電子筆記装置及び筆記データ処理装置
【課題】操作者による筆記内容を、操作者の意図する分類で仕分けして保存することができ、利便性を向上する。
【解決手段】電子筆記装置2のCPU201は、電子ペン3の複数の位置情報を取得し、この取得された位置情報に基づき、紙媒体70の任意の位置に記入されたマークMを検出する。またCPU201は、上記取得された複数の位置情報を用いてストロークデータを生成する。そしてCPU201は、上記生成されストロークデータを、上記検出されたマークMに対応したフォルダへ記憶させるための送信を行う。
【解決手段】電子筆記装置2のCPU201は、電子ペン3の複数の位置情報を取得し、この取得された位置情報に基づき、紙媒体70の任意の位置に記入されたマークMを検出する。またCPU201は、上記取得された複数の位置情報を用いてストロークデータを生成する。そしてCPU201は、上記生成されストロークデータを、上記検出されたマークMに対応したフォルダへ記憶させるための送信を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作者による筆記内容を電子データ化する電子筆記装置及び筆記データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
操作者が筆記具を用いて筆記した内容を電子データ化する電子筆記装置(筆記入力装置)が既に知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術では、被筆記媒体(普通紙)が、保持手段(手書き入力部のステージ)上に載置される。この状態で、操作者が、筆記具(電磁ペン)を用いて被筆記媒体に対し所望の筆記を行うと、手書き入力部の検出回路が上記筆記具の位置情報を検出し、複数の位置情報に基づき上記被筆記媒体への記載に対応したデータ(加筆データ)が生成される。筆記作業が終了すると、上記被筆記媒体への記載に対応したデータが、通信インターフェースを介して外部記憶装置(パソコン)に送信され、保存される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−147771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようにして筆記内容を電子データ化する場合、操作者によっては、多種多様な内容を被筆記媒体に筆記する場合がある。このような場合に、電子データ化された筆記内容を、操作者が意図するような分類に自動的に仕分けて保存することができれば非常に便利である。しかしながら、上記従来技術では、そのような点までは特に配慮されていなかった。
【0005】
本発明の目的は、操作者による筆記内容を、操作者の意図する分類で仕分けして保存することができ、利便性を向上できる電子筆記装置及び筆記データ処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願第1発明は、筆記具を用いた操作者の被筆記媒体への筆記動作に伴って移動する、前記筆記具の複数の位置情報を取得する位置取得手段と、前記位置取得手段により取得された前記位置情報に基づき、前記被筆記媒体の任意の位置に記入された、外部記憶装置に備えられた複数の格納先を選択するための識別用図像を検出する第1図像検出手段と、前記位置取得手段で取得された前記複数の位置情報を用いて、前記被筆記媒体において前記識別用図像に対し所定の位置関係にある、前記筆記具による前記被筆記媒体への記載に対応した画像データを生成する第1データ生成手段と、前記第1データ生成手段により生成された画像データを一時的に記憶する第1記憶手段と、前記画像データを前記外部記憶装置へ記憶させるために通信により送信する第1通信手段と、前記第1図像検出手段で前記識別用図像が検出されたことを契機に前記第1通信手段を制御し、前記第1データ生成手段により生成され前記第1記憶手段に記憶された画像データを、前記第1図像検出手段で検出された前記識別用図像に対応した前記格納先へ記憶するための送信を行う、第1送信制御手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
本願第1発明の電子筆記装置においては、操作者が筆記具を用いて筆記した内容を電子データ化することができる。すなわち、操作者が、所定の紙媒体などからなる被筆記媒体に対し筆記具を用いて所望の記載を行うと、筆記動作により移動する筆記具の複数の位置情報が位置取得手段によって取得される。そして、その取得された複数の位置情報を用いて、第1データ生成手段が上記被筆記媒体への記載に対応した画像データを生成する。この生成された画像データは第1記憶手段に一時的に記憶される。
【0008】
ここで、本願第1発明では、上記のようにして記憶された、記載内容に対応した画像データを、外部記憶装置における所望の格納先に振り分けて格納することが可能である。すなわち、操作者が、上記のように被筆記媒体に筆記による記載を行った後、生成された画像データを保存したい格納先に対応付けられた所定の識別用図像を、前記記載と所定の位置関係となる任意の位置に記入することで、当該格納先への格納指示を行う。
【0009】
すると、位置取得手段が取得する位置情報に基づき、第1図像検出手段が上記格納先に対応した識別用図像の記入を検出する。そして、第1図像検出手段による上記検出が行われたことを契機に第1送信制御手段が第1通信手段を制御することにより、上記第1記憶手段に記憶された画像データが無線通信により送信される。これにより、外部記憶装置に備えられた複数の格納先のうちの上記選択された格納先に、上記記載内容に対応した画像データが自動的に振り分けられ、格納される。
【0010】
以上のようにして、本願第1発明においては、操作者は、被筆記媒体に対し筆記具を用いて筆記したときの記載内容を、識別用図像の記入によって選択した所望の格納先に確実に振り分けて格納することができる。これにより、操作者は、筆記内容を自分の意図する分類で容易に仕分けながら保存することができるので、利便性を向上することができる。
【0011】
また、特に、上記の識別用図像の記入箇所は、被筆記媒体の特定の箇所に限定されることなく、被筆記媒体の上記記載に対し所定の位置関係となる限りにおいて、操作者が任意に選ぶことができる。したがって、識別用図像を記入できる領域(電子筆記装置側で認識できる領域)が被筆記媒体の特定の箇所に限定される場合に比べて使い勝手がよくなり、さらに利便性を向上することができる。
【0012】
上記目的を達成するために、本願第5発明は、筆記位置検出装置により検出され、当該筆記位置検出装置に設けた被筆記媒体に対する操作者の筆記動作に伴って移動する筆記具の位置情報に基づき、前記被筆記媒体の任意の位置に記入された、外部記憶装置に備えられた複数の格納先を選択するための識別用図像を検出する第2図像検出手段と、前記筆記位置検出装置により検出された複数の前記位置情報を用いて、前記被筆記媒体において前記識別用図像に対し所定の位置関係にある、前記筆記具による前記被筆記媒体への記載に対応した画像データを生成する第2データ生成手段と、前記第2データ生成手段により生成された画像データを一時的に記憶する第2記憶手段と、前記画像データを外部記憶装置へ記憶させるために通信により送信する第2通信手段と、前記第2図像検出手段で前記識別用図像が検出されたことを契機に前記第2通信手段を制御し、前記第2データ生成手段により生成され前記第2記憶手段に記憶された画像データを、前記第2図像検出手段で検出された前記識別用図像に対応した前記格納先へ記憶するための送信を行う、第2送信制御手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
本願第5発明においては、操作者が筆記具を用いて筆記位置検出装置において被筆記媒体に筆記した内容を、筆記データ処理装置で電子データ化することができる。すなわち、操作者が、所定の紙媒体などからなる被筆記媒体に対し筆記具を用いて所望の記載を行うと、筆記動作により移動する筆記具の複数の位置情報が筆記位置検出装置によって検出される。そして、その検出された複数の位置情報を用いて、筆記データ処理装置の第2データ生成手段が上記被筆記媒体への記載に対応した画像データを生成する。この生成された画像データは筆記データ処理装置の第2記憶手段に一時的に記憶される。
【0014】
ここで、本願第5発明では、上記のようにして記憶された、記載内容に対応した画像データを、外部記憶装置における所望の格納先に振り分けて格納することが可能である。すなわち、操作者が、上記のように被筆記媒体に筆記による記載を行った後、生成された画像データを保存したい格納先に対応付けられた所定の識別用図像を、前記記載と所定の位置関係となる任意の位置に記入することで、当該格納先への格納指示を行う。
【0015】
すると、筆記位置検出装置により検出される位置情報に基づき、第2図像検出手段が上記格納先に対応した識別用図像の記入を検出する。そして、第2図像検出手段による上記検出が行われたことを契機に第2送信制御手段が第2通信手段を制御することにより、上記第2記憶手段に記憶された画像データが無線通信により送信される。これにより、外部記憶装置に備えられた複数の格納先のうちの上記選択された格納先に、上記記載内容に対応した画像データが自動的に振り分けられ、格納される。
【0016】
以上のようにして、本願第5発明においては、上記第1発明と同様、操作者は、被筆記媒体に対し筆記具を用いて筆記したときの記載内容を、識別用図像の記入によって選択した所望の格納先に確実に振り分けて格納することができる。これにより、操作者は、筆記内容を自分の意図する分類で容易に仕分けながら保存することができるので、利便性を向上することができる。
【0017】
また、特に、上記の識別用図像の記入箇所は、被筆記媒体の特定の箇所に限定されることなく、被筆記媒体の上記記載に対し所定の位置関係となる限りにおいて、操作者が任意に選ぶことができる。したがって、識別用図像を記入できる領域(筆記位置検出装置側で認識できる領域)が被筆記媒体の特定の箇所に限定される場合に比べて使い勝手がよくなり、さらに利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、操作者による筆記内容を、操作者の意図する分類で仕分けして保存することができ、利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態の電子筆記装置を備えた手書き入力システムの全体構成を表すシステム構成図である。
【図2】電子筆記装置の電気的構成を表す機能ブロック図である。
【図3】ストロークデータの一例を説明する説明図である。
【図4】ストロークデータにおけるペン位置番号と座標情報との対応付けの一例を説明する説明図である。
【図5】紙媒体に対し識別用図像が記入された場合の例を表す説明図である。
【図6】ストロークデータがサーバの1つのフォルダへ振り分けられて保存される一例を表す説明図である。
【図7】ストロークデータがサーバの1つのフォルダへ振り分けられて保存される別の例を表す説明図である。
【図8】電子筆記装置のCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図9】ユーザの追記に対応した変形例における、紙媒体の記載内容の例を表す説明図である。
【図10】電子筆記装置のCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図11】複数のフォルダに別々に振り分ける変形例、及び、書き込み文字の一部を包囲線で囲み、マークと対応付ける変形例における、紙媒体の記載内容の例を表す説明図である。
【図12】操作処理端末において処理を行う変形例において、当該操作処理端末のCPUの実行する制御手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0021】
<システム概略>
図1に、本実施形態の電子筆記装置2を備えた手書き入力システム1を示す。なお、以下の説明では、図1の紙面の上側、下側、右側、左側、手前側、奥行き側を、それぞれ、電子筆記装置2の上側、下側、右側、左側、手前側、奥行き側と定義して説明する。
【0022】
図1に示すように、手書き入力システム1は、電子筆記装置2と、いわゆる電磁誘導式の電子ペン3(筆記具)と、ディスプレイ4とを備えている。なお、操作処理端末400については、後述する。
【0023】
<電子筆記装置>
電子筆記装置2は、平面視で上下方向に長い薄型の直方体状の形状を備えている。電子筆記装置2の右上部には、種々の情報を表示可能な小型のディスプレイ21が設けられている。ディスプレイ21の左側には、ユーザが電子筆記装置2を操作するための入力部22が設けられている。ディスプレイ21及び入力部22の下側に、電子筆記装置2の手前側の大部分を占めるように、凹部形状の載置部24が設けられている。載置部24には、紙媒体70(後述の図5参照)が載置され、また当該載置部24とほぼ同一の範囲となるように座標検出部25が設けられている。座標検出部25は、電子ペン3の位置を表す座標情報(例えば載置部24の左上部を原点(0,0)とする。詳細は後述)を検出する。そして、載置部24は、紙媒体70を、この例では紙媒体70の左上の隅部が上記原点に一致する姿勢で保持する。なお、電子筆記装置2は、この例では、例えば無線(又は有線でもよい)通信により、ネットワークNWを介し、外部記憶装置としてのサーバSVに接続されている。
【0024】
<電子ペン>
以下の説明では、電子ペン3において、ペン先31が設けられている方向を先端方向という。また、先端方向の反対方向を後端方向という。電子ペン3は、この例では、芯37と、検出スイッチ33と、ボタン型の電池34と、コイル35と、基板36と、を備えている。芯37は金属製であり、ペン先31とインク収納部32とで構成されている。また、芯37は、電子ペン3の先端部の内部に設けられ、そのペン先31が外部に突出している。インク収納部32にはインクが収納され、当該インクはペン先31に供給される。これにより、ユーザ(操作者)は、電子ペン3を使用して紙媒体70に所望の文字や図形等を記載することができる。
【0025】
芯37の後端方向には、上記基板36が設けられている。基板36の先端部には検出スイッチ33が実装され、基板36の後端方向には上記電池34が設けられている。電池34は基板36に接続されており、電池34のマイナス側の電極は、基板36上の配線を介し上記コイル35に電気的に接続されている。また、電池34のプラス側の電極は、基板36上の配線を介し上記検出スイッチ33に電気的に接続されている。検出スイッチ33は、基板36上の配線を介しコイル35に電気的に接続されている。コイル35は、電子ペン3の内部の先端部において芯37の周囲に巻回されている。
【0026】
<電子ペンの座標情報の検出>
ここで、芯37は、図示しない弾性部材により常に先端方向に付勢されている。芯37は、ユーザが紙媒体70に文字等を記載する場合の押圧力によって、上記弾性部材の付勢力に抗して電子ペン3の内部にやや退入する。この退入によって、芯37の後端部が検出スイッチ33を押下し、検出スイッチ33がオン状態になる。これによって、電池34とコイル35とが導通して電池34からコイル35に向かって電流が流れ、コイル35に電流が流れることで磁界が発生する。
【0027】
電子筆記装置2の座標検出部25は、上記のようにしてコイル35から発生する磁界を電磁誘導に基づき検出する。なお、この検出は公知の手法で足りるので、詳細な説明は省略する。この座標検出部25の検出結果に基づき、CPU201は、ユーザが電子ペン3を用いて紙媒体70へ筆記動作を行ったときの電子ペン3の移動に対応する、複数の位置情報(すなわち、上記座標情報)を取得する。なお、前述したように、本実施形態では、座標検出部25の左上部の座標(X,Y)を原点(0,0)とし、右方向をX軸、下方向をY軸とする座標系を用いる。すなわち、X座標の値が座標検出部25(載置部24)における左右方向の位置を表し、Y座標の値が上下方向の位置を表す。
【0028】
<ディスプレイ>
なお、ディスプレイ4は、電子筆記装置2に接続されており、ユーザが電子筆記装置2の載置部24に載置した紙媒体70の外観に相当する画像データや、ユーザによる紙媒体70への記載内容に相当する後述するストロークデータの集合体を表示することができる。
【0029】
<電子筆記装置の電気的構成>
図2を参照して、電子筆記装置2の電気的構成について説明する。図2に示すように、電子筆記装置2は、電子筆記装置2の制御を行うCPU201と、ROM202と、種々のデータが一時的に記憶されるRAM203(第1記憶手段)と、フラッシュメモリ204と、入力部22と、駆動回路206,209,210と、前述のネットワークNWを介したサーバSVとの情報送受信の制御を行う通信制御部207(第1通信手段)と、を備えている。
【0030】
ROM202、RAM203、及びフラッシュメモリ204は、CPU201に電気的に接続されている。ROM202は、プログラム記憶領域2021と、画像データ記憶領域2023とを備えている。プログラム記憶領域2021には、CPU201が電子筆記装置2を制御するために実行する各種プログラム(後述の図8や図10に示す制御内容のデータ処理方法を実行するプログラム等)が記憶されている。画像データ記憶領域2023には、後述する紙媒体70のフォーマット情報に対応した画像のデータが記憶されている。
【0031】
フラッシュメモリ204は、座標情報記憶領域2041を備えている。座標情報記憶領域2041には、座標情報データテーブルが記憶される。
【0032】
入力部22及び駆動回路206,209,210は、CPU201と電気的に接続されている。駆動回路206,209は、それぞれ、ディスプレイ21及び座標検出部25を駆動するための電子回路である。駆動回路210は、ディスプレイ4に画像を表示させるための電子回路である。
【0033】
<ストロークデータの生成>
次に、図3及び図4を用いて、ストロークデータについて説明する。ストロークデータは、上記座標検出部25の検出結果に基づきCPU201で取得された複数の座標情報からなる、ペン位置データ列である。図3及び図4には、2つのストロークデータ「a」「b」の例を示している。
【0034】
図3及び図4において、第1ストロークデータ「a」は、電子ペン3による文字「a」の書き始めから書き終わりまでの一筆書き部分の軌跡を表すデータであり、時系列に沿って、ペン位置番号T1,T2,・・,T11それぞれに対応した、11個の座標情報(X1,Y1),(X2,Y2),・・,(X11,Y11)を含む(図4参照)。また、第2ストロークデータ「b」は、電子ペン3による文字「b」の書き始めから書き終わりまでの一筆書き部分の軌跡を表すデータであり、時系列に沿って、ペン位置番号T12,T13,・・,T21それぞれに対応した、10個の座標情報(X12,Y12),(X13,Y13),・・(X21,Y21)を含む(図4参照)。このようにして、CPU201は、座標検出部25の検出結果に応じた複数の座標情報を用いて、ユーザが電子ペン3を用いて紙媒体70へ記載した内容に対応した、ストロークデータを生成する。なお、このようにしてそれぞれ生成された複数のストロークデータの集合体が、各請求項記載の画像データ、特に文字列画像データに相当している。
【0035】
<本実施形態の特徴>
以上の基本構成において、本実施形態の特徴は、ユーザが所定のマークM(識別用図像)を任意の位置に記入することにより、電子ペン3による紙媒体70への実際の記載に対応した上記ストロークデータが、サーバSVの複数のフォルダのうちユーザの意図するフォルダに自動的に振り分けられ、保存されることにある。以下、その詳細を順を追って説明する。
【0036】
図5に、本実施形態で用いられる紙媒体70(被筆記媒体)に対し、上記ユーザによりマークMが記入された場合の例を示す。図示のように、この例では、紙媒体70には、ユーザが所望の文字・図形等(以下適宜、単に「書き込み文字」という。なお、数字・記号・符号等でも良い)Rを自由に記載可能なフリー書き込み領域71が設けられている。この例では、書き込み文字Rとして、フリー書き込み領域71に、例えば8月6日の月日を表す「8/6」が左上に記載され、午前10時からの予定内容を表す「AM10:00〜A社プレゼン」と、午後2時からの予定内容を表す「PM2:00〜技術打合せ」との横書きの一群の文字列が上下2列に記載されている。
【0037】
ここで、上記したように、本実施形態では、ユーザは、自らが記載した内容を、サーバSVのうちユーザの意図するフォルダに自動的に振り分けるために、所定のマークMを任意の位置に記入する。このとき、本実施形態では、図6に示すように、ユーザがストロークデータの格納先として使用可能なフォルダとして、サーバSV内に、「メモ」フォルダF1、「TODO」フォルダF2、「予定」フォルダF3、「処理済み」フォルダF4、の合計4つのフォルダが設けられている。そして、「メモ」フォルダF1には三角形「△」のマークMが対応付けられ、「TODO」フォルダには四角形「□」のマークMが対応付けられ、「予定」フォルダには星形「☆」のマークMが対応付けられ、「処理済み」フォルダにはエックス(バツ)形「×」のマークMが対応付けられている。そして、ユーザが、上記4つのフォルダF1〜F4のうち所望のフォルダに対応付けられた所定のマークMを、書き込み文字Rと所定の位置関係(後述する)となる上記任意の位置に記入することにより、当該書き込み文字Rを含む紙媒体70への記載内容が、上記所望のフォルダに保存される。
【0038】
<文字列の途中にマーキングする場合>
図6の例では、上記所定の位置関係の一例として、ユーザによって、「AM10:00〜A社プレゼン」の書き込み文字Rの文字列の途中、すなわち文字「〜」と文字「A」との間に、「☆」のマークMが記載されている。これにより、CPU201によってこの「☆」のマークMが認識され、上記「AM10:00〜A社プレゼン」及び「PM2:00〜技術打合せ」という文字列群のストロークデータは、上記フォルダF1〜F4のうち、「☆」のマークMMに対応した「予定」フォルダF3に対して振り分けられ(図6中太破線矢印参照)、当該「予定」フォルダF3に自動的に保存される。
【0039】
<包囲線や接続線を使用する場合>
図7を用いて、上記書き込み文字Rと上記マークMとの所定の位置関係の別の例を説明する。この例では、ユーザは、紙媒体70に対し書き込み文字Rの記載を行った後、その記載を包囲線RCで包囲し、さらにこの包囲線RC上又はその近傍から延びる接続線RLを用いて上記マークMに対応付けている。すなわち、図7に示すように、ユーザによって、紙媒体70に「A社NDA締結」及び「プレゼン資料」が上下2段に書き込み文字Rが記載されている。そして、当該書き込み文字Rを包囲するように包囲線RCが記入され、この包囲線RCから少し離れた位置に、上記「TODO」フォルダF2に対応付けられる上記四角形のマーク「□」のマークMが記入され、このマークM(又はその近傍部位でもよい)と包囲線RC(又はその近傍部位でもよい)とが接続線RLで接続されている。これにより、CPU201は、包囲線RC内の書き込み文字Rのストロークデータが接続線RLを介しマークMと関連付けられたことを認識する。なお、CPU201のこの認識機能のうち、包囲線RCを検出する機能が各請求項記載の包囲線検出手段に相当している。そしてこの認識を契機として、包囲線RC内の上記「A社NDA締結」及び「プレゼン資料」という文字列群のストロークデータが、上記フォルダF1〜F4のうち、上記「□」のマークMに対応した「TODO」フォルダF2に対して振り分けられ(図7中太破線矢印参照)、当該「TODO」フォルダF2に自動的に保存される。
【0040】
<制御フロー>
上記の内容を実現するために、電子筆記装置2のCPU201が実行する制御手順を、図8により説明する。なお、以下においては、上記図6の例に沿い、書き込み文字Rの所定の文字列中にマークMを記入した場合を例にとって説明するが、上記図7の例のように、包囲線RCとマークMとが接続線RLで接続される場合等においても、同様である。
【0041】
図8において、このフローは、例えば、電子筆記装置2の電源がオンされ、所定のトリガー、すなわち、公知の手段により電子ペン3による筆記動作の検出がされることを契機に開始される。
【0042】
まず、ステップS10において、CPU201は、前述のようにしてユーザが筆記を行ったときの座標検出部25での検出結果に基づき、電子ペン3の複数の座標情報を取得する。この手順が、各請求項記載の位置取得手段として機能する。
【0043】
その後、ステップS20に移り、CPU201は、ステップS10で取得された座標情報に基づき、前述のようにして、ユーザの書き込み文字Rの内容に対応するストロークデータを生成する。この手順が、各請求項記載の第1データ生成手段として機能する。なお、生成されたストロークデータは、上記RAM203に一時的に記憶される。
【0044】
そして、ステップS30において、CPU201は、上記ステップS20でのストロークデータの生成結果に基づき、書き込み文字Rのストロークデータ内に「△」のマークMが検出されたかどうかを判定する。「△」のマークMが検出されたら、ステップS30の判定が満たされ(S30:Yes)、ステップS40に移行する。
【0045】
ステップS40では、CPU201は、「△」のマークMを含む書き込み文字Rの一群の文字列のストロークデータを、互いに関連する(ひとかたまりの)ストロークデータとして認識する。図6の例に沿うと、「AM10:00〜A社プレゼン」「PM2:00〜技術打合せ」の文字列群を、「△」マークによって振り分けるべき(ひとかたまりの)ストロークデータとして認識する。この認識は、ストロークデータ同士の座標の近接性や、次の一群の文字列のストロークデータとの間に生じる空白や、行違い、列違い等の検出等、公知の適宜の手法により行えば足りる。そして、CPU201は、当該認識された、「△」のマークMを含む一群の文字列のストロークデータを、上記通信制御部207よりネットワークNWを介して、サーバSVへ自動的に送信し、サーバSV内の三角形「△」のマークMに対応した「メモ」フォルダF1へ格納(保存)し、フローを終了する。
【0046】
一方、上記ステップS30において、「△」のマークMが検出されなかった場合は、ステップS30の判定が満たされず(S30:No)、ステップS50に移行する。ステップS50では、CPU201は、上記ステップS20でのストロークデータの生成結果に基づき、書き込み文字Rのストロークデータ内に「□」のマークMが検出されたかどうかを判定する。「□」のマークMが検出されたら、ステップS50の判定が満たされ(S50:Yes)、ステップS60に移行する。
【0047】
ステップS60では、CPU201は、「□」のマークMを含む書き込み文字Rの一群の文字列のストロークデータを、上記同様、互いに関連する(ひとかたまりの)ストロークデータとして認識した後にサーバSVへ自動的に送信し、サーバSV内の四角形「□」のマークMに対応した「TODO」フォルダF2へ格納(保存)する。そして、このフローを終了する。
【0048】
一方、上記ステップS50において、「□」のマークMが検出されなかった場合は、ステップS50の判定が満たされず(S50:No)、ステップS70に移行する。ステップS70では、CPU201は、上記ステップS20でのストロークデータの生成結果に基づき、書き込み文字Rのストロークデータ内に「☆」のマークMが検出されたかどうかを判定する。「☆」のマークMが検出されたら、ステップS70の判定が満たされ(S70:Yes)、ステップS80に移行する。
【0049】
ステップS80では、CPU201は、「☆」のマークMを含む書き込み文字Rの一群の文字列のストロークデータを、上記同様、互いに関連する(ひとかたまりの)ストロークデータとして認識した後にサーバSVへ自動的に送信し、サーバSV内の星形「☆」のマークMに対応した「予定」フォルダF3へ格納(保存)する。そして、このフローを終了する。
【0050】
一方、上記ステップS70において、「☆」のマークMが検出されなかったら、ステップS70の判定が満たされず(S70:No)、ステップS90に移行する。ステップS90では、CPU201は、上記ステップS20でのストロークデータの生成結果に基づき、書き込み文字Rのストロークデータ内に「×」のマークMが検出されたかどうかを判定する。「×」のマークMが検出されたら、ステップS90の判定が満たされ(S90:Yes)、ステップS100に移行する。
【0051】
ステップS100では、CPU201は、「×」のマークMを含む書き込み文字Rの一群の文字列のストロークデータを、上記同様、互いに関連する(ひとかたまりの)ストロークデータとして認識した後にサーバSVへ自動的に送信し、サーバSV内のエックス(バツ)形「×」のマークMに対応した「処理済み」フォルダF4へ格納(保存)する。そして、フローを終了する。
【0052】
一方、上記ステップS90において、「×」のマークMが検出されなかったら、ステップS90の判定が満たされず(S90:No)、上記ステップS30に戻り、以下、同様の手順が行われる。
【0053】
なお、上記ステップS30、ステップS50、ステップS70、ステップS90が、各請求項記載の第1図像検出手段として機能し、上記ステップS40、ステップS60、ステップS80、ステップS100が、各請求項記載の第1送信制御手段として機能する。
【0054】
以上説明したように、本実施形態の電子筆記装置2においては、ユーザが電子ペン3を用いて筆記した内容を電子データ化することができる。すなわち、ユーザが、紙媒体70を載置部24にセットして、その紙媒体70に対し電子ペン3を用いて所望の記載を行うと、筆記動作により移動する電子ペン3の複数の座標情報が取得される。その取得された複数の座標情報により、上記紙媒体70への記載(書き込み文字R)に対応したストロークデータが生成される。この生成されたストロークデータは電子筆記装置2のRAM203に一時的に記憶される。
【0055】
このとき、ユーザが、上記のように紙媒体70に筆記による記載を行う際(又は行った後)、当該記載の内容を保存したいフォルダに対応付けられたマークMを、記載と所定の位置関係となる任意の位置に記入する。これにより、CPU201により上記マークMの記入が検出され、上記RAM203に記憶されたストロークデータが、サーバSVに備えられたフォルダF1〜F4のうちの上記マークMに対応した所望のフォルダに自動的に振り分けられ、格納される。
【0056】
この結果、ユーザは、紙媒体70に対し電子ペン3を用いて筆記したときの記載内容を、マークMの記入によって選択した所望のフォルダに確実に振り分けて格納することができる。これにより、ユーザは、筆記内容を自分の意図する分類で容易に仕分けながら保存することができるので、利便性を向上することができる。
【0057】
また、特に、上記のマークMの記入箇所は、紙媒体70の特定の箇所に限定されることなく、紙媒体70の上記記載に対し上記所定の位置関係となる限りにおいて、ユーザが任意に選ぶことができる。したがって、マークMを記入できる領域(電子筆記装置2側で認識できる領域)が紙媒体70の特定の箇所に限定される場合に比べて使い勝手がよくなり、さらに利便性を向上することができる。
【0058】
また、本実施形態では特に、上記図6に示した例においては、ユーザが紙媒体70に文字列を記載していくとき、文字列に含まれる適宜の文字と文字との間(前述の例では「〜」と文字「A」との間)にマークMを記入しておくだけで、当該文字列を所望のフォルダに確実に振り分けて格納することができる。したがって、文字列を順次記載していくときに当該文字列から電子ペン3を逸脱させることなくフォルダを指定できるので、マークM記入のためにユーザが電子ペン3を大きく移動させる労力をなくすことができ、さらに利便性を向上することができる。
【0059】
また、本実施形態では特に、上記図7に示した例においては、ユーザは、紙媒体70に対し記載を行った後、その記載内容のうち、マークMを用いて所望のフォルダへ格納する部分を、包囲線RCで包囲することによって指定することができる。この結果、ユーザは、紙媒体70への筆記内容をさらに容易に仕分けながら保存することができ、さらに利便性を向上することができる。また、包囲線RC(又はその近傍でもよい)とマークM(又はその近傍でもよい)との間を接続線RLを利用して結びつけることで、包囲線RCとマークMとを互いに離れた位置に記入することが可能となり、これによっても、さらに利便性を向上することができる。
【0060】
なお、上記書き込み文字Rと上記マークMとの所定の位置関係のさらに別の例として、上記図7のようにマークMと包囲線RCとを接続線RLで接続する代わりに、マークMを単に包囲線RCの近傍位置(包囲線RCのすぐ外側若しくはすぐ内側)に記入し、これによってCPU201がそれら書き込み文字RとマークMとを認識するようにしてもよい。
【0061】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。なお、上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
【0062】
(1)ユーザの追記に対応した場合
すなわち、一度ユーザが紙媒体70に対し記載を行い、対応するストロークデータが上記マークMに対応したいずれかのフォルダF1〜F4に格納済みの状態で、当該紙媒体70上に残る上記記載に対してさらにユーザが何らかの追記を行った場合に、当該追記に対応するデータ処理を行うようにしてもよい。
【0063】
図9は、このような変形例における、紙媒体70の状態の例を表す説明図である。この例では、ユーザが、上記実施形態において説明した図6に示す「AM10:00〜A社プレゼン」「PM2:00〜技術打合せ」の記載を行って対応するストロークデータが「予定」フォルダF3へ格納された状態で、それらすべてのテキストに対し、識別用図像としての取消線NRの追記を行っている。この変形例において、上記取消線NRは、「処理済み」フォルダF4に対応付けられている。この結果、上記のような追記が行われると、CPU201の制御により、上述のようにして既に「予定」フォルダF3に存在している上記「AM10:00〜A社プレゼン」「PM2:00〜技術打合せ」のストロークデータが、「処理済み」フォルダF4に移動する。なお、取消線NRの代わりに適宜の別のマークや記号や数字等が用いられても良い。
【0064】
図10は、上記の内容を実現するために、この変形例におけるCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。上記図8と同等の手順には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
【0065】
図10に示すフローでは、図8のステップS20とステップS30との間に新たにステップS21が設けられ、さらにこのステップS21から分岐してステップS22、ステップS34、ステップS24が設けられる。
【0066】
すなわち、前述したようにステップS20でCPU201がステップS10で取得された座標情報に対応したストロークデータを生成したら、新たに設けたステップS21に移る。
【0067】
ステップS21においては、CPU201は、上記ステップS20でのストロークデータの生成結果に基づき、紙媒体70に対しマークMとしての上記取消線NRが検出されたかどうかを判定する。具体的には、横に水平な一本の直線又は二本の直線等が検出されたかどうかを判定する(この時点では過去の記載内容を取り消す、真の意味での取消線であるかどうかは分からない。後述のステップS22参照)。取消線NRが検出されなければステップS21の判定が満たされず(S21:No)、ステップS30に移行して、図8のステップS30以下の場合と同様の手順で処理が実行される。取消線NRが検出されればステップS21の判定が満たされて(S21:Yes)、新たに設けたステップS22に移行する。
【0068】
ステップS22では、CPU201は、全てのフォルダF1〜F4を検索し、上記ステップS21で検出された取消線に相当する座標位置に対応したストロークデータがあるかどうかを判定する。取消線に相当するストロークデータがいずれかのフォルダに存在すれば、ステップS22の判定が満たされて(S22:Yes)、ステップS23に移行する。
【0069】
ステップS23では、上記ステップS21で検出された取消線は、過去にいずれかのフォルダに格納済みのストロークデータに対応した実際の記載に対する真の取消線の記入(すなわち取消線の重ね書き)とみなすことができることから、CPU201は、当該ストロークデータを「処理済み」フォルダF4に移動する。その後、このフローを終了する。
【0070】
一方、上記ステップS22において、取消線に相当するストロークデータが存在しなければ、ステップS22の判定が満たされず(S22:No)、ステップS24に移行する。ステップS24では、CPU201は、上記ステップS21で検出された取消線は、取消線のように見える類似の形状の新規の線描画の記載であったとみなし、このことを明示する所定のエラー表示をするための表示信号をディスプレイ21へ出力する。その後、このフローを終了する。
【0071】
本変形例においては、ユーザは、いったんマークMを用いてサーバSVの所定のフォルダに保存した記載内容に対し、その後に取消線NRの追記を行うことで、当該記載内容を格納するフォルダをさらに変更することができる。これにより、各フォルダF1〜F4の中にさらに小分類を設けて再整理しようとする場合や、各フォルダF1〜F4に保存した記載内容の位置づけが変わった(例えば上記の例では記載された事項をユーザが処理した等)場合等における、操作者の利便性を向上することができる。
【0072】
(2)複数のフォルダに別々に振り分ける場合
上記実施形態においては、図6及び図7等に示したように、紙媒体70に記載された書き込み文字Rが、全体として一体となって1つのフォルダに振り分けられ格納される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、図11(a)に示す例では、3つの書き込み文字R1、書き込み文字R2、書き込み文字R3が紙媒体70に記載された例を示している。そして、各書き込み文字R1,R2,R3に対応する所定の位置関係となる部位(この例ではほぼ同一行となる位置)に、上記各フォルダF1〜F4に対応するマークMが記入されている。
【0073】
すなわち、この例では、書き込み文字R1に対しては「☆」のマークMが記入されて対応付けられ、書き込み文字R2に対しても「☆」のマークMが記入されて対応付けられ、書き込み文字R3に対しては、「□」のマークMが記入されて対応付けられている。これらの結果、前述の対応付けにより、CPU201によって、書き込み文字R1のストロークデータは「予定」フォルダF3に格納され、書き込み文字R2のストロークデータは「予定」フォルダF3に格納され、さらに書き込み文字R3のストロークデータは「TODO」フォルダF2に格納される。なお、上記のように、ほぼ同一行となる位置に存在することで書き込み文字R1〜R3とマークMとを対応付けるのではなく、書き込み文字R1〜R3のうちアンダーラインが引かれたものだけを上記ほぼ同一行となる位置のマークMと対応付けるようにしても良い。
【0074】
本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0075】
(3)書き込み文字の一部を包囲線で囲み、マークと対応付ける場合
上記実施形態において図7を用いて説明したように、紙媒体70に記載された書き込み文字Rの全体が包囲線RCで包囲され、一体となって1つのフォルダに振り分けられ格納された。これに対し、本変形例では、図11(b)に示すように、ユーザが紙媒体70に対し書き込み文字R1,R2,R3の記載を行った後、それらのうち2つの書き込み文字R1,R2のみを包囲線RCで包囲することによって、振り分け対象のストロークデータであるとして指定している。また、その指定された書き込み文字R1,R2の振り分け先を指定するために、やや離れた、書き込み文字R3と略同一行となる位置に、「□」のマークMが記入され、対応付けを明確とするために、上記包囲線RCが「□」のマークMの位置まで延びて「□」のマークMを包含している
【0076】
本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0077】
(4)その他バリエーション
なお、上記実施形態及び(2)(3)の変形例においては、1つの識別用図像をマークMによって構成したが、これに限られない。例えば上記「△」「□」「☆」「×」のマークに代えて、適宜の数字や記号等、他の種類の図像を用いるようにしてもよい。さらには、マークMと数字や記号との組み合わせにより、振り分け先のフォルダを指定するようにしてもよい。この場合、例えば、「☆1」「☆2」「☆3」「☆4」のように指定を行うことで、予定フォルダF3の中に設けた4つの小フォルダのいずれか1つをさらに細かく振り分け先として指定することができる。
【0078】
(5)操作処理端末において処理を行う場合
以上においては、電子ペン3の位置検出機能、当該検出位置からストロークデータを生成する機能、「△」「□」「☆」「×」等のマークを検出する機能、上記生成されたストロークデータを上記マーク検出結果に応じたフォルダに振り分けて格納する機能、のすべてを、電子筆記装置2が備えていた。しかしながらこれに限られるものではない。
【0079】
すなわち、先に図1に示したように、ネットワークNWを介し電子筆記装置2に対し接続される操作処理端末400を設け、電子筆記装置2で検出した電子ペン3の位置情報を取得した後の、上記ストロークデータの生成、マーク検出、及びストロークデータの生成、を当該操作処理端末400において行うようにしてもよい。
【0080】
図1において、操作処理端末400(図1中の二点鎖線参照)は、電子筆記装置2及びサーバSVと、有線あるいは無線によるネットワークNWを介して情報送受信可能に接続されている。操作処理端末400は、例えばパーソナルコンピュータにより構成されており、液晶ディスプレイ等の表示部401と、キーボードやマウス等の操作部402と、記憶装置(図示せず)と、通信インターフェース(図示せず。第2通信手段に相当)と、CPU(図示せず)と、ROM(図示せず)と、RAM(図示せず。第2記憶手段に相当)と、等を有する。
【0081】
記憶装置は、例えばハードディスク等を備えた適宜の大容量記憶装置である。通信インターフェースは、電子筆記装置2の通信制御部207に対し、ネットワークNWを介して情報送受信可能に接続される。表示部401は、例えば液晶ディスプレイにより構成され、ユーザに対し、電子筆記装置2の表示部21と同様の表示を行う。操作処理端末400側のCPUは、上記RAMの一時記憶機能を利用しつつ、ROMや記憶装置に予め記憶された制御プログラムを実行する。これにより、CPUは、操作処理端末400全体の制御を行う。
【0082】
なお、本変形例では、電子筆記装置2が各請求項記載の筆記位置検出装置を構成し、操作処理端末400が筆記データ処理装置を構成する。
【0083】
図12を用いて、本変形例の操作処理端末400の上記CPUが実行する制御手順を説明する。図12において、まず、ステップS110で、操作処理端末400のCPUは、前述のようにして電子筆記装置2の上記座標検出部25で取得された、電子ペン3による書き込み文字Rの座標情報を、上記通信制御部207及び上記ネットワークNWを介して取得する。
【0084】
その後、ステップS120では、操作処理端末400のCPUは、上記図8のステップS20と同様、上記ステップS110で取得された座標情報に基づき、前述のようにして、ユーザの書き込み文字Rの内容に対応するストロークデータを生成する。生成されたストロークデータは、一時的に上記RAMに記憶される。なお、この手順が、各請求項記載の第2データ生成手段として機能する。
【0085】
ステップS130、ステップS140、ステップS150、ステップS160、ステップS170、ステップS180、ステップS190、ステップS200は、上記図8のステップS30、ステップS40、ステップS50、ステップS60、ステップS70、ステップS80、ステップS90、ステップS100とそれぞれ同等である。すなわち、ステップS130、ステップS150、ステップS170、ステップS190では、それぞれ、操作処理端末400のCPUは、上記ステップS120でのストロークデータの生成結果に基づき、書き込み文字Rのストロークデータ内に「△」「□」「☆」「×」のマークMが検出されたかどうかを判定する。またそのときの判定結果が満たされるか満たされないかに応じて、操作処理端末400のCPUは、ステップS140、ステップS160、ステップS180、ステップS200において、上記通信インターフェースにより上記ネットワークNWを介してサーバSVにアクセスし、各マークに対応する上記フォルダF1,F2,F3,F4のいずれかに、上記ストロークデータを格納する。
【0086】
なお、以上において、ステップS130、ステップS150、ステップS170、ステップS190が、各請求項記載の第2図像検出手段として機能し、上記ステップS140、ステップS160、ステップS180、ステップS200が、各請求項記載の第2送信制御手段として機能する。
【0087】
以上のように構成した本変形例では、ユーザが電子ペン3を用いて電子筆記装置2において紙媒体70に筆記した内容を、操作処理端末400で電子データ化することができる。すなわち、ユーザが、所定の紙媒体70に対し電子ペン3を用いて所望の記載を行うと、筆記動作により移動する電子ペン3の複数の位置情報が電子筆記装置2によって検出される。そして、その検出された複数の位置情報を用いて、操作処理端末400が上記紙媒体70への記載に対応したストロークデータを生成する。この生成されたストロークデータは操作処理端末400の上記RAM(図示せず)に一時的に記憶される。
【0088】
そして、本変形例では、上記のようにして記憶された、記載内容に対応したストロークデータを、操作処理端末400がサーバSVにおける所望のフォルダに振り分けて格納することが可能である。すなわち、ユーザが、上記のように紙媒体70に筆記による記載を行う際(又は行った後)、当該記載の内容を保存したいフォルダに対応付けられたマークMを、記載と所定の位置関係となる任意の位置に記入する。これにより、操作処理端末400のCPUにより上記マークMの記入が検出され、上記RAMに記憶されたストロークデータが、サーバSVに備えられたフォルダF1〜F4のうちの上記マークMに対応した所望のフォルダに自動的に振り分けられ、格納される。
【0089】
以上の結果、本変形例においても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、ユーザは、紙媒体70に対し電子ペン3を用いて筆記したときの記載内容を、マークMの記入によって選択した所望のフォルダに確実に振り分けて格納することができる。これにより、ユーザは、筆記内容を自分の意図する分類で容易に仕分けながら保存することができるので、利便性を向上することができる。
【0090】
また、上記実施形態と同様、特に、上記のマークMの記入箇所は、紙媒体70の特定の箇所に限定されることなく、紙媒体70の上記記載に対し上記所定の位置関係となる限りにおいて、ユーザが任意に選ぶことができる。したがって、ユーザにとっての使い勝手がよく、さらに利便性を向上することができる。
【0091】
なお、以上においては、電子ペン3からの磁界を座標検出部25で検出することによりユーザの筆記動作による電子ペン3の移動を検出したが、これに限られない。すなわち、ユーザの筆記動作時における電子ペン3の先端の動きを、超音波や赤外線やカメラ撮像結果を用いて検知する方式を用いてもよい。また、電子筆記装置2の載置部24に公知の感圧手段を設け、ユーザの筆記動作時において電子ペン3の先端が紙媒体70を押圧する力を上記感圧手段で検出することにより、電子ペン3の先端の動きを検出してもよい。この場合には、電子ペン3として、上記のような磁界を発生するためのコイル35を備えたペンではなく、通常のボールペンなどの汎用のペンを用いることができる。
【0092】
また、以上においては、マークMの書き込みを契機に、CPU201が、対応する書き込み文字RをサーバSVへ送信してフォルダF1〜F4のいずれかに格納したが、これに限られない。すなわち、上記フォルダF1〜F4のようなユーザの意図する分類の複数のフォルダを、電子筆記装置2の内部(例えば上記フラッシュメモリ204の座標情報記憶領域2041等)に設け、上記同様の契機により、当該電子筆記装置2の内部の複数のフォルダに自動的に仕分けて格納するようにしてもよい。さらにはその電子筆記装置2の内部の複数のフォルダに一旦記憶させておき、その後、何らかの契機により、サーバSVの上記フォルダF1〜F4へと出力して格納するようにしてもよい。この場合、一旦記憶させる複数のフォルダを、電子筆記装置2の外部の、別途のPC端末や携帯端末やスマートフォン等に設けてもよい。
【0093】
なお、図8、図10、図12に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0094】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0095】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0096】
2 電子筆記装置
3 電子ペン(筆記具)
70 紙媒体(被筆記媒体)
201 CPU
203 RAM(第1記憶手段)
207 通信制御部(第1通信手段)
400 操作処理端末(筆記データ処理装置)
F1〜F4 フォルダ
M マーク(識別用図像)
RC 包囲線
SV サーバ
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作者による筆記内容を電子データ化する電子筆記装置及び筆記データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
操作者が筆記具を用いて筆記した内容を電子データ化する電子筆記装置(筆記入力装置)が既に知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術では、被筆記媒体(普通紙)が、保持手段(手書き入力部のステージ)上に載置される。この状態で、操作者が、筆記具(電磁ペン)を用いて被筆記媒体に対し所望の筆記を行うと、手書き入力部の検出回路が上記筆記具の位置情報を検出し、複数の位置情報に基づき上記被筆記媒体への記載に対応したデータ(加筆データ)が生成される。筆記作業が終了すると、上記被筆記媒体への記載に対応したデータが、通信インターフェースを介して外部記憶装置(パソコン)に送信され、保存される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−147771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようにして筆記内容を電子データ化する場合、操作者によっては、多種多様な内容を被筆記媒体に筆記する場合がある。このような場合に、電子データ化された筆記内容を、操作者が意図するような分類に自動的に仕分けて保存することができれば非常に便利である。しかしながら、上記従来技術では、そのような点までは特に配慮されていなかった。
【0005】
本発明の目的は、操作者による筆記内容を、操作者の意図する分類で仕分けして保存することができ、利便性を向上できる電子筆記装置及び筆記データ処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願第1発明は、筆記具を用いた操作者の被筆記媒体への筆記動作に伴って移動する、前記筆記具の複数の位置情報を取得する位置取得手段と、前記位置取得手段により取得された前記位置情報に基づき、前記被筆記媒体の任意の位置に記入された、外部記憶装置に備えられた複数の格納先を選択するための識別用図像を検出する第1図像検出手段と、前記位置取得手段で取得された前記複数の位置情報を用いて、前記被筆記媒体において前記識別用図像に対し所定の位置関係にある、前記筆記具による前記被筆記媒体への記載に対応した画像データを生成する第1データ生成手段と、前記第1データ生成手段により生成された画像データを一時的に記憶する第1記憶手段と、前記画像データを前記外部記憶装置へ記憶させるために通信により送信する第1通信手段と、前記第1図像検出手段で前記識別用図像が検出されたことを契機に前記第1通信手段を制御し、前記第1データ生成手段により生成され前記第1記憶手段に記憶された画像データを、前記第1図像検出手段で検出された前記識別用図像に対応した前記格納先へ記憶するための送信を行う、第1送信制御手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
本願第1発明の電子筆記装置においては、操作者が筆記具を用いて筆記した内容を電子データ化することができる。すなわち、操作者が、所定の紙媒体などからなる被筆記媒体に対し筆記具を用いて所望の記載を行うと、筆記動作により移動する筆記具の複数の位置情報が位置取得手段によって取得される。そして、その取得された複数の位置情報を用いて、第1データ生成手段が上記被筆記媒体への記載に対応した画像データを生成する。この生成された画像データは第1記憶手段に一時的に記憶される。
【0008】
ここで、本願第1発明では、上記のようにして記憶された、記載内容に対応した画像データを、外部記憶装置における所望の格納先に振り分けて格納することが可能である。すなわち、操作者が、上記のように被筆記媒体に筆記による記載を行った後、生成された画像データを保存したい格納先に対応付けられた所定の識別用図像を、前記記載と所定の位置関係となる任意の位置に記入することで、当該格納先への格納指示を行う。
【0009】
すると、位置取得手段が取得する位置情報に基づき、第1図像検出手段が上記格納先に対応した識別用図像の記入を検出する。そして、第1図像検出手段による上記検出が行われたことを契機に第1送信制御手段が第1通信手段を制御することにより、上記第1記憶手段に記憶された画像データが無線通信により送信される。これにより、外部記憶装置に備えられた複数の格納先のうちの上記選択された格納先に、上記記載内容に対応した画像データが自動的に振り分けられ、格納される。
【0010】
以上のようにして、本願第1発明においては、操作者は、被筆記媒体に対し筆記具を用いて筆記したときの記載内容を、識別用図像の記入によって選択した所望の格納先に確実に振り分けて格納することができる。これにより、操作者は、筆記内容を自分の意図する分類で容易に仕分けながら保存することができるので、利便性を向上することができる。
【0011】
また、特に、上記の識別用図像の記入箇所は、被筆記媒体の特定の箇所に限定されることなく、被筆記媒体の上記記載に対し所定の位置関係となる限りにおいて、操作者が任意に選ぶことができる。したがって、識別用図像を記入できる領域(電子筆記装置側で認識できる領域)が被筆記媒体の特定の箇所に限定される場合に比べて使い勝手がよくなり、さらに利便性を向上することができる。
【0012】
上記目的を達成するために、本願第5発明は、筆記位置検出装置により検出され、当該筆記位置検出装置に設けた被筆記媒体に対する操作者の筆記動作に伴って移動する筆記具の位置情報に基づき、前記被筆記媒体の任意の位置に記入された、外部記憶装置に備えられた複数の格納先を選択するための識別用図像を検出する第2図像検出手段と、前記筆記位置検出装置により検出された複数の前記位置情報を用いて、前記被筆記媒体において前記識別用図像に対し所定の位置関係にある、前記筆記具による前記被筆記媒体への記載に対応した画像データを生成する第2データ生成手段と、前記第2データ生成手段により生成された画像データを一時的に記憶する第2記憶手段と、前記画像データを外部記憶装置へ記憶させるために通信により送信する第2通信手段と、前記第2図像検出手段で前記識別用図像が検出されたことを契機に前記第2通信手段を制御し、前記第2データ生成手段により生成され前記第2記憶手段に記憶された画像データを、前記第2図像検出手段で検出された前記識別用図像に対応した前記格納先へ記憶するための送信を行う、第2送信制御手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
本願第5発明においては、操作者が筆記具を用いて筆記位置検出装置において被筆記媒体に筆記した内容を、筆記データ処理装置で電子データ化することができる。すなわち、操作者が、所定の紙媒体などからなる被筆記媒体に対し筆記具を用いて所望の記載を行うと、筆記動作により移動する筆記具の複数の位置情報が筆記位置検出装置によって検出される。そして、その検出された複数の位置情報を用いて、筆記データ処理装置の第2データ生成手段が上記被筆記媒体への記載に対応した画像データを生成する。この生成された画像データは筆記データ処理装置の第2記憶手段に一時的に記憶される。
【0014】
ここで、本願第5発明では、上記のようにして記憶された、記載内容に対応した画像データを、外部記憶装置における所望の格納先に振り分けて格納することが可能である。すなわち、操作者が、上記のように被筆記媒体に筆記による記載を行った後、生成された画像データを保存したい格納先に対応付けられた所定の識別用図像を、前記記載と所定の位置関係となる任意の位置に記入することで、当該格納先への格納指示を行う。
【0015】
すると、筆記位置検出装置により検出される位置情報に基づき、第2図像検出手段が上記格納先に対応した識別用図像の記入を検出する。そして、第2図像検出手段による上記検出が行われたことを契機に第2送信制御手段が第2通信手段を制御することにより、上記第2記憶手段に記憶された画像データが無線通信により送信される。これにより、外部記憶装置に備えられた複数の格納先のうちの上記選択された格納先に、上記記載内容に対応した画像データが自動的に振り分けられ、格納される。
【0016】
以上のようにして、本願第5発明においては、上記第1発明と同様、操作者は、被筆記媒体に対し筆記具を用いて筆記したときの記載内容を、識別用図像の記入によって選択した所望の格納先に確実に振り分けて格納することができる。これにより、操作者は、筆記内容を自分の意図する分類で容易に仕分けながら保存することができるので、利便性を向上することができる。
【0017】
また、特に、上記の識別用図像の記入箇所は、被筆記媒体の特定の箇所に限定されることなく、被筆記媒体の上記記載に対し所定の位置関係となる限りにおいて、操作者が任意に選ぶことができる。したがって、識別用図像を記入できる領域(筆記位置検出装置側で認識できる領域)が被筆記媒体の特定の箇所に限定される場合に比べて使い勝手がよくなり、さらに利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、操作者による筆記内容を、操作者の意図する分類で仕分けして保存することができ、利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態の電子筆記装置を備えた手書き入力システムの全体構成を表すシステム構成図である。
【図2】電子筆記装置の電気的構成を表す機能ブロック図である。
【図3】ストロークデータの一例を説明する説明図である。
【図4】ストロークデータにおけるペン位置番号と座標情報との対応付けの一例を説明する説明図である。
【図5】紙媒体に対し識別用図像が記入された場合の例を表す説明図である。
【図6】ストロークデータがサーバの1つのフォルダへ振り分けられて保存される一例を表す説明図である。
【図7】ストロークデータがサーバの1つのフォルダへ振り分けられて保存される別の例を表す説明図である。
【図8】電子筆記装置のCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図9】ユーザの追記に対応した変形例における、紙媒体の記載内容の例を表す説明図である。
【図10】電子筆記装置のCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図11】複数のフォルダに別々に振り分ける変形例、及び、書き込み文字の一部を包囲線で囲み、マークと対応付ける変形例における、紙媒体の記載内容の例を表す説明図である。
【図12】操作処理端末において処理を行う変形例において、当該操作処理端末のCPUの実行する制御手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0021】
<システム概略>
図1に、本実施形態の電子筆記装置2を備えた手書き入力システム1を示す。なお、以下の説明では、図1の紙面の上側、下側、右側、左側、手前側、奥行き側を、それぞれ、電子筆記装置2の上側、下側、右側、左側、手前側、奥行き側と定義して説明する。
【0022】
図1に示すように、手書き入力システム1は、電子筆記装置2と、いわゆる電磁誘導式の電子ペン3(筆記具)と、ディスプレイ4とを備えている。なお、操作処理端末400については、後述する。
【0023】
<電子筆記装置>
電子筆記装置2は、平面視で上下方向に長い薄型の直方体状の形状を備えている。電子筆記装置2の右上部には、種々の情報を表示可能な小型のディスプレイ21が設けられている。ディスプレイ21の左側には、ユーザが電子筆記装置2を操作するための入力部22が設けられている。ディスプレイ21及び入力部22の下側に、電子筆記装置2の手前側の大部分を占めるように、凹部形状の載置部24が設けられている。載置部24には、紙媒体70(後述の図5参照)が載置され、また当該載置部24とほぼ同一の範囲となるように座標検出部25が設けられている。座標検出部25は、電子ペン3の位置を表す座標情報(例えば載置部24の左上部を原点(0,0)とする。詳細は後述)を検出する。そして、載置部24は、紙媒体70を、この例では紙媒体70の左上の隅部が上記原点に一致する姿勢で保持する。なお、電子筆記装置2は、この例では、例えば無線(又は有線でもよい)通信により、ネットワークNWを介し、外部記憶装置としてのサーバSVに接続されている。
【0024】
<電子ペン>
以下の説明では、電子ペン3において、ペン先31が設けられている方向を先端方向という。また、先端方向の反対方向を後端方向という。電子ペン3は、この例では、芯37と、検出スイッチ33と、ボタン型の電池34と、コイル35と、基板36と、を備えている。芯37は金属製であり、ペン先31とインク収納部32とで構成されている。また、芯37は、電子ペン3の先端部の内部に設けられ、そのペン先31が外部に突出している。インク収納部32にはインクが収納され、当該インクはペン先31に供給される。これにより、ユーザ(操作者)は、電子ペン3を使用して紙媒体70に所望の文字や図形等を記載することができる。
【0025】
芯37の後端方向には、上記基板36が設けられている。基板36の先端部には検出スイッチ33が実装され、基板36の後端方向には上記電池34が設けられている。電池34は基板36に接続されており、電池34のマイナス側の電極は、基板36上の配線を介し上記コイル35に電気的に接続されている。また、電池34のプラス側の電極は、基板36上の配線を介し上記検出スイッチ33に電気的に接続されている。検出スイッチ33は、基板36上の配線を介しコイル35に電気的に接続されている。コイル35は、電子ペン3の内部の先端部において芯37の周囲に巻回されている。
【0026】
<電子ペンの座標情報の検出>
ここで、芯37は、図示しない弾性部材により常に先端方向に付勢されている。芯37は、ユーザが紙媒体70に文字等を記載する場合の押圧力によって、上記弾性部材の付勢力に抗して電子ペン3の内部にやや退入する。この退入によって、芯37の後端部が検出スイッチ33を押下し、検出スイッチ33がオン状態になる。これによって、電池34とコイル35とが導通して電池34からコイル35に向かって電流が流れ、コイル35に電流が流れることで磁界が発生する。
【0027】
電子筆記装置2の座標検出部25は、上記のようにしてコイル35から発生する磁界を電磁誘導に基づき検出する。なお、この検出は公知の手法で足りるので、詳細な説明は省略する。この座標検出部25の検出結果に基づき、CPU201は、ユーザが電子ペン3を用いて紙媒体70へ筆記動作を行ったときの電子ペン3の移動に対応する、複数の位置情報(すなわち、上記座標情報)を取得する。なお、前述したように、本実施形態では、座標検出部25の左上部の座標(X,Y)を原点(0,0)とし、右方向をX軸、下方向をY軸とする座標系を用いる。すなわち、X座標の値が座標検出部25(載置部24)における左右方向の位置を表し、Y座標の値が上下方向の位置を表す。
【0028】
<ディスプレイ>
なお、ディスプレイ4は、電子筆記装置2に接続されており、ユーザが電子筆記装置2の載置部24に載置した紙媒体70の外観に相当する画像データや、ユーザによる紙媒体70への記載内容に相当する後述するストロークデータの集合体を表示することができる。
【0029】
<電子筆記装置の電気的構成>
図2を参照して、電子筆記装置2の電気的構成について説明する。図2に示すように、電子筆記装置2は、電子筆記装置2の制御を行うCPU201と、ROM202と、種々のデータが一時的に記憶されるRAM203(第1記憶手段)と、フラッシュメモリ204と、入力部22と、駆動回路206,209,210と、前述のネットワークNWを介したサーバSVとの情報送受信の制御を行う通信制御部207(第1通信手段)と、を備えている。
【0030】
ROM202、RAM203、及びフラッシュメモリ204は、CPU201に電気的に接続されている。ROM202は、プログラム記憶領域2021と、画像データ記憶領域2023とを備えている。プログラム記憶領域2021には、CPU201が電子筆記装置2を制御するために実行する各種プログラム(後述の図8や図10に示す制御内容のデータ処理方法を実行するプログラム等)が記憶されている。画像データ記憶領域2023には、後述する紙媒体70のフォーマット情報に対応した画像のデータが記憶されている。
【0031】
フラッシュメモリ204は、座標情報記憶領域2041を備えている。座標情報記憶領域2041には、座標情報データテーブルが記憶される。
【0032】
入力部22及び駆動回路206,209,210は、CPU201と電気的に接続されている。駆動回路206,209は、それぞれ、ディスプレイ21及び座標検出部25を駆動するための電子回路である。駆動回路210は、ディスプレイ4に画像を表示させるための電子回路である。
【0033】
<ストロークデータの生成>
次に、図3及び図4を用いて、ストロークデータについて説明する。ストロークデータは、上記座標検出部25の検出結果に基づきCPU201で取得された複数の座標情報からなる、ペン位置データ列である。図3及び図4には、2つのストロークデータ「a」「b」の例を示している。
【0034】
図3及び図4において、第1ストロークデータ「a」は、電子ペン3による文字「a」の書き始めから書き終わりまでの一筆書き部分の軌跡を表すデータであり、時系列に沿って、ペン位置番号T1,T2,・・,T11それぞれに対応した、11個の座標情報(X1,Y1),(X2,Y2),・・,(X11,Y11)を含む(図4参照)。また、第2ストロークデータ「b」は、電子ペン3による文字「b」の書き始めから書き終わりまでの一筆書き部分の軌跡を表すデータであり、時系列に沿って、ペン位置番号T12,T13,・・,T21それぞれに対応した、10個の座標情報(X12,Y12),(X13,Y13),・・(X21,Y21)を含む(図4参照)。このようにして、CPU201は、座標検出部25の検出結果に応じた複数の座標情報を用いて、ユーザが電子ペン3を用いて紙媒体70へ記載した内容に対応した、ストロークデータを生成する。なお、このようにしてそれぞれ生成された複数のストロークデータの集合体が、各請求項記載の画像データ、特に文字列画像データに相当している。
【0035】
<本実施形態の特徴>
以上の基本構成において、本実施形態の特徴は、ユーザが所定のマークM(識別用図像)を任意の位置に記入することにより、電子ペン3による紙媒体70への実際の記載に対応した上記ストロークデータが、サーバSVの複数のフォルダのうちユーザの意図するフォルダに自動的に振り分けられ、保存されることにある。以下、その詳細を順を追って説明する。
【0036】
図5に、本実施形態で用いられる紙媒体70(被筆記媒体)に対し、上記ユーザによりマークMが記入された場合の例を示す。図示のように、この例では、紙媒体70には、ユーザが所望の文字・図形等(以下適宜、単に「書き込み文字」という。なお、数字・記号・符号等でも良い)Rを自由に記載可能なフリー書き込み領域71が設けられている。この例では、書き込み文字Rとして、フリー書き込み領域71に、例えば8月6日の月日を表す「8/6」が左上に記載され、午前10時からの予定内容を表す「AM10:00〜A社プレゼン」と、午後2時からの予定内容を表す「PM2:00〜技術打合せ」との横書きの一群の文字列が上下2列に記載されている。
【0037】
ここで、上記したように、本実施形態では、ユーザは、自らが記載した内容を、サーバSVのうちユーザの意図するフォルダに自動的に振り分けるために、所定のマークMを任意の位置に記入する。このとき、本実施形態では、図6に示すように、ユーザがストロークデータの格納先として使用可能なフォルダとして、サーバSV内に、「メモ」フォルダF1、「TODO」フォルダF2、「予定」フォルダF3、「処理済み」フォルダF4、の合計4つのフォルダが設けられている。そして、「メモ」フォルダF1には三角形「△」のマークMが対応付けられ、「TODO」フォルダには四角形「□」のマークMが対応付けられ、「予定」フォルダには星形「☆」のマークMが対応付けられ、「処理済み」フォルダにはエックス(バツ)形「×」のマークMが対応付けられている。そして、ユーザが、上記4つのフォルダF1〜F4のうち所望のフォルダに対応付けられた所定のマークMを、書き込み文字Rと所定の位置関係(後述する)となる上記任意の位置に記入することにより、当該書き込み文字Rを含む紙媒体70への記載内容が、上記所望のフォルダに保存される。
【0038】
<文字列の途中にマーキングする場合>
図6の例では、上記所定の位置関係の一例として、ユーザによって、「AM10:00〜A社プレゼン」の書き込み文字Rの文字列の途中、すなわち文字「〜」と文字「A」との間に、「☆」のマークMが記載されている。これにより、CPU201によってこの「☆」のマークMが認識され、上記「AM10:00〜A社プレゼン」及び「PM2:00〜技術打合せ」という文字列群のストロークデータは、上記フォルダF1〜F4のうち、「☆」のマークMMに対応した「予定」フォルダF3に対して振り分けられ(図6中太破線矢印参照)、当該「予定」フォルダF3に自動的に保存される。
【0039】
<包囲線や接続線を使用する場合>
図7を用いて、上記書き込み文字Rと上記マークMとの所定の位置関係の別の例を説明する。この例では、ユーザは、紙媒体70に対し書き込み文字Rの記載を行った後、その記載を包囲線RCで包囲し、さらにこの包囲線RC上又はその近傍から延びる接続線RLを用いて上記マークMに対応付けている。すなわち、図7に示すように、ユーザによって、紙媒体70に「A社NDA締結」及び「プレゼン資料」が上下2段に書き込み文字Rが記載されている。そして、当該書き込み文字Rを包囲するように包囲線RCが記入され、この包囲線RCから少し離れた位置に、上記「TODO」フォルダF2に対応付けられる上記四角形のマーク「□」のマークMが記入され、このマークM(又はその近傍部位でもよい)と包囲線RC(又はその近傍部位でもよい)とが接続線RLで接続されている。これにより、CPU201は、包囲線RC内の書き込み文字Rのストロークデータが接続線RLを介しマークMと関連付けられたことを認識する。なお、CPU201のこの認識機能のうち、包囲線RCを検出する機能が各請求項記載の包囲線検出手段に相当している。そしてこの認識を契機として、包囲線RC内の上記「A社NDA締結」及び「プレゼン資料」という文字列群のストロークデータが、上記フォルダF1〜F4のうち、上記「□」のマークMに対応した「TODO」フォルダF2に対して振り分けられ(図7中太破線矢印参照)、当該「TODO」フォルダF2に自動的に保存される。
【0040】
<制御フロー>
上記の内容を実現するために、電子筆記装置2のCPU201が実行する制御手順を、図8により説明する。なお、以下においては、上記図6の例に沿い、書き込み文字Rの所定の文字列中にマークMを記入した場合を例にとって説明するが、上記図7の例のように、包囲線RCとマークMとが接続線RLで接続される場合等においても、同様である。
【0041】
図8において、このフローは、例えば、電子筆記装置2の電源がオンされ、所定のトリガー、すなわち、公知の手段により電子ペン3による筆記動作の検出がされることを契機に開始される。
【0042】
まず、ステップS10において、CPU201は、前述のようにしてユーザが筆記を行ったときの座標検出部25での検出結果に基づき、電子ペン3の複数の座標情報を取得する。この手順が、各請求項記載の位置取得手段として機能する。
【0043】
その後、ステップS20に移り、CPU201は、ステップS10で取得された座標情報に基づき、前述のようにして、ユーザの書き込み文字Rの内容に対応するストロークデータを生成する。この手順が、各請求項記載の第1データ生成手段として機能する。なお、生成されたストロークデータは、上記RAM203に一時的に記憶される。
【0044】
そして、ステップS30において、CPU201は、上記ステップS20でのストロークデータの生成結果に基づき、書き込み文字Rのストロークデータ内に「△」のマークMが検出されたかどうかを判定する。「△」のマークMが検出されたら、ステップS30の判定が満たされ(S30:Yes)、ステップS40に移行する。
【0045】
ステップS40では、CPU201は、「△」のマークMを含む書き込み文字Rの一群の文字列のストロークデータを、互いに関連する(ひとかたまりの)ストロークデータとして認識する。図6の例に沿うと、「AM10:00〜A社プレゼン」「PM2:00〜技術打合せ」の文字列群を、「△」マークによって振り分けるべき(ひとかたまりの)ストロークデータとして認識する。この認識は、ストロークデータ同士の座標の近接性や、次の一群の文字列のストロークデータとの間に生じる空白や、行違い、列違い等の検出等、公知の適宜の手法により行えば足りる。そして、CPU201は、当該認識された、「△」のマークMを含む一群の文字列のストロークデータを、上記通信制御部207よりネットワークNWを介して、サーバSVへ自動的に送信し、サーバSV内の三角形「△」のマークMに対応した「メモ」フォルダF1へ格納(保存)し、フローを終了する。
【0046】
一方、上記ステップS30において、「△」のマークMが検出されなかった場合は、ステップS30の判定が満たされず(S30:No)、ステップS50に移行する。ステップS50では、CPU201は、上記ステップS20でのストロークデータの生成結果に基づき、書き込み文字Rのストロークデータ内に「□」のマークMが検出されたかどうかを判定する。「□」のマークMが検出されたら、ステップS50の判定が満たされ(S50:Yes)、ステップS60に移行する。
【0047】
ステップS60では、CPU201は、「□」のマークMを含む書き込み文字Rの一群の文字列のストロークデータを、上記同様、互いに関連する(ひとかたまりの)ストロークデータとして認識した後にサーバSVへ自動的に送信し、サーバSV内の四角形「□」のマークMに対応した「TODO」フォルダF2へ格納(保存)する。そして、このフローを終了する。
【0048】
一方、上記ステップS50において、「□」のマークMが検出されなかった場合は、ステップS50の判定が満たされず(S50:No)、ステップS70に移行する。ステップS70では、CPU201は、上記ステップS20でのストロークデータの生成結果に基づき、書き込み文字Rのストロークデータ内に「☆」のマークMが検出されたかどうかを判定する。「☆」のマークMが検出されたら、ステップS70の判定が満たされ(S70:Yes)、ステップS80に移行する。
【0049】
ステップS80では、CPU201は、「☆」のマークMを含む書き込み文字Rの一群の文字列のストロークデータを、上記同様、互いに関連する(ひとかたまりの)ストロークデータとして認識した後にサーバSVへ自動的に送信し、サーバSV内の星形「☆」のマークMに対応した「予定」フォルダF3へ格納(保存)する。そして、このフローを終了する。
【0050】
一方、上記ステップS70において、「☆」のマークMが検出されなかったら、ステップS70の判定が満たされず(S70:No)、ステップS90に移行する。ステップS90では、CPU201は、上記ステップS20でのストロークデータの生成結果に基づき、書き込み文字Rのストロークデータ内に「×」のマークMが検出されたかどうかを判定する。「×」のマークMが検出されたら、ステップS90の判定が満たされ(S90:Yes)、ステップS100に移行する。
【0051】
ステップS100では、CPU201は、「×」のマークMを含む書き込み文字Rの一群の文字列のストロークデータを、上記同様、互いに関連する(ひとかたまりの)ストロークデータとして認識した後にサーバSVへ自動的に送信し、サーバSV内のエックス(バツ)形「×」のマークMに対応した「処理済み」フォルダF4へ格納(保存)する。そして、フローを終了する。
【0052】
一方、上記ステップS90において、「×」のマークMが検出されなかったら、ステップS90の判定が満たされず(S90:No)、上記ステップS30に戻り、以下、同様の手順が行われる。
【0053】
なお、上記ステップS30、ステップS50、ステップS70、ステップS90が、各請求項記載の第1図像検出手段として機能し、上記ステップS40、ステップS60、ステップS80、ステップS100が、各請求項記載の第1送信制御手段として機能する。
【0054】
以上説明したように、本実施形態の電子筆記装置2においては、ユーザが電子ペン3を用いて筆記した内容を電子データ化することができる。すなわち、ユーザが、紙媒体70を載置部24にセットして、その紙媒体70に対し電子ペン3を用いて所望の記載を行うと、筆記動作により移動する電子ペン3の複数の座標情報が取得される。その取得された複数の座標情報により、上記紙媒体70への記載(書き込み文字R)に対応したストロークデータが生成される。この生成されたストロークデータは電子筆記装置2のRAM203に一時的に記憶される。
【0055】
このとき、ユーザが、上記のように紙媒体70に筆記による記載を行う際(又は行った後)、当該記載の内容を保存したいフォルダに対応付けられたマークMを、記載と所定の位置関係となる任意の位置に記入する。これにより、CPU201により上記マークMの記入が検出され、上記RAM203に記憶されたストロークデータが、サーバSVに備えられたフォルダF1〜F4のうちの上記マークMに対応した所望のフォルダに自動的に振り分けられ、格納される。
【0056】
この結果、ユーザは、紙媒体70に対し電子ペン3を用いて筆記したときの記載内容を、マークMの記入によって選択した所望のフォルダに確実に振り分けて格納することができる。これにより、ユーザは、筆記内容を自分の意図する分類で容易に仕分けながら保存することができるので、利便性を向上することができる。
【0057】
また、特に、上記のマークMの記入箇所は、紙媒体70の特定の箇所に限定されることなく、紙媒体70の上記記載に対し上記所定の位置関係となる限りにおいて、ユーザが任意に選ぶことができる。したがって、マークMを記入できる領域(電子筆記装置2側で認識できる領域)が紙媒体70の特定の箇所に限定される場合に比べて使い勝手がよくなり、さらに利便性を向上することができる。
【0058】
また、本実施形態では特に、上記図6に示した例においては、ユーザが紙媒体70に文字列を記載していくとき、文字列に含まれる適宜の文字と文字との間(前述の例では「〜」と文字「A」との間)にマークMを記入しておくだけで、当該文字列を所望のフォルダに確実に振り分けて格納することができる。したがって、文字列を順次記載していくときに当該文字列から電子ペン3を逸脱させることなくフォルダを指定できるので、マークM記入のためにユーザが電子ペン3を大きく移動させる労力をなくすことができ、さらに利便性を向上することができる。
【0059】
また、本実施形態では特に、上記図7に示した例においては、ユーザは、紙媒体70に対し記載を行った後、その記載内容のうち、マークMを用いて所望のフォルダへ格納する部分を、包囲線RCで包囲することによって指定することができる。この結果、ユーザは、紙媒体70への筆記内容をさらに容易に仕分けながら保存することができ、さらに利便性を向上することができる。また、包囲線RC(又はその近傍でもよい)とマークM(又はその近傍でもよい)との間を接続線RLを利用して結びつけることで、包囲線RCとマークMとを互いに離れた位置に記入することが可能となり、これによっても、さらに利便性を向上することができる。
【0060】
なお、上記書き込み文字Rと上記マークMとの所定の位置関係のさらに別の例として、上記図7のようにマークMと包囲線RCとを接続線RLで接続する代わりに、マークMを単に包囲線RCの近傍位置(包囲線RCのすぐ外側若しくはすぐ内側)に記入し、これによってCPU201がそれら書き込み文字RとマークMとを認識するようにしてもよい。
【0061】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。なお、上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
【0062】
(1)ユーザの追記に対応した場合
すなわち、一度ユーザが紙媒体70に対し記載を行い、対応するストロークデータが上記マークMに対応したいずれかのフォルダF1〜F4に格納済みの状態で、当該紙媒体70上に残る上記記載に対してさらにユーザが何らかの追記を行った場合に、当該追記に対応するデータ処理を行うようにしてもよい。
【0063】
図9は、このような変形例における、紙媒体70の状態の例を表す説明図である。この例では、ユーザが、上記実施形態において説明した図6に示す「AM10:00〜A社プレゼン」「PM2:00〜技術打合せ」の記載を行って対応するストロークデータが「予定」フォルダF3へ格納された状態で、それらすべてのテキストに対し、識別用図像としての取消線NRの追記を行っている。この変形例において、上記取消線NRは、「処理済み」フォルダF4に対応付けられている。この結果、上記のような追記が行われると、CPU201の制御により、上述のようにして既に「予定」フォルダF3に存在している上記「AM10:00〜A社プレゼン」「PM2:00〜技術打合せ」のストロークデータが、「処理済み」フォルダF4に移動する。なお、取消線NRの代わりに適宜の別のマークや記号や数字等が用いられても良い。
【0064】
図10は、上記の内容を実現するために、この変形例におけるCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。上記図8と同等の手順には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
【0065】
図10に示すフローでは、図8のステップS20とステップS30との間に新たにステップS21が設けられ、さらにこのステップS21から分岐してステップS22、ステップS34、ステップS24が設けられる。
【0066】
すなわち、前述したようにステップS20でCPU201がステップS10で取得された座標情報に対応したストロークデータを生成したら、新たに設けたステップS21に移る。
【0067】
ステップS21においては、CPU201は、上記ステップS20でのストロークデータの生成結果に基づき、紙媒体70に対しマークMとしての上記取消線NRが検出されたかどうかを判定する。具体的には、横に水平な一本の直線又は二本の直線等が検出されたかどうかを判定する(この時点では過去の記載内容を取り消す、真の意味での取消線であるかどうかは分からない。後述のステップS22参照)。取消線NRが検出されなければステップS21の判定が満たされず(S21:No)、ステップS30に移行して、図8のステップS30以下の場合と同様の手順で処理が実行される。取消線NRが検出されればステップS21の判定が満たされて(S21:Yes)、新たに設けたステップS22に移行する。
【0068】
ステップS22では、CPU201は、全てのフォルダF1〜F4を検索し、上記ステップS21で検出された取消線に相当する座標位置に対応したストロークデータがあるかどうかを判定する。取消線に相当するストロークデータがいずれかのフォルダに存在すれば、ステップS22の判定が満たされて(S22:Yes)、ステップS23に移行する。
【0069】
ステップS23では、上記ステップS21で検出された取消線は、過去にいずれかのフォルダに格納済みのストロークデータに対応した実際の記載に対する真の取消線の記入(すなわち取消線の重ね書き)とみなすことができることから、CPU201は、当該ストロークデータを「処理済み」フォルダF4に移動する。その後、このフローを終了する。
【0070】
一方、上記ステップS22において、取消線に相当するストロークデータが存在しなければ、ステップS22の判定が満たされず(S22:No)、ステップS24に移行する。ステップS24では、CPU201は、上記ステップS21で検出された取消線は、取消線のように見える類似の形状の新規の線描画の記載であったとみなし、このことを明示する所定のエラー表示をするための表示信号をディスプレイ21へ出力する。その後、このフローを終了する。
【0071】
本変形例においては、ユーザは、いったんマークMを用いてサーバSVの所定のフォルダに保存した記載内容に対し、その後に取消線NRの追記を行うことで、当該記載内容を格納するフォルダをさらに変更することができる。これにより、各フォルダF1〜F4の中にさらに小分類を設けて再整理しようとする場合や、各フォルダF1〜F4に保存した記載内容の位置づけが変わった(例えば上記の例では記載された事項をユーザが処理した等)場合等における、操作者の利便性を向上することができる。
【0072】
(2)複数のフォルダに別々に振り分ける場合
上記実施形態においては、図6及び図7等に示したように、紙媒体70に記載された書き込み文字Rが、全体として一体となって1つのフォルダに振り分けられ格納される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、図11(a)に示す例では、3つの書き込み文字R1、書き込み文字R2、書き込み文字R3が紙媒体70に記載された例を示している。そして、各書き込み文字R1,R2,R3に対応する所定の位置関係となる部位(この例ではほぼ同一行となる位置)に、上記各フォルダF1〜F4に対応するマークMが記入されている。
【0073】
すなわち、この例では、書き込み文字R1に対しては「☆」のマークMが記入されて対応付けられ、書き込み文字R2に対しても「☆」のマークMが記入されて対応付けられ、書き込み文字R3に対しては、「□」のマークMが記入されて対応付けられている。これらの結果、前述の対応付けにより、CPU201によって、書き込み文字R1のストロークデータは「予定」フォルダF3に格納され、書き込み文字R2のストロークデータは「予定」フォルダF3に格納され、さらに書き込み文字R3のストロークデータは「TODO」フォルダF2に格納される。なお、上記のように、ほぼ同一行となる位置に存在することで書き込み文字R1〜R3とマークMとを対応付けるのではなく、書き込み文字R1〜R3のうちアンダーラインが引かれたものだけを上記ほぼ同一行となる位置のマークMと対応付けるようにしても良い。
【0074】
本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0075】
(3)書き込み文字の一部を包囲線で囲み、マークと対応付ける場合
上記実施形態において図7を用いて説明したように、紙媒体70に記載された書き込み文字Rの全体が包囲線RCで包囲され、一体となって1つのフォルダに振り分けられ格納された。これに対し、本変形例では、図11(b)に示すように、ユーザが紙媒体70に対し書き込み文字R1,R2,R3の記載を行った後、それらのうち2つの書き込み文字R1,R2のみを包囲線RCで包囲することによって、振り分け対象のストロークデータであるとして指定している。また、その指定された書き込み文字R1,R2の振り分け先を指定するために、やや離れた、書き込み文字R3と略同一行となる位置に、「□」のマークMが記入され、対応付けを明確とするために、上記包囲線RCが「□」のマークMの位置まで延びて「□」のマークMを包含している
【0076】
本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0077】
(4)その他バリエーション
なお、上記実施形態及び(2)(3)の変形例においては、1つの識別用図像をマークMによって構成したが、これに限られない。例えば上記「△」「□」「☆」「×」のマークに代えて、適宜の数字や記号等、他の種類の図像を用いるようにしてもよい。さらには、マークMと数字や記号との組み合わせにより、振り分け先のフォルダを指定するようにしてもよい。この場合、例えば、「☆1」「☆2」「☆3」「☆4」のように指定を行うことで、予定フォルダF3の中に設けた4つの小フォルダのいずれか1つをさらに細かく振り分け先として指定することができる。
【0078】
(5)操作処理端末において処理を行う場合
以上においては、電子ペン3の位置検出機能、当該検出位置からストロークデータを生成する機能、「△」「□」「☆」「×」等のマークを検出する機能、上記生成されたストロークデータを上記マーク検出結果に応じたフォルダに振り分けて格納する機能、のすべてを、電子筆記装置2が備えていた。しかしながらこれに限られるものではない。
【0079】
すなわち、先に図1に示したように、ネットワークNWを介し電子筆記装置2に対し接続される操作処理端末400を設け、電子筆記装置2で検出した電子ペン3の位置情報を取得した後の、上記ストロークデータの生成、マーク検出、及びストロークデータの生成、を当該操作処理端末400において行うようにしてもよい。
【0080】
図1において、操作処理端末400(図1中の二点鎖線参照)は、電子筆記装置2及びサーバSVと、有線あるいは無線によるネットワークNWを介して情報送受信可能に接続されている。操作処理端末400は、例えばパーソナルコンピュータにより構成されており、液晶ディスプレイ等の表示部401と、キーボードやマウス等の操作部402と、記憶装置(図示せず)と、通信インターフェース(図示せず。第2通信手段に相当)と、CPU(図示せず)と、ROM(図示せず)と、RAM(図示せず。第2記憶手段に相当)と、等を有する。
【0081】
記憶装置は、例えばハードディスク等を備えた適宜の大容量記憶装置である。通信インターフェースは、電子筆記装置2の通信制御部207に対し、ネットワークNWを介して情報送受信可能に接続される。表示部401は、例えば液晶ディスプレイにより構成され、ユーザに対し、電子筆記装置2の表示部21と同様の表示を行う。操作処理端末400側のCPUは、上記RAMの一時記憶機能を利用しつつ、ROMや記憶装置に予め記憶された制御プログラムを実行する。これにより、CPUは、操作処理端末400全体の制御を行う。
【0082】
なお、本変形例では、電子筆記装置2が各請求項記載の筆記位置検出装置を構成し、操作処理端末400が筆記データ処理装置を構成する。
【0083】
図12を用いて、本変形例の操作処理端末400の上記CPUが実行する制御手順を説明する。図12において、まず、ステップS110で、操作処理端末400のCPUは、前述のようにして電子筆記装置2の上記座標検出部25で取得された、電子ペン3による書き込み文字Rの座標情報を、上記通信制御部207及び上記ネットワークNWを介して取得する。
【0084】
その後、ステップS120では、操作処理端末400のCPUは、上記図8のステップS20と同様、上記ステップS110で取得された座標情報に基づき、前述のようにして、ユーザの書き込み文字Rの内容に対応するストロークデータを生成する。生成されたストロークデータは、一時的に上記RAMに記憶される。なお、この手順が、各請求項記載の第2データ生成手段として機能する。
【0085】
ステップS130、ステップS140、ステップS150、ステップS160、ステップS170、ステップS180、ステップS190、ステップS200は、上記図8のステップS30、ステップS40、ステップS50、ステップS60、ステップS70、ステップS80、ステップS90、ステップS100とそれぞれ同等である。すなわち、ステップS130、ステップS150、ステップS170、ステップS190では、それぞれ、操作処理端末400のCPUは、上記ステップS120でのストロークデータの生成結果に基づき、書き込み文字Rのストロークデータ内に「△」「□」「☆」「×」のマークMが検出されたかどうかを判定する。またそのときの判定結果が満たされるか満たされないかに応じて、操作処理端末400のCPUは、ステップS140、ステップS160、ステップS180、ステップS200において、上記通信インターフェースにより上記ネットワークNWを介してサーバSVにアクセスし、各マークに対応する上記フォルダF1,F2,F3,F4のいずれかに、上記ストロークデータを格納する。
【0086】
なお、以上において、ステップS130、ステップS150、ステップS170、ステップS190が、各請求項記載の第2図像検出手段として機能し、上記ステップS140、ステップS160、ステップS180、ステップS200が、各請求項記載の第2送信制御手段として機能する。
【0087】
以上のように構成した本変形例では、ユーザが電子ペン3を用いて電子筆記装置2において紙媒体70に筆記した内容を、操作処理端末400で電子データ化することができる。すなわち、ユーザが、所定の紙媒体70に対し電子ペン3を用いて所望の記載を行うと、筆記動作により移動する電子ペン3の複数の位置情報が電子筆記装置2によって検出される。そして、その検出された複数の位置情報を用いて、操作処理端末400が上記紙媒体70への記載に対応したストロークデータを生成する。この生成されたストロークデータは操作処理端末400の上記RAM(図示せず)に一時的に記憶される。
【0088】
そして、本変形例では、上記のようにして記憶された、記載内容に対応したストロークデータを、操作処理端末400がサーバSVにおける所望のフォルダに振り分けて格納することが可能である。すなわち、ユーザが、上記のように紙媒体70に筆記による記載を行う際(又は行った後)、当該記載の内容を保存したいフォルダに対応付けられたマークMを、記載と所定の位置関係となる任意の位置に記入する。これにより、操作処理端末400のCPUにより上記マークMの記入が検出され、上記RAMに記憶されたストロークデータが、サーバSVに備えられたフォルダF1〜F4のうちの上記マークMに対応した所望のフォルダに自動的に振り分けられ、格納される。
【0089】
以上の結果、本変形例においても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、ユーザは、紙媒体70に対し電子ペン3を用いて筆記したときの記載内容を、マークMの記入によって選択した所望のフォルダに確実に振り分けて格納することができる。これにより、ユーザは、筆記内容を自分の意図する分類で容易に仕分けながら保存することができるので、利便性を向上することができる。
【0090】
また、上記実施形態と同様、特に、上記のマークMの記入箇所は、紙媒体70の特定の箇所に限定されることなく、紙媒体70の上記記載に対し上記所定の位置関係となる限りにおいて、ユーザが任意に選ぶことができる。したがって、ユーザにとっての使い勝手がよく、さらに利便性を向上することができる。
【0091】
なお、以上においては、電子ペン3からの磁界を座標検出部25で検出することによりユーザの筆記動作による電子ペン3の移動を検出したが、これに限られない。すなわち、ユーザの筆記動作時における電子ペン3の先端の動きを、超音波や赤外線やカメラ撮像結果を用いて検知する方式を用いてもよい。また、電子筆記装置2の載置部24に公知の感圧手段を設け、ユーザの筆記動作時において電子ペン3の先端が紙媒体70を押圧する力を上記感圧手段で検出することにより、電子ペン3の先端の動きを検出してもよい。この場合には、電子ペン3として、上記のような磁界を発生するためのコイル35を備えたペンではなく、通常のボールペンなどの汎用のペンを用いることができる。
【0092】
また、以上においては、マークMの書き込みを契機に、CPU201が、対応する書き込み文字RをサーバSVへ送信してフォルダF1〜F4のいずれかに格納したが、これに限られない。すなわち、上記フォルダF1〜F4のようなユーザの意図する分類の複数のフォルダを、電子筆記装置2の内部(例えば上記フラッシュメモリ204の座標情報記憶領域2041等)に設け、上記同様の契機により、当該電子筆記装置2の内部の複数のフォルダに自動的に仕分けて格納するようにしてもよい。さらにはその電子筆記装置2の内部の複数のフォルダに一旦記憶させておき、その後、何らかの契機により、サーバSVの上記フォルダF1〜F4へと出力して格納するようにしてもよい。この場合、一旦記憶させる複数のフォルダを、電子筆記装置2の外部の、別途のPC端末や携帯端末やスマートフォン等に設けてもよい。
【0093】
なお、図8、図10、図12に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0094】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0095】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0096】
2 電子筆記装置
3 電子ペン(筆記具)
70 紙媒体(被筆記媒体)
201 CPU
203 RAM(第1記憶手段)
207 通信制御部(第1通信手段)
400 操作処理端末(筆記データ処理装置)
F1〜F4 フォルダ
M マーク(識別用図像)
RC 包囲線
SV サーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筆記具を用いた操作者の被筆記媒体への筆記動作に伴って移動する、前記筆記具の複数の位置情報を取得する位置取得手段と、
前記位置取得手段により取得された前記位置情報に基づき、前記被筆記媒体の任意の位置に記入された、外部記憶装置に備えられた複数の格納先を選択するための識別用図像を検出する第1図像検出手段と、
前記位置取得手段で取得された前記複数の位置情報を用いて、前記被筆記媒体において前記識別用図像に対し所定の位置関係にある、前記筆記具による前記被筆記媒体への記載に対応した画像データを生成する第1データ生成手段と、
前記第1データ生成手段により生成された画像データを一時的に記憶する第1記憶手段と、
前記画像データを前記外部記憶装置へ記憶させるために通信により送信する第1通信手段と、
前記第1図像検出手段で前記識別用図像が検出されたことを契機に前記第1通信手段を制御し、前記第1データ生成手段により生成され前記第1記憶手段に記憶された画像データを、前記第1図像検出手段で検出された前記識別用図像に対応した前記格納先へ記憶するための送信を行う、第1送信制御手段と、
を有することを特徴とする電子筆記装置。
【請求項2】
請求項1記載の電子筆記装置において、
前記第1データ生成手段は、
前記筆記具により前記被筆記体に記載された文字列に対応した文字列画像データを生成し、
前記第1図像検出手段は、
前記所定の位置関係として、前記被筆記媒体の前記文字列の途中に記入された前記識別用図像を検出し、
前記第1通信手段は、
前記第1送信制御手段の制御に基づき、前記文字列画像データを、前記第1図像検出手段で検出された前記識別用図像に対応した前記格納先へ記憶するための送信を行う
ことを特徴とする電子筆記装置。
【請求項3】
請求項1記載の電子筆記装置において、
前記位置取得手段により取得された前記位置情報に基づき、前記筆記具による前記被筆記媒体への記載を略包囲する包囲線を検出する包囲線検出手段を有し、
前記第1図像検出手段は、
前記所定の位置関係として、前記包囲線の近傍に位置するか、若しくは、前記包囲線又はその近傍を起点とする線の終点又はその近傍に位置する、前記識別用図像を検出し、
前記第1通信手段は、
前記第1送信制御手段の制御に基づき、前記包囲線に略包囲された前記記載に対応した前記画像データを、前記第1図像検出手段で検出された前記識別用図像に対応した前記格納先へ記憶するための送信を行う
ことを特徴とする電子筆記装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の電子筆記装置において、
前記位置取得手段により取得された前記位置情報に基づき、前記第1図像検出手段が、既に前記第1通信手段により前記送信が行われた画像データに対応する前記被筆記媒体への記載に対する新たな前記識別用図像の追記を検出した場合には、
前記第1送信制御手段は、前記第1通信手段を制御し、前記第1図像検出手段で検出された前記識別用図像の追記に対応した前記格納先の変更を行うための送信を行う
ことを特徴とする電子筆記装置。
【請求項5】
筆記位置検出装置により検出され、当該筆記位置検出装置に設けた被筆記媒体に対する操作者の筆記動作に伴って移動する筆記具の位置情報に基づき、前記被筆記媒体の任意の位置に記入された、外部記憶装置に備えられた複数の格納先を選択するための識別用図像を検出する第2図像検出手段と、
前記筆記位置検出装置により検出された複数の前記位置情報を用いて、前記被筆記媒体において前記識別用図像に対し所定の位置関係にある、前記筆記具による前記被筆記媒体への記載に対応した画像データを生成する第2データ生成手段と、
前記第2データ生成手段により生成された画像データを一時的に記憶する第2記憶手段と、
前記画像データを外部記憶装置へ記憶させるために通信により送信する第2通信手段と、
前記第2図像検出手段で前記識別用図像が検出されたことを契機に前記第2通信手段を制御し、前記第2データ生成手段により生成され前記第2記憶手段に記憶された画像データを、前記第2図像検出手段で検出された前記識別用図像に対応した前記格納先へ記憶するための送信を行う、第2送信制御手段と、
を有することを特徴とする筆記データ処理装置。
【請求項1】
筆記具を用いた操作者の被筆記媒体への筆記動作に伴って移動する、前記筆記具の複数の位置情報を取得する位置取得手段と、
前記位置取得手段により取得された前記位置情報に基づき、前記被筆記媒体の任意の位置に記入された、外部記憶装置に備えられた複数の格納先を選択するための識別用図像を検出する第1図像検出手段と、
前記位置取得手段で取得された前記複数の位置情報を用いて、前記被筆記媒体において前記識別用図像に対し所定の位置関係にある、前記筆記具による前記被筆記媒体への記載に対応した画像データを生成する第1データ生成手段と、
前記第1データ生成手段により生成された画像データを一時的に記憶する第1記憶手段と、
前記画像データを前記外部記憶装置へ記憶させるために通信により送信する第1通信手段と、
前記第1図像検出手段で前記識別用図像が検出されたことを契機に前記第1通信手段を制御し、前記第1データ生成手段により生成され前記第1記憶手段に記憶された画像データを、前記第1図像検出手段で検出された前記識別用図像に対応した前記格納先へ記憶するための送信を行う、第1送信制御手段と、
を有することを特徴とする電子筆記装置。
【請求項2】
請求項1記載の電子筆記装置において、
前記第1データ生成手段は、
前記筆記具により前記被筆記体に記載された文字列に対応した文字列画像データを生成し、
前記第1図像検出手段は、
前記所定の位置関係として、前記被筆記媒体の前記文字列の途中に記入された前記識別用図像を検出し、
前記第1通信手段は、
前記第1送信制御手段の制御に基づき、前記文字列画像データを、前記第1図像検出手段で検出された前記識別用図像に対応した前記格納先へ記憶するための送信を行う
ことを特徴とする電子筆記装置。
【請求項3】
請求項1記載の電子筆記装置において、
前記位置取得手段により取得された前記位置情報に基づき、前記筆記具による前記被筆記媒体への記載を略包囲する包囲線を検出する包囲線検出手段を有し、
前記第1図像検出手段は、
前記所定の位置関係として、前記包囲線の近傍に位置するか、若しくは、前記包囲線又はその近傍を起点とする線の終点又はその近傍に位置する、前記識別用図像を検出し、
前記第1通信手段は、
前記第1送信制御手段の制御に基づき、前記包囲線に略包囲された前記記載に対応した前記画像データを、前記第1図像検出手段で検出された前記識別用図像に対応した前記格納先へ記憶するための送信を行う
ことを特徴とする電子筆記装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の電子筆記装置において、
前記位置取得手段により取得された前記位置情報に基づき、前記第1図像検出手段が、既に前記第1通信手段により前記送信が行われた画像データに対応する前記被筆記媒体への記載に対する新たな前記識別用図像の追記を検出した場合には、
前記第1送信制御手段は、前記第1通信手段を制御し、前記第1図像検出手段で検出された前記識別用図像の追記に対応した前記格納先の変更を行うための送信を行う
ことを特徴とする電子筆記装置。
【請求項5】
筆記位置検出装置により検出され、当該筆記位置検出装置に設けた被筆記媒体に対する操作者の筆記動作に伴って移動する筆記具の位置情報に基づき、前記被筆記媒体の任意の位置に記入された、外部記憶装置に備えられた複数の格納先を選択するための識別用図像を検出する第2図像検出手段と、
前記筆記位置検出装置により検出された複数の前記位置情報を用いて、前記被筆記媒体において前記識別用図像に対し所定の位置関係にある、前記筆記具による前記被筆記媒体への記載に対応した画像データを生成する第2データ生成手段と、
前記第2データ生成手段により生成された画像データを一時的に記憶する第2記憶手段と、
前記画像データを外部記憶装置へ記憶させるために通信により送信する第2通信手段と、
前記第2図像検出手段で前記識別用図像が検出されたことを契機に前記第2通信手段を制御し、前記第2データ生成手段により生成され前記第2記憶手段に記憶された画像データを、前記第2図像検出手段で検出された前記識別用図像に対応した前記格納先へ記憶するための送信を行う、第2送信制御手段と、
を有することを特徴とする筆記データ処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−97509(P2013−97509A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238638(P2011−238638)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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