説明

電子端末

【課題】本体フレームの内部に進入した塵埃等が液晶表示画面とカバー部材との間に入り込むことを防止することができる電子端末を提供する。
【解決手段】矩形枠状の本体フレーム13と、表示画面用開口13aから液晶表示画面14が露出するように表示画面用開口13a内に配置された液晶表示ユニット15と、液晶表示画面14の表面側に配置されて表示画面用開口13aの表面側開口縁部に裏面側周縁部17aが貼着されるカバー部材17と、表示画面用開口13aの表面側開口縁部とカバー部材17の裏面側周縁部17aとを貼着する両面テープ16と、を備え、両面テープ16を表示画面用開口13aの内側に延在することによりカバー部材17の裏面側周縁部17aと液晶表示画面14の表面側周縁部とを貼着してこれらの間の隙間を塞いだ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面用開口を形成した矩形枠状の本体フレームに液晶表示画面を有する液晶表示ユニットを装着した電子端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、表示画面用開口を形成した矩形枠状の本体フレームに、表示画面開口から液晶表示画面が露出するように液晶表示ユニットを装着した電子端末が周知である。
【0003】
また、特に液晶表示画面が外部に露出しているような電子端末にあっては、液晶表示画面を保護するために、液晶表示画面の表面側にシールドやカバー部材等のカバー部材を設けると共に、両面テープ等を用いてカバー部材を本体フレームに固定したものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
図4乃至図7は、このような電子端末の一例を示し、図4は電子端末としての携帯電話端末の斜視図、図5は電子端末としての携帯電話端末の使用状態の斜視図、図6は電子端末としての携帯電話端末の要部の分解斜視図、図7は電子端末としての携帯電話端末の要部の断面図である。
【0005】
図4乃至図7において、電子端末としての携帯電話端末1は、テンキー等の複数の操作キー2を配置した操作器本体3と、操作器本体3にスライド変位可能に保持された矩形枠状の本体フレーム4と、本体フレーム4の表示画面用開口4aから液晶表示画面5が露出するように本体フレーム4の裏面側から挿入された液晶表示ユニット6と、本体フレーム4の表面側から挿入されて表示画面用開口4aを覆うように本体フレーム4に両面テープ7を介して貼着されたカバー部材8と、両面テープ7の内側で液晶表示画面5とカバー部材8との間の隙間を塞ぐ防塵用のクッション部材9と、を備えている。
【0006】
本体フレーム4は、矩形枠状の枠部4bと、枠部4bの内側から突出されて表示画面用開口4aを形成するリブ4cと、を一体に備え、このリブ4cによって表示画面用開口4aの開口縁部が形成される。
【0007】
これにより、両面テープ7は、表示画面用開口4aの開口縁部となるリブ4cの表面側(表面側開口縁部)に沿う枠状に形成されており、リブ4cの表面とカバー部材8の裏面側周縁部とに跨ることによって、本体フレーム4にカバー部材8を貼着している。
【0008】
クッション部材9は、両面テープ7の内側で液晶表示画面5の表示エリア外に位置するように矩形枠状とされ、液晶表示画面5の表面側周縁部とカバー部材8の裏面側周縁部との間に介在することによって、その隙間を塞ぎ、塵埃等が隙間に入り込まないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−108238号公報
【特許文献2】特開2008−148885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した電子端末にあっては、表示画面用開口4aを形成してその開口縁部を規定するリブ4cにある程度の肉厚を要すると共に、カバー部材8の裏面側周縁部を支持し、且つ、両面テープ7で本体フレーム4に貼着するために表示画面用開口4aに向けて(内側に向けて)突出させる必要があるため、本体フレーム4の裏面側から挿入された液晶表示ユニット6と本体フレーム4の表面側から挿入されたカバー部材8との間に隙間が発生し易いことから、クッション部材9を配置する必要があった。
【0011】
このため、クッション部材9を配置するために部品点数が増すうえ、液晶表示画面5の表示エリアにはみ出さないように位置決めをしなければならないといった、組み付け時に手間を要するという問題が生じていた。
【0012】
なお、特許文献1には、液晶表示画面を保持するフレーム枠をカバー部材と一緒に同一の両面テープで貼着したストレート型の携帯電話機が開示されている。また、特許文献2には、カバー部材をフレーム部材に貼着する両面テープを表示画面用開口にまで延在(オーバーハング)してその延在部分で塵埃を捕集するパチンコ遊技機用の液晶表示装置が開示されている。
【0013】
しかしながら、特許文献1,2の何れに記載のものにあっては、両面テープにより液晶表示画面の周縁部を直接封止するものではなかったため、依然として液晶表示画面とカバー部材との間に塵埃が進入してしまうという問題があった。
【0014】
そこで、本発明は、本体フレームの内部に進入した塵埃等が液晶表示画面とカバー部材との間に入り込むことを防止することができる電子端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため、本発明の電子端末は、表示画面用開口を形成した矩形枠状の本体フレームと、前記表示画面用開口から液晶表示画面が露出するように前記表示画面用開口内に配置された液晶表示ユニットと、前記液晶表示画面の表面側に配置されて前記表示画面用開口の表面側開口縁部に裏面側周縁部が貼着されるカバー部材と、表示画面用開口の前記表面側開口縁部と前記カバー部材の前記裏面側周縁部とを貼着する両面テープと、を備え、前記両面テープを前記表示画面用開口の内側に延在することにより前記カバー部材の前記裏面側周縁部と前記液晶表示画面の前記表面側周縁部とを貼着してこれらの間の隙間を塞いだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の電子端末は、本体フレームの内部に進入した塵埃等が液晶表示画面とカバー部材との間に入り込むことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子端末としての携帯電話端末の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る電子端末としての携帯電話端末の要部の分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る電子端末としての携帯電話端末の要部の断面図を示し、(A)は組み付け状態の要部の断面図、(B)は組み付け前の要部の断面図である。
【図4】従来の電子端末としての携帯電話端末の斜視図である。
【図5】従来の電子端末としての携帯電話端末の使用状態の斜視図である。
【図6】従来の電子端末としての携帯電話端末の要部の分解斜視図である。
【図7】従来の電子端末としての携帯電話端末の要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の一実施形態に係る電子端末を携帯電話端滅に適用し、図面を参照して説明する。尚、以下に示す実施例は本発明の電子端末における好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。また、以下に示す実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下に示す実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0019】
図1は本発明の一実施形態に係る電子端末としての携帯電話端末の斜視図、図2は本発明の一実施形態に係る電子端末としての携帯電話端末の要部の分解斜視図、図3は本発明の一実施形態に係る電子端末としての携帯電話端末の要部の断面図示し、図3(A)は組み付け状態の要部の断面図、図3(B)は組み付け前の要部の断面図である。
【0020】
図1乃至図3において、電子端末としての携帯電話端末11は、操作器本体12と、操作器本体12にスライド変位可能に保持された矩形枠状の本体フレーム13と、本体フレーム13の裏面側から挿入されて本体フレーム13の表示画面用開口13aから液晶表示画面14が露出した液晶表示ユニット15と、本体フレーム13の表面側から挿入されて両面テープ16を介して貼着されたカバー部材17と、を備えている。
【0021】
電子端末としての携帯電話端末11は、本実施の形態では操作器本体12にスライド変位可能となるように本体フレーム13を支持したスライド式が採用されている。
【0022】
操作器本体12は、テンキー等の複数の操作キー(図示せず)を配置しており、その内部には、通信・通話に関する制御回路基板(図示せず)等を配置しており、公知の上下(表裏)カバー12a,12bによって密閉状とされている。尚、図3においては、操作器本体12は公知のものを用いていることから、その内部構造等は省略している。
【0023】
本体フレーム13は、矩形枠状の枠部13bと、枠部13bの内側から突出されて表示画面用開口13aを形成するリブ13cと、を一体に備え、このリブ13cによって表示画面用開口13aの開口縁部が形成されている。尚、本体フレーム13は、枠部13bの内壁面のうち、リブ13cよりも裏面側(図3の下方側)の内壁面13dが裏面側に向って拡開するように傾斜されている。
【0024】
液晶表示ユニット15は、液晶表示画面14と、例えば、本体フレーム13の内壁面13dに当接することによって、その傾斜形状により密閉性を確保する裏面カバー18と、液晶表示画面14と裏面カバー18との間に配置されたタッチパネル部19と、を備えている。
【0025】
両面テープ16は、例えば、紙製若しくはある程度のクッション性を備えた公知のものが用いられており、表示画面用開口13aの開口縁部となるリブ13cの表面側(表面側開口縁部)に沿う枠状に形成されており、リブ13cの表面とカバー部材17の裏面側周縁部17aとに跨ることによって、本体フレーム13にカバー部材17を貼着している。また、両面テープ16は、リブ13cの内側から表示画面用開口13aの内側に延在している。これにより、カバー部材17の裏面側周縁部17aと液晶表示画面14の表面側周縁部14aとを一つの両面テープ16で貼着し得て、液晶表示画面14とカバー部材17との間の隙間を塞ぐことができる。
【0026】
この際、両面テープ16は、液晶表示画面14の表面側周縁部14aの全周にわたって表示画面用開口13aの内側に延在させることにより、液晶表示画面14の表示エリアの犠牲を少なくしつつ、液晶表示画面14の表面側周縁部14aとカバー部材17の裏面側周縁部17aとの間を確実にシールすることができる。したがって、カバー部材17の表面側から本体フレーム13の内部に浸入しようとする塵埃は勿論、液晶表示ユニット15の裏面側(裏面カバー18と内壁面13dとの間)から進入した塵埃等が液晶表示画面14とカバー部材17との間に侵入することを防止することができる。
【0027】
カバー部材17は、例えば、透明(無色)な樹脂フィルムシート等が用いられており、液晶表示画面14の表面を保護している。尚、カバー部材17の材質や性質等は公知のものを用いることができる。
【0028】
上記の構成において、本体フレーム13の裏面側(液晶表示ユニット15の裏面側)から本体フレーム13の内部に進入した塵埃等は、両面テープ16によって液晶表示画面14とカバー部材17との間に侵入することを防止することができる。
【0029】
このように、本発明の電子端末にあっては、両面テープ16を表示画面用開口13aの内側に延在させることにより、液晶表示画面14とカバー部材17とを貼着して、これらの間を確実にシールする(塞ぐ)ことができる。
【符号の説明】
【0030】
11…携帯電話端末
12…操作器本体
12a…カバー(表面側)
12b…カバー(裏面側)
13…本体フレーム
13a…表示画面用開口
13b…枠部
13c…リブ
13d…内壁面
14…液晶表示画面
14a…表面側周縁部
15…液晶表示ユニット
16…両面テープ
17…カバー部材
17a…裏面側周縁部
18…裏面カバー
19…タッチパネル部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面用開口を形成した矩形枠状の本体フレームと、
前記表示画面用開口から液晶表示画面が露出するように前記表示画面用開口内に配置された液晶表示ユニットと、
前記液晶表示画面の表面側に配置されて前記表示画面用開口の表面側開口縁部に裏面側周縁部が貼着されるカバー部材と、
表示画面用開口の前記表面側開口縁部と前記カバー部材の前記裏面側周縁部とを貼着する両面テープと、を備え、
前記両面テープを前記表示画面用開口の内側に延在することにより前記カバー部材の前記裏面側周縁部と前記液晶表示画面の前記表面側周縁部とを貼着してこれらの間の隙間を塞いだことを特徴とする電子端末。
【請求項2】
前記両面テープは、前記液晶表示画面の前記表面側周縁部の全周にわたって前記表示画面用開口の内側に延在していることを特徴とする請求項1に記載の電子端末。
【請求項3】
前記本体フレームは、操作キーを配置した操作器本体にスライド変位可能に支持されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−57711(P2013−57711A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194682(P2011−194682)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】