説明

電子眼鏡

【課題】使用者にとって電子眼鏡本体へ接続する際の位置合わせが簡単にできる接続機構を備えた着脱可能な電源装置を持つ電子眼鏡を提供する
【解決手段】接続端子を持つ着脱可能な電源装置を備えた電子眼鏡において、前記接続端子の一部に第1の帯磁素子を設け、前記接続端子が接続すべき電子眼鏡本体の接続端子受け部の前記第1の帯磁素子と対向する面に磁極が前記第1の帯磁素子の磁極と反対の向きになるように第2の帯磁素子を配置する電子眼鏡。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子眼鏡に使用される電源装置に関し、より詳細には、着脱可能な小型電源装置に好適に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子眼鏡に使用される着脱可能な電源装置は、眼鏡本体のデザインを損なうことなく小型軽量化できることから、ノーズパッド、モダンを用いたものが多く検討されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【特許文献1】特開昭62−237662号公報
【特許文献2】特開2007−304587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の構成では、眼鏡に使用するための電源装置は、眼鏡に電力供給を行うために、眼鏡本体に確実に接続する必要がある。ところが、眼鏡に使用するための電源装置は非常に小さいので、使用者にとって電源装置を眼鏡本体へ接続するときの位置合わせが困難であるという課題を有していた。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、使用者にとって眼鏡本体へ接続する際の位置合わせが簡単にできる電源装置を備えた電子眼鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電子眼鏡は、接続端子を持つ着脱可能な電源装置を備えた電子眼鏡において、前記接続端子の一部に第1の帯磁素子を設け、前記接続端子が接続すべき電子眼鏡本体の接続端子受け部の前記第1の帯磁素子と対向する面に磁極が前記第1の帯磁素子の磁極と反対の向きになるように第2の帯磁素子を配置することを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の電子眼鏡によれば、前記接続端子の一部に設けた帯磁素子の磁力によって簡単に接続部の位置合わせができるため、前記電源装置と前記眼鏡本体との誤接続を防止することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に、本発明の電子眼鏡の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
【0008】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における電子眼鏡の概略図を示す。図1に示すように電子眼鏡の主構成部品は、可変焦点レンズ1とフレームである。フレームは、さらに、リム2、ブリッジ3、テンプル4、ヨロイ5、ヒンジ6、モダン7、ノーズパッド8の部品から成る。リム2は、可変焦点レンズ1を固定するために、その外周部を囲むように配置され、左右2つのリム2は、ブリッジ3によりお互いに接続されている。また、テンプル4とテンプル4の先端にあるモダン7とノーズパッド8は、顔に眼鏡を固定する役割を担う。ヨロイ5は、テンプル4につながるリム2の両端部であり、ヒンジ6はリム2とブリッジ3で構成されるフロント部とテンプル4を接続している。本実施例でのノーズパッド8は、着脱可能であり、その内部に可変焦点レンズ1に電力を供給するための電池を備えている。このノーズパッド8を、本発明の電源装置として、以下、その詳細を説明する。
【0009】
図2は本発明の実施の形態1における電源装置の概略図を示す。図2において、電源装置17は着脱可能なノーズパッド8で構成され、パッド芯10に電力が蓄えた電池を内蔵している。電源装置a17の眼鏡本体との接続は、芯線(電源接続端子)が接続する構造で、パッドボックス16、パッドアーム15を介して行なわれる。電源側の接続端子a11は、オス型(別名:凸型、ピンインサート など)構造で、永久磁石a12が隣接配置される。また、眼鏡本体側の接続端子b13は、メス型(別名:凹型、ソケットインサート など)構造で永久磁石b14が隣接配置される。ここで、電源装置と眼鏡本体との位置合わせを磁力で行なうため、永久磁石a12と永久磁石b14の極性(N極、S極)は異なる必要がある。また、磁力の極性(N極、S極)を電源の極性(+極、−極)ごとでも変えることで、接続端子a11と接続端子b13が対称構造でありながらも方向性を持ち、誤挿入が防止される。
【0010】
図3は本発明の実施の形態1におけるノーズパッドの構成図を示す。図3において、パッド芯10は下部ホルダーa18、電池20、上部ホルダーa19で構成され、下部ホルダーa18と上部ホルダーa19の電池20との接地には、接続端子c21と接続端子d22が使用される。また、下部ホルダーa18と上部ホルダーa19の接合部は、漏電・漏液防止のために接着剤等で封止されることが好ましいが方法はこれに限定するものではない。また、パッド芯はパッドに接着固定されるが、この方法以外にも一般的な眼鏡の固定方法が適用され、方法はこれに限定するものではない。
【0011】
図4は本発明の実施の形態1における電源装置の概略の配線図を示す。図4(a)は下部ホルダーa18の上視図を示す。図4(a)において、下部受け穴23は電池20を受ける溝の内部に接続端子c21を受ける溝を備えている。図4(b)は上部ホルダーa19の下視図を示す。図4(b)において、上部受け穴24は電池20を受ける溝の内部に接続端子c21および接続端子d22と接続されるための接続端子e25および接続端子f26を備えている。
【0012】
(実施の形態2)
次に、本発明の電源装置の別の実施例を実施の形態2に示す。実施の形態1との相異は、電源装置とパッドボックスとの接続形状にある。
【0013】
図5に、本発明の実施の形態2における電源装置の概略図を示す。図5に示すように、電源装置27は、着脱可能なノーズパッド8で構成され、パッド9に電力が蓄えられる。電源装置27と眼鏡本体との接続は、パッドボックス16、パッドアーム15を介して行なわれる。電源側の接続端子g30は、永久磁石d29(S極/メス型)に隣接配置され、眼鏡本体側の接続端子h31は、永久磁石c28(N極/オス型)に隣接配置される。電源装置と眼鏡本体との位置合わせを磁力で行なうため、永久磁石c28と永久磁石d29の極性(N極、S極)は異なる必要がある。また、磁力の極性(N極、S極)を電源の極性(+極、−極)ごとでも変えることで、接続端子g30と接続端子h31が対称構造でありながらも方向性を持ち、誤挿入が防止される。
【0014】
図6は本発明の実施の形態2におけるノーズパッドの構成図を示す。図6に示すように、パッド9は主に下部ホルダーb34、電池20、永久磁石d(S極/メス型)29で構成され、下部ホルダーb34と電池20、電池20と永久磁石d(S極/メス型)29との間には、それぞれ接続端子i32と接続端子j33が配置される。これにより、眼鏡本体側の接続端子h31と接地される。また、下部ホルダーb34と永久磁石d(S極/メス型)29の接合部は、漏電・漏液防止のために接着剤等で封止されることが好ましいが方法はこれに限定するものではない。また、パッド芯はパッドに接着固定されるが、この方法以外にも一般的な眼鏡の固定方法が適用され、方法はこれに限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明にかかる電子眼鏡は、電源供給するための電源装置が取り外し可能であり、且つ眼鏡本体への位置決めを容易に出来るように構成したので、人体に装着して用いる装着型の電子機器の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1における電子眼鏡の概略図
【図2】本発明の実施の形態1における電源装置の概略図
【図3】本発明の実施の形態1におけるノーズパッドの構成図
【図4】(a)本発明の実施の形態1における下部ホルダーa18の上視図(b)本発明の実施の形態1における上部ホルダーa19の下視図
【図5】本発明の実施の形態2における電源装置の概略図
【図6】本発明の実施の形態2におけるノーズパッドの構成図
【符号の説明】
【0017】
1 可変焦点レンズ
2 ブリッジ
3 リム
4 ヨロイ
5 ヒンジ
6 テンプル
7 モダン
8 ノーズパッド
9 パッド
10 パッド芯
11 接続端子a(オス型)
12 永久磁石a(N極/オス型)
13 接続端子b(メス型)
14 永久磁石b(S極/メス型)
15 パッドアーム
16 パッドボックス
17 電源装置
18 下部ホルダーa
19 上部ホルダーa
20 電池
21 接続端子c
22 接続端子d
23 下部受け穴
24 上部受け穴
25 接続端子e
26 接続端子f
27 電源装置
28 永久磁石c(N極/オス型)
29 永久磁石d(S極/メス型)
30 接続端子g
31 接続端子h
32 接続端子i
33 接続端子j
34 下部ホルダーb

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続端子を持つ着脱可能な電源装置を備えた電子眼鏡において、
前記接続端子の一部に第1の帯磁素子を設け、
前記接続端子が接続すべき電子眼鏡本体の接続端子受け部の前記第1の帯磁素子と対向する面に磁極が前記第1の帯磁素子の磁極と反対の向きになるように第2の帯磁素子を配置する電子眼鏡。
【請求項2】
前記接続端子には第1の電気配線が設けられており、
前記接続端子受け部には前記接続端子が接続されたときに前記第1の電気配線と接続できるように第2の電気配線が設けられている請求項1に記載の電子眼鏡。
【請求項3】
前記第1の電気配線と前記第2の配線は各々複数個あり、
前記第1の電気配線に平行して前記第1の帯磁素子がその磁極が交互になるように設けられており、
前記接続端子が接続されたときに前記第2の帯磁素子の磁極が前記第1の帯磁素子の磁極と反対になるように前記第2の電気配線に平行して設けられている請求項2に記載の電子眼鏡。
【請求項4】
前記第1及び第2の帯磁素子が、永久磁石である請求項1に記載の電子眼鏡。
【請求項5】
前記第1及び第2の帯磁素子が、各々被覆されるように配置されている請求項1に記載の電子眼鏡。
【請求項6】
前記電源装置が、ノーズパッドを兼用している請求項1に記載の電子眼鏡。
【請求項7】
前記ノーズパッドに、前記電源装置の接続端子を設ける請求項6に記載の電子眼鏡。
【請求項8】
前記ノーズパッドに、前記電源装置の電源を設ける請求項7に記載の電子眼鏡。
【請求項9】
前記電源が、1次電池又は2次電池である請求項8に記載の電子眼鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−237451(P2009−237451A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−86069(P2008−86069)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】