説明

電子線照射用パターンマスク

【課題】 パターン形成層との間に隙間が生じるのを抑制して高精細のパターンを形成することができ、コストを削減できる電子線照射用パターンマスクを提供する。
【解決手段】 基材1上のパターン形成層2に接触するマスク基材10と、マスク基材10に形成される複数の電子線遮蔽領域11と、マスク基材10に形成される複数の電子線透過領域12と、パターン形成層2に接触する電子線遮蔽領域11の接触度を高める複数の微粘着層14とを備える。微粘着層14の微粘着効果により、パターン形成層2に電子線遮蔽領域11が密着するので、汎用型の安価な電子線照射装置を使用しても、電子線を遮蔽する領域に電子線が斜め方向から入射することがなく、高精細、高解像度のパターニングが期待できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子線の選択的な照射に使用される電子線照射用パターンマスクに関し、特に汎用の電子線照射装置を使用して高精細の導電パターンを形成する際に使用される電子線照射用パターンマスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、導電パターンを形成する場合には、一般的に紫外線照射により硬化(ネガ型)あるいは現像液に可溶化する(ポジ型)材料を用いて選択的に紫外線照射し、現像することにより導電パターンを形成している。しかしながら、この方法は、紫外線透過性の材料以外には実施するのが困難であり、問題が少なくない。
【0003】
そこで係る点に鑑み、材料の選択肢の増大、高精度のパターンの発生が可能、そして処理時間の短縮を図ることのできる電子線を照射して導電パターンを形成する方法が提案されている。この方法に使用する電子線照射用パターンマスクは、直進性の高い平行型の電子線照射装置の使用を前提に、電子線の透過量の異なる2種類の金属箔が貼着されることにより構成される(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002‐23381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電子線照射用パターンマスクは以上のように構成され、平行型の電子線照射装置の使用を前提とするが、この電子線照射装置は専らパターンの形成を目的とする電子線描画装置であり、非常に高価である。したがって、平行型の電子線照射装置を使用する以上、コスト削減を図ることは困難である。
【0005】
この点に鑑み、放射状に電子線を照射する汎用型の電子線照射装置を使用すると、コスト削減を図ることができるものの、パターン形成層と電子線照射用パターンマスクとの間に隙間が生じ、電子線を遮蔽する領域に電子線が斜め方向から入射することとなる。この結果、ネガ型の場合にはパターンが広がり、ポジ型の場合にはパターンが狭まり、高精細のパターンを形成することができないという大きな問題が発生する。
【0006】
本発明は上記に鑑みなされたもので、パターン形成層との間に隙間が生じるのを抑制して高精細のパターンを形成することができ、しかも、コスト削減を図ることのできる電子線照射用パターンマスクを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、パターン形成層にマスクを密着させることにより、汎用の電子線照射装置を用いて高精細のパターンを形成できることを見出し、その構成、材料、製法について検討を重ねて本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明においては上記課題を解決するため、パターン形成層に密着し、電子線の照射に基づいてパターン形成層を導電パターンとするものであって、
パターン形成層に接触するマスク基材と、このマスク基材に形成される電子線透過領域と、パターン形成層に接触するマスク基材の電子線遮蔽領域の接触度を高める微粘着層とを含んでなることを特徴としている。
【0009】
なお、マスク基材の非接触面に補強層を設けることができる。
また、マスク基材に開口を形成して電子線透過領域とし、この電子線透過領域に微粘着性の樹脂を充填して微粘着層とすることができる。
また、マスク基材に開口を形成して電子線透過領域とし、この電子線透過領域に微粘着性の粘着剤と樹脂とをそれぞれ充填して粘着剤を微粘着層とすることができる。
【0010】
また、パターン形成層に接触するマスク基材の接触面に、微粘着層を形成することができる。
さらに、微粘着層の粘着強度を、JIS Z 0237に規定の90°引き剥がし法による測定値で0.01〜10N/25mmの範囲とすることが好ましい。
【0011】
ここで、特許請求の範囲におけるマスク基材の電子線遮蔽領域、電子線透過領域、微粘着層の数や形状は、必要に応じて増減変更することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、パターン形成層との間に隙間が生じるのを抑制して高精細のパターンを安価に形成することができるという効果がある。
また、マスク基材の非接触面に補強層を設ければ、電子線照射用パターンマスクの耐久性を向上させることができる。
【0013】
さらに、微粘着層の粘着強度を、JIS Z 0237に規定の90°引き剥がし法による測定値で0.01〜10N/25mmの範囲とすれば、パターン形成層に電子線遮蔽領域を適切に密着させることができ、しかも、電子線照射用パターンマスクを簡単に剥がして再使用することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における電子線照射用パターンマスクは、図1や図2に示すように、基材1のパターン形成層2に接触するマスク基材10と、このマスク基材10に形成される複数の電子線遮蔽領域11と、マスク基材10に形成される複数の電子線透過領域12と、パターン形成層2に接触する電子線遮蔽領域11の接触度を高める複数の微粘着層14とを備え、パターン形成層2に密着し、汎用の電子線照射装置からの電子線の照射に基づいてパターン形成層2を所定の導電パターンに形成する。
【0015】
基材1は、例えば樹脂、ガラス、セラミック製の板からなり、その表面に電子線硬化型の導電ペーストがスクリーン印刷等されたり、バーコータを用いて塗布されることによりパターン形成層2が積層形成される。
【0016】
電子線硬化型の導電ペーストは、例えば電子線の照射により現像液に対して不溶化する第一のバインダと、この第一のバインダの熱分解温度よりも50℃以上熱分解温度の高い耐熱性の第二のバインダと、平均粒径が0.05〜0.5μmの金属粒子とを含み、平均粒径±0.05μmの範囲に含まれる金属粒子の割合が30質量%以上のペースト等があげられる。この電子線硬化型の導電ペーストには、増感剤、重合禁止剤、レベリング剤、分散剤、増粘剤、沈殿防止剤等が必要に応じて添加される。
【0017】
複数の電子線遮蔽領域11を含むマスク基材10は、電子線透過率の低い材料を使用して形成される。電子線の透過率は材料の密度と厚さに依存することが知られており、高精細の導電パターンを形成するという観点からはできるだけ薄い材料を用いて電子線照射用パターンマスクを製造することが望ましいので、密度の大きな金属材料の使用が好ましい。このような金属材料としては、銅、金、白金、銀、鉄、ニッケル、コバルト、鉛及びこれらを含む合金等があげられる。
【0018】
マスク基材10や電子線遮蔽領域11の厚さは、材質の密度、電子線照射装置、及その加速電圧により決定される。例えば、岩崎電気(株)製の電子線照射装置(商品名ESC250)を使用して加速電圧が150kVの場合、厚さ(μm)×密度(g/cm)を220以上、200kVの場合、400以上に設定すれば良い。また、電子線の斜め方向からの入射を抑制するため、形成する導電パターンの最小幅に対して0.5倍以上、好ましくは1倍以上の厚さにするのが良い。
【0019】
但し、導電パターンの最小幅が50μm以上程度であれば、特に係る比率とする必要はなく、本実施形態の密着構造で十分に綺麗な導電パターンを得ることができる。マスク基材10や電子線遮蔽領域11の厚さは、厚すぎると、電子線照射用パターンマスク自体の製造が困難となり、特に高精細なマスクを製造することができなくなるおそれがあるため、1mm以下、好ましくは0.3mm以下が良い。
【0020】
各電子線透過領域12は、図2に示すように、マスク基材10に形成された開口からなり、この開口以外の領域が電子線遮蔽領域11となる。この各電子線透過領域12には図2に示すように、低硬度の樹脂13が充填され、この樹脂13のマスク基材接触面(裏面)から露出する露出面が電子線遮蔽領域11に電子線が斜めに入射するのを規制する微粘着性の微粘着層14を形成する。充填される樹脂13は、密度が大き過ぎると、電子線を十分に透過することができなくなるため、3g/cm以下程度の材質が好ましい。
【0021】
なお、通常の樹脂材料の密度は小さくても、0.8g/cm程度であるが、発泡材料を用いたり、中空フィラーを配合することにより、見かけ密度を0.05g/cm程度とすることも可能である。
【0022】
樹脂13や微粘着層14は微粘着性を有するが、この微粘着性とは、パターン形成層2に密着保持が可能で、容易に剥離して再度使用可能なレベルをいう。具体的な微粘着層14の粘着強度としては、面積比にもよるが、JIS Z 0237に規定されている90°引き剥がし法による測定値で0.01〜10N/25mmの範囲が良い。これは、微粘着層14の粘着強度が係る範囲から外れると、パターン形成層2に電子線遮蔽領域11を適切に密着させることや電子線照射用パターンマスクを簡単に剥離して再使用することが困難になるからである。
【0023】
このような樹脂13や微粘着層14としては、例えばアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、フッ素ゴム等があげられる。
【0024】
上記構成の電子線照射用パターンマスクを製造する場合には、(1)マスク基材10である金属箔をエッチングして複数の電子線透過領域12をパターン形成し、この各電子線透過領域12に微粘着性の樹脂13を充填して微粘着層14を形成する方法、あるいは(2)図示しない電鋳用基材上にレジストをパターン部のみ形成し、電鋳法により電子線遮蔽領域11を形成する方法が採用される。この場合、マスク基材10の材料は製法に応じて選択される。
【0025】
上記構成によれば、パターン形成層2に密着する微粘着層14の微粘着効果により、基材1上のパターン形成層2にマスク基材10の電子線遮蔽領域11が密着するので、放射状に電子線を照射する汎用型の安価な電子線照射装置を使用しても、電子線を遮蔽する領域に電子線が斜め方向から入射することがなく、高精細、高解像度のパターニングが期待できる。したがって、ネガ型の場合にはパターンが広がり、ポジ型の場合にはパターンが狭まり、高精細のパターンを形成することができないという大きな問題を確実かつ有効に解消することができる。
【0026】
また、電子線の到達深度は質量により決定されるので、光を通さない無機フィラー等を高充填しているペーストの厚膜パターニングには実に有効である。また、本実施形態によれば、紫外線照射では不可能なポジタイプのパターニングも可能になる。さらに、低硬度の樹脂13を充填するので、繰り返しの使用が可能になる。
【0027】
次に、図3は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、マスク基材10に複数の開口を形成して電子線透過領域12とし、各電子線透過領域12に、微粘着性の粘着剤とアクリル系樹脂等からなる樹脂13とをそれぞれ充填して接触面側の露出した粘着剤を微粘着層14とするようにしている。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、微粘着層14の種類の多様化を図ることができるのは明らかである。
【0028】
次に、図4と図5は本発明の第3の実施形態を示すもので、この場合には、マスク基材10に複数の開口を形成して電子線透過領域12とするとともに、各電子線透過領域12に樹脂13を充填し、パターン形成層2に接触するマスク基材10の全接触面に、パターン形成層2に密着する微粘着層14を形成するようにしている。
【0029】
微粘着層14の厚さは、厚すぎると電子線遮蔽領域11にも電子線が斜め方向から入射するので、最小パターン幅の1/5以下とすることが望ましい。逆に、薄すぎると密着保持力が弱くなるおそれがあるので0.1μm以上とするのが良い。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、微粘着層14の種類の多様化を図ることができる。
【0030】
次に、図6は本発明の第4の実施形態を示すもので、この場合には、マスク基材10に複数の開口を形成して電子線透過領域12とするとともに、各電子線透過領域12に微粘着性の樹脂13を充填してその露出面を微粘着層14とし、マスク基材10の非接触面である表面に、粘着剤付きのプラスチックフィルムを粘着して補強層15とするようにしている。
【0031】
補強層15は、電子線を透過させることが必要となるが、密度が大きすぎると電子線を十分に透過させることができなくなるため、3g/cm以下程度の材料からなることが好ましい。また、通常の樹脂材料の密度は小さくても0.8g/cm程度であるが、発泡材料を用いたり、中空フィラーを配合することにより、見かけ密度を0.05g/cm程度とすることが可能である。補強層15は、厚すぎると電子線透過性が悪くなるため、厚さ(μm)×密度(g/cm)が100以下、好ましくは50以下が良い。
【0032】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、微粘着層14の種類の多様化が期待できるだけではなく、島状のパターン等を形成したり、電子線照射用パターンマスクの耐久性を向上させることができる。
【実施例】
【0033】
以下、本発明に係る電子線照射用パターンマスクの実施例を比較例と共に説明する。
表1に示す材料、構成を用い、電子線透過領域/電子線遮蔽領域が10μm/10μm、15μm/15μm、20μm/20μm、30μm/30μm、40μm/40μm、50μm/50μmの領域がそれぞれ20mm□の中に形成された、電子線照射用パターンマスクを作製した。
【0034】
実施例1
先ず、25μmのニッケル箔とPET基材再剥離フィルムとを貼り合せ、ドライレジストフィルムをニッケル箔側に貼り合わせて紫外線により露光、現像、エッチングし、複数の電子線透過領域を有するマスク基材を得た。こうしてマスク基材を得たら、再剥離フィルムを貼り付けたまま、ニッケル箔の電子線透過領域に微粘着層となるシリコーンゴム〔信越化学工業製 商品名KE66SE〕をスクレーパーを用いて充填し、120℃で10分間硬化させ、その後、再剥離フィルムを剥離して図2に示す電子線照射用パターンマスクを製造した。
【0035】
実施例2
先ず、実施例1と同様の材料、方法によりマスク基材を作製し、固形分量80%の紫外線硬化型アクリル系樹脂をニッケル箔の電子線透過領域にスクレーパーを用いて充填し、120℃で30分乾燥させて紫外線硬化させた。そして、微粘着層となるシリコーンゴム〔信越化学工業製 商品名KE66SE〕をスクレーパーを用いて充填し、120℃で10分間硬化させ、その後、再剥離フィルムを剥離して図3に示す電子線照射用パターンマスクを製造した。
【0036】
実施例3
先ず、実施例1と同様の材料、方法によりマスク基材を作製し、固形分量100%の紫外線硬化型アクリル系樹脂をニッケル箔の電子線透過領域にスクレーパーを用いて充填し、紫外線硬化させた。そして、バーコーターを用いて固形分25%のアクリル系粘着剤を塗布し、120℃で30分間乾燥させて微粘着層を形成した後、再剥離フィルムを剥離して図5に示す電子線照射用パターンマスクを製造した。
【0037】
実施例4
先ず、実施例1と同様の材料、方法によりマスク基材を作製し、再剥離フィルムを貼り付けたまま、ニッケル箔の電子線透過領域に微粘着層となるシリコーンゴムをスクレーパーにより充填した後、120℃で10分間硬化させ、再剥離フィルムを補強層として備えた図6の電子線照射用パターンマスクを製造した。
【0038】
実施例5
先ず、りん青銅製の導電基材上にドライレジストフィルムを貼り合わせ、電子線透過領域となる部分が残るよう、上記所定のパターンで露光、現像した後、電鋳法によりニッケル層を成長させた。レジスト除去液により電子線透過領域に残留したレジストを深さ10μmまで除去し、この除去部に微粘着層となる上記シリコーンゴムをスクレーパーを用いて充填し、120℃で10分間硬化させ、その後、上記導電基材を剥離して図3に示す電子線照射用パターンマスクを製造した。
【0039】
実施例6
ニッケルの厚さを変更する以外は、実施例5と同様の方法、材料により図3に示す電子線照射用パターンマスクを製造した。
【0040】
実施例7
先ず、ポリイミド基材の厚さが25μm、銅箔の厚さが35μmの2層フレキシブル銅貼り積層板に、ドライレジストフィルムを銅箔側に貼り合わせて紫外線により露光、現像、エッチングし、マスク基材を得た。マスク基材を得たら、その銅箔の電子線透過領域に、微粘着層となる上記シリコーンゴムをスクレーパーを用いて充填し、120℃で10分間硬化させ、図6に示す電子線照射用パターンマスクを製造した。
【0041】
比較例
実施例7で得たマスク基材の電子線透過領域に何も充填しないまま、電子線照射用パターンマスクとした。
実施例1〜7、比較例それぞれの電子線遮蔽領域、及び電子線透過領域における電子線透過率を表1に示した。
【0042】
また、ネガタイプのアクリル系電子線硬化型樹脂に、銀粒子を分散させた電子線硬化型導電性ペーストを乾燥後厚さ10μmとなるようガラス板上に形成し、本実施例、比較例で作製したマスクを用いてパターニングし、解像度を評価した。この際、断線や短絡がなくパターン形成された最小幅を表1に示した。
【0043】
なお、パターニングに際しては、電子線照射装置〔岩崎電気(株)製 ESC250〕を使用し、この場合の電子線加速電圧は、電子線遮蔽領域の透過率が0%である最大の電圧とした。つまり、実施例1〜4、7、比較例1では加速電圧150kV、実施例5では200kV、実施例6では250kVとした。
【0044】
【表1】

【0045】
実施例の場合には、いずれも良好な解像度を得ることができた。これに対し、比較例の場合には、マスクがパターン形成層に密着せず、部分的に浮きが生じたために像がぼやけ、50μmの線幅でも良好なパターンを得ることができなかった。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る電子線照射用パターンマスクの実施形態における電子線照射用パターンマスクの使用状態を示す断面説明図である。
【図2】本発明に係る電子線照射用パターンマスクの実施形態を示す断面説明図である。
【図3】本発明に係る電子線照射用パターンマスクの第2の実施形態を示す断面説明図である。
【図4】本発明に係る電子線照射用パターンマスクの第3の実施形態における電子線照射用パターンマスクの使用状態を示す断面説明図である。
【図5】本発明に係る電子線照射用パターンマスクの第3の実施形態を示す断面説明図である。
【図6】本発明に係る電子線照射用パターンマスクの第4の実施形態を示す断面説明図である。
【符号の説明】
【0047】
1 基材
2 パターン形成層
10 マスク基材
11 電子線遮蔽領域
12 電子線透過領域
13 樹脂
14 微粘着層
15 補強層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターン形成層に密着し、電子線の照射に基づいてパターン形成層を導電パターンとする電子線照射用パターンマスクであって、
パターン形成層に接触するマスク基材と、このマスク基材に形成される電子線透過領域と、パターン形成層に接触するマスク基材の電子線遮蔽領域の接触度を高める微粘着層とを含んでなることを特徴とする電子線照射用パターンマスク。
【請求項2】
マスク基材の非接触面に補強層を設けた請求項1記載の電子線照射用パターンマスク。
【請求項3】
マスク基材に開口を形成して電子線透過領域とし、この電子線透過領域に微粘着性の樹脂を充填して微粘着層とした請求項1又は2記載の電子線照射用パターンマスク。
【請求項4】
マスク基材に開口を形成して電子線透過領域とし、この電子線透過領域に微粘着性の粘着剤と樹脂とをそれぞれ充填して粘着剤を微粘着層とした請求項1又は2記載の電子線照射用パターンマスク。
【請求項5】
パターン形成層に接触するマスク基材の接触面に、微粘着層を形成した請求項1又は2記載の電子線照射用パターンマスク。
【請求項6】
微粘着層の粘着強度を、JIS Z 0237に規定の90°引き剥がし法による測定値で0.01〜10N/25mmの範囲とした請求項1ないし5いずれかに記載の電子線照射用パターンマスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−106258(P2006−106258A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−291406(P2004−291406)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】