説明

電子眼鏡用レンズ、電子眼鏡及び電子眼鏡用レンズの製造方法

【課題】電子眼鏡用レンズと眼鏡フレームとの導通をレンズの凹部又は開口部を利用して良好に行うことを可能とする電子眼鏡用レンズ、電子眼鏡及び電子眼鏡用レンズの製造方法を提供すること。
【解決手段】電子眼鏡1は、第1透明基板と、第2透明基板と、第1及び第2透明基板間に挟持された光学的可変構造と、光学的可変構造と接続された接続ライン112、122と、第1又は第2透明基板の一方に設けられた凹部又は開口部を有し、凹部又は開口部が設けられた領域に接続ラインの少なくとも一部が存在するように接続ラインは前記第1又は第2透明基板に設けられ、接続ラインと接続することによって光学的可変構造と導通可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子眼鏡用レンズ、電子眼鏡及び電子眼鏡用レンズの製造方法に関し、特に、眼鏡フレームと容易に導通可能な電子眼鏡用レンズ、電子眼鏡及び電子眼鏡用レンズの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の電圧を印加することによって着色された色が消える着消色機構を有するレンズを、眼鏡フレームに組み込み、眼鏡フレーム内に別途配置された電源と接続させる構造を有する眼鏡が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、上記の眼鏡では、レンズの着消色機構とレンズの外周に設けられた上部電極及び下部電極とを接続し、さらに上部電極及び下部電極と眼鏡フレームに設けた導電体と接続して、レンズの着消色機構に電圧を印加するように構成している。
【0004】
しかしながら、レンズの外周に電極が設けられているため、装着者の視界を妨げたり、美観を損ねたりするという不具合があった。また、レンズの外形は、組み込まれる眼鏡フレームに応じて加工されるが、レンズの外周に電極が設けられていたのでは、レンズの外形を自由に加工させることができず、様々な眼鏡フレームに組み込むことができないという不具合もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平3−35523号公報(図1、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、上記の問題点を解決することを目的とした電子眼鏡用レンズ、電子眼鏡及び電子眼鏡用レンズの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、電子眼鏡用レンズと眼鏡フレームとの導通をレンズの凹部又は開口部を利用して良好に行うことを可能とする電子眼鏡用レンズ、電子眼鏡及び電子眼鏡用レンズの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
さらに、本発明は、複数種類の眼鏡フレームに合わせてレンズを加工した場合でも、電子眼鏡用レンズと眼鏡フレームとの導通をレンズの端面側から良好に行うことを可能とする電子眼鏡用レンズ、電子眼鏡及び電子眼鏡用レンズの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電子眼鏡用レンズは、第1透明基板と、第2透明基板と、第1及び第2透明基板間に挟持された光学的可変構造と、光学的可変構造と接続された接続ラインと、第1又は第2透明基板の一方に設けられた凹部又は開口部を有し、凹部又は開口部が設けられた領域に接続ラインの少なくとも一部が存在するように接続ラインは第1又は第2透明基板に設けられ、接続ラインと接続することによって光学的可変構造と導通可能に構成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る電子眼鏡用レンズは、第1透明基板と、第2透明基板と、第1透明基板と前記第2透明基板との間に配置された中間基板と、第1透明基板と前記中間基板との間に挟持された第1光学的可変構造と、第2透明基板と前記中間基板との間に挟持された第2光学的可変構造と、第1又は第2光学的可変構造と接続された接続ラインと、第1又は第2透明基板の一方に設けられた凹部又は開口部を有し、凹部又は開口部が設けられた領域に接続ラインの少なくとも一部が存在するように接続ラインは第1又は第2透明基板又は前記中間基板に設けられ、接続ラインと接続することによって第1及び第2の光学的可変構造と導通可能に構成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る電子眼鏡は、電圧を印加するための接続用端子を有する眼鏡用眼鏡フレームと、本発明に係る電子眼鏡用レンズを有し、電子眼鏡用レンズが眼鏡用眼鏡フレームに組み込まれた場合に、接続用端子と前記光学的可変構造とが導通可能に構成されることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る電子眼鏡用レンズの製造方法は、第1透明基板又は第2透明基板に凹部又は開口部を形成し、第1又は第2透明基板に接続ラインを設け、光学的可変構造を挟持し且つ凹部又は開口部が設けられた領域に前記接続ラインの少なくとも一部が存在するように第1及び第2透明基板を張り合わせ、第1及び第2透明基板を張り合わせたものの外形をレンズ形状となるように形成する、ステップを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る電子眼鏡用レンズ、電子眼鏡及び電子眼鏡用レンズの製造方法では、電子眼鏡用レンズの端面側から眼鏡フレームとの導通が可能であるので、レンズの表面や裏面に接続用の配線等を行う必要がなく、電子眼鏡としても機能を果たしながら、良好なデザイン性を確保することが可能となった。
【0014】
また、本発明に係る電子眼鏡用レンズ、電子眼鏡及び電子眼鏡用レンズの製造方法では、電子眼鏡用レンズを複数の種類の眼鏡フレームに合わせて加工しても、その端面側から眼鏡フレームとの導通が可能であるので、電子眼鏡としても機能を果たしながら、良好なデザイン性を確保することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】電子眼鏡1の部分概略図である。
【図2】電子眼鏡用レンズ100を説明するための図である。
【図3】エッジング前の電子眼鏡用レンズ100´を構成する2枚の透明基板を示す図である。
【図4】図2(a)のAA´断面図である。
【図5】液晶レンズ構造によるフレネルレンズ面の構造を説明するための図である。
【図6】電子眼鏡用レンズ100とスプリングコネクタとの接続状態を示す図である。
【図7】電子眼鏡用レンズ100の製造工程を説明するための図である。
【図8】エッジング前の電子レンズ100´の変形例を示す図である。
【図9】エッジング前の電子レンズ100´の他の変形例を示す図である。
【図10】図9に示すエッジング前の電子レンズの変形例を示す図である。
【図11】エッジング前の電子眼鏡用レンズ160´を示す図である。
【図12】図11に示す電子眼鏡用レンズ160´の斜視図である。
【図13】エッジング前の電子眼鏡用レンズ170´を示す図である。
【図14】エッジング前の電子眼鏡用レンズ190´を示す図である。
【図15】エッジング前の電子眼鏡用レンズ200´を示す図である。
【図16】エッジング前の電子眼鏡用レンズ210´を示す図である。
【図17】電子眼鏡用レンズ300を説明するための図である。
【図18】エッジング前の電子眼鏡用レンズ300´を構成する2枚の透明基板及び透明中間基板を示す図である。
【図19】図17(a)のKK´断面図である。
【図20】第1スプリングコネクタ10及び第2スプリングコネクタ20と、電子眼鏡用レンズ300における各層との導通状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下図面を参照して、本発明に係る電子眼鏡用レンズ及び電子眼鏡用について説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0017】
図1は、電子眼鏡1の部分概略図である。
【0018】
図1(a)に示す様に、電子眼鏡1は、眼鏡フレーム2、ヨロイ部3、蝶番4、テンプル5、ブリッジ6、パッド7を含み、眼鏡フレーム2には、電子眼鏡用レンズ100が組み込まれている。ヨロイ部3には、電子眼鏡用レンズ100の液晶レンズ構造50と導通するためのスプリングコネクタ10及び20、スプリングコネクタ10及び20と接続された電源部としての電池を含む電圧供給部30、デッィプスイッチ31等が内蔵されている。
【0019】
図1(b)は、眼鏡フレーム2の内側からスプリングコネクタ10及び20の方向を示す図である。図1(b)に示す様に、スプリングコネクタ10及び20が、後述する電子眼鏡用レンズ100の第1凹部113及び第2凹部123に挿入可能に配置されている。
【0020】
電子眼鏡用レンズ100の中心部分には、後述する様に、フレネルレンズ面上に配置された第1透明電極101及び第1透明電極101に対向する第2透明電極102を含む液晶レンズ構造50が形成されている。第1透明電極101及び第2透明電極102間に電圧が印加されない場合には、液晶レンズ構造50は動作せず、電子眼鏡1は電子眼鏡用レンズ100が本来有するレンズパワーを得ることができる。第1透明電極101及び第2透明電極102間に電圧供給部20から所定の電圧が印加されると、液晶レンズ構造50は所定のパワーを有するレンズとして動作するので、電子眼鏡用レンズ100の液晶レンズ構造50がある部分では、電子眼鏡用レンズ100が本来有するレンズの焦点距離を液晶レンズ構造50が可変するように動作する。
【0021】
例えば、電子眼鏡用レンズ100自体を遠点に焦点が合うようなパワーを得られるレンズ形状とし、液晶レンズ構造50が動作しない場合には、電子眼鏡は遠点用の眼鏡として作用させ、液晶レンズ構造50が動作すると、電子眼鏡は近点用の眼鏡として作用するように設計することが考えられる。液晶レンズ構造への電圧の印加のON/OFFを電子眼鏡1のディップスイッチ31によって行うようにすれば、ディップスイッチ31によって任意に切り替え可能な遠近両用の電子眼鏡1を提供することが可能となる。なお、電子眼鏡用レンズによって提供できる種類の眼鏡は上記のものに限定されず、様々な種類、例えば、遠視用のパワーを複数段で切り替え可能な遠視用電子眼鏡、近視用のパワーを複数段で切り替え可能な近視電子眼鏡等、乱視用又は老眼用等、に適用することが可能である。
【0022】
図2及び図3は、電子眼鏡用レンズ100を説明するための図である。
【0023】
図2(a)は、図1に示す電子眼鏡1に装着された電子眼鏡用レンズ100の外形を電子眼鏡1の眼鏡フレーム2に合わせ、点線Bにてエッジングする前の電子眼鏡用レンズ100´の平面図であり、図2(b)は、エッジング前の電子眼鏡用レンズ100´の側面図である。
【0024】
図3(a)は第1透明基板110を示し、図3(b)は第2透明基板120を示す図である。第1透明基板110及び第2透明基板120は、円柱状の基板である。第1透明基板110及び第2透明基板120は、シール部材131及び液晶層130等を挟持するようにして張り合わせた後に、外形がレンズ形状(例えば、凹レンズ)を有するように加工されて、図2(a)に示すようにエッジング前の電子眼鏡用レンズ100´となる。なお、製造方法の詳細については、図7を用いて後述する。
【0025】
図3(a)に示す様に、第1透明基板110には、第2透明基板120と接続される側には、第1凹部113が形成されている。また、第1透明基板110上に配置されたフレネルレンズ構造116上には、スパッタリング法によってITO(酸化インジウムスズ)を材料として形成された第1透明電極111、及び第1透明電極111と接続された第1接続ライン112が配置されている。
【0026】
図3(b)に示す様に、第2透明基板120には、第1透明基板110と接続される側には、第2凹部123が形成されている。なお、第1凹部113は第2接続ライン122に対向する位置に配置され、第2凹部123は第1接続ライン112に対向する位置に配置されている。また、第2透明基板120上には、スパッタリング法によってITOを材料として形成された第2透明電極121、及び第2透明電極121と接続された第2接続ライン122が配置されている。
【0027】
なお、透明導電膜等を形成する前の段階の、凹部を形成した第1透明基板110及び第2透明基板120の形状は同一であるので、各々の基板上に膜付けをする工程も同一な工程を用いることができ、エッジング前の電子眼鏡用レンズ100´の形成は、容易に且つ比較的安価に行うことが可能である。
【0028】
図2(b)に示す様に、眼鏡フレーム2に設けられた第1スプリングコネクタ10は、電子眼鏡用レンズ100の端部側から第2凹部123に挿入され、第2凹部123の内側に配置される第1接続ライン112と接触する。第1スプリングコネクタ10が内蔵するスプリングバネによって、第1スプリングコネクタ10の先端部11側面が第2凹部123の内側に配置された第1接続ライン112に押し付けられるので、第1スプリングコネクタ10と第1接続ライン112との導通が確保される(図6(a)参照)。
【0029】
図2(b)に示す様に、眼鏡フレーム2に設けられた第2スプリングコネクタ20は、電子眼鏡用レンズ100の端部側から第1凹部113に挿入され、第1凹部113の内側に配置される第2接続ライン122と接触する。第2スプリングコネクタ20が内蔵するスプリングバネによって、第2スプリングコネクタ20の先端部21側面が第1凹部113の内側に配置された第2接続ライン122に押し付けられるので、第2スプリングコネクタ20と第2接続ライン122との導通が確保される(図6(a)参照)。
【0030】
なお、第1凹部113及び第2凹部123をそれぞれ長さw1の長方形に形成したが、第1凹部113及び第2凹部123の長さ及び形状は、これらに限定されるものではなく、例えば形状は円形、楕円形、三角形等の他の多角形状であっても良い。また、凹部の幅は、挿入されるスプリングコネクタの直径等に応じて適宜選択することが可能である。
【0031】
図4は、図2(a)のAA´断面図である。
【0032】
図4に示すように、電子眼鏡用レンズ100は、第1透明基板110、第2透明基板120、及び第1及び第2透明基板110及び120とシール部材131とに挟持される液晶層130等から構成される。液晶層130としては、ホモジニアス配向型の液晶が用いられるが、垂直配向型の液晶やツイステッドネマティック液晶を用いても良い。
【0033】
第1透明基板110上には、透明基板から発生するガスが液晶層130へ侵入しないようにするための第1ガスバリア層114(SiO2、膜厚200nm)、フレネルレンズ構造116、フレネルレンズ構造116上に配置された第1透明電極111(ITO、膜厚50nm)、第1透明電極111上に配置された第1配向膜115(膜厚50nm)等が配置されている。なお、フレネルレンズ構造116上に第1ガスバリア層114を配置する構成でも構わない。
【0034】
第2透明基板120上には、透明基板から発生するガスが液晶層130へ侵入しないようにするための第2ガスバリア層124(SiO2、膜厚200nm)、第1透明電極111と対向した透明平面電極である第2透明電極121(ITO、膜厚50nm)、第2透明電極121上に配置された第2配向膜125(膜厚50nm)等が配置されている。
【0035】
第1透明電極111と第2透明電極121との間隔を一定に保つために、シール部材131中には、樹脂やシリカで構成されたスペーサ(直径10.5μm)が複数配置されている(図示せず)。シール部材131の外周部には、透明性樹脂134が充填されている。
【0036】
第1及び第2透明基板110及び120は、厚さ5mmの円柱状のポリカーボネイトを材料として用いているが、その厚さに限定されないし、ガラスを材料として用いても良い。フレネルレンズ構造116は、アクリルを材料として用いているが、環状オレフィン系の透明樹脂、ラジカル重合型のアクリル系US硬化樹脂、カオチン重合型のエポキシ系US硬化樹脂、熱硬化性樹脂、無機−有機ハイブリッド材料等の光学材料を用いても良い。
【0037】
図中w2は液晶レンズ構造50の部分を示し、図4の例では、w2=20mmであり、図中w3はエッジング前の電子眼鏡用レンズ100´の外形寸法を示し、図4の例ではw3=75mmである。しかしながら、上記の値は一例であって、他の値を採用することも可能である。
【0038】
図4においては、説明の便宜上、各基板や層の厚さの縮尺を変更して記載しており、その関係で、電子眼鏡用レンズ100は、図2(b)に示すように、所定のレンズ形状としては記載していない点に留意されたい。また、上述した各基板や層の厚さの値は一例であって、上記の値に限定されるものではない。
【0039】
図5は、液晶レンズ構造によるフレネルレンズ面の構造を説明するための図である。
【0040】
図5は、フレネルレンズ面の頂点(すなわち、光軸上のレンズ面の点)を原点に半径方向のフレネルレンズ面の断面を表している。図の横軸は半径方向の位置を示し、縦軸は、光軸方向の位置を示している。
【0041】
図5の点線116´は、液晶レンズ構造が有するレンズ特性の元となるレンズ面を表している。レンズ面は、一般のレンズと同様に、光軸に対して中心対象の連続局面として設計される。そこで、レンズ面の光軸に沿った位置が頂点と同じ位置となるように、レンズ面に段差を設けることにより、図5に示すフレネル構造116の断面形状を得る(図面上は、便宜のためフレネル116の斜面は直線であるが、実際は点線116´のように曲線である)。これによって、段差で区切られた輪帯を複数有するフレネルレンズ面が形成される。図3〜図5におけるフレネルレンズ構造116では、4つの輪帯を有しているが、輪帯の数は一例であって、これに限定されるものではない。
【0042】
上述したエッジング前の電子眼鏡用レンズ100´では、図2(a)に示す第1凹部113及び第2凹部123の幅w1の間のどこで加工して電子眼鏡用レンズ100としても、電子眼鏡用レンズ100の端部側から、スプリングコネクタとの接続を得ることが可能となる(図6(a)参照)。したがって、従来技術で説明したように、電子眼鏡用レンズ100の外形を予め定めることなく、様々な形状の眼鏡フレームに対応することが可能となった。また、シール部材131の外周部には、第1及び第2透明基板110及び120の間へ透明性樹脂134がエッジング前に充填されるが、透明性樹脂134は、毛細管現象を用いて基板間に配置されるため、あらかじめ基板上に凹部を設けた場合には、凹部全領域に透明性樹脂134が入り込むことはない。よって、エッジング後に、電子眼鏡レンズ100の外形がどのような形状であっても、凹部の位置に対応して設けられた接続ラインは常に露出されることになり、スプリングコネクタと電気的に接続することが可能となる。
【0043】
図6は、電子眼鏡用レンズ100とスプリングコネクタとの接続状態を示す図である。
【0044】
図6(a)は、図1〜図5に示す電子眼鏡用レンズ100の点線Mで囲われた部分の拡大図である。前述したように、第1スプリングコネクタ10が内蔵するスプリングバネによって、第1スプリングコネクタ10の先端部11側面が第2凹部123の内側に配置された第1接続ライン112に押し付けられて、第1スプリングコネクタ10と第1接続ライン112との導通が確保される。同様に、第2スプリングコネクタ20が内蔵するスプリングバネによって、第2スプリングコネクタ20の先端部21側面が第1凹部113の内側に配置された第2接続ライン122に押し付けられるので、第2スプリングコネクタ20と第2接続ライン122との導通が確保される。
【0045】
図6(b)は、接続部分の変形例を示している。図6(b)の例では、第1凹部113の内側に透明性樹脂65を充填している。透明性樹脂65は、ちょうど、挿入される第2スプリングコネクタ20の先端部が到達する箇所まで充填されている。同様に、第2凹部123の内側には、ちょうど、挿入される第1スプリングコネクタ10の先端部11が到達する箇所まで、透明性樹脂66が充填されている。凹部に空間が残っていると、空気層が発生し、空気層がある部分とそうでない部分(樹脂部分)とが、明確に区別されてしまう為、外部からレンズを観察した場合に好ましくない印象を与える可能性がある。そこで、電子眼鏡用レンズのエッジング後に、基板の端部から第1凹部113の内側及び第2凹部123の内側へ透明性樹脂を充填して、そのような不具合を解消するようにした。
【0046】
図6(c)は、接続部分の更に他の変形例を示している。図6(b)では、スプリングコネクタの先端部を挿入する隙間を残して、第1凹部113及び第2凹部123の内側に透明性樹脂65及び66を充填した。しかしながら、図6(c)の例では、図6(b)のスプリングコネクタの先端部を挿入した隙間に、つまり第1凹部113を完全に埋めるように導電材67を充填した。同様に、第2凹部123を完全に埋めるように導電材68を充填した。そして、導電材68と第1スプリングコネクタ10の先端部11とが接触し、導電材67と第2スプリングコネクタ20の先端部21とが接触するように構成した。なお、導電材67及び導電材68は、金属、導電ペースト、透明導電インク等によって形成する。導電材67及び導電材68を配置することによって、接続ラインとスプリングコネクタの導通をより確実におこなうことができる。また、導通材が不透明な場合は、なるべく眼鏡フレーム2に隠れるよう、電子眼鏡用レンズ100の最外周位置に導電材が配置されることが好ましい。
【0047】
図6(d)は、接続部分の更に他の変形例を示している。図6(d)の例と図6(c)の例との差異は、図6(d)の例において、電子眼鏡用レンズ100の端面に、図6(c)で図示した導電材68及び導電材67と接する第1接続部183及び第2接続部184を形成したことである。また、この第1接続部183及び第2接続部184の形成した幅を、電子眼鏡用レンズ100の端面の幅いっぱいに取ったことである。図6(d)の例において、他の部分は図6(c)の例と同様である。このように幅広く第1接続部183及び第2接続部184を形成することによって、2つのスプリングコネクタの配置の自由度を上げることが可能となる。なお、第1接続部183及び第2接続部184の幅は、これに限定されるものではない。
【0048】
図6(b)から(d)の例では、第1凹部113及び第2凹部123は、ほとんど透明樹脂や導電材で充填されてしまっているので、全く空気層が形成されない。したがって、図6(b)から(d)の例では、空気層が形成されることによる不具合は全く無い。また、図6(c)と(d)の例では、導電材67と導電材68によって、スプリングコネクタの先端部と接触する面積を大きくすることができるため、第1接続ライン112と第2接続ライン122の幅を極力小さくして目立たなくさせることが好適である。
【0049】
図7は、電子眼鏡用レンズ100の製造工程を説明するための図である。以下、図7を用いて、電子眼鏡用レンズの製造工程を説明する。
【0050】
最初に、円柱状(厚さ5mm)の第1透明基板110に第1凹部113を切削加工により形成し、円柱状(厚さ5mm)の第2透明基板120に第2凹部123を切削加工により形成する(S10)。
【0051】
次に、第1透明基板110及び第2透明基板120上に、それぞれ、膜厚200nmのSiO2皮膜による第1ガスバリア層114及び第2ガスバリア層124を成膜する(S11)。
【0052】
次に、第1透明基板110上にフレネルレンズ構造116を配置する(S12)。なお、フレネルレンズ構造116は、別途UV硬化性のアクリル樹脂等を用いて形成して、第1透明基板110上に接着固定する。しかしながら、第1凹部113と同様に、第1透明基板を切削加工等することにより形成したり、キャスティングや射出成型で透明基板そのものと一体成型して作製したりしても良い。
【0053】
次に、第1透明基板110にフレネルレンズ構造116が配置されたものの上から、ITO膜の形成及びパターンニングを行い、第1透明電極111及び第1接続ライン112を形成する。同様に、第2透明基板120上に、ITO膜の形成及びパターンニングを行い、第2透明電極121及び第2接続ライン122を形成する(S13)。
【0054】
次に、第1透明基板110の第1透明電極111上に、第1配向膜115を成膜し、ラビング後にシール部材131を形成する。また、第2透明電極120の第2透明電極121上に、第2配向膜125を成膜しラビングする。その後、シール部材131内に液晶層130を形成する液晶を滴下した上で、第1透明基板110及び第2透明基板120を真空雰囲気で張り合わせて、シール部材131の外側(液晶層が形成されていない部分)に毛細管現象を用いて透明樹脂134を充填してブランクレンズ(レンズ外形形状が形成されていない状態)を完成させる(S14)。
【0055】
次に、ブランクレンズの外形を加工して、レンズ形状を形成し、フィニッシュドレンズ(エッジング前の電子眼鏡用レンズ100´)を完成させる(S15)。なお、レンズ形状の形成は、片面ずつ行うが、片面のみ形成されているものをセミフィニッシュドレンズと言う。
【0056】
次に、眼鏡フレーム2の形状に合わせて、フィニッシュドレンズをエッジングし、エッジング後のレンズ(電子眼鏡用レンズ100)を完成させ(S16)、液晶レンズ構造50とスプリングコネクタ10及び20との導通を図るように、眼鏡フレーム2へ装着することによって、電子眼鏡1を完成させる(S17)。なお、必要な場合には、エッジング(S16)後に、前述した図6(b)〜図6(d)に示すような、第1凹部113及び第2凹部123への透明樹脂65及び66、及び導電材67及び68の充填、更には第1接続部183及び第2接続部184の形成が行われる。
【0057】
本発明において、凹部(又は後述する開口部)が必要である理由の一つは、第1透明基板110及び第2透明基板120を真空雰囲気で張り合わせて、シール材の周囲に樹脂を充填する際に、接続ラインも樹脂で埋まってしまい、電子眼鏡用レンズの側面側から導通が取りにくくなってしまうことである。本発明では、凹部(又は後述する開口部)を接続ラインに対応する箇所に配置することによって、電子眼鏡用レンズの側面側から導通を取るためのスペース等を確保し、このような不具合を解消している。
【0058】
本発明において、広義で「電子眼鏡レンズ」と言った場合には、液晶レンズ構造50を有する、ブランクレンズ、セミフィニッシュドレンズ、フィニッシュドレンズ、及びエッジング後のレンズの全てを含むものとする。また、狭義で「電子眼鏡レンズ」と言った場合には、実際に眼鏡フレームに装着される例えば、電子眼鏡用レンズ100を指すものとする。
【0059】
図8は、エッジング前の電子レンズ100´の変形例を示す図である。
【0060】
図2及び図3の例は、第1凹部113及び第2凹部123は、第1透明基板110及び第2透明基板120の外縁まで伸延する「幅w1」を有していた。しかしながら、図8の例では、第2凹部140は、幅w4(<w1)を有しており、第2透明基板120の外縁まで届いていない。図示してはいないが、図8に示す第2透明基板120に対応する第1透明基板110の第1凹部も同様に幅w4を有している。なお、点線Bによるエッジング後の電子眼鏡用レンズは、図8に示す場合も、上述の電子眼鏡用レンズ100と同じ構成となる。
【0061】
図9は、エッジング前の電子レンズ100´の他の変形例を示す図である。
【0062】
図9(a)は、エッジング前の電子レンズ100´の他の変形例を構成する第2透明基板の平面図を示し、図9(b)は、電子レンズ100´からエッジングされた電子眼鏡用レンズ150の端面の拡大図を示している。
【0063】
図9(a)に示す第2透明基板120では、第2接続ライン122を配置する部分にも凹部152を形成している。第2接続ライン122は、スパッタリング法によってITOを材料として形成されるが、ITO粒子の回り込み現象によって凹部152の立体形状があったとしても成膜することができる。なお、図9(a)の箇所Cの部分の拡大部分断面をDとして示す。Dに示すように、凹部152の先端は鋭角ではなくアールが形成されているので、第2接続ライン122が凹部152の部分で断線することを防止している。また、図示していないが、図9に示す第2透明基板120と対応する第1透明基板110においても、同様に、第1接続ライン112が配置される部分にも凹部151が形成されており、凹部151の先端は鋭角ではなくアールが形成されている。
【0064】
図9(b)に示す様に、第1透明基板110及び第2透明基板120をシール材等を介して張り合わせると、第1凹部113に対向する位置に凹部152が配置され、第2凹部123に対向する位置に凹部151が配置されることとなる。したがって、第1スプリングコネクタ10及び第2スプリングコネクタ20は、それぞれ第1凹部113と凹部152との間に形成される空間及び第2凹部123と凹部151との間に形成される空間に挿入される。ここで、第1凹部113と凹部152及び第2凹部123と凹部151の深さを適宜調整すれば、第1スプリングコネクタ10を挿入する位置の真上に第2スプリングコネクタ20を挿入する位置を配置することができる。したがって、眼鏡フレーム2に形成する第1スプリングコネクタ10及び第2スプリングコネクタ20の位置を、図1(b)に示すように、垂直方向に相互にずらす必要がなくなるという利点がある。
【0065】
図9(a)に示す拡大部分断面Dにおいて、スプリングコネクタの先端部は、凹部152のアールが形成されている部分に配置された第1接続ライン152(箇所「N」参照)と接触しても、第1接続ライン152の平坦な部分(箇所「O」参照)と接触しても良い。
【0066】
図10は、図9に示すエッジング前の電子レンズ100´の変形例を示す図である。
【0067】
図9では、第1接続ライン112及び第2接続ライン122の部分に構成する凹部151及び152を、第1透明基板110及び第2透明基板120の外縁まで伸ばすように配置した。しかしながら、図10に示すように、第2接続ライン122の部分に構成する凹部152´は、必ずしも、第2透明基板120の外縁まで延長する必要はない。また、図示してはいないが、第1透明基板110の第1接続ライン112の部分に構成する凹部151´についても同様である。
【0068】
図11は、エッジング前の電子眼鏡用レンズ160´を示す図である。
【0069】
図11(a)はエッジング前の電子眼鏡用レンズ160´を構成する第1透明基板110の平面図であり、図11(a)はエッジング前の電子眼鏡用レンズ160´を構成する第2透明基板120の平面図であり、図11(c)は、エッジング前の電子眼鏡用レンズ160´の側面図である。
【0070】
図11に示すエッジング前の電子眼鏡用レンズ160´では、エッジング前の電子眼鏡用レンズ100´の第1凹部113の代わりに第1開口部161を設けた第1透明基板110と、第2凹部123の代わりに第2開口部162を設けた第2透明基板120からエッジング前の電子眼鏡用レンズ160´を構成している。
【0071】
電子眼鏡用レンズ160´をエッジングして電子眼鏡用レンズ160とした場合であっても、第1開口部161及び第2開口部162によって、第1スプリングコネクタ10及び第2スプリングコネクタ20と、第1接続ライン112及び第2接続ライン122との導通を取ることが、電子眼鏡用レンズ100と同様に可能である。なお、開口部の形状も、長方形に限定されるものではなく、例えば円形、楕円形、三角形等の他の多角形状であっても良い。さらに、開口部を透明樹脂によって充填するようにしても良い。
【0072】
図12(a)は図11に示す電子眼鏡用レンズ160´の斜視図であり、図12(b)は図11に示す電子眼鏡用レンズ160´の変形例(電子眼鏡用レンズ160´´)を示す図である。
【0073】
図12(a)に示す開口部161の様にレンズの縁まで開口部を設けずに、図12(b)に示す様に、開口部161´を孔状にしても良い。なお、図12(b)の場合には、図示していないが、第2透明基板120についても開口部162´を孔状に形成している。また、孔の形状も、長方形に限定されるものではなく、例えば円形、楕円形、三角形等の他の多角形状であっても良い。
【0074】
図13は、エッジング前の電子眼鏡用レンズ170´を示す図である。
【0075】
図13(a)はエッジング前の電子眼鏡用レンズ170´を構成する第1透明基板110の平面図であり、図13(b)はエッジング前の電子眼鏡用レンズ170´を構成する第2透明基板120の平面図であり、図13(c)は、エッジング前の電子眼鏡用レンズ170´の端部側図である。
【0076】
図13に示す様に、エッジング前の電子眼鏡用レンズ100´の第1凹部113の代わりに第1開口部161を設け、更に、第1接続ライン112が配置される箇所に凹部171を設けた第1透明基板110と、エッジング前の電子眼鏡用レンズ100´の第2凹部123の代わりに第2開口部162を設け、更に、第2接続ライン122が配置される箇所に凹部172を設けた第2透明基板120とからエッジング前の電子眼鏡用レンズ170´を構成している。なお、開口部及び凹部の形状は、長方形に限定されるものではなく、例えば円形、楕円形、三角形等の他の多角形状であっても良いし、凹部は、第1及び第2透明基板の外縁まで延長されても良い。
【0077】
図13(c)に示す様に、第1透明基板110及び第2透明基板120をシール材等を介して張り合わせると、第1開口部161に対向する位置に凹部172が配置され、第2開口部162に対向する位置に凹部171が配置される。したがって、第1スプリングコネクタ10及び第2スプリングコネクタ20は、それぞれ第1開口部161と凹部172との間に形成される空間及び第2開口部162と凹部171との間に形成される空間に挿入される。ここで、凹部171及び172の深さを適宜調整すれば、第1スプリングコネクタ10を挿入する位置の真上に第2スプリングコネクタ20を挿入する位置を配置することできる。したがって、眼鏡フレーム2に形成する第1スプリングコネクタ10及び第2スプリングコネクタ20の位置を、図1(b)に示すように、垂直方向に相互にずらす必要がなくなるという利点がある。
【0078】
図14は、エッジング前の更に他の電子眼鏡用レンズ190´を示す図である。
【0079】
図14(a)はエッジング前の電子眼鏡用レンズ190´を構成する第1透明基板110の平面図であり、図14(a)はエッジング前の電子眼鏡用レンズ190´を構成する第2透明基板120の平面図であり、図14(c)はエッジング前の電子眼鏡用レンズ190´の平面図であり、図14(d)は電子眼鏡用レンズ190の側面図である。
【0080】
図14(a)に示すように、第1透明基板110では、第1接続ライン191のみを配置し、図14(b)に示すように、第2透明基板120では、第2接続ライン192、第3接続ライン193、第2接続ライン192の端部に配置された孔状の第1開口部195、第3接続ライン193の端部に配置された孔状の第2開口部196を設けた。また、図14(c)に示すように、第1透明基板110と第2透明基板120とをシール材等を介して張り合わせる場合に、第1接続ライン191と第3接続ライン193とが対向するように構成され、さらに導通ペースト197を介して第1接続ライン191と第3接続ライン193とが導通されるように構成されている。
【0081】
図14(d)に示す様に、点線Bの箇所で電子眼鏡用レンズ190に加工した場合には、電子眼鏡用レンズ190の端部に第1開口部195及び第2開口部196が配置されることとなり、第1開口部195の箇所を通じて第2接続ライン192と第2スプリングコネクタ20とが接触可能に構成され、第2開口部196の箇所を通じて第3接続ライン193と第1スプリングコネクタ10が接触可能に構成されている。なお、電子眼鏡用レンズ190では、第1スプリングコネクタ10を挿入する位置の真上に第2スプリングコネクタ20を挿入する位置を配置することがき、したがって、眼鏡フレーム2に形成する第1スプリングコネクタ10及び第2スプリングコネクタ20の位置を、図1(b)に示すように、垂直方向に相互にずらす必要がなくなるという利点がある。なお、第2接続ライン192と第3接続ライン193を設置する透明基板は、第1透明基板110と第2透明基板120においてエッジング後の厚みが厚い方にする方がスプリングコネクタとの接続面積を大きくできるので好適である。
【0082】
なお、開口部の孔形状は、円形に限定されるものではなく、例えば楕円形、三角形、長方形等の他の多角形状であっても良いし、2つの開口部を1つの大きな開口部としても良い。
【0083】
図15は、エッジング前の電子眼鏡用レンズ200´を示す図である。
【0084】
図15(a)はエッジング前の電子眼鏡用レンズ200´を構成する第1透明基板110の平面図であり、図15(a)はエッジング前の電子眼鏡用レンズ200´を構成する第2透明基板120の平面図であり、図15(c)はエッジング前の電子眼鏡用レンズ200´の平面図である。
【0085】
図15(a)に示すように、第1透明基板110では、第1透明電極111以外の部分、つまり接続ラインを全てITOによってベタ透明電極203とし、第1凹部201及び第1凹部と異なる長さを有する第2凹部202を配置した。また、図15(b)に示すように、第2透明基板120でも、同様に第2透明電極121以外の部分、つまり接続ラインを全てITOによってベタ透明電極206とし、第3凹部204及び第3凹部と異なる長さを有する第4凹部205を配置した。さらに、図15(c)に示すように、第1透明基板110と第2透明基板120とをシール材等を介して張り合わせる場合に、第1凹部201と第4凹部205とが対向するように構成され、第2凹部202と第3凹部203とが対向するように構成されている。
【0086】
図15(c)に示す様に、点線Bの箇所で電子眼鏡用レンズ200に加工した場合には、電子眼鏡用レンズ200の端部Eにおいて、第1凹部201と第4凹部205とが対向することによって形成される開口部に第2スプリングコネクタ20が挿入可能となる。端部Eの部分拡大断面図Fに示す様に、開口部に挿入された第2スプリングコネクタ20の先端部21は、第1凹部201と第4凹部205との長さの違い(w5)から、第1透明基板110側の第1凹部201の端部と接触し、ベタ透明電極203と導通する。
【0087】
同様に、図15(c)に示す様に、点線Bの箇所で電子眼鏡用レンズ200に加工した場合には、電子眼鏡用レンズ200の端部Gにおいて、第2凹部202と第3凹部204とが対向することによって形成される開口部に第1スプリングコネクタ10が挿入可能となる。端部Gの部分拡大断面図Hに示す様に、開口部に挿入された第1スプリングコネクタ10の先端部11は、第2凹部202と第3凹部204との長さの違い(w5)から、第2透明基板120側の第3凹部204の端部と接触し、ベタ透明電極206と導通する。
【0088】
電子眼鏡用レンズ200では、第1凹部201と第4凹部205の深さと、第2凹部202と第3凹部204の深さを調整することによって、第1スプリングコネクタ10を挿入する位置の真上に第2スプリングコネクタ20を挿入する位置を配置することがき、したがって、眼鏡フレーム2に形成する第1スプリングコネクタ10及び第2スプリングコネクタ20の位置を、図1(b)に示すように、垂直方向に相互にずらす必要がなくなるという利点がある。また、接続ラインを全てITOによってベタ透明電極とできることで、ITOをパターニングする工程が不要となり、工程を簡略化できるため、容易且つ比較的安価に作製することが可能である。
【0089】
なお、凹部の形状は、長方形に限定されるものではなく、例えば円形、楕円形、三角形、長方形等の他の多角形状であっても良いし、第1凹部201〜第4凹部205の形状を異ならせても良いし、同じ形状にしても良い。
【0090】
図16は、エッジング前の電子眼鏡用レンズ210´を示す図である。
【0091】
図16(a)はエッジング前の電子眼鏡用レンズ210´を構成する第1透明基板110の平面図であり、図16(a)はエッジング前の電子眼鏡用レンズ210´を構成する第2透明基板120の平面図であり、図16(c)はエッジング前の電子眼鏡用レンズ210´の平面図であり、図16(d)は点線Bの箇所で加工した電子眼鏡用レンズ210の端部側の部分拡大図である。
【0092】
図16(a)に示すように、第1透明基板110では、第1透明電極111以外の部分を全てITOによってベタ透明電極212とし、第1凹部211を配置した。また、図16(b)に示すように、第2透明基板120では、第2透明電極121以外の部分を全てITOによってベタ透明電極214とし、第2凹部213を配置した。さらに、図16(c)に示すように、第1透明基板110と第2透明基板120とをシール材等を介して接続する場合に、第1凹部211と第2凹部213とが対向するように構成されている。
【0093】
図16(c)に示す様に、点線Bの箇所で電子眼鏡用レンズ210に加工した場合には、電子眼鏡用レンズ210の端部Iにおいて、第1凹部211と第2凹部213とが対向することによって形成される開口部に第1スプリングコネクタ10及び第2スプリングコネクタ20が挿入可能となる。端部Iの部分拡大断面図Jに示す様に、開口部に挿入された第1スプリングコネクタ10の先端部11は、第1凹部211の段差部と接触し、ベタ透明電極212と導通する。同様に、開口部に挿入された第2スプリングコネクタ20の先端部21は、第2凹部213の段差部と接触し、ベタ透明電極214と導通する。
【0094】
電子眼鏡用レンズ210では、第1スプリングコネクタ10と第2スプリングコネクタ20とを挿入する箇所を、端面の同じ箇所にすることができるので、凹部形状の領域を減らすことが可能となるという利点がある。
【0095】
なお、凹部の形状は、長方形に限定されるものではなく、例えば円形、楕円形、三角形、長方形等の他の多角形状であっても良いし、第1凹部211及び第2凹部213の形状を異ならせても良いし、同じ形状にしても良い。
【0096】
図17及び図18は、電子眼鏡用レンズ300を説明するための図である。
【0097】
前述した電子眼鏡用レンズは、2枚の透明基板をシール材等を介して張り合わせることによって構成したが、電子眼鏡用レンズ300では、第1透明基板310と第2透明基板320との間に透明中間基板330を有している。また、電子眼鏡用レンズ300では、第1透明基板310と透明中間基板330との間に挟持された第1液晶層351による第1液晶レンズ構造60と、第2透明基板320と透明中間基板330との間に挟持された第2液晶層361による第2液晶レンズ構造70とを有している。さらに、第1液晶レンズ構造60と第2液晶レンズ構造70とは、偏光特性が直行するように配置されており、その結果、電子眼鏡用レンズ300では、偏光依存性を無くすことが可能となっている。
【0098】
図17(a)は、例えば、図1に示す電子眼鏡1に装着可能なように、点線Bの箇所で外形を電子眼鏡1の眼鏡フレーム2に合わせて加工する前の電子眼鏡用レンズ300´の平面図であり、図17(b)は、加工後の電子眼鏡用レンズ300の端部側の部分拡大図である。図18(a)はエッジング前の電子眼鏡用レンズ300´を構成する第1透明基板310を示し、図18(b)はエッジング前の電子眼鏡用レンズ300´を構成する第2透明基板320を示し、図18(c)はエッジング前の電子眼鏡用レンズ300´を構成する透明中間基板330の第1透明基板側の面を示し、図18(d)はエッジング前の電子眼鏡用レンズ300´を構成する透明中間基板330の第2透明基板側の面を示す図である。
【0099】
図18(a)に示す様に、第1透明基板310には、後述するフレネルレンズ構造354上にスパッタリング法によってITOを材料として形成された第1透明電極311、及び第1透明電極311と接続された第1接続ライン312及び第2接続ライン313が配置されている。また、第1透明基板310には、第1透明電極311、第1接続ライン312及び第2接続ライン313とは絶縁された第3接続ライン314が配置されている。
【0100】
図18(b)に示す様に、第2透明基板320には、後述するフレネルレンズ構造364上にスパッタリング法によってITOを材料として形成された第2透明電極321、及び第2透明電極321と接続された第4接続ライン322及び第5接続ライン323が配置されている。また、第2透明基板320には、第2透明電極321、第4接続ライン322及び第5接続ライン323とは絶縁された第6接続ライン324が配置されている。
【0101】
図18(c)に示す様に、透明中間基板330の第1透明基板310側には、ITOから構成される第3透明電極333(アイランド電極)及び第3透明電極333と絶縁され、ほぼ前面を覆うITOから構成される第4透明電極331が配置されている。図18(d)に示す様に、透明中間基板330の第2透明基板320側には、ITOから構成される第5透明電極343(アイランド電極)及び第5透明電極343と絶縁され、ほぼ前面を覆うITOから構成される第6透明電極341が配置されている。また、透明中間基板330には、第1スルーホール332が設けられており、第4透明電極331と第6透明電極341とを導通している。また、透明中間基板330には、第2スルーホール334が設けられており、第3透明電極333と第5透明電極343とを導通している。
【0102】
第1透明基板310及び第2透明基板320の間に透明中間基板330を挟み込むように各透明基板が接続されてエッジング前の電子眼鏡用レンズ300´が構成される時に、第1透明基板310の第3接続ライン314と透明中間基板330の第4透明電極331がポイント336の箇所で導電ペースト316によって接続され、第2透明基板320の第6接続ライン324と透明中間基板330の第6透明電極341がポイント346の箇所で導電ペースト326によって接続される。さらに、第1透明基板310の第1接続ライン312と透明中間基板330の第2透明電極333がポイント335の箇所で導電ペースト315によって接続され、第2透明基板320の第4接続ライン322と透明中間基板330の第5透明電極343がポイント345の箇所で導電ペースト325によって接続される。
【0103】
なお、第1透明基板310及び第2透明基板320の形状は同一であるので、各々の基板上に膜付けをする工程も同一な工程を用いることができ、エッジング前の電子眼鏡用レンズ300´の形成は、容易に且つ比較的安価に行うことが可能である。
【0104】
図17(b)に示すように、エッジング後において第2接続ライン313と接続するようにITO又は導電ペーストによって第1接続部371が電子眼鏡用レンズ300の端部側に形成され、加工後において第3接続ライン314と接続するようにITO又は導電ペーストによって第2接続部372が電子眼鏡用レンズ300の端部側に形成される。
【0105】
2つのスプリングコネクタと電子眼鏡用レンズ300との接続方式は、上記の接続部を形成することに限定されず、前述した、凹部叉は開口部を形成することによって行うようにしても良い。
【0106】
図19は、図17(a)のKK´断面図である。
【0107】
図19に示すように、電子眼鏡用レンズ300の第1液晶レンズ構造60は、第1透明基板310、透明中間基板330、及び第1透明基板310及び透明中間基板330とシール部材352とに挟持される液晶層351等から構成される。液晶層351としては、ホモジニアス配向型の液晶が用いられるが、垂直配向型の液晶を用いても良い。
【0108】
第1透明基板310上には、透明基板から発生するガスが液晶層351へ侵入しないようにするための第1ガスバリア層317、フレネルレンズ構造354、フレネルレンズ構造354上に配置された第1透明電極311、第1透明電極311上に配置された第1配向膜318等が配置されている。
【0109】
透明中間基板330の第1透明基板310側には、透明基板から発生するガスが液晶層351へ侵入しないようにするための第2ガスバリア層337、第1透明電極311と対向した透明平面電極である第3透明電極331、第3透明電極331上に配置された第2配向膜338等が配置されている。
【0110】
第1透明電極311と第3透明電極331との間隔を一定に保つために、シール部材352中には、樹脂で構成されたスペーサが複数配置されている。シール部材352の外周部には、透明性樹脂353が充填されている。
【0111】
図19に示すように、電子眼鏡用レンズ300の第2液晶レンズ構造70は、第2透明基板320、透明中間基板330、及び第2透明基板320及び透明中間基板330とシール部材362とに挟持される液晶層361等から構成される。液晶層361としては、ホモジニアス配向型の液晶が用いられるが、垂直配向型の液晶を用いても良い。
【0112】
第2透明基板320上には、透明基板から発生するガスが液晶層361へ侵入しないようにするための第3ガスバリア層327、フレネルレンズ構造364、フレネルレンズ構造364上に配置された第2透明電極321、第2透明電極321上に配置された第3配向膜328等が配置されている。
【0113】
透明中間基板330の第2透明基板320側には、透明基板から発生するガスが液晶層361へ侵入しないようにするための第4ガスバリア層347、第2透明電極321と対向した透明平面電極である第6透明電極341、第6透明電極341上に配置された第4配向膜348等が配置されている。
【0114】
第2透明電極321と第6透明電極341との間隔を一定に保つために、シール部材362中には、樹脂で構成されたスペーサが複数配置されている。シール部材362の外周部には、透明性樹脂363が充填されている。
【0115】
上記の各層の層厚、及び材質等は、前述したエッジング前の電子眼鏡用レンズ100´の例と同様であるので、説明を省略する。また、図19においては、説明の便宜上、各基板や層の厚さの縮尺を変更して記載している点に留意されたい。さらに、第1及び第2液晶レンズ構造のレネルレンズ面の構造に関しても、前述したエッジング前の電子眼鏡用レンズ100´の例と同様であるので、説明を省略する。
【0116】
図20は、第1スプリングコネクタ10及び第2スプリングコネクタ20と、電子眼鏡用レンズ300における各層との導通状態を説明するための図である。
【0117】
図17(b)に示す様に、眼鏡フレーム2に設けられた第1スプリングコネクタ10は、電子眼鏡用レンズ300の端部側から接続部371と接触する。これによって、第1スプリングコネクタ10は、第2接続ライン313、第2接続ライン313と導通する第1透明電極311及び第1接続ライン312、第1接続ライン312と導電ペースト315を介して導通された第3透明電極333、第3透明電極333とスルーホール334を介して導通する第5透明電極343、第5透明電極と導電ペースト325を介して導通する第4接続ライン322、第4接続ライン322と導通する第2透明電極321と導通し、各電極及びラインを所定の電位とすることが可能となる。
【0118】
図17(b)に示す様に、眼鏡フレーム2に設けられた第2スプリングコネクタ20は、電子眼鏡用レンズ300の端部側から接続部372と接触する。これによって、第2スプリングコネクタ20は、第3接続ライン314、第3接続ライン314と導電ペースト316を介して導通する第3透明電極331、第3透明電極331とスルーホール332を介して導通する第6透明電極341、第6透明電極341と導電ペースト326を介して導通する第6導通ライン324と導通し、各電極及びラインを所定の電位とすることが可能となる。
【0119】
図20に示す導通状態によって、第1透明電極311と対向するベタ電極として動作する第3透明電極331との間と、第2透明電極321と対向するベタ電極として動作する第6透明電極341との間に、同時に、第1スプリングコネクタ10と第2スプリングコネクタ20間の電圧を印加することが可能となる。即ち、電子眼鏡用レンズ300の接続部371及び372と、第1スプリングコネクタ10及び第2スプリングコネクタ20とが導通することによって、第1液晶レンズ構造60及び第2液晶レンズ構造70に所定の電圧が同時に印加される。
【0120】
なお、第3透明電極331及び第6透明電極341の形状や、2つのスプリングコネクタによって、2つの液晶レンズ構造の対向する2枚の透明電極間に電圧を印加する構造等は、上記のものに限定されず、他の構成を採用しても良い。図20では、導通状態を分かり易く説明するために、電子眼鏡用レンズ300の構造を簡略化している点に留意されたい。また、上記の例では、第1液晶レンズ構造60及び第2液晶レンズ構造70に所定の電圧が同時に印加されるように構成したが、4つのスプリングコネクタを利用して、別々の電圧が別個に印加されるようにしても良い。
【0121】
上述した様々な電子眼鏡用レンズと導通するためのスプリングコネクタの代わりに、板バネ、ネジ、ピン、導電ペースト、半田付け、FPC等を利用することも可能である。また、上述した様々な電子眼鏡用レンズでは、2つのスプリングコネクタと導通を取るような構成を有しているが、眼鏡フレーム2が導電性である場合には、一方のスプリングコネクタの代わりに眼鏡フレーム2自体を代用するようにしても良い。
【0122】
上述した様々な電子眼鏡用レンズでは、焦点を可変するための透明な液晶レンズ構造50等を、光学的可変構造として利用した。しかしながら、本発明は、第1または第2の基板に電極を設けた電子眼鏡用レンズであれば、いかなる光学的可変構造のものでも利用することができる。例えば、電子眼鏡用レンズに、透明電熱線を加熱して曇り止めを行うための曇り止め機構、電圧を印加するとレンズに色が付く色可変または調光機構(サングラスとして利用)、3D映画やテレビを見るためのシャッタ機構、ヘッドセットディスプレイとして利用するための液晶表示機構等の印加電圧を変化させることによって光学的構造又は機能が変化する光学的可変構造を設けることも可能である。
【符号の説明】
【0123】
1 電子眼鏡
2 眼鏡フレーム
10 第1スプリングコネクタ
20 第2スプリングコネクタ
50、60、70 液晶レンズ構造
100´、160´、170´、180´、190´、200´、210´、300´ エッジング前の電子眼鏡用レンズ
100、160、170、180、190、200、210、300 電子眼鏡用レンズ
110 第1透明基板
120 第2透明基板
113、123、140、151、152 凹部
161、162、195、196 開口部
181、182 接続部
201、202、205、206 凹部
310 第1透明基板
320 第2透明基板
330 透明中間基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1透明基板と、
第2透明基板と、
前記第1及び第2透明基板間に挟持された光学的可変構造と、
前記光学的可変構造と接続された接続ラインと、
前記第1又は第2透明基板の一方に設けられた凹部又は開口部と、を有し、
前記凹部又は開口部が設けられた領域に前記接続ラインの少なくとも一部が存在するように、前記接続ラインは前記第1又は第2透明基板に設けられ、
前記接続ラインと接続することによって、前記光学的可変構造と導通可能に構成されている、
ことを特徴とする電子眼鏡用レンズ。
【請求項2】
電圧を印加するための接続用端子が、前記電子眼鏡用レンズの端面側から前記凹部又は開口部に挿入されて、前記接続ラインと接続することによって、前記接続用端子と前記光学的可変構造とが導通可能に構成される、請求項1に記載の電子眼鏡用レンズ。
【請求項3】
前記凹部又は開口部に充填された透明樹脂を更に有する、請求項2に記載の電子眼鏡用レンズ。
【請求項4】
前記接続ラインと導通し、前記接続端子と接触可能に前記凹部又は開口部に充填された導電材を更に有する、請求項2又は3に記載の電子眼鏡用レンズ。
【請求項5】
前記導電材と導通し、前記接続端子と接触可能に前記電子眼鏡用レンズの端面に設けられた接続部を更に有する、請求項4に記載の電子眼鏡用レンズ。
【請求項6】
前記凹部又は開口部は、複数の種類の眼鏡フレームに組み込むために電子眼鏡用レンズがエッジングされた後に、エッジング後のレンズの端面に配置されるように、所定の幅を有している、請求項1〜5の何れか一項に記載の電子眼鏡用レンズ。
【請求項7】
第1透明基板と、
第2透明基板と、
前記第1透明基板と前記第2透明基板との間に配置された中間基板と、
前記第1透明基板と前記中間基板との間に挟持された第1光学的可変構造と、
前記第2透明基板と前記中間基板との間に挟持された第2光学的可変構造と、
前記第1又は第2光学的可変構造と接続された接続ラインと、
前記第1又は第2透明基板の一方に設けられた凹部又は開口部と、を有し、
前記凹部又は開口部が設けられた領域に前記接続ラインの少なくとも一部が存在するように、前記接続ラインは前記第1又は第2透明基板又は前記中間基板に設けられ、
前記接続ラインと接続することによって、前記第1及び第2の光学的可変構造と導通可能に構成されている、
ことを特徴とする電子眼鏡用レンズ。
【請求項8】
電圧を印加するための接続用端子を有する眼鏡用眼鏡フレームと、
請求項1〜6の何れか一項に記載の電子眼鏡用レンズと、を有し、
前記電子眼鏡用レンズが前記眼鏡用眼鏡フレームに組み込まれた場合に、前記接続用端子と前記光学的可変構造とが導通可能に構成される、
ことを特徴とする電子眼鏡。
【請求項9】
光学的可変構造を有する電子眼鏡用レンズの製造方法であって、
第1透明基板又は第2透明基板に凹部又は開口部を形成し、
前記第1又は第2透明基板に接続ラインを設け、
前記光学的可変構造を挟持し且つ前記凹部又は開口部が設けられた領域に前記接続ラインの少なくとも一部が存在するように、前記第1及び第2透明基板を張り合わせ、
前記第1及び第2透明基板を張り合わせたものの外形をレンズ形状となるように形成する、
ステップを有することを特徴とする電子眼鏡用レンズの製造方法。
【請求項10】
レンズ形状に形成された前記第1及び第2透明基板を張り合わせたものをエッジングして電子眼鏡用レンズと成し、
前記電子用レンズの側面側に存在する前記凹部又は開口部に、透明樹脂又は導電材を充填する、ステップを更に有する、請求項9に記載の電子眼鏡用レンズの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−158634(P2011−158634A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−19079(P2010−19079)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【Fターム(参考)】