説明

電子線照射装置の透過膜保護方法および透過膜保護装置

【課題】電子線照射口の外部を殺菌、洗浄する際、或いは、電子線照射口近辺のメンテナンスを行う際に、確実に透過膜が保護されるとともに、電子線照射効率を向上させることができる電子線照射装置の透過膜保護方法および透過膜保護装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る電子線照射装置の透過膜保護方法は、透過膜と容器搬送手段の間に、電子線を容器に照射する際は開とし、照射口外部から流体を吹き付ける等の際は閉とする開閉式のシャッターを設け、かつ、閉状態の該シャッターとの間の隙間を小さく配置した照射口の固定箇所に、透過膜とシャッターの間の空間へ気体を噴出す気体噴出し口を設けて、照射口外部から流体を吹き付ける等の際は、シャッターを閉とし、気体噴出し口から噴出される気体によって透過膜とシャッターの間の空間を陽圧にするようにして、照射口外部から吹き付けられる流体等が透過膜に到達しないようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子線照射により容器等を殺菌する電子線照射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子線照射手段を備えた容器殺菌装置(電子線照射装置)においては、容器の殺菌運転に入る前に装置全体を殺菌、洗浄する必要があり、薬剤シャワーによる殺菌、熱水シャワー等による濯ぎ洗浄を実施するが、電子線照射口に取り付けられた電子線透過膜は薬剤や水分等が付着すると劣化し、透過膜の交換頻度が著しく増加する。
このため、電子線照射口の外部を殺菌、洗浄する際、或いは、電子線照射口近辺のメンテナンスを行う際に、前記透過膜を損傷させないように保護する透過膜保護装置が種々提案されている(特許文献1、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−188292号公報(図2)
【特許文献2】特開2007−125119号公報(図2〜図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1によれば、電子線照射装置は殺菌チャンバー内を洗浄する際、電子線照射ユニットの照射窓(照射口)に設けた窓箔(透過膜)を開閉式シャッターで塞いで保護するとしている。
しかしながら、前記特許文献1の技術では、殺菌チャンバーの壁に設けられた開口部を前記シャッターで塞ぐに当って、前記シャッターを前記開口部にシール部材を介して押し当てて密封状態にする必要があるが、前記シール部材が電子線により劣化するという恐れがある。
【0005】
また、前記特許文献2によれば、電子線殺菌装置は、前記真空室を通過した電子線を透過させて前記環境に供給し、かつ、電子線発生部の電子線が通過する真空室に環境の気体が侵入することを阻止する透過膜が前記環境に散布される液体に接する量を低減するように遮蔽部を設けるとし、該遮蔽部はシャッターを配置するか、前記透過膜に対して前記環境に曝された側にエアカーテンを生成するとしている。
しかしながら、前記特許文献2の技術では、シャッターを配置した場合には該シャッターと前記透過膜の間に隙間ができて、そこから散布された液体が侵入することにより透過膜を損傷させる恐れがあり、また、エアカーテンを生成した場合には、前記環境に散布される液体から前記透過膜を保護するために多量のエア噴出しが必要で、さらにエア噴出しノズルの向きを最適にしようとすると構造が複雑となってしまう恐れがあり、或いは、エア噴出しの調整が不十分であると、前記エアカーテンにより前記透過膜が前記環境に散布される液体に接する量が低減されるとしても、前記環境に散布される液体が前記エアカーテンを突き抜けて前記透過膜に接し、前記透過膜が損傷するという恐れがある。
【0006】
本発明は、電子線照射口の外部を殺菌、洗浄する際、或いは、電子線照射口近辺のメンテナンスを行う際に、確実に透過膜が保護されるとともに、電子線照射効率を向上させることができる電子線照射装置の透過膜保護方法および装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題に対し、本発明は以下の手段により解決を図る。
(1)第1の手段の電子線照射装置の透過膜保護方法は、容器搬送手段と、その照射口を前記容器搬送手段により搬送される容器に向けて配置した電子線照射手段を備えて、前記容器に照射する電子線を透過し、かつ、前記照射口外部の気体が前記電子線照射手段の内部に侵入することを阻止する透過膜を有する電子線照射装置の透過膜保護方法において、前記透過膜と前記容器搬送手段の間に前記照射口より大きいサイズで、電子線を前記容器に照射する際は開とし、前記照射口外部から流体を吹き付ける等の際は閉とする開閉式のシャッターを設け、かつ、閉状態の該シャッターとの間の隙間を小さく配置した前記照射口の固定箇所に、前記透過膜と前記シャッターの間の空間へ気体を噴出す気体噴出し口を設けて、前記照射口外部から流体を吹き付ける等の際は、前記シャッターを閉とし、前記気体噴出し口から噴出される気体によって前記透過膜と前記シャッターの間の空間を陽圧にするようにして、前記照射口外部から吹き付けられる流体等が前記透過膜に到達しないようにしたことを特徴とする。
【0008】
(2)第2の手段の電子線照射装置の透過膜保護方法は、前記第1の手段の電子線照射装置の透過膜保護方法において、前記透過膜と前記シャッターの間の空間の圧力を検出する圧力検出手段を設けて、該圧力検出手段によって検出した圧力が所定値以下の時は、前記照射口外部から流体等が吹き付けられないように、或いは警報を出すように制御することを特徴とする。
【0009】
(3)第3の手段の電子線照射装置の透過膜保護方法は、前記第1および第2の手段の電子線照射装置の透過膜保護方法において、前記気体噴出し口から噴出される気体を窒素ガス等の不活性ガスとしたことを特徴とする。
【0010】
(4)第4の手段の電子線照射装置の透過膜保護装置は、容器搬送手段と、その照射口を前記容器搬送手段により搬送される容器に向けて配置した電子線照射手段を備えて、前記容器に照射する電子線を透過し、かつ、前記照射口外部の気体が前記電子線照射手段の内部に侵入することを阻止する透過膜を有する電子線照射装置の透過膜保護装置において、前記透過膜と前記容器搬送手段の間に前記照射口より大きいサイズで、電子線を前記容器に照射する際は開とし、前記照射口外部から流体を吹き付ける等の際は閉とする開閉式のシャッターを設け、かつ、前記透過膜と前記シャッターの間の空間に気体を噴出す気体噴出し口を、閉状態の前記シャッターとの間の隙間を小さく配置した前記照射口の固定箇所に設けて構成したことを特徴とする。
【0011】
(5)第5の手段の電子線照射装置の透過膜保護装置は、前記第4の手段の電子線照射装置の透過膜保護装置において、前記気体噴出し口を前記照射口の左右の固定箇所に向かい合うように配置したことを特徴とする。
【0012】
(6)第6の手段の電子線照射装置の透過膜保護装置は、前記第4および第5の手段の電子線照射装置の透過膜保護装置において、前記透過膜と前記シャッターとの間の空間が前記気体噴出し装置から噴出される気体によって陽圧となるように構成したことを特徴とする。
【0013】
(7)第7の手段の電子線照射装置の透過膜保護装置は、前記第4から第6の手段の電子線照射装置の透過膜保護装置において、前記透過膜と前記シャッターの間の空間の圧力を検出する圧力検出手段、および、該圧力検出手段によって検出した圧力が所定値以下の時は、前記照射口外部から流体等が吹き付けられないように、或いは警報を出すように制御する制御装置を設けて構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1および4に係わる本発明は、容器搬送手段と、その照射口を前記容器搬送手段により搬送される容器に向けて配置した電子線照射手段を備えて、前記容器に照射する電子線を透過し、かつ、前記照射口外部の気体が前記電子線照射手段の内部に侵入することを阻止する透過膜を有する電子線照射装置の使用方法および装置において、前記透過膜と前記容器搬送手段の間に前記照射口より大きいサイズで、電子線を前記容器に照射する際は開とし、前記照射口外部から流体を吹き付ける等の際は閉とする開閉式のシャッターを設け、かつ、閉状態の該シャッターとの間の隙間を小さく配置した前記照射口の固定箇所に、前記透過膜と前記シャッターの間の空間へ気体を噴出す気体噴出し口を設けて、前記照射口外部から流体を吹き付ける等の際は、前記シャッターを閉とし、前記気体噴出し口から噴出される気体によって前記透過膜と前記シャッターの間の空間を陽圧にするようにして、前記照射口外部から吹き付けられる流体等が前記透過膜に到達しないようにしたことにより、前記透過膜と前記シャッターの間の空間に前記照射口外部から洗浄用の薬剤等が前記透過膜に侵入しないようにして前記透過膜が損傷することを防止でき、また、前記シャッターがシール部材を介して前記透過膜側の固定箇所に押し付けられるような構造が必要でなくなり、劣化の恐れがあるシール部材が不要になるとともに、前記シャッター部が小型化或いは薄肉化できて、容器等の被照射物を搬送する搬送手段と前記透過膜の間の空間距離を小さくすることができるため、至近距離での電子線照射が可能となり、照射効率が向上するという効果を有する。
【0015】
請求項2および7に係わる本発明は、前記透過膜保護方法および装置において、前記透過膜と前記シャッターの間の空間の圧力を検出する圧力検出手段を設けて、該圧力検出手段によって検出した圧力が所定値以下の時は、前記照射口外部から流体等が吹き付けられないように、或いは警報を出すように制御する方式としたことにより、前記透過膜の保護を完全なものとする安全な方法および装置を提供できるという効果を有する。
【0016】
請求項3に係わる本発明は、前請求項1および2に記載する透過膜保護方法において、前記気体噴出し口から噴出される気体を窒素ガス等の不活性ガスとしたことにより、前記気体噴出し口から噴出される気体が大気中の空気である場合には、空気中の酸素が電子線により活性化してオゾンが発生するため、雰囲気の大気を吸引ダクトで回収してオゾン分解装置を通して有害なオゾンを分解して排出する対策が必要となるが、不活性ガスの場合はオゾンが発生しないので、オゾン対策の吸引ダクト、オゾン分解装置等が必要でなくなるという効果を有する。
【0017】
請求項5および6に係わる本発明は、前請求項4に記載する透過膜保護装置において、前記気体噴出し口を前記照射口の左右の固定箇所に向かい合うように配置し、また、前記透過膜と前記シャッターとの間の空間が前記気体噴出し装置から噴出される気体によって陽圧となるように構成したことにより、前記透過膜と前記シャッターの間の空間に洗浄用の薬剤等が前記透過膜に侵入することを確実に防止できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係わる第1の実施の形態の電子線照射装置の透過膜保護装置を摸式的に示した上面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図2のA部拡大断面図である。
【図4】本発明に係わる第2の実施の形態の電子線照射装置の透過膜保護装置の図1に相当する図で、要部のみを拡大して示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の第1の実施の形態を図1から図3に基づいて説明する。
図1は、本発明に係わる第1の実施の形態の電子線照射装置の透過膜保護装置を摸式的に示した上面図である。
図2は、図1の側面図である。
図3は、図2のA部拡大断面図である。
図において、電子線照射装置1は、電子線を真空中で照射口3aに向けて発生させる電子線照射手段3と、発生させた電子線を照射口3aの外部に搬送されてくる容器Pへ向けて透過し、かつ、照射口3aの外部の気体が前記電子線照射手段3の内部に侵入することを阻止する透過膜4と、前記透過膜4を該電子線照射手段3の本体の固定部であるフランジ3bと、透過膜保護装置2、および、制御装置10によって構成されている。
【0020】
また、前記電子線照射手段3により殺菌される容器Pは、図示しない容器搬送手段により図示二点鎖線で示される容器搬送経路7に沿って矢印7aの方向に搬送されるようになっており、さらに、容器Pの殺菌運転に入る前に、シャワー装置8により、前記照射口3aの外部等に薬剤或いは熱水等をシャワーして必要な箇所を殺菌、洗浄できるようになっている。
なお、前記シャワー装置8は図示しない前記容器搬送手段等と干渉しない位置に配置されている。
【0021】
前記透過膜保護装置2は、前記フランジ3bの外部側で、シャッター5が、矢印5aのように、容器Pを電子線で殺菌する際は図示二点鎖線のような退避位置(開の位置)へ、前記照射口3aの外部等の必要な箇所を薬剤等で殺菌、洗浄する際は図示実線のような遮断位置(閉の位置)へ、制御装置10による制御指令で図示しない駆動装置により移動されて開閉されるようになっており、さらに、前記フランジ3bと接続された一対の配管6により矢印6aの方向から供給されたエア(気体。以下同様。)が前記フランジ3bに設けられた一対のエア(気体。以下同様。)噴出し口6bから噴出されるように構成されている。
ここで、前記エア噴出し口6bから噴出されるエアによって空間6pが陽圧になるように、前記シャッター5と前記フランジ3bの隙間gは1例として1mmという小さい隙間となるように構成されている。
【0022】
なお、電子線照射装置1には、大気雰囲気で電子線照射が行われるため、空気中の酸素が電子線により活性化してオゾンが発生するが、雰囲気の大気を図示しない吸引ダクトで回収して図示しないオゾン分解装置を通して有害なオゾンを分解して排出する装置が設けられているが、詳細な説明は省略する。
【0023】
次に、本発明の実施の形態に係わる電子線照射装置1の透過膜保護装置2の作用を説明する。
電子線照射手段3により容器Pが殺菌される際は、シャッター5が図示二点鎖線に示すような開の位置にあり、電子線照射手段3から発生される電子線が、照射口3aの透過膜4を透過して容器搬送経路7に沿って搬送される容器Pに照射され、容器Pを殺菌する。
容器Pの殺菌運転に入る前に照射口3aの外部等を殺菌、洗浄する際は、シャッター5が図示実線に示すような閉の位置へ移動されるとともに、配管6に矢印6a方向からエアが供給されていて、一対のエア噴出し口6bから空間6pへエアが噴出される。
【0024】
ここで、空間6pへ噴出されたエアは外部へ矢印6cのように通過しようとするが、前記シャッター5と前記フランジ3bの小さい隙間gによる流体抵抗によって空間6pは陽圧となる。
この空間6pが陽圧の状態で、制御装置10の制御により、シャワー装置8から前記照射口3aの外部等に薬剤或いは熱水等をシャワーして必要な箇所が殺菌、洗浄される。
この際、透過膜5は、前記照射口3aの外部がシャッター5により閉じられているとともに、空間6pが陽圧になっていることにより、前記シャワー装置8からシャワーされる薬剤或いは熱水等が侵入することなく保護される。
【0025】
なお、前記容器Pが電子線照射を受けて殺菌されている間、前記一対のエア噴出し口6bからエアが噴出されていると、透過膜4は噴出されたエアにより冷却され、透過膜4の寿命を延ばす作用がある。
ここで、大気雰囲気で電子線照射が行われると、空気中の酸素が電子線により活性化してオゾンが発生するが、オゾンは有害であるので、雰囲気の大気を図示しない吸引ダクトで回収して図示しないオゾン分解装置を通してオゾンを分解して排出することになるが、前記エア噴出し口6bから窒素ガス等の不活性ガスを噴出すことにより、前記オゾン発生対策の吸引ダクト、オゾン分解装置等の設置を回避できるという作用がある。
【0026】
また、前記シャッター5と前記フランジ3bの隙間gが小さくなっており、前記エア噴出し口6bを内蔵したフランジ3bの厚さを薄くすることにより、透過膜4と搬送されてくる容器Pとの空間を小さくすることができて、至近距離での電子線照射が可能となり、容器Pへの電子線照射効率を向上させることができる。
【0027】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を図4に基づいて説明する。
図4は、本発明に係わる第2の実施の形態の電子線照射装置の透過膜保護装置の図1に相当する図で、要部のみを拡大して示した断面図である。
図4において、第1の実施の形態と同じ構造のものは同じ記号を記してあり、重複する説明は省略する。
図において、電子線照射装置1aの透過膜保護装置2aは、フランジ3bに1対のエア噴出し口6bに加えて、空間6pの圧力を検出する圧力検出手段9が設けられており、該圧力検出手段9により検出された圧力値の信号は制御装置10aに送られるようになっている。また、制御装置10aは前記シャッター5の図示しない駆動装置、前記配管6の図示しないエア供給源およびシャワー装置8の図示しないシャワー源とも信号の授受が行われるようになっている。
【0028】
次に、第2の実施の形態の電子線照射装置1aの透過膜保護装置2aの作用を説明する。
前記透過膜保護装置2aは、シャワー装置8から薬剤或いは熱水等をシャワーして必要な箇所を殺菌、洗浄する際に、前記圧力検出手段9により空間6pの圧力を検出し、検出した圧力が所定以上の陽圧になっていない場合には、前記シャワー装置8から薬剤或いは熱水等がシャワーされない。
これにより、前記シャッター5が図示実線の閉の位置に移動されていない場合、或いは、前記配管6へのエア供給量が少なくて前記空間6pが所定の陽圧になっていない場合には、前記シャワー装置8から薬剤或いは熱水等がシャワーされないので、前記透過膜の保護を完全なものとする安全装置の作用がある。
【0029】
なお、前記空間6pが所定の陽圧になっていない場合に、制御装置10aから警報を出すこともできるが、詳細な説明は省略する。
また、図4では、エア噴出し口6b、圧力検出手段9をそれぞれ一対設ける場合を示したが、エア噴出し口6bまたは圧力検出手段9を二対以上設けることとしてもよいことはもちろんである。
【符号の説明】
【0030】
1、1a 電子線照射装置
2、2a 透過膜保護装置
3 電子線照射手段
3a 照射口
3b フランジ
4 透過膜
5 シャッター
6 配管
6b エア(気体)噴出し口
7 (容器搬送手段の)容器搬送経路
8 シャワー装置
9 圧力検出手段
10、10a 制御装置
P 容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器搬送手段と、その照射口を前記容器搬送手段により搬送される容器に向けて配置した電子線照射手段を備えて、前記容器に照射する電子線を透過し、かつ、前記照射口外部の気体が前記電子線照射手段の内部に侵入することを阻止する透過膜を有する電子線照射装置の透過膜保護方法において、前記透過膜と前記容器搬送手段の間に前記照射口より大きいサイズで、電子線を前記容器に照射する際は開とし、前記照射口外部から流体を吹き付ける等の際は閉とする開閉式のシャッターを設け、かつ、閉状態の該シャッターとの間の隙間を小さく配置した前記照射口の固定箇所に、前記透過膜と前記シャッターの間の空間へ気体を噴出す気体噴出し口を設けて、前記照射口外部から流体を吹き付ける等の際は、前記シャッターを閉とし、前記気体噴出し口から噴出される気体によって前記透過膜と前記シャッターの間の空間を陽圧にするようにして、前記照射口外部から吹き付けられる流体等が前記透過膜に到達しないようにしたことを特徴とする電子線照射装置の透過膜保護方法。
【請求項2】
請求項1に記載する電子線照射装置の透過膜保護方法において、前記透過膜と前記シャッターの間の空間の圧力を検出する圧力検出手段を設けて、該圧力検出手段によって検出した圧力が所定値以下の時は、前記照射口外部から流体等が吹き付けられないように、或いは警報を出すように制御することを特徴とする電子線照射装置の透過膜保護方法。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれか1項に記載する電子線照射装置の透過膜保護方法において、前記気体噴出し口から噴出される気体を窒素ガス等の不活性ガスとしたことを特徴とする電子線照射装置の透過膜保護方法。
【請求項4】
容器搬送手段と、その照射口を前記容器搬送手段により搬送される容器に向けて配置した電子線照射手段を備えて、前記容器に照射する電子線を透過し、かつ、前記照射口外部の気体が前記電子線照射手段の内部に侵入することを阻止する透過膜を有する電子線照射装置の透過膜保護装置において、前記透過膜と前記容器搬送手段の間に前記照射口より大きいサイズで、電子線を前記容器に照射する際は開とし、前記照射口外部から流体を吹き付ける等の際は閉とする開閉式のシャッターを設け、かつ、前記透過膜と前記シャッターの間の空間に気体を噴出す気体噴出し口を、閉状態の前記シャッターとの間の隙間を小さく配置した前記照射口の固定箇所に設けて構成したことを特徴とする電子線照射装置の透過膜保護装置。
【請求項5】
請求項4に記載する電子線照射装置の透過膜保護装置において、前記気体噴出し口を前記照射口の左右の固定箇所に向かい合うように配置したことを特徴とする電子線照射装置の透過膜保護装置。
【請求項6】
請求項4又は5のいずれか1項に記載する電子線照射装置の透過膜保護装置において、前記透過膜と前記シャッターとの間の空間が前記気体噴出し装置から噴出される気体によって陽圧となるように構成したことを特徴とする電子線照射装置の透過膜保護装置。
【請求項7】
請求項4から6のいずれか1項に記載する電子線照射装置の透過膜保護装置において、前記透過膜と前記シャッターの間の空間の圧力を検出する圧力検出手段、および、該圧力検出手段によって検出した圧力が所定値以下の時は、前記照射口外部から流体等が吹き付けられないように、或いは警報を出すように制御する制御装置を設けて構成したことを特徴とする電子線照射装置の透過膜保護装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−220721(P2011−220721A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−87262(P2010−87262)
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【出願人】(505193313)三菱重工食品包装機械株式会社 (146)