電子決済システム、電子決済サーバ、移動体通信端末、並びに電子決済方法
【課題】遊技場においても利用可能な、現金決済と同様の電子決済方式を提供する。
【解決手段】この電子決済システムにおいて、携帯電話機は、玉貸し機と非接触型ICカードによる通信を行うことにより玉貸し機から機器IDを取得し、この機器IDとユーザIDを含む支払要求メッセージを電子決済サーバに送信する。電子決済サーバは、ユーザ口座から決済事業者口座への振替金額を店舗内サーバに通知し、店舗内サーバはこの振替金額を預かり金として記憶する。店舗内サーバは、携帯電話機からの支払要求メッセージに応じて、玉貸し機に貸し玉代に応じた貸し玉の提供を指示し、消費金額に貸し玉代に応じた額を加算し、消費金額を決済事業者口座から遊技場事業者口座へ振り替えるように収納ネットワークに振替要求を行う。貸し玉機は、店舗内サーバから提供指示メッセージを受け取った場合、貸し玉代に応じた貸し玉を提供する。
【解決手段】この電子決済システムにおいて、携帯電話機は、玉貸し機と非接触型ICカードによる通信を行うことにより玉貸し機から機器IDを取得し、この機器IDとユーザIDを含む支払要求メッセージを電子決済サーバに送信する。電子決済サーバは、ユーザ口座から決済事業者口座への振替金額を店舗内サーバに通知し、店舗内サーバはこの振替金額を預かり金として記憶する。店舗内サーバは、携帯電話機からの支払要求メッセージに応じて、玉貸し機に貸し玉代に応じた貸し玉の提供を指示し、消費金額に貸し玉代に応じた額を加算し、消費金額を決済事業者口座から遊技場事業者口座へ振り替えるように収納ネットワークに振替要求を行う。貸し玉機は、店舗内サーバから提供指示メッセージを受け取った場合、貸し玉代に応じた貸し玉を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子決済システム、電子決済サーバ、移動体通信端末、並びに電子決済方法に関し、より詳しくは現金決済に準じた電子決済を実現するための電子決済システム、電子決済サーバ、移動体通信端末、並びに電子決済方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報処理技術、通信技術の発展及び通信インフラの普及により、料金・代金の支払方法が多様化し、現金による支払に代わるさまざまな方法が提案され利用されるようになってきている。
【0003】
現金に代わる代金支払方法としては、いわゆる後払い形式のクレジット・カードや先払い形式のプリペイドカードが存在している。
【0004】
さて、パチンコホールなどの遊技場における支払においても、現金以外の支払方法が利用できれば、ユーザ(遊技者)の利便が向上するとともに、遊技機の稼働率が高まることによる遊技場の売り上げ向上も期待できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、遊技者が過大な借り入れをすることを防ぐ趣旨の規制により、一般に遊技場におけるクレジット・カードの利用は制限されている。また、仮に、遊技場においてクレジット・カードによる決済方法が可能になったとしても、クレジットによる利用の記録が自宅に郵送されてきたり、利用状況によっては、本人確認の電話がクレジット事業者からかかってきたりと、煩わしい状況であったり、さらには個人情報漏洩のおそれのために、クレジット・カード番号、暗証番号を遊技場側に伝えて決済し、個人情報の記録が遊技場内部に残ってしまうことに遊技者は少なからぬ抵抗感を有するであろうため、遊技場におけるクレジット・カードによる決済利用普及は現状では難しい。
【0006】
また、現金、クレジット・カード以外の別の決済方法として、プリペイドカードによる支払方法もあるが、遊技の結果遊技者が手持ちの現金を全て消費してしまった場合には、プリペイドカードをさらに追加購入することはできない。遊技者が手持ちの現金を遊技において消費し終わった後、もう少し遊技したい、或いは遊技場においてなんらかの買い物をしたいという要求を持っていても、現状ではそのような要求に応えることができる決済方法が用意されておらず、遊技場はこのような潜在的な需要をみすみす見逃さざるを得なかった。
【0007】
本発明の目的は、遊技場においても利用可能な、現金決済と同様の新たな電子決済方式を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための手段として、本発明は以下の特徴を有している。
本発明の第1の態様は、ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座の間で金銭を振り替えることが可能な収納ネットワーク(例えば、マルチペイメントネットワーク)に対して、通信網を介してこれら口座間の振替を要求することが可能な電子決済サーバと、前記電子決済サーバと通信網を介して通信可能な店舗内サーバと、前記店舗内サーバと通信可能な有価価値提供装置(例えば、玉貸し機、サンドマシン、プリペイドカード発券機など)と、前記店舗内サーバと通信網を介して通信可能であると共に前記有価価値提供装置と通信可能な移動体通信端末(例えば、非接触型ICカードを搭載した携帯電話機)とを有する電子決済システムとして提案される。
【0009】
前記電子決済サーバは、ユーザごとに各店舗内サーバで使用可能な金額であるユーザ保有金額を記憶し、ユーザが指定する振替金額に応じたユーザ振替金額(例えば、振替金額に決済事業者手数料を加算した額)をそのユーザのユーザ口座から前記決済事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信し、また前記ユーザ振替金額をユーザ保有金額に加算し、そのユーザ振替金額を通知するユーザ預かり金処理要求メッセージを前記店舗内サーバに送信し、前記店舗内サーバは、前記ユーザ預かり金処理要求メッセージに応じて、ユーザからの預かり金を示す預かり金を算出して記憶し、前記移動体通信端末は、前記有価価値提供装置からその有価価値提供装置を特定する機器特定情報(例えば、機器ID)を取得し、前記機器特定情報を含む支払要求メッセージを生成し、この支払要求メッセージを前記店舗内サーバに送信し、前記店舗内サーバは、前記移動体通信端末からの支払要求メッセージに応じて、前記機器特定情報によって特定された有価価値提供装置に有価価値の提供を指示する提供指示メッセージを送信し、且つ前記ユーザ預かり金から、有価価値の提供の代金であるユーザ支払金額に応じた額を減算すると共に、そのユーザの消費金額に前記ユーザ支払金額に応じた額を加算し、その消費金額を通知する消費金額通知メッセージを前記電子決済サーバに送信し、前記有価価値提供装置は、前記店舗内サーバから提供指示メッセージを受信すると、前記ユーザ支払金額に応じた有価価値を提供し、前記電子決済サーバは、前記消費金額通知メッセージに応じて、消費金額を遊技場事業者保有金額に加算し、前記収納ネットワークに前記決済事業者口座から前記遊技場事業者口座に遊技場事業者保有金額に応じた金額を振り替えるよう要求する振替依頼メッセージを前記収納ネットワークに送信することを特徴としている。
この電子決済システムによれば、クレジット・カードやデビット・カードなどの既存の決済方法に変わる、新たな決済方法を提供することが可能となる。
【0010】
本発明の第2の態様は、ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座の間で金銭を振り替えることが可能な収納ネットワーク(例えば、マルチペイメントネットワーク)に対して、通信網を介してこれら口座間の振替を要求することが可能な電子決済サーバとして提案される。
【0011】
この電子決済サーバは、ユーザごとに各店舗内サーバで使用可能な金額であるユーザ保有金額と、各遊技場事業者の遊技場事業者保有金額とを記憶する記憶手段(例えば、データベース部)と、ユーザが指定する振替額に応じたユーザ振替金額(例えば、ユーザが振替を指定した額に決済事業者の手数料を加えた額)をそのユーザのユーザ口座から前記決済事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信し、また前記ユーザ振替金額を前記ユーザ保有金額に加算し、そのユーザ保有金額を通知するユーザ預かり金処理要求メッセージを送信するための振替要求処理部と、
【0012】
ユーザが有価価値の提供の代金として支払う金額の合計である消費金額を通知する消費金額通知メッセージに応じて、消費金額を前記遊技場事業者保有金額に加算し、前記収納ネットワークに前記決済事業者口座から前記遊技場事業者口座に遊技場事業者保有金額に応じた金額(例えば、遊技場事業者保有金額から決済時御者の手数料を引いた額)を振り替えるよう要求する振替依頼メッセージを前記収納ネットワークに送信するための精算処理手段(例えば、精算処理部)とを有することを特徴としている。
この電子決済サーバによれば、クレジット・カードやデビット・カードなどの既存の決済方法に変わる、新たな決済方法を提供することが可能となる。
【0013】
本発明の第3の態様は、ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座の間で金銭を振り替えることが可能な収納ネットワークに対して、通信網を介してこれら口座間の振替を要求することが可能な電子決済サーバと通信網を介して通信可能な店舗内サーバとして提案される。
【0014】
この店舗内サーバは、各ユーザの預かり金と、消費金額を記憶する記憶手段(例えば、データベース部)と、前記電子決済サーバから送信されたユーザ預かり金処理要求メッセージに応じて、預かり金を算出して記憶させる預かり金処理手段(例えば、預かり金処理部)と、有価価値の提供の代金であるユーザ支払金額の支払を求める支払要求メッセージを受信すると、前記預かり金からユーザ支払金額に応じた額を減算すると共に、前記消費金額に前記ユーザ支払金額に応じた額を加算する支払要求処理手段(例えば、支払い要求処理部)と、前記預かり金からユーザ支払金額を減算した結果に応じて、有価価値の提供を指示する提供指示メッセージを送信する提供指示手段(例えば、提供指示部)と、前記電子決済サーバに消費金額を通知する消費金額通知メッセージを送信する精算処理手段(例えば、精算処理部)とを有することを特徴としている。
この店舗内サーバによれば、クレジット・カードやデビット・カードなどの既存の決済方法に変わる、新たな決済方法を提供することが可能となる。
【0015】
本発明の第4の態様は、電子決済システムのための移動体通信端末として提案される。この移動体通信端末は、有価価値提供装置(例えば、玉貸し機、サンドマシン、プリペイドカード発券機など)と近距離通信手段(例えば、非接触型ICカード用チップ)による通信を行うことによって、有価価値提供装置からその有価価値提供装置を特定する機器特定情報(例えば、機器ID)を取得し、前記機器特定情報を含む支払要求メッセージを生成し、この支払要求メッセージを店舗内サーバに送信して、前記店舗内サーバに、有価価値の提供の代金であるユーザ支払金額(例えば、¥1,000分の貸し玉代)に応じた有価価値の提供を前記有価価値提供装置に指示させる、ことを特徴としている。
【0016】
本発明の第5の態様は、電子決済方法として提案される。
この電子決済方法は、ユーザが指定した振替金額をユーザ口座から決済事業者口座へ振り替えるよう収納ネットワークに要求する振替依頼メッセージを送信するステップ(例えば、振替依頼メッセージ送信S204)と、前記振替金額に応じた額であるユーザ振替金額を前記ユーザ保有金額に加算して記憶させるステップ(例えば、保有金額データ処理S207)と、前記ユーザ保有金額を通知するユーザ預かり金メッセージを送信するステップ(例えば、ユーザ預かり金処理要求メッセージ送信S208)と、前記ユーザ預かり金メッセージを受信し、このユーザ預かり金メッセージに応じて預かり金を算出して記憶させるステップ(例えば、預かり金データ更新処理S20)と、有価価値提供装置と近距離通信手段による通信を行うことにより取得されるその有価価値提供装置を特定する機器特定情報を含む支払要求メッセージを受信するステップ(例えば、支払い要求メッセージ送信S303)と、前記支払要求メッセージに応じて、有価価値の提供の代金であるユーザ支払額の合計である消費金額を算出して記憶させるステップ(例えば、消費金額処理S308)と、前記預かり金と消費金額とが所定の条件を満たす場合は、前記支払要求メッセージに応じて、前記機器特定情報によって特定される有価価値提供装置にユーザ支払金額に応じた有価価値の提供を指示する提供指示メッセージを送信するステップ(例えば、預かり金チェックS304、提供指示メッセージ送信S305)と、前記消費金額を通知するための消費金額通知メッセージを送信するステップ(例えば、消費金額通知メッセージ送信S404)と、前記消費金額通知メッセージに応じて、前記消費金額に応じた額を遊技場事業者保有金額に加算して、記憶させるステップ(例えば、保有金額精算処理S406)と、前記遊技場事業者保有金額に応じた額を前記決済事業者口座から前記遊技場事業者口座へ振り替えるように前記収納ネットワークに要求する振替依頼メッセージを送信するステップ(例えば、振替依頼メッセージ送信S408)とを有することを特徴としている。
【0017】
この電子決済方法によれば、クレジット・カードやデビット・カードなどの既存の決済方法に変わる、新たな決済方法を提供することが可能となる。
【0018】
本発明の第6の態様は、ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座の間で金銭を振り替えることが可能な収納ネットワーク(例えば、マルチペイメントネットワーク)に対して、通信網を介してこれら口座間の振替を要求することが可能な電子決済サーバと、前記電子決済サーバと通信網を介して通信可能な店舗内サーバと、前記店舗内サーバと通信可能な有価価値提供装置(例えば、貸し玉機、サンドマシンなど)と、前記店舗内サーバと通信網を介して通信可能であると共に前記有価価値提供装置と通信可能な移動体通信端末(例えば、非接触型ICカードを搭載した携帯電話機)とを有する電子決済システムとして提案される。
【0019】
前記電子決済サーバは、ユーザが指定する振替金額に応じたユーザ振替金額(例えば、振替金額から決済事業者に支払う手数料を差し引いた額)を前記ユーザ口座から前記決済事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信し、且つユーザ振替金額に応じた金額を前記決済事業者口座から前記遊技事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信し、また前記ユーザ振替金額を通知するユーザ預かり金処理要求メッセージを前記店舗内サーバに送信し、前記店舗内サーバは、前記ユーザ預かり金処理要求メッセージに応じて、ユーザからの預かり金を示すユーザ預かり金(例えば、預かり金1501)を算出して記憶し、前記移動体通信端末は、前記有価価値提供装置からその有価価値提供装置を特定する機器特定情報(例えば、機器ID)を取得し、前記機器特定情報を含む支払要求メッセージを生成し、この支払要求メッセージを前記店舗内サーバに送信し、前記店舗内サーバは、前記移動体通信端末からの支払要求メッセージに応じて、前記機器特定情報によって特定された有価価値提供装置に有価価値の提供を指示する提供指示メッセージを送信し、前記有価価値提供装置は、前記店舗内サーバから提供指示メッセージを受信すると、有価価値の提供の代金であるユーザ支払金額に応じた有価価値を提供することを特徴としている。
【0020】
この電子決済サーバによれば、クレジット・カードやデビット・カードなどの既存の決済方法に変わる、新たな決済方法を提供することが可能となる。
【0021】
本発明の第7の態様は、ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座の間で金銭を振り替えることが可能な収納ネットワーク(例えば、マルチペイメントネットワーク)に対して、通信網を介してこれら口座間の振替を要求することが可能な電子決済サーバであって、ユーザが指定する振替額に応じたユーザ振替金額(例えば、振替金額に決済事業者手数料を加えた額)を前記ユーザ口座から前記決済事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信し、且つユーザ振替金額に応じた金額を前記決済事業者口座から前記遊技事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信し、且つ前記ユーザ振替金額を通知するユーザ預かり金処理要求メッセージを送信することを特徴としている。
【0022】
この電子決済サーバによれば、クレジット・カードやデビット・カードなどの既存の決済方法に変わる、新たな決済方法を提供することが可能となる。
【0023】
本発明の第8の態様は、ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座の間で金銭を振り替えることが可能な収納ネットワーク(例えば、マルチペイメントネットワーク)に対して、通信網を介してこれら口座間の振替を要求することが可能な電子決済サーバと通信網を介して通信可能な店舗内サーバとして提案される。
【0024】
各ユーザの預かり金(例えば、預かり金1501)と、消費金額(消費金額1502)を記憶する記憶手段(例えば、データベース部)と、前記電子決済サーバから送信されたユーザ預かり金処理要求メッセージに応じて、預かり金を算出して記憶させる預かり金処理手段(例えば、預かり金処理部)と、有価価値の提供の代金であるユーザ支払金額の支払を求める支払要求メッセージを受信すると、前記預かり金からユーザ支払金額を減算して記憶させる支払要求処理手段(例えば、支払い要求処理部)と、前記預かり金からユーザ支払金額を減算した結果に応じて、有価価値の提供を指示する提供指示メッセージを送信する提供指示手段(例えば、提供指示部)とを有することを特徴としている。
【0025】
この店舗内サーバによれば、クレジット・カードやデビット・カードなどの既存の決済方法に変わる、新たな決済方法を提供することが可能となる。
【0026】
本発明の第9の態様は、電子決済方法として提案される。この電子決済方法は、ユーザが指定した振替金額に応じた額であるユーザ振替金額(例えば、振替金額から決済事業者に支払う手数料を差し引いた額)をユーザ口座から決済事業者口座へ振り替えるよう収納ネットワークに要求する振替依頼メッセージを送信するステップ(例えば、振替依頼メッセージ送信S504)と、ユーザ振替金額に応じた金額を前記決済事業者口座から前記遊技事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信するステップ(例えば、振替依頼メッセージ送信S507)と、前記振替金額に応じた額であるユーザ預かり金を通知するユーザ預かり金メッセージを送信するステップ(例えば、ユーザ預かり金処理要求メッセージ送信S510)と、前記ユーザ預かり金メッセージを受信し、このユーザ預かり金メッセージに応じて預かり金を算出して記憶させるステップ(例えば、預かり金データ更新処理S511)と、有価価値提供装置と近距離通信手段による通信を行うことにより取得されるその有価価値提供装置を特定する機器特定情報を含む支払要求メッセージを受信するステップ(例えば、支払要求メッセージ送信S303)と、前記支払要求メッセージに応じて、有価価値の提供の代金であるユーザ支払金額の合計である消費金額を算出して記憶させるステップ(例えば、消費金額処理S308)と、
前記預かり金と消費金額とが所定の条件を満たす場合は、前記支払要求メッセージに応じて、前記有価価値提供装置に前記ユーザ支払金額に応じた有価価値の提供を指示する提供指示メッセージを送信するステップ(例えば、預かり金チェックS304、提供指示メッセージ送信S305)とを有することを特徴としている。
【0027】
この電子決済方法によれば、クレジット・カードやデビット・カードなどの既存の決済方法に変わる、新たな決済方法を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、遊技場においても利用可能な、簡易且つ安全な電子決済を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
[I.第1の実施の形態]
[1.電子決済システムの構成例]
図1は電子決済システムの一例を示すネットワーク図である。
この図に示す例においては、電子決済システム1は、電子決済サーバ10と、移動体通信端末20と、有価価値提供装置30と、店舗内サーバ31を有している。
【0030】
電子決済サーバ10は、通信網50を介して、移動体通信端末20、店舗内サーバ31、及び収納ネットワーク40に接続されている。収納ネットワーク40は、電子決済サーバ10からの指示に基づいて、ユーザの口座から指定された振込先口座へ指定された金額の振込処理を実行するシステムであって、例えば「マルチペイメントネットワーク」(例えば、http://www.jampa.gr.jp/pub/ 参照)である。
【0031】
図2は、収納ネットワーク40の概略構成を示すブロック図である。収納ネットワーク40は、銀行などの金融機関の金融機関システム44(共同利用センターのような形態を含む)が通信ネットワーク45(通信網50と同一の網であってもよい)を介して互いに通信可能に接続されている。金融機関システム44は、以下の口座の入出金を電子的に行うことができるシステムである。本電子決済システム1が利用する金融機関システム44は、遊技機を遊技する者であって、本電子決済システムを用いて支払いを行う者(以下、ユーザと呼ぶ)の口座(以下、ユーザ口座41と呼ぶ)、本電子決済システム1の運営、管理を直接又は間接に行い、電子決済システム1の運営の対価・代価・手数料などを受け取る者(以下、決済事業者と呼ぶ)の口座(以下、決済事業者口座42と呼ぶ)、及び遊技機による遊技をユーザに提供する者であって、本電子決済システム1を用いてユーザからの支払いを受け取る者(以下、遊技場事業者と呼ぶ)の口座(以下、遊技場事業者口座43と呼ぶ)を有する。これらの口座41,42,43は同一の金融機関システム44に設けられていてもよいし、互いに別の金融機関システム44に設けられていてもよい。図2では、これら口座41,42,43は異なる金融機関システム44に設けられているものとして図示したが、このような態様に本実施の形態が限定される趣旨ではない。
【0032】
通信ネットワーク45には、依頼者が収納ネットワーク40に対して支払い依頼を送信するための端末装置が接続されている。端末装置としては、パーソナルコンピュータ(PC)46,携帯電話機47,ATM(Automated Teller Machine)48などが用いられる。本実施形態にかかる電子決済システム1では、移動体通信端末20,又は電子決済サーバ10が収納ネットワーク40の端末装置として動作する。
【0033】
図1に戻り、電子決済システム1の構成例の説明を続ける。
電子決済サーバ10は通信網50に接続されており、店舗内サーバ31と通信網50を介して通信可能となっている。移動体通信端末20は、基地局(BS)60、移動体通信網70、及び移動体通信網70と通信網50とを接続するゲートウエイ80とを介して電子決済サーバ10、店舗内サーバ31,収納ネットワーク40と通信可能であるとともに、移動体通信端末20が備えている近距離通信手段(例えば、非接触式ICカード及びそのリーダ/ライタ)により有価価値提供装置30と通信可能である。
【0034】
以下、上記の電子決済システム1の各構成要素について説明する。
[1.1.有価価値提供装置]
有価価値提供装置30は、ユーザが移動体通信端末20を用いて電子決済を行った対価として、なんらかの有価価値(金銭と交換して購入できる有体物、無体物をいうものとする)をユーザに提供する装置である。有価価値提供装置30は、例えば、遊技場の玉貸し機、メダル貸し出し装置、CAT端末装置などである。なお、本実施の形態における有価価値提供装置30は、玉貸し機やメダル貸出機のような有価価値を直接ユーザに提供する装置である必要はなく、例えば、デビット・カードのCAT端末のように、電子決済は可能である旨を遊技場(店舗)側に通知して、遊技場側に品物などをユーザに引き渡させるなどの間接的にユーザに有価価値を提供する装置も含む。
【0035】
図3は、有価価値提供装置30及び移動体通信端末20の構成例を示す機能ブロック図である。以下、図3を参照しながら有価価値提供装置30の構成について説明する。
【0036】
有価価値提供装置30は、ネットワーク通信処理部301と、提供制御部302と、提供装置側近距離通信部303と、有価価値供給部304と、遊技履歴処理部305とを有している。
【0037】
ネットワーク通信処理部301は、店舗内サーバ31と通信を実行する機能を有し、例えば、プロトコルスタックを搭載した通信ボードなどである。なお、有価価値提供装置30は店舗内サーバ31に対して複数台接続されていてもよく、有価価値提供装置30と店舗内サーバ31とはLANなどの通信網やその他の通信手段によって接続されている。
【0038】
提供制御部302は、ネットワーク通信処理部301、提供装置側近距離通信部303、有価価値供給部304の動作を命令・制御する機能を有し、例えば有価価値提供装置30を実現するためのプログラムを搭載したマイクロコンピュータである。
【0039】
提供装置側近距離通信部303は、移動体通信端末20に搭載されている端末側近距離通信部201と通信を行う機能を有し、例えば、非接触式ICカードのリーダ/ライタである。なお、提供装置側近距離通信部303が用いる通信方式は、無線に限られる必要はなく、赤外線通信であっても構わない。また、必ずしも非接触式の通信方式でなくともよく、通信ケーブルやUSBソケットにより接続して通信する方式を採用しても本発明は成立する。
【0040】
有価価値供給部304は、提供制御部302の命令に応じて、有価価値をユーザに提供する機能を有する。有価価値供給部とは、例えば、玉貸し機の貸し玉出力部、メダル貸出機のメダルホッパー、認証端末(例えば、CAT端末)のディスプレイ、或いはプリンタなどである。有価価値は、金銭により購入可能なものであれば、どのようなものでもよく、貸し玉、貸しメダル、プリペイドカード、オンバリューカード(ハウスカード)又は同等品、或いは無形のサービスなどである。有価価値供給部304は、必ずしも直接に有価価値をユーザに提供するものに限られず、間接的に有価価値をユーザに提供するものであってもよい。例えば、有価価値供給部304は液晶ディスプレイ装置であって、遊技場の店員やスタッフなどに、商品の引き渡しを指示するメッセージをこの液晶ディスプレイ装置が表示することも、本発明による有価価値の提供の一形態である。
【0041】
遊技履歴処理部305は、遊技者による有価価値提供装置30の使用に基づいて、遊技者の遊技履歴に関するデータである遊技履歴データを生成して、ネットワーク通信処理部301を介して店舗内サーバ31又は電子決済サーバ10に送信する機能を有する。
【0042】
例えば、有価価値提供装置30がある特定の遊技機に付設されたサンドマシン(玉貸し機)であるとする。遊技者がこのサンドマシンが付設された遊技機で遊技を行うために、サンドマシンである有価価値提供装置30と、移動体通信端末20である自己の携帯電話機とにより本電子決済システム1による決済により玉貸しを受ける。遊技履歴処理部305は、どの遊技者がどの遊技機をいつ遊技したのか、どれだけの金額を遊技したのか、などのデータである遊技履歴データを提供制御部302の動作状況、及び遊技機の動作状況より生成し、これを、技履歴データを管理するサーバに送信する。遊技履歴データは、全ての有価価値提供装置30が使用されるごとに、サーバに送られ蓄積される。この遊技履歴データを解析したり、データマイニングの手法などにより分析等したりすることにより、遊技者の行動傾向、遊技機の人気傾向、時間帯別利用動向などが明らかになり、その結果店舗経営や遊技機開発などの資料となる有用な情報を取得できる。
【0043】
なお、この実施の形態では、遊技履歴データを管理するサーバとして、電子決済サーバ10を用いる構成として説明するが、遊技履歴データを管理するサーバは、電子決済サーバ10とは別のサーバ装置として本電子決済システム1に組み入れられるようにしても、もちろん構わない。
【0044】
[1.2.移動体通信端末]
次に、図3を参照しながら移動体通信端末20について説明する。移動体通信端末20は、電子決済サーバ10及び/又は収納ネットワーク40と通信網50を介して通信可能であるとともに、近距離通信手段を用いて有価価値提供装置30とも通信可能な端末装置である。また、移動体通信端末20は、通信網50を介して店舗内サーバ31と通信可能であってもよい。
【0045】
移動体通信端末20は、例えば、非接触式ICカード(例えば、フェリカ;フェリカはソニー社の登録商標)機能を有する携帯電話機、近距離通信手段及び無線通信手段を搭載したPDA(Personal Data Assistant)、携帯ゲーム機、無線LANを搭載したIP電話機、或いは本電子決済システム1の専用端末装置などである。移動体通信端末20は、前述の提供装置側近距離通信部303と通信を行うための端末側近距離通信部201と、支払要求生成部202と、無線通信部203と、入力部204と、出力部205と、ユーザ情報記憶部206と、振替要求生成部207とを有している。
【0046】
端末側近距離通信部201は、提供装置側近距離通信部303と通信を行う機能を有し、例えばICカード用チップ及びアンテナである。
【0047】
支払要求生成部202は、有価価値提供装置30に有価価値を提供してもらえるように、ユーザが受け取る有価価値の対価(代金)の支払、決済を店舗内サーバ31に要求する支払要求メッセージを生成する機能を有し、例えば、iアプリ(「iアプリ」はNTTドコモ社の登録商標)を搭載したマイクロコンピュータである。
【0048】
無線通信部203は、移動体通信端末20が移動体通信網70に接続し、移動体通信網70を介した通信を実行する機能を有し、例えば変調回路、復調回路を有する無線通信回路である。移動体通信網は、一般的な携帯電話の通信網であっても、WIMAXや無線LANの通信網であってもよい。
【0049】
入力部204は、支払要求生成部202、振替要求生成部207などにユーザの指示
を電気信号に変えて渡す機能を有し、例えば携帯電話機のキー、タッチペンとタッチパネル、ポインティングデバイスである。
【0050】
出力部205は、移動体通信端末20がユーザに情報を伝えるための情報出力機能を有し、例えば、携帯電話機の液晶パネル、音声出力装置(スピーカなど)、或いは小型プリンタなどである。
【0051】
ユーザ情報記憶部206は、ユーザの支払又は決済に要する情報を記憶する機能を有する。図4は、ユーザ情報記憶部206が記憶する情報の一例を示す。この例では、ユーザ情報記憶部206は、その移動体通信端末20の使用者として登録されたユーザを一意に特定する情報であるユーザID208と、電子決済サーバ10及び/又は店舗内サーバ31がユーザの本人認証を行うためのパスワード209と、ユーザが支払代金を引き出す口座であるユーザ口座41を特定する情報である銀行番号210、支店番号211、及び口座番号212、及びその口座に設定された暗証番号213を記憶する。これら情報、とりわけ銀行番号210、支店番号211、口座番号212、暗証番号213は、ユーザが移動体通信端末20に支払要求生成部202及び振替要求生成部207として機能させるアプリケーションのインストール時、或いは本電子決済システム1のサービスを受けるためのユーザ登録時などにユーザにより入力されればよい。例えば、移動体通信端末20において起動したアプリケーションは、ユーザに入力部204からこれら情報を入力することを要求し、入力された情報208〜213はユーザ情報記憶部206に記憶される。これら情報208〜213は、ユーザ口座41から決済事業者口座42へのデポジットの振替要求のための振替要求メッセージを生成するときに使用され、振替要求メッセージの一部として電子決済サーバ10に送信されることになる。
【0052】
なお、ユーザID208は、電子決済サーバ10が自動的に割り当てる識別番号でもよいし、移動体通信端末20が有する識別情報、例えば、FelicaID(「FeliCa」はソニー株式会社の登録商標)、個体識別番号(FOMAカード識別情報を含む(「FOMA」は株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモの登録商標))であってもよい。
【0053】
[1.3.電子決済サーバ]
図2に戻り、電子決済システム1の構成要素の説明を続ける。
電子決済システム1は、その中核となる構成要素として電子決済サーバ10を有している。電子決済サーバ10は、演算処理装置(CPU)、主メモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、入出力装置(I/O)、必要な場合にはハードディスク装置等の外部記憶装置を具備している装置であって、例えばコンピュータ、ワークステーションなどの情報処理装置である。前記ROM、若しくはハードディスク装置などに情報処理装置を電子決済サーバ10として機能させるためのプログラム、又は電子決済方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶されており、このプログラムを主メモリ上に載せ、CPUがこれを実行することにより電子決済サーバ10が実現され、若しくは電子決済方法が実行される。また、上記プログラムは必ずしも情報処理装置内の記憶装置に記憶されていなくともよく、外部の装置(例えば、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダのサーバなど))から提供され、これを主メモリに乗せる構成であってもよい。さらに、この電子決済サーバ10は単体の装置で構成されていてもよいし、複数の装置をネットワークにより結合して構成されるものでもよい。電子決済サーバ10は、一箇所に全ての機能を集約したセンター構成であってもよいし、また、機能ごとに分割し、分散処理可能な分散サーバ構成であってもよい。
【0054】
以下、図5Aを参照しながら電子決済サーバ10について説明する。図5Aは、電子決済サーバ10の構成例を示す機能ブロック図である。
図5Aに示す電子決済サーバ10は、ネットワーク通信処理部401と、支払要求処理部402と、データベース部403と、振替要求処理部404と、精算処理部405と、遊技情報更新部406とを有している。なお、これら各部はプログラムを記憶した記憶装置、及びこのプログラムを実行するCPUなどによって実現される構成要素である。
【0055】
ネットワーク通信処理部401は、通信網50を介して移動体通信端末20、店舗内サーバ31、及び収納ネットワーク40と通信を実行する機能を有し、例えばプロトコルスタックを実行するための通信ボードである。ネットワーク通信処理部401は、移動体通信端末20からの振替要求メッセージを受け取ると、これを振替要求処理部404に渡す。また、ネットワーク通信処理部401は、精算処理部405から、収納ネットワーク40へ宛てた振替依頼メッセージを受け取ると、これを収納ネットワーク40へ宛てて送信する。
【0056】
データベース部403は、本電子決済システム1に登録した各ユーザの保有金額データ700、遊技場事業者の保有金額データ900を記憶すると共に、収納ネットワーク40との間で行う振替に必要な情報であるユーザテーブル600、ユーザ保有金額データ700,遊技場事業者テーブル800、遊技場事業者保有金額データ900、店舗内サーバテーブル1000、遊技履歴情報1100とを記憶する。
【0057】
図6は、データベース部403に記憶されるユーザテーブル600の構成例である。ユーザテーブル600は、ユーザ(遊技者)に関する情報を格納したデータである。ユーザテーブル600は、ユーザごとに一つのレコード601を有するデータであって、各レコード601は、ユーザID602、パスワード603、メールアドレス604、及びユーザの口座であって引き落とし先口座を特定するための銀行番号605、支店番号606,口座種別607,口座番号608、口座名義609,並びに暗証番号610を格納している。ユーザID602は、ユーザを一意に特定する情報である。パスワード603は、第三者がそのユーザになりすまして本電子決済システム1を不正利用することを防止する情報である。メールアドレス604は、結果通知部407が支払処理の処理結果をユーザに通知する際にその電子メールの送り先である宛先アドレスとして使用する情報である。銀行番号605、支店番号606,口座種別607,口座番号608、口座名義609,並びに暗証番号610は、収納ネットワーク40に対して引き落とし先口座を指定し、口座を利用するための情報である。
【0058】
ユーザテーブル600に格納される情報は、ユーザが電子決済サーバ10にユーザ登録する際に、電子決済サーバ10に入力される。
【0059】
図7は、データベース部403に記憶されるユーザ保有金額データ700の構成例である。ユーザ保有金額データ700は、ユーザごとに一つのレコード701を有するデータであって、各レコード701は、ユーザIDを格納するユーザIDフィールド702と、店舗内サーバ31を一意に特定する情報である店舗内サーバIDを格納する店舗内サーバIDフィールド703と、そのユーザが店舗内サーバIDによって特定された店舗内サーバ31に預けた金額である保有金額を格納する保有金額フィールド704とを有している。保有金額フィールド704に格納される値は、ユーザが電子決済システム1の店舗内サーバ31に預け入れると預入額の分だけ増加し、有価価値提供装置30を利用した支払いが行われると支払額の分だけ減少するように書き換えされる。なお、同一のユーザであっても店舗内サーバ31ごとに保有金額を管理するため、同一ユーザについて複数のレコード701を持ち得る。
【0060】
図8は、データベース部403に記憶される遊技場事業者テーブル800の構成例である。遊技場事業者テーブル800は、遊技場事業者に関する情報を格納したデータである。遊技場事業者テーブル800は、電子決済システム1に加入している遊技場事業者ごとに一つのレコード801を有するデータである。各レコード801は、遊技場事業者IDを格納する遊技場事業者ID802、及びその遊技場事業者の口座であって、ユーザから有価価値提供装置30に支払われた金額を振込む振込先口座を特定するための銀行番号803、支店番号804,口座種別805,口座番号806、口座名義807を格納している。遊技場事業者ID802は、遊技場事業者を一意に特定する情報である。銀行番号805、支店番号806,口座種別807,口座番号808、口座名義809は、収納ネットワーク40に対して振込先口座を指定するための情報である。
【0061】
遊技場事業者テーブル800に格納される情報は、遊技場事業者が電子決済システム1に加入登録する際に、電子決済サーバ10に入力される。
【0062】
図9は、データベース部403に記憶される遊技場事業者保有金額データ900の構成例である。遊技場事業者保有金額データ900は、電子決済システム1に登録される遊技場事業者ごとに一つのレコード901を有するデータである。各レコード901は、遊技場事業者ID902と、電子決済システム1が遊技場事業者口座43へ振込む分の金額である保有金額を格納する保有金額903とを有している。保有金額903に格納される値は、店舗内サーバ31を経由した有価価値提供装置30の利用によりユーザから支払われた分だけ増加し、収納ネットワーク40を利用した遊技場事業者口座43への振込額分だけ減少するように書き換えされる。
【0063】
図10は、データベース部403に記憶される店舗内サーバテーブル1000の構成例である。店舗内サーバテーブル1000は、電子決済システム1に含まれる各店舗内サーバ31について一つのレコード1001を有するデータであって、各レコード1001は、店舗内サーバID1002,店舗内サーバIPアドレス1003、遊技場事業者ID1004を格納する。
【0064】
店舗内サーバID1002は、店舗内サーバ31を一意に特定するための情報であり、店舗内サーバIPアドレス1003は、電子決済サーバ10が、店舗内サーバ31との通信を行うための宛先情報であって、例えばある店舗内サーバ31へユーザからの預かり金を通知する預かり金通知メッセージを送信するために使用するための送信先アドレスとして利用する情報である。遊技場事業者ID1004は、その店舗内サーバID1002を付与された店舗内サーバ31について、ユーザの消費金額に相当する支払いを受け取る権利を有する遊技場事業者を特定する情報であって、遊技場事業者テーブル800の遊技場事業者ID802(図8参照)と同一のIDが用いられている。
【0065】
遊技履歴情報1100は、遊技者がいつどこでどの遊技機でいくら遊技をしたのかなどの、遊技に関する履歴を示す情報であって、各有価価値提供装置30の遊技履歴処理部305が生成し、店舗内サーバ31を経由して送信された遊技履歴データを蓄積記憶することによって生成される情報である。この遊技履歴情報1100を、周知のマーケティング解析やデータマイニング手法により分析することにより、さまざまな有用な情報を得ることができる。
【0066】
図5Aに戻り、電子決済サーバ10の構成例の説明を続ける。
次に、振替要求処理部404について説明する。振替要求処理部404は、移動体通信端末20から受信した振替要求メッセージを処理する機能を有する。振替要求処理部404はネットワーク通信処理部401を介して移動体通信端末20から振替要求メッセージを受け取る。振替要求メッセージの内容は、ユーザ口座41から指定した金額を引き落として、電子決済システム1、より詳しくは指定した店舗内サーバ31で引き落とした金額分使用できるようにしてくれ、という内容である。この振替要求メッセージを受け取った振替要求処理部404は、データベース部403に記憶されているユーザテーブル600をチェックする。振替要求処理部404は、ユーザテーブル600から振替元口座となるユーザの口座を特定する情報である銀行番号605、支店番号606,口座種別607,口座番号608、口座名義609,並びに暗証番号610を取得し、これら情報と合わせて振替先口座となる決済事業者口座43を特定する情報を振替依頼メッセージとして収納ネットワーク40にネットワーク通信処理部401を介して送信する。収納ネットワーク40は、振替依頼メッセージを受け取ると、指定された金額をユーザ口座41から決済事業者口座42へ振り替える。振替られた金額は、ユーザが本電子決済システム1を利用して使用できる資金(手数料分は除く)となる。
【0067】
また、振替要求処理部404は、収納ネットワーク40から振替結果通知メッセージを受信すると、このメッセージに応答して、該当する店舗内サーバ31にユーザの預かり金を記憶するようにユーザ預かり金処理要求メッセージを送信する機能を有する。
【0068】
次に、精算処理部405について説明する。精算処理部405は、各店舗内サーバ31からユーザが消費した金額を示すメッセージを受信し、このメッセージに応じて遊技場事業者保有金額データ900、より詳しくは保有金額903の変更又は更新を行う。また、精算処理部405は、遊技場事業者保有金額データ900が示す金額を決済事業者口座42から各遊技場事業者の遊技場事業者口座43に振り替えるよう収納ネットワーク40に要求する。この振替られる資金の額は電子決済システム1がユーザから預かっている遊技場事業者への支払金額、すなわち遊技場事業者保有金額データ900の保有金額903に相当する。本実施の形態においては、精算処理部405は自律的に振替依頼処理を行う。例えば、精算処理部405は、所定のタイミング(例えば、毎月月末)で自動で起動する。起動した精算処理部405は、各店舗内サーバ31に、ユーザが消費した金額、すなわち遊技場事業者への支払額を問い合わせ、店舗内サーバ31がこれに応じて送信する支払い要求メッセージに応じて、遊技場事業者保有金額データ900の保有金額903を更新する。さらに、精算処理部405は、データベース部403に記憶されている全ての遊技場事業者保有金額データ900をチェックし、振込が済んでいないものについて収納ネットワーク40に決済事業者口座42から該当する遊技場事業者口座43に振替を行うように振替依頼を送信する。
【0069】
遊技情報更新部406は、有価価値提供装置30の履歴情報処理部305から店舗内サーバ31を経由して受信した遊技履歴データを刻々蓄積記憶し、遊技履歴情報1100のアップデートを行う機能を有する。
【0070】
[電子決済サーバの分散サーバ構成]
図5Aに示した例では、電子決済サーバ10は一つのサーバ装置で実現されるように図示したが、もちろん電子決済サーバ10はこのようなサーバ装置による構成に限定されるものではない。
【0071】
図5Bは、電子決済サーバ10を分散サーバ構成とした場合の一構成例を示す機能ブロック図である。図5Aに示した構成要素と同一の構成要素には、同じ参照番号を付して詳細な説明は省略する。
【0072】
電子決済サーバ10を分散サーバ構成とすることにより、ユーザや遊技場事業者に関する情報が漏洩したり盗まれたりする可能性を低下させ、本電子決済システム1の安全性に対する信頼を向上させることが可能となる。
【0073】
分散サーバ構成とした場合の電子決済サーバ10は、アプリケーションサーバ501と、一又は複数のデータベースサーバ502A〜502Dにより構成される。アプリケーションサーバ501は、ネットワーク通信処理部401と、振替要求処理部404と、精算処理部405と、遊技情報更新部406とを有している。
【0074】
図5Bに示す例では、4つのデータベースサーバ502A,502B,502C、502Dがアプリケーションサーバ501にローカルネットワーク503を介して通信可能に接続されている。4つのデータベースサーバ502A〜502Dは、図5Aに示すデータベース部403に対応する構成要素である。この構成例では、第1のデータベースサーバ502Aがユーザテーブル600、ユーザ保有金額データ700を記憶し、第2のデータベースサーバ502Bが遊技場事業者テーブル800、遊技場事業者保有金額データ900を記憶し、第3のデータベースサーバ502Cが店舗内サーバテーブル1000を記憶し、第4のデータベースサーバ502Dが遊技履歴情報1100を記憶する。アプリケーションサーバ501は、処理の必要に応じて必要な情報をこれらデータベースサーバ502A〜502Dに要求し、データベースサーバ502A〜502Dは要求に応じて記憶している内容から必要な情報を取り出して、アプリケーションサーバ501に渡す。
【0075】
なお、データベース部403をどのように分割して、いくつのデータベースサーバ502にし、それぞれのデータベースサーバの記憶内容(テーブル、データ)をどのように割り当てるかは任意に定めることが可能であって、図5Bに示す構成に限定されるものではない。
【0076】
[1.4.店舗内サーバ]
電子決済システム1の構成例の説明を続ける。次に、店舗内サーバ31について説明する。
図1に示したように、電子決済システム1は店舗内サーバ31を有している。店舗内サーバ31は、演算処理装置(CPU)、主メモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、入出力装置(I/O)、必要な場合にはハードディスク装置等の外部記憶装置を具備している装置であって、例えばコンピュータ、ワークステーションなどの情報処理装置である。前記ROM、若しくはハードディスク装置などに情報処理装置を店舗内サーバ31として機能させるためのプログラム、又は電子決済方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶されており、このプログラムを主メモリ上に載せ、CPUがこれを実行することにより店舗内サーバ31が実現され、若しくは電子決済方法が実行される。また、上記プログラムは必ずしも情報処理装置内の記憶装置に記憶されていなくともよく、外部の装置(例えば、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダのサーバなど))から提供され、これを主メモリに乗せる構成であってもよい。さらに、この店舗内サーバ31は単体の装置で構成されていてもよいし、複数の装置をネットワークにより結合して構成される装置群であってもよい。
【0077】
店舗内サーバ31は、ユーザの預かり金を受け取った(口座間振替を行った)旨のメッセージであるユーザ預かり金処理要求メッセージを電子決済サーバ10から受けると、そのメッセージに記述されている預かり金の額をユーザが消費可能な金額として記憶する。
【0078】
ユーザがその店舗内サーバ31によって管理される有価価値提供装置30から有価価値の消費を試みた場合、有価価値提供装置30は、有価価値の対価をそのユーザの預かり金から引き落とすことができるかどうかを店舗内サーバ31に問い合わせ、有価価値の対価をそのユーザの預かり金から引き落とすことができる場合、すなわち対価の支払いに十分な預かり金が残っている場合、店舗内サーバ31は有価価値の払出を行うように、その有価価値提供装置30にメッセージ(提供指示メッセージと呼ぶ)を送信する。
【0079】
以下、図5Cを参照しながら店舗内サーバ31について説明する。図5Cは、店舗内サーバ31の構成例を示す機能ブロック図である。
【0080】
図5Cに示す店舗内サーバ31は、ネットワーク通信処理部551と、預かり金処理部552と、支払要求処理部553と、提供指示部554と、結果通知部555と、精算処理部556と、遊技情報処理部557と、データベース部560とを有している。なお、これら各部はプログラムを記憶した記憶装置、及びこのプログラムを実行するCPUなどによって構成される構成要素である。
【0081】
ネットワーク通信処理部551は、電子決済サーバ10、移動体通信端末20などと通信を実行する機能を有し、例えば、プロトコルスタックを搭載した通信ボードなどである。
【0082】
預かり金処理部552は、電子決済サーバ10からユーザ預かり金処理要求メッセージを受信すると、このメッセージに応じてユーザ預かり金データ562を生成若しくは更新する機能を有する。
【0083】
支払要求処理部553は、移動体通信端末20から受信した支払要求メッセージを処理する機能を有する。支払要求処理部553はネットワーク通信処理部551を介して移動体通信端末20から支払要求メッセージを受け取る。すると、支払要求処理部553は、後述するデータベース部560に記憶されている該当ユーザのユーザ預かり金データ562をチェックする。ユーザ預かり金データ562と支払要求メッセージとを比較して、支払要求以上の預かり金がある場合には、支払要求処理部553は、提供指示部554を起動させる。起動した提供指示部554は提供指示メッセージを生成し、この提供指示メッセージをネットワーク通信処理部551を介して、支払要求メッセージで指定されている有価価値提供装置30に宛てて送信する。
【0084】
また、支払要求処理部553は、前述の支払要求メッセージに応じた支払いが可能である場合には、データベース部556に記憶されている該当ユーザのユーザ預かり金データ562を、支払金額に応じて更新(書き換え)する。
【0085】
提供指示部554は、有価価値提供装置30へ送信するための提供指示メッセージを生成させ、この提供指示メッセージを、ネットワーク通信処理部401を介して、支払要求メッセージで指定されている有価価値提供装置30へ宛てて送信する。
【0086】
結果通知部555は、支払要求メッセージが適切に処理されたか否かを移動体通信端末20に通知する機能を有する。一例としては、結果通知部555は移動体通信端末20を宛先とする電子メールを生成し、これを送信する。或いはまた、結果通知部555は移動体通信端末20によって閲覧可能なウェブページに処理結果を示す情報を記載して移動体通信端末20からの閲覧を待つようにしてもよい。結果通知部555からの通知内容は、例えば「支払要求は処理されました。ご利用ありがとうございました。」、或いは「預かり金残高が不足しています。支払いはできませんでした。」などのメッセージとなる。また、結果通知部555は、ユーザが移動体通信端末20から預かり金残額の問い合わせメッセージを店舗内サーバに送信した場合(有価価値提供装置30を経由する場合も含む)、この問い合わせメッセージに応じて、該当ユーザのユーザ預かり金データ562を参照し、現時点で消費可能な預かり金の残額がいくらであるかを算出して、この結果を移動体通信端末20や有価価値提供装置30に出力させる機能を有していてもよい。
【0087】
精算処理部556は、ユーザ預かり金データ562を参照して、預かり金のうちユーザが消費した金額を電子決済サーバ10に通知する機能を有する。なお、必ずしも個別のユーザの消費金額を電子決済サーバ10に通知する必要はなく、ユーザが消費した金額は、その店舗内サーバ31が記憶している全ユーザの消費した金額の合計額が算出できれば足りる。
【0088】
遊技情報処理部557は、遊技者がいつどこでどの遊技機でいくら遊技をしたのかという、遊技に関する履歴を示す情報である遊技履歴情報を、各有価価値提供装置30から受信し、データベース部560に記憶させると共に、データベース部560に記憶させた遊技機履歴情報を電子決済サーバ10に送信する機能を有する。なお、遊技情報処理部557がどのようなタイミングで電子決済サーバ10に送信するかは、任意に定めることができ、例えば営業終了時、1週間ごとなどである。
【0089】
次にデータベース部560について説明する。データベース部560は、ユーザテーブル561と、ユーザ預かり金データ562と、遊技履歴情報563とを記憶する。
【0090】
ユーザテーブル561は、ユーザ(遊技者)に関する情報を格納したデータである。図5Dに、ユーザテーブル561のデータ構成例を示す。この例に示すユーザテーブル561は、その店舗内サーバ31を利用するユーザごとに一つのレコード561Aを有するデータであって、各レコード561Aは、ユーザを一意に特定する情報であるユーザIDを格納するユーザIDフィールド561B、パスワードを格納するパスワードフィールド561C、メールアドレスを格納するメールアドレスフィールド561Dを有している。
【0091】
ユーザ預かり金テーブル562は、その店舗内サーバ31を利用するユーザごとに一つのレコードを有するデータである。図5Eにユーザ預かり金テーブル562のデータ構成例を示す。ユーザ預かり金テーブル562の有するレコード562Aは、ユーザIDを格納するユーザIDフィールド562B、その店舗内サーバ31についてユーザから決済事業者が預かっている金額である預かり金の額を格納する預かり金額フィールド562C、そのユーザがその店舗内サーバ31が管理する有価価値提供装置30を使用して消費した金額を格納する消費金額フィールド562Dを有している。
【0092】
遊技履歴情報563は、その店舗内サーバ31に接続されている有価価値提供装置30から送信された、遊技者の遊技履歴に関するデータである遊技履歴データ又はそのようなデータの集まりである。
【0093】
[1.4.通信網]
図1に戻り、本実施の形態にかかる電子決済システム1の構成要素の説明を再開する。
通信網50は、有線・無線、専用回線・交換回線を問わず、これに接続されている装置がそれぞれ目的とする装置に対しセッションを確立したときにその装置間での情報の送受を可能とするように作用する。通信網50は、インターネットのように、ゲートウエイを介して複数のネットワークが組み合わされて実現しても構わない。また、その接続についてもいわゆるバックボーンといわれる基幹線に直接接続せずとも、PPP接続などによって一時的に接続してあっても、セッションを確立したときにその間で情報の送受ができるようになっていれば構わない。なお、上記「通信網」は専用回線を固定的に張りめぐらせたような、交換機、スイッチ、ルータなど経路切り替え手段を用いない通信網も含むものとする。
【0094】
[1.5.移動体通信網、ゲートウエイ、基地局]
図1に示す電子決済システム1の構成例は、移動体通信端末20として携帯電話を用いた場合を想定している。そのため、移動体通信端末20である携帯電話はまず基地局60に無線回線で接続し、この基地局60から移動体通信網70及びゲートウエイ80を介して、電子決済サーバ10が接続している通信網50に接続するものとして図示した。しかし、移動体通信端末20が直接通信網50に接続できるのであれば、移動体通信端末20は移動体通信網70、或いはゲートウエイ80を介さずとも電子決済サーバ10に接続してよい。例えば、移動体通信端末20が無線LAN接続機能を有する場合には、移動体通信網70、及びゲートウエイ80を介して通信を行う必要はなくなる。例えば、移動体通信端末20は通信網50に接続されたホットスポット(無線LAN端末)にアクセすることにより、通信網50に接続する構成であっても、本発明は成立する。
【0095】
[1.6.収納ネットワーク]
収納ネットワーク40は、電子決済サーバ10からの振替要求に応じてユーザ口座41から決済事業者口座42へ、及び決済事業者口座42から遊技場事業者口座43へ指定された金額を振り替える機能を有するシステムである。なお、図1に示す例では、電子決済サーバ10と金融機関システム40は通信網50により接続されるものとして図示したが、専用回線(図略)を介して電子決済サーバ10と金融機関システム40とが接続される構成としても、本実施の形態は成立する。例えば、金融機関システム40がいわゆるインターネットバンクが用意するシステムである場合には、通信網50を介して電子決済サーバ10と金融機関システム40とが接続される構成となるであろう。
【0096】
[2.電子決済システムの動作例]
次に、上記電子決済システム1の動作について図11以下を参照しながら説明する。図11は、上記電子決済システム1の動作例を示す図であって、ユーザが移動体通信端末20を用いて電子決済システム1にユーザ登録を行う場合の、電子決済システム1の動作例を示したシーケンス図である。
【0097】
まず、本電子決済システム1の利用を開始するにあたり、ユーザは移動体通信端末20で電子決済サーバ10に接続し、電子決済システム1によるサービスを受けるための移動体通信端末20用ソフトウエア(以下、「アプリ」と呼ぶ)を電子決済サーバ10に要求する(S101)。電子決済サーバ10は、要求に応じてアプリのデータを移動体通信端末20にダウンロードさせる(S102)。アプリを受信した移動体通信端末20は、アプリのデータをメモリなどの記憶装置に記憶させる(S103)。このアプリは、移動体通信端末20のCPUなどによって実行されることにより、前述した支払要求生成部202、振替要求生成部207などとして機能する。
【0098】
なお、上記の実施の形態では、アプリダウンロード用のサーバとして電子決済サーバ10を用いることとして説明したが、アプリダウンロード用のサーバは電子決済サーバ10とは別個の装置若しくはシステムであってももちろん構わない。
【0099】
ダウンロードされたアプリは、ユーザが移動体通信端末20で所定の操作を行うことなどにより起動する(S104)。ダウンロードされたアプリは、最初に起動したときに、ユーザに初期情報を入力させるための初期入力画面を出力部205に表示させ、ユーザに初期情報入力を促す。ここで、初期情報として要求されるのは、ユーザID602、パスワード603、メールアドレス604、銀行番号605、支店番号606,口座種別607,口座番号608、口座名義609,並びに暗証番号610などである。なお、ユーザID602、パスワード603は予め電子決済サーバ10により設定されるようにして、ユーザの入力によらないものとしてもよい。
【0100】
ユーザが移動体通信端末20の入力部204を用いて初期情報の入力を完了させると、移動体通信端末20は、初期情報をユーザ情報記憶部206に記憶させると共に、基地局60,移動体通信網70,ゲートウエイ80,通信網50を介して電子決済サーバ10に接続し、入力された初期情報などを電子決済サーバ10に送信する(S106)。
【0101】
初期情報を受信した電子決済サーバ20は、この初期情報に基づいてユーザ登録を行う(S107)。すなわち、電子決済サーバ20は、データベース部403のユーザテーブル600及びユーザ保有金額データ700にそれぞれ新たなレコード601,701を追加して、これらレコード601、701にユーザID602、パスワード603、メールアドレス604、銀行番号605、支店番号606,口座種別607,口座番号608、口座名義609,並びに暗証番号610などを書き込んでおく。
【0102】
上記のユーザ登録が終了しただけでは、ユーザは電子決済システム1を利用して有価価値提供装置30からの買い物(有価価値の受領)を行うことができるわけではない。ユーザは、移動体通信端末20から電子決済システム1、より詳しくは電子決済サーバ10に自分のユーザ口座41から決済事業者口座42に適当な金額の預入金を振込むよう要求する必要がある。有価価値提供装置30による有価価値の提供によりユーザが消費した金額分はこの預入金より差し引かれる。差し引かれた分の金額は、有価価値提供装置30に支払われた金額であり、その支払いの受取人である遊技場事業者の口座、すなわち遊技場事業者口座43に収納ネットワーク40の処理により後に振込まれる。以下、ユーザが電子決済サーバ10に自己の口座であるユーザ口座41から決済事業者口座42へ振替を要求した場合の、上記電子決済システム1の動作例を、図12を参照ながら説明する。図12は、ユーザ口座41から決済事業者口座42へ振替を要求した場合の電子決済システム1の動作例を示したシーケンス図である。
【0103】
まず、ユーザは移動体通信端末20においてアプリ、より詳しくは振替要求生成部207を起動させる(S201)。起動したアプリ、より詳しくは振替要求生成部207は、移動体通信端末20の出力部205に、入力インターフェイス画面などを表示させ、ユーザに振替要求メッセージ生成に必要な情報、例えば振替金額、口座暗証番号、利用する店舗内サーバ31を特定する情報(例えば、店舗内サーバID)などの入力を促す。
【0104】
これらの入力を受け付けると(S202)、移動体通信端末20、より詳しくは振替要求生成部207は振替要求メッセージを生成し、この振替要求メッセージを電子決済サーバ10に、通信網50などを介して送信する(S203)。この振替要求メッセージには、ユーザID208、パスワード209、口座暗証番号213、預入金に相当する入力された振替金額、利用する店舗内サーバ31を特定する情報などが格納されている。
【0105】
この振替要求メッセージを受信した電子決済サーバ10,より詳しくは振替要求処理部404は、振替要求メッセージに含まれるユーザID208をキーとして、ユーザテーブル600を検索し、そのユーザID208と一致するレコード601から、ユーザ口座41を指定する情報である銀行番号605、支店番号606,口座種別607,口座番号608、口座名義609を取得する。さらに、別に記憶している決済事業者口座42を特定する情報(図略)、すなわち決済事業者口座42の銀行番号、支店番号,口座種別,口座番号を読み出して、これら情報から振替依頼メッセージを生成し、収納ネットワーク40に送信する(S204)。なお、振替依頼メッセージの送信について、そのデータ構成や通信手順などについては、収納ネットワーク40が採用する方式に従うようにしてよい。
【0106】
振替依頼メッセージを受け取った収納ネットワーク40は、振替依頼メッセージの内容に従って、指定された金額(以下、「ユーザ振替金額」と呼ぶ)をユーザ口座41から決済事業者口座42に移すように、振替処理を行う(S205)。振替処理(S205)が正常に行われた場合は、収納ネットワーク40は、振替処理を正常に実行したことを電子決済サーバ10に通知する振替結果通知メッセージを電子決済サーバ10に送信する(S206)。なお、ユーザ口座41の残高が不足しているなどの理由で、適正に振替処理が行えなかった場合には、収納ネットワーク40は、振替ができなかった旨の振替結果通知メッセージを電子決済サーバ10に送信する(図略)。この場合は、電子決済サーバ10は移動体通信端末20に振替処理が行えない旨を通知して処理を終了する。
【0107】
一方、振替処理が正常に行われた旨の振替結果通知を受信した電子決済サーバ10は、このユーザ振替金額をユーザ保有金額データ700の対応するレコード701に反映させる処理である保有金額データ処理を実行する(S207)。
【0108】
また、振替処理が正常に行われた旨の振替結果通知を受信した電子決済サーバ10は、振替要求メッセージに含まれる店舗内サーバ31を特定する情報に基づいて、その店舗内サーバ31に当該ユーザの預かり金(ユーザ振替金額に相当する)を記憶するよう要求するユーザ預かり金処理要求メッセージを送信する(S208)。このユーザ預かり金処理要求メッセージには、ユーザを特定するための情報(例えばユーザID)、ユーザ振替金額に相当する預かり金を示す情報などが含まれる。ユーザ預かり金処理要求メッセージを受信した店舗内サーバ31は、ユーザ預かり金データ562を更新するユーザ預かり金データ更新処理を行う(S209)。ユーザ預かり金データ更新処理は、ユーザ預かり金データ562に当該ユーザのレコード562Aがまだ加わっていない場合は、当該ユーザのための新たなレコード562Aを追加し、そのレコード562Aの預かり金フィールド562Cに預かり金を示す情報を格納し、一方すでに当該ユーザのレコード562Aがユーザ預かり金データ562に含まれている場合は、そのユーザに対応するレコード562Aの預かり金フィールド562Cに格納されている額に預かり金を示す情報分の加算を行い、格納する。
【0109】
このユーザ預かり金データ処理により、ユーザ振替金額に相当する金額をユーザは電子決済システム1、より詳しくは指定した店舗内サーバ31が管理する有価価値提供装置30を用いて使用できるようになる。
【0110】
図13から図15Bは、電子決済サーバ10、店舗内サーバ31、収納ネットワーク40との間で行われるユーザ振替金額を処理する場合の動作例を説明する図である。
【0111】
図13は、ユーザが電子決済サーバ10に振替要求メッセージ送信(図12,S203)を行う前の状態の一例を示している。この例では、収納ネットワーク40は、ユーザ口座41、決済所業者口座42、及び遊技場事業者口座43を一つずつ有している。さて、一例として、ユーザ口座41の残高は¥100,000であり、決済事業者口座42、及び店舗内サーバ31から収益を得る権限を有する遊技場事業者口座43の残高はともに¥0であるものとしよう。なお、実際には、複数のユーザ、複数の遊技場事業者が収納ネットワーク40に口座を有していることになろうが、図13から図15では、代表例としてユーザ口座41、及び遊技場事業者口座43をそれぞれ一つずつ表示した。
【0112】
電子決済サーバ10は、前述の通りユーザ保有金額データ700、遊技場事業者保有金額データ900を記憶しており、ユーザ保有金額データ700はユーザごとにレコード701のユーザ保有金額703を有し、遊技場事業者保有金額データ900も遊技場事業者ごとにレコード901の遊技場事業者保有金額903を有している。なお、図中のユーザレコード701は、ユーザ口座41のユーザに対応するデータであり、また遊技場事業者レコード901は、店舗内サーバ31から収益を得る権限を有する遊技場事業者口座43の遊技場事業者に対応するデータである。両レコード701,901に格納されている保有金額703,903はこの時点では¥0であるものとする。
【0113】
また、店舗内サーバ31は、ユーザ預かり金データ562を有しているが、この時点では、このユーザに対応するレコード562Aは生成されていない。
【0114】
ここで、ユーザがユーザ口座41から¥10,000だけ指定した店舗内サーバ31に接続された有価価値提供装置30により使用したいと考えたとしよう。図14は、図13の状態の後、¥10,000のユーザ振替金額を振り替えるよう、ユーザが移動体通信端末20から電子決済サーバ10に振替要求メッセージを送信した後の状態を示している。電子決済サーバ10は、この振替要求メッセージに応じて以下のような振替依頼メッセージを収納ネットワーク40に送信する。すなわち、ユーザ振替金額¥10,000及び決済事業者に支払う手数料(例えば、¥100)をユーザ口座41から決済事業者口座42に振替よ、という内容の振替依頼メッセージが収納ネットワーク40に送られる。
【0115】
この振替依頼メッセージを受信した収納ネットワーク40は、ユーザ口座41から¥10,100を決済事業者口座42に振り替える処理を行う。その結果、図14に示すように、ユーザ口座41の残高は、¥100,000ー¥10,100=¥89,900となり、決済事業者口座42の残高は、¥0+¥10,100=¥10,100となる。収納ネットワーク40は各口座41,42の残高を振替依頼メッセージに応じて図14に示すように変更する。
【0116】
図15Aは、図14の状態の後に、電子決済サーバ10が保有金額データ処理(図12,S207)を行った後の状態を示す。図12に示したように、収納ネットワーク40によって振替処理が行われると、収納ネットワーク40は電子決済サーバ10に¥10,100の振替が正常に行われた旨の振替結果通知メッセージを送信する(図12,S206)。電子決済サーバ10、より詳しくは振替要求処理部404は、この振替結果通知メッセージに応じて、振替が行われたユーザ口座41に対応するレコード701が記憶しているユーザ保有金額703の値にユーザ振替金額を加算する。但し、手数料に相当する¥100は加算しない。この加算による保有金額データ処理(S207)の結果、ユーザ保有金額703には、¥0+¥10,000=¥10,000が記録されることとなる。
【0117】
図15Bは、図15Aの状態の後に、店舗内サーバ31がユーザ預かり金データ処理(図12,S209)を行った後の状態を示す。図12に示したように、電子決済サーバ10によって保有金額データ処理(S207)が行われると、電子決済サーバ10は指定された店舗内サーバ10にそのユーザについて¥10,000の預かり金(ユーザ振替金額に掃討する)を記憶すべき旨のユーザ預かり金処理要求メッセージを送信する(S208)。店舗内サーバ31、より詳しくは預かり金処理部552は、このユーザ預かり金処理要求メッセージに応じて、データベース部560に記憶されたユーザ預かり金データ562に、このユーザに対応するレコード562Aを追加し、預かり金フィールド562Cに預かり金1501(=¥10,000)を格納し、消費金額フィールド562Dに消費金額1302(=¥0)を格納する。店舗内サーバ31にユーザの預かり金1501が記録されることにより、ユーザはこの店舗内サーバ31が管理するいずれの有価価値提供装置30からも預かり金1501の範囲内で有価価値の提供を受けられる状態となった。
【0118】
次に、図12及び図15Bに示した状態の後、ユーザが指定した店舗内サーバ31によって管理される有価価値提供装置30から有価価値の提供を受けようとした場合の、電子決済システム1の動作例について図16を参照しながら説明する。図16は、ユーザが有価価値提供装置30から有価価値の提供を受けるために、移動体通信端末20と有価価値提供装置30との間で近距離通信手段による通信を行わせた場合の、電子決済システム1の動作例を示すシーケンス図である。
【0119】
まず、ユーザが本電子決済システム1を利用して、有価価値提供装置30による有価価値の提供を受けようとしたものとする。
【0120】
ユーザが有価価値提供装置30から有価価値の提供を受けようとする場合、移動体通信端末20が有価価値提供装置30の機器IDなどを取得するよう、ユーザは移動体通信端末20と有価価値提供装置30との間で近距離通信による通信を行わせる。例えば、端末側近距離通信部201が非接触式ICカード用ICチップであり、提供装置側近距離通信部303がリーダ/ライタである場合には、非接触式ICカード用チップの近接をリーダ/ライタが検知すると、提供装置側近距離通信部303であるリーダ/ライタは、自らが記憶している機器ID、アプリ番号、ユーザ支払金額を端末側近距離通信部201である非接触式ICカード用チップに送信する(S301)。ここで、機器IDは、有価価値提供装置30を一意に特定することができる識別情報であり、アプリ番号は、移動体通信端末20において動作するアプリケーションを一意に特定する識別情報である。ユーザ支払金額は、有価価値提供装置30がユーザに提供する有価価値の対価の額を特定する情報である。有価価値提供装置30は、移動体通信端末20による有価価値の購入申し込みがあると、予め定められた支払金額分の有価価値の購入申し込みとして取り扱う。例えば、有価価値提供装置30が玉貸し機である場合には、ユーザが移動体通信端末30を玉貸し機に近づけて、非接触式ICカード用チップの読み取りを行わせると、その有価価値提供装置30について定められた支払金額(例えば、¥1,000)分の貸し玉の購入申し込みとして処理する。なお、ユーザ支払金額は有価価値提供装置30ごとに異なっていてもよい。例えば、同一の遊技場内に設置された玉貸し機Aについては、支払金額は¥1,000と定められており、別の玉貸し機Bについては支払金額は¥5,000と定められているようにしてもよい。また、ユーザ支払金額はユーザの選択によって決定できるようにしてもよい。例えば、有価価値提供装置30がプリペイドカード発券装置である場合に、このプリペイドカード発券装置は複数の異なる金額のプリペイドカード(例えば、¥1,000、¥3,000、¥5,000、¥10,000)を発券できる装置であって、これらの金額を指定する複数の金額決定ボタンを有している。ユーザは、所望の金額の金額決定ボタンを押下することにより、望みの金額のプリペイドカードを購入する。この場合には、ユーザが金額決定ボタンにより選択した金額が上記ユーザ支払金額として電子決済システム1で扱われるようにしてもよい。
【0121】
上記のユーザ支払金額は必ずしもステップS301において、有価価値提供装置30から移動体通信端末20に送信されなくともよい。支払金額は機器IDに基づいて電子決済サーバ10が予め用意してあるテーブルを用いて判断するようにしても構わない。
【0122】
機器ID、アプリ番号、ユーザ支払金額を受信した端末側近距離通信部201は、このアプリ番号に対応するアプリケーション、すなわち支払要求生成部202を起動させる(S302)。このとき、機器ID、ユーザ支払金額は端末側近距離通信部201から支払要求生成部202に渡される。
【0123】
起動した支払要求生成部202は、有価価値提供装置30から受け取った機器IDとユーザ支払金額、及びユーザ情報記憶部206に記憶されているユーザID208,パスワード209を含んだ支払要求メッセージを生成し、このメッセージを基地局60、移動体通信網70,ゲートウエイ80,及び通信網50を介して店舗内サーバ31に宛てて送信する(S303)。なお、店舗内サーバ31の宛先アドレス(例えばIPアドレス)は、予めアプリに記憶させておいてもよいし、有価価値提供装置30が予め店舗内サーバ31の宛先アドレスを機器IDなどとともに移動体通信端末20に送信し、移動体通信端末20は受信した宛先アドレスに宛てて支払要求メッセージを送信するようにしてもよい。
【0124】
支払要求メッセージを受け取った店舗内サーバ31,より詳しくは支払要求処理部553は、まずユーザID208を検索キーとしてユーザ預かり金データ562を検索し、ユーザID208に該当するレコード562Aの預かり金1501を取得する。支払要求処理部553は、ユーザ支払金額と預かり金1501とを比較し、預かり金1501からユーザ支払金額を引き落とすことができるかどうか判定する預かり金チェックを行う(S304)。
【0125】
ステップS304において、引き落とすことができないと判定した場合は、支払要求処理部553は結果通知部555を起動させる。結果通知部555は、判定に基づいた処理結果通知メッセージを生成し、これを有価価値提供装置30及び/又は移動体通信端末20に送信する(図略)。処理結果通知メッセージを受け取った有価価値提供装置30及び/又は移動体通信端末20は、それらの出力部(図略)、出力部205に処理結果通知の内容を表示する。例えば、「預かり金の残高が不足しています。提供ができません。」などの内容が表示される。
【0126】
一方、ステップS304において引き落とすことができると判断した場合は、支払要求処理部553は提供指示部554を起動させる。起動した提供指示部554は支払要求メッセージにおいて指定された有価価値提供装置30へ提供指示メッセージを送信する(S305)。有価価値提供装置30はこの提供指示メッセージに応じて、その有価価値供給部304を駆動させて、ユーザ支払金額に応じた有価価値をユーザに提供する(S306)。なお、提供指示メッセージの送信先アドレスは、機器IDをキーとして予め店舗内サーバ31に用意されている機器ID送信アドレス変換テーブル(図略)に基づいて決定する。
【0127】
有価価値をユーザに提供した有価価値提供装置30は、店舗内サーバ31に提供の実行が完了したことを通知する提供完了メッセージを送信する(S307)。
【0128】
提供完了メッセージを受信した店舗内サーバ31、より詳しくは支払要求処理部402は、データベース部560に記憶したユーザ預かり金データ562、より詳しくは該当するユーザIDを有するレコード562Aの預かり金1501、及び消費金額1502を、ユーザ支払金額を振り替える、すなわち預かり金1501からユーザ支払金額を減算し、消費金額1502にユーザ支払金額を加算するように書き換える消費金額処理を行う(S308)。
【0129】
また、店舗内サーバ31、より詳しくは支払要求処理部553は、ステップS304において引き落とすことができると判断した場合は、結果通知部555を起動させる。起動した結果通知部555は、移動体通信端末20に、預かり金から指定された支払金額の支払いを行ったことを知らせるためのメッセージである実行確認メッセージを送信する(S309)。実行確認メッセージは、ユーザの指定したユーザ支払金額に応じた支払手続きが終了したことを示すメッセージである。なお、実行確認メッセージの送信先アドレスは、ユーザIDをキーとしてユーザテーブル561を検索し、該当するレコード561Aのメールアドレス561Dによって決定する。
【0130】
実行確認メッセージを受信した移動体通信端末20は、実行確認メッセージの内容として出力部205により結果表示を行う(S310)。例えば、移動体通信端末20の出力部205に、「○○様の預かり金より、¥1,000の支払いを行いました。残額は○○○○円です」などの表示をすることにより、結果表示が行われる。この結果表示の際に支払金額を引き落とした後の預かり金1501の値、すなわち店舗内サーバ31における残高を表示させるようにしてもよい。但し、預かり金1501は移動体通信端末20に記憶されることはなく、預かり金の額を記憶するのは店舗内サーバ10の役割である。
【0131】
図17は、図15Bの状態の後、ステップS301からステップS307までの処理が行われた後の収納ネットワーク40,電子決済サーバ10,店舗内サーバ31の記憶状態を示した図である。ユーザ支払金額の振替が行われる以前の図15Bの状態では、ユーザ預かり金データ562の該当レコード562Aの預かり金1501は¥10,000であり、また消費金額1502は¥0であった。
【0132】
図17はユーザ支払金額が¥1,000である場合に、消費金額処理(S308)を行った後の状態である。この消費金額処理(S308)において、店舗内サーバ31の支払要求処理部553は、ユーザの保有金額である預かり金1501の値¥10,000からユーザ支払金額である¥1,000を差し引いて預かり金1501の値を¥9.000に書き換えると共に、消費金額1502の値¥0にユーザ支払金額である¥1,000を加算して、消費金額1502の値を¥1.000に書き換える。
【0133】
このような消費金額処理(S308)による預かり金1501,消費金額1502,903の書き換えにより、有価価値提供装置30による有価価値の提供に対する対価の支払い、すなわちユーザから遊技場事業者への支払いが、店舗内サーバ31サーバにおいて実行されることとなる。
【0134】
上記のステップS301からステップS310までの処理は、各ユーザが有価価値提供装置30を利用して有価価値を購入するごとに行われ、それぞれのユーザ支払金額は、預かり金1501から減算される一方、消費金額1502として加算され記録される。すなわち、各ユーザが店舗内サーバ31に管理される有価価値提供装置30を利用して有価価値を購入するごとに、その店舗内サーバ31を所有若しくは運営する遊技場事業者への支払金額に相当する消費金額1502の値は増加してゆくこととなる。
【0135】
上記の消費金額1502は、収納ネットワーク40上の遊技場事業者口座43に振込まれる。以下、電子決済システム1における遊技場事業者口座43への振込について、図18を参照しながら説明する。図18は、電子決済システム1における遊技場事業者口座43への振込処理の例を示すシーケンス図である。
【0136】
電子決済サーバ10、より詳しくは精算処理部405は所定のタイミングで自動起動し、消費金額問い合わせ処理を実行する(S401)。この消費金額問い合わせ処理は、各店舗内サーバ31に対して、消費金額1502を問い合わせる処理である。
【0137】
自動起動(S401)すると、精算処理部405は各店舗内サーバ31に宛てて消費金額問い合わせメッセージを送信する(S402)。
【0138】
消費金額問い合わせメッセージを受信した店舗内サーバ31は、ユーザ預かり金データ562を参照して、各レコード562Aの消費金額1502を読み取り、これら消費金額1502などに基づいて、消費金額通知メッセージを生成する消費金額通知メッセージ生成処理(S403)を行う。この消費金額通知メッセージは、ユーザ預かり金データ652の各レコード652Aについて、預かり金1501,消費金額1502を電子決済サーバ10に通知する構成であってもよいし、或いは全てのレコード562の消費金額1502の合計値を通知する構成であってもよい。ここで説明する例では、電子決済サーバ10側でユーザの預かり金を把握できるよう、ユーザ預かり金データ652の各レコード652Aについて、預かり金1501,消費金額1502を通知する構成を有するメッセージであるものとして説明する。
【0139】
消費金額通知メッセージ送信(S404)を行った店舗内サーバ31、より詳しくは精算処理部556は、各レコード562Aの消費金額1502の値を「0」に書き換える消費金額クリア処理(S405)を行い、その後新たにユーザによって消費される消費金額の記憶に備えるようにする。
【0140】
一方、消費金額通知メッセージをそれぞれの店舗内サーバ31から受信した電子決済サーバ10は、各消費金額通知メッセージに応じて、自らが記憶する遊技事業者保有金額データ900の保有金額903を更新する保有金額更新処理を行う(S406)。具体的には、電子決済サーバ10,より詳しくは精算処理部405は、受信した消費金額通知メッセージに含まれる店舗内サーバID、或いは遊技場事業者IDなどから、その消費金額通知メッセージに記述された消費金額を遊技場事業者保有金額データ900のどのレコード901の遊技事業者保有金額903に反映するかを決定し、決定したレコード901の保有金額903に、通知された消費金額を加算して記憶させる。また、精算処理部405は、消費金額通知メッセージに含まれる預かり金1501に応じて、対応するユーザレコード701の保有金額704を更新(減算)する。この保有金額更新処理により、電子決済サーバ10は、各店舗内サーバ31で記憶されている消費金額を集計して記憶することができる。この集計された消費金額は、各遊技場事業者口座43に振込まれるべき金額(決済事業者分の手数料を除く)である。
【0141】
次に、決済事業者口座42から遊技場事業者口座43へ、当該遊技場事業者の保有金額903に対応した額の振込を行うことを収納ネットワーク40に依頼するメッセージである振替依頼メッセージを送信する(S407)。このメッセージの詳細は、収納ネットワーク40の定めた仕様に合致するよう定められればよい。
【0142】
この実施の形態では、振替依頼メッセージは、遊技場事業者保有金額テーブル900の各レコード901について、一つ生成されるが、別のやり方で振替依頼メッセージを生成するようにしてもよい。振替依頼メッセージは、振込先口座である遊技場事業者口座43を特定する情報、すなわち銀行番号803、支店番号804,口座種別805,口座番号806、口座名義807を格納している。また、振替依頼メッセージは、振替元口座である決済事業者口座42を特定する情報として決済事業者口座42の銀行番号、支店番号,口座種別,口座番号、口座名義を格納している。またさらに振替依頼メッセージは、振込金額として保有金額903に基づいた金額の値を格納する。保有金額903に基づいた金額は、必ずしも保有金額と同じ値でなくともよく、例えば、決済事業者のための手数料を保有金額から差し引いた残りの額、などである。
【0143】
精算処理部405が自動起動する所定のタイミングは、CPUが判定可能なタイミングであればどのようなものでも構わないが、例えば時間的な条件によるタイミング(毎月30日、或いは第4月曜日、いわゆる五・十日(ごとうび)、など)でもよいし、保有金額が所定の値に達したときなど金額的な条件によるタイミングなどでもよい。また、精算処理部405は必ずしも自動起動する必要はなく、電子決済サーバ10の管理者やオペレータなどが手動により精算処理部405を動作させる構成としても、本発明は成立する。
【0144】
精算処理部405は、それぞれレコード901について振替依頼メッセージの生成を行うと、生成した振替依頼メッセージを収納ネットワーク40に送信する(S408)。これら振替依頼メッセージを受信した収納ネットワーク40は、各振替依頼メッセージの内容に従って、決済事業者口座42から遊技場事業者口座43への振替処理を実行する(S409)。これらステップS401からS409までの処理によって、各ユーザが有価価値提供装置30の利用対価として支払った金額の合計が、それぞれの遊技場事業者口座43に振込まれることとなる。
【0145】
振替処理(S409)が正常に行われた場合は、収納ネットワーク40は、振替処理を正常に実行したことを電子決済サーバ10に通知するため、振替結果通知メッセージを電子決済サーバ10に送信する(S410)。なお、決済事業者口座42の残高が不足しているなどの理由で、適正に振替処理が行えなかった場合には、収納ネットワーク40は振替ができなかった旨の振替結果通知メッセージを電子決済サーバ10に送信する。
【0146】
振替処理が正常に行われた旨の振替結果通知メッセージを受信した電子決済サーバ10は、この振替金額を遊技場事業者保有金額データ900の対応するレコード901に反映させる処理である保有金額クリア処理を実行する(S411)。この保有金額クリア処理により、遊技場事業者の保有金額903の値は「0」に戻され、重複して振替処理を行うことを防止する。
【0147】
図19A、図19Bは、図17に示した状態の後にステップS401からS411が実行された結果の店舗内サーバ31、電子決済サーバ10,収納ネットワーク40の記憶内容を示す図である。図17の状態において、レコード562Aの預かり金1501は¥9,000であり、消費金額1502は¥1,000、及びレコード901の保有金額903は、¥0であった。
【0148】
図19Aは、消費金額クリア処理(S405)及び保有金額更新処理(S406)終了時点の記憶内容を示す図である。
【0149】
消費金額クリア処理(S405)の実行により、店舗内サーバ31の消費金額1502は、¥1,000から¥0に書き換えされる。但し、預かり金1501には変更はなく¥9,000のままである。また、保有金額更新処理S406の実行により、電子決済サーバ10のユーザ保有金額703は、¥10,000から¥9,000に変更され、且つ遊技場事業者保有金額903の値は¥0から¥1,000に変更される。
【0150】
収納ネットワーク40に記憶されているユーザ口座41,決済事業者口座42,及び遊技場事業者口座43についてはこの時点では変更はない。
【0151】
図19Bは、図19Aの状態の後に振替処理S409及び保有金額クリア処理S411が終了した時点の記憶内容を示す図である。電子決済サーバ10,より詳しくは精算処理部405は、遊技場事業者保有金額データ900の各レコード901について保有金額903を読み取り、この保有金額903から所定の決済手数料(例えば、¥10)を差し引いた額を、決済事業者口座42から対応する遊技場事業者口座43に振り替えるよう、収納ネットワーク40に要求する。この例の場合は、この時点の保有金額903は¥1,000であったので、電子決済サーバ10,より詳しくは精算処理部405は¥1,000から決済手数料¥10を差し引いた¥990を振り替えるよう要求する。
【0152】
振替を行う前において決済事業者口座43の額は¥10,100、遊技場事業者口座の額は¥0である。上記の振替要求を収納ネットワーク40が実行すると、図19Bに示したように、決済事業者口座43の額は¥10,100から¥990が引き落とされて¥9,110になり、一方、遊技場事業者口座43には¥990が加算され、¥990となる。なお、ユーザ口座41の額については変更は生じない。また、決済事業者口座42の残高¥9,110のうち¥9,000はユーザから預かっている金額であり、残りの¥110が決済事業者の利益である。これで、電子決済事業者は本電子決済システム1の運営から利益を得ることができるようになる。
【0153】
また、電子決済サーバ10,より詳しくは精算処理部405は、上記振替処理(S409)が完了した旨の振替結果通知メッセージ(S410)に応じて、保有金額クリア処理(S411)を実行し、対応するレコード901の保有金額903を¥1,000から¥0に変更する。
【0154】
上記の処理により、本電子決済システム1は、ユーザが店舗内サーバ31を通じて利用した有価価値提供装置30の使用代金を遊技場事業者口座43に入金させることができるとと共に、決済事業者は電子決済システム1を利用した決済の対価として決済手数料を収集することができるようになる。
【0155】
[II.第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態にかかる電子決済システム1は、ユーザが預かり金を消費するのに応じて、決済事業者口座42から遊技場事業者口座43に振替を行うのに対して、第2の実施の形態は、ユーザが電子決済サーバ10に対して振替を依頼した時点で、決済事業者口座42から遊技場事業者口座43に振替を行う点で異なる。従って、第2の実施の形態にかかる電子決済システム1は、収納ネットワーク40を利用した振替処理回数を、より少ない回数とすることができる。
【0156】
また、第2の実施の形態にかかる電子決済サーバ10には、ユーザ保有金額データ700、遊技場事業者保有金額データ900を記憶させなくともよい。
【0157】
[1.第2の実施の形態における電子決済システムの構成例]
第2の実施の形態にかかる電子決済システム1の構成は、基本的に第1の実施の形態と同様であるので、これらの詳細な説明は省略する。
【0158】
[2.第2の実施の形態における電子決済システムの動作例]
次に、第2の実施の形態にかかる電子決済システムの動作例について説明する。
第2の実施の形態にかかる電子決済システム1は、ユーザが所望の店舗内サーバ31の管理下にある有価価値提供装置30から有価価値の提供を受けようとする場合、そのための振替要求を電子決済サーバ10に送信した時点で、ユーザ口座41から決済事業者口座42に振替が行われると共に,決済事業者口座42から遊技場事業者口座43に振替が行われる。ユーザが有価価値提供装置30を利用した額に応じて決済事業者口座42から遊技場事業者口座43に振替が行われる第1の実施の形態とは、この点で異なっている。
【0159】
第2の実施の形態にかかる電子決済システム1についても、電子決済システム1の利用に先立って、ユーザはまずiアプリなど、移動体通信端末20上で動作するアプリケーションをダウンロードし、また電子決済システム1、より詳しくは電子決済サーバ10にユーザ登録をする必要がある。この処理については、図11に示す第1の実施の形態の動作例と同様なので、第2の実施の形態におけるこれら処理の詳細な説明は省略する。
【0160】
第1の実施の形態と同様に第2の実施の形態においても、上記のユーザ登録が終了しただけでは、ユーザは電子決済システム1を利用して有価価値提供装置30からの買い物(有価価値の受領)を行うことができるわけではない。ユーザは、移動体通信端末20から電子決済システム1、より詳しくは電子決済サーバ10に自分のユーザ口座41から決済事業者口座42に、指定した金額の金員(預入金)の振込を行うよう要求する必要がある。ユーザが店舗内サーバ31を経由して有価価値提供装置30により消費する金額分はこの預入金から支払われる。電子決済サーバ10は、決済事業者の手数料を除いて、決済事業者口座41から受取人である遊技場事業者の口座、すなわち遊技場事業者口座43に収納ネットワーク40の処理により振込まれる。以下、ユーザが電子決済サーバ10に、自己の口座であるユーザ口座41から決済事業者口座42へ振替を要求した場合の、第2の実施の形態における電子決済システム1の動作例を、図20を参照ながら説明する。図20は、ユーザ口座41から決済事業者口座42へ振替を要求した場合の電子決済システム1の動作例を示したシーケンス図である。
【0161】
まず、ユーザは移動体通信端末20においてアプリ、より詳しくは振替要求生成部207を起動させる(S501)。起動したアプリ、より詳しくは振替要求生成部207は、移動体通信端末20の出力部205に、入力インターフェイス画面などを表示させ、ユーザに振替要求メッセージに必要な情報、例えば振替金額、口座暗証番号、店舗内サーバ31を特定する情報(例えば、店舗内サーバID)などの入力を促す。
【0162】
これらの入力を受け付けると(S502)、移動体通信端末20、より詳しくは振替要求生成部207は振替要求メッセージを生成し、この振替要求メッセージを電子決済サーバ10に、基地局60,移動体通信網70,ゲートウエイ80,通信網50を介して送信する(S503)。この振替要求メッセージには、ユーザID208、パスワード209、入力された振替金額、口座暗証番号、利用する店舗内サーバを特定する情報(店舗内サーバIDなど)などが格納されている。
【0163】
この振替要求メッセージを受信した電子決済サーバ10,より詳しくは振替要求処理部404は、振替要求メッセージに含まれるユーザID208をキーとして、ユーザテーブル600を検索し、そのユーザID208と一致するレコード601から、ユーザ口座41を指定する情報である銀行番号605、支店番号606,口座種別607,口座番号608、口座名義609を取得する。さらに、別に記憶している決済事業者口座42を特定する情報(図略)、すなわち決済事業者口座42の銀行番号、支店番号,口座種別,口座番号を読み出して、これら情報から振替依頼メッセージを生成し、収納ネットワーク40に送信する(S504)。なお、振替依頼メッセージの送信について、そのデータ構成や通信手順などについては、収納ネットワーク40が採用する方式に従うようにしてよい。
【0164】
振替依頼メッセージを受信した収納ネットワーク40は、振替依頼メッセージの内容に従って、指定された金額(以下、「ユーザ振替金額」と呼ぶ)をユーザ口座41から決済事業者口座42に振り替える、或いは送金するように、振替処理を行う(S505)。振替処理(S505)が正常に行われた場合は、収納ネットワーク40は、振替処理を正常に実行したことを電子決済サーバ10に通知するため、振替結果通知メッセージを電子決済サーバ10に送信する(S506)。なお、ユーザ口座41の残高が不足しているなどの理由で、適正に振替処理が行えなかった場合には、収納ネットワーク40は、振替ができなかった旨の振替結果通知メッセージを電子決済サーバ10に送信する。なお、S501からS506までの処理は、第1の実施の形態におけるステップS201からステップS206と同様である。
【0165】
さて、ステップS506の後、電子決済サーバ10,より詳しくは振替要求処理部404は、さらに決済事業者口座42から遊技場事業者口座43にユーザ振替金額に対応する金額を振り替えるように要求する振替依頼メッセージを生成し、これを収納ネットワーク40に送信する(S507)。すなわち、電子決済サーバ10,より詳しくは振替要求処理部404は、振替要求メッセージ(S503)に含まれる店舗内サーバ31を特定する情報をキーとして、店舗内サーバテーブル1000、遊技場事業者テーブル800を検索し、その店舗内サーバ31を特定する情報と一致するレコード1001及びレコード801から、遊技場事業者口座43を指定する情報である銀行番号803、支店番号804,口座種別805,口座番号806、口座名義807を取得する。さらに、別に記憶している決済事業者口座42を特定する情報(図略)、すなわち決済事業者口座42の銀行番号、支店番号,口座種別,口座番号を読み出して、これら情報から振替依頼メッセージを生成し、収納ネットワーク40に送信する(S507)。なお、振替依頼メッセージの送信について、そのデータ構成や通信手順などについては、収納ネットワーク40が採用する方式に従うようにしてよい。
【0166】
ステップS507の振替依頼メッセージを受け取った収納ネットワーク40は、振替依頼メッセージの内容に従って、指定された金額(以下、「遊技場事業者振替金額」と呼ぶ)を決済事業者口座42から遊技場事業者口座43に移すように、振替処理を行う(S508)。振替処理(S508)が正常に行われた場合は、収納ネットワーク40は、振替処理を正常に実行したことを電子決済サーバ10に通知するため、振替結果通知メッセージを電子決済サーバ10に送信する(S509)。なお、ユーザ口座41の残高が不足しているなどの理由で、適正に振替処理が行えなかった場合には、収納ネットワーク40は、振替ができなかった旨の振替結果通知メッセージを電子決済サーバ10に送信する。
【0167】
振替依頼メッセージ(S507)を受け取った収納ネットワーク40は、振替依頼メッセージの内容に従って、遊技場事業者振込金額を決済事業者口座42から遊技場事業者口座43に振り替える、或いは送金するように、振替処理を行う(S508)。振替処理(S508)が正常に行われた場合は、収納ネットワーク40は、振替処理を正常に実行したことを電子決済サーバ10に通知するため、振替結果通知メッセージを電子決済サーバ10に送信する(S509)。
【0168】
振替処理が正常に行われた旨の振替結果通知メッセージを受信した電子決済サーバ10は、前述のユーザ振替金額を店舗内サーバ31のユーザ預かり金データ562に反映させるように、ユーザ預かり金処理要求メッセージを生成し、このメッセージをユーザによって指定された店舗内サーバ31に送信する(S510)。ユーザ預かり金処理要求メッセージを受信した店舗内サーバ31、より詳しくは預かり金処理部552は、このユーザ預かり金処理要求メッセージの内容をユーザ預かり金データ562の対応するレコード562Aに反映させる処理である預かり金データ更新処理を実行する(S511)。この預かり金データ更新処理により、当該ユーザは、ユーザ振替金額に相当する金額を電子決済システム1、より詳しくは店舗内サーバ31によって管理される有価価値提供装置30を用いて使用できるようになる。なお、ユーザ預かり金処理要求メッセージに対応するユーザが、ユーザテーブル561に未登録のユーザである場合は、ユーザテーブル561に当該ユーザのレコード561Aの追加が行われる。
【0169】
図21から図24は、第2の実施の形態における店舗内サーバ31、電子決済サーバ10と収納ネットワーク40との間で行われるユーザ振替金額、遊技場事業者振替金額を処理する場合の動作例を説明する図である。
【0170】
図21は、ユーザが電子決済サーバ10に振替要求メッセージ送信(図20,S503)を行う前の状態の一例を示している。この例では、収納ネットワーク40は、ユーザ口座41、決済所業者口座42、及び遊技場事業者口座43を有している。
【0171】
さて、ユーザ口座41の残高は¥100,000であり、決済所業者口座42、及び遊技場事業者口座43の残高はともに¥0であるものとしよう。なお、実際には、複数のユーザ、複数の遊技場事業者が収納ネットワーク40に口座を有していることになろうが、図21から図24では、代表例としてユーザ口座41、及び遊技場事業者口座43をそれぞれ一つずつ表示した。
【0172】
第2の実施の形態においては、電子決済サーバ10は、前述の通りユーザ保有金額データ700、遊技場事業者保有金額データ900を記憶する必要はない。
【0173】
図22は、図21の状態の後、所望の店舗内サーバ31で使用するための¥10,000のユーザ振替金額を振り替えるよう、ユーザが移動体通信端末20から電子決済サーバ10に振替要求メッセージを送信した後の状態を示している。電子決済サーバ10は、この振替要求メッセージに応じて以下のような振替依頼メッセージを収納ネットワーク40に送信する(S504参照)。すなわち、ユーザ振替金額¥10,000及び決済事業者の手数料(例えば、¥100とする)をユーザ口座41から決済事業者口座42に振替よ、という内容の振替依頼メッセージを収納ネットワーク40に送信する。
【0174】
この振替依頼メッセージを受信した収納ネットワーク40は、ユーザ口座41から¥10,100を決済事業者口座42に振り替える処理を行う(S505参照)。その結果、図22に示すように、ユーザ口座41の残高は、¥100,000ー¥10,100=¥89,900となり、決済事業者口座42の残高は、¥0+¥10,100=¥10,100となる。収納ネットワーク40は各口座41,42の残高を振替依頼に応じてこのように変更する。
【0175】
図23は、図22の状態の後、遊技場事業者口座43に遊技場事業者振込金額を振り替えるよう、電子決済サーバ10から収納ネットワーク40へ振替依頼メッセージが送信され(S507参照)、収納ネットワーク40がこの振替依頼メッセージに応じた振替処理(S508参照)を実行した後の状態を示している。
【0176】
電子決済サーバ10は、遊技場事業者口座43へ遊技場事業者振替金額を振り替える旨の以下のような振替依頼メッセージを収納ネットワーク40に送信する(S507参照)。すなわち、ユーザ振替金額¥10,000から決済事業者の手数料(例えば、¥10とする)を差し引いた額(¥10,000ー¥10=¥9,990)である遊技場事業者振替金額を決済事業者口座42から遊技場事業者口座43に振替よ、という内容の振替依頼メッセージが収納ネットワーク40に送信される。
【0177】
この振替依頼メッセージを受信した収納ネットワーク40は、決済事業者口座41から¥9,990を遊技場事業者口座43に振り替える処理を行う(S508参照)。その結果、図23に示すように、決済事業者口座42の残高は、¥10,100ー¥9,990=¥110となり、遊技場事業者口座43の残高は、¥0+¥9,990=¥9,990となる。ユーザ口座41の残高は¥89,900のまま変わらない。収納ネットワーク40は各口座42,43の残高を振替依頼メッセージに応じて上述のように変更する。
【0178】
図24は、図23の状態の後に、電子決済サーバ10からのユーザ預かり金処理要求メッセージに応じてが預かり金更新処理(S511)を実行した後の状態を示す。図20に示したように、収納ネットワーク40によって振替処理(S508)が行われると、収納ネットワーク40は電子決済サーバ10に遊技場事業者振込金額の振替が正常に行われた旨の振替結果通知メッセージを送信し(S509)、この振替結果通知メッセージに応じて電子決済サーバ10は、ユーザに指定された店舗内サーバ31にユーザ預かり金処理要求メッセージを送信する(S510)。
【0179】
このユーザ預かり金処理要求メッセージを受信した店舗内サーバ31,より詳しくは預かり金処理部552は、このユーザ預かり金処理要求メッセージに応じて、ユーザ預かり金データ562に対して、このメッセージに含まれるユーザIDに対応するレコード562Aが記憶しているユーザ預かり金1501にユーザ振込金額を加算する預かり金データ更新処理(S511)を実行する。但し、手数料に相当する¥100は加算しない。この加算による保有金額データ処理(S510)の結果、レコード701のユーザ保有金額703には、¥0+¥10,000=¥10,000が記録されることとなる。この¥10,000はユーザが電子決済システム1において使用できる金額となる。
【0180】
次に、第2の実施の形態にかかる電子決済システム1において、ユーザが有価価値提供装置30から有価価値の提供を受けようとした場合の、電子決済システム1の動作例について説明する。
【0181】
第2の実施の形態でも、第1の実施の形態の説明で示したステップS301からステップS310と同様の処理が実行される(図16参照)。しかし、第2の実施の形態では、図18に示すステップS401からS411までの処理は行わない。第2の実施の形態では、ユーザの消費金額1502(図24参照)は、店舗内サーバ31で管理され、電子決済サーバ10においては管理しない。その結果、店舗内サーバ31と電子決済サーバ10との通信回数は第1の実施の形態に比べてより少なくすることができ、また電子決済サーバ10から収納ネットワーク40への振替依頼の送信回数も第1の実施の形態に比べてより少なくすることができる。
【0182】
[III.変形例、その他]
(1)有価価値提供装置30に設けた液晶ディスプレイなどにQRコードなどを表示しておき、移動体通信端末20にCCDカメラを利用したバーコードリーダを設けてバーコードの読み取りを行わせることにより、提供装置側近距離通信部303及び端末側近距離通信部201の代わりとしてもよい。この場合はバーコードが示す情報がそのまま機器IDとなればよい。
(2)上記の第1及び第2の実施の形態では、ユーザ口座41から決済事業者口座への振替は、移動体通信端末20から電子決済サーバ10を経由して収納ネットワーク40へ振替依頼を送信する構成としたが、移動体通信端末20から直接収納ネットワーク40に振替依頼を送信する構成としても本発明は成立する。
【0183】
[IV.本電子決済システムの利点]
(1)ユーザにとっての利点
遊技場において使用可能な、現金以外の決済方法となるため、遊技場において手持ちの現金がなくなった後でも、簡易な決済行為(移動体通信端末20を有価価値提供装置30にかざす程度の簡単な入力操作を行う処理)で貸し玉、貸しメダルの購入、商品の購入などが可能となる。
【0184】
それゆえ、遊技中に手持ちの現金がなくなったり、少なくなった状態で大当たりを引き当てたが手持ちの玉やメダルが底を突きそうになったりした場合に、簡単な操作で貸し玉などの追加購入ができるため、遊技者は現金の残高を気にすることなく、安心して遊技を続けることができる。
【0185】
また、この決済行為において、決済行為に使う端末は、利用者が所有する移動体通信端末である安心感に加え、カード番号や暗証番号の入力行為をする必要がないため、通常のクレジット・カード、デビット・カードのように、店舗側にカード番号や暗証番号の記録が残ったり、或いは悪意ある者に不正取得されたりするおそれがなくなり、安心して決済をすることが可能となる。
【0186】
また、電子決済サーバ10が取得する利用状況情報に基づいた、情報配信を受けることも可能であり、より多彩なサービスを受けることが期待できる。
(2)店舗側(管理者)にとっての利益
【0187】
遊技した結果手持ち現金がなくなったユーザであっても、本電子決済システムによりさらに貸し玉、貸しメダルの購入ができるので遊技機の稼働率が高まり、またそのようなユーザが店舗内で買い物等をしてくれる可能性も高まるので、遊技場の売り上げ向上が期待できる。同時に、利用者が、どの遊技機でどの程度遊技したのかを示す情報も得られることから、この情報を基に、遊技機の稼動状況の詳細を知ることができ、利用者の好みも知ることが可能であり、マーケティング情報として活用も可能である。
【0188】
本電子決済システムを利用した場合には、店舗内で取り扱う現金は増加しないため、入金管理が容易になると共に現金の保安管理も向上する。
【0189】
(3)決済事業者にとっての利点
決済事業者は、本電子決済システムを運営することにより、ユーザである遊技者の遊技状況を把握することが可能となり、遊技機の開発、販売、営業などで参照するデータを蓄積できる。また、遊技場事業者に対する振込回数がユーザ振込要求につき1回と限られるため、電子決済サーバの不可が少なくまた、振り込み手数料の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0190】
【図1】本発明にかかる電子決済システムの一例を示すネットワーク図
【図2】収納ネットワークの概略構成を示すブロック図
【図3】有価価値提供装置及び移動体通信端末の構成例を示す機能ブロック図
【図4】ユーザ情報記憶部が記憶する情報の一例を示す図
【図5A】電子決済サーバの構成例を示す機能ブロック図
【図5B】分散サーバ構成とした電子決済サーバの構成例を示す機能ブロック図
【図5C】店舗内サーバの構成例を示す機能ブロック図
【図5D】店舗内サーバに記憶されるユーザテーブルのデータ構成例を示す図
【図5E】店舗内サーバに記憶されるユーザ預かり金データのデータ構成例を示す図
【図6】データベース部に記憶されるユーザテーブルの構成例を示す図
【図7】データベース部に記憶されるユーザ保有金額データの構成例を示す図
【図8】データベース部に記憶される遊技場事業者テーブルの構成例を示す図
【図9】データベース部に記憶される遊技場事業者保有金額データの構成例を示す図
【図10】データベース部に記憶される店舗内サーバテーブルの構成例を示す図
【図11】電子決済システムにユーザ登録を行う場合の電子決済システムの動作例を示したシーケンス図
【図12】ユーザ口座から決済事業者口座へ振替を要求した場合の電子決済システムの動作例を示したシーケンス図
【図13】電子決済サーバと収納ネットワークとの間で行われるユーザ振替金額を処理する場合の動作例を説明する図
【図14】図13に続く、電子決済サーバと収納ネットワークとの間で行われるユーザ振替金額を処理する場合の動作例を説明する図
【図15A】図14に続く、電子決済サーバと収納ネットワークとの間で行われるユーザ振替金額を処理する場合の動作例を説明する図
【図15B】図15Aに続く、電子決済サーバと収納ネットワークとの間で行われるユーザ振替金額を処理する場合の動作例を説明する図
【図16】移動体通信端末と有価価値提供装置との間で近距離通信手段による通信を行わせた場合の、電子決済システムの動作例を示すシーケンス図
【図17】図15Bの状態の後、ステップS301からステップS307までの処理が行われた後の状態を示した図
【図18】電子決済システムにおける遊技場事業者口座への振込処理の例を示すシーケンス図
【図19A】図18に示した状態の後にステップS401からS405が実行された結果を示す図
【図19B】図19Aに続く、店舗内サーバ、電子決済サーバ、収納ネットワークとの間で行われる処理結果例を説明する図
【図20】第2の実施の形態において、ユーザ口座から決済事業者口座へ振替を要求した場合の電子決済システムの動作例を示したシーケンス図
【図21】ユーザが電子決済サーバに振替要求メッセージ送信を行う前の状態の一例を示す図
【図22】図21の状態の後、¥10,000のユーザ振替金額を振り替えるよう、ユーザが移動体通信端末から電子決済サーバに振替要求メッセージを送信した後の状態を示す図
【図23】図22の状態の後、電子決済サーバが決済事業者口座から遊技場事業者口座にユーザ振替金額に応じた額を振り替えるよう収納ネットワークに振替依頼メッセージを送信し、収納ネットワークがこのメッセージに応じた振替処理を実行した後の状態を示す図
【図24】図23の状態の後に、店舗内決済サーバが預かり金額データ更新処理を実行した後の状態を示す図
【符号の説明】
【0191】
1 … 電子決済システム
10 … 電子決済サーバ
20 … 移動体通信端末
30 … 有価価値提供装置
31 … 店舗内サーバ
40 … 収納ネットワーク
41 … ユーザ口座
42 … 決済事業者口座
43 … 遊技場事業者口座
402 … 支払要求処理部
403 … データベース部
404 … 振替要求処理部
405 … 精算処理部
406 … 提供指示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子決済システム、電子決済サーバ、移動体通信端末、並びに電子決済方法に関し、より詳しくは現金決済に準じた電子決済を実現するための電子決済システム、電子決済サーバ、移動体通信端末、並びに電子決済方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報処理技術、通信技術の発展及び通信インフラの普及により、料金・代金の支払方法が多様化し、現金による支払に代わるさまざまな方法が提案され利用されるようになってきている。
【0003】
現金に代わる代金支払方法としては、いわゆる後払い形式のクレジット・カードや先払い形式のプリペイドカードが存在している。
【0004】
さて、パチンコホールなどの遊技場における支払においても、現金以外の支払方法が利用できれば、ユーザ(遊技者)の利便が向上するとともに、遊技機の稼働率が高まることによる遊技場の売り上げ向上も期待できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、遊技者が過大な借り入れをすることを防ぐ趣旨の規制により、一般に遊技場におけるクレジット・カードの利用は制限されている。また、仮に、遊技場においてクレジット・カードによる決済方法が可能になったとしても、クレジットによる利用の記録が自宅に郵送されてきたり、利用状況によっては、本人確認の電話がクレジット事業者からかかってきたりと、煩わしい状況であったり、さらには個人情報漏洩のおそれのために、クレジット・カード番号、暗証番号を遊技場側に伝えて決済し、個人情報の記録が遊技場内部に残ってしまうことに遊技者は少なからぬ抵抗感を有するであろうため、遊技場におけるクレジット・カードによる決済利用普及は現状では難しい。
【0006】
また、現金、クレジット・カード以外の別の決済方法として、プリペイドカードによる支払方法もあるが、遊技の結果遊技者が手持ちの現金を全て消費してしまった場合には、プリペイドカードをさらに追加購入することはできない。遊技者が手持ちの現金を遊技において消費し終わった後、もう少し遊技したい、或いは遊技場においてなんらかの買い物をしたいという要求を持っていても、現状ではそのような要求に応えることができる決済方法が用意されておらず、遊技場はこのような潜在的な需要をみすみす見逃さざるを得なかった。
【0007】
本発明の目的は、遊技場においても利用可能な、現金決済と同様の新たな電子決済方式を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための手段として、本発明は以下の特徴を有している。
本発明の第1の態様は、ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座の間で金銭を振り替えることが可能な収納ネットワーク(例えば、マルチペイメントネットワーク)に対して、通信網を介してこれら口座間の振替を要求することが可能な電子決済サーバと、前記電子決済サーバと通信網を介して通信可能な店舗内サーバと、前記店舗内サーバと通信可能な有価価値提供装置(例えば、玉貸し機、サンドマシン、プリペイドカード発券機など)と、前記店舗内サーバと通信網を介して通信可能であると共に前記有価価値提供装置と通信可能な移動体通信端末(例えば、非接触型ICカードを搭載した携帯電話機)とを有する電子決済システムとして提案される。
【0009】
前記電子決済サーバは、ユーザごとに各店舗内サーバで使用可能な金額であるユーザ保有金額を記憶し、ユーザが指定する振替金額に応じたユーザ振替金額(例えば、振替金額に決済事業者手数料を加算した額)をそのユーザのユーザ口座から前記決済事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信し、また前記ユーザ振替金額をユーザ保有金額に加算し、そのユーザ振替金額を通知するユーザ預かり金処理要求メッセージを前記店舗内サーバに送信し、前記店舗内サーバは、前記ユーザ預かり金処理要求メッセージに応じて、ユーザからの預かり金を示す預かり金を算出して記憶し、前記移動体通信端末は、前記有価価値提供装置からその有価価値提供装置を特定する機器特定情報(例えば、機器ID)を取得し、前記機器特定情報を含む支払要求メッセージを生成し、この支払要求メッセージを前記店舗内サーバに送信し、前記店舗内サーバは、前記移動体通信端末からの支払要求メッセージに応じて、前記機器特定情報によって特定された有価価値提供装置に有価価値の提供を指示する提供指示メッセージを送信し、且つ前記ユーザ預かり金から、有価価値の提供の代金であるユーザ支払金額に応じた額を減算すると共に、そのユーザの消費金額に前記ユーザ支払金額に応じた額を加算し、その消費金額を通知する消費金額通知メッセージを前記電子決済サーバに送信し、前記有価価値提供装置は、前記店舗内サーバから提供指示メッセージを受信すると、前記ユーザ支払金額に応じた有価価値を提供し、前記電子決済サーバは、前記消費金額通知メッセージに応じて、消費金額を遊技場事業者保有金額に加算し、前記収納ネットワークに前記決済事業者口座から前記遊技場事業者口座に遊技場事業者保有金額に応じた金額を振り替えるよう要求する振替依頼メッセージを前記収納ネットワークに送信することを特徴としている。
この電子決済システムによれば、クレジット・カードやデビット・カードなどの既存の決済方法に変わる、新たな決済方法を提供することが可能となる。
【0010】
本発明の第2の態様は、ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座の間で金銭を振り替えることが可能な収納ネットワーク(例えば、マルチペイメントネットワーク)に対して、通信網を介してこれら口座間の振替を要求することが可能な電子決済サーバとして提案される。
【0011】
この電子決済サーバは、ユーザごとに各店舗内サーバで使用可能な金額であるユーザ保有金額と、各遊技場事業者の遊技場事業者保有金額とを記憶する記憶手段(例えば、データベース部)と、ユーザが指定する振替額に応じたユーザ振替金額(例えば、ユーザが振替を指定した額に決済事業者の手数料を加えた額)をそのユーザのユーザ口座から前記決済事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信し、また前記ユーザ振替金額を前記ユーザ保有金額に加算し、そのユーザ保有金額を通知するユーザ預かり金処理要求メッセージを送信するための振替要求処理部と、
【0012】
ユーザが有価価値の提供の代金として支払う金額の合計である消費金額を通知する消費金額通知メッセージに応じて、消費金額を前記遊技場事業者保有金額に加算し、前記収納ネットワークに前記決済事業者口座から前記遊技場事業者口座に遊技場事業者保有金額に応じた金額(例えば、遊技場事業者保有金額から決済時御者の手数料を引いた額)を振り替えるよう要求する振替依頼メッセージを前記収納ネットワークに送信するための精算処理手段(例えば、精算処理部)とを有することを特徴としている。
この電子決済サーバによれば、クレジット・カードやデビット・カードなどの既存の決済方法に変わる、新たな決済方法を提供することが可能となる。
【0013】
本発明の第3の態様は、ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座の間で金銭を振り替えることが可能な収納ネットワークに対して、通信網を介してこれら口座間の振替を要求することが可能な電子決済サーバと通信網を介して通信可能な店舗内サーバとして提案される。
【0014】
この店舗内サーバは、各ユーザの預かり金と、消費金額を記憶する記憶手段(例えば、データベース部)と、前記電子決済サーバから送信されたユーザ預かり金処理要求メッセージに応じて、預かり金を算出して記憶させる預かり金処理手段(例えば、預かり金処理部)と、有価価値の提供の代金であるユーザ支払金額の支払を求める支払要求メッセージを受信すると、前記預かり金からユーザ支払金額に応じた額を減算すると共に、前記消費金額に前記ユーザ支払金額に応じた額を加算する支払要求処理手段(例えば、支払い要求処理部)と、前記預かり金からユーザ支払金額を減算した結果に応じて、有価価値の提供を指示する提供指示メッセージを送信する提供指示手段(例えば、提供指示部)と、前記電子決済サーバに消費金額を通知する消費金額通知メッセージを送信する精算処理手段(例えば、精算処理部)とを有することを特徴としている。
この店舗内サーバによれば、クレジット・カードやデビット・カードなどの既存の決済方法に変わる、新たな決済方法を提供することが可能となる。
【0015】
本発明の第4の態様は、電子決済システムのための移動体通信端末として提案される。この移動体通信端末は、有価価値提供装置(例えば、玉貸し機、サンドマシン、プリペイドカード発券機など)と近距離通信手段(例えば、非接触型ICカード用チップ)による通信を行うことによって、有価価値提供装置からその有価価値提供装置を特定する機器特定情報(例えば、機器ID)を取得し、前記機器特定情報を含む支払要求メッセージを生成し、この支払要求メッセージを店舗内サーバに送信して、前記店舗内サーバに、有価価値の提供の代金であるユーザ支払金額(例えば、¥1,000分の貸し玉代)に応じた有価価値の提供を前記有価価値提供装置に指示させる、ことを特徴としている。
【0016】
本発明の第5の態様は、電子決済方法として提案される。
この電子決済方法は、ユーザが指定した振替金額をユーザ口座から決済事業者口座へ振り替えるよう収納ネットワークに要求する振替依頼メッセージを送信するステップ(例えば、振替依頼メッセージ送信S204)と、前記振替金額に応じた額であるユーザ振替金額を前記ユーザ保有金額に加算して記憶させるステップ(例えば、保有金額データ処理S207)と、前記ユーザ保有金額を通知するユーザ預かり金メッセージを送信するステップ(例えば、ユーザ預かり金処理要求メッセージ送信S208)と、前記ユーザ預かり金メッセージを受信し、このユーザ預かり金メッセージに応じて預かり金を算出して記憶させるステップ(例えば、預かり金データ更新処理S20)と、有価価値提供装置と近距離通信手段による通信を行うことにより取得されるその有価価値提供装置を特定する機器特定情報を含む支払要求メッセージを受信するステップ(例えば、支払い要求メッセージ送信S303)と、前記支払要求メッセージに応じて、有価価値の提供の代金であるユーザ支払額の合計である消費金額を算出して記憶させるステップ(例えば、消費金額処理S308)と、前記預かり金と消費金額とが所定の条件を満たす場合は、前記支払要求メッセージに応じて、前記機器特定情報によって特定される有価価値提供装置にユーザ支払金額に応じた有価価値の提供を指示する提供指示メッセージを送信するステップ(例えば、預かり金チェックS304、提供指示メッセージ送信S305)と、前記消費金額を通知するための消費金額通知メッセージを送信するステップ(例えば、消費金額通知メッセージ送信S404)と、前記消費金額通知メッセージに応じて、前記消費金額に応じた額を遊技場事業者保有金額に加算して、記憶させるステップ(例えば、保有金額精算処理S406)と、前記遊技場事業者保有金額に応じた額を前記決済事業者口座から前記遊技場事業者口座へ振り替えるように前記収納ネットワークに要求する振替依頼メッセージを送信するステップ(例えば、振替依頼メッセージ送信S408)とを有することを特徴としている。
【0017】
この電子決済方法によれば、クレジット・カードやデビット・カードなどの既存の決済方法に変わる、新たな決済方法を提供することが可能となる。
【0018】
本発明の第6の態様は、ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座の間で金銭を振り替えることが可能な収納ネットワーク(例えば、マルチペイメントネットワーク)に対して、通信網を介してこれら口座間の振替を要求することが可能な電子決済サーバと、前記電子決済サーバと通信網を介して通信可能な店舗内サーバと、前記店舗内サーバと通信可能な有価価値提供装置(例えば、貸し玉機、サンドマシンなど)と、前記店舗内サーバと通信網を介して通信可能であると共に前記有価価値提供装置と通信可能な移動体通信端末(例えば、非接触型ICカードを搭載した携帯電話機)とを有する電子決済システムとして提案される。
【0019】
前記電子決済サーバは、ユーザが指定する振替金額に応じたユーザ振替金額(例えば、振替金額から決済事業者に支払う手数料を差し引いた額)を前記ユーザ口座から前記決済事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信し、且つユーザ振替金額に応じた金額を前記決済事業者口座から前記遊技事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信し、また前記ユーザ振替金額を通知するユーザ預かり金処理要求メッセージを前記店舗内サーバに送信し、前記店舗内サーバは、前記ユーザ預かり金処理要求メッセージに応じて、ユーザからの預かり金を示すユーザ預かり金(例えば、預かり金1501)を算出して記憶し、前記移動体通信端末は、前記有価価値提供装置からその有価価値提供装置を特定する機器特定情報(例えば、機器ID)を取得し、前記機器特定情報を含む支払要求メッセージを生成し、この支払要求メッセージを前記店舗内サーバに送信し、前記店舗内サーバは、前記移動体通信端末からの支払要求メッセージに応じて、前記機器特定情報によって特定された有価価値提供装置に有価価値の提供を指示する提供指示メッセージを送信し、前記有価価値提供装置は、前記店舗内サーバから提供指示メッセージを受信すると、有価価値の提供の代金であるユーザ支払金額に応じた有価価値を提供することを特徴としている。
【0020】
この電子決済サーバによれば、クレジット・カードやデビット・カードなどの既存の決済方法に変わる、新たな決済方法を提供することが可能となる。
【0021】
本発明の第7の態様は、ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座の間で金銭を振り替えることが可能な収納ネットワーク(例えば、マルチペイメントネットワーク)に対して、通信網を介してこれら口座間の振替を要求することが可能な電子決済サーバであって、ユーザが指定する振替額に応じたユーザ振替金額(例えば、振替金額に決済事業者手数料を加えた額)を前記ユーザ口座から前記決済事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信し、且つユーザ振替金額に応じた金額を前記決済事業者口座から前記遊技事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信し、且つ前記ユーザ振替金額を通知するユーザ預かり金処理要求メッセージを送信することを特徴としている。
【0022】
この電子決済サーバによれば、クレジット・カードやデビット・カードなどの既存の決済方法に変わる、新たな決済方法を提供することが可能となる。
【0023】
本発明の第8の態様は、ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座の間で金銭を振り替えることが可能な収納ネットワーク(例えば、マルチペイメントネットワーク)に対して、通信網を介してこれら口座間の振替を要求することが可能な電子決済サーバと通信網を介して通信可能な店舗内サーバとして提案される。
【0024】
各ユーザの預かり金(例えば、預かり金1501)と、消費金額(消費金額1502)を記憶する記憶手段(例えば、データベース部)と、前記電子決済サーバから送信されたユーザ預かり金処理要求メッセージに応じて、預かり金を算出して記憶させる預かり金処理手段(例えば、預かり金処理部)と、有価価値の提供の代金であるユーザ支払金額の支払を求める支払要求メッセージを受信すると、前記預かり金からユーザ支払金額を減算して記憶させる支払要求処理手段(例えば、支払い要求処理部)と、前記預かり金からユーザ支払金額を減算した結果に応じて、有価価値の提供を指示する提供指示メッセージを送信する提供指示手段(例えば、提供指示部)とを有することを特徴としている。
【0025】
この店舗内サーバによれば、クレジット・カードやデビット・カードなどの既存の決済方法に変わる、新たな決済方法を提供することが可能となる。
【0026】
本発明の第9の態様は、電子決済方法として提案される。この電子決済方法は、ユーザが指定した振替金額に応じた額であるユーザ振替金額(例えば、振替金額から決済事業者に支払う手数料を差し引いた額)をユーザ口座から決済事業者口座へ振り替えるよう収納ネットワークに要求する振替依頼メッセージを送信するステップ(例えば、振替依頼メッセージ送信S504)と、ユーザ振替金額に応じた金額を前記決済事業者口座から前記遊技事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信するステップ(例えば、振替依頼メッセージ送信S507)と、前記振替金額に応じた額であるユーザ預かり金を通知するユーザ預かり金メッセージを送信するステップ(例えば、ユーザ預かり金処理要求メッセージ送信S510)と、前記ユーザ預かり金メッセージを受信し、このユーザ預かり金メッセージに応じて預かり金を算出して記憶させるステップ(例えば、預かり金データ更新処理S511)と、有価価値提供装置と近距離通信手段による通信を行うことにより取得されるその有価価値提供装置を特定する機器特定情報を含む支払要求メッセージを受信するステップ(例えば、支払要求メッセージ送信S303)と、前記支払要求メッセージに応じて、有価価値の提供の代金であるユーザ支払金額の合計である消費金額を算出して記憶させるステップ(例えば、消費金額処理S308)と、
前記預かり金と消費金額とが所定の条件を満たす場合は、前記支払要求メッセージに応じて、前記有価価値提供装置に前記ユーザ支払金額に応じた有価価値の提供を指示する提供指示メッセージを送信するステップ(例えば、預かり金チェックS304、提供指示メッセージ送信S305)とを有することを特徴としている。
【0027】
この電子決済方法によれば、クレジット・カードやデビット・カードなどの既存の決済方法に変わる、新たな決済方法を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、遊技場においても利用可能な、簡易且つ安全な電子決済を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
[I.第1の実施の形態]
[1.電子決済システムの構成例]
図1は電子決済システムの一例を示すネットワーク図である。
この図に示す例においては、電子決済システム1は、電子決済サーバ10と、移動体通信端末20と、有価価値提供装置30と、店舗内サーバ31を有している。
【0030】
電子決済サーバ10は、通信網50を介して、移動体通信端末20、店舗内サーバ31、及び収納ネットワーク40に接続されている。収納ネットワーク40は、電子決済サーバ10からの指示に基づいて、ユーザの口座から指定された振込先口座へ指定された金額の振込処理を実行するシステムであって、例えば「マルチペイメントネットワーク」(例えば、http://www.jampa.gr.jp/pub/ 参照)である。
【0031】
図2は、収納ネットワーク40の概略構成を示すブロック図である。収納ネットワーク40は、銀行などの金融機関の金融機関システム44(共同利用センターのような形態を含む)が通信ネットワーク45(通信網50と同一の網であってもよい)を介して互いに通信可能に接続されている。金融機関システム44は、以下の口座の入出金を電子的に行うことができるシステムである。本電子決済システム1が利用する金融機関システム44は、遊技機を遊技する者であって、本電子決済システムを用いて支払いを行う者(以下、ユーザと呼ぶ)の口座(以下、ユーザ口座41と呼ぶ)、本電子決済システム1の運営、管理を直接又は間接に行い、電子決済システム1の運営の対価・代価・手数料などを受け取る者(以下、決済事業者と呼ぶ)の口座(以下、決済事業者口座42と呼ぶ)、及び遊技機による遊技をユーザに提供する者であって、本電子決済システム1を用いてユーザからの支払いを受け取る者(以下、遊技場事業者と呼ぶ)の口座(以下、遊技場事業者口座43と呼ぶ)を有する。これらの口座41,42,43は同一の金融機関システム44に設けられていてもよいし、互いに別の金融機関システム44に設けられていてもよい。図2では、これら口座41,42,43は異なる金融機関システム44に設けられているものとして図示したが、このような態様に本実施の形態が限定される趣旨ではない。
【0032】
通信ネットワーク45には、依頼者が収納ネットワーク40に対して支払い依頼を送信するための端末装置が接続されている。端末装置としては、パーソナルコンピュータ(PC)46,携帯電話機47,ATM(Automated Teller Machine)48などが用いられる。本実施形態にかかる電子決済システム1では、移動体通信端末20,又は電子決済サーバ10が収納ネットワーク40の端末装置として動作する。
【0033】
図1に戻り、電子決済システム1の構成例の説明を続ける。
電子決済サーバ10は通信網50に接続されており、店舗内サーバ31と通信網50を介して通信可能となっている。移動体通信端末20は、基地局(BS)60、移動体通信網70、及び移動体通信網70と通信網50とを接続するゲートウエイ80とを介して電子決済サーバ10、店舗内サーバ31,収納ネットワーク40と通信可能であるとともに、移動体通信端末20が備えている近距離通信手段(例えば、非接触式ICカード及びそのリーダ/ライタ)により有価価値提供装置30と通信可能である。
【0034】
以下、上記の電子決済システム1の各構成要素について説明する。
[1.1.有価価値提供装置]
有価価値提供装置30は、ユーザが移動体通信端末20を用いて電子決済を行った対価として、なんらかの有価価値(金銭と交換して購入できる有体物、無体物をいうものとする)をユーザに提供する装置である。有価価値提供装置30は、例えば、遊技場の玉貸し機、メダル貸し出し装置、CAT端末装置などである。なお、本実施の形態における有価価値提供装置30は、玉貸し機やメダル貸出機のような有価価値を直接ユーザに提供する装置である必要はなく、例えば、デビット・カードのCAT端末のように、電子決済は可能である旨を遊技場(店舗)側に通知して、遊技場側に品物などをユーザに引き渡させるなどの間接的にユーザに有価価値を提供する装置も含む。
【0035】
図3は、有価価値提供装置30及び移動体通信端末20の構成例を示す機能ブロック図である。以下、図3を参照しながら有価価値提供装置30の構成について説明する。
【0036】
有価価値提供装置30は、ネットワーク通信処理部301と、提供制御部302と、提供装置側近距離通信部303と、有価価値供給部304と、遊技履歴処理部305とを有している。
【0037】
ネットワーク通信処理部301は、店舗内サーバ31と通信を実行する機能を有し、例えば、プロトコルスタックを搭載した通信ボードなどである。なお、有価価値提供装置30は店舗内サーバ31に対して複数台接続されていてもよく、有価価値提供装置30と店舗内サーバ31とはLANなどの通信網やその他の通信手段によって接続されている。
【0038】
提供制御部302は、ネットワーク通信処理部301、提供装置側近距離通信部303、有価価値供給部304の動作を命令・制御する機能を有し、例えば有価価値提供装置30を実現するためのプログラムを搭載したマイクロコンピュータである。
【0039】
提供装置側近距離通信部303は、移動体通信端末20に搭載されている端末側近距離通信部201と通信を行う機能を有し、例えば、非接触式ICカードのリーダ/ライタである。なお、提供装置側近距離通信部303が用いる通信方式は、無線に限られる必要はなく、赤外線通信であっても構わない。また、必ずしも非接触式の通信方式でなくともよく、通信ケーブルやUSBソケットにより接続して通信する方式を採用しても本発明は成立する。
【0040】
有価価値供給部304は、提供制御部302の命令に応じて、有価価値をユーザに提供する機能を有する。有価価値供給部とは、例えば、玉貸し機の貸し玉出力部、メダル貸出機のメダルホッパー、認証端末(例えば、CAT端末)のディスプレイ、或いはプリンタなどである。有価価値は、金銭により購入可能なものであれば、どのようなものでもよく、貸し玉、貸しメダル、プリペイドカード、オンバリューカード(ハウスカード)又は同等品、或いは無形のサービスなどである。有価価値供給部304は、必ずしも直接に有価価値をユーザに提供するものに限られず、間接的に有価価値をユーザに提供するものであってもよい。例えば、有価価値供給部304は液晶ディスプレイ装置であって、遊技場の店員やスタッフなどに、商品の引き渡しを指示するメッセージをこの液晶ディスプレイ装置が表示することも、本発明による有価価値の提供の一形態である。
【0041】
遊技履歴処理部305は、遊技者による有価価値提供装置30の使用に基づいて、遊技者の遊技履歴に関するデータである遊技履歴データを生成して、ネットワーク通信処理部301を介して店舗内サーバ31又は電子決済サーバ10に送信する機能を有する。
【0042】
例えば、有価価値提供装置30がある特定の遊技機に付設されたサンドマシン(玉貸し機)であるとする。遊技者がこのサンドマシンが付設された遊技機で遊技を行うために、サンドマシンである有価価値提供装置30と、移動体通信端末20である自己の携帯電話機とにより本電子決済システム1による決済により玉貸しを受ける。遊技履歴処理部305は、どの遊技者がどの遊技機をいつ遊技したのか、どれだけの金額を遊技したのか、などのデータである遊技履歴データを提供制御部302の動作状況、及び遊技機の動作状況より生成し、これを、技履歴データを管理するサーバに送信する。遊技履歴データは、全ての有価価値提供装置30が使用されるごとに、サーバに送られ蓄積される。この遊技履歴データを解析したり、データマイニングの手法などにより分析等したりすることにより、遊技者の行動傾向、遊技機の人気傾向、時間帯別利用動向などが明らかになり、その結果店舗経営や遊技機開発などの資料となる有用な情報を取得できる。
【0043】
なお、この実施の形態では、遊技履歴データを管理するサーバとして、電子決済サーバ10を用いる構成として説明するが、遊技履歴データを管理するサーバは、電子決済サーバ10とは別のサーバ装置として本電子決済システム1に組み入れられるようにしても、もちろん構わない。
【0044】
[1.2.移動体通信端末]
次に、図3を参照しながら移動体通信端末20について説明する。移動体通信端末20は、電子決済サーバ10及び/又は収納ネットワーク40と通信網50を介して通信可能であるとともに、近距離通信手段を用いて有価価値提供装置30とも通信可能な端末装置である。また、移動体通信端末20は、通信網50を介して店舗内サーバ31と通信可能であってもよい。
【0045】
移動体通信端末20は、例えば、非接触式ICカード(例えば、フェリカ;フェリカはソニー社の登録商標)機能を有する携帯電話機、近距離通信手段及び無線通信手段を搭載したPDA(Personal Data Assistant)、携帯ゲーム機、無線LANを搭載したIP電話機、或いは本電子決済システム1の専用端末装置などである。移動体通信端末20は、前述の提供装置側近距離通信部303と通信を行うための端末側近距離通信部201と、支払要求生成部202と、無線通信部203と、入力部204と、出力部205と、ユーザ情報記憶部206と、振替要求生成部207とを有している。
【0046】
端末側近距離通信部201は、提供装置側近距離通信部303と通信を行う機能を有し、例えばICカード用チップ及びアンテナである。
【0047】
支払要求生成部202は、有価価値提供装置30に有価価値を提供してもらえるように、ユーザが受け取る有価価値の対価(代金)の支払、決済を店舗内サーバ31に要求する支払要求メッセージを生成する機能を有し、例えば、iアプリ(「iアプリ」はNTTドコモ社の登録商標)を搭載したマイクロコンピュータである。
【0048】
無線通信部203は、移動体通信端末20が移動体通信網70に接続し、移動体通信網70を介した通信を実行する機能を有し、例えば変調回路、復調回路を有する無線通信回路である。移動体通信網は、一般的な携帯電話の通信網であっても、WIMAXや無線LANの通信網であってもよい。
【0049】
入力部204は、支払要求生成部202、振替要求生成部207などにユーザの指示
を電気信号に変えて渡す機能を有し、例えば携帯電話機のキー、タッチペンとタッチパネル、ポインティングデバイスである。
【0050】
出力部205は、移動体通信端末20がユーザに情報を伝えるための情報出力機能を有し、例えば、携帯電話機の液晶パネル、音声出力装置(スピーカなど)、或いは小型プリンタなどである。
【0051】
ユーザ情報記憶部206は、ユーザの支払又は決済に要する情報を記憶する機能を有する。図4は、ユーザ情報記憶部206が記憶する情報の一例を示す。この例では、ユーザ情報記憶部206は、その移動体通信端末20の使用者として登録されたユーザを一意に特定する情報であるユーザID208と、電子決済サーバ10及び/又は店舗内サーバ31がユーザの本人認証を行うためのパスワード209と、ユーザが支払代金を引き出す口座であるユーザ口座41を特定する情報である銀行番号210、支店番号211、及び口座番号212、及びその口座に設定された暗証番号213を記憶する。これら情報、とりわけ銀行番号210、支店番号211、口座番号212、暗証番号213は、ユーザが移動体通信端末20に支払要求生成部202及び振替要求生成部207として機能させるアプリケーションのインストール時、或いは本電子決済システム1のサービスを受けるためのユーザ登録時などにユーザにより入力されればよい。例えば、移動体通信端末20において起動したアプリケーションは、ユーザに入力部204からこれら情報を入力することを要求し、入力された情報208〜213はユーザ情報記憶部206に記憶される。これら情報208〜213は、ユーザ口座41から決済事業者口座42へのデポジットの振替要求のための振替要求メッセージを生成するときに使用され、振替要求メッセージの一部として電子決済サーバ10に送信されることになる。
【0052】
なお、ユーザID208は、電子決済サーバ10が自動的に割り当てる識別番号でもよいし、移動体通信端末20が有する識別情報、例えば、FelicaID(「FeliCa」はソニー株式会社の登録商標)、個体識別番号(FOMAカード識別情報を含む(「FOMA」は株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモの登録商標))であってもよい。
【0053】
[1.3.電子決済サーバ]
図2に戻り、電子決済システム1の構成要素の説明を続ける。
電子決済システム1は、その中核となる構成要素として電子決済サーバ10を有している。電子決済サーバ10は、演算処理装置(CPU)、主メモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、入出力装置(I/O)、必要な場合にはハードディスク装置等の外部記憶装置を具備している装置であって、例えばコンピュータ、ワークステーションなどの情報処理装置である。前記ROM、若しくはハードディスク装置などに情報処理装置を電子決済サーバ10として機能させるためのプログラム、又は電子決済方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶されており、このプログラムを主メモリ上に載せ、CPUがこれを実行することにより電子決済サーバ10が実現され、若しくは電子決済方法が実行される。また、上記プログラムは必ずしも情報処理装置内の記憶装置に記憶されていなくともよく、外部の装置(例えば、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダのサーバなど))から提供され、これを主メモリに乗せる構成であってもよい。さらに、この電子決済サーバ10は単体の装置で構成されていてもよいし、複数の装置をネットワークにより結合して構成されるものでもよい。電子決済サーバ10は、一箇所に全ての機能を集約したセンター構成であってもよいし、また、機能ごとに分割し、分散処理可能な分散サーバ構成であってもよい。
【0054】
以下、図5Aを参照しながら電子決済サーバ10について説明する。図5Aは、電子決済サーバ10の構成例を示す機能ブロック図である。
図5Aに示す電子決済サーバ10は、ネットワーク通信処理部401と、支払要求処理部402と、データベース部403と、振替要求処理部404と、精算処理部405と、遊技情報更新部406とを有している。なお、これら各部はプログラムを記憶した記憶装置、及びこのプログラムを実行するCPUなどによって実現される構成要素である。
【0055】
ネットワーク通信処理部401は、通信網50を介して移動体通信端末20、店舗内サーバ31、及び収納ネットワーク40と通信を実行する機能を有し、例えばプロトコルスタックを実行するための通信ボードである。ネットワーク通信処理部401は、移動体通信端末20からの振替要求メッセージを受け取ると、これを振替要求処理部404に渡す。また、ネットワーク通信処理部401は、精算処理部405から、収納ネットワーク40へ宛てた振替依頼メッセージを受け取ると、これを収納ネットワーク40へ宛てて送信する。
【0056】
データベース部403は、本電子決済システム1に登録した各ユーザの保有金額データ700、遊技場事業者の保有金額データ900を記憶すると共に、収納ネットワーク40との間で行う振替に必要な情報であるユーザテーブル600、ユーザ保有金額データ700,遊技場事業者テーブル800、遊技場事業者保有金額データ900、店舗内サーバテーブル1000、遊技履歴情報1100とを記憶する。
【0057】
図6は、データベース部403に記憶されるユーザテーブル600の構成例である。ユーザテーブル600は、ユーザ(遊技者)に関する情報を格納したデータである。ユーザテーブル600は、ユーザごとに一つのレコード601を有するデータであって、各レコード601は、ユーザID602、パスワード603、メールアドレス604、及びユーザの口座であって引き落とし先口座を特定するための銀行番号605、支店番号606,口座種別607,口座番号608、口座名義609,並びに暗証番号610を格納している。ユーザID602は、ユーザを一意に特定する情報である。パスワード603は、第三者がそのユーザになりすまして本電子決済システム1を不正利用することを防止する情報である。メールアドレス604は、結果通知部407が支払処理の処理結果をユーザに通知する際にその電子メールの送り先である宛先アドレスとして使用する情報である。銀行番号605、支店番号606,口座種別607,口座番号608、口座名義609,並びに暗証番号610は、収納ネットワーク40に対して引き落とし先口座を指定し、口座を利用するための情報である。
【0058】
ユーザテーブル600に格納される情報は、ユーザが電子決済サーバ10にユーザ登録する際に、電子決済サーバ10に入力される。
【0059】
図7は、データベース部403に記憶されるユーザ保有金額データ700の構成例である。ユーザ保有金額データ700は、ユーザごとに一つのレコード701を有するデータであって、各レコード701は、ユーザIDを格納するユーザIDフィールド702と、店舗内サーバ31を一意に特定する情報である店舗内サーバIDを格納する店舗内サーバIDフィールド703と、そのユーザが店舗内サーバIDによって特定された店舗内サーバ31に預けた金額である保有金額を格納する保有金額フィールド704とを有している。保有金額フィールド704に格納される値は、ユーザが電子決済システム1の店舗内サーバ31に預け入れると預入額の分だけ増加し、有価価値提供装置30を利用した支払いが行われると支払額の分だけ減少するように書き換えされる。なお、同一のユーザであっても店舗内サーバ31ごとに保有金額を管理するため、同一ユーザについて複数のレコード701を持ち得る。
【0060】
図8は、データベース部403に記憶される遊技場事業者テーブル800の構成例である。遊技場事業者テーブル800は、遊技場事業者に関する情報を格納したデータである。遊技場事業者テーブル800は、電子決済システム1に加入している遊技場事業者ごとに一つのレコード801を有するデータである。各レコード801は、遊技場事業者IDを格納する遊技場事業者ID802、及びその遊技場事業者の口座であって、ユーザから有価価値提供装置30に支払われた金額を振込む振込先口座を特定するための銀行番号803、支店番号804,口座種別805,口座番号806、口座名義807を格納している。遊技場事業者ID802は、遊技場事業者を一意に特定する情報である。銀行番号805、支店番号806,口座種別807,口座番号808、口座名義809は、収納ネットワーク40に対して振込先口座を指定するための情報である。
【0061】
遊技場事業者テーブル800に格納される情報は、遊技場事業者が電子決済システム1に加入登録する際に、電子決済サーバ10に入力される。
【0062】
図9は、データベース部403に記憶される遊技場事業者保有金額データ900の構成例である。遊技場事業者保有金額データ900は、電子決済システム1に登録される遊技場事業者ごとに一つのレコード901を有するデータである。各レコード901は、遊技場事業者ID902と、電子決済システム1が遊技場事業者口座43へ振込む分の金額である保有金額を格納する保有金額903とを有している。保有金額903に格納される値は、店舗内サーバ31を経由した有価価値提供装置30の利用によりユーザから支払われた分だけ増加し、収納ネットワーク40を利用した遊技場事業者口座43への振込額分だけ減少するように書き換えされる。
【0063】
図10は、データベース部403に記憶される店舗内サーバテーブル1000の構成例である。店舗内サーバテーブル1000は、電子決済システム1に含まれる各店舗内サーバ31について一つのレコード1001を有するデータであって、各レコード1001は、店舗内サーバID1002,店舗内サーバIPアドレス1003、遊技場事業者ID1004を格納する。
【0064】
店舗内サーバID1002は、店舗内サーバ31を一意に特定するための情報であり、店舗内サーバIPアドレス1003は、電子決済サーバ10が、店舗内サーバ31との通信を行うための宛先情報であって、例えばある店舗内サーバ31へユーザからの預かり金を通知する預かり金通知メッセージを送信するために使用するための送信先アドレスとして利用する情報である。遊技場事業者ID1004は、その店舗内サーバID1002を付与された店舗内サーバ31について、ユーザの消費金額に相当する支払いを受け取る権利を有する遊技場事業者を特定する情報であって、遊技場事業者テーブル800の遊技場事業者ID802(図8参照)と同一のIDが用いられている。
【0065】
遊技履歴情報1100は、遊技者がいつどこでどの遊技機でいくら遊技をしたのかなどの、遊技に関する履歴を示す情報であって、各有価価値提供装置30の遊技履歴処理部305が生成し、店舗内サーバ31を経由して送信された遊技履歴データを蓄積記憶することによって生成される情報である。この遊技履歴情報1100を、周知のマーケティング解析やデータマイニング手法により分析することにより、さまざまな有用な情報を得ることができる。
【0066】
図5Aに戻り、電子決済サーバ10の構成例の説明を続ける。
次に、振替要求処理部404について説明する。振替要求処理部404は、移動体通信端末20から受信した振替要求メッセージを処理する機能を有する。振替要求処理部404はネットワーク通信処理部401を介して移動体通信端末20から振替要求メッセージを受け取る。振替要求メッセージの内容は、ユーザ口座41から指定した金額を引き落として、電子決済システム1、より詳しくは指定した店舗内サーバ31で引き落とした金額分使用できるようにしてくれ、という内容である。この振替要求メッセージを受け取った振替要求処理部404は、データベース部403に記憶されているユーザテーブル600をチェックする。振替要求処理部404は、ユーザテーブル600から振替元口座となるユーザの口座を特定する情報である銀行番号605、支店番号606,口座種別607,口座番号608、口座名義609,並びに暗証番号610を取得し、これら情報と合わせて振替先口座となる決済事業者口座43を特定する情報を振替依頼メッセージとして収納ネットワーク40にネットワーク通信処理部401を介して送信する。収納ネットワーク40は、振替依頼メッセージを受け取ると、指定された金額をユーザ口座41から決済事業者口座42へ振り替える。振替られた金額は、ユーザが本電子決済システム1を利用して使用できる資金(手数料分は除く)となる。
【0067】
また、振替要求処理部404は、収納ネットワーク40から振替結果通知メッセージを受信すると、このメッセージに応答して、該当する店舗内サーバ31にユーザの預かり金を記憶するようにユーザ預かり金処理要求メッセージを送信する機能を有する。
【0068】
次に、精算処理部405について説明する。精算処理部405は、各店舗内サーバ31からユーザが消費した金額を示すメッセージを受信し、このメッセージに応じて遊技場事業者保有金額データ900、より詳しくは保有金額903の変更又は更新を行う。また、精算処理部405は、遊技場事業者保有金額データ900が示す金額を決済事業者口座42から各遊技場事業者の遊技場事業者口座43に振り替えるよう収納ネットワーク40に要求する。この振替られる資金の額は電子決済システム1がユーザから預かっている遊技場事業者への支払金額、すなわち遊技場事業者保有金額データ900の保有金額903に相当する。本実施の形態においては、精算処理部405は自律的に振替依頼処理を行う。例えば、精算処理部405は、所定のタイミング(例えば、毎月月末)で自動で起動する。起動した精算処理部405は、各店舗内サーバ31に、ユーザが消費した金額、すなわち遊技場事業者への支払額を問い合わせ、店舗内サーバ31がこれに応じて送信する支払い要求メッセージに応じて、遊技場事業者保有金額データ900の保有金額903を更新する。さらに、精算処理部405は、データベース部403に記憶されている全ての遊技場事業者保有金額データ900をチェックし、振込が済んでいないものについて収納ネットワーク40に決済事業者口座42から該当する遊技場事業者口座43に振替を行うように振替依頼を送信する。
【0069】
遊技情報更新部406は、有価価値提供装置30の履歴情報処理部305から店舗内サーバ31を経由して受信した遊技履歴データを刻々蓄積記憶し、遊技履歴情報1100のアップデートを行う機能を有する。
【0070】
[電子決済サーバの分散サーバ構成]
図5Aに示した例では、電子決済サーバ10は一つのサーバ装置で実現されるように図示したが、もちろん電子決済サーバ10はこのようなサーバ装置による構成に限定されるものではない。
【0071】
図5Bは、電子決済サーバ10を分散サーバ構成とした場合の一構成例を示す機能ブロック図である。図5Aに示した構成要素と同一の構成要素には、同じ参照番号を付して詳細な説明は省略する。
【0072】
電子決済サーバ10を分散サーバ構成とすることにより、ユーザや遊技場事業者に関する情報が漏洩したり盗まれたりする可能性を低下させ、本電子決済システム1の安全性に対する信頼を向上させることが可能となる。
【0073】
分散サーバ構成とした場合の電子決済サーバ10は、アプリケーションサーバ501と、一又は複数のデータベースサーバ502A〜502Dにより構成される。アプリケーションサーバ501は、ネットワーク通信処理部401と、振替要求処理部404と、精算処理部405と、遊技情報更新部406とを有している。
【0074】
図5Bに示す例では、4つのデータベースサーバ502A,502B,502C、502Dがアプリケーションサーバ501にローカルネットワーク503を介して通信可能に接続されている。4つのデータベースサーバ502A〜502Dは、図5Aに示すデータベース部403に対応する構成要素である。この構成例では、第1のデータベースサーバ502Aがユーザテーブル600、ユーザ保有金額データ700を記憶し、第2のデータベースサーバ502Bが遊技場事業者テーブル800、遊技場事業者保有金額データ900を記憶し、第3のデータベースサーバ502Cが店舗内サーバテーブル1000を記憶し、第4のデータベースサーバ502Dが遊技履歴情報1100を記憶する。アプリケーションサーバ501は、処理の必要に応じて必要な情報をこれらデータベースサーバ502A〜502Dに要求し、データベースサーバ502A〜502Dは要求に応じて記憶している内容から必要な情報を取り出して、アプリケーションサーバ501に渡す。
【0075】
なお、データベース部403をどのように分割して、いくつのデータベースサーバ502にし、それぞれのデータベースサーバの記憶内容(テーブル、データ)をどのように割り当てるかは任意に定めることが可能であって、図5Bに示す構成に限定されるものではない。
【0076】
[1.4.店舗内サーバ]
電子決済システム1の構成例の説明を続ける。次に、店舗内サーバ31について説明する。
図1に示したように、電子決済システム1は店舗内サーバ31を有している。店舗内サーバ31は、演算処理装置(CPU)、主メモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、入出力装置(I/O)、必要な場合にはハードディスク装置等の外部記憶装置を具備している装置であって、例えばコンピュータ、ワークステーションなどの情報処理装置である。前記ROM、若しくはハードディスク装置などに情報処理装置を店舗内サーバ31として機能させるためのプログラム、又は電子決済方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶されており、このプログラムを主メモリ上に載せ、CPUがこれを実行することにより店舗内サーバ31が実現され、若しくは電子決済方法が実行される。また、上記プログラムは必ずしも情報処理装置内の記憶装置に記憶されていなくともよく、外部の装置(例えば、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダのサーバなど))から提供され、これを主メモリに乗せる構成であってもよい。さらに、この店舗内サーバ31は単体の装置で構成されていてもよいし、複数の装置をネットワークにより結合して構成される装置群であってもよい。
【0077】
店舗内サーバ31は、ユーザの預かり金を受け取った(口座間振替を行った)旨のメッセージであるユーザ預かり金処理要求メッセージを電子決済サーバ10から受けると、そのメッセージに記述されている預かり金の額をユーザが消費可能な金額として記憶する。
【0078】
ユーザがその店舗内サーバ31によって管理される有価価値提供装置30から有価価値の消費を試みた場合、有価価値提供装置30は、有価価値の対価をそのユーザの預かり金から引き落とすことができるかどうかを店舗内サーバ31に問い合わせ、有価価値の対価をそのユーザの預かり金から引き落とすことができる場合、すなわち対価の支払いに十分な預かり金が残っている場合、店舗内サーバ31は有価価値の払出を行うように、その有価価値提供装置30にメッセージ(提供指示メッセージと呼ぶ)を送信する。
【0079】
以下、図5Cを参照しながら店舗内サーバ31について説明する。図5Cは、店舗内サーバ31の構成例を示す機能ブロック図である。
【0080】
図5Cに示す店舗内サーバ31は、ネットワーク通信処理部551と、預かり金処理部552と、支払要求処理部553と、提供指示部554と、結果通知部555と、精算処理部556と、遊技情報処理部557と、データベース部560とを有している。なお、これら各部はプログラムを記憶した記憶装置、及びこのプログラムを実行するCPUなどによって構成される構成要素である。
【0081】
ネットワーク通信処理部551は、電子決済サーバ10、移動体通信端末20などと通信を実行する機能を有し、例えば、プロトコルスタックを搭載した通信ボードなどである。
【0082】
預かり金処理部552は、電子決済サーバ10からユーザ預かり金処理要求メッセージを受信すると、このメッセージに応じてユーザ預かり金データ562を生成若しくは更新する機能を有する。
【0083】
支払要求処理部553は、移動体通信端末20から受信した支払要求メッセージを処理する機能を有する。支払要求処理部553はネットワーク通信処理部551を介して移動体通信端末20から支払要求メッセージを受け取る。すると、支払要求処理部553は、後述するデータベース部560に記憶されている該当ユーザのユーザ預かり金データ562をチェックする。ユーザ預かり金データ562と支払要求メッセージとを比較して、支払要求以上の預かり金がある場合には、支払要求処理部553は、提供指示部554を起動させる。起動した提供指示部554は提供指示メッセージを生成し、この提供指示メッセージをネットワーク通信処理部551を介して、支払要求メッセージで指定されている有価価値提供装置30に宛てて送信する。
【0084】
また、支払要求処理部553は、前述の支払要求メッセージに応じた支払いが可能である場合には、データベース部556に記憶されている該当ユーザのユーザ預かり金データ562を、支払金額に応じて更新(書き換え)する。
【0085】
提供指示部554は、有価価値提供装置30へ送信するための提供指示メッセージを生成させ、この提供指示メッセージを、ネットワーク通信処理部401を介して、支払要求メッセージで指定されている有価価値提供装置30へ宛てて送信する。
【0086】
結果通知部555は、支払要求メッセージが適切に処理されたか否かを移動体通信端末20に通知する機能を有する。一例としては、結果通知部555は移動体通信端末20を宛先とする電子メールを生成し、これを送信する。或いはまた、結果通知部555は移動体通信端末20によって閲覧可能なウェブページに処理結果を示す情報を記載して移動体通信端末20からの閲覧を待つようにしてもよい。結果通知部555からの通知内容は、例えば「支払要求は処理されました。ご利用ありがとうございました。」、或いは「預かり金残高が不足しています。支払いはできませんでした。」などのメッセージとなる。また、結果通知部555は、ユーザが移動体通信端末20から預かり金残額の問い合わせメッセージを店舗内サーバに送信した場合(有価価値提供装置30を経由する場合も含む)、この問い合わせメッセージに応じて、該当ユーザのユーザ預かり金データ562を参照し、現時点で消費可能な預かり金の残額がいくらであるかを算出して、この結果を移動体通信端末20や有価価値提供装置30に出力させる機能を有していてもよい。
【0087】
精算処理部556は、ユーザ預かり金データ562を参照して、預かり金のうちユーザが消費した金額を電子決済サーバ10に通知する機能を有する。なお、必ずしも個別のユーザの消費金額を電子決済サーバ10に通知する必要はなく、ユーザが消費した金額は、その店舗内サーバ31が記憶している全ユーザの消費した金額の合計額が算出できれば足りる。
【0088】
遊技情報処理部557は、遊技者がいつどこでどの遊技機でいくら遊技をしたのかという、遊技に関する履歴を示す情報である遊技履歴情報を、各有価価値提供装置30から受信し、データベース部560に記憶させると共に、データベース部560に記憶させた遊技機履歴情報を電子決済サーバ10に送信する機能を有する。なお、遊技情報処理部557がどのようなタイミングで電子決済サーバ10に送信するかは、任意に定めることができ、例えば営業終了時、1週間ごとなどである。
【0089】
次にデータベース部560について説明する。データベース部560は、ユーザテーブル561と、ユーザ預かり金データ562と、遊技履歴情報563とを記憶する。
【0090】
ユーザテーブル561は、ユーザ(遊技者)に関する情報を格納したデータである。図5Dに、ユーザテーブル561のデータ構成例を示す。この例に示すユーザテーブル561は、その店舗内サーバ31を利用するユーザごとに一つのレコード561Aを有するデータであって、各レコード561Aは、ユーザを一意に特定する情報であるユーザIDを格納するユーザIDフィールド561B、パスワードを格納するパスワードフィールド561C、メールアドレスを格納するメールアドレスフィールド561Dを有している。
【0091】
ユーザ預かり金テーブル562は、その店舗内サーバ31を利用するユーザごとに一つのレコードを有するデータである。図5Eにユーザ預かり金テーブル562のデータ構成例を示す。ユーザ預かり金テーブル562の有するレコード562Aは、ユーザIDを格納するユーザIDフィールド562B、その店舗内サーバ31についてユーザから決済事業者が預かっている金額である預かり金の額を格納する預かり金額フィールド562C、そのユーザがその店舗内サーバ31が管理する有価価値提供装置30を使用して消費した金額を格納する消費金額フィールド562Dを有している。
【0092】
遊技履歴情報563は、その店舗内サーバ31に接続されている有価価値提供装置30から送信された、遊技者の遊技履歴に関するデータである遊技履歴データ又はそのようなデータの集まりである。
【0093】
[1.4.通信網]
図1に戻り、本実施の形態にかかる電子決済システム1の構成要素の説明を再開する。
通信網50は、有線・無線、専用回線・交換回線を問わず、これに接続されている装置がそれぞれ目的とする装置に対しセッションを確立したときにその装置間での情報の送受を可能とするように作用する。通信網50は、インターネットのように、ゲートウエイを介して複数のネットワークが組み合わされて実現しても構わない。また、その接続についてもいわゆるバックボーンといわれる基幹線に直接接続せずとも、PPP接続などによって一時的に接続してあっても、セッションを確立したときにその間で情報の送受ができるようになっていれば構わない。なお、上記「通信網」は専用回線を固定的に張りめぐらせたような、交換機、スイッチ、ルータなど経路切り替え手段を用いない通信網も含むものとする。
【0094】
[1.5.移動体通信網、ゲートウエイ、基地局]
図1に示す電子決済システム1の構成例は、移動体通信端末20として携帯電話を用いた場合を想定している。そのため、移動体通信端末20である携帯電話はまず基地局60に無線回線で接続し、この基地局60から移動体通信網70及びゲートウエイ80を介して、電子決済サーバ10が接続している通信網50に接続するものとして図示した。しかし、移動体通信端末20が直接通信網50に接続できるのであれば、移動体通信端末20は移動体通信網70、或いはゲートウエイ80を介さずとも電子決済サーバ10に接続してよい。例えば、移動体通信端末20が無線LAN接続機能を有する場合には、移動体通信網70、及びゲートウエイ80を介して通信を行う必要はなくなる。例えば、移動体通信端末20は通信網50に接続されたホットスポット(無線LAN端末)にアクセすることにより、通信網50に接続する構成であっても、本発明は成立する。
【0095】
[1.6.収納ネットワーク]
収納ネットワーク40は、電子決済サーバ10からの振替要求に応じてユーザ口座41から決済事業者口座42へ、及び決済事業者口座42から遊技場事業者口座43へ指定された金額を振り替える機能を有するシステムである。なお、図1に示す例では、電子決済サーバ10と金融機関システム40は通信網50により接続されるものとして図示したが、専用回線(図略)を介して電子決済サーバ10と金融機関システム40とが接続される構成としても、本実施の形態は成立する。例えば、金融機関システム40がいわゆるインターネットバンクが用意するシステムである場合には、通信網50を介して電子決済サーバ10と金融機関システム40とが接続される構成となるであろう。
【0096】
[2.電子決済システムの動作例]
次に、上記電子決済システム1の動作について図11以下を参照しながら説明する。図11は、上記電子決済システム1の動作例を示す図であって、ユーザが移動体通信端末20を用いて電子決済システム1にユーザ登録を行う場合の、電子決済システム1の動作例を示したシーケンス図である。
【0097】
まず、本電子決済システム1の利用を開始するにあたり、ユーザは移動体通信端末20で電子決済サーバ10に接続し、電子決済システム1によるサービスを受けるための移動体通信端末20用ソフトウエア(以下、「アプリ」と呼ぶ)を電子決済サーバ10に要求する(S101)。電子決済サーバ10は、要求に応じてアプリのデータを移動体通信端末20にダウンロードさせる(S102)。アプリを受信した移動体通信端末20は、アプリのデータをメモリなどの記憶装置に記憶させる(S103)。このアプリは、移動体通信端末20のCPUなどによって実行されることにより、前述した支払要求生成部202、振替要求生成部207などとして機能する。
【0098】
なお、上記の実施の形態では、アプリダウンロード用のサーバとして電子決済サーバ10を用いることとして説明したが、アプリダウンロード用のサーバは電子決済サーバ10とは別個の装置若しくはシステムであってももちろん構わない。
【0099】
ダウンロードされたアプリは、ユーザが移動体通信端末20で所定の操作を行うことなどにより起動する(S104)。ダウンロードされたアプリは、最初に起動したときに、ユーザに初期情報を入力させるための初期入力画面を出力部205に表示させ、ユーザに初期情報入力を促す。ここで、初期情報として要求されるのは、ユーザID602、パスワード603、メールアドレス604、銀行番号605、支店番号606,口座種別607,口座番号608、口座名義609,並びに暗証番号610などである。なお、ユーザID602、パスワード603は予め電子決済サーバ10により設定されるようにして、ユーザの入力によらないものとしてもよい。
【0100】
ユーザが移動体通信端末20の入力部204を用いて初期情報の入力を完了させると、移動体通信端末20は、初期情報をユーザ情報記憶部206に記憶させると共に、基地局60,移動体通信網70,ゲートウエイ80,通信網50を介して電子決済サーバ10に接続し、入力された初期情報などを電子決済サーバ10に送信する(S106)。
【0101】
初期情報を受信した電子決済サーバ20は、この初期情報に基づいてユーザ登録を行う(S107)。すなわち、電子決済サーバ20は、データベース部403のユーザテーブル600及びユーザ保有金額データ700にそれぞれ新たなレコード601,701を追加して、これらレコード601、701にユーザID602、パスワード603、メールアドレス604、銀行番号605、支店番号606,口座種別607,口座番号608、口座名義609,並びに暗証番号610などを書き込んでおく。
【0102】
上記のユーザ登録が終了しただけでは、ユーザは電子決済システム1を利用して有価価値提供装置30からの買い物(有価価値の受領)を行うことができるわけではない。ユーザは、移動体通信端末20から電子決済システム1、より詳しくは電子決済サーバ10に自分のユーザ口座41から決済事業者口座42に適当な金額の預入金を振込むよう要求する必要がある。有価価値提供装置30による有価価値の提供によりユーザが消費した金額分はこの預入金より差し引かれる。差し引かれた分の金額は、有価価値提供装置30に支払われた金額であり、その支払いの受取人である遊技場事業者の口座、すなわち遊技場事業者口座43に収納ネットワーク40の処理により後に振込まれる。以下、ユーザが電子決済サーバ10に自己の口座であるユーザ口座41から決済事業者口座42へ振替を要求した場合の、上記電子決済システム1の動作例を、図12を参照ながら説明する。図12は、ユーザ口座41から決済事業者口座42へ振替を要求した場合の電子決済システム1の動作例を示したシーケンス図である。
【0103】
まず、ユーザは移動体通信端末20においてアプリ、より詳しくは振替要求生成部207を起動させる(S201)。起動したアプリ、より詳しくは振替要求生成部207は、移動体通信端末20の出力部205に、入力インターフェイス画面などを表示させ、ユーザに振替要求メッセージ生成に必要な情報、例えば振替金額、口座暗証番号、利用する店舗内サーバ31を特定する情報(例えば、店舗内サーバID)などの入力を促す。
【0104】
これらの入力を受け付けると(S202)、移動体通信端末20、より詳しくは振替要求生成部207は振替要求メッセージを生成し、この振替要求メッセージを電子決済サーバ10に、通信網50などを介して送信する(S203)。この振替要求メッセージには、ユーザID208、パスワード209、口座暗証番号213、預入金に相当する入力された振替金額、利用する店舗内サーバ31を特定する情報などが格納されている。
【0105】
この振替要求メッセージを受信した電子決済サーバ10,より詳しくは振替要求処理部404は、振替要求メッセージに含まれるユーザID208をキーとして、ユーザテーブル600を検索し、そのユーザID208と一致するレコード601から、ユーザ口座41を指定する情報である銀行番号605、支店番号606,口座種別607,口座番号608、口座名義609を取得する。さらに、別に記憶している決済事業者口座42を特定する情報(図略)、すなわち決済事業者口座42の銀行番号、支店番号,口座種別,口座番号を読み出して、これら情報から振替依頼メッセージを生成し、収納ネットワーク40に送信する(S204)。なお、振替依頼メッセージの送信について、そのデータ構成や通信手順などについては、収納ネットワーク40が採用する方式に従うようにしてよい。
【0106】
振替依頼メッセージを受け取った収納ネットワーク40は、振替依頼メッセージの内容に従って、指定された金額(以下、「ユーザ振替金額」と呼ぶ)をユーザ口座41から決済事業者口座42に移すように、振替処理を行う(S205)。振替処理(S205)が正常に行われた場合は、収納ネットワーク40は、振替処理を正常に実行したことを電子決済サーバ10に通知する振替結果通知メッセージを電子決済サーバ10に送信する(S206)。なお、ユーザ口座41の残高が不足しているなどの理由で、適正に振替処理が行えなかった場合には、収納ネットワーク40は、振替ができなかった旨の振替結果通知メッセージを電子決済サーバ10に送信する(図略)。この場合は、電子決済サーバ10は移動体通信端末20に振替処理が行えない旨を通知して処理を終了する。
【0107】
一方、振替処理が正常に行われた旨の振替結果通知を受信した電子決済サーバ10は、このユーザ振替金額をユーザ保有金額データ700の対応するレコード701に反映させる処理である保有金額データ処理を実行する(S207)。
【0108】
また、振替処理が正常に行われた旨の振替結果通知を受信した電子決済サーバ10は、振替要求メッセージに含まれる店舗内サーバ31を特定する情報に基づいて、その店舗内サーバ31に当該ユーザの預かり金(ユーザ振替金額に相当する)を記憶するよう要求するユーザ預かり金処理要求メッセージを送信する(S208)。このユーザ預かり金処理要求メッセージには、ユーザを特定するための情報(例えばユーザID)、ユーザ振替金額に相当する預かり金を示す情報などが含まれる。ユーザ預かり金処理要求メッセージを受信した店舗内サーバ31は、ユーザ預かり金データ562を更新するユーザ預かり金データ更新処理を行う(S209)。ユーザ預かり金データ更新処理は、ユーザ預かり金データ562に当該ユーザのレコード562Aがまだ加わっていない場合は、当該ユーザのための新たなレコード562Aを追加し、そのレコード562Aの預かり金フィールド562Cに預かり金を示す情報を格納し、一方すでに当該ユーザのレコード562Aがユーザ預かり金データ562に含まれている場合は、そのユーザに対応するレコード562Aの預かり金フィールド562Cに格納されている額に預かり金を示す情報分の加算を行い、格納する。
【0109】
このユーザ預かり金データ処理により、ユーザ振替金額に相当する金額をユーザは電子決済システム1、より詳しくは指定した店舗内サーバ31が管理する有価価値提供装置30を用いて使用できるようになる。
【0110】
図13から図15Bは、電子決済サーバ10、店舗内サーバ31、収納ネットワーク40との間で行われるユーザ振替金額を処理する場合の動作例を説明する図である。
【0111】
図13は、ユーザが電子決済サーバ10に振替要求メッセージ送信(図12,S203)を行う前の状態の一例を示している。この例では、収納ネットワーク40は、ユーザ口座41、決済所業者口座42、及び遊技場事業者口座43を一つずつ有している。さて、一例として、ユーザ口座41の残高は¥100,000であり、決済事業者口座42、及び店舗内サーバ31から収益を得る権限を有する遊技場事業者口座43の残高はともに¥0であるものとしよう。なお、実際には、複数のユーザ、複数の遊技場事業者が収納ネットワーク40に口座を有していることになろうが、図13から図15では、代表例としてユーザ口座41、及び遊技場事業者口座43をそれぞれ一つずつ表示した。
【0112】
電子決済サーバ10は、前述の通りユーザ保有金額データ700、遊技場事業者保有金額データ900を記憶しており、ユーザ保有金額データ700はユーザごとにレコード701のユーザ保有金額703を有し、遊技場事業者保有金額データ900も遊技場事業者ごとにレコード901の遊技場事業者保有金額903を有している。なお、図中のユーザレコード701は、ユーザ口座41のユーザに対応するデータであり、また遊技場事業者レコード901は、店舗内サーバ31から収益を得る権限を有する遊技場事業者口座43の遊技場事業者に対応するデータである。両レコード701,901に格納されている保有金額703,903はこの時点では¥0であるものとする。
【0113】
また、店舗内サーバ31は、ユーザ預かり金データ562を有しているが、この時点では、このユーザに対応するレコード562Aは生成されていない。
【0114】
ここで、ユーザがユーザ口座41から¥10,000だけ指定した店舗内サーバ31に接続された有価価値提供装置30により使用したいと考えたとしよう。図14は、図13の状態の後、¥10,000のユーザ振替金額を振り替えるよう、ユーザが移動体通信端末20から電子決済サーバ10に振替要求メッセージを送信した後の状態を示している。電子決済サーバ10は、この振替要求メッセージに応じて以下のような振替依頼メッセージを収納ネットワーク40に送信する。すなわち、ユーザ振替金額¥10,000及び決済事業者に支払う手数料(例えば、¥100)をユーザ口座41から決済事業者口座42に振替よ、という内容の振替依頼メッセージが収納ネットワーク40に送られる。
【0115】
この振替依頼メッセージを受信した収納ネットワーク40は、ユーザ口座41から¥10,100を決済事業者口座42に振り替える処理を行う。その結果、図14に示すように、ユーザ口座41の残高は、¥100,000ー¥10,100=¥89,900となり、決済事業者口座42の残高は、¥0+¥10,100=¥10,100となる。収納ネットワーク40は各口座41,42の残高を振替依頼メッセージに応じて図14に示すように変更する。
【0116】
図15Aは、図14の状態の後に、電子決済サーバ10が保有金額データ処理(図12,S207)を行った後の状態を示す。図12に示したように、収納ネットワーク40によって振替処理が行われると、収納ネットワーク40は電子決済サーバ10に¥10,100の振替が正常に行われた旨の振替結果通知メッセージを送信する(図12,S206)。電子決済サーバ10、より詳しくは振替要求処理部404は、この振替結果通知メッセージに応じて、振替が行われたユーザ口座41に対応するレコード701が記憶しているユーザ保有金額703の値にユーザ振替金額を加算する。但し、手数料に相当する¥100は加算しない。この加算による保有金額データ処理(S207)の結果、ユーザ保有金額703には、¥0+¥10,000=¥10,000が記録されることとなる。
【0117】
図15Bは、図15Aの状態の後に、店舗内サーバ31がユーザ預かり金データ処理(図12,S209)を行った後の状態を示す。図12に示したように、電子決済サーバ10によって保有金額データ処理(S207)が行われると、電子決済サーバ10は指定された店舗内サーバ10にそのユーザについて¥10,000の預かり金(ユーザ振替金額に掃討する)を記憶すべき旨のユーザ預かり金処理要求メッセージを送信する(S208)。店舗内サーバ31、より詳しくは預かり金処理部552は、このユーザ預かり金処理要求メッセージに応じて、データベース部560に記憶されたユーザ預かり金データ562に、このユーザに対応するレコード562Aを追加し、預かり金フィールド562Cに預かり金1501(=¥10,000)を格納し、消費金額フィールド562Dに消費金額1302(=¥0)を格納する。店舗内サーバ31にユーザの預かり金1501が記録されることにより、ユーザはこの店舗内サーバ31が管理するいずれの有価価値提供装置30からも預かり金1501の範囲内で有価価値の提供を受けられる状態となった。
【0118】
次に、図12及び図15Bに示した状態の後、ユーザが指定した店舗内サーバ31によって管理される有価価値提供装置30から有価価値の提供を受けようとした場合の、電子決済システム1の動作例について図16を参照しながら説明する。図16は、ユーザが有価価値提供装置30から有価価値の提供を受けるために、移動体通信端末20と有価価値提供装置30との間で近距離通信手段による通信を行わせた場合の、電子決済システム1の動作例を示すシーケンス図である。
【0119】
まず、ユーザが本電子決済システム1を利用して、有価価値提供装置30による有価価値の提供を受けようとしたものとする。
【0120】
ユーザが有価価値提供装置30から有価価値の提供を受けようとする場合、移動体通信端末20が有価価値提供装置30の機器IDなどを取得するよう、ユーザは移動体通信端末20と有価価値提供装置30との間で近距離通信による通信を行わせる。例えば、端末側近距離通信部201が非接触式ICカード用ICチップであり、提供装置側近距離通信部303がリーダ/ライタである場合には、非接触式ICカード用チップの近接をリーダ/ライタが検知すると、提供装置側近距離通信部303であるリーダ/ライタは、自らが記憶している機器ID、アプリ番号、ユーザ支払金額を端末側近距離通信部201である非接触式ICカード用チップに送信する(S301)。ここで、機器IDは、有価価値提供装置30を一意に特定することができる識別情報であり、アプリ番号は、移動体通信端末20において動作するアプリケーションを一意に特定する識別情報である。ユーザ支払金額は、有価価値提供装置30がユーザに提供する有価価値の対価の額を特定する情報である。有価価値提供装置30は、移動体通信端末20による有価価値の購入申し込みがあると、予め定められた支払金額分の有価価値の購入申し込みとして取り扱う。例えば、有価価値提供装置30が玉貸し機である場合には、ユーザが移動体通信端末30を玉貸し機に近づけて、非接触式ICカード用チップの読み取りを行わせると、その有価価値提供装置30について定められた支払金額(例えば、¥1,000)分の貸し玉の購入申し込みとして処理する。なお、ユーザ支払金額は有価価値提供装置30ごとに異なっていてもよい。例えば、同一の遊技場内に設置された玉貸し機Aについては、支払金額は¥1,000と定められており、別の玉貸し機Bについては支払金額は¥5,000と定められているようにしてもよい。また、ユーザ支払金額はユーザの選択によって決定できるようにしてもよい。例えば、有価価値提供装置30がプリペイドカード発券装置である場合に、このプリペイドカード発券装置は複数の異なる金額のプリペイドカード(例えば、¥1,000、¥3,000、¥5,000、¥10,000)を発券できる装置であって、これらの金額を指定する複数の金額決定ボタンを有している。ユーザは、所望の金額の金額決定ボタンを押下することにより、望みの金額のプリペイドカードを購入する。この場合には、ユーザが金額決定ボタンにより選択した金額が上記ユーザ支払金額として電子決済システム1で扱われるようにしてもよい。
【0121】
上記のユーザ支払金額は必ずしもステップS301において、有価価値提供装置30から移動体通信端末20に送信されなくともよい。支払金額は機器IDに基づいて電子決済サーバ10が予め用意してあるテーブルを用いて判断するようにしても構わない。
【0122】
機器ID、アプリ番号、ユーザ支払金額を受信した端末側近距離通信部201は、このアプリ番号に対応するアプリケーション、すなわち支払要求生成部202を起動させる(S302)。このとき、機器ID、ユーザ支払金額は端末側近距離通信部201から支払要求生成部202に渡される。
【0123】
起動した支払要求生成部202は、有価価値提供装置30から受け取った機器IDとユーザ支払金額、及びユーザ情報記憶部206に記憶されているユーザID208,パスワード209を含んだ支払要求メッセージを生成し、このメッセージを基地局60、移動体通信網70,ゲートウエイ80,及び通信網50を介して店舗内サーバ31に宛てて送信する(S303)。なお、店舗内サーバ31の宛先アドレス(例えばIPアドレス)は、予めアプリに記憶させておいてもよいし、有価価値提供装置30が予め店舗内サーバ31の宛先アドレスを機器IDなどとともに移動体通信端末20に送信し、移動体通信端末20は受信した宛先アドレスに宛てて支払要求メッセージを送信するようにしてもよい。
【0124】
支払要求メッセージを受け取った店舗内サーバ31,より詳しくは支払要求処理部553は、まずユーザID208を検索キーとしてユーザ預かり金データ562を検索し、ユーザID208に該当するレコード562Aの預かり金1501を取得する。支払要求処理部553は、ユーザ支払金額と預かり金1501とを比較し、預かり金1501からユーザ支払金額を引き落とすことができるかどうか判定する預かり金チェックを行う(S304)。
【0125】
ステップS304において、引き落とすことができないと判定した場合は、支払要求処理部553は結果通知部555を起動させる。結果通知部555は、判定に基づいた処理結果通知メッセージを生成し、これを有価価値提供装置30及び/又は移動体通信端末20に送信する(図略)。処理結果通知メッセージを受け取った有価価値提供装置30及び/又は移動体通信端末20は、それらの出力部(図略)、出力部205に処理結果通知の内容を表示する。例えば、「預かり金の残高が不足しています。提供ができません。」などの内容が表示される。
【0126】
一方、ステップS304において引き落とすことができると判断した場合は、支払要求処理部553は提供指示部554を起動させる。起動した提供指示部554は支払要求メッセージにおいて指定された有価価値提供装置30へ提供指示メッセージを送信する(S305)。有価価値提供装置30はこの提供指示メッセージに応じて、その有価価値供給部304を駆動させて、ユーザ支払金額に応じた有価価値をユーザに提供する(S306)。なお、提供指示メッセージの送信先アドレスは、機器IDをキーとして予め店舗内サーバ31に用意されている機器ID送信アドレス変換テーブル(図略)に基づいて決定する。
【0127】
有価価値をユーザに提供した有価価値提供装置30は、店舗内サーバ31に提供の実行が完了したことを通知する提供完了メッセージを送信する(S307)。
【0128】
提供完了メッセージを受信した店舗内サーバ31、より詳しくは支払要求処理部402は、データベース部560に記憶したユーザ預かり金データ562、より詳しくは該当するユーザIDを有するレコード562Aの預かり金1501、及び消費金額1502を、ユーザ支払金額を振り替える、すなわち預かり金1501からユーザ支払金額を減算し、消費金額1502にユーザ支払金額を加算するように書き換える消費金額処理を行う(S308)。
【0129】
また、店舗内サーバ31、より詳しくは支払要求処理部553は、ステップS304において引き落とすことができると判断した場合は、結果通知部555を起動させる。起動した結果通知部555は、移動体通信端末20に、預かり金から指定された支払金額の支払いを行ったことを知らせるためのメッセージである実行確認メッセージを送信する(S309)。実行確認メッセージは、ユーザの指定したユーザ支払金額に応じた支払手続きが終了したことを示すメッセージである。なお、実行確認メッセージの送信先アドレスは、ユーザIDをキーとしてユーザテーブル561を検索し、該当するレコード561Aのメールアドレス561Dによって決定する。
【0130】
実行確認メッセージを受信した移動体通信端末20は、実行確認メッセージの内容として出力部205により結果表示を行う(S310)。例えば、移動体通信端末20の出力部205に、「○○様の預かり金より、¥1,000の支払いを行いました。残額は○○○○円です」などの表示をすることにより、結果表示が行われる。この結果表示の際に支払金額を引き落とした後の預かり金1501の値、すなわち店舗内サーバ31における残高を表示させるようにしてもよい。但し、預かり金1501は移動体通信端末20に記憶されることはなく、預かり金の額を記憶するのは店舗内サーバ10の役割である。
【0131】
図17は、図15Bの状態の後、ステップS301からステップS307までの処理が行われた後の収納ネットワーク40,電子決済サーバ10,店舗内サーバ31の記憶状態を示した図である。ユーザ支払金額の振替が行われる以前の図15Bの状態では、ユーザ預かり金データ562の該当レコード562Aの預かり金1501は¥10,000であり、また消費金額1502は¥0であった。
【0132】
図17はユーザ支払金額が¥1,000である場合に、消費金額処理(S308)を行った後の状態である。この消費金額処理(S308)において、店舗内サーバ31の支払要求処理部553は、ユーザの保有金額である預かり金1501の値¥10,000からユーザ支払金額である¥1,000を差し引いて預かり金1501の値を¥9.000に書き換えると共に、消費金額1502の値¥0にユーザ支払金額である¥1,000を加算して、消費金額1502の値を¥1.000に書き換える。
【0133】
このような消費金額処理(S308)による預かり金1501,消費金額1502,903の書き換えにより、有価価値提供装置30による有価価値の提供に対する対価の支払い、すなわちユーザから遊技場事業者への支払いが、店舗内サーバ31サーバにおいて実行されることとなる。
【0134】
上記のステップS301からステップS310までの処理は、各ユーザが有価価値提供装置30を利用して有価価値を購入するごとに行われ、それぞれのユーザ支払金額は、預かり金1501から減算される一方、消費金額1502として加算され記録される。すなわち、各ユーザが店舗内サーバ31に管理される有価価値提供装置30を利用して有価価値を購入するごとに、その店舗内サーバ31を所有若しくは運営する遊技場事業者への支払金額に相当する消費金額1502の値は増加してゆくこととなる。
【0135】
上記の消費金額1502は、収納ネットワーク40上の遊技場事業者口座43に振込まれる。以下、電子決済システム1における遊技場事業者口座43への振込について、図18を参照しながら説明する。図18は、電子決済システム1における遊技場事業者口座43への振込処理の例を示すシーケンス図である。
【0136】
電子決済サーバ10、より詳しくは精算処理部405は所定のタイミングで自動起動し、消費金額問い合わせ処理を実行する(S401)。この消費金額問い合わせ処理は、各店舗内サーバ31に対して、消費金額1502を問い合わせる処理である。
【0137】
自動起動(S401)すると、精算処理部405は各店舗内サーバ31に宛てて消費金額問い合わせメッセージを送信する(S402)。
【0138】
消費金額問い合わせメッセージを受信した店舗内サーバ31は、ユーザ預かり金データ562を参照して、各レコード562Aの消費金額1502を読み取り、これら消費金額1502などに基づいて、消費金額通知メッセージを生成する消費金額通知メッセージ生成処理(S403)を行う。この消費金額通知メッセージは、ユーザ預かり金データ652の各レコード652Aについて、預かり金1501,消費金額1502を電子決済サーバ10に通知する構成であってもよいし、或いは全てのレコード562の消費金額1502の合計値を通知する構成であってもよい。ここで説明する例では、電子決済サーバ10側でユーザの預かり金を把握できるよう、ユーザ預かり金データ652の各レコード652Aについて、預かり金1501,消費金額1502を通知する構成を有するメッセージであるものとして説明する。
【0139】
消費金額通知メッセージ送信(S404)を行った店舗内サーバ31、より詳しくは精算処理部556は、各レコード562Aの消費金額1502の値を「0」に書き換える消費金額クリア処理(S405)を行い、その後新たにユーザによって消費される消費金額の記憶に備えるようにする。
【0140】
一方、消費金額通知メッセージをそれぞれの店舗内サーバ31から受信した電子決済サーバ10は、各消費金額通知メッセージに応じて、自らが記憶する遊技事業者保有金額データ900の保有金額903を更新する保有金額更新処理を行う(S406)。具体的には、電子決済サーバ10,より詳しくは精算処理部405は、受信した消費金額通知メッセージに含まれる店舗内サーバID、或いは遊技場事業者IDなどから、その消費金額通知メッセージに記述された消費金額を遊技場事業者保有金額データ900のどのレコード901の遊技事業者保有金額903に反映するかを決定し、決定したレコード901の保有金額903に、通知された消費金額を加算して記憶させる。また、精算処理部405は、消費金額通知メッセージに含まれる預かり金1501に応じて、対応するユーザレコード701の保有金額704を更新(減算)する。この保有金額更新処理により、電子決済サーバ10は、各店舗内サーバ31で記憶されている消費金額を集計して記憶することができる。この集計された消費金額は、各遊技場事業者口座43に振込まれるべき金額(決済事業者分の手数料を除く)である。
【0141】
次に、決済事業者口座42から遊技場事業者口座43へ、当該遊技場事業者の保有金額903に対応した額の振込を行うことを収納ネットワーク40に依頼するメッセージである振替依頼メッセージを送信する(S407)。このメッセージの詳細は、収納ネットワーク40の定めた仕様に合致するよう定められればよい。
【0142】
この実施の形態では、振替依頼メッセージは、遊技場事業者保有金額テーブル900の各レコード901について、一つ生成されるが、別のやり方で振替依頼メッセージを生成するようにしてもよい。振替依頼メッセージは、振込先口座である遊技場事業者口座43を特定する情報、すなわち銀行番号803、支店番号804,口座種別805,口座番号806、口座名義807を格納している。また、振替依頼メッセージは、振替元口座である決済事業者口座42を特定する情報として決済事業者口座42の銀行番号、支店番号,口座種別,口座番号、口座名義を格納している。またさらに振替依頼メッセージは、振込金額として保有金額903に基づいた金額の値を格納する。保有金額903に基づいた金額は、必ずしも保有金額と同じ値でなくともよく、例えば、決済事業者のための手数料を保有金額から差し引いた残りの額、などである。
【0143】
精算処理部405が自動起動する所定のタイミングは、CPUが判定可能なタイミングであればどのようなものでも構わないが、例えば時間的な条件によるタイミング(毎月30日、或いは第4月曜日、いわゆる五・十日(ごとうび)、など)でもよいし、保有金額が所定の値に達したときなど金額的な条件によるタイミングなどでもよい。また、精算処理部405は必ずしも自動起動する必要はなく、電子決済サーバ10の管理者やオペレータなどが手動により精算処理部405を動作させる構成としても、本発明は成立する。
【0144】
精算処理部405は、それぞれレコード901について振替依頼メッセージの生成を行うと、生成した振替依頼メッセージを収納ネットワーク40に送信する(S408)。これら振替依頼メッセージを受信した収納ネットワーク40は、各振替依頼メッセージの内容に従って、決済事業者口座42から遊技場事業者口座43への振替処理を実行する(S409)。これらステップS401からS409までの処理によって、各ユーザが有価価値提供装置30の利用対価として支払った金額の合計が、それぞれの遊技場事業者口座43に振込まれることとなる。
【0145】
振替処理(S409)が正常に行われた場合は、収納ネットワーク40は、振替処理を正常に実行したことを電子決済サーバ10に通知するため、振替結果通知メッセージを電子決済サーバ10に送信する(S410)。なお、決済事業者口座42の残高が不足しているなどの理由で、適正に振替処理が行えなかった場合には、収納ネットワーク40は振替ができなかった旨の振替結果通知メッセージを電子決済サーバ10に送信する。
【0146】
振替処理が正常に行われた旨の振替結果通知メッセージを受信した電子決済サーバ10は、この振替金額を遊技場事業者保有金額データ900の対応するレコード901に反映させる処理である保有金額クリア処理を実行する(S411)。この保有金額クリア処理により、遊技場事業者の保有金額903の値は「0」に戻され、重複して振替処理を行うことを防止する。
【0147】
図19A、図19Bは、図17に示した状態の後にステップS401からS411が実行された結果の店舗内サーバ31、電子決済サーバ10,収納ネットワーク40の記憶内容を示す図である。図17の状態において、レコード562Aの預かり金1501は¥9,000であり、消費金額1502は¥1,000、及びレコード901の保有金額903は、¥0であった。
【0148】
図19Aは、消費金額クリア処理(S405)及び保有金額更新処理(S406)終了時点の記憶内容を示す図である。
【0149】
消費金額クリア処理(S405)の実行により、店舗内サーバ31の消費金額1502は、¥1,000から¥0に書き換えされる。但し、預かり金1501には変更はなく¥9,000のままである。また、保有金額更新処理S406の実行により、電子決済サーバ10のユーザ保有金額703は、¥10,000から¥9,000に変更され、且つ遊技場事業者保有金額903の値は¥0から¥1,000に変更される。
【0150】
収納ネットワーク40に記憶されているユーザ口座41,決済事業者口座42,及び遊技場事業者口座43についてはこの時点では変更はない。
【0151】
図19Bは、図19Aの状態の後に振替処理S409及び保有金額クリア処理S411が終了した時点の記憶内容を示す図である。電子決済サーバ10,より詳しくは精算処理部405は、遊技場事業者保有金額データ900の各レコード901について保有金額903を読み取り、この保有金額903から所定の決済手数料(例えば、¥10)を差し引いた額を、決済事業者口座42から対応する遊技場事業者口座43に振り替えるよう、収納ネットワーク40に要求する。この例の場合は、この時点の保有金額903は¥1,000であったので、電子決済サーバ10,より詳しくは精算処理部405は¥1,000から決済手数料¥10を差し引いた¥990を振り替えるよう要求する。
【0152】
振替を行う前において決済事業者口座43の額は¥10,100、遊技場事業者口座の額は¥0である。上記の振替要求を収納ネットワーク40が実行すると、図19Bに示したように、決済事業者口座43の額は¥10,100から¥990が引き落とされて¥9,110になり、一方、遊技場事業者口座43には¥990が加算され、¥990となる。なお、ユーザ口座41の額については変更は生じない。また、決済事業者口座42の残高¥9,110のうち¥9,000はユーザから預かっている金額であり、残りの¥110が決済事業者の利益である。これで、電子決済事業者は本電子決済システム1の運営から利益を得ることができるようになる。
【0153】
また、電子決済サーバ10,より詳しくは精算処理部405は、上記振替処理(S409)が完了した旨の振替結果通知メッセージ(S410)に応じて、保有金額クリア処理(S411)を実行し、対応するレコード901の保有金額903を¥1,000から¥0に変更する。
【0154】
上記の処理により、本電子決済システム1は、ユーザが店舗内サーバ31を通じて利用した有価価値提供装置30の使用代金を遊技場事業者口座43に入金させることができるとと共に、決済事業者は電子決済システム1を利用した決済の対価として決済手数料を収集することができるようになる。
【0155】
[II.第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態にかかる電子決済システム1は、ユーザが預かり金を消費するのに応じて、決済事業者口座42から遊技場事業者口座43に振替を行うのに対して、第2の実施の形態は、ユーザが電子決済サーバ10に対して振替を依頼した時点で、決済事業者口座42から遊技場事業者口座43に振替を行う点で異なる。従って、第2の実施の形態にかかる電子決済システム1は、収納ネットワーク40を利用した振替処理回数を、より少ない回数とすることができる。
【0156】
また、第2の実施の形態にかかる電子決済サーバ10には、ユーザ保有金額データ700、遊技場事業者保有金額データ900を記憶させなくともよい。
【0157】
[1.第2の実施の形態における電子決済システムの構成例]
第2の実施の形態にかかる電子決済システム1の構成は、基本的に第1の実施の形態と同様であるので、これらの詳細な説明は省略する。
【0158】
[2.第2の実施の形態における電子決済システムの動作例]
次に、第2の実施の形態にかかる電子決済システムの動作例について説明する。
第2の実施の形態にかかる電子決済システム1は、ユーザが所望の店舗内サーバ31の管理下にある有価価値提供装置30から有価価値の提供を受けようとする場合、そのための振替要求を電子決済サーバ10に送信した時点で、ユーザ口座41から決済事業者口座42に振替が行われると共に,決済事業者口座42から遊技場事業者口座43に振替が行われる。ユーザが有価価値提供装置30を利用した額に応じて決済事業者口座42から遊技場事業者口座43に振替が行われる第1の実施の形態とは、この点で異なっている。
【0159】
第2の実施の形態にかかる電子決済システム1についても、電子決済システム1の利用に先立って、ユーザはまずiアプリなど、移動体通信端末20上で動作するアプリケーションをダウンロードし、また電子決済システム1、より詳しくは電子決済サーバ10にユーザ登録をする必要がある。この処理については、図11に示す第1の実施の形態の動作例と同様なので、第2の実施の形態におけるこれら処理の詳細な説明は省略する。
【0160】
第1の実施の形態と同様に第2の実施の形態においても、上記のユーザ登録が終了しただけでは、ユーザは電子決済システム1を利用して有価価値提供装置30からの買い物(有価価値の受領)を行うことができるわけではない。ユーザは、移動体通信端末20から電子決済システム1、より詳しくは電子決済サーバ10に自分のユーザ口座41から決済事業者口座42に、指定した金額の金員(預入金)の振込を行うよう要求する必要がある。ユーザが店舗内サーバ31を経由して有価価値提供装置30により消費する金額分はこの預入金から支払われる。電子決済サーバ10は、決済事業者の手数料を除いて、決済事業者口座41から受取人である遊技場事業者の口座、すなわち遊技場事業者口座43に収納ネットワーク40の処理により振込まれる。以下、ユーザが電子決済サーバ10に、自己の口座であるユーザ口座41から決済事業者口座42へ振替を要求した場合の、第2の実施の形態における電子決済システム1の動作例を、図20を参照ながら説明する。図20は、ユーザ口座41から決済事業者口座42へ振替を要求した場合の電子決済システム1の動作例を示したシーケンス図である。
【0161】
まず、ユーザは移動体通信端末20においてアプリ、より詳しくは振替要求生成部207を起動させる(S501)。起動したアプリ、より詳しくは振替要求生成部207は、移動体通信端末20の出力部205に、入力インターフェイス画面などを表示させ、ユーザに振替要求メッセージに必要な情報、例えば振替金額、口座暗証番号、店舗内サーバ31を特定する情報(例えば、店舗内サーバID)などの入力を促す。
【0162】
これらの入力を受け付けると(S502)、移動体通信端末20、より詳しくは振替要求生成部207は振替要求メッセージを生成し、この振替要求メッセージを電子決済サーバ10に、基地局60,移動体通信網70,ゲートウエイ80,通信網50を介して送信する(S503)。この振替要求メッセージには、ユーザID208、パスワード209、入力された振替金額、口座暗証番号、利用する店舗内サーバを特定する情報(店舗内サーバIDなど)などが格納されている。
【0163】
この振替要求メッセージを受信した電子決済サーバ10,より詳しくは振替要求処理部404は、振替要求メッセージに含まれるユーザID208をキーとして、ユーザテーブル600を検索し、そのユーザID208と一致するレコード601から、ユーザ口座41を指定する情報である銀行番号605、支店番号606,口座種別607,口座番号608、口座名義609を取得する。さらに、別に記憶している決済事業者口座42を特定する情報(図略)、すなわち決済事業者口座42の銀行番号、支店番号,口座種別,口座番号を読み出して、これら情報から振替依頼メッセージを生成し、収納ネットワーク40に送信する(S504)。なお、振替依頼メッセージの送信について、そのデータ構成や通信手順などについては、収納ネットワーク40が採用する方式に従うようにしてよい。
【0164】
振替依頼メッセージを受信した収納ネットワーク40は、振替依頼メッセージの内容に従って、指定された金額(以下、「ユーザ振替金額」と呼ぶ)をユーザ口座41から決済事業者口座42に振り替える、或いは送金するように、振替処理を行う(S505)。振替処理(S505)が正常に行われた場合は、収納ネットワーク40は、振替処理を正常に実行したことを電子決済サーバ10に通知するため、振替結果通知メッセージを電子決済サーバ10に送信する(S506)。なお、ユーザ口座41の残高が不足しているなどの理由で、適正に振替処理が行えなかった場合には、収納ネットワーク40は、振替ができなかった旨の振替結果通知メッセージを電子決済サーバ10に送信する。なお、S501からS506までの処理は、第1の実施の形態におけるステップS201からステップS206と同様である。
【0165】
さて、ステップS506の後、電子決済サーバ10,より詳しくは振替要求処理部404は、さらに決済事業者口座42から遊技場事業者口座43にユーザ振替金額に対応する金額を振り替えるように要求する振替依頼メッセージを生成し、これを収納ネットワーク40に送信する(S507)。すなわち、電子決済サーバ10,より詳しくは振替要求処理部404は、振替要求メッセージ(S503)に含まれる店舗内サーバ31を特定する情報をキーとして、店舗内サーバテーブル1000、遊技場事業者テーブル800を検索し、その店舗内サーバ31を特定する情報と一致するレコード1001及びレコード801から、遊技場事業者口座43を指定する情報である銀行番号803、支店番号804,口座種別805,口座番号806、口座名義807を取得する。さらに、別に記憶している決済事業者口座42を特定する情報(図略)、すなわち決済事業者口座42の銀行番号、支店番号,口座種別,口座番号を読み出して、これら情報から振替依頼メッセージを生成し、収納ネットワーク40に送信する(S507)。なお、振替依頼メッセージの送信について、そのデータ構成や通信手順などについては、収納ネットワーク40が採用する方式に従うようにしてよい。
【0166】
ステップS507の振替依頼メッセージを受け取った収納ネットワーク40は、振替依頼メッセージの内容に従って、指定された金額(以下、「遊技場事業者振替金額」と呼ぶ)を決済事業者口座42から遊技場事業者口座43に移すように、振替処理を行う(S508)。振替処理(S508)が正常に行われた場合は、収納ネットワーク40は、振替処理を正常に実行したことを電子決済サーバ10に通知するため、振替結果通知メッセージを電子決済サーバ10に送信する(S509)。なお、ユーザ口座41の残高が不足しているなどの理由で、適正に振替処理が行えなかった場合には、収納ネットワーク40は、振替ができなかった旨の振替結果通知メッセージを電子決済サーバ10に送信する。
【0167】
振替依頼メッセージ(S507)を受け取った収納ネットワーク40は、振替依頼メッセージの内容に従って、遊技場事業者振込金額を決済事業者口座42から遊技場事業者口座43に振り替える、或いは送金するように、振替処理を行う(S508)。振替処理(S508)が正常に行われた場合は、収納ネットワーク40は、振替処理を正常に実行したことを電子決済サーバ10に通知するため、振替結果通知メッセージを電子決済サーバ10に送信する(S509)。
【0168】
振替処理が正常に行われた旨の振替結果通知メッセージを受信した電子決済サーバ10は、前述のユーザ振替金額を店舗内サーバ31のユーザ預かり金データ562に反映させるように、ユーザ預かり金処理要求メッセージを生成し、このメッセージをユーザによって指定された店舗内サーバ31に送信する(S510)。ユーザ預かり金処理要求メッセージを受信した店舗内サーバ31、より詳しくは預かり金処理部552は、このユーザ預かり金処理要求メッセージの内容をユーザ預かり金データ562の対応するレコード562Aに反映させる処理である預かり金データ更新処理を実行する(S511)。この預かり金データ更新処理により、当該ユーザは、ユーザ振替金額に相当する金額を電子決済システム1、より詳しくは店舗内サーバ31によって管理される有価価値提供装置30を用いて使用できるようになる。なお、ユーザ預かり金処理要求メッセージに対応するユーザが、ユーザテーブル561に未登録のユーザである場合は、ユーザテーブル561に当該ユーザのレコード561Aの追加が行われる。
【0169】
図21から図24は、第2の実施の形態における店舗内サーバ31、電子決済サーバ10と収納ネットワーク40との間で行われるユーザ振替金額、遊技場事業者振替金額を処理する場合の動作例を説明する図である。
【0170】
図21は、ユーザが電子決済サーバ10に振替要求メッセージ送信(図20,S503)を行う前の状態の一例を示している。この例では、収納ネットワーク40は、ユーザ口座41、決済所業者口座42、及び遊技場事業者口座43を有している。
【0171】
さて、ユーザ口座41の残高は¥100,000であり、決済所業者口座42、及び遊技場事業者口座43の残高はともに¥0であるものとしよう。なお、実際には、複数のユーザ、複数の遊技場事業者が収納ネットワーク40に口座を有していることになろうが、図21から図24では、代表例としてユーザ口座41、及び遊技場事業者口座43をそれぞれ一つずつ表示した。
【0172】
第2の実施の形態においては、電子決済サーバ10は、前述の通りユーザ保有金額データ700、遊技場事業者保有金額データ900を記憶する必要はない。
【0173】
図22は、図21の状態の後、所望の店舗内サーバ31で使用するための¥10,000のユーザ振替金額を振り替えるよう、ユーザが移動体通信端末20から電子決済サーバ10に振替要求メッセージを送信した後の状態を示している。電子決済サーバ10は、この振替要求メッセージに応じて以下のような振替依頼メッセージを収納ネットワーク40に送信する(S504参照)。すなわち、ユーザ振替金額¥10,000及び決済事業者の手数料(例えば、¥100とする)をユーザ口座41から決済事業者口座42に振替よ、という内容の振替依頼メッセージを収納ネットワーク40に送信する。
【0174】
この振替依頼メッセージを受信した収納ネットワーク40は、ユーザ口座41から¥10,100を決済事業者口座42に振り替える処理を行う(S505参照)。その結果、図22に示すように、ユーザ口座41の残高は、¥100,000ー¥10,100=¥89,900となり、決済事業者口座42の残高は、¥0+¥10,100=¥10,100となる。収納ネットワーク40は各口座41,42の残高を振替依頼に応じてこのように変更する。
【0175】
図23は、図22の状態の後、遊技場事業者口座43に遊技場事業者振込金額を振り替えるよう、電子決済サーバ10から収納ネットワーク40へ振替依頼メッセージが送信され(S507参照)、収納ネットワーク40がこの振替依頼メッセージに応じた振替処理(S508参照)を実行した後の状態を示している。
【0176】
電子決済サーバ10は、遊技場事業者口座43へ遊技場事業者振替金額を振り替える旨の以下のような振替依頼メッセージを収納ネットワーク40に送信する(S507参照)。すなわち、ユーザ振替金額¥10,000から決済事業者の手数料(例えば、¥10とする)を差し引いた額(¥10,000ー¥10=¥9,990)である遊技場事業者振替金額を決済事業者口座42から遊技場事業者口座43に振替よ、という内容の振替依頼メッセージが収納ネットワーク40に送信される。
【0177】
この振替依頼メッセージを受信した収納ネットワーク40は、決済事業者口座41から¥9,990を遊技場事業者口座43に振り替える処理を行う(S508参照)。その結果、図23に示すように、決済事業者口座42の残高は、¥10,100ー¥9,990=¥110となり、遊技場事業者口座43の残高は、¥0+¥9,990=¥9,990となる。ユーザ口座41の残高は¥89,900のまま変わらない。収納ネットワーク40は各口座42,43の残高を振替依頼メッセージに応じて上述のように変更する。
【0178】
図24は、図23の状態の後に、電子決済サーバ10からのユーザ預かり金処理要求メッセージに応じてが預かり金更新処理(S511)を実行した後の状態を示す。図20に示したように、収納ネットワーク40によって振替処理(S508)が行われると、収納ネットワーク40は電子決済サーバ10に遊技場事業者振込金額の振替が正常に行われた旨の振替結果通知メッセージを送信し(S509)、この振替結果通知メッセージに応じて電子決済サーバ10は、ユーザに指定された店舗内サーバ31にユーザ預かり金処理要求メッセージを送信する(S510)。
【0179】
このユーザ預かり金処理要求メッセージを受信した店舗内サーバ31,より詳しくは預かり金処理部552は、このユーザ預かり金処理要求メッセージに応じて、ユーザ預かり金データ562に対して、このメッセージに含まれるユーザIDに対応するレコード562Aが記憶しているユーザ預かり金1501にユーザ振込金額を加算する預かり金データ更新処理(S511)を実行する。但し、手数料に相当する¥100は加算しない。この加算による保有金額データ処理(S510)の結果、レコード701のユーザ保有金額703には、¥0+¥10,000=¥10,000が記録されることとなる。この¥10,000はユーザが電子決済システム1において使用できる金額となる。
【0180】
次に、第2の実施の形態にかかる電子決済システム1において、ユーザが有価価値提供装置30から有価価値の提供を受けようとした場合の、電子決済システム1の動作例について説明する。
【0181】
第2の実施の形態でも、第1の実施の形態の説明で示したステップS301からステップS310と同様の処理が実行される(図16参照)。しかし、第2の実施の形態では、図18に示すステップS401からS411までの処理は行わない。第2の実施の形態では、ユーザの消費金額1502(図24参照)は、店舗内サーバ31で管理され、電子決済サーバ10においては管理しない。その結果、店舗内サーバ31と電子決済サーバ10との通信回数は第1の実施の形態に比べてより少なくすることができ、また電子決済サーバ10から収納ネットワーク40への振替依頼の送信回数も第1の実施の形態に比べてより少なくすることができる。
【0182】
[III.変形例、その他]
(1)有価価値提供装置30に設けた液晶ディスプレイなどにQRコードなどを表示しておき、移動体通信端末20にCCDカメラを利用したバーコードリーダを設けてバーコードの読み取りを行わせることにより、提供装置側近距離通信部303及び端末側近距離通信部201の代わりとしてもよい。この場合はバーコードが示す情報がそのまま機器IDとなればよい。
(2)上記の第1及び第2の実施の形態では、ユーザ口座41から決済事業者口座への振替は、移動体通信端末20から電子決済サーバ10を経由して収納ネットワーク40へ振替依頼を送信する構成としたが、移動体通信端末20から直接収納ネットワーク40に振替依頼を送信する構成としても本発明は成立する。
【0183】
[IV.本電子決済システムの利点]
(1)ユーザにとっての利点
遊技場において使用可能な、現金以外の決済方法となるため、遊技場において手持ちの現金がなくなった後でも、簡易な決済行為(移動体通信端末20を有価価値提供装置30にかざす程度の簡単な入力操作を行う処理)で貸し玉、貸しメダルの購入、商品の購入などが可能となる。
【0184】
それゆえ、遊技中に手持ちの現金がなくなったり、少なくなった状態で大当たりを引き当てたが手持ちの玉やメダルが底を突きそうになったりした場合に、簡単な操作で貸し玉などの追加購入ができるため、遊技者は現金の残高を気にすることなく、安心して遊技を続けることができる。
【0185】
また、この決済行為において、決済行為に使う端末は、利用者が所有する移動体通信端末である安心感に加え、カード番号や暗証番号の入力行為をする必要がないため、通常のクレジット・カード、デビット・カードのように、店舗側にカード番号や暗証番号の記録が残ったり、或いは悪意ある者に不正取得されたりするおそれがなくなり、安心して決済をすることが可能となる。
【0186】
また、電子決済サーバ10が取得する利用状況情報に基づいた、情報配信を受けることも可能であり、より多彩なサービスを受けることが期待できる。
(2)店舗側(管理者)にとっての利益
【0187】
遊技した結果手持ち現金がなくなったユーザであっても、本電子決済システムによりさらに貸し玉、貸しメダルの購入ができるので遊技機の稼働率が高まり、またそのようなユーザが店舗内で買い物等をしてくれる可能性も高まるので、遊技場の売り上げ向上が期待できる。同時に、利用者が、どの遊技機でどの程度遊技したのかを示す情報も得られることから、この情報を基に、遊技機の稼動状況の詳細を知ることができ、利用者の好みも知ることが可能であり、マーケティング情報として活用も可能である。
【0188】
本電子決済システムを利用した場合には、店舗内で取り扱う現金は増加しないため、入金管理が容易になると共に現金の保安管理も向上する。
【0189】
(3)決済事業者にとっての利点
決済事業者は、本電子決済システムを運営することにより、ユーザである遊技者の遊技状況を把握することが可能となり、遊技機の開発、販売、営業などで参照するデータを蓄積できる。また、遊技場事業者に対する振込回数がユーザ振込要求につき1回と限られるため、電子決済サーバの不可が少なくまた、振り込み手数料の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0190】
【図1】本発明にかかる電子決済システムの一例を示すネットワーク図
【図2】収納ネットワークの概略構成を示すブロック図
【図3】有価価値提供装置及び移動体通信端末の構成例を示す機能ブロック図
【図4】ユーザ情報記憶部が記憶する情報の一例を示す図
【図5A】電子決済サーバの構成例を示す機能ブロック図
【図5B】分散サーバ構成とした電子決済サーバの構成例を示す機能ブロック図
【図5C】店舗内サーバの構成例を示す機能ブロック図
【図5D】店舗内サーバに記憶されるユーザテーブルのデータ構成例を示す図
【図5E】店舗内サーバに記憶されるユーザ預かり金データのデータ構成例を示す図
【図6】データベース部に記憶されるユーザテーブルの構成例を示す図
【図7】データベース部に記憶されるユーザ保有金額データの構成例を示す図
【図8】データベース部に記憶される遊技場事業者テーブルの構成例を示す図
【図9】データベース部に記憶される遊技場事業者保有金額データの構成例を示す図
【図10】データベース部に記憶される店舗内サーバテーブルの構成例を示す図
【図11】電子決済システムにユーザ登録を行う場合の電子決済システムの動作例を示したシーケンス図
【図12】ユーザ口座から決済事業者口座へ振替を要求した場合の電子決済システムの動作例を示したシーケンス図
【図13】電子決済サーバと収納ネットワークとの間で行われるユーザ振替金額を処理する場合の動作例を説明する図
【図14】図13に続く、電子決済サーバと収納ネットワークとの間で行われるユーザ振替金額を処理する場合の動作例を説明する図
【図15A】図14に続く、電子決済サーバと収納ネットワークとの間で行われるユーザ振替金額を処理する場合の動作例を説明する図
【図15B】図15Aに続く、電子決済サーバと収納ネットワークとの間で行われるユーザ振替金額を処理する場合の動作例を説明する図
【図16】移動体通信端末と有価価値提供装置との間で近距離通信手段による通信を行わせた場合の、電子決済システムの動作例を示すシーケンス図
【図17】図15Bの状態の後、ステップS301からステップS307までの処理が行われた後の状態を示した図
【図18】電子決済システムにおける遊技場事業者口座への振込処理の例を示すシーケンス図
【図19A】図18に示した状態の後にステップS401からS405が実行された結果を示す図
【図19B】図19Aに続く、店舗内サーバ、電子決済サーバ、収納ネットワークとの間で行われる処理結果例を説明する図
【図20】第2の実施の形態において、ユーザ口座から決済事業者口座へ振替を要求した場合の電子決済システムの動作例を示したシーケンス図
【図21】ユーザが電子決済サーバに振替要求メッセージ送信を行う前の状態の一例を示す図
【図22】図21の状態の後、¥10,000のユーザ振替金額を振り替えるよう、ユーザが移動体通信端末から電子決済サーバに振替要求メッセージを送信した後の状態を示す図
【図23】図22の状態の後、電子決済サーバが決済事業者口座から遊技場事業者口座にユーザ振替金額に応じた額を振り替えるよう収納ネットワークに振替依頼メッセージを送信し、収納ネットワークがこのメッセージに応じた振替処理を実行した後の状態を示す図
【図24】図23の状態の後に、店舗内決済サーバが預かり金額データ更新処理を実行した後の状態を示す図
【符号の説明】
【0191】
1 … 電子決済システム
10 … 電子決済サーバ
20 … 移動体通信端末
30 … 有価価値提供装置
31 … 店舗内サーバ
40 … 収納ネットワーク
41 … ユーザ口座
42 … 決済事業者口座
43 … 遊技場事業者口座
402 … 支払要求処理部
403 … データベース部
404 … 振替要求処理部
405 … 精算処理部
406 … 提供指示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座の間で金銭を振り替えることが可能な収納ネットワークに対して、通信網を介してこれら口座間の振替を要求することが可能な電子決済サーバと、前記電子決済サーバと通信網を介して通信可能な店舗内サーバと、前記店舗内サーバと通信可能な有価価値提供装置と、前記店舗内サーバと通信網を介して通信可能であると共に前記有価価値提供装置と通信可能な移動体通信端末とを有する電子決済システムであって、
前記電子決済サーバは、ユーザごとに各店舗内サーバで使用可能な金額であるユーザ保有金額を記憶し、ユーザが指定する振替金額に応じたユーザ振替金額をそのユーザのユーザ口座から前記決済事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信し、また前記ユーザ振替金額をユーザ保有金額に加算し、そのユーザ振替金額を通知するユーザ預かり金処理要求メッセージを前記店舗内サーバに送信し、
前記店舗内サーバは、前記ユーザ預かり金処理要求メッセージに応じて、ユーザからの預かり金を示す預かり金を算出して記憶し、
前記移動体通信端末は、前記有価価値提供装置からその有価価値提供装置を特定する機器特定情報を取得し、前記機器特定情報を含む支払要求メッセージを生成し、この支払要求メッセージを前記店舗内サーバに送信し、
前記店舗内サーバは、前記移動体通信端末からの支払要求メッセージに応じて、前記機器特定情報によって特定された有価価値提供装置に有価価値の提供を指示する提供指示メッセージを送信し、且つ前記ユーザ預かり金から、有価価値の提供の代金であるユーザ支払金額に応じた額を減算すると共に、そのユーザの消費金額に前記ユーザ支払金額に応じた額を加算し、その消費金額を通知する消費金額通知メッセージを前記電子決済サーバに送信し、
前記有価価値提供装置は、前記店舗内サーバから提供指示メッセージを受信すると、前記ユーザ支払金額に応じた有価価値を提供し、
前記電子決済サーバは、前記消費金額通知メッセージに応じて、消費金額を遊技場事業者保有金額に加算し、前記収納ネットワークに前記決済事業者口座から前記遊技場事業者口座に遊技場事業者保有金額に応じた金額を振り替えるよう要求する振替依頼メッセージを前記収納ネットワークに送信する
ことを特徴とする、電子決済システム。
【請求項2】
ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座の間で金銭を振り替えることが可能な収納ネットワークに対して、通信網を介してこれら口座間の振替を要求することが可能な電子決済サーバであって、
ユーザごとに各店舗内サーバで使用可能な金額であるユーザ保有金額と、各遊技場事業者の遊技場事業者保有金額とを記憶する記憶手段と、
ユーザが指定する振替額に応じたユーザ振替金額をそのユーザのユーザ口座から前記決済事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信し、また前記ユーザ振替金額を前記ユーザ保有金額に加算し、そのユーザ保有金額を通知するユーザ預かり金処理要求メッセージを送信するための振替要求処理部と、
ユーザが有価価値の提供の代金として支払う金額の合計である消費金額を通知する消費金額通知メッセージに応じて、消費金額を前記遊技場事業者保有金額に加算し、前記収納ネットワークに前記決済事業者口座から前記遊技場事業者口座に遊技場事業者保有金額に応じた金額を振り替えるよう要求する振替依頼メッセージを前記収納ネットワークに送信するための精算処理手段と
を有することを特徴とする電子決済サーバ。
【請求項3】
ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座の間で金銭を振り替えることが可能な収納ネットワークに対して、通信網を介してこれら口座間の振替を要求することが可能な電子決済サーバと通信網を介して通信可能な店舗内サーバであって、
各ユーザの預かり金と、消費金額を記憶する記憶手段と、
前記電子決済サーバから送信されたユーザ預かり金処理要求メッセージに応じて、預かり金を算出して記憶させる預かり金処理手段と、
有価価値の提供の代金であるユーザ支払金額の支払を求める支払要求メッセージを受信すると、前記預かり金からユーザ支払金額に応じた額を減算すると共に、前記消費金額に前記ユーザ支払金額に応じた額を加算する支払要求処理手段と、
前記預かり金からユーザ支払金額を減算した結果に応じて、有価価値の提供を指示する提供指示メッセージを送信する提供指示手段と、
前記電子決済サーバに消費金額を通知する消費金額通知メッセージを送信する精算処理手段と
を有することを特徴とする店舗内サーバ。
【請求項4】
有価価値提供装置と近距離通信手段による通信を行うことによって、有価価値提供装置からその有価価値提供装置を特定する機器特定情報を取得し、前記機器特定情報を含む支払要求メッセージを生成し、この支払要求メッセージを店舗内サーバに送信して、前記店舗内サーバに、有価価値の提供の代金であるユーザ支払金額に応じた有価価値の提供を前記有価価値提供装置に指示させる、ことを特徴とする移動体通信端末。
【請求項5】
ユーザが指定した振替金額をユーザ口座から決済事業者口座へ振り替えるよう収納ネットワークに要求する振替依頼メッセージを送信するステップと、
前記振替金額に応じた額であるユーザ振替金額を前記ユーザ保有金額に加算して記憶させるステップと、
前記ユーザ保有金額を通知するユーザ預かり金メッセージを送信するステップと、
前記ユーザ預かり金メッセージを受信し、このユーザ預かり金メッセージに応じて預かり金を算出して記憶させるステップと、
有価価値提供装置と近距離通信手段による通信を行うことにより取得されるその有価価値提供装置を特定する機器特定情報を含む支払要求メッセージを受信するステップと、
前記支払要求メッセージに応じて、有価価値の提供の代金であるユーザ支払額の合計である消費金額を算出して記憶させるステップと、
前記預かり金と消費金額とが所定の条件を満たす場合は、前記支払要求メッセージに応じて、前記機器特定情報によって特定される有価価値提供装置にユーザ支払金額に応じた有価価値の提供を指示する提供指示メッセージを送信するステップと、
前記消費金額を通知するための消費金額通知メッセージを送信するステップと、
前記消費金額通知メッセージに応じて、前記消費金額に応じた額を遊技場事業者保有金額に加算して、記憶させるステップと、
前記遊技場事業者保有金額に応じた額を前記決済事業者口座から前記遊技場事業者口座へ振り替えるように前記収納ネットワークに要求する振替依頼メッセージを送信するステップと
を有することを特徴とする電子決済方法。
【請求項6】
ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座の間で金銭を振り替えることが可能な収納ネットワークに対して、通信網を介してこれら口座間の振替を要求することが可能な電子決済サーバと、前記電子決済サーバと通信網を介して通信可能な店舗内サーバと、前記店舗内サーバと通信可能な有価価値提供装置と、前記店舗内サーバと通信網を介して通信可能であると共に前記有価価値提供装置と通信可能な移動体通信端末とを有する電子決済システムであって、
前記電子決済サーバは、ユーザが指定する振替金額に応じたユーザ振替金額を前記ユーザ口座から前記決済事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信し、且つ前記ユーザ振替金額に応じた金額を前記決済事業者口座から前記遊技事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信し、また前記ユーザ振替金額を通知するユーザ預かり金処理要求メッセージを前記店舗内サーバに送信し、
前記店舗内サーバは、前記ユーザ預かり金処理要求メッセージに応じて、ユーザからの預かり金を示すユーザ預かり金を算出して記憶し、
前記移動体通信端末は、前記有価価値提供装置からその有価価値提供装置を特定する機器特定情報を取得し、前記機器特定情報を含む支払要求メッセージを生成し、この支払要求メッセージを前記店舗内サーバに送信し、
前記店舗内サーバは、前記移動体通信端末からの支払要求メッセージに応じて、前記機器特定情報によって特定された有価価値提供装置に有価価値の提供を指示する提供指示メッセージを送信し、
前記有価価値提供装置は、前記店舗内サーバから提供指示メッセージを受信すると、有価価値の提供の代金であるユーザ支払金額に応じた有価価値を提供する
ことを特徴とする、電子決済システム。
【請求項7】
ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座の間で金銭を振り替えることが可能な収納ネットワークに対して、通信網を介してこれら口座間の振替を要求することが可能な電子決済サーバであって、ユーザが指定する振替額に応じたユーザ振替金額を前記ユーザ口座から前記決済事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信し、且つユーザ振替金額に応じた金額を前記決済事業者口座から前記遊技事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信し、且つ前記ユーザ振替金額を通知するユーザ預かり金処理要求メッセージを送信することを特徴とする電子決済サーバ。
【請求項8】
ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座の間で金銭を振り替えることが可能な収納ネットワークに対して、通信網を介してこれら口座間の振替を要求することが可能な電子決済サーバと通信網を介して通信可能な店舗内サーバであって、
各ユーザの預かり金と、消費金額を記憶する記憶手段と、
前記電子決済サーバから送信されたユーザ預かり金処理要求メッセージに応じて、預かり金を算出して記憶させる預かり金処理手段と、
有価価値の提供の代金であるユーザ支払金額の支払を求める支払要求メッセージを受信すると、前記預かり金からユーザ支払金額を減算して記憶させる支払要求処理手段と、
前記預かり金からユーザ支払金額を減算した結果に応じて、有価価値の提供を指示する提供指示メッセージを送信する提供指示手段と、
を有することを特徴とする店舗内サーバ。
【請求項9】
ユーザが指定した振替金額に応じた額であるユーザ振替金額をユーザ口座から決済事業者口座へ振り替えるよう収納ネットワークに要求する振替依頼メッセージを送信するステップと、
ユーザ振替金額に応じた金額を前記決済事業者口座から前記遊技事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信するステップと、
前記振替金額に応じた額であるユーザ預かり金を通知するユーザ預かり金メッセージを送信するステップと、
前記ユーザ預かり金メッセージを受信し、このユーザ預かり金メッセージに応じて預かり金を算出して記憶させるステップと、
有価価値提供装置と近距離通信手段による通信を行うことにより取得されるその有価価値提供装置を特定する機器特定情報を含む支払要求メッセージを受信するステップと、
前記支払要求メッセージに応じて、有価価値の提供の代金であるユーザ支払金額の合計である消費金額を算出して記憶させるステップと、
前記預かり金と消費金額とが所定の条件を満たす場合は、前記支払要求メッセージに応じて、前記有価価値提供装置に前記ユーザ支払金額に応じた有価価値の提供を指示する提供指示メッセージを送信するステップと、
を有することを特徴とする電子決済方法。
【請求項1】
ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座の間で金銭を振り替えることが可能な収納ネットワークに対して、通信網を介してこれら口座間の振替を要求することが可能な電子決済サーバと、前記電子決済サーバと通信網を介して通信可能な店舗内サーバと、前記店舗内サーバと通信可能な有価価値提供装置と、前記店舗内サーバと通信網を介して通信可能であると共に前記有価価値提供装置と通信可能な移動体通信端末とを有する電子決済システムであって、
前記電子決済サーバは、ユーザごとに各店舗内サーバで使用可能な金額であるユーザ保有金額を記憶し、ユーザが指定する振替金額に応じたユーザ振替金額をそのユーザのユーザ口座から前記決済事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信し、また前記ユーザ振替金額をユーザ保有金額に加算し、そのユーザ振替金額を通知するユーザ預かり金処理要求メッセージを前記店舗内サーバに送信し、
前記店舗内サーバは、前記ユーザ預かり金処理要求メッセージに応じて、ユーザからの預かり金を示す預かり金を算出して記憶し、
前記移動体通信端末は、前記有価価値提供装置からその有価価値提供装置を特定する機器特定情報を取得し、前記機器特定情報を含む支払要求メッセージを生成し、この支払要求メッセージを前記店舗内サーバに送信し、
前記店舗内サーバは、前記移動体通信端末からの支払要求メッセージに応じて、前記機器特定情報によって特定された有価価値提供装置に有価価値の提供を指示する提供指示メッセージを送信し、且つ前記ユーザ預かり金から、有価価値の提供の代金であるユーザ支払金額に応じた額を減算すると共に、そのユーザの消費金額に前記ユーザ支払金額に応じた額を加算し、その消費金額を通知する消費金額通知メッセージを前記電子決済サーバに送信し、
前記有価価値提供装置は、前記店舗内サーバから提供指示メッセージを受信すると、前記ユーザ支払金額に応じた有価価値を提供し、
前記電子決済サーバは、前記消費金額通知メッセージに応じて、消費金額を遊技場事業者保有金額に加算し、前記収納ネットワークに前記決済事業者口座から前記遊技場事業者口座に遊技場事業者保有金額に応じた金額を振り替えるよう要求する振替依頼メッセージを前記収納ネットワークに送信する
ことを特徴とする、電子決済システム。
【請求項2】
ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座の間で金銭を振り替えることが可能な収納ネットワークに対して、通信網を介してこれら口座間の振替を要求することが可能な電子決済サーバであって、
ユーザごとに各店舗内サーバで使用可能な金額であるユーザ保有金額と、各遊技場事業者の遊技場事業者保有金額とを記憶する記憶手段と、
ユーザが指定する振替額に応じたユーザ振替金額をそのユーザのユーザ口座から前記決済事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信し、また前記ユーザ振替金額を前記ユーザ保有金額に加算し、そのユーザ保有金額を通知するユーザ預かり金処理要求メッセージを送信するための振替要求処理部と、
ユーザが有価価値の提供の代金として支払う金額の合計である消費金額を通知する消費金額通知メッセージに応じて、消費金額を前記遊技場事業者保有金額に加算し、前記収納ネットワークに前記決済事業者口座から前記遊技場事業者口座に遊技場事業者保有金額に応じた金額を振り替えるよう要求する振替依頼メッセージを前記収納ネットワークに送信するための精算処理手段と
を有することを特徴とする電子決済サーバ。
【請求項3】
ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座の間で金銭を振り替えることが可能な収納ネットワークに対して、通信網を介してこれら口座間の振替を要求することが可能な電子決済サーバと通信網を介して通信可能な店舗内サーバであって、
各ユーザの預かり金と、消費金額を記憶する記憶手段と、
前記電子決済サーバから送信されたユーザ預かり金処理要求メッセージに応じて、預かり金を算出して記憶させる預かり金処理手段と、
有価価値の提供の代金であるユーザ支払金額の支払を求める支払要求メッセージを受信すると、前記預かり金からユーザ支払金額に応じた額を減算すると共に、前記消費金額に前記ユーザ支払金額に応じた額を加算する支払要求処理手段と、
前記預かり金からユーザ支払金額を減算した結果に応じて、有価価値の提供を指示する提供指示メッセージを送信する提供指示手段と、
前記電子決済サーバに消費金額を通知する消費金額通知メッセージを送信する精算処理手段と
を有することを特徴とする店舗内サーバ。
【請求項4】
有価価値提供装置と近距離通信手段による通信を行うことによって、有価価値提供装置からその有価価値提供装置を特定する機器特定情報を取得し、前記機器特定情報を含む支払要求メッセージを生成し、この支払要求メッセージを店舗内サーバに送信して、前記店舗内サーバに、有価価値の提供の代金であるユーザ支払金額に応じた有価価値の提供を前記有価価値提供装置に指示させる、ことを特徴とする移動体通信端末。
【請求項5】
ユーザが指定した振替金額をユーザ口座から決済事業者口座へ振り替えるよう収納ネットワークに要求する振替依頼メッセージを送信するステップと、
前記振替金額に応じた額であるユーザ振替金額を前記ユーザ保有金額に加算して記憶させるステップと、
前記ユーザ保有金額を通知するユーザ預かり金メッセージを送信するステップと、
前記ユーザ預かり金メッセージを受信し、このユーザ預かり金メッセージに応じて預かり金を算出して記憶させるステップと、
有価価値提供装置と近距離通信手段による通信を行うことにより取得されるその有価価値提供装置を特定する機器特定情報を含む支払要求メッセージを受信するステップと、
前記支払要求メッセージに応じて、有価価値の提供の代金であるユーザ支払額の合計である消費金額を算出して記憶させるステップと、
前記預かり金と消費金額とが所定の条件を満たす場合は、前記支払要求メッセージに応じて、前記機器特定情報によって特定される有価価値提供装置にユーザ支払金額に応じた有価価値の提供を指示する提供指示メッセージを送信するステップと、
前記消費金額を通知するための消費金額通知メッセージを送信するステップと、
前記消費金額通知メッセージに応じて、前記消費金額に応じた額を遊技場事業者保有金額に加算して、記憶させるステップと、
前記遊技場事業者保有金額に応じた額を前記決済事業者口座から前記遊技場事業者口座へ振り替えるように前記収納ネットワークに要求する振替依頼メッセージを送信するステップと
を有することを特徴とする電子決済方法。
【請求項6】
ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座の間で金銭を振り替えることが可能な収納ネットワークに対して、通信網を介してこれら口座間の振替を要求することが可能な電子決済サーバと、前記電子決済サーバと通信網を介して通信可能な店舗内サーバと、前記店舗内サーバと通信可能な有価価値提供装置と、前記店舗内サーバと通信網を介して通信可能であると共に前記有価価値提供装置と通信可能な移動体通信端末とを有する電子決済システムであって、
前記電子決済サーバは、ユーザが指定する振替金額に応じたユーザ振替金額を前記ユーザ口座から前記決済事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信し、且つ前記ユーザ振替金額に応じた金額を前記決済事業者口座から前記遊技事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信し、また前記ユーザ振替金額を通知するユーザ預かり金処理要求メッセージを前記店舗内サーバに送信し、
前記店舗内サーバは、前記ユーザ預かり金処理要求メッセージに応じて、ユーザからの預かり金を示すユーザ預かり金を算出して記憶し、
前記移動体通信端末は、前記有価価値提供装置からその有価価値提供装置を特定する機器特定情報を取得し、前記機器特定情報を含む支払要求メッセージを生成し、この支払要求メッセージを前記店舗内サーバに送信し、
前記店舗内サーバは、前記移動体通信端末からの支払要求メッセージに応じて、前記機器特定情報によって特定された有価価値提供装置に有価価値の提供を指示する提供指示メッセージを送信し、
前記有価価値提供装置は、前記店舗内サーバから提供指示メッセージを受信すると、有価価値の提供の代金であるユーザ支払金額に応じた有価価値を提供する
ことを特徴とする、電子決済システム。
【請求項7】
ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座の間で金銭を振り替えることが可能な収納ネットワークに対して、通信網を介してこれら口座間の振替を要求することが可能な電子決済サーバであって、ユーザが指定する振替額に応じたユーザ振替金額を前記ユーザ口座から前記決済事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信し、且つユーザ振替金額に応じた金額を前記決済事業者口座から前記遊技事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信し、且つ前記ユーザ振替金額を通知するユーザ預かり金処理要求メッセージを送信することを特徴とする電子決済サーバ。
【請求項8】
ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座の間で金銭を振り替えることが可能な収納ネットワークに対して、通信網を介してこれら口座間の振替を要求することが可能な電子決済サーバと通信網を介して通信可能な店舗内サーバであって、
各ユーザの預かり金と、消費金額を記憶する記憶手段と、
前記電子決済サーバから送信されたユーザ預かり金処理要求メッセージに応じて、預かり金を算出して記憶させる預かり金処理手段と、
有価価値の提供の代金であるユーザ支払金額の支払を求める支払要求メッセージを受信すると、前記預かり金からユーザ支払金額を減算して記憶させる支払要求処理手段と、
前記預かり金からユーザ支払金額を減算した結果に応じて、有価価値の提供を指示する提供指示メッセージを送信する提供指示手段と、
を有することを特徴とする店舗内サーバ。
【請求項9】
ユーザが指定した振替金額に応じた額であるユーザ振替金額をユーザ口座から決済事業者口座へ振り替えるよう収納ネットワークに要求する振替依頼メッセージを送信するステップと、
ユーザ振替金額に応じた金額を前記決済事業者口座から前記遊技事業者口座へ振り替えるよう要求する振替要求メッセージを前記収納ネットワークに送信するステップと、
前記振替金額に応じた額であるユーザ預かり金を通知するユーザ預かり金メッセージを送信するステップと、
前記ユーザ預かり金メッセージを受信し、このユーザ預かり金メッセージに応じて預かり金を算出して記憶させるステップと、
有価価値提供装置と近距離通信手段による通信を行うことにより取得されるその有価価値提供装置を特定する機器特定情報を含む支払要求メッセージを受信するステップと、
前記支払要求メッセージに応じて、有価価値の提供の代金であるユーザ支払金額の合計である消費金額を算出して記憶させるステップと、
前記預かり金と消費金額とが所定の条件を満たす場合は、前記支払要求メッセージに応じて、前記有価価値提供装置に前記ユーザ支払金額に応じた有価価値の提供を指示する提供指示メッセージを送信するステップと、
を有することを特徴とする電子決済方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2008−250384(P2008−250384A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−87366(P2007−87366)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(506314416)株式会社モビテクノ (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(506314416)株式会社モビテクノ (10)
【Fターム(参考)】
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