説明

電子機器

【課題】薄型化を図ることができる電子機器を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、電子機器は、表示画面を有したパネルと、光源と、前記パネル及び前記光源が収容された筐体とを備える。前記筐体は、前記表示画面が露出する開口部が設けられた第1壁と、該第1壁とは反対側に位置し、少なくとも一部に前記光源からの光が前記パネルに向けて出るように通る部分を有した第2壁とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、テレビジョン受像機を含む電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン受像機のような電子機器の表示装置は、表示パネルと、光源と、導光板とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−119702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器は、薄型化が要望されている。
【0005】
本発明の目的は、薄型化を図ることができるテレビジョン受像機及び電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、電子機器は、表示画面を有したパネルと、光源と、前記パネル及び前記光源が収容された筐体とを備える。前記筐体は、前記表示画面が露出する開口部が設けられた第1壁と、該第1壁とは反対側に位置し、少なくとも一部に前記光源からの光が前記パネルに向けて出るように通る部分を有した第2壁とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1実施形態に係るテレビジョン受像機の斜視図。
【図2】図1中に示されたテレビジョン受像機を別の角度から見た斜視図。
【図3】図1中に示されたテレビジョン受像機の断面図。
【図4】第2実施形態に係るテレビジョン受像機の断面図。
【図5】第3実施形態に係る電子機器の斜視図。
【図6】図5中に示された表示ユニットを分解して示す斜視図。
【図7】第3実施形態に関連した表示ユニットを分解して示す斜視図。
【図8】図5中に示された表示ユニットの構成を模式的に示す図。
【図9】図5中に示された表示ユニットの組立例を示す平面図。
【図10】第4実施形態に係るカバーを示す図であり、(a)はカバーの平面図であり、(b)はカバーの断面図である。
【図11】第5実施形態に係るカバーを示す図であり、(a)はカバーの平面図であり、(b)はカバーの断面図である。
【図12】第6実施形態に係るカバーを示す図であり、(a)はカバーの平面図であり、(b)はカバーの断面図である。
【図13】第6実施形態に係る光源と導光部との位置間係を示す図。
【図14】第6実施形態に関連した光源と導光板との位置間係を示す図。
【図15】第7実施形態に係る光源と導光部との間係を示す図。
【図16】第7実施形態に関連した光源と導光板との間係を示す図。
【図17】第8実施形態に係るカバーを示す図であり、(a)はカバーの平面図であり、(b)はカバーの断面図である。
【図18】図17中に示されたカバーのF18で囲まれた領域を拡大して示す断面図。
【図19】第9実施形態に係るカバーを示す図。
【図20】第10実施形態に係るカバーを示す平面図。
【図21】図20中に示されたカバーの断面図。
【図22】図20中に示されたカバーの平面図。
【図23】図20中に示されたカバーの一部を拡大して示す断面図。
【図24】第10実施形態に係るカバーの第1変形例の断面図。
【図25】第10実施形態に係るカバーの第2変形例の断面図。
【図26】第10実施形態に係るカバーの第3変形例の断面図。
【図27】図26中に示されたカバーの一部を拡大して示す断面図。
【図28】第10実施形態に係るカバーの第4変形例の断面図。
【図29】第10実施形態に係るカバーの第5変形例の断面図。
【図30】第11実施形態に係る表示ユニットの構成を模式的に示す図。
【図31】図30中に示されたカバーの断面図。
【図32】第11実施形態に関連した導光板と白板の断面図。
【図33】第12実施形態に係るカバーの断面図。
【図34】第13実施形態に表示ユニットを示す断面図。
【図35】図34中に示されたカバーの第1態様の背面図。
【図36】図34中に示されたカバーの第2態様の背面図。
【図37】図34中に示されたカバーの第3態様の背面図。
【図38】第14実施形態に係るカバーの背面図。
【図39】第15実施形態に係るカバーの背面図。
【図40】第16実施形態に係る電子機器の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0009】
(第1実施形態)
図1乃至図3は、第1実施形態に係るテレビジョン受像機1を開示している。テレビジョン受像機1は、「電子機器」の一例である。図1に示すように、テレビジョン受像機1は、表示ユニット2と、該表示ユニット2を支持するスタンド3(支持部)とを有する。
【0010】
図3に示すように、表示ユニット2は、筐体4を有する。筐体4には、パネル5、複数のLED6(LEDモジュール)、光学シート7、及び電子部品8が収容されている。パネル5は、いわゆるパネルセルであり、液晶基板部11と、該液晶基板部11の両側に分かれて設けられた2枚の偏光板12,13とを含む(図6参照)。
【0011】
液晶基板部11は、例えば、2枚のガラス基板と、これら2枚のガラス基板の間に挟まれた液晶(液晶層)とを含む。2枚のガラス基板のうちの1枚は、いわゆるカラーフィルタ基板である。2枚のガラス基板のうちの他の1枚は、いわゆるアレイ基板である。
【0012】
なお、パネル5の他の一例は、フレキシブルパネルである。この場合、液晶基板部11は、2枚のフィルム基板(フレキシブル基板、プラスチック基板)と、これら2枚のフィルム基板の間に挟まれた液晶(液晶層)とを含む。なお、パネル5の具体例は、上記に限定されるものではなく、有機ELディスプレイや、その他方式の種々のパネルが適宜該当する。
【0013】
図3に示すように、パネル5は、第1面5a(前面)と、第2面5b(背面)とを有する。第1面5aは、画像や映像が表示される表示画面15を含む。第2面5bは、第1面5aとは反対側に位置する。第2面5bは、光源からの照明を受ける受光面である。複数のLED6は、パネル5に対する光源(発光部、発光部品、電子部品、部品、ライト、ダイオード)の一例である。
【0014】
図1乃至図3に示すように、筐体4は、前壁17、背壁18(後壁)、及び周壁19を有する。前壁17は、「第1壁」の一例である。背壁18は、「第2壁」の一例である、周壁19は、「第3壁」の一例である。
【0015】
前壁17は、表示画面15と略平行に広がる。前壁17は、パネル5の表示画面15が露出する開口部20(第1開口部)が設けられている。背壁18は、前壁17とは反対側に位置し、パネル5の第2面5bに向かい合う。背壁18は、前壁17と略平行に広がる部分を有する。周壁19は、前壁17及び背壁18とは交差する方向に延び、前壁17の周縁と背壁18の周縁とを繋いでいる。
【0016】
図1乃至図3に示すように、本実施形態に係る筐体4は、マスク21と、第1カバー22(第1バックカバー)と、第2カバー23(第2バックカバー)とを有する。マスク21は、前壁17を含む。第1カバー22は、背壁18の一部と周壁19とを含む。第2カバー23は、背壁18の他の一部を含む。
【0017】
図2及び図3に示すように、第1カバー22の外形は、パネル5の外形に対応している。図3に示すように、第1カバー22は、パネル5に沿って延びた(パネル5と略平行に延びた)部分を有する。本実施形態に係る第1カバー22は、筐体4の一部であるとともに、導光板としての機能を有する。すなわち本実施形態では、導光板と筐体4とが一体化されている。以下、第1カバー22について詳しく説明する。
【0018】
図3に示すように、第1カバー22の少なくとも一部は、導光板として機能する導光部25を有する。導光部25は、例えばパネル5の外形よりも大きい。導光部25は、内面25a(第1面)と、外面25b(第2面)とを有する。内面25aは、パネル5に向かい合う。外面25bは、内面25aとは反対側に位置し、筐体4の外部に露出されている。導光部25の内面25aは、第1カバー22の内面と一致する。導光部25の外面25bは、第1カバー22の外面と一致する。
【0019】
第1カバー22(導光部25、背壁18)は、光透過性を有する材料(例えば透明部材)で形成されている。複数のLED6は、導光部25に向けて実装され、導光部25に向けて発光する。複数のLED6からの光は、導光部25に入り、導光部25の内部を通る。導光部25は、例えば一般的な導光板と同じ散乱部(散乱体)を有する。すなわち、導光部25は、例えばシルク印刷によるインクドットや、該導光部25の表面に設けられた凹凸などを、散乱部として有する。
【0020】
導光部25に入った光は、導光部25の内部を通過する過程にて散乱部で散乱される。散乱された光は、導光部25の内面25a(すなわち第1カバー22の内面)から、パネル5に向けて略均一に発光される。これにより、パネル5は照明され、画像や映像が表示画面15に表示される。
【0021】
図3に示すように、導光部25の外面25b(すなわち第1カバー22の外面)の少なくとも一部は、遮光層27を有する。遮光層27は、導光部25から筐体4の外部に向かう光の少なくとも一部が遮られる。これにより、導光部25からの光が外部に漏れないようになっている。なお、遮光層27は、例えば有色(例えば黒色)の塗装でもよく、蒸着や貼り付けによる金属膜でもよく、特に限定されるものではない。
【0022】
図3に示すように、パネル5と導光部25との間には、1枚又は複数の光学シート7(光学フィルム)が設けられている。光学シート7は、例えばプリズムシート、または拡散シートである。なお、光学シート7は、必要なければ省略可能である。
【0023】
図2及び図3に示すように、第2カバー23は、パネル5の背後に位置する。第2カバー23は、パネル5よりも小さい。電子部品8は、第1カバー22と第2カバー23との間に位置する。電子部品8の一例は、回路基板である。なお、電子部品8の例は、上記に限定されず、例えば記憶媒体や各種モジュール、その他種々の電子部品が適宜該当する。第2カバー23は、光透過性を有しない金属製またはプラスチック製である。第2カバー23は、電子部品8を外部から覆い隠す。
【0024】
このような構成によれば、テレビジョン受像機1の薄型化を図ることができる。
一般的な電子機器は、筐体と、該筐体とは別に設けられたパネル及び導光板を有する。このため、パネルの背後には、導光板と筐体の背壁とが存在することになり、電子機器の薄型化を困難にしている。
【0025】
一方で、本実施形態では、筐体4の一部が導光板の機能を有する。このため、筐体4とは別に導光板を設ける必要が無くなる。これにより、テレビジョン受像機1の薄型化を図ることができる。なお、この内容は、後述の第3実施形態で詳しく述べる。
【0026】
(第2実施形態)
次に、図4を参照して、第2実施形態に係るテレビジョン受像機1を説明する。なお、第1実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、第1実施形態と同じである。
【0027】
図4に示すように、筐体4は、マスク21と、カバー22(バックカバー)とを有する。マスク21は、前壁17を含む。カバー22は、背壁18及び周壁19を含む。カバー22は、第1部分31と、第2部分32とを有する。第1部分31は、パネル5に沿って延びている(パネル5と略平行に延びている)。第2部分32は、第1部分31に比べてパネル5から離れている。第2部分32とパネル5との間には、電子部品8(例えば回路基板)が設けられている。
【0028】
本実施形態では、カバー22は、外枠34と、外枠34に取り付けられた導光部25とを有する。外枠34は、例えば光透過性を有しない金属製またはプラスチック製である。外枠34は、第1部分31及び第2部分32を含む。第2部分32は、電子部品8を外部から覆い隠す。
【0029】
図4に示すように、第1部分31は、開口部35(第2開口部35)を有する。開口部35は、表示画面15が露出する開口部20(第1開口部)とは反対側に位置する。導光部25は、開口部35に設けられている。
【0030】
導光部25の一例は、導光板(導光部材)である。導光部25の少なくとも一部は、開口部35から外部に露出されている。なお、ここで言う「開口部から露出されている」とは、導光部25が外部に剥き出しの状態に限定されず、遮光層27などに覆われて外部に露出された状態も含む。換言すれば、「開口部から露出されている」とは、遮光部の少なくとも一部の外側に、該遮光部とは独立した(離れた)構造部材が存在しないことを言う。
【0031】
図4に示すように、本実施形態では、第2部分32と、パネル5との間に、導光板36が設けられている。これにより、表示画面15の全領域で画像や映像が表示される。
【0032】
このような構成によれば、上記第1実施形態と同様に、薄型化を図ることができる。
(第3実施形態)
次に、図5乃至図9を参照して、第3実施形態に係る電子機器41を説明する。なお、第1及び第2実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、第1実施形態と同じである。
【0033】
本実施形態に係る電子機器41は、例えばノートブック型ポータブルコンピュータ(ノートPC)である。電子機器41は、第1ユニット42と、第2ユニット43と、ヒンジ部44とを有する。
【0034】
第1ユニット42は、メインユニットである。第2ユニット43は、表示ユニットである。第1ユニット42は、筐体42aを有する。筐体42aには、入力部45aが設けられている。入力部45aの一例は、キーボードであるが、これに限定されるものではない。
【0035】
筐体42aには、メインボードである回路基板45bやモジュール45cが収容されている。モジュール45cの一例は、記憶装置であるが、これに限定されるものではない。回路基板45bは、パネル5に電気的に接続され、パネル5を制御する。
【0036】
第2ユニット43は、ヒンジ部44によって、第1ユニット42の後端部に回動可能(開閉可能)に連結されている。これにより電子機器41は、第1ユニット42と第2ユニット43とが重ねられた第1状態と、第1ユニット42と第2ユニット43とが開かれた第2状態との間で回動可能である。
【0037】
図5及び図6に示すように、第2ユニット43は、筐体4を有する。筐体4には、パネル5、複数のLED6(図9参照)、光学シート7、及び電子部品8が収容されている。電子部品8の一例は、アンテナ、またはアンテナケーブルである。
【0038】
図6に示すように、本実施形態に係る筐体4は、マスク21と、カバー22とを有する。マスク21は、前壁17を含む。カバー22は、背壁18と周壁19とを含む。本実施形態に係るカバー22は、筐体4の一部であるとともに、導光板としての機能を有する。
【0039】
図8に模式的に示すように、カバー22の少なくとも一部は、導光板として機能する導光部25を有する。なお、カバー22(導光部25)の詳細は、上記第1実施形態と同じである。すなわち、カバー22(導光部25、背壁18)は、光透過性を有する材料(例えば透明部材)で形成されている。複数のLED6からの光は、導光部25の内面25a(すなわち第1カバー22の内面)からパネル5に向けて略均一に発光されるように導光部25を通る。導光部25は、例えば背壁18のなかでパネル5に向かう合う領域全体に設けられる。
【0040】
図8に示すように、導光部25の外面25b(すなわちカバー22の外面)の少なくとも一部は、遮光層27を有する。本実施形態では、遮光層27は、導光部25の外面に塗装または蒸着により設けられている。
【0041】
本実施形態に係る遮光層27は、導光部25から筐体4の外部に向かう光の少なくとも一部が反射される反射層(反射コート、反射コーティング)である。遮光層27(反射層)の少なくとも一部は、導光部25の外面25bに密着されている。すなわち、導光部25と遮光層27(反射層)との間に、反射ロスが生じる空気層が存在しない。
【0042】
アンテナのような電子部品8は、パネル5の周囲に設けられている。なお、電子部品8は、アンテナに限定されず、他の電子部品が適宜該当する。遮光層27が設けられることで、電子部品8が外部から覆い隠されている。なお、図8に示すように、遮光層27の外側には、加飾層46が設けられている。
【0043】
図9は、表示ユニット2の組立例を示す。図9に示すように、導光部25(カバー22)は、内面25aから窪む溝47(取付部、収容部)が設けられている。複数のLED6は、溝47に取り付けられている。
【0044】
カバー22は、ヒンジ部44が接続される第1端部22a(下端部)と、該第1端部22aとは反対側に位置した第2端部22b(上端部)とを有する。溝47は、第1端部22aに設けられ、第1端部22aに沿って延びている。
【0045】
表示ユニットの組立は、まず、カバー22が準備されている(図9(a))。次に、カバー22の溝47に複数のLED6が取り付けられる(図9(b))。次に、光学シート7がカバー22に取り付けられる(図9(c))。次に、パネル5、基板モジュール48、及びLEDフレキシブルケーブル49がカバー22に取り付けられる(図9(d))。最後に、パネル5などを間に挟むようにして、マスク21がカバー22に取り付けられる(図9(e))。これにより、表示ユニット2が組みあがる。
【0046】
このような構成によれば、電子機器41の薄型化を図ることができる。
比較のため、図7に、導光板が筐体とは別に設けられた表示ユニットを示す。図7に示すように、表示ユニットは、マスク21、パネル5、導光板51、板金52、及びカバー53を有する。このような構成では、薄型化に限界がある。そのボトルネックの一つが、導光板51である。導光板は、端面から光を導き、LCDユニットのパネルへ光を照射する役割を持つ。パネルへ照射される光量は、導光板の厚みに依存する。すなわち、導光板を薄くすると。光の導波効率が低下し、画面の輝度が低下する。また、LCDユニットの中で、導光板は比較的厚い部材の一つである。
【0047】
一方で、本実施形態では、導光板の機能をカバー22に持たせることで、導光板の省略を可能にしている。これにより、電子機器41の薄型化を図ることができる。また、導光板を筐体4の一部として形成することで、導光板を筐体4に取り付ける固定部品を省略することができる。これは、部品点数の削減を通じて、電子機器41の組立性や低コスト化に寄与する。
【0048】
カバー22の厚み(一例として、1.25mm〜1.75mm)は、導光板の厚み(0.8mm〜1.0mm)よりも大きいことが多い。本実施形態では、カバー22の厚みが導光板として利用可能であるので、入射断面積を大きく確保することができる。このため、光の導波効率が向上する。これにより、これまで必要であった光源に比べて、消費電力が小さく、低コストの光源を採用することが可能になる。これは、電子機器の低コスト化に寄与する。
【0049】
また、導光板が筐体と別に設けられる場合、光源は、一般的に導光板の端面に設置される。このため、薄型の光源が必要になる。薄型の光源は、小型化でありながら、高い出力が求められるため、消費電力大、発熱大、及びコスト増を招いている。
【0050】
一方で、本実施形態では、筐体4の一部が導光板となるため、導光板の端面以外の場所に光源が設置可能になる。すなわち、光源の設置場所の自由度が増す。これにより、光源の厚みの制限が緩和され、低消費電力で低コストの光源を選択することができる。さらに、光源の入射角度が調整可能することが可能になるため、導光効率を向上させることができる。
【0051】
本実施形態では、LED6は、カバー22の溝47に取り付けられている。これにより、表示ユニット2の厚みをさらに薄くすることができる。
【0052】
本実施形態では、溝47は、ヒンジ部44が接続されるカバー22の第1端部22aに設けられている。第1端部22aは、第1ユニット42に対する第2ユニット43の開閉時に、大きな力(大きなモーメント)を受け難い部分の一つである。このような部分に溝47が設けられることで、カバー22をさらに薄くすることができる。
【0053】
本実施形態では、導光部25の外面25bに反射層(遮光層27)が設けられている。これにより、パネル5とは反対側に導かれた光が無駄なく利用される。このため、LED6の省エネ化を図ることができる。
【0054】
次に、第4乃至第15の実施形態に係る電子機器41を説明する。なお、第1乃至第15の実施形態で、同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、第3実施形態と同じである。
【0055】
(第4実施形態)
図10は、第4実施形態に係るカバー22を示す。図10に示すように、カバー22は、光学シート7、パネル5、及びその他のモジュールの少なくとも一つに対応した凹部55(段差部)を有する。凹部55は、カバー22の内面(導光部25の内面25a)に設けられている。光学シート7、パネル5、及びその他モジュールの少なくとも一つは、上記凹部55に取り付けられ、凹部55によって位置決めされる。
【0056】
このような構成によれば、上記第3実施形態と同様に電子機器41の薄型化を図ることができる。さらに、本実施形態では、カバー22に凹部55が設けられているので、組立時の光学シート7やパネル5、モジュールの位置決めを容易に行うことができる。これにより、組立性が向上する。
【0057】
(第5実施形態)
図11は、第5実施形態に係るカバー22を示す。図11に示すように、カバー22は、上記第4実施形態と同様の凹部55を有する。さらに本実施形態に係るカバー22は、光学シート7、パネル5、及びその他のモジュールが少なくとも一つが係合するボス56を有する。ボス56は、例えばカバー22の内側の四隅(凹部55の四隅)に其々設けられている。光学シート7、パネル5、及びその他モジュールの少なくとも一つは、ボス56に取り付けられ、ボス56によって位置決めされる。
【0058】
このような構成によれば、上記第3実施形態と同様に電子機器41の薄型化を図ることができる。さらに、本実施形態では、カバー22にボス56が設けられているので、組立時の光学シート7やパネル5、モジュールの位置決めを容易に行うことができる。これにより、電子機器41の組立性が向上する。
【0059】
(第6実施形態)
図12は、第6実施形態に係るカバー22を示す。図12に示すように、導光部25は、内面25a及び外面25bに対して傾いた入射面61を有する。複数のLED6は、内面25a及び外面25bに対して傾斜して実装されている。複数のLED6其々の中央部は、入射面61に略垂直に向かい合う。
【0060】
ここで、比較のため、図14に、導光板51と略平行に配置されたLED6(光源)を示す。LED6は、輝度分布を持っており、中央部に近いほど輝度が高くなる。導光板51が筐体4と別体の場合、薄型化のため、LED6は、導光板51と略平行に配置される。この場合、LED6の中央部の光は、導光板51で全反射する成分が少なく、通り抜けてしまう成分が多い。このため、通り抜け成分が大幅なロスになっており、照明が非効率になっている。
【0061】
図13に、本実施形態の構成を模式的に示す。本実施形態では、導光部25の入射面61が内面25a及び外面25bに対して斜めに形成されている。そして、LED6の中央部からの光が、入射面61に略垂直に入射するように、LED6が内面25a及び外面25bに対して傾けて実装されている。
【0062】
ここで、臨界角と入射角の間係について説明する。導光部25を通る光が導光部25と外部との境界面(例えば内面25a又は外面25b)で全反射する臨界角θcは、空気の屈折率をn、導光部25の屈折率をnとすると、次の式で求まる。
【数1】

【0063】
そして、入射角θが臨界角θc以上の場合、光は全反射する。なお、図13に示すように、入射角θは、導光部25と外部との境界面(例えば内面25a又は外面25b)に垂線を引き、その垂線と光線との間の角度である。
【0064】
例えば、導光部25をアクリルで構成する場合、空気の屈折率nが1であり、アクリルの屈折率nが1.49であるので、臨界角θcは、42.15°となる。この場合、入射角θが42.15°以上であれば、光は全反射する。
【0065】
また、導光部25をガラスで構成する場合、空気の屈折率nが1であり、ガラスの屈折率nが1.51であるので、臨界角θcは、41.47°となる。この場合、入射角θが42.47°以上であれば、光は全反射する。
【0066】
ここで、図13に示すように、入射面61が内面25aに対して傾いていると、内面25a及び外面25bに対する入射角が調整しやすい。例えば、内面25aと外面25bが略平行な場合では、入射面61と外面25bとの間の角度が、幾何学的な関係から、外面25bに対する入射角及び内面25aに対する入射角と等しくなる。
【0067】
すなわち、入射面61と外面25bとの間の角度θを、臨界角θc以上に設定することで、LED6の中央部からの光を、導光部25の内部で全反射して導くことができる。つまり、入射面61と外面25bとの間の角度θを、導光部25の材質ごとに変更することで、LED6の中央部からの光の多くの成分を導光部25の内部で全反射させることができる。
【0068】
さらに、入射面61が内面25aに対して斜めであると、入射面61が内面25aに対して垂直な場合に比べて、入射面61の断面積(受光面積)を大きく確保することができる。入射面61の断面積を大きく確保することができると、光の採光効率を向上させることができる。
【0069】
このような構成によれば、上記第3実施形態と同様に電子機器41の薄型化を図ることができる。さらに、本実施形態では、導光部25の入射面61が内面25a及び外面25bに対して斜めに形成され、入射角が調整されている。このような構成によれば、導光部25内部で全反射する成分が増えるので、導光効率が向上し、画面輝度を向上させることができる。
【0070】
(第7実施形態)
図15は、第7実施形態に係るカバー22を示す。
【0071】
比較のため、図16に、導光板51の側方にLED6を配置した構成を示す。この構成では、導光板51とLED6との間に空気が存在する。このため、LED6から導光板51に入射される光は、空気による端面反射の影響でロスが生じる。これは、空気の屈折率と導光板51の屈折率との違いから生じる。例えば導光板51の材質がアクリルの場合は、上記ロスの量は約4%になる。
【0072】
一方で、図15に示すように、本実施形態では、複数のLED6と導光部25との間の隙間が、光透過性を有する部材65(材料、透明材料)によって埋められている。すなわち、LED6と導光部25との間には、空気は存在しない。部材65は、例えば透明なゴムの設置や、透明樹脂の塗布で構成される。
【0073】
ここで、部材65は、空気と比べて、屈折率が導光部25に近い材料で構成される。部材65の屈折率と導光板51の屈折率とが近いほど、端面反射が少なくなる。部材の一例は、屈折率が1.3〜1.4の透明なゴムまたはシリコンである。
【0074】
このような構成によれば、上記第3実施形態と同様に電子機器41の薄型化を図ることができる。さらに、本実施形態では、複数のLED6と導光部25との間の隙間が、導光部25の材料の屈折率に近い材料で埋められている。これにより、端面反射の影響を小さくし、導光効率を向上させることができる。
【0075】
(第8実施形態)
図17は、第8実施形態に係るカバー22を示す。図17に示すように、本実施形態では、カバー22の全体が、光透過性を有する材料(透明材料)で一体成形されている。カバー22は、導光部25と、非導光部70とを有する。非導光部70は、導光部25の周囲に設けられ、パネル5に向かい合わない部分である。すなわち、非導光部70は、光を通す必要がない(発光が必要ない)部分である。アンテナなどの電子部品8は、非導光部70に向かい合う。
【0076】
図17及び図18に示すように、導光部25と非導光部70との間には、内面25aから窪んだ溝71(切欠き)が設けられている。溝71の幅は、例えば1mmである。溝71の深さは、例えば導光部25の厚さの半分以上に達してもよい。溝71の内部には空気が入っている。すなわち、導光部25の端面に、約1mmの空気層が実現されている。この溝71(空気層)により、導光部25の厚さ方向に延びた反射面72が構成されている。
【0077】
図18に示すように、導光部25内を進む光の少なくとも一部(例えば大部分)は、溝71(反射面72)によって反射され、再び導光部25の中央部に向いて折り返す。これにより、非導光部70に漏れる光の量を少なくすることができる。換言すれば、溝71が設けられることで、透明材料で構成されたカバー22において非導光部70を設けることができる。
【0078】
このような構成によれば、上記第3実施形態と同様に電子機器41の薄型化を図ることができる。ここで、カバー22を透明部材で形成する場合、発光が必要ない部分(パネル5を外れた部分)まで、光が回り込んでしまう。このため、導光効率が低下する可能性がある。
【0079】
しかしながら、本実施形態では、溝71によって、光の回り込みを抑制する反射面72が構成されている。これにより、発光させたい部分に光を効率的に送ることができ、発光効率を向上させることができる。なお、溝71の内面(反射面)に金属蒸着などを施すことで反射層(金属層、遮光層27)を設けると、端面反射を増加させることができる。
【0080】
(第9実施形態)
図19は、第9実施形態に係るカバー22を示す。図19に示すように、本実施形態では、カバー22は、例えば2種類の材料で構成されたダブルモールド品(2段階成形品、2色成形品)である。
【0081】
カバー22は、外枠34と、導光部25(導光部材、導光板)とを有する。外枠34は、光透過性を有しない材料で形成されている。外枠34は、表示画面15が露出する第1開口部20と、該第1開口部20とは反対側に位置した第2開口部35とを有する。すなわち、第2開口部35は、筐体4の背壁18に設けられている。外枠34は、非導光部70を構成する。アンテナなどの電子部品8は、非導光部70に向かい合う。
【0082】
導光部25は、外枠34に取り付けられ、第2開口部35から筐体4の外部に露出されている。導光部25は、内面25a及び外面25bとは交差する方向(例えば略直交した方向)に延びた周面25cを有する。すなわち、周面25cは、導光部25の厚さ方向に延びている。
【0083】
図19に示すように、導光部25の周面25cには、反射層75が設けられている。反射層75の一例は、例えば金属蒸着や金属箔の貼り付けで構成された金属層である。なお、反射層75は、塗装などで構成されてもよい。導光部25内を進む光の少なくとも一部(例えば大部分)は、反射層75で反射され、再び導光部25の中央部に向いて折り返す。これにより、非導光部70に吸収される光の量を少なくすることができる。
【0084】
このような構成によれば、上記第3実施形態と同様に電子機器41の薄型化を図ることができる。さらに、本実施形態では、光透過性を有しない外枠34で筐体4の一部が構成されている。このため、パネル5の外側の位置した領域まで光が回り込むことを抑制することができる。なお、反射層75はなくてもよい。
【0085】
(第10実施形態)
図20乃至図29は、第10実施形態に係るカバー22を示す。図20に示すように、本実施形態では、カバー22は、例えばインサート成形で形成されている。
【0086】
カバー22は、外枠34と、導光部25(導光部材、導光板)とを有する。外枠34は、光透過性を有しない材料で形成されている。外枠34は、表示画面15が露出する第1開口部20と、該第1開口部20とは反対側に位置した第2開口部35とを有する。すなわち、第2開口部35は、筐体4の背壁18に設けられている。
【0087】
外枠34は、非導光部70を構成する。アンテナ及びその他の電子部品8は、非導光部70に向かい合う。導光部25は、外枠34に取り付けられ、第2開口部35から筐体4の外部に露出されている。導光部25の周面25cには、反射層75が設けられてもよい。
【0088】
図21及び図22に示すように、外枠34は、例えば溶着ピン81を有する。導光部25は、溶着ピン81が挿入される孔部82を有する。溶着ピン81は、孔部82に通された後で頭部が潰される。これにより、導光部25が外枠34に固定され、外枠34から外れなくなる。
【0089】
図23に示すように、導光部25の一例は、LED6が取り付けられる溝47を有する。導光部25は、内面25a及び外面25bに対して傾いた入射面61を有する。LED6の中央部は、入射面61に向かい合っている。
【0090】
図24は、本実施形態の第1変形例を示す。図23に示すように、導光部25は、内面25aから突出した取付部83を有してもよい。導光部25は、内面25a及び外面25bに対して傾いた入射面61を有する。LED6の中央部は、入射面61に向かい合っている。
【0091】
図25は、本実施形態の第2変形例を示す。図25に示すように、導光部25の一例は、LED6が取り付けられる溝71を有する。LED6の中央部は、内面25aと略平行な方向に向いている。
【0092】
図26及び図27は、本実施形態の第3変形例を示す。図26に示すように、本変形例では、導光部25は、溶着ピン81を有する。外枠34は、溶着ピン81が挿入される孔部82を有する。
【0093】
図27に示すように、導光部25は、内面25a及び外面25bに対して傾いた入射面61を有する。LED6の中央部は、入射面61に向かい合っている。
【0094】
図28は、本実施形態の第4変形例を示す。図28に示すように、導光部25は、内面25aから突出した取付部83を有してもよい。導光部25は、内面25a及び外面25bに対して傾いた入射面61を有する。LED6の中央部は、入射面61に向かい合っている。
【0095】
図29は、本実施形態の第5変形例を示す。図29に示すように、LED6の中央部は、内面25aと略平行な方向に向いている。
【0096】
このような構成によれば、上記第3実施形態と同様に電子機器41の薄型化を図ることができる。さらに、本実施形態では、光透過性を有しない外枠34で筐体4の一部が構成されている。このため、パネル5の外側の位置した領域まで光が回り込むことを抑制することができる。
【0097】
(第11実施形態)
図30及び図31は、第11実施形態に係るカバー22を示す。カバー22は、反射層75(遮光層27)を有する。反射層75は、導光部25の外面25bに密着され、導光部25から筐体4の外部に向かう光の少なくとも一部が反射される。導光部25と反射層75との間には、空気層は存在しない。
【0098】
本実施形態では、反射層75の少なくとも一部は、導光部25の外面25bに設けられた導電層85(導電膜、金属層、金属膜)である。導電層85は、例えばアルミニウムのような金属の蒸着膜である。なお、導電層85は、蒸着に限らず、例えば導光部25の外面25bに金属箔を貼り付けることで構成されてもよい。導電層85の一例は、EMI(Electro Magnet Interference)対策用の導電層として機能する。すなわち、導電層85は、筐体4内から外部に向かう不要輻射を抑制する。
【0099】
このような構成によれば、上記第3実施形態と同様に電子機器41の薄型化を図ることができる。
【0100】
ここで比較のため、図32に、導光板51と白板91とを有した構造を示す。図32に示すように、導光板51と白板91との間には、空気層92が存在する。ここで、散乱部によってパネル5と反対側(天板側)に散乱した光は、空気層92を介してから白板91によってパネル5に向けて反射される。しかし導光板51から空気層92に抜ける透過成分が多い、空気層92を介するため端面反射によるロス、及び白板91の低反射率などで、ロスが大きい。
【0101】
一方で、本実施形態では、反射層75は、導光部25の外面25bに密着され、導光部25と反射層75との間には空気層は存在しない。このため、導光部25から空気層に抜ける透過成分はなく、また空気層での端面反射も生じない。このため、導光効率を向上させることができる。
【0102】
さらに、本実施形態では、反射層75は、白板91に比べて反射率が高い金属層で構成されている。このため、反射効率を向上させることができ、光の利用効率を向上させることができる。
【0103】
さらに、本実施形態では、EMI対策用の金属蒸着膜を利用して反射層75が構成されている。すなわち、一つの反射層75で、EMI対策の機能と、導光部25の反射機能とが実現されている。なお、反射層75(遮光層27)の光透過率は、反射層75の膜圧を調整することで、変更することができる。すなわち、一部の光が反射層75を通過するように反射層75の厚さを調整し、これにより発光加飾を実現することができる。さらに、部分的に反射層75の厚みに変化させることで、輝度部分を調整することもできる。
【0104】
(第12実施形態)
図33は、第12実施形態に係るカバー22を示す。本実施形態では、導光部25は、散乱光効果を生じさせる微粒子95(微小粒子)が混合されている。すなわち、カバー22は、微粒子95が予め混ぜられた樹脂材料が成形されることで構成されている。
【0105】
図33に示すように、導光部25内を全反射しながら進む光は、微粒子95にあたると散乱する。この散乱光を利用してパネル5が照明される。微粒子95の粒子濃度や粒子分布を変えることで、輝度分布を調整することが可能である。また、微粒子95として、特定の電波を吸収する金属粒子を用いることで、光の散乱とEMI対策の両方の機能を実現することができる。
【0106】
このような構成によれば、上記第3実施形態と同様に電子機器41の薄型化を図ることができる。一般的な導光板では、光を散乱させるために、シルク印刷によるインクドットや、金型による表面凹凸が設けられる。これらインクドットや表面凹凸は、導光板のベースが作られた後、後工程で設けられる。
【0107】
一方で、本実施形態では、光を散乱させる微粒子95がカバー22を形成する材料に混合されている。このため、後工程でインクドットや表面凹凸を設ける必要がなくなる。これにより、製造性を高めることができる。
【0108】
(第13実施形態)
図34乃至図37は、第13実施形態に係るカバー22を示す。本実施形態では、カバー22の外面25bの遮光層27(加飾層46、反射層75)の一部に光が通る開口部101(光透過部)が設けられている。これにより、導光部25を通る光の一部は、カバー22の外面25bから筐体4の外部に発光される。これにより、カバー22の発光加飾を実現することができ、加飾性を向上させることができる。
【0109】
詳しく述べると、導光部25を通る光は、導光部25内で散乱され、その光の一部は、導光部25の外面25bに向かう。また、導光部25の内面25aから出た光の一部は、光学シート7で反射され、その一部は導光部25の外面25bに向かう。
【0110】
本実施形態では、カバー22の外面25bの遮光層27の一部に光が通る開口部101が設けられている。換言すれば、開口部101が残るように、カバー22の外面25bに塗装、IMF・IMRなどで遮光層27(加飾層46、反射層75)が設けられている。このため、上記外面25bに向かう光は、開口部101から筐体4の外部に発光される。これにより、筐体4の背壁18に、開口部101の形状に応じた発光部が実現される。
【0111】
なお、図35乃至図37に示すように、開口部101は、文字、記号、図形、または模様の形状を有してもよい。これにより、上記文字、記号、図形、または模様の形状に応じた発光部が実現される。
【0112】
このような構成によれば、上記第3実施形態と同様に電子機器41の薄型化を図ることができる。ここで、例えば導光板と筐体とが別に設けられた構造では、筐体の背面側を発光させるためには、筐体の背壁に部分的な透明パーツを設ける必要がある。
【0113】
一方で、本実施形態では、カバー22自体が発光するので、筐体4の背壁18には透明パーツを別に設ける必要はない。このため、低コストで、筐体4の発光加飾を実現することができる。
【0114】
(第14実施形態)
図38は、第14実施形態に係るカバー22を示す。本実施形態では、カバー22の外面25bの遮光層27(加飾層46、反射層75)の一部に光が通る開口部101(光透過部)が設けられている。そして、カバー22の外面25bには、シート部材102が取り付けられる(貼り付けられる)。シート部材102は、例えば企業のロゴや特定のマークなどのデザインを有する。シート部材102は、開口部101を覆う。開口部101から発光する光は、シート部材102のデザインを浮かび上がらせる。シート部材102は、例えばシールやフィルムである。
【0115】
このような構成によれば、上記第3実施形態と同様に電子機器41の薄型化を図ることができる。本実施形態によれば、透明の別パーツを設ける必要なく、企業のロゴやその他のデザインの発光加飾を低コストで実現することができる。
【0116】
(第15実施形態)
図39は、第15実施形態に係るカバー22を示す。本実施形態では、カバー22の外面25bの遮光層27(加飾層46、反射層75)の一部に光が通る開口部101(光透過部)が設けられている。そして、カバー22の外面25bには、シート部材102が後で取り付け可能(貼り付け可能)になっている。シート部材102は開口部101を覆う。シート部材102は、例えば顧客や一般ユーザーが、市販のインクジェットプリンタなどで印刷可能な透明フィルムまたは透明シールである。
【0117】
顧客や一般ユーザーは、製品を購入後、好みのデザインをシート部材102に印刷し、そのシート部材102をカバー22に貼り付けることができる。開口部101から発光する光は、シート部材102のデザインを浮かび上がらせる。
【0118】
このような構成によれば、上記第3実施形態と同様に電子機器41の薄型化を図ることができる。本実施形態によれば、顧客やユーザー自身が、自由にシート部材102のデザインを選択することができる。このため、ユーザーのデザインに対する自由度を向上させることができる。このような構成によれば、顧客の会社ロゴやユーザーの好みのデザインが発光する電子機器41を低コストで実現することができる。
【0119】
(第16実施形態)
図40は、第16実施形態に係る電子機器41を示す。本実施形態では、パネル5と電子部品8とが、筐体4の厚さ方向に重ねられていない。パネル5と電子部品8は、表示画面15と略平行な方向で互いに並んでいる。また、筐体4の前壁17には、ガラス部材105が取り付けられている。ガラス部材105は、例えば前壁17の略全域に亘る。
【0120】
このような構成によれば、上記第3実施形態と同様に電子機器41の薄型化を図ることができる。本実施形態によれば、パネル5と電子部品8とが、筐体4の厚さ方向に重ねられていないので、導光部25(カバー22、背壁18)を比較的自由な形状に形成することができる。ガラス部材105が前壁17に取り付けられると、ガラス部材105によって筐体4が補強可能である。
【0121】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0122】
上記第1乃至第16の実施形態が適用可能な電子機器は、ノートPCに限られず、例えばスマートフォンを含む携帯電話や、スレートPC(タブレット端末)、テレビジョン受像機及びその他の電子機器に広く適用可能である。また、第1乃至第16の全ての実施形態において、導光部25の外面25bには、遮光層27、加飾層46、反射層75、及び導電層85を設けてもよい。
【符号の説明】
【0123】
1…テレビジョン受像機、4…筐体、5…パネル、6…LED、7…光学シート、8…電子部品、15…表示画面、17…前壁、18…背壁、20…第1開口部、21…マスク、22…カバー、25…導光部、25a…内面、25b…外面、27…遮光層、34…外枠、35…第2開口部、41…電子機器、47…溝、61…入射面、65…部材、71…溝、75…反射層、85…導電層、101…開口部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を有したパネルと、
複数のLEDと、
前記パネル及び前記複数のLEDが収容され、前記表示画面が露出する第1開口部が設けられた第1壁と、該第1壁とは反対側に位置した第2壁と、を含む筐体と、
前記パネルと前記第2壁との間に位置した光学シートと、
を備え、
前記第2壁の少なくとも一部は、前記パネルに向かい合う内面と、該内面とは反対側に位置した外面とを有し、光透過性の材料で形成され、前記複数のLEDからの光が前記パネルに向けて前記内面から出るように通る導光部を有し、
前記外面の少なくとも一部は、前記導光部から前記筐体の外部に向かう光の少なくとも一部が遮られる遮光層を有したテレビジョン受像機。
【請求項2】
請求項1の記載において、
前記導光部は、前記内面から窪む溝が設けられ、
前記複数のLEDは、前記溝に取り付けられたテレビジョン受像機。
【請求項3】
請求項1または請求項2の記載において、
前記導光部は、前記内面に対して傾いた入射面を有し、
前記複数のLEDは、前記内面に対して傾斜して実装され、該複数のLED其々の中央部は、前記入射面に向かい合うテレビジョン受像機。
【請求項4】
請求項1または請求項3の記載において、
屈折率が空気よりも前記導光部に近く、前記複数のLEDと前記導光部との間の隙間を埋めた部材をさらに備えたテレビジョン受像機。
【請求項5】
請求項1または請求項4の記載において、
前記遮光層の少なくとも一部は、前記導光部の外面に密着され、前記導光部から前記筐体の外部に向かう光が反射される反射層であるテレビジョン受像機。
【請求項6】
請求項1または請求項5の記載において、
前記遮光層の少なくとも一部は、前記筐体内から外部に向かう不要輻射を抑制する導電層であるテレビジョン受像機。
【請求項7】
請求項1または請求項6の記載において、
前記遮光層の少なくとも一部は、文字、記号、図形、または模様の形状を有して前記導光部からの光が通る開口部が設けられたテレビジョン受像機。
【請求項8】
請求項1または請求項7の記載において、
前記筐体に収容された電子部品をさらに備え、
前記筐体は、前記電子部品に向かい合う非導光部を有したテレビジョン受像機。
【請求項9】
請求項8の記載において、
前記筐体は、前記第1壁を含むマスクと、前記第2壁を含むカバーとを有し、
前記カバーは、光透過性の材料で形成され、前記導光部と前記非導光部との間に、前記導光部からの光の少なくとも一部が反射される溝が設けられたテレビジョン受像機。
【請求項10】
請求項8の記載において、
前記筐体は、光透過性を有しない材料で形成され、前記第1開口部とは反対側に位置した第2開口部が設けられた外枠と、該外枠に取り付けられ、前記第2開口部から外部に露出された導光部材とを有したテレビジョン受像機。
【請求項11】
表示画面を有したパネルと、
光源と、
前記パネル及び前記光源が収容され、前記表示画面が露出する開口部が設けられた第1壁と、前記第1壁とは反対側に位置し、少なくとも一部に前記光源からの光が前記パネルに向けて出るように通る部分を有した第2壁と、を含む筐体と、
を備えた電子機器。
【請求項12】
第1開口部と、該第1開口部とは反対側に位置した第2開口部とが設けられた筐体と、
前記第1開口部から露出された表示画面を有したパネルと、
前記筐体に収容された光源と、
前記第2開口部から露出された部分を有し、前記光源からの光が前記パネルに向けて出るように通る導光部と、
を備えた電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2013−97037(P2013−97037A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237143(P2011−237143)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】