説明

電子線殺菌装置

【課題】1組または2組という少ない電子線照射装置で効率よく容器を殺菌し、容器に電子線照射の影部がなくて容器の全面を殺菌でき、未殺菌容器の搬送部と電子線照射後の殺菌済容器の搬送部が同じ空間に混在することがなく、作業場でH2O2ガス等の漏れによる環境問題を発生させない電子線殺菌装置を提供する。
【解決手段】電子線殺菌装置は、容器1を保持する容器保持具15、16と、容器保持具が上下段に設けられ向きが上下逆方向に把持された容器を回転搬送する円板11、12から成る回転装置10と、一方に保持された容器を受け取った後に反転機構30によって上下に反転して他方に受け渡す反転装置と、容器保持具15、16に保持された容器に電子線を照射可能な電子線照射装置40とを備え、容器保持具15、16において把持位置が重複しないように容器把持部を構成し、容器が電子線照射装置を2回通過した後排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットボトル等のプラスチック空容器等の容器に電子線を照射してこれを殺菌する電子線殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
容器を容器搬送体に真空吸引または容器保持具により保持して、搬送中に電子線照射装置によって電子線を照射することにより容器を殺菌する電子線殺菌装置については、従来から知られている。(特許文献1、2および3)
【特許文献1】特許第3774881号公報(図1、図2)
【特許文献2】特開2007−29709号公報(図1、図2、図3)
【特許文献3】特開2007−290754号公報(図1、図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記特許文献1によれば、電子線殺菌装置は、空容器を供給する容器供給機構と、周回機構と、電子線照射機構と、電子線照射済みの空容器を排出する機構とを備えていて、容器供給機構から供給された空容器を空容器固定用の複数個のターンテーブルに真空吸引して固定したままの状態で空容器を周回および自転させるものであり、電子線照射機構は周回機構に同期してその内周側から空容器に電子線を照射することにより容器を殺菌するとしている。
しかしながら、前記特許文献1の電子線殺菌装置では、容器を載せて固定するターンテーブルの数と同じ数の電子線照射機構が必要であり、コスト高になるとともに装置全体が大型化するという問題がある。また、容器をターンテーブルへ真空吸引により保持しているので、容器保持部は電子線が照射されない影部があるために殺菌ができないという問題がある。
【0004】
また、特許文献2によれば、電子線殺菌装置は、回転体に円周等分で複数の容器保持手段を設け、各容器保持手段は2つの容器保持部を有して、2個の容器を上下の容器保持部にそれぞれ上下逆方向に保持し、回転体の回転により1つの電子線照射装置の前を2回通過させて、1回目は容器の片面を殺菌し、容器反転後の2回目は容器の他方の片面を殺菌するとしている。
しかしながら、前記特許文献2の電子線殺菌装置では、未殺菌容器と電子線照射後の殺菌済容器が同じ回転体上を搬送されるため、未殺菌容器の菌が電子線照射後の殺菌済容器を汚染する可能性があるという問題がある。また、2つの容器保持部が容器の同じ箇所を保持したままとなっているので、この容器の保持箇所は電子線が照射されない影部となるために殺菌ができないという問題がある。
【0005】
さらに、特許文献3によれば、電子線殺菌装置は電子線照射部に囲いを設けて囲いの内部にH2O2ガスを噴霧するとしている。しかしながら、このような電子線殺菌装置では、この囲いから漏れたH2O2ガスが作業場の雰囲気に悪影響を与えるという環境上の問題がある。
【0006】
本発明は、1組または2組という少ない電子線照射装置で効率よく容器を殺菌し、容器に電子線照射の影部がなくて容器の全面を殺菌でき、未殺菌容器の搬送部と電子線照射後の殺菌済容器の搬送部が同じ空間に混在することがなく、作業場でH2O2ガス等の漏れによる環境問題を発生させない電子線殺菌装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題に対し、本発明は以下の手段により解決を図る。
(1)第1の手段の電子線殺菌装置は、搬送される容器に電子線を照射して容器を殺菌する電子線殺菌装置において、容器を縦方向に保持する容器保持具と、該容器保持具が上下段に円周上等間隔で設けられ上下段でそれぞれ向きが上下逆方向に把持された容器を回転搬送する円板から成る回転装置と、前記上下段の一方の容器保持具に保持された容器を受け取った後に反転機構によって上下に反転して前記上下段の他方の容器保持具に受け渡す反転装置と、前記上下段の容器保持具に保持された容器の上下端に亘って電子線を照射可能な電子線照射装置とを備え、前記上下段の容器保持具において容器の把持位置が重複しないように容器把持部を構成し、容器供給装置で供給された容器が前記回転装置の上下段の容器保持具により把持されて、前記電子線照射装置を2回通過した後容器排出位置で排出されることを特徴とする。
(2)第2の手段の電子線殺菌装置は、前記第1の手段の電子線殺菌装置において、前記反転装置が、容器を縦方向に保持する容器保持具と、該容器保持具が上下段に円周上等間隔で設けられ、上下段でそれぞれ向きが上下逆方向に把持された容器を回転搬送する円板から成る回転体と、該回転体の上下段の一方の容器保持具に保持された容器を受け取った後上下に反転する反転機構とを備え、該反転機構の容器保持具が前記回転体の上下段の他方の容器保持具を兼ねるように構成することを特徴とする。
【0008】
(3)第3の手段の電子線殺菌装置は、搬送される容器に電子線を照射して容器を殺菌する電子線殺菌装置において、容器を縦方向に保持する容器保持具と、該容器保持具が上下段に円周上等間隔で設けられ上下段でそれぞれ向きが上下逆方向に把持された容器を回転搬送する円板から成る回転装置と、該回転装置に設けられ前記上下段の一方の容器保持具に保持された容器を受け取った後に上下に反転する反転機構と、該反転機構による反転の前と後に前記上下段の容器保持具に保持された容器にそれぞれ上段と下段で容器の全長に亘って電子線を照射可能な2組の電子線照射装置とを備え、前記上下段の容器保持具において容器の把持位置が重複しないように容器把持部を構成し、容器供給装置で供給された容器が前記回転装置の容器保持具により把持されて、反転前に1組目の電子線照射装置を通過し、次いで、前記反転機構による反転後に2組目の電子線照射装置を通過した後容器排出位置で排出されることを特徴とする。
(4)第4の手段の電子線殺菌装置は、前記第3の手段の電子線殺菌装置において、前記反転機構の容器保持具が前記回転装置の上下段の他方の容器保持具を兼ねることを特徴とする。
【0009】
(5)第5の手段の電子線殺菌装置は、前記第1の手段の電子線殺菌装置において、該電子線殺菌装置を囲う部屋を設けるとともに、容器供給装置、回転装置、反転装置、容器排出部等に部屋を仕切る仕切り壁を設けて、未殺菌容器の搬送部と殺菌済容器の搬送部を無菌レベルに応じて仕切るようにしたことを特徴とする。
(6)第6の手段の電子線殺菌装置は、前記第5の手段の電子線殺菌装置において、該電子線殺菌装置を囲う部屋を無菌エアで陽圧とし、前記仕切り壁で仕切られた各部屋の陽圧レベルに高低の差を設けるように構成したことを特徴とする。
(7)第7の手段の電子線殺菌装置は、前記第3の手段の電子線殺菌装置において、該電子線殺菌装置を囲う部屋を設けるとともに、前記回転装置へ容器を受け渡す容器供給部、1組目の電子線照射装置による容器殺菌部、前記反転機構による反転部、2組目の電子線照射装置による容器殺菌部、容器排出部等に部屋を仕切る仕切り壁を設けて、未殺菌容器の搬送部と殺菌済容器の搬送部を無菌レベルに応じて仕切るようにしたことを特徴とする。
(8)第8の手段の電子線殺菌装置は、前記第7の手段の電子線殺菌装置において、該電子線殺菌装置を囲う部屋を無菌エアで陽圧とし、前記仕切り壁で仕切られた各部屋の陽圧レベルに高低の差を設けるように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係わる本発明は、搬送される容器に電子線を照射して容器を殺菌する電子線殺菌装置において、容器を縦方向に保持する容器保持具と、該容器保持具が上下段に円周上等間隔で設けられ、上下段でそれぞれ向きが上下逆方向に把持された容器を回転搬送する円板から成る回転装置と、前記上下段の一方の容器保持具に保持された容器を受け取った後、反転機構によって上下に反転して前記上下段の他方の容器保持具に受け渡す反転装置と、前記上下段の容器保持具に保持された容器の上下端に亘って電子線を照射可能な電子線照射装置とを備え、前記上下段の容器保持具において容器の把持位置が重複しないように容器把持部を構成し、容器供給装置で供給された容器が前記回転装置の上下段の容器保持具により把持されて、前記電子線照射装置を2回通過するようにしたことにより、1回目の電子線照射により容器の片面を殺菌し、容器を反転後2回目の電子線照射により容器の残りの片面を殺菌して容器の両面を殺菌することができるとともに、1回目の電子線照射と2回目の電子線照射において容器の把持位置が異なるようにしたため、電子線が当らない箇所が無くなり、容器の全面に電子線が照射されるという効果を有する。
【0011】
請求項2に係わる本発明は、請求項1に記載する電子線殺菌装置において、前記反転装置が、容器を縦方向に保持する容器保持具と、該容器保持具が上下段に円周上等間隔で設けられ、上下段でそれぞれ向きが上下逆方向に把持された容器を回転搬送する円板から成る回転体と、該回転体の上下段の一方の容器保持具に保持された容器を受け取った後上下に反転する反転機構を備え、該反転機構の容器保持具が前記回転体の上下段の他方の容器保持具を兼ねるように構成したことにより、反転装置がコンパクトになるという効果を有する。
【0012】
請求項3に係わる本発明は、搬送される容器に電子線を照射して容器を殺菌する電子線殺菌装置において、容器を縦方向に保持する容器保持具と、該容器保持具が上下段に円周上等間隔で設けられ、上下段でそれぞれ向きが上下逆方向に把持された容器を回転搬送する円板から成る回転装置と、該回転装置に設けられ、前記上下段の一方の容器保持具に保持された容器を受け取った後、上下に反転する反転機構と、該反転機構による反転の前と後に前記上下段の容器保持具に保持された容器にそれぞれ上段と下段で容器の全長に亘って電子線を照射可能な2組の電子線照射装置とを備え、前記上下段の容器保持具において容器の把持位置が重複しないように容器把持部を構成し、容器供給装置で供給された容器が前記回転装置の容器保持具により把持されて、反転前に1組目の電子線照射装置を通過し、次いで、前記反転機構による反転後に2組目の電子線照射装置を通過するようにしたことにより、1組目の電子線照射装置で容器の片面を殺菌し、次いで、2組目の電子線照射装置で容器の残りの片面を殺菌することができ、1回目の電子線照射と2回目の電子線照射において容器の把持位置が異なるため、電子線が当らない箇所が無くなり、容器の全面に電子線が照射されるという効果を有する。
【0013】
請求項4に係わる本発明は、請求項3に記載する電子線殺菌装置において、前記反転機構の容器保持具が前記回転装置の上下段の他方の容器保持具を兼ねるようにしたことにより、電子線殺菌装置がコンパクトになるという効果を有する。
請求項5、6、7および8に係わる本発明は、請求項1から4に記載する電子線殺菌装置において、該電子線殺菌装置を囲う無菌室を設け、該無菌室内の各部をそれぞれに仕切る仕切り壁を設けることにしたことにより、未殺菌容器の搬送部と電子線を照射後の殺菌済容器の搬送部が同じ部屋に混在しないという効果を有する。さらに、該電子線殺菌装置を囲う無菌室を無菌エアで陽圧とし、前記仕切り壁で仕切られた各部屋の陽圧レベルに高低の差を設けるように構成したことにより、無菌レベルが高い部屋で殺菌済容器が搬送されるという効果を有するとともに、無菌エアが該電子線殺菌装置を囲う部屋から漏れても作業場の環境を良好に保てるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0015】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図1から図4に基づいて説明する。図1は、本発明に係わる電子線殺菌装置の全体の構成を簡略化して示す平面図である。図2は、図1のA−A断面図である。 図3は、反転機構の詳細を示す正面図である。 図4は、容器が容器保持具で口部を把持されて、電子線照射を受ける部位の説明をする図である。
【0016】
図において、容器1は矢印01の方向から供給されて、供給スターホイール2、供給スターホイール3および供給スターホイール4をそれぞれ矢印02、矢印03および矢印04の方向で経由して回転装置10の箇所10aに搬送されると、回転装置10の2段構造となっている下段の円板11の容器保持具15に受け渡されるようになっている。
回転装置10は、ベースフレーム19に固定された軸受箱14によって回転自在に、かつ、軸の長手方向の位置決めをされるとともに、図示しない駆動装置により歯車18を介して回転駆動される回転軸13に下段の円板11と上段の円板12が上下に間隔を空けて固定され、該円板11と該円板12にはそれぞれ容器保持具15と容器保持具16が円周等分で上下同じ配置で設けられることにより構成されている。
なお、容器保持具15は、図4(a)の如く容器1を正立状態で容器口の鍔部1bの上部1aを把持するようになっており、容器保持具16は、図4(d)の如く後述するように、容器1を倒立状態で容器口の鍔部1bの下部1cを把持するようになっている。(容器保持具15による容器1の容器口の把持については、図4(a)に示すように、鍔部1bの上部1aを主に把持し、鍔部1bの下部1cを補助して把持する形態であるが、ここでは、容器保持具15による容器1の容器口の鍔部1bの上部1aを把持すると表現する。容器保持具16による容器1の容器口の把持についても同様に、図4(d)に示すように容器保持具16による容器1の容器口の鍔部1bの下部1cを把持すると表現する。)
このように、容器保持具15による容器1の容器口の把持と容器保持具16による容器1の容器口の把持は、容器1の把持位置が重複しない構造となっている。
容器保持具15および容器保持具16に把持された容器1は、回転装置10の矢印010の方向に回転搬送されて電子線照射装置40の前面を通過して、電子線照射装置40側の半面が電子線を照射されることにより殺菌されるようになっている。
電子線照射装置40は容器保持具15および容器保持具16に保持された容器1の上下端に亘って電子線を照射可能な高さおよび上下位置に配置されている。
回転装置10の回転により、容器1が箇所20aに搬送されると、円板11の容器保持具15により容器口の上部1aを把持されていた容器1は、反転装置20の円板21の容器保持具25へ正立状態のまま容器口の下部1cを把持されて受け渡されるようになっている。
なお、容器1において、図示二重丸で示したものは容器1を上方から見た正立状態を示し、図示一重丸で示したものは容器1の倒立状態を示している。
【0017】
反転装置20は、ベースフレーム19に固定された軸受箱24によって回転自在に、かつ、軸の長手方向の位置決めをされるとともに、歯車18と噛み合う歯車28を介して回転駆動される回転軸23に下段の円板21と上段の円板22が上下に間隔を空けて固定され、該円板21と該円板22には円周等分にそれぞれ容器保持具25および反転機構30に取り付けられた容器保持具26が円周等分で上下同じ配置で設けられることにより構成されている。なお、容器保持具15と容器保持具25、および、容器保持具16と容器保持具26は同じ周速度で回転されるようになっている。
容器保持具25により正立状態で容器口の下部1cを把持されていた容器1は、反転装置20によって矢印020の方向に回転されて箇所20bまで搬送されると、容器保持具26へ容器口の上部1aを把持されて正立状態で受け渡され、その後、反転機構30によって容器1を上下に反転されて、図1の二点鎖線30aに示す搬送経路で箇所20cにくると完全な倒立状態となり、引続き反転装置20の回転により搬送されるようになっている。
【0018】
反転機構30は、特許文献の特開2003−237937号公報に示されていると同様の構造であるが、主要箇所を説明すると、円板22の端部には支持具34が取り付けられており、その内部はピニオンギヤ31との噛み合い部33aを持ったラックギヤ33がスライドするスライド溝34aを有している。回転軸32は支持具34に軸支されて回転揺動するようになっており、前記ピニオンギヤ31はその中心孔に回転軸32が貫通され、固定されている。さらに、回転軸32にはアーム35の一端が接続されていて、アーム35の他端に固定された容器保持具26とともに、アーム35はピニオンギヤ31とラックギヤ33との噛み合いにより矢印030のように往復して反転される構造となっている。
なお、ラックギヤ33は、固定部材38に固定されているカム37の軌道に接触するローラ36の動きによりスライド溝34aをスライドして、ピニオンギヤ31を回転するようになっている。
また、符号34bおよび符号34cはアーム35の反転時の緩衝部材で、支持具34に取り付けられている。
ここで、符号15、16、25、26で示す前記容器保持具の容器1を把持するための開閉機構については、容器把持部が図示しないカムとローラによる作動で開閉して容器1を把持または開放するようになっているが、前記特許文献の特開2003−237937号公報他に記載されている機構と類似であるので、詳細な説明は省略する。
【0019】
反転機構30に取り付けられた容器保持具26は反転装置20の上段の円板22の容器保持具と兼ねている構造となっているが、容器保持具26に容器口の上部1aを把持されて倒立状態となっている容器1は、反転装置20の円板22の回転により搬送されて箇所20aにくると、前記回転装置10の円板12の容器保持具16へ倒立状態のまま容器口の下部1cを把持されて受け渡されるようになっている。
ここで、反転機構30の容器保持具26は、箇所20aで容器1を円板12の容器保持具16へ受け渡した後、倒立相当の状態のまま反転装置20の箇所20dにくると正立相当の状態に戻され始め、図1の二点鎖線30bで示すような経路で箇所20eにくると正立相当の状態になり、引続き箇所20bで円板21の容器保持具25から正立状態で搬送されてくる容器1を受け渡されて、以降、前述したように、箇所20cまでに容器1を反転するという一連の動作を繰り返す。
円板12の容器保持具16に保持された容器1は、矢印010の方向に回転搬送されて、倒立状態のまま電子線照射装置40の前を通過し、電子線の照射を受けていない残りの片面が電子線の照射を受けて殺菌される。その後、容器1は矢印010の方向に回転搬送されて、箇所10bにくると、円板12の容器保持具16から排出スターホイール8の図示しない容器保持具へ倒立状態のまま受け渡されて、矢印08の方向に回転搬送され、箇所8aで後工程の矢印09の方向へ排出されていく。
【0020】
なお、本発明に係わる電子線殺菌装置は、無菌室5によって囲われ、供給スターホイール4から円板11への容器受け渡し部および排出スターホイール8からの容器排出部には図示しない窓または切欠きが明けられて干渉しないようになっている。符号51は円板11と円板12の間を仕切る仕切り壁であり、軸13、23と接触しないように軸13、23との間には隙間が設けられているとともに、円板11、12、21、22およびそれらとともに回転する容器保持具15、16、25、26、容器1等と干渉しないように必要に応じて窓または切欠きが明けられている。ここで、仕切り壁51は無くてもよいが、有れば未殺菌容器の搬送部と殺菌済容器の搬送部が分離されるため好ましい。
また、符号57は供給スターホイール2、供給スターホイール3、供給スターホイール4を囲うクリーンルームであり、容器1の矢印01方向からの供給のための通路および箇所10aで供給スターホイール4から円板11の容器保持具15への容器受け渡しのための通路にはそれぞれ干渉しないように必要に応じて窓または切欠きが明けられている。
【0021】
次に、本実施の形態に係わる電子線殺菌装置の作用を説明する。
ここで、図4において、矢印040は電子線照射装置40が配置されている方向を示し、(a)は、容器1が円板11の容器保持具15により容器口の上部1aを把持されて、図の左側のハッチングした部分の片面1sが電子線照射を受けた状態を示し、(b)は(a)の矢視C図であり、(c)は容器1が円板12の容器保持具16により容器口の下部1cを把持されて、図の左側のハッチングした部分の片面1tが電子線照射を受けた状態を示し、(d)は(c)の断面D−D図である。なお、図4(c)において、図の右側のハッチングした部分の片面1sは、前記円板11の容器保持具15により容器口の上部1aを把持されて、既に電子線照射装置40により電子線の照射を受けた片面を示している。
供給スターホイール4を経由して箇所10aで回転装置10の下段の円板11の容器保持具15に受け渡され、正立状態で容器口の上部1aを把持された容器1は、円板11の回転により矢印010の方向に搬送され、電子線照射装置40の前面を通過することにより電子線の照射を受けて、電子線照射装置40側である片面1s側が殺菌される。
その後、容器1は、円板11による回転搬送で箇所20aにくると、反転装置20の円板21の容器保持具25へ容器口の下部1cを把持されて受け渡され、円板21の回転搬送で箇所20bにくると、図3の二点鎖線で示した反転機構30の容器保持具26へ、容器口の上部1aを把持されて受け渡され、円板22の回転により箇所20cまでくる間に、図1の二点鎖線30aに示すような経路で反転機構30が回転軸32の中心を支点として上下に反転することにより、容器保持具26に保持されたまま反転して倒立状態になる。
【0022】
次いで、容器1は、円板22の回転により容器保持具26に容器口の上部1aを把持され、倒立状態のまま搬送されて箇所20aにくると、回転装置10の円板12の容器保持具16へ容器口の下部1cを把持されて倒立状態のまま受け渡され、円板12の矢印010の方向への回転搬送により電子線照射装置40の前を通過すると、電子線照射装置40により電子線の照射を受けて、図4(c)に示す残りの片面1t側が殺菌される。
【0023】
このようにして、容器1は、電子線照射装置40の前を2回通過することにより、1回目は片面1s側が殺菌され、2回目は残りの片面1t側が殺菌される。また、電子線照射装置40の前を1回目に通過する際は、容器1の容器口の上部1aが容器保持具15により把持され、電子線照射装置40の前を2回目に通過する際は、容器1の容器口の下部1cが容器保持具16により把持されているので、電子線照射の影部が無く、容器1の殺菌が確実に行われる。
【0024】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を図5、図6、図7および図3によって説明する。 図5は、第2の実施の形態の電子線殺菌装置の全体の構成を簡略化して示す平面図である。 図6は、図5のB−B断面図である。図7は、容器が容器保持具で口部を把持されて、電子線照射を受ける部位の説明をする図で、図4に相当する図である。
なお、図3において( )表示の符号は第2の実施の形態の場合を示し、それ以外は第1の実施の形態と同一として、第2の実施の形態の説明に図3を流用している。
【0025】
図において、第1の実施の形態と同じ構造のものは同じ符号を記してあり、重複する説明は省略する。容器1は矢印001の方向から供給されて、供給スターホイール61、供給スターホイール62および供給スターホイール63をそれぞれ矢印061、矢印062および矢印063の方向で経由して回転装置70の箇所70aに搬送されると、回転装置70の2段構造となっている下段の円板71の容器保持具75に受け渡されるようになっている。
回転装置70は、ベースフレーム79に固定された軸受箱74によって回転自在に、かつ、軸の長手方向の位置決めをされるとともに、図示しない駆動装置により歯車78を介して回転駆動される回転軸73に下段の円板71と上段の円板72が上下に間隔を空けて固定され、該円板71と該円板72にはそれぞれ容器保持具75と容器保持具76が円周等分で上下同じ配置で設けられることにより構成されている。なお、容器保持具75は、容器1を容器口の鍔部1bの下部1cを把持するようになっており、容器保持具76は、後述するように、容器口の鍔部1bの上部1aを把持するようになっている。
容器保持具75に正立状態で把持された容器1は、回転装置70の矢印070の方向の回転で搬送されて電子線照射装置41の前面を通過して、電子線照射装置41側の半面が電子線を照射されることにより殺菌されるようになっている。矢印041は、電子線照射装置41が配置されている方向を示す。
【0026】
容器1は、電子線照射装置41で片側が電子線の照射を受けて殺菌された後、回転体70の回転による搬送で箇所70bにくると、容器保持具76へ容器口の上部1aを把持されて正立状態で受け渡され、その後、反転機構130によって容器1を上下に反転されて、箇所70cにくると完全な倒立状態になって円板72により回転搬送されるようになっている。図5の二点鎖線130cは反転機構130により容器1が上下に反転され、搬送される経路を示している。
なお、反転機構130については、前記第1の実施の形態で説明してある反転機構30と同様であり、第1の実施の形態と対比して、第1の実施の形態の円板21の符号が第2の実施の形態では符号71に、第1の実施の形態の円板22の符号が第2の実施の形態では符号72に、第1の実施の形態の容器保持具25の符号が第2の実施の形態では符号75に、第1の実施の形態の容器保持具26の符号が第2の実施の形態では符号76に変わるのみであるので、重複する説明は省略する。
【0027】
ここで、反転機構130の容器保持具は、図示のように、円板72の容器保持具76を兼ねている。円板72の容器保持具76に保持された容器1は、矢印070の方向に回転搬送されて、倒立状態のまま電子線照射装置42の前を通過し、下段の円板71による搬送で電子線の照射を受けていない残りの片面が電子線の照射を受けて殺菌される。矢印042は、電子線照射装置42が配置されている方向を示す。その後、容器1は矢印070の方向に回転搬送されて、箇所70dにくると、円板72の容器保持具76から排出スターホイール64の図示しない容器保持具へ倒立状態のまま受け渡されて、矢印064の方向に回転搬送され、引き続き排出スターホイール65および排出スターホイール66によりそれぞれ矢印065および矢印066の方向に搬送されて、箇所66aで後工程の矢印009の方向へ排出されていく。
ここで、電子線照射装置41および電子線照射装置42は、それぞれ電子線照射装置41および電子線照射装置42の前を通過する容器1を全長に亘って電子線を照射できるような高さおよび上下位置に配置されている。
なお、前記反転機構130の容器保持具76は、箇所70dで容器1を排出スターホイール64の図示しない容器保持具へ受け渡した後、倒立相当の状態のまま回転装置70の箇所70eにくると正立相当の状態に戻され始めて、図5の二点鎖線130dで示すような経路で箇所70fにくると正立相当の状態になり、引続き箇所70bで円板71の容器保持具75から正立状態で搬送されてくる容器1を受け渡されて、以降、前述したように、箇所70cまでに容器1を反転するという一連の動作を繰り返す。
【0028】
また、第2の実施の形態に係わる電子線殺菌装置は、無菌室55によって囲われ、供給スターホイール62から供給スターホイール63への容器受け渡し部および排出スターホイール64から排出スターホイール65への容器受け渡し部には図示しない窓または切欠きが明けられて干渉しないようになっている。また、供給スターホイール61、供給スターホイール62もクリーンルーム58で囲われているとともに、排出スターホイール65、排出スターホイール66も無菌室59によって囲われている。符号551は円板71と円板72の間を仕切る仕切り壁であり、軸73と接触しないように軸73との間には隙間が設けられているとともに、円板71、円板72およびそれらとともに回転する容器保持具75、容器保持具76、反転機構130、容器1等と干渉しないように必要に応じて窓または切欠きが明けられている。ここで、仕切り壁551は無くてもよいが、有れば未殺菌容器の搬送部と殺菌済容器の搬送部が分離されるため好ましい。なお、ここでは、無菌室55と無菌室59との間に仕切り壁を設けた場合を示したが、この仕切り壁は無くてもよい。
【0029】
次いで、第2の実施の形態の作用を説明する。
供給スターホイール63を経由して箇所70aで回転装置70の下段の円板71の容器保持具75に受け渡され、正立状態で容器口の下部1cを把持された容器1は、円板71の回転により矢印070の方向に搬送され、電子線照射装置41の前面を通過することにより電子線の照射を受けて、電子線照射装置41側である図7(a)に示す片面1u側が殺菌される。
その後、容器1は、回転装置70による回転搬送で箇所70bにくると、反転機構130の容器保持具76へ容器口の上部1aを把持されて受け渡され、図5の二点鎖線130cに示すような経路で反転機構130が反転することにより、容器保持具76に保持されたまま反転して倒立状態になる。
次いで、容器1は、円板72の回転により容器保持具76に容器口の上部1aを把持されたままの倒立状態で搬送されて、電子線照射装置42の前を通過すると、電子線照射装置42により電子線の照射を受けて、図7(c)に示す残りの片面1v側が殺菌される。
【0030】
このようにして、容器1は、2組の電子線照射装置41と電子線照射装置42の前を通過することにより、1組目では片面1u側が殺菌され、2組目では残りの片面1v側が殺菌されて、全面が殺菌される。また、電子線照射装置41の前を通過する際は、容器1の容器口の下部1cが容器保持具75により把持され、電子線照射装置42の前を通過する際は、容器1の容器口の上部1aが容器保持具76により把持されているので、電子線照射の影部が無く、容器1の殺菌が確実に行われる。
【0031】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態を図8および図9によって説明する。図8は、第3の実施の形態の電子線殺菌装置の全体の構成を簡略化して示す平面図である。図9は、図8のE−E断面図である。
【0032】
図において、第1の実施の形態と同じ構造のものは同じ符号を記してあり、重複する箇所は説明を省略する。無菌室5の内部は、仕切り壁51によって回転装置10の円板11部の部屋511と円板12部の部屋512に仕切られるが、さらに、仕切り壁52によって、反転装置20の部屋520と前記部屋511および部屋512が仕切られているとともに、部屋520と排出スターホイール8の部屋508が仕切られ、さらに、仕切り壁53によって部屋511および部屋512と部屋508とが仕切られている。なお、箇所20aにおいては、前記仕切り壁52に容器1、回転装置10および反転装置20の通過のための窓または切欠きが明けられており、箇所10bにおいては、前記仕切り壁53に容器1、回転装置10の通過するための窓または切欠きが明けられていて、干渉しないようになっている。
【0033】
前記無菌室5内で仕切られた部屋508、部屋511、部屋512、部屋520にはそれぞれ無菌エア噴出しユニット81、無菌エア噴出しユニット82、無菌エア噴出しユニット83、無菌エア噴出しユニット84が設けられていて、無菌エアの噴出しによる陽圧で各部屋が無菌雰囲気或いは無菌に極めて近い雰囲気に保持されるようになっている。
【0034】
第3の実施の形態の作用を説明すると、未殺菌の容器1が搬送される部屋511と殺菌済の容器1が搬送される部屋512および部屋508とが仕切られていることにより、殺菌済の容器1が汚染されることがない。また、容器1の搬送経路において、部屋511と部屋512との間に部屋520が設けられているので、無菌レベルが段階的となり、部屋512の無菌維持に確実性が増す。なお、部屋512と部屋508の間の仕切り壁は無くてもよい。また、必要に応じて部屋をさらに細分化することもできる。
さらに、前記無菌エア噴出しユニット81、無菌エア噴出しユニット82、無菌エア噴出しユニット83、無菌エア噴出しユニット84からの無菌エア噴出しによる各部屋の無菌エアの陽圧レベルを、部屋508を高くし、順次部屋512、部屋520、部屋511の順に低くしていくというように制御することにより、無菌エアが無菌度の高い部屋から低い部屋へ流れるため、殺菌された容器1が汚染されることは無いという理想的な状態にすることができる。なお、部屋508と部屋512は同じ陽圧レベルとしてもよい。
また、無菌室5内の雰囲気は無菌エアによる陽圧となっており、H2O2ガスのような作業場の雰囲気に悪影響を与えるものではないので、作業環境を良好に保てる。
さらに、前記無菌エア噴出しユニット81、無菌エア噴出しユニット82、無菌エア噴出しユニット83、無菌エア噴出しユニット84からの無菌エア噴出しにより、無菌室5が陽圧になっているため、無菌室5の外部から菌で汚染されたエアが流入することを抑えることができる。
【0035】
(第4の実施の形態)
さらに、本発明の第4の実施の形態を図10および図11によって説明する。図10は、第4の実施の形態の電子線殺菌装置の全体の構成を簡略化して示す平面図である。
図11は、図10のF−F断面図である。
【0036】
図において、第2の実施の形態と同じ構造のものは同じ符号を記してあり、重複する箇所は説明を省略する。無菌室55の内部は、仕切り壁551によって回転装置70の円板71部の部屋と円板72部の部屋に仕切られるが、さらに、仕切り壁552によって供給スターホイール63および供給スターホイール63側の円板71への容器1の受け渡し部の部屋563と電子線殺菌装置41で容器1が殺菌される部屋541に仕切られ、仕切り壁553によって前記部屋541と反転機構130の反転部がある部屋530が仕切られ、仕切り壁554によって前記部屋530と電子線殺菌装置42で容器1が殺菌され、さらに排出スターホイール64がある部屋542が仕切られ、仕切り壁555によって部屋563と部屋542に仕切られている。
なお、前記各仕切り壁には、容器1、回転装置70、反転機構130、供給スターホイール63および排出スターホイール64の通過等で干渉しないように窓または切欠きが明けられている。
【0037】
前記無菌室55内で仕切られた部屋563、部屋541、部屋530、部屋542にはそれぞれ無菌エア噴出しユニット91、無菌エア噴出しユニット92、無菌エア噴出しユニット93、無菌エア噴出しユニット94が設けられており、各部屋が無菌エアの陽圧により無菌雰囲気或いは無菌に極めて近い雰囲気に保持されるようになっている。なお、前記仕切り壁で仕切られた部屋は必要に応じて統合、または、さらに細分化してもよく、それにより無菌エア噴出しユニットを減らし、或いは、増やしてもよい。
【0038】
次に、第4の実施の形態の作用を説明する。
未殺菌の容器1が搬送される部屋563、片面殺菌の容器1が搬送される部屋541、殺菌済の容器1が搬送される部屋542が仕切られていることにより、殺菌済の容器1が汚染されることがない。また、容器1の搬送経路において部屋541と部屋542との間に部屋530が設けられているので、無菌レベルが段階的となり、部屋542の無菌維持に確実性が増す。
さらに、前記無菌エア噴出しユニット91、無菌エア噴出しユニット92、無菌エア噴出しユニット93、無菌エア噴出しユニット94からの無菌エア噴出しによる無菌室55の各部屋の無菌エアの陽圧レベルを、部屋542を高くして、順次部屋530、部屋541、部屋536の順に低くしていくように制御することにより、殺菌された容器1が汚染されることは無くなるという理想的な状態にすることができる。
また、無菌室55内の雰囲気は無菌エアによる陽圧となっており、H2O2ガスのような作業場の雰囲気に悪影響を与えるものではないので、作業環境を良好に保てる。
さらに、前記無菌エア噴出しユニット91、無菌エア噴出しユニット92、無菌エア噴出しユニット93、無菌エア噴出しユニット94からの無菌エア噴出しにより、無菌室55が陽圧になっているため、無菌室55の外部から菌で汚染されたエアの流入が抑えられる。
【0039】
上記説明では、回転装置10の円板11と円板12を上下に間隔を空けて固定した場合を示したが、円板11と円板12を一つの円板として、該円板の下部に容器保持具15を、該円板の上部に容器保持具16を取り付ける構造としてもよい。
反転装置20、回転装置70の円板についても同様に上下2つの円板を一つの円板とする構造としてもよいことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる電子線殺菌装置の全体の構成を簡略化して示す平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】反転機構の詳細を示す正面図である。
【図4】容器が容器保持具で口部を把持されて、電子線照射を受ける部位の説明をする図である。
【図5】第2の実施の形態の電子線殺菌装置の全体の構成を簡略化して示す平面図である。
【図6】図5のB−B断面図である。
【図7】容器が容器保持具で口部を把持されて、電子線照射を受ける部位の説明をする図で、図4に相当する図である。
【図8】第3の実施の形態の電子線殺菌装置の全体の構成を簡略化して示す平面図である。
【図9】図8のE−E断面図である。
【図10】第4の実施の形態の電子線殺菌装置の全体の構成を簡略化して示す平面図である。
【図11】図10のF−F断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 容器
1a (容器口部の鍔部の)上部
1b (容器口部の)鍔部
1c (容器口部の鍔部の)下部
4、63 供給スターホイール
5、55 無菌室
8、64 排出スターホイール
10、70 回転装置
11、21、71 (下段の)円板
12、22、72 (上段の)円板
15、16、25、26、75、76 容器保持具
20 反転装置
30、130 反転機構
40、41、42 電子線照射装置
51、52、53、551、552、553、554、555 仕切り壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される容器に電子線を照射して容器を殺菌する電子線殺菌装置において、
容器を縦方向に保持する容器保持具と、該容器保持具が上下段に円周上等間隔で設けられ上下段でそれぞれ向きが上下逆方向に把持された容器を回転搬送する円板から成る回転装置と、前記上下段の一方の容器保持具に保持された容器を受け取った後に反転機構によって上下に反転して前記上下段の他方の容器保持具に受け渡す反転装置と、前記上下段の容器保持具に保持された容器の上下端に亘って電子線を照射可能な電子線照射装置とを備え、前記上下段の容器保持具において容器の把持位置が重複しないように容器把持部を構成し、容器供給装置で供給された容器が前記回転装置の上下段の容器保持具により把持されて、前記電子線照射装置を2回通過した後容器排出位置で排出されることを特徴とする電子線殺菌装置。
【請求項2】
請求項1に記載する電子線殺菌装置において、
前記反転装置が、容器を縦方向に保持する容器保持具と、該容器保持具が上下段に円周上等間隔で設けられ、上下段でそれぞれ向きが上下逆方向に把持された容器を回転搬送する円板から成る回転体と、該回転体の上下段の一方の容器保持具に保持された容器を受け取った後上下に反転する反転機構とを備え、該反転機構の容器保持具が前記回転体の上下段の他方の容器保持具を兼ねるように構成することを特徴とする電子線殺菌装置。
【請求項3】
搬送される容器に電子線を照射して容器を殺菌する電子線殺菌装置において、
容器を縦方向に保持する容器保持具と、該容器保持具が上下段に円周上等間隔で設けられ上下段でそれぞれ向きが上下逆方向に把持された容器を回転搬送する円板から成る回転装置と、該回転装置に設けられ前記上下段の一方の容器保持具に保持された容器を受け取った後に上下に反転する反転機構と、該反転機構による反転の前と後に前記上下段の容器保持具に保持された容器にそれぞれ上段と下段で容器の全長に亘って電子線を照射可能な2組の電子線照射装置とを備え、前記上下段の容器保持具において容器の把持位置が重複しないように容器把持部を構成し、容器供給装置で供給された容器が前記回転装置の容器保持具により把持されて、反転前に1組目の電子線照射装置を通過し、次いで、前記反転機構による反転後に2組目の電子線照射装置を通過した後容器排出位置で排出されることを特徴とする電子線殺菌装置。
【請求項4】
請求項3に記載する電子線殺菌装置において、
前記反転機構の容器保持具が前記回転装置の上下段の他方の容器保持具を兼ねることを特徴とする電子線殺菌装置。
【請求項5】
請求項1に記載する電子線殺菌装置において、
該電子線殺菌装置を囲う部屋を設けるとともに、容器供給装置、回転装置、反転装置、容器排出部等に部屋を仕切る仕切り壁を設けて、未殺菌容器の搬送部と殺菌済容器の搬送部を無菌レベルに応じて仕切るようにしたことを特徴とする電子線殺菌装置。
【請求項6】
請求項5に記載する電子線殺菌装置において、
該電子線殺菌装置を囲う部屋を無菌エアで陽圧とし、前記仕切り壁で仕切られた各部屋の陽圧レベルに高低の差を設けるように構成したことを特徴とする電子線殺菌装置。
【請求項7】
請求項3に記載する電子線殺菌装置において、
該電子線殺菌装置を囲う部屋を設けるとともに、前記回転装置へ容器を受け渡す容器供給部、1組目の電子線照射装置による容器殺菌部、前記反転機構による反転部、2組目の電子線照射装置による容器殺菌部、容器排出部等に部屋を仕切る仕切り壁を設けて、未殺菌容器の搬送部と殺菌済容器の搬送部を無菌レベルに応じて仕切るようにしたことを特徴とする電子線殺菌装置。
【請求項8】
請求項7に記載する電子線殺菌装置において、
該電子線殺菌装置を囲う部屋を無菌エアで陽圧とし、前記仕切り壁で仕切られた各部屋の陽圧レベルに高低の差を設けるように構成したことを特徴とする電子線殺菌装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2010−105685(P2010−105685A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278716(P2008−278716)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(505193313)三菱重工食品包装機械株式会社 (146)
【Fターム(参考)】