説明

電子管理システム

【課題】営業活動に要する費用を低減でき、成約時に与信管理の手間を軽減する電子管理システムを提供する。
【解決手段】通信ネットワークに端末機器とサーバを接続し、サーバ内に格納した営業依頼の内容や効率的な営業の為の情報を、端末機器を介して管理する電子取引システムにおいて、前記端末機器が、表示装置と、データを入力する入力装置と、データをサーバ側に送信しサーバ側からの営業依頼の内容等を受信する通信機とを備え、該サーバが、端末機器から入力した営業依頼の内容等のデータを格納する記憶装置と該装置内に格納されている営業依頼の内容等に関するデータを基に営業スタッフに対して効率的な営業を行う為の情報を出力する演算装置と、端末機器との間で送受信する通信装置とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
企業に所属または個人との契約により営業稼動を行っている営業スタッフや企業または個人からの営業を請負う業務を行う営業スタッフ(企業に所属または個人との契約により営業稼動を行っている営業スタッフや企業または個人からの営業を請負う業務を行う人員または営業の経験を有する人員をいう。以下おなじ)の営業効率を上げ且つ新たなネットワークを構築することの出来る営業活動の電子管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業、特に中小企業や個人事業主にとって、営業活動に対する成果(売上)を向上させる必要があり、且つ営業経費の削減は急務である。
【0003】
営業活動の強化による売上の向上は、経済状況とりわけ不況下に於いては正比例せず、営業経費の増加に対し、営業の成果は向上しないことも多くなり、結果として売上に占める営業経費の増大のみを招くことなる。
【0004】
企業または個人事業主にとって売上を向上させる為には、営業活動の増強が不可欠であるが、固定費や広告宣伝費の増加は経営上の負担となる。
【0005】
セールスレップ、販路コーディネータ等、営業のアウトソーシングの方法はあるが、専門的な知識を有した専門家が仲介に入る為営業にかかる費用が多くなることと、またセールスレップ、販路コーディネータ等は確立された技術や完成された商材、役務の営業活動には効果的であるが、一般に行われている日々の草の根的営業活動には向いていないし、効果も期待できない。
【0006】
日々行われている営業活動は、企業、商店、個人に対して訪問して説明や商談を行うことによってなされるが、対象とする企業、商店、個人が距離的に離れている場合もあり、1日の活動時間中に占める移動時間の割合が多くなってしまう場合があるので、訪問先での効率的な営業活動が必要とされている。
【0007】
営業活動において、企業、商店、個人を訪問した際に、より多くの商材を紹介することにより、売上を向上させることが出来るが、現状の営業活動に於いて、営業は自前主義との潜在的考えが浸透している為、営業品目を増やすことは容易ではない。
【0008】
現在行われている営業活動は自前のネットワークの中での活動のみであり、対象となる市場も限られてしまっているが、今まで営業の対象と考えられていない市場にもニーズがあることも事実である。
【0009】
新規の顧客の場合には、既存の顧客と違い、代金の回収に対する不安が大きい。
【0010】
なお、本出願人は、本発明に関連する先行技術については、本出願時においてその存在を知らない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献】
【非特許文献】
【非特許文献】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、かかる問題を解消するためになされたものであり、営業活動を行っている営業スタッフが現状の営業品目に付加することの出来る他の企業の商品や役務の営業活動を同時に行うことにより営業経費の低減や売上の向上に貢献することに着目してなされたものであり、つまり他社が営業を依頼する商品や役務を簡単な手段で知り得ることが出来れば、営業スタッフの本来の営業活動の際に他社の商品や役務の営業活動を行うことが出来、また営業を依頼する企業・個人は元より営業活動を行う営業スタッフにとっても新しい市場の発掘や新たなネットワークを構築する事が出来、営業の成果としての成約時には与信管理の手間を軽減することの出来る、電子管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
通信ネットワークに複数の端末機器とサーバを接続し、該サーバ内に格納したデータにかかる営業依頼の内容や効率的な営業の為の情報を、該端末機器を介して管理する電子取引システムにおいて、前記端末機器が、営業依頼の内容等を表示する表示装置と、前記営業依頼の内容等に関するデータを入力する入力装置と、入力したデータをサーバ側に送信するとともにサーバ側からの営業依頼の内容等を受信する通信機とを備え、前記サーバが、営業スタッフまたは営業を依頼する企業または個人のいずれか一方又は両方が前記端末機器から入力した営業依頼の内容等に関するデータを格納する記憶装置と営業スタッフまたは営業を依頼する企業のいずれか一方又は両方が前記端末機器から入力した営業依頼の内容等に関するデータに基づいて前記記憶装置内に格納されている営業依頼の内容等に関するデータを基に営業スタッフに対して効率的な営業を行う為の情報を出力する演算装置と、前記端末機器との間で送受信する通信装置とを備えていることを特徴とする。
【0013】
このように構成された本発明にかかる電子管理システムによれば、営業を依頼する企業または個人からの情報及営業の依頼内容を自身が保持している端末機器へ入力して、通信ネットワークを介して、該通信ネットワークに接続されているサーバへ送ると、これらの情報や依頼に関するデータはサーバの記憶装置内に格納される。また営業スタッフからの営業成果や報告についても自身が保持する端末機器へ入力して、営業成果や報告のデータを、通信ネットワークを介して、該ネットワークに接続されているサーバへ送るとこれらの営業成果や報告に関するデータはサーバの記憶装置内に格納される。前記演算装置は、適宜タイミングで、前記記憶装置内に格納されている前記入力した営業を依頼する企業からの情報及依頼内容や営業スタッフからの営業成果や報告等に関するデータの中から双方の満足するものがあるか否か検索して、その検索結果を出力する。この検索結果を用いる事により営業活動の効率を向上することが可能となる。
【0014】
ところで、前記電子管理システムにおいて、営業を依頼する企業または個人からの情報及営業の依頼内容を自身が保持している端末機器へ入力して、通信ネットワークを介して、該通信ネットワークに接続されているサーバへ送ると、前記営業を依頼する企業または個人からの情報や依頼に関するデータはサーバの記憶装置内に格納されると同時に該通信ネットワークを介し予め登録された営業スタッフ及び営業を依頼する企業だけであってもよく、あるいは一般に開放されたものであってもよい。
【0015】
本発明の前記電子管理システムにおいて、前記営業を依頼する企業からの情報及営業の依頼内容のデータを閲覧し、活用する対象と想定しているのは、企業に所属または個人との契約により営業稼動を行っている営業スタッフや企業または個人からの営業を請負う業務を行う営業スタッフであり、本来の業務に前記前記営業を依頼する企業からの情報及営業の依頼内容を付加し活動を行うことが業務の効率化の面からも好ましい。
【0016】
また前記電子管理システムを活用する営業スタッフは日々営業活動を行っており専門知識を有している。
営業スタッフは、該電子管理システム内の前記演算装置を介し、前記営業を依頼する企業からの情報及営業の依頼内容のデータを閲覧し、営業スタッフ自身の専門知識を有する企業からの情報及営業の依頼内容を満足するものがあるか否か検索してその検索結果を出力し活用することが好ましく、営業スタッフの日々の営業活動に関連する営業内容の依頼を受けることとなる。
【0017】
本発明の営業活動の電子管理システムに於いて営業スタッフの情報を収納する前記サーバ内の記憶装置には所属する企業名や契約する個人や専門分野等の情報も収納するが、前記情報は公開しないことが好ましい。
【0018】
ところで前記電子管理システムで、前記サーバの記憶装置内に格納される営業を依頼する企業または個人からの情報及営業の依頼内容のデータについては、営業を依頼する商品、役務等に関する情報、営業を希望する地域や営業活動の対象として希望する業種や企業名とし、前記データは該通信ネットワークを介し営業スタッフに公開される構成とすることが好ましい。
【0019】
本発明の電子管理システムでは、前記サーバの記憶装置内に格納される営業を依頼する企業または個人からの情報及営業の依頼内容のデータについては、営業を依頼する企業名または個人名や所在地、電話番号等の企業や個人を特定できる情報以外は適時該通信ネットワークを介し公開されて、営業スタッフが自身の営業内容に合致または自身の専門知識を有する営業を依頼する企業または個人からの情報及営業の依頼内容のデータを検索、閲覧し営業スタッフ自身の本来の営業活動に付加する形態で営業活動を行うこととなる。
【0020】
ところで本発明の電子管理システムでは、営業スタッフが自身の営業内容に合致または自身の専門知識を有する営業を依頼する企業または個人からの情報及営業の依頼内容のデータを検索、閲覧し営業スタッフ自身の本来の営業活動に付加することが出来るデータを抽出した際には、前記サーバの記憶装置内に格納される営業を依頼する企業または個人からの情報及営業の依頼内容のデータを印刷することが出来るが、前記営業を依頼する企業または個人の情報(従業員数、保有設備、得意分野、所在地の市町村まで)は同時に印刷することが出来るよう構成されていても良いが、企業名、所在地、電話番号、代表社名等は公開されない構成が好ましい。
【0021】
ところで本発明の電子管理システムを利用して商談を進める場合には、前記サーバ内の通信装置を用い営業スタッフ、営業を依頼する企業または個人の双方の情報(企業名等)は、双方に公開されずに行われる方が好ましい。
【0022】
営業スタッフが自身の顧客に営業活動を依頼した企業や個人の商品、役務または技術を説明する際には、会社概要や商品のカタログが必要となるが、企業名や個人を公開しないためには、営業活動を依頼した企業や個人が通常の営業活動において使用しているカタログは使用できず、また営業スタッフへカタログを送付する為の費用が発生してしまう為、本電子管理システム専用のカタログを前記サーバ内のデータベースから取得し、営業スタッフが必要部数を印刷し使用することが好ましい。
【0023】
また前記サーバ内には、本発明の営業活動の電子管理システムを通じて商談が成立した場合の決済方法として、前記サーバ内に決済機能が具備されていることが決済を安全に行う為に好ましい。
前記決済機能とは、営業活動の電子管理システムを通じて商談が成立した場合、営業を依頼している企業の保有している端末から該通信ネットワークを介し前記サーバに商談が成立した情報を送信すると、適時サーバの記憶装置内に格納し、決済機能に伝達される。
前記決済機能に伝達された情報は、ID、パスワード等を入力することにより該通信ネットワークを介し商談の成立した双方の保有する端末機器で確認することが出来るが、ID、パスワード等を入力した際にはまず本電子管理システムが予め契約しているファイナンス企業等の金融機関の用意した利用約款等を承諾することを求められる構成となっている。
つまり、商談が成立した双方が本電子管理システムが予め契約しているファイナンス企業等の金融機関を通じて決済業務を行うことを承諾したこととなり、個別の契約の簡略化が図れ、また安全に決済を行うことが出来好ましい。
【0024】
本発明の電子管理システムを通じた営業活動により商談が成立した場合には、該サーバ内の演算装置により成立金額に応じた報酬金額が営業スタッフまたは営業スタッフの所属する企業や契約している個人に支払われることとなる。前項記載の決済処理方法で決済処理を行った場合も同様となる。
【0025】
また前記電子管理システムを通じた営業活動により商談が成立した場合の該サーバ内の演算装置により成立金額に応じた報酬金額については、成立金額に対する割合に加え前記サーバ内の通信装置を通じて営業スタッフより報告される打ち合わせの回数や見積書等の書類作成回数を考慮した金額となることが好ましい。
【0026】
本発明の電子管理システムに登録している営業スタッフについては、過去に営業活動を依頼した企業や個人からの評価がされており、該評価は営業活動を依頼する企業や個人が閲覧することが出来ることが好ましい。
【0027】
営業活動を依頼した企業や個人と営業スタッフとの間には契約が必要となり、該契約に関することは全てシステム内で用意されている形式に記入する等の容易な手順で行え、金額的に大きなプロジェクトや複数社が共同で開発を行う場合においても同様の手段で契約書を作成することが出来ることが好ましい。
【発明の効果】
【0028】
本発明にかかる通信ネットワークを利用した電子管理システムを利用すれば、日々営業活動を行っている営業スタッフが自身の専門分野の中で他社が営業活動を希望している商材や役務を容易な手段で知ることが出来、営業スタッフ本来の業務に加えて営業活動を行うことにより、営業スタッフは顧客に売り込むことの出来る商材や役務を多くすることとなり営業活動を効率化することが出来る。
また営業を依頼する企業または個人にとっても固定費の増大等のリスクが回避でき、且つ新しい顧客への営業活動を行うことが出来る
【0029】
営業を依頼する企業または個人は本発明の電子管理システムに情報を公開することにより、周知、宣伝活動が行え、新しいネッワークを構築することが出来る。
【0030】
営業活動における移動時間等の無駄を少なく出来る。
従って、交通手段、主に自動車の利用を減らせ、地球環境への負担を軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明にかかる営業スタッフが参加企業の営業を代行し、営業の効率を上げる為の通信ネットワークを用いた電子管理システムの全体の概略の構成を示す図である。
【図2】参加企業が営業を依頼する際の手続の流れを表したフロー図である。
【図3】営業スタッフが営業活動依頼を了承した際の手続の流れを表したフロー図である。
【図4】本発明にかかる電子管理システムを利用して成立した商談の決済処理方法の手続の流れを表したフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付する図面を参照しつつ本発明にかかる通信ネットワークを利用した本発明の電子管理システムの実施形態を説明する。
【0033】
図1は本発明にかかる営業を依頼する企業または個人から営業を請負う業務を行う際の営業スタッフを効率的な運用が出来る通信ネットワークを用いた営業スタッフの電子管理システムの全体の概略の構成を概念的に示した図である。
【0034】
図1に図示するように、サーバ01と複数の端末コンピュータ(端末機器)02は通信ネットワークNにより接続されている。また前記通信ネットワークNには、決済処理機関(例えば、ファイナンス企業等の金融機関)等が接続可能になっている。そして、前記端末コンピュータ02とサーバ01とは、この通信ネットワークNを介し、相互にデータの送受信を行うことが出来るよう構成されている。前記端末コンピュータ02は、営業スタッフ及び営業を依頼する企業または個人が保有している。前記端末コンピュータ02aは営業スタッフが保有し、02bは営業を依頼する企業または個人が保有していると想定し説明を行う。このような通信ネットワークNとして、独自の通信ネットワークを構築してもよいが、既設のインターネットを通信ネットワークとして利用してもよい。かかる場合には、既設の設備を利用することができる点で好ましい。
【0035】
ところで、本通信ネットワークNを利用して電子管理システムを利用できるのは、予め登録された営業スタッフ及び営業を依頼する企業または個人だけであってもよく、あるいは一般に開放されたものであってもよい。
この実施形態にかかる電子管理システムとしては、予め登録された営業スタッフ及び営業を依頼する企業または個人だけが利用するものとして、以下説明する。なお、本電子管理システムに参加する為には、この通信ネットワークの管理者(電子管理システムにかかる通信ネットワークの管理者をいう)に申請することにより電子管理システムを利用することが可能である。
【0036】
ところで、かかる本電子管理システムでは、この電子管理システムを利用しようとする場合、本通信ネットワークNの管理者から登録された営業スタッフ及び営業を依頼する企業または個人(以下参加企業と称する)に付与されるIDと登録されたパスワードとを必要とする。そして、通信ネットワークNを介してサーバ01へ接続する際には、前記IDとパスワードとを、該サーバ01へ送信する。前記パスワードは、端末コンピュータ02を使用する者が自己の意志により、適宜変更することができる。
【0037】
前記サーバ01は、記憶装置08と演算装置(演算処理機能部)07と通信装置(送受信部)06と表示装置08とを備えている。
【0038】
前記記憶装置08は、営業スタッフの所属している企業名、氏名、住所、年齢、連絡先、経歴、専門分野、営業成果報告、活動履歴、本電子管理システムを利用して成立した案件の情報を格納するデータベース03と、参加企業の企業名、氏名、住所、代表者、担当者、電話番号、FAX番号、メールアドレス、ホームページアドレス、業種、得意分野、担当者、依頼する営業内容、営業スタッフが使用するカタログ等、依頼する営業地域等の情報を格納するデータベース04と、営業スタッフと参加企業間で交わされる契約書、営業活動が成果となった場合の参加企業と顧客となる企業または個人と交わされる契約書等を格納するデータベース05を備えており、各データベースは相互にリンクされている。
【0039】
また、前記演算装置09は、参加企業の保持する前記端末コンピュータ02(参加企業の保持する端末コンピュータ02を、以下、端末コンピュータ02bという)から入力された、営業を依頼する内容に関するデータから営業スタッフが営業活動の依頼を受けられるデータを、前記データベース04中の参加企業の入力したデータから、合致するものがあるか否かの検索を実行し、その検索結果を出力する。また、この演算装置09は、前記記憶装置08内に記憶されている本電子管理システムを実行して管理等をおこなうためのプログラムにより、前記した検索等以外の種々の処理を実行する。この演算装置09が、実行する前記以外の内容については後述する。
【0040】
また、前記通信装置06は、前記端末コンピュータ02から送信されたデータ等を受信することができるとともに、前記演算装置09から出力された検索結果等を、前記端末コンピュータ02等に送信することができるよう構成されている。
【0041】
また、前記表示装置10は、前記検索結果や前記受信し又は前記送信する内容等を表示することができるよう構成されている。
【0042】
また、前記通信ネットワークNは、前述のように、本電子管理システムを利用して成立した案件を決済する決済処理機関のコンピュータ12にも接続される様に構成されているが、この決済処理機関としては、一般の銀行、ファイナンス企業等の金融機関であっても、又はこの電子管理システム専用に設けられた決済処理機関であってもよい。
【0043】
また、前記複数の端末コンピュータ(端末機器)02のそれぞれは、営業の依頼等に関するデータやその他のデータ等を入力することができる入力装置と、この入力装置により入力された内容や前記サーバ01あるいは他の端末コンピュータ02等から送信されてきたデータ等を表示する表示装置と、前記サーバ01や他の端末機器等と送受信をおこなうための通信機とを有し、さらに、前記入力装置から入力された内容、サーバ01から送信されてきた内容を記憶する記憶装置10を有する。
前記記憶装置10は、内蔵式のものであっても、あるいは可搬式の記憶装置の形態のものであってもよい。あるいはそれらを両方に設けてもよい。前記外憶装置の形態の場合には、不要なときには取り外すことによって、内部に記憶されている情報の漏洩を防止することができる点において好ましく、また倉庫や作業所が複数ある場合等にその記憶装置のみ持ち歩けばどこでもそこに存在するコンピュータに接続して簡単に通信ネットワークNを介して前記サーバ01に接続できる等の点で、好ましい構成となる。
前記記憶装置として、コンパクトディスク、ハードディスク、USBメモリ、フロッピィーディスク、光磁気ディスク、デジタルビデオディスク、シリコンディスクドライブ等が考えられる。
【0044】
また、本実施形態にかかる電子管理システムの場合、前記端末コンピュータ02として、携帯電話を用いることもできる。
営業スタッフの保持する前記端末コンピュータ02(営業スタッフの保持する端末コンピュータ02を、以下、端末コンピュータ02aという)は営業活動中に容易にデータの入出力を行える点において、好ましい実施形態となる。
【0045】
ところで前記記憶装置08内に格納されている参加企業のデータベース04を営業スタッフが検索する際には、営業スタッフ自身が日々活動している地域での参加企業からの営業依頼を条件に絞込みを行い、その後は営業スタッフの専門分野での絞込みを行うことにより前記参加企業のデータベース04からデータを抽出する。
前記参加企業のデータベース04の専門分野に関するデータには予め関連する分野の営業の依頼も同時に表示されるように本電子管理システムは構成されている。
たとえば金属加工で検索を行った場合には、金属加工の営業を依頼する参加企業のデータのみではなく、金属材料を扱う参加企業や金属の表面処理を行う参加企業のデータも同時に抽出してくる。
これは営業スタッフが専門分野の営業に周辺の技術、商品を付加することが可能であり、より多くの品目の営業活動を行うことが営業活動をより効率的に出来るからである。
【0046】
ところで前記記憶装置08内の契約書類のデータベース05には参加企業と営業スタッフとの間で交わされるべき契約書類(守秘義務契約や営業の報酬に関する契約等)のひな形が格納されており、参加企業と営業スタッフの双方が各自の端末02を用い必要項目に入力し、最終的に双方の合意がなされたことを演算装置07により確認された後、通信ネットワークNを通じ、参加企業と営業スタッフの双方の配信される。
【0047】
ところで、前記通信ネットワークNは、本電子管理システムを利用して決済を必要とする場合には、決済処理機関のコンピュータ12にも接続される様に構成されていることは前述したが、ここでは概要を説明し手順については後述する。
基本的には本電子管理システムを利用して決済の必要な場合は、該決済処理機関のコンピュータ12により決済業務を行うが、参加企業及び営業スタッフ若しくは営業スタッフの所属する企業等の双方が合意し、本電子管理システムの管理者に定められた管理費を支払うことで、該決済処理機関のコンピュータ12を使用せず決済業務を行う場合もある。
ここでは該決済処理機関のコンピュータ12を利用した場合について述べる。
参加企業及び営業スタッフ若しくは営業スタッフの所属する企業等の双方は、本電子管理システムの管理者より発行されたID、パスワードを、通信ネットワークNを利用して決済処理機関のコンピュータ12に送信し、所定の決済業務の画面を各自の所有する表示装置を通じ確認するが、この際前記決済処理機関の利用約款等に同意しなければ決済処理は進まない様に構成されている。
つまり、決済処理を進めるためには、前記決済処理機関との契約に同意しなければならない。
参加企業及び営業スタッフ若しくは営業スタッフの所属する企業等の双方が前記決済処理機関を通じての決済業務に同意したこととなり、該決済処理機関を通じ決済業務を行い、利用約款等に定められた管理費を支払い、該決済処理機関より支払いを受けることなり、参加企業及び営業スタッフ若しくは営業スタッフの所属する企業等が直接決済業務を行うことが無く、決済業務に対する不安を取り除くことが出来る。
該決済処理機関との契約に同意後は、各自の所有する入力装置を用い、各自の表示装置に表示される必要事項に入力し通信ネットワークNを通じて決済処理機関のコンピュータ12に送信することで決済業務は終了する。
【0048】
ところで前記記憶装置08内の参加企業のデータベース04内に格納されている営業スタッフが使用するカタログ等については、参加企業を特定できる企業名、商品名や役務の名称等は表示されていない方が好ましいが、参加企業において通常業務として営業活動を行う場合に持参または配布するカタログ等には当然のことながら企業名、商品名や役務の名称が記載されている為、本電子管理システムにデータを格納させる為には、別のカタログ等を製作する作業が発生してしまう。
通常業務の営業活動とは別のカタログ等を製作する作業を軽減する為に契約書類のデータベース05内には容易に参加企業のカタログ等を製作するためのひな形が用意されている。
【0049】
前記記憶装置08内の参加企業のデータベース04内に格納されている営業スタッフが使用するカタログ等については、前記サーバ01内の通信装置06を用い、通信ネットワークNを介して営業スタッフ自身の端末コンピュータ内に取り込み、必要な場合は印刷し使用する。
但し該カタログ等は登録した参加企業の許可なく端末コンピュータに取り込め無いように設定されていることが好ましい。
【0050】
そして、前述のように構成された本電子管理システムは、通信ネットワークNを利用して以下のように電子管理が実行される。以下、前記各構成の作用とともに、前記記憶装置08に記憶されている電子管理において実行されるプログラムの内容を、図2、図3等に基づいて説明する。
【0051】
例えば、いま、本電子管理システムの会員であることを認証するためのIDとパスワードとを有する会員甲(参加企業)が、営業を依頼する為に本電子管理システムを利用した場合を仮定する。
なお、このようにIDとパスワードとを有する会員については、該会員の前記企業情報が前記サーバ01の記憶装置08のデータベース04に登録されている。
【0052】
このような状況下、甲は、自身の端末コンピュータ02(参加企業の保持する端末コンピュータを、以下、端末コンピュータ02aという)の入力装置から自身のIDおよびパスワードを入力して、サーバ01へ、通信ネットワークNを介して、該IDおよびパスワードを送信する(図2のS201参照)。
あるいは、前記入力装置20からの入力によらず、前記端末コンピュータ02aの前記記憶装置23からIDおよびパスワードを、前記サーバ01からの要求信号によって(あるいは甲自身の呼び出し操作によって)呼び出し、前記サーバ01へ、通信ネットワークNを介して、送信するよう構成してもよい。
後者の場合には、入力の手間や送信しようとする内容の確認も省ける点で好ましい。また、かかる場合には、前記サーバ01へのIDへの送信前に、これらを前記表示装置21に表示して、該表示内容を確認した後に、送信するような構成であってもよい。
【0053】
前述のように端末コンピュータ02aから送信されたIDおよびパスワードは、サーバ01の演算装置09において、記憶装置08に格納されている接続しようとする会員甲に関するIDおよびパスワードと比較照合されて、一致した場合には認証される。この認証の結果は、サーバ01から前記端末コンピュータ02aへ送信され、該端末コンピュータ02aの表示装置21に表示される。このため、甲は、サーバ01からの前記「認証」の結果を視認することができる。この「認証」により、甲は、次に述べる、依頼する営業内容、依頼する営業地域等に関するデータ等をサーバ01へ送信することが可能となる。
【0054】
つまり、前記「認証」がなされると、甲は、自身の端末コンピュータ02aにその入力装置を用いて、依頼する営業内容、依頼する営業地域、参加企業と営業スタッフの間で交わす必要のある契約条件等を入力する(図2のS202参照)。
【0055】
次に、甲は、前記端末コンピュータ02aから、前記通信ネットワークNを介して、前述した営業依頼に関するデータを、前記サーバ01へ送信する(図2のS203参照)。
【0056】
このように、前記サーバ01が、甲からの営業依頼に関するデータを受信すると、該サーバ01の前記演算装置07は、前記入力された営業内容、営業依頼条件等に関するデータの内容を前記営業スタッフの情報を格納するデータベース03に参照し、依頼する営業依頼内容(特に営業スタッフの専門分野、得意分野)を重視し、営業地域等の条件で検索をし、該当する営業スタッフを抽出し、前記通信装置06を用い、通信ネットワークNを介して該営業スタッフの保有する端末02bへ連絡する。
この際、端末02bの代わりに携帯電話を指定することも出来る。
また営業スタッフの所属する企業、団体に同時に連絡するように設定することも出来る。(図2のS205参照)
【0057】
営業スタッフが自身の日々の営業活動に付加することの出来る商材、役務等を本電子管理システムを利用して探す場合には、ID、パスワードを通信ネットワークNを通じてサーバ01へ送信し、認証される必要がある。(図3のS301、S302参照)
【0058】
前記サーバ01の認証後は、演算装置07により参加企業のデータベース04を営業スタッフ自身の専門分野や営業活動の可能な分野検索し、該当する参加企業を抽出する。(図3のS303参照)
【0059】
前記参加企業のデータベース04内で営業スタッフ自身の営業に付加できる商材等を見つけた場合は、営業内容を確認し、前期サーバ01を介して参加企業に営業スタッフ自身の条件等を連絡する。(図3のS304参照)
【0060】
営業スタッフと参加企業の双方が納得できる条件であれば成立し(図3のS305参照)双方またはいずれかが納得できない場合には不成立となり終了する。(図3のS307参照)
【0061】
営業スタッフと参加企業の双方が納得できる条件であり成立した場合には、営業スタッフは、参加企業のデータベース04に格納されているカタログ等を印刷し営業活動を開始する。
【0062】
本電子管理システムを活用し商談が成立した場合の決済処理の手順を、図5を用いて説明する。
営業スタッフが訪問した先の企業と営業を依頼した企業の間で商談が成立した場合、参加企業が自身の前記端末コンピュータ02aを利用し、前期通信ネットワークNを介し、前記サーバ01へ送信される。
また、営業スタッフが自身の保有する前記端末コンピュータ02bを利用し、前期通信ネットワークNを介し、前記サーバ01へ送信する場合もあるが、いずれの場合も送信された成立の情報は前記営業スタッフのデータベース03に格納される。(図4のS401参照)
【0063】
前記営業スタッフのデータベース03に格納された商談の成立した情報は、前記演算処理装置07により前記通信装置06を用い、前記通信ネットワークNを介し、決済処理機関09へ送信され、商談の成立した情報を受信した決済処理機関09は商談の成立した企業双方に、通信ネットワークNを介し決済処理機関の専用(本電子管理システムのID、パスワードとは別)のID、パスワードを発行し、通信ネットワークNを利用し送信する。(図4のS402参照)
【0064】
本電子管理システムを利用して商談の成立した企業双方は、本電子管理システムのID、パスワードの入力と同様の手順で認証後は、前記決済処理機関09の用意した決済処理の為の手順に則して必要項目に自身の保有する端末コンピュータを使用し入力する。(図4のS403参照)
ID、パスワードの認証後はまず決済処理機関09の用意した利用約款に同意する必要がある。(図4のS404参照)
本電子管理システムを利用して商談の成立した企業双方が該利用約款に同意した場合は、成立内容の確認へと進み(図4のS405参照)成立内容に異議のない場合は契約は成立し、(図4のS407参照)
成立内容に異議のある場合は不成立となり終了する。(図4のS406参照)
また、商談の成立した企業双方または一方が該利用約款に同意出来ない場合も不成立となり終了する。(図4のS408参照)
【0065】
ところで、前記決済処理機関12の用意した利用約款の内容であるが、本電子管理システムを利用して商談の成立した案件については、商談の成立した企業間では直接代金のやり取りは行わず、必ず決済処理機関12を通して行い事、併せて決済処理業務に必要な経費(手数料、管理費等)を決済処理機関12に支払う事を義務付けた項目を含んでいる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明にかかる通信ネットワークを利用した電子管理システムは、営業活動の効率化に利用できる。
【符号の説明】
01・・・サーバ
02・・・端末コンピュータ
02a・・・営業を依頼する企業の端末コンピュータ
02b・・・営業スタッフの端末コンピュータ
03・・・データベース
04・・・データベース
05・・・データベース
06・・・通信装置
07・・・演算装置
08・・・表示装置
09・・・決済処理機関
10・・・記憶装置
11・・・記憶装置
N・・・・通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークに複数の端末機器とサーバを接続し、該サーバ内に格納したデータにかかる営業依頼の内容や効率的な営業の為の情報を、該端末機器を介して管理する電子取引システムにおいて、前記端末機器が、営業依頼の内容等を表示する表示装置と、前記営業依頼の内容等に関するデータを入力する入力装置と、入力したデータをサーバ側に送信するとともにサーバ側からの営業依頼の内容等を受信する通信機とを備え、前記サーバが、営業スタッフ(企業または団体に所属するか、個人事業主として、日々営業として訪問、説明を行うことを業務とする人員)または営業を依頼する企業または個人のいずれか一方又は両方が前記端末機器から入力した営業依頼の内容等に関するデータを格納する記憶装置と営業スタッフまたは営業を依頼する企業のいずれか一方又は両方が前記端末機器から入力した営業依頼の内容等に関するデータに基づいて、前記憶装置内に格納されている営業依頼の内容等に関するデータを基に営業スタッフに対しては、効率的な営業を行う為の情報を出力する演算装置と、前記端末機器との間で送受信する通信装置とを備えていることを特徴とする電子管理システム。
【請求項2】
日々営業活動を行っている営業スタッフは各自に専門分野があり、また得意分野を持っており、本電子管理システムを利用して営業を依頼され営業活動を行う場合においても自身の専門分野、得意分野の技術、商品、役務が対象となり、検索が行われる為専門分野、得意分野及び営業活動の地域を指定することにより容易にデータの絞込みが行えることを特徴とする請求項1記載の電子管理システム。
【請求項3】
前記サーバ内の記憶装置に格納されているデータの中には、営業スタッフと営業と依頼する企業との間で交わす必要の有る契約書がひな形で格納されており、必要な事項を送信することにより契約書を作成し、契約できることを特徴とする請求項1又は2記載の電子管理システム。
【請求項4】
前記サーバの演算装置に、営業スタッフまたは営業を依頼する企業のいずれか一方又は両方から本電子管理システムを利用して商談が成立した旨のデータが前記通信ネットワークを介して送信されてきた場合、該演算装置は、前記通信装置により前記通信ネットワークに接続されている決済処理機関へ前記商談が成立した旨のデータを通達し、
前記商談の成立した双方の企業は、前記決済処理機関との間で取り交わされる所定の利用約款に同意した旨のデータを前記演算装置に送信することによって、前記通達を受けた該決済処理機関から発行されるID、パスワードを使用して、安全に決済処理が行えるように構成されている請求項1〜3項に記載の電子管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−70622(P2011−70622A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−241852(P2009−241852)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(504445921)大田産業株式会社 (7)