、52…第1のヒンジ、53…第2のヒンジ、54…連動部、91…可動部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作面を有した第1の筐体と、
表示装置が収容された第2の筐体と、
前記第1の筐体の端部に隣り合う第3の筐体と、
前記第1の筐体と前記第3の筐体とを回動可能に連結した第1のヒンジと、前記第2の筐体と前記第3の筐体とを回動可能に連結した第2のヒンジと、前記第1のヒンジと前記第2のヒンジとを連動させた連動部とを有し、前記第2の筐体が前記操作面から離れる向きに回動された時、前記第3の筐体が前記操作面とは反対側に突出するように、前記第2の筐体の回動に連動させて前記第3の筐体を回動させるヒンジ部と、
を備えた電子機器。
【請求項2】
請求項1の記載において、
前記第1の筐体は、前記第3の筐体に隣り合う第1の端部と、この第1の端部とは反対側に位置された第2の端部とを有し、前記第3の筐体が前記操作面とは反対側に突出した時、前記第1の端部が前記第2の端部に比べて持ち上がり、当該第1の筐体は、前記第2の端部と前記第3の筐体とによって支持される電子機器。
【請求項3】
請求項2の記載において、
前記第3の筐体が前記操作面とは反対側に突出した時、前記第1の筐体は、前記第1の端部から前記第2の端部に向かう第1の方向に進むに従い低くなるように傾斜し、前記第3の筐体は、前記第1の方向とは反対の第2の方向に進むに従い低くなるように傾斜し、
前記第2の端部と前記第3の筐体とが互いに異なる方向から前記第1の筐体を支持する電子機器。
【請求項4】
請求項1または請求項3の記載において、
前記第3の筐体は、電子部品が収容された電子機器。
【請求項5】
請求項1または請求項4の記載において、
前記第1の筐体または前記第2の筐体に収容された回路基板と、
前記第3の筐体に搭載され、前記回路基板よりも重いバッテリーと、を備えた電子機器。
【請求項6】
請求項1または請求項5の記載において、
前記第3の筐体は、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが重ねられた時、前記第1の筐体及び前記第2の筐体とは重ならない位置に設けられ、この第3の筐体は、前記第1の筐体よりも厚いとともに、外部に露出されたコネクタが搭載された電子機器。
【請求項7】
請求項1または請求項6の記載において、
前記第3の筐体の厚さは、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを合わせた厚さと略同じであり、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが重ねられた時、前記第3の筐体の表面と前記第2の筐体の表面とが略同じ平面上に位置される電子機器。
【請求項8】
請求項1または請求項7の記載において、
前記第3の筐体は、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが重ねられた時、前記第1の筐体と略平行に並び、前記第2の筐体が前記操作面から離れる向きに回動された時、前記第1の筐体に対して折れ曲がる電子機器。
【請求項9】
請求項1または請求項8の記載において、
前記第2の筐体は、前記第1のヒンジの回動量と前記第2のヒンジの回動量とを合わせた大きさで回動され、前記第3の筐体は、前記第1のヒンジの回動量で回動されることで、第2の筐体よりも小さな角度だけ回動される電子機器。
【請求項10】
請求項1または請求項9の記載において、
前記連動部は、前記第1のヒンジに取り付けられた第1歯車と、前記第2のヒンジに取り付けられて前記第1歯車に係る第2歯車とを有し、
前記第1歯車の直径は、前記第2歯車の直径よりも小さく、前記ヒンジ部は、前記第2の筐体が前記操作面から離れる向きに回動された時、前記第3の筐体が前記操作面とは反対側に突出するように前記第2の筐体と前記第3の筐体との間の回動角度よりも大きな回動角度で前記第3の筐体を回動させる電子機器。
【請求項11】
操作面を有した第1の筐体と、
第2の筐体と、
前記第1の筐体の端部に隣り合う可動部と、
前記第1の筐体と前記可動部とを連結した第1のヒンジと、前記第2の筐体と前記可動部とを連結して前記第1のヒンジと連動した第2のヒンジとを有し、前記第2の筐体が前記操作面から離れる向きに回動された時、前記可動部を前記操作面とは反対側に回動させて前記可動部を前記操作面とは反対側に突出させるヒンジ部と、
を備えた電子機器。
【請求項12】
請求項11の記載において、
前記ヒンジ部は、前記第2の筐体が前記操作面から離れる向きに回動された時、前記第2の筐体と前記可動部との間の回動角度よりも大きな回動角度で、前記可動部を前記操作面とは反対側に回動させる電子機器。
【請求項13】
請求項12の記載において、
前記第1ヒンジは、第1歯車を有し、
前記第2ヒンジは、前記第1歯車に係る第2歯車を有し、
前記第1歯車の直径は、前記第2歯車の直径よりも小さい電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2013−62864(P2013−62864A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−259572(P2012−259572)
【出願日】平成24年11月28日(2012.11.28)
【分割の表示】特願2011−33806(P2011−33806)の分割
【原出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】