説明

電子画像比色による観測対象の状態量計測方法およびそのシステム

【課題】電子画像を用いた比色法において、撮影時の環境のバラツキによる影響を抑制し、より安定して状態量を計測する。
【解決手段】基準となる呈色部位41,43と状態量を計測する呈色部位42とが同一の画像データに含まれるように撮影し、呈色部位41,42,43それぞれの表色系指数を算出し、算出した表色系指数それぞれに基づいて呈色部位42の状態量を求める。これにより、撮影条件の影響を抑制してより正確に状態量を測定することが可能となる。また、安価でさまざまな場面で利用可能な撮影機材を使って、状態に応じて色が変化する対象物体の状態を数値化できるので、高価で利用方法が限定される分光光度計などの光学測定器を用いる必要がなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、比色法により観測対象の状態量を計測する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスセンサの分野では、ガス濃度による色の変化を利用して対象のガスを検知する比色法が広く研究されている。例えば、ガス検知管による方法は、色の変化領域と未変化領域の境界における濃度目盛を目視により読み取ることでガス濃度を測定する。しかしながら、目視による読み取り誤差がかなりの濃度範囲で生じてしまうという問題がある。
【0003】
また、検知紙の色変化をカラーチャートと比較することによりガス濃度を測定する方法も知られている。検知紙を用いる場合も、カラーチャートと比較する際の個人による誤差が大きいという問題がある。
【0004】
発明者らも、オゾンや二酸化炭素、ホルムアルデヒドなどと反応することで色が変化する高感度の検知素子を製作してきた。これら検知素子は高感度であるため、目視による読み取り誤差をかなり改善することができた。しかし、依然として読み取りの個人差による誤差は生じてしまう。
【0005】
分光光度計などの光学測定器を用いて光の反射率を測定し、色の変化を数値化することで読み取り誤差を防ぐことができるが、これらの装置は、高額であることや利用方法が限られるなどの制約がある。
【0006】
カメラなどにより撮影した画像から色を識別する方法が知られているが、撮影時の証明の違いや撮影機材の違いによる撮影画像の色のバラツキが生じるという問題がある(非特許文献1参照)。例えば、特許文献1に記載の技術のように、ビンやペットボトルを色情報から識別する場合は、数種類の色のちがいが判別できればよく、車の色の判別でも青、赤、白など基本色の違いを判定する程度でよい。
【特許文献1】特開平10−62251号公報
【非特許文献1】"色色雑学"、[online]、コニカミノルタ、[平成19年11月9日検索]、インターネット〈URL:http://konicaminolta.jp/instruments/colorknowledge/part2/07.html〉
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ガスセンサとしての水溶液や検知紙の色の変化は、従来の色識別で想定している色の違いよりも高分解能で比色識別ができなくてはいけない。
【0008】
さらに、検知紙などの場合は、ある色から別の色に徐々に変化するものであり、その変化の度合いが識別できなければならない。例えば、最初は青色だった検知紙がガスと反応することで少しずつ白くなる場合、その青色が薄くなる程度の違いが識別できなければならない。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、電子画像を用いた比色法において、撮影時の環境のバラツキによる影響を抑制し、より安定して状態量を計測することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の本発明に係る状態量計測方法は、観測対象の状態量を検知媒体の呈色により計測する状態量計測方法であって、少なくとも2つの既知の状態量に対応する呈色部位と観測対象である呈色部位を含む画像データを受け付けるステップと、画像データから呈色部位のそれぞれに該当する領域を検出するステップと、領域のそれぞれにおいて表色系に基づく指数を算出するステップと、状態量と指数との関係を表す関数に算出した指数を代入し、観測対象の状態量を判定するステップと、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、2つの既知の状態量に対応する呈色部位と観測対象である呈色部位とを含む画像データを入力し、呈色部位それぞれにおける表色系指数を算出して、状態量と表色系指数との関係を表す関数に算出した表色系指数を代入することにより、撮影環境などの影響を抑制してより正確に状態量を計測することが可能となる。既知の状態量に対応する呈色部位も観測対象の呈色部位と同様に、撮影環境などの影響により画像データの色がばらつくが、このばらつきは、基準となる呈色部位も観測対象の呈色部位も同じ法則に従うので、これらの呈色部位を同時に撮影した画像データを入力することで、基準となる呈色部位からの変化量に基づいて状態量を計測することができる。
【0012】
また、安価でさまざまな場面で利用可能な携帯電話のカメラ、デジタルカメラあるいはインターネットカメラなどの撮影機材を使うことができるので、高価で利用方法が限定される分光光度計などの光学測定器が不要となる。
【0013】
上記状態量計測方法において、指数は、領域内の画像データを統計処理することにより算出することを特徴とする。
【0014】
上記状態量計測方法において、状態量と指数との関係は線形であることを特徴とする。
【0015】
上記状態量計測方法において、表色系は、RGB表色系、HSL表色系、グレースケールのいずれかであることを特徴とする。
【0016】
上記状態量計測方法において、観測対象は、検知紙あるいは検知管のいずれかであることを特徴とする。
【0017】
第2の本発明に係る状態量計測装置は、観測対象の状態量を検知媒体の呈色により計測する状態量計測装置であって、少なくとも2つの既知の状態量に対応する呈色部位と観測対象である呈色部位を含む画像データを受け付ける入力手段と、画像データから呈色部位のそれぞれに該当する領域を検出する領域検出手段と、領域のそれぞれにおいて表色系に基づく指数を算出する指数算出手段と、状態量と指数との関係を表す関数に算出した指数を代入し、観測対象の状態量を判定する状態量判定手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、電子画像を用いた比色法において、撮影時の環境のバラツキによる影響を抑制し、より安定して状態量を計測することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態における状態量計測システムの構成を示すブロック図である。同図に示す状態量計測システムは、状態量計測装置10と、撮影装置30とを有する。状態量計測装置10と撮影装置30とはネットワーク20を介して接続される。撮影装置30は、状態量が既知の呈色部位41,43と状態量が未知の呈色部位42とを含む台紙40を撮影し、得られた画像データをネットワーク20を介して状態量計測装置10に送信する。画像データを受信した状態量計測装置10は、呈色部位41,42,43における表色系指数をそれぞれ算出し、呈色部位41,43における表色系指数に基づいて呈色部位42の状態量を判定する。
【0021】
図2は、状態量計測装置10の構成を示すブロック図である。同図に示す状態量計測装置10は、入力部11、領域検出部12、指数算出部13および状態量判定部14を備える。
【0022】
入力部11は、少なくとも2つの状態量が既知の呈色部位41,43と観測対象の検知媒体の呈色部位42を含む画像データの入力を受け付ける。状態量が既知とは、状態量が数値化されていることであり、検知媒体が呈色部位41,43と同じ色になるための状態量が分かっている。基準色となる呈色部位41,43には、色が変化する前のものと、完全に色が変化したものを用いることが望ましい。
【0023】
領域検出部12は、画像データにおける各呈色部位41,42,43の位置、領域を検出する。呈色部位41,42,43の位置や領域を検出するためには、予めそれぞれを示すマーカを設ける方法や、特定の色とそれ以外の色とを分離する処理(色抽出)などを用いる。色抽出は、カラー画像処理に用いられる前処理手法のひとつして一般的に行われており、色抽出処理ソフトウェアモジュールも入手可能である。
【0024】
指数算出部13は、各呈色部位41,42,43の領域における所定の表色系に基づく指数を求める。表色系としては、RGB表色系、HSL表色系、マンセル表色系、オストワルト表色系およびPCCS(Practical Color Coordinate System:日本色研配色体型)などが知られている。
【0025】
RGB表色系は、色を赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の3色の組み合わせにより表現したものである。コンピュータのディスプレイで用いられる。
【0026】
HSL表色系は、色を色相(Hue)、彩度(Saturation)、輝度(Luminance)で表現したものである。
【0027】
マンセル表色系は、色を色相(hue)、彩度(chroma)、明度(value)の3つの属性で表現する。色相は、赤、黄、緑、青、紫の5色を基本とする。明度は、黒(0)から白(10)までの11段階で表現する。各色相、明度ごとに無彩色(灰色)から最も鮮やかな色(単色)までに分ける。JISに採用されている。
【0028】
オストワルト表色系は、全ての色を、白、黒、純色(各色相)の混合として表す。白、黒、純色を3つの頂点とする正三角形すなわち色三角形を無彩色(白、灰、黒)を軸として構成する。
【0029】
表色系に基づく指数とは、例えば、RGB各8ビットのRGB表色系で表現された画像データを用いる場合、領域内の画素それぞれのRGBの画像信号値(0−255)の平均や最頻値など、数値化した色を統計処理することにより算出したものである。
【0030】
指数算出部13で利用する表色系としては、表色系に基づく指数と計測対象の状態量とが関数関係で表せるものならば任意の表色系を利用することができる。グレースケールを用いてもよい。
【0031】
状態量判定部14は、状態量と指数との関係を表す関数に指数算出部13が算出した指数を代入し、計測対象の状態量を判定する。基準色となる呈色部位41,43における表色系に基づく指数と、計測対象の呈色部位42における表色系に基づく指数との距離関係を求めることで呈色部位42の状態量を判定することができる。ここで、距離とは、状態量が既知の呈色部位41と呈色部位43の差分量に対する呈色部位41と状態量を求める呈色部位42の差分量の割合のことである。呈色部位42の状態量は、基準となる呈色部位41からの変化量から計算することができる。表色系に基づく指数は撮影環境など影響されるが、複数の基準となる呈色部位41,43と計測対象の呈色部位42とを同時に撮影することで、求める状態量におけるその影響を抑制することができる。
【0032】
[実施例1]
次に、上記状態量計測システムにより、状態変化と呈色が線形関係にある青色のシート状の対象物を用いてガス濃度を判定する場合について説明する。観測する対象物は、ガス濃度に応じて青色が脱色するものである。例えば、市販のオゾン検知シートは、最初は濃い青色であるが、空気中に置いておくことによって、空気中に含まれるオゾンと反応して徐々に青色が薄くなる。十分に反応が進むとオゾン検知シートは脱色されて基板色(白色)に近くなる。
【0033】
図3に、状態量計測システムの動作の流れを示す。まず、撮影装置30は、複数の呈色部位41,42,43を含む台紙40を撮影し、呈色部位41,42,43を含む画像データをネットワーク20を介して状態量計測装置10へ送信する。入力部11は、画像データを受信し、メモリなどの記憶装置に記憶させる(S301)。ここで呈色部位41は、未使用のオゾン検知シートであり、濃い青色である。一方、呈色部位43は、十分に反応させて脱色したオゾン検知シートである。呈色部位42は、状態量が未知の観測対象のオゾン検知シートである。
【0034】
なお、画像データは、必ずしもネットワーク20を介して状態量計測装置10へ入力する必要はなく、磁気ディスク、光ディスクあるいは半導体メモリーなどの記憶媒体を介して状態量計測装置10へ入力するものであってもよいし、状態量計測装置10が撮影装置30を内蔵する構成としてもよい。
【0035】
続いて、領域検出部12は、記憶装置から画像データを読み出し、各呈色部位41,42,43の領域を検出する(S302)。
【0036】
続いて、指数算出部13は、各領域の画像データのRGB値のうちRの値の平均を計算して、各呈色部位41,42,43の指数とする(S303)。図4は、ガス濃度(オゾンの暴露量)とオゾン検知シートにおける画像信号RGBそれぞれの画像信号値との関係を示した図である。同図に示すように、ガス濃度に対応してもっとも変化量が大きい画像信号がRであり、画像信号Rの画像信号値から精度よくガス濃度を数値化できる。したがって、画像信号値Rを用いて表色系指数を算出する。本実施例では、Rの値を用いたが、これに限定するものではなく、他の値を用いても良いし、別の表色系を用いてもよい。
【0037】
そして、状態量判定部14は、測定対象の状態量と表色系指数との関係を表す関数に状態量が既知の呈色部位41,43の表色系指数と、観測対象である呈色部位42の表色系指数とを代入して状態量を求める(S304)。本実施例では、状態変化と呈色が線形関係にあるので、次式(1)で示す線形関数を用いてガス濃度を数値化する。
【数1】

【0038】
ここで、R(青)は、未使用時のオゾン検知シートから算出した表色系指数であり、R(白)は、十分に反応させて脱色したオゾン検知シートから算出した表色系指数であり、R(対)は、観測対象のオゾン検知シートから算出した表色系指数である。また、Aは、オゾン検知シートの反応飽和状態に対応する濃度である。
【0039】
図5は、上記の状態量計測システムを使用し、640ppb×時間の積算量のオゾンで検知紙が白色となるオゾン検知紙を撮影し、オゾン濃度を計測した結果のグラフである。この実験では、外部空気を取り入れるが温湿度を一定に保った実験槽内にオゾン検知紙を24時間吊し、そのオゾン検知紙を1時間ごとにインターネットカメラで撮影した。実験槽内のオゾン濃度は屋外の濃度変化とほぼ同じである。比較のため、図5のグラフに実験槽内のオゾン濃度を実際に測定した結果も示す。各時間の左側の斜線を付した棒グラフがオゾン濃度を測定した結果を示し、右側の棒グラフが状態量計測システムにより計測した結果である。各時間毎のオゾン濃度は、暴露した積算のオゾン濃度から1時間前の積算のオゾン濃度を引くことで、その1時間におけるオゾン濃度を算出した。図5に示すように、実験槽内で測定した濃度と、検知紙の画像から状態量計測システムが計算した濃度とはよく一致していることがわかる。
【0040】
[実施例2]
次に、アルコールに反応して色が変化するガス検知管を用いた例を示す。このガス検知管は、呼気などに含まれるアルコールの量に応じて内部の検知剤の色が変化する。ガス検知管の色は、未使用時は黄色であるが、アルコールの量に応じて徐々に緑色に近くなる。
【0041】
図6は、未使用時の画素信号値RGBの頻度分布を示すグラフであり、図7は、少量のアルコールに反応させた時の画素信号値RGBの頻度分布を示すグラフであり、図8は、大量のアルコールに反応させた時の画素信号値RGBの頻度分布を示すグラフである。横軸は画像信号値、縦軸は画素数を示している。それぞれの図の符号601,701,801は、画素信号値Rの分布を示し、符号602,702,802は、画素信号値Gの分布を示し、符号603,703,803は、画素信号値Bの分布を示している。各図を比較すると、アルコール量に応じて符号601,701,801で示す画素信号値Rが最も変化していることが分かる。したがって、ガス検知管の画像信号値Rを用いて表色系指数を算出することで、精度よくアルコール濃度を数値化することが可能である。具体的には、次式(2)で示す線形関数を用いてアルコール濃度を検出する。
【数2】

【0042】
ここで、未使用時のガス検知管の表色系指数をR(黄)、十分な量のアルコールと反応させた時のガス検知管の表色系指数をR(緑)、観測対象のガス検知管の表色系指数をR(対)とする。Bは、ガス検知管を飽和反応させるのに必要なアルコール濃度である。
【0043】
以上説明したように、本実施の形態によれば、基準となる呈色部位41,43と状態量を計測する呈色部位42とが同一の画像データに含まれるように撮影し、呈色部位41,42,43それぞれの表色系指数を算出し、算出した表色系指数それぞれに基づいて呈色部位42の状態量を求める。これにより、基準となる呈色部位41,43も測定対象の呈色部位42と同様に照明や撮影機材の違いで画像データにおける色がばらつくが、そのばらつき方は呈色部位41,43と呈色部位42とで変わらないので、撮影条件の影響を抑制してより正確に状態量を測定することが可能となる。また、安価でさまざまな場面で利用可能な携帯電話のカメラ、デジタルカメラあるいはインターネットカメラなどの撮影機材を使って、状態に応じて色が変化する対象物体の状態を数値化できるので、高価で利用方法が限定される分光光度計などの光学測定器を用いる必要がなくなる。
【0044】
なお、図9に示すように、入力される画像データ90は、n個(n=1,2,3・・・)の計測対象となる呈色部位92,93を含むものでもよい。同図に示すように、基準となる呈色部位91,94を加えた(n+2)個の呈色部位91,92,93,94を含む画像データ90を入力し、計測対象となる呈色部位92,93の状態量をそれぞれ測定することで、複数の呈色部位92,93の状態量をまとめて測定することができる。また、入力する画像データは、基準となる呈色部位を3つ以上含むものでもよい。
【0045】
また、本願発明は、撮影時の照明スペクトル強度、照射角度、撮影機材の性能といった撮影環境によって生じる電子画像上の表色の揺らぎを抑制するために基準となる呈色部位と計測対象の呈色部位とが含まれた1枚の電子画像を用いたが、上記の撮影環境が十分管理され、電子画像上の表色の揺らぎが抑制された環境において、観測対象となる検知媒体をそれぞれ異なる電子画像とした場合であっても、電子画像毎に表色系指数を算出し、本願発明の状態量計測方法により状態量を特定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】一実施の形態における状態量計測システムの構成を示す図である。
【図2】上記状態量計測システムが備えた状態量計測装置の構成を示すブロック図である。
【図3】上記状態量計測システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【図4】オゾンの暴露量と観測対象であるオゾン検知シートの色の画像信号値との関係を示した図である。
【図5】実験槽内のオゾン濃度の測定結果と上記状態量計測システムの計測結果を示すグラフである。
【図6】アルコール用ガス検知管の未使用時の画素信号値RGBの頻度分布を示すグラフである。
【図7】アルコール用ガス検知管に少量のアルコールを反応させたときの画素信号値RGBの頻度分布を示すグラフである。
【図8】アルコール用ガス検知管に大量のアルコールを反応させたときの画素信号値RGBの頻度分布を示すグラフである。
【図9】上記状態量計測システムに入力する別の画像データを示す図である。
【符号の説明】
【0047】
10…状態量計測装置
11…入力部
12…領域検出部
13…指数算出部
14…状態量判定部
20…ネットワーク
30…撮影装置
40…台紙
41,42,43…呈色部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
観測対象の状態量を検知媒体の呈色により計測する状態量計測方法であって、
少なくとも2つの既知の状態量に対応する呈色部位と観測対象である呈色部位を含む画像データを受け付けるステップと、
前記画像データから前記呈色部位のそれぞれに該当する領域を検出するステップと、
前記領域のそれぞれにおいて表色系に基づく指数を算出するステップと、
前記状態量と前記指数との関係を表す関数に算出した前記指数を代入し、前記観測対象の状態量を判定するステップと、
を有することを特徴とする状態量計測方法。
【請求項2】
前記指数は、前記領域内の画像データを統計処理することにより算出することを特徴とする請求項1記載の状態量計測方法。
【請求項3】
前記状態量と前記指数との関係は線形であることを特徴とする請求項1又は2記載の状態量計測方法。
【請求項4】
前記表色系は、RGB表色系、HSL表色系、グレースケールのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の状態量計測方法。
【請求項5】
前記観測対象は、検知紙あるいは検知管のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の状態量計測方法。
【請求項6】
観測対象の状態量を検知媒体の呈色により計測する状態量計測装置であって、
少なくとも2つの既知の状態量に対応する呈色部位と観測対象である呈色部位を含む画像データを受け付ける入力手段と、
前記画像データから前記呈色部位のそれぞれに該当する領域を検出する領域検出手段と、
前記領域のそれぞれにおいて表色系に基づく指数を算出する指数算出手段と、
前記状態量と前記指数との関係を表す関数に算出した前記指数を代入し、前記観測対象の状態量を判定する状態量判定手段と、
を有することを特徴とする状態量計測装置。
【請求項7】
前記指数は、前記領域内の画像データを統計処理することにより算出することを特徴とする請求項6記載の状態量計測装置。
【請求項8】
前記状態量と前記指数との関係は線形であることを特徴とする請求項6又は7記載の状態量計測装置。
【請求項9】
前記表色系は、RGB表色系、HSL表色系、グレースケールのいずれかであることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1つに記載の状態量計測装置。
【請求項10】
前記観測対象は、検知紙あるいは検知管のいずれかであることを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれか1つに記載の状態量計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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