説明

電子機器

【課題】ファイルの内容を、ユーザが所望する内容に迅速かつ容易に統合できる電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器1は、オブジェクトを表示する表示部20と、接触物の接触を検出する接触検出部10と、接触検出部10に対する押圧荷重を検出する荷重検出部30と、接触物の接触位置と、押圧荷重とに基づいて、オブジェクトのファイル操作を行う制御部60とを備える。制御部60は、オブジェクトがドラッグされて、他のオブジェクトに重ね合わされた状態で、荷重検出部30が検出する押圧荷重が所定の荷重基準を満たしたならば、ドラッグされたオブジェクトのファイルと他のオブジェクトのファイルの共通のデータを含むファイルを作成し、所定の荷重基準とは異なる荷重基準を満たしたならば、2つのファイルの全てのデータを含むファイルを作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイルのオブジェクトを表示する表示部を備える電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータやスマートフォンのような電子機器において、任意のファイルを更新する場合、同じファイル名を使って、もとのファイルを上書きして更新を行っていた。この上書きして更新する方法では、更新後に、過去の(元の)ファイルに戻すことができなかった。そこで、任意のファイルを更新する際、過去のファイルを保存しておくため、ファイルをコピーして保存用ファイルおよび更新用ファイルを作成することがある。
【0003】
なお、従来技術として、上書き保存などの操作によって、誤って元のファイルの情報などが消えてしまうことを防止するファイル管理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−140299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このように保存用ファイルおよび更新用ファイルを作成した場合においても、時として、どちらのファイルが保存用ファイルおよび更新用ファイルであるかわからなくなり、保存用ファイルおよび更新用ファイル共にデータを更新してしまうことがある。そのため、過去のファイルに戻すことができなってしまうことがある。そこで、これらのファイルの内容を、ユーザが所望する内容に迅速かつ容易に統合できるようにすることが求められている。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ファイルの内容を、ユーザが所望する内容に迅速かつ容易に統合できる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の電子機器は、オブジェクトを表示する表示部と、前記表示部に表示されたオブジェクトのファイルの操作を行う制御部とを備え、前記制御部は、前記オブジェクトがドラッグされて、他のオブジェクトに重ね合わされたならば、ドラッグされた前記オブジェクトのファイル、および他のオブジェクトのファイルの共通のデータからなるファイルを作成することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の電子機器は、オブジェクトを表示する表示部と、前記表示部に表示されたオブジェクトのファイルの操作を行う制御部とを備え、前記制御部は、前記オブジェクトがドラッグされて、他のオブジェクトに重ね合わされたならば、ドラッグされた前記オブジェクトのファイル、および他のオブジェクトのファイルの全てのデータを含むファイルを作成することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の電子機器は、オブジェクトを表示する表示部と、接触物の接触を検出する接触検出部と、前記接触検出部に対する押圧荷重を検出する荷重検出部と、前記表示部に表示されたオブジェクトの表示領域に対応する前記接触検出部の領域における前記接触物の接触位置と、前記荷重検出部が検出する押圧荷重とに基づいて、前記オブジェクトのファイルの操作を行う制御部とを備え、前記制御部は、前記オブジェクトがドラッグされて、前記接触検出部が検出する前記接触物の接触位置が他のオブジェクトの表示領域の位置に変化した状態で、前記荷重検出部が検出する押圧荷重が所定の荷重基準を満たしたならば、ドラッグされた前記オブジェクトのファイル、および他のオブジェクトのファイルの共通のデータからなるファイルを作成し、前記所定の荷重基準とは異なる荷重基準を満たしたならば、2つのファイルの全てのデータを含むファイルを作成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、オブジェクトがドラッグされて、他のオブジェクトに重ね合わされたならば、ドラッグされたオブジェクトのファイル、および他のオブジェクトのファイルの共通のデータからなるファイルを作成し、または2つのファイルの全てのデータを含むファイルを作成することができるので、ファイルの内容を、ユーザが所望する内容に迅速かつ容易に統合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る電子機器の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る電子機器の実装構造の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る電子機器の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係る電子機器の動作を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電子機器の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、電子機器1は、接触検出部(タッチパネル)10と、表示部20と、荷重検出部30と、記憶部40と、触感呈示部50と、制御部60とを備える。
【0013】
表示部20は、ファイルを表すアイコンのようなオブジェクトを画像表示する。操作者は、指やスタイラスペン等の接触物でこのオブジェクトに触れる(タッチする)ようにし、ドラッグ等をすることにより、ファイルを操作する(例えば、ファイルを移動する、開く、結合する等)ことができる。表示部20は、例えば、液晶表示パネル(LCD)や有機EL表示パネル等を用いて構成される。
【0014】
接触検出部(タッチパネル)10は、通常は表示部20の前面に配置され、表示部20に表示されたオブジェクトに対する操作者の指等の接触物(押圧物)による接触、または接触の解除を、対応する接触検出部10の入力面10aにおいて検出する。また、接触検出部10は、入力面10aに対する接触位置を検出し、検出した接触位置を制御部60に通知する。この接触検出部10は、例えば抵抗膜方式、静電容量方式等の公知の方式のもので構成される。なお、接触検出部(タッチパネル)10が接触物による接触を検出する上で、接触物が接触検出部10に物理的に触れることは必須ではない。例えば、接触検出部10が光学式である場合は、接触検出部10は当該接触検出部10上の赤外線等が接触物で遮られた位置を検出するため、接触物が接触検出部10に触れることは不要である。
【0015】
荷重検出部30は、接触検出部10の入力面10aに対する押圧荷重を検出するものであり、例えば、歪みゲージセンサや圧電素子等の素子を用いて構成される。また、荷重検出部30は、検出した入力面10aに対する押圧荷重を、制御部60に通知する。
【0016】
制御部60は、表示部20に表示されたオブジェクトの表示領域に対応する接触検出部10の領域における接触物の接触位置と、荷重検出部30が検出する押圧荷重とに基づいて、オブジェクトのファイルの操作を行う。また、荷重検出部30から取得した押圧荷重が記憶部40に記憶されている所定の荷重基準を満たす場合には、触感呈示部50に対して触感呈示動作を行うように指示する。
【0017】
また、制御部60は、オブジェクトがドラッグされて、接触検出部10が検出する接触物の接触位置が他のオブジェクトの表示領域の位置に変化した状態で、荷重検出部30が検出する押圧荷重が所定の荷重基準を満たしたならば、ドラッグされたオブジェクトのファイル、および他のオブジェクトのファイルの共通のデータからなるファイルを作成し、所定の荷重基準とは異なる荷重基準を満たしたならば、2つのファイルの全てのデータを含むファイルを作成する。
【0018】
触感呈示部50は、例えば圧電振動子等を用いて構成され、所定の振動パターンによる振動等を発生させることにより、入力面10aに接触している接触物に対して、所定の触感を呈示する。触感呈示部50により、押圧荷重が荷重基準を満たしたか否かを操作者に報知することができる。
【0019】
記憶部40は、公知技術によるメモリで構成することができ、入力された各種情報や電子機器1を動作させるためのプログラムなどを記憶するとともに、ワークメモリとしても機能する。特に、本実施形態においては、制御部60が、荷重検出部30から取得した押圧荷重に応じて種々の内容のファイルを作成するときに用いる第1〜第4の荷重基準の値と、各オブジェクトに対応する表示領域とを記憶する。ここで、第1〜第4の荷重基準の値については、第2の荷重基準の値は第1の荷重基準の値より大きい(高い)値であり、第3の荷重基準の値は第2の荷重基準の値より大きい値であり、第4の荷重基準の値は第3の荷重基準の値より大きい値であるものとする。
【0020】
図2は、図1に示した電子機器1の実装構造の一例を示すもので、図2(a)は要部断面図、図2(b)は要部平面図である。表示部20は、筐体11内に収納保持する。表示部20上には、弾性部材からなるインシュレータ12を介して、接触検出部10を保持する。なお、本実施の形態に係る電子機器1は、表示部20および接触検出部10を、平面視で矩形状としてある。本実施の形態において、接触検出部10は、図2(b)に仮想線で示す表示部20の表示領域Aから外れた4隅に配設したインシュレータ12を介して表示部20上に保持する。
【0021】
また、筐体11には、表示部20の表示領域から外れた接触検出部10の表面領域を覆うようにアッパカバー13を設け、このアッパカバー13と接触検出部10との間に、弾性部材からなるインシュレータ14を配設する。
【0022】
なお、図2に示す接触検出部10は、入力面10aを有する表面部材を、例えば透明フィルムやガラスで構成し、裏面部材をガラスやアクリルで構成している。接触検出部10は、入力面10aが押圧されると、押圧部分が押圧力に応じて微少量撓む(歪む)、または構造体そのものが微少量撓む構造のものを用いる。
【0023】
接触検出部10の表面上には、アッパカバー13で覆われる各辺の近傍に、接触検出部10に加わる荷重(押圧力)を検出するための歪みゲージセンサ31をそれぞれ接着等により設ける。また、接触検出部10の裏面上には、対向する2つの辺の近傍に、接触検出部10を振動させるための圧電振動子51をそれぞれ接着等により設ける。すなわち、図2に示す電子機器1は、図1に示した荷重検出部30を4つの歪みゲージセンサ31を用いて構成し、触感呈示部50を2つの圧電振動子51を用いて構成している。そして、触感呈示部50により接触検出部10を振動させることにより、入力面10aを振動させるようにしている。なお、図2(b)は、図2(a)に示した筐体11、アッパカバー13およびインシュレータ14の図示を省略している。
【0024】
次に、このように構成される本実施形態に係る電子機器1の動作を説明する。図3は、本実施形態に係る電子機器1の動作を示すフローチャートであり、図4は、本実施形態に係る電子機器1の動作を模式的に示す図である。なお、表示部20上には、属性(例えば、拡張子)が同じである2つのファイルのアイコン(オブジェクト)2、3が表示されており、アイコン2に係るファイルの内容はA+Bで構成され、アイコン3に係るファイルの内容はA+Cで構成されているものとする。ここで、アイコン2に係るファイルの最終(最新)更新日は、アイコン3に係るファイルの最終更新日より前であるとする。
【0025】
まず、電子機器1の動作が開始すると、制御部60は、接触検出部10に対する接触を監視する(ステップS101)。ステップS101において、操作者の指等の接触物による接触検出部10に対する接触が検出されると、制御部60は、接触検出部10から接触位置を取得する(ステップS102)。
【0026】
制御部60は、ステップS102にて取得した接触位置が、アイコン2が表示された位置に対応するか否かを判定する(ステップS103)。接触位置が、アイコン2が表示された位置に対応しない場合には、処理を終了する。一方、図4(a)に示すように、接触位置が、アイコン2が表示された位置に対応する場合には、制御部60は、さらに接触検出部10に対する接触を監視し、接触検出部10に接触した状態で、接触位置が、アイコン3が表示された位置に移動したか否か、すなわちアイコン2をドラッグしてアイコン2がアイコン3と重なっているか否かを判定する(ステップS104)。図4(b)は、アイコン2をアイコン3に接触させようとしているときの状態を示しており、図4(c)は、アイコン2とアイコン3が重なる直前の状態を示している。制御部60は、アイコン2、3が重なっていない場合(ステップS104でNoの場合)、接触検出部10がリリース(非接触)を検出したか否かを判定する(ステップS120)。制御部60は、接触検出部10がリリースを検出した場合(ステップS120でYesの場合)は、処理を終了する。接触検出部10がリリースを検出しない場合(ステップS120でNoの場合)は、ステップS104に戻る。アイコン2、3が重なっている場合(ステップS104でYesの場合)は、アイコン2のファイルの属性とアイコン3のファイルの属性とが一致するか否かを判定する(ステップS105)。ファイルの属性が一致しない場合は、他の処理へ移行する(ステップS106)。
【0027】
ファイルの属性が一致する場合は、制御部60は、荷重検出部30が第1の荷重基準以上の押圧荷重を検出したか否かを判定する(ステップS107)。制御部60は、荷重検出部30で検出する押圧荷重が第1の荷重基準未満の場合(ステップS107でNoの場合)、接触検出部10がリリース(非接触)を検出したか否かを判定する(ステップS108)。制御部60は、接触検出部10がリリースを検出した場合(ステップS108でYesの場合)は、図4(d)に示すように、2つのアイコン2、3が示すファイルの内容をマージ(結合)してファイル内容がA+B+Cのファイルを作成する(ステップS118)。そして、アイコン2、3を合成してアイコン4を表示する(ステップS119)。接触検出部10がリリースを検出しない場合(ステップS108でNoの場合)は、ステップS107に戻る。
【0028】
ステップS107で、荷重検出部30が第1の荷重基準以上の押圧荷重を検出した場合(Yesの場合)には、制御部60は、触感呈示部50に対して触感呈示動作を行うように指示した後、荷重検出部30が第2の荷重基準以上の押圧荷重を検出したか否かを判定する(ステップS109)。制御部60は、荷重検出部30で検出する押圧荷重が第2の荷重基準未満の場合(ステップS109でNoの場合)、接触検出部10がリリースを検出したか否かを判定する(ステップS110)。制御部60は、接触検出部10がリリースを検出した場合(ステップS110でYesの場合)は、2つのアイコン2、3が示すファイルの共通のデータ部分からなるAの内容のファイルを作成する(ステップS111)。図4(e)は、Aの内容のファイルを作成した状態を示すとともに、第1の荷重基準とファイル内容Aとの対応関係を示している。そして、アイコン2、3を合成してアイコン4を表示する(ステップS119)。接触検出部10がリリースを検出しない場合(ステップS110でNoの場合)は、ステップS109に戻る。
【0029】
ステップS109で、荷重検出部30が第2の荷重基準以上の押圧荷重を検出した場合(Yesの場合)には、制御部60は、触感呈示部50に対して触感呈示動作を行うように指示した後、荷重検出部30が第3の荷重基準以上の押圧荷重を検出したか否かを判定する(ステップS112)。制御部60は、荷重検出部30で検出する押圧荷重が第3の荷重基準未満の場合(ステップS112でNoの場合)、接触検出部10がリリースを検出したか否かを判定する(ステップS113)。制御部60は、接触検出部10がリリースを検出した場合(ステップS113でYesの場合)は、アイコン2が示すファイルの内容であるA+Bのファイルを作成する(ステップS114)。図4(e)は、A+Bの内容のファイルを作成した状態を示すとともに、第2の荷重基準とファイル内容A+Bとの対応関係を示している。そして、アイコン2、3を合成してアイコン4を表示する(ステップS119)。接触検出部10がリリースを検出しない場合(ステップS113でNoの場合)は、ステップS112に戻る。
【0030】
ステップS112で、荷重検出部30が第3の荷重基準以上の押圧荷重を検出した場合(Yesの場合)には、制御部60は、触感呈示部50に対して触感呈示動作を行うように指示した後、荷重検出部30が第4の荷重基準以上の押圧荷重を検出したか否かを判定する(ステップS115)。制御部60は、荷重検出部30で検出する押圧荷重が第4の荷重基準未満の場合(ステップS115でNoの場合)、接触検出部10がリリースを検出したか否かを判定する(ステップS116)。制御部60は、接触検出部10がリリースを検出した場合(ステップS116でYesの場合)は、アイコン3が示すファイルの内容であるA+Cのファイルを作成する(ステップS117)。図4(e)は、A+Cの内容のファイルを作成した状態を示すとともに、第3の荷重基準とファイル内容A+Cとの対応関係を示している。そして、アイコン2、3を合成してアイコン4を表示する(ステップS119)。接触検出部10がリリースを検出しない場合(ステップS113でNoの場合)は、ステップS115に戻る。
【0031】
ステップS115で、荷重検出部30が第4の荷重基準以上の押圧荷重を検出した場合(Yesの場合)には、制御部60は、図4(f)に示すように、2つのアイコン2、3が示すファイルの内容をマージしてファイル内容がA+B+Cのファイルを作成する(ステップS118)。そして、アイコン2、3を合成してアイコン4を表示する(ステップS119)。
【0032】
上述のように、本実施形態に係る電子機器は、オブジェクトがドラッグされて、他のオブジェクトに重ね合わされたならば、ドラッグされたオブジェクトのファイル、および他のオブジェクトのファイルの共通のデータからなるファイルを作成し、または2つのファイルの全てのデータを含むファイルを作成することができるので、ファイルの内容を、ユーザが所望する内容に迅速かつ容易に統合することができる。
【0033】
なお、本発明は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、上述した実施形態では、荷重検出部30を備えて、荷重検出部30が検出する押圧荷重に基づいて、オブジェクトのファイルの操作を行ったが、本発明は、荷重検出部30を備えることなく、オブジェクトを表示する表示部20と、接触物の接触を検出する接触検出部10と、表示部20に表示されたオブジェクトのファイルの操作を行う制御部60とを備えて、制御部60が、オブジェクトがドラッグされて、接触検出部10が検出する接触物の接触位置が他のオブジェクトの表示領域の位置に変化したならば、ドラッグされたオブジェクトのファイル、および他のオブジェクトのファイルの共通のデータからなるファイルを作成し、または、2つのファイルの全てのデータを含むファイルを作成するようにしてオブジェクトのファイル操作を行ってもよい。
【0034】
また、本発明は、さらに接触検出部10を備えることなく、オブジェクトを表示する表示部20と、表示部20に表示されたオブジェクトのファイルの操作を行う制御部60とを備えて、制御部60が、マウス等によりオブジェクトがドラッグされて、他のオブジェクトに重ね合わされたならば、ドラッグされたオブジェクトのファイル、および他のオブジェクトのファイルの共通のデータからなるファイルを作成し、または2つのファイルの全てのデータを含むファイルを作成するようにしてオブジェクトのファイル操作を行ってもよい。
【0035】
また、上述した実施形態においては、第1〜第4の荷重基準の値は記憶部60に記憶されていたが、この第1〜第4の荷重基準の値は、操作者によって適宜変更されるものであってもよい。
【0036】
また、上述した実施形態において、例えば、荷重基準「以上」または荷重基準「未満」といった表現は必ずしも厳密な意味ではなく、荷重基準「以上」とは基準の荷重を超える場合も包含し得るものとし、荷重基準「未満」とは、基準の荷重以下となる場合も包含し得るものとする。
【0037】
また、上述した実施形態では、接触検出部10を用いて入力面10aに対する接触を検出したが、荷重センサ(荷重検出部)を用いて、所定の押圧荷重の基準を満たした場合に、接触がなされたものと判定することもできる。このような荷重検出部は、上述した実施の形態の荷重検出部30と同様に、任意の個数の歪みゲージセンサ31等を用いて構成することができる。
【0038】
また、触感呈示部50は、振動モータ(偏心モータ)に基づいて電子機器1を振動させることにより、接触検出部10の入力面10aを間接的に振動させるように構成することもできる。さらに、荷重検出部30および触感呈示部50は、圧電素子を用いて構成する場合は、圧電素子を共用して荷重検出部30および触感呈示部50を構成することもできる。圧電素子は、圧力が加わると電力(電圧)を発生し、電力(電圧)が加えられると変形するためである。
【0039】
上述した実施形態においては、接触検出部10を表示部20の上面に重ねて配置した構成を想定して説明したが、必ずしもこのような構成にする必要はなく、接触検出部10と表示部20とを離間した構成にしてもよい。
【0040】
また、上述した実施形態において、触感呈示部50が入力面10aに接触している接触対象に対して触感を呈示する態様として、触感呈示部50が入力面10aに振動を発生させることにより、入力面10aに接触している接触対象に対して触感を呈示する態様を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、接触検出部10上に貼ったフィルムの電荷を制御する等により、機械的な振動を使わずに、入力面10aに接触している接触対象に対して触感を呈示してもよい。
【0041】
また、上述の本発明の実施形態の説明における接触検出部10および表示部20は、接触検出部10および表示部20の両機能を共通の基板に持たせる等により、一体化した装置によって構成されてもよい。このような接触検出部10および表示部20の両機能を一体化した装置の構成の一例としては、液晶パネルが有するマトリクス状配列の画素電極群に、フォトダイオード等の複数の光電変換素子を規則的に混在させたものがある。この装置は、液晶パネル構造によって画像を表示する一方で、パネル表面の所望位置をタッチ入力するペンの先端で液晶表示用のバックライトの光を反射し、この反射光を周辺の光電変換素子が受光することにより、タッチ位置を検出することができる。
【0042】
また、上述した本発明の実施態様の説明においては、荷重検出部について詳述したが、荷重検出部が圧電素子として構成される場合、本発明の「接触検出部に対する押圧荷重を検出する」には、「接触検出部に対する押圧荷重に基づき電圧を出力(発生)する」ことが含まれるものである。また、同様に、本発明の「荷重基準」には、「電圧による基準である電圧基準」が含まれるものである。また、同様に、「荷重検出部により検出する押圧荷重」には、「圧電素子により出力(発生)する電圧」が含まれるものである。このように、荷重検出部として圧電素子を用いて、圧電素子が接触検出部に対する押圧荷重に基づき電圧を出力(発生)する場合などには、制御部は、圧電素子が出力する電圧から接触検出部に対する押圧荷重を算出などすることなく、圧電素子が出力する電圧に基づき、所定の処理を行うか否かの判断を行ってもよい。この場合は上述のとおり、制御部は、圧電素子が出力する電圧が所定の電圧基準を満たしたならば、ドラッグされたオブジェクトのファイル、および他のオブジェクトのファイルの共通のデータからなるファイルを作成し、所定の電圧基準とは異なる電圧基準を満たしたならば、2つのファイルの全てのデータを含むファイルを作成するものである。
【0043】
また、上述した本発明の実施態様の説明において、所定の荷重基準を満たすこととは、例えば、接触検出部に対する押圧荷重が所定の荷重閾値以上になることや、接触検出部に対する押圧荷重が所定の荷重閾値を超えること、接触検出部に対する押圧荷重が一定時間荷重閾値以上であることなどである。上述した本発明の実施態様では、所定の荷重基準を満たすこととは、押圧荷重が所定の荷重基準(閾値)以上になることとしている。
【0044】
また、上述した本発明の実施態様の説明においては、荷重検出部が検出する押圧荷重が第2の荷重基準(所定の荷重基準)を満たしたならば、ドラッグされたオブジェクトのファイル、および他のオブジェクトのファイルの共通のデータからなるファイルを作成し、第1の荷重基準より高い第4の荷重基準(異なる荷重基準)を満たしたならば、2つのファイルの全てのデータを含むファイルを作成するが、本発明はこれに限定されず、荷重検出部が検出する押圧荷重が第4の荷重基準を満たしたならば、ドラッグされたオブジェクトのファイル、および他のオブジェクトのファイルの共通のデータからなるファイルを作成し、第4の荷重基準より低い第1の荷重基準を満たしたならば、2つのファイルの全てのデータを含むファイルを作成してもよい。
【0045】
また、上述した本発明の実施態様の説明においては、第1〜第4の荷重基準が設定されていたが、第1の荷重基準および第4の荷重基準が設定され、第2の荷重基準および第3の荷重基準は設定されなくともよい。
【0046】
また、上述した本発明の実施態様の説明においては、ファイルの内容についてA、A+B、A+C、A+B+Cの文字を用いて説明したが、このB、Cは、ファイルの内容がAであるものからの差分を示すものであってもよい。例えば、ファイルの内容が文章であり、Aが「11月26日(水)」であり、A+Bが「11月26日」であり、A+Cが「2011年11月26日(水)」であるとすると、A+B+Cは「2011年11月26日」となる。ここで、Bは「(水)」を削除したことであり、Cは「2011年」を追加したことである。
【符号の説明】
【0047】
1 電子機器
2、3、4 アイコン
10 接触検出部
10a 入力面
11 筐体
12 インシュレータ
13 アッパカバー
14 インシュレータ
20 表示部
30 荷重検出部
31 歪みゲージセンサ
40 記憶部
50 触感呈示部
51 圧電振動子
60 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトを表示する表示部と、
前記表示部に表示されたオブジェクトのファイルの操作を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、前記オブジェクトがドラッグされて、他のオブジェクトに重ね合わされたならば、ドラッグされた前記オブジェクトのファイル、および他のオブジェクトのファイルの共通のデータからなるファイルを作成することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
オブジェクトを表示する表示部と、
前記表示部に表示されたオブジェクトのファイルの操作を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、前記オブジェクトがドラッグされて、他のオブジェクトに重ね合わされたならば、ドラッグされた前記オブジェクトのファイル、および他のオブジェクトのファイルの全てのデータを含むファイルを作成することを特徴とする電子機器。
【請求項3】
オブジェクトを表示する表示部と、
接触物の接触を検出する接触検出部と、
前記接触検出部に対する押圧荷重を検出する荷重検出部と、
前記表示部に表示されたオブジェクトの表示領域に対応する前記接触検出部の領域における前記接触物の接触位置と、前記荷重検出部が検出する押圧荷重とに基づいて、前記オブジェクトのファイルの操作を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、前記オブジェクトがドラッグされて、前記接触検出部が検出する前記接触物の接触位置が他のオブジェクトの表示領域の位置に変化した状態で、前記荷重検出部が検出する押圧荷重が所定の荷重基準を満たしたならば、ドラッグされた前記オブジェクトのファイル、および他のオブジェクトのファイルの共通のデータからなるファイルを作成し、前記所定の荷重基準とは異なる荷重基準を満たしたならば、2つのファイルの全てのデータを含むファイルを作成することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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