説明

電子装置、携帯装置及び電子システム

【課題】携帯装置の表示方式によらず、画像を表示することを可能とすること。
【解決手段】本発明は、表示部を有する携帯装置10を脱着可能な電子装置100であって、再生される画像データの画像方式を検出するデータ方式検出手段202と、携帯装置10の表示可能な画像方式を検出する表示方式検出手段204と、データ方式検出手段202が検出した画像方式と、表示方式検出手段204が検出した画像方式と、が異なる場合、画像データの画像方式を携帯装置10で表示可能な画像方式に変換して携帯装置10に送信する画像処理部200と、を具備する電子装置及び電子システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置、携帯装置及び電子システムに関し、特に表示部を有する携帯装置を装着脱可能な電子装置、表示部を有する携帯装置、及び表示部を有する携帯装置と該携帯装置を着脱可能な電子装置とで構成される電子システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置として、パーソナルナビゲーションデバイスと呼ばれる、簡易的ではあるが可搬性を持った小型のポータブルナビゲーション装置(以下、ポータブルナビと呼ぶ)と、車両のダッシュボードに形成された凹部(DIN開放)内に収容し固定される車載用のナビゲーション装置とが広く一般的に知られている。車載用のナビゲーション装置は、車両からの車速等の情報により高精度な案内が可能であり、さらにはオーディオ装置を備えたものも提案されている。
【0003】
近年、ポータブルナビの可搬性と、車載用ナビゲーション装置の高精度な案内性能とを兼ね備えたナビゲーション装置が検討されている。
【0004】
特許文献1及び特許文献2には、車載機器からCDユニットを着脱可能とする構成が開示されている。特許文献3及び特許文献4には、車両に搭載された車載機器からナビゲーション部を着脱可能とする構成が開示されている。車載機器からナビゲーション部を取り外すことで、ナビゲーション部をポータブルナビとして単体で使用することが可能となる。また、特許文献5は、ナビゲーション装置を車両から取り外して、歩行時にもナビゲーション装置を使用することが可能となっている。また、車両搭載時には、カーナビモードとなり、車両から取り外した時にはマンナビモードを実行することが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平8−318792号公報
【特許文献2】特開2002−328026号公報
【特許文献3】特表2005−524570号公報
【特許文献4】特開2001−239895号公報
【特許文献5】特開2003−166848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
表示部を有する表示携帯装置(例えばポータブルナビ)を車載機器に装着して、車載機器が有する例えばDVD(Digital Versatile Disc)再生部等の再生した画像を、表示携帯装置の表示部で観賞する場合がある。標準テレビ放送やDVDの画像方式には、主に米国や日本で用いられているNTSC(National Television System Committee)方式、主に欧州で用いられているPAL(Phase Alternation by Line)方式がある。例えば、DVDから再生した画像データの画像方式(これをデータ方式という)と表示携帯装置において表示可能な画像方式(これを表示方式という)とが異なる場合、画像を表示携帯装置に表示することができない。このように、表示方式が異なる表示携帯装置を車載機器に装着しても画像を表示携帯装置に表示することができない。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、携帯装置の表示方式によらず、画像を表示することを可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、表示部を有する携帯装置を脱着可能な電子装置であって、再生される画像データの画像方式を検出するデータ方式検出手段と、前記携帯装置の表示可能な画像方式を検出する表示方式検出手段と、前記データ方式検出手段が検出した画像方式と、前記表示方式検出手段が検出した画像方式と、が異なる場合、前記画像データの画像方式を前記携帯装置で表示可能な画像方式に変換して前記携帯装置に送信する画像処理部と、を具備することを特徴とする電子装置である。本発明によれば、携帯装置の表示方式によらず、携帯装置は画像を表示することができる。よって、本発明の電子機器には、表示方式に関係なく携帯装置を装着することができる。
【0009】
上記構成において、前記画像方式は、NTSC方式またはPAL方式である構成とすることができる。さらに、前記表示携帯装置は携帯ナビゲーション装置である構成とすることができる。
【0010】
本発明は、表示部を有し、電子装置に脱着可能な携帯装置であって、入力または再生される画像データの画像方式を検出するデータ方式検出手段と、前記携帯装置の表示可能な画像方式を検出する表示方式検出手段と、前記データ方式検出手段が検出した画像方式と、前記表示方式検出手段が検出した画像方式と、が異なる場合、前記画像データの画像方式を前記携帯装置で表示可能な画像方式に変換して前記携帯装置に送信する画像処理部と、を具備することを特徴とする携帯装置である。本発明によれば、携帯装置の表示方式によらず、携帯装置は画像を表示することができる。よって、本発明の携帯装置は、表示方式に関係なく電子機器に装着することができる。
【0011】
本発明は、表示部を有する携帯装置と、該携帯装置を脱着可能な電子装置とを有する電子システムであって、入力または再生される画像データの画像方式を検出するデータ方式検出手段と、前記携帯装置の表示可能な画像方式を検出する表示方式検出手段と、前記データ方式検出手段が検出した画像方式と、前記表示方式検出手段が検出した画像方式と、が異なる場合、前記画像データの画像方式を前記携帯装置で表示可能な画像方式に変換して前記携帯装置に送信する画像処理部と、を具備することを特徴とする電子システムである。本発明によれば、携帯装置の表示方式によらず、携帯装置は画像を表示することができる。よって、電子機器には、表示方式に関係なく携帯装置を装着することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、携帯装置の表示方式によらず、携帯装置は画像を表示することができる。よって、電子機器には、表示方式に関係なく携帯装置を装着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、図面を用い実施例について説明する。
【実施例1】
【0014】
図1(A)、(B)に電子装置の一例である車載システム1(電子システム)の外観を示す。図1(A)、(B)に示すように車載システム1は、車両に搭載される車載機器100(電子装置)と、ナビゲーション機能を備えたポータブル機器10(携帯装置)とから構成される。ポータブル機器10は、図1(A)に示すように車載機器100の前面部120に取り付けて使用したり、図1(B)に示すように車載機器100から取り外して使用することができる。このように、ポータブル機器10は車載機器100から着脱自在であり、車載機器100にはポータブル機器10を装着可能である。
【0015】
車載機器100は、ラジオ放送やTV放送の再生機能や、DVD、CD(Compact Disc)等の記録媒体に書き込まれた音楽データを再生可能な機器であり、DVD/CD再生部やDVD/CD挿排口を有する車載機器本体部110と、表示部131や操作部132を有する前面部120とを備えている。ポータブル機器10は、目的地までの誘導経路を検索し、地図上に検索した誘導経路を重ねて表示するナビゲーションの機能を備えている。
【0016】
図2は、ポータブル機器10を車載機器100(前面部120)から取り外した状態を示す。車載機器100の前面部120には、ポータブル機器10を装着するための凹部が形成された着脱部170が設けられている。着脱部170の上面は開放されている。この着脱部170には、車載機器100とポータブル機器10とを電気的に接続するためのコネクタ150と、ポータブル機器10を前面部120に固定するためのロック機構(不図示)が設けられている。前面部120に設けた取り外しボタン160を操作すると、不図示のロック機構が解除され、車載機器100からポータブル機器10が取り外し可能となる。
【0017】
図3には、前面部120を車載機器本体部110に対して傾斜させ、DVD/CD挿排口180を露出させた状態を示す。不図示の駆動機構によって図3に示すスライダー181を駆動させることで、前面部120を車載機器本体部110に対してチルト(変位)させることができる。チルト動作によって、車載機器本体部110に設けられたDVD/CD挿排口180を露出させ、DVDまたはCDの挿排を行うことができる。車載機器の前面部120には、操作ボタン(図6に示すチルト/イジェクトボタン132a)が設けられており、このボタンの操作に応じたチルト角度に設定することができる。
【0018】
図4は、車載システム1の車両への搭載例を示す。車載システム1は、例えば図4に示すように、運転席52と助手席51とのほぼ中央のダッシュボード部分に配置される。なお、図示していないが、後述するGPS情報受信部133のGPSアンテナは、ダッシュボード上に配置、またはフロントガラスの車室内側に貼り付けられている。
【0019】
図5は、車載システム1の概略構成を示すブロック図である。車載機器100とポータブル機器10とは、コネクタで電気的に接続される。車載機器100側には、コネクタ150が設けられており、ポータブル機器10には、コネクタ30が設けられている。これらのコネクタ150、30を接続することで、車載機器100とポータブル機器10との間で各種信号が送受信されて車載システム1として機能する。また、コネクタ150、30には、車両のバッテリからの電力をポータブル機器10に供給するための電力供給端子が設けられており、ポータブル機器10が車載機器100に接続された状態で、車載機器100に電力が供給されていると、電力供給端子を介してポータブル機器10にも電力が供給される。
【0020】
車載機器100は、表示部131、操作部132、GPS情報受信部133、ラジオ受信部134、DVD/CD再生部135、音声調整部136、メモリ137、マイク138、外部音声/映像入力部139、制御部140、コネクタ150を備えている。車載機器100は、エンジンキーがAcc又はONの位置にあるときに、車両側のバッテリから電力を供給されて動作する。
【0021】
以下、各部の機能の詳細について説明する。表示部131は、液晶パネルやバックライトを備え、13セグメント表示によって受信放送周波数、再生楽曲トラックNo、再生楽曲名等を表示する。操作部132は、車載機器100の動作モードを切り替えるための操作や、切り替えた各種モードでの操作を行うためのものである。操作部132には、図6に示すようにチルト/イジェクトボタン132a、ファンクション(以下、FUNCと表記する)/AFボタン132b、TEXTボタン132c、SCREENボタン132d、SOURCE/PWRボタン132e、MODEボタン132f、MUTEボタン132g、BAND切換ボタン132h、ロータリーボタン132i、十字キー/エンターキーボタン132jとからなるボタン群を備える。
【0022】
ここで、ボタン群の操作による制御について説明する。まず、SOURCE/PWRボタン132eの操作によるポータブル機器10と車載機器100の表示の切り替えについて説明する。車載機器100のSOURCE/PWRボタン132eを押下することで、車載機器100がオンされる。また車載機器100がオンしているときに、SOURCE/PWRボタン132eを短押しすることでCD再生、DVD再生やラジオ、TV等のソースの移行が行われる。このとき、車載機器100の表示部131には、選択されたソースにおける情報が表示され、ポータブル機器10の表示部11には、ソースに関係なくナビゲーション画像が表示される。次に、SCREENボタン132dを押下すると、ポータブル機器10の表示部11の表示をナビゲーション画像から車載機器100で選択されたソースに対応する画像に切替えることができる。
【0023】
図7(A)は車載機器100でCDを再生中にポータブル機器10を装着し、ポータブル機器10でナビゲーション画像を表示している状態を示している。図7(A)の状態から、SOURCE/PWRボタン132eを押下して、CD再生からラジオのソースに切換操作を行うと、図7(B)に示すように、表示部131にラジオソースにおける情報が表示される。また、ポータブル機器10の表示部11には、ナビゲーション画像が表示されたままである。次に、ユーザがSCREENボタン132dを押下すると、図7(C)に示すようにポータブル機器10の表示部11に、車載機器100で処理中のソースに対応する画面が表示される(図7(C)ではラジオ画像)。ポータブル機器10の表示部11には、後述するタッチパネルが設けられており、ユーザはタッチパネルを介して表示部11に表示される操作ボタンを選択することで、現在処理中のソースに対する操作をすることができる。
【0024】
また、表示部11にラジオ画像が表示された状態で、SCREENボタン132dを押下すると、図7(D)に示すようにラジオ画像からナビゲーション画像に戻ることができる。ポータブル機器10が車載機器100から取り外されている状態では、SCREENボタン132dの操作は無効となる。また、ポータブル機器10が車載機器100から取り外されている状態で、外部音声/映像入力部139にUSB(Universal Serial Bus)等が接続された場合には、SOURCE/PWRボタン132eを押下しても、USBのソースには切り替わらないようにすることもできる。
【0025】
次に、チルト/イジェクトボタン132aの操作による前面部120のチルト動作について説明する。チルト/イジェクトボタン132aが第1の態様(例えば、短押し)で操作されると、前面部120は、DVD/CD挿排口180が露出する角度(例えば、60°)まで、前面部120がチルトされ、第2の態様(例えば、長押し)で操作されると、所定角度(例えば、5°)ずつ前面部120がチルトする。
【0026】
図5に戻って、GPS情報受信部133は、GPSアンテナとチューナ部とを有し、衛星からのGPS信号を受信する。GPS情報受信部133で受信したGPS信号は、制御部140、コネクタ150、コネクタ30及び制御部20を介してポータブル機器10のナビゲーション部19に出力され、GPS信号に基づいてポータブル機器10が収納された車載機器100が搭載される車両の位置が割り出される。なお、GPS情報受信部133で受信したGPS信号を制御部140を介さずに、制御部20を介してポータブル機器10のナビゲーション部に出力するようにしてもよい。また、GPS情報受信部133をGPSアンテナのみで構成し、GPSアンテナで受信したGPS信号を、制御部140、制御部20を介さず、後述するGPS情報受信部13のチューナに出力するようにしてもよい。さらに、制御部20は介するが、制御部140を介さずGPS情報受信部13のチューナに出力するようにしてもよい。このように、適宜変更可能である。
【0027】
ラジオ/TV受信部134は、アンテナとチューナ部とを有しており、AM放送、FM放送、多重放送、TV放送等の放送波を受信して、音声信号、画像データ、多重データの受信、復調を行い、復調信号を制御部140に出力する。DVD/CD再生部135は、DVDまたはCDに記録されたデータを再生し、再生信号を制御部140に出力する。なお、ラジオ/TV受信部134から出力される復調信号を制御部140を介さずに、後述する音声調整部136に出力するようにしてもよい。
【0028】
音声調整部136は、ラジオ/TV受信部134で受信、復調された音声信号や、DVD/CD再生部135で再生された音声信号に、音量調整や音質調整等の信号処理をしてスピーカ145に出力する。メモリ137は、データの読み出しと書き込みとが可能なRAM(Random Access Memory)で構成することができ、制御のために必要な情報を一時的に記憶しておく。マイク138は、ハンズフリー通話を行うためのものであって、車室内のユーザの音声を取り込む。外部音声/映像入力部139は、USBメモリや、携帯型オーディオ装置等の外部機器との接続端子を備え、外部機器からの音声信号やデータを入力して制御部140に送り、制御部140からの制御信号、音声信号やデータ等を接続した外部機器に出力する。
【0029】
制御部140は、操作部132の操作に従って、ラジオ/TV受信部134、DVD/CD再生部135、音声調整部136などを制御する。また、制御部140は、コネクタ150を介してポータブル機器10に各種信号を出力し、ポータブル機器10から入力した各種信号に基づいて車載機器100を制御する。例えば、制御部140は、GPS情報受信部133で受信したGPS信号や、マイク138で入力された音声信号を、コネクタ150を介してポータブル機器10に出力する。なお、マイク138で入力された音声信号を、制御部140を介さずに、コネクタ150を介してポータブル機器10に出力してもよい。また、制御部140は、ポータブル機器10と接続された携帯電話からの通話音声をコネクタ150を介して入力し、音声調整部136を介してスピーカ145に出力する。さらに、制御部140は、ポータブル機器10の表示部11に表示される、各種モードのメニュー画像に対する操作信号をポータブル機器10の制御部20から取得し、ラジオ/TV受信部134やDVD/CD再生部135の制御を行う。
【0030】
また、制御部140には、車両に搭載されたバッテリからの電源が入力されている。制御部140は、ポータブル機器10が接続されている場合に、バッテリの電源をポータブル機器10に出力する。また、制御部140には、車両から車速パルスとイルミ電源信号が入力される。制御部140は、入力した車速パルスをポータブル機器10の制御部20に転送する。なお、車速パルスが入力されない構成でもよい。
【0031】
次に、ポータブル機器10について説明する。ポータブル機器10は、表示部11、操作部12、GPS情報受信部13、スピーカ14、蓄電池15、充電回路16、無線通信送受信部17、メモリ18、ナビゲーション部19、制御部20、ビデオキャプチャ回路21、コネクタ30を備えている。
【0032】
以下、各部の機能の詳細について説明する。表示部11は、液晶パネルとバックライトとを備え、ナビゲーション部19で生成された地図情報や目的地までの誘導経路情報、また車載機器100から転送された受信放送周波数、再生楽曲トラックNo、再生楽曲名、TV画像、DVD画像等を表示することができる。画像データは、ビデオキャプチャ回路21を介し制御部20に入力する。表示部11、131には、液晶パネル以外のフラットパネルディスプレイ、例えば、有機ELディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、冷陰極フラットパネルディスプレイ等を用いることができる。
【0033】
操作部12は、タッチパネルや、ポータブル機器10の電源をオン、オフするための電源ボタン55(図8(A)参照)を含む。タッチパネルは、例えば、表示部11の表示画面の上に配置されるものであり、指や専用のペンによりタッチパネルが接触されると、その接触された位置が検知されて、入力操作の有無が判別できるようになっている。電源ボタン55については後述する。
【0034】
GPS情報受信部13は、アンテナとチューナ部とを有しており、衛星からのGPS信号を受信する。受信したGPS信号はナビゲーション部19に出力され、GPS信号に基づいて自機位置が割り出される。なお、車載機器100にもGPS情報受信部133が設けられているが、車載機器100にポータブル機器10が取り付けられているときには、GPS情報受信部133で受信したGPS信号(及び車速パルス)を用いてポータブル機器10が収納された車載機器100が搭載される車両の位置を特定し、ポータブル機器10単独で使用する場合には、GPS情報受信部13で受信したGPS信号を用いて自機位置を特定する。
【0035】
スピーカ14は、ナビゲーション部19からの音声情報を出力するためのものであり、ポータブル機器10が車載機器100から取り外された状態、つまり単体で使用されるときに、音声情報を出力する。
【0036】
蓄電池15は、ポータブル機器10の各部に電力を供給する。またポータブル機器10を車載機器100に装着すると、コネクタ30の電力供給端子を介して車両のバッテリから電力が供給され、充電回路16によって蓄電池15を充電する。また、充電回路16はUSBスロット(図8(A)参照)を介して接続端末から電力の供給を受けて、蓄電池15を充電することができる。
【0037】
無線通信送受信部17は、携帯電話との間で通話音声の送受信を行ったり、携帯電話を介してナビゲーションに利用する情報を取得する。無線通信送受信部17には、例えば、2.4GHz帯域の無線伝送方式である、Bluetoothが用いられる。
【0038】
メモリ18は、例えば読み出しと書き込みとが可能なRAMであり、各制御のために読み出された情報を一時的に記憶しておく。
【0039】
ナビゲーション部19は、ナビゲーションのために利用される地図情報を記憶した後述するSDカードやUSBメモリから取得し、記憶する地図情報記憶部を備え、GPS情報受信部133、又は13からのGPS信号によって現在位置情報を割り出し、ナビゲーション動作のための画像を作成する。作成した地図は、表示部11で表示させることができる。また、車載機器100とポータブル機器10とが接続されている場合には、車両から車速パルスを取得して、ポータブル機器10が収納された車載機器100が搭載される車両の位置検出の精度を高めることができる。なお、地図情報はポータブル機器10内に保持してもよい。
【0040】
制御部20は、ポータブル機器10の各部を制御する。また、制御部20は、コネクタ30を介して車載機器100に各種信号を出力し、車載機器100から入力した各種信号に基づいてポータブル機器10を制御する。例えば、制御部20は、車載機器100のGPS情報受信部133で受信したGPS信号、及び車速パルスを車載機器100の制御部140から取得し、ナビゲーション部19に出力する。また、制御部20は、車載機器100のマイク138で入力した音声信号を車載機器100の制御部140から取得し、音声信号に応じてナビゲーション部19を制御する。すなわち、ナビゲーション部19をハンズフリーで操作することができる。また、無線通信送受信部17にて接続された携帯電話からの通話音声を、コネクタ30を介して車載機器側に出力し、車載機器100のスピーカ145から出力させる。また、表示部11に表示されたメニュー画像やコンテンツ画像に対する操作信号をコネクタ30を介して車載機器100の制御部140に出力する。制御部140は、ポータブル機器10の制御部20から送られた操作信号に応じて、ラジオ/TV受信部134やDVD/CD再生部135を制御する。
【0041】
図8(A)に、ポータブル機器10の正面図、上面図、下面図、左側面図、右側面図を示し、図8(B)にポータブル機器10の背面図を示す。ポータブル機器10の上面には、ポータブル機器の電源をオン、オフさせる電源ボタン55が設けられており、下面には、SD(Secure Digital)メモリカードスロット56、USBスロット57が設けられている。地図情報が記憶されたSDカードやUSBメモリをこれらのスロットに差し込むことで、制御部20はSDカードやUSBメモリから地図情報を読み出し、ナビゲーション部19に地図情報を出力する。
【0042】
ポータブル機器10の電源は、ポータブル機器を車載機器100に装着したときには、車載機器100からの制御によって電源がオン、オフされる。また、車載機器100から取り外してポータブル機器10を単体で使用する場合には、電源ボタン55のオン、オフ操作に基づいて電源が操作される。
【0043】
さらに、ポータブル機器10の背面側には、車載機器100との電気的な接続をとるためのコネクタ30と、車載機器100側に設けたロック機構(不図示)と係合する係合部58とが設けられている。
【0044】
以下に、実施例1の詳細について説明する。図9は、車載機器100の制御部140を中心に、図5から主要なブロックを抜き出し、詳細に記載したブロック図である。図9を参照に、制御部140は画像処理部200(画像処理手段)、表示方式検出部204(表示方式検出手段)及びデータ方式検出部202(データ方式検出手段)を有している。表示方式検出部204は、ポータブル機器10に表示可能な画像方式を検出し、表示方式情報を画像処理部200に出力する。データ方式検出部202は例えばDVD再生画像データから、データ方式を検出し、データ方式情報を画像処理部200に出力する。画像処理部200は表示方式情報及びデータ方式情報に基づき、画像データを変換または変換せずポータブル機器10に送信する。
【0045】
図10は制御部140の行う制御を示すフローチャートである。図10を参照に、ポータブル機器10が装着され、かつ画像データが制御部140に入力されると、表示方式検知部204はポータブル機器10の制御部20に表示方式がNTSC方式かPAL方式かの情報(表示方式情報)を要求し、ポータブル機器10の表示方式情報を表示方式検知部204より取得する(ステップS10)。制御部20は、制御部140から表示方式情報の要求を受けると、例えば不揮発性メモリ等のメモリ18から表示方式情報を読み出し、表示方式情報を表示方式検知部204に送信する。表示方式検知部204は表示方式情報を画像処理部200に出力する。これにより、画像処理部200は、ポータブル機器10の表示方式情報を表示方式検知部204より取得できる。
【0046】
画像データが制御部140に入力されると、データ方式検出部202は、画像データより、データ方式がNTSC方式かPAL方式かを検出する。データ方式検出部202は、データ方式がNTSC方式かPAL方式かの情報(データ方式情報)を画像処理部200に出力する。これにより、画像処理部200は、画像データのデータ方式情報をデータ方式検知部202より取得する(ステップS12)ことができる。
【0047】
画像処理部200は、表示方式情報に基づき、表示方式がNTSC方式、PAL方式、またはNTSC方式及びPAL方式とも可能か、を判断する(ステップS14)。表示方式がNTSC方式の場合、画像処理部200はデータ方式情報に基づき画像データのデータ方式がNTSC方式かPAL方式かを判断する(ステップS16)。データ方式がPAL方式の場合、画像処理部200は画像データをNTSC方式に変換し(ステップS18)、画像データをポータブル機器10に送信する(ステップS30)。ステップS16においてデータ方式がNTSC方式の場合、画像処理部200は画像データのデータ方式を変換せず(ステップS20)、NTSC方式のままポータブル機器10に送信する(ステップS30)。
【0048】
ステップS14においてPAL方式の場合、画像処理部200はデータ方式情報に基づき画像データのデータ方式がNTSC方式かPAL方式かを判断する(ステップS22)。データ方式がNTSC方式の場合、画像処理部200は画像データをPAL方式に変換し(ステップS24)、画像データをポータブル機器10に送信する(ステップS30)。ステップS22においてデータ方式がPAL方式の場合、画像処理部200は画像データを変換せず(ステップS26)、PAL方式のままポータブル機器10に送信する(ステップS30)。
【0049】
ステップS14においてポータブル機器10の表示がNTSC方式及びPAL方式いずれでも可能な場合、画像処理部200は画像データを変換せず(ステップS28)、NTSC方式またはPAL方式のままポータブル機器10に送信する(ステップS30)。
【0050】
実施例1によれば、画像処理部200は、データ方式と表示方式とが異なる画像方式の場合(ステップS16においてPAL方式、ステップS22においてNTSC方式の場合)、画像データの画像方式をポータブル機器10で表示可能な表示方式に変換し(ステップS18またはステップS24)、画像データをポータブル機器10に送信(ステップS30)する。一方、データ方式と表示方式とが同じ画像方式の場合(ステップS16においてNTSC方式、ステップS22においてPAL方式の場合)、画像データを変換せず(ステップS18またはステップS26)、画像データをポータブル機器10に送信する(ステップS30)。これにより、ポータブル機器10の表示方式がNTSC方式またはPAL方式によらず、ポータブル機器10は画像を表示することができる。よって、車載機器100には、表示方式に関係なくポータブル機器10を装着することができる。
【0051】
また、ポータブル機器10が画像方式によらず表示可能な場合(ステップS14において、NTSC方式、PAL方式とも可能な場合)、画像処理部200は、画像データを変換せず(ステップS28)、画像データをポータブル機器10に送信する。このように、ポータブル機器10がNTSC方式、PAL方式とも表示可能な場合は、画像処理部200は画像データの画像方式を変換せず、余分な処理を行わないことができる。
【0052】
実施例1では、画像方式として、NTSC方式またはPAL方式を例に説明した。画像方式は、NTSC方式、PAL方式以外にもSECAM(Sequentiel couleur a memoire)方式でもよい。また、例えばアナログ方式とデジタル方式、または標準テレビ方式と高精細度テレビ方式等の方式でも良い。
【0053】
実施例1では、表示携帯装置としてポータブルナビ(携帯ナビゲーション装置)である例に説明した。表示携帯装置は画像を表示する携帯装置であればよい。また、画像データとしてDVD/CV再生部135から出力されたデータを例に説明した。画像データとしては、チューナ、ビデオテープレコーダ、記憶カード等から出力されたデータでもよい。
【0054】
さらに、実施例1では、画像処理部200、データ方式検知部202、表示方式検知部204を、車載機器100に設ける例について説明したが、ポータブル機器10に設けるようにしてもよい。この構成の場合、ポータブル機器10はコネクタ150及び30を介して入力される画像データのデータ方式とポータブル機器10の表示方式とに基づいて画像データを変換するようにすればよい。実施例1では、電子装置として車載機器を例に説明したが、これに限定されるものではない。
【0055】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1(A)、(B)は実施例1に用いる車載システムの外観を示す模式図である。
【図2】図2はポータブル機器を車載機器から取り外した状態を示す模式図である。
【図3】図3は前面部を車載機器本体に対して傾斜させ、CD挿排口を露出させた状態を示す模式図である。
【図4】図4は、車載システムの車両への搭載例を示す模式図である。
【図5】図5は、車載システムを示す概略図である。
【図6】図6は本体部の正面模式図である。
【図7】図7(A)から(D)は本体部に装着されたポータブル機器の表示を示す模式図である。
【図8】図8(A)は、ポータブル機器の正面模式図、上面模式図、下面模式図、左側面模式図、右側面模式図であり、図8(B)はポータブル機器の背面模式図である。
【図9】図9は、主要なブロックを抜き出して記載したブロック図である。
【図10】図10は制御部の制御を示すフローチャートである。である。
【符号の説明】
【0057】
10 ポータブル機器
11 表示部
100 車載機器
135 DVD/CD再生部
136 音声調整部
140 制御部
145 スピーカ
150a 第1出力端子
200 画像処理部
202 データ方式検出部
204 表示方式検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を有する携帯装置を脱着可能な電子装置であって、
再生される画像データの画像方式を検出するデータ方式検出手段と、
前記携帯装置の表示可能な画像方式を検出する表示方式検出手段と、
前記データ方式検出手段が検出した画像方式と、前記表示方式検出手段が検出した画像方式と、が異なる場合、前記画像データの画像方式を前記携帯装置で表示可能な画像方式に変換して前記携帯装置に送信する画像処理部と、を具備することを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記画像方式は、NTSC方式またはPAL方式であることを特徴とする請求項1記載の電子装置。
【請求項3】
前記携帯装置は携帯ナビゲーション装置であることを特徴とする請求項1または2記載の電子装置。
【請求項4】
表示部を有し、電子装置に脱着可能な携帯装置であって、
入力または再生される画像データの画像方式を検出するデータ方式検出手段と、
前記携帯装置の表示可能な画像方式を検出する表示方式検出手段と、
前記データ方式検出手段が検出した画像方式と、前記表示方式検出手段が検出した画像方式と、が異なる場合、前記画像データの画像方式を前記携帯装置で表示可能な画像方式に変換して前記携帯装置に送信する画像処理部と、を具備することを特徴とする携帯装置。
【請求項5】
表示部を有する携帯装置と、該携帯装置を脱着可能な電子装置とを有する電子システムであって、
入力または再生される画像データの画像方式を検出するデータ方式検出手段と、
前記携帯装置の表示可能な画像方式を検出する表示方式検出手段と、
前記データ方式検出手段が検出した画像方式と、前記表示方式検出手段が検出した画像方式と、が異なる場合、前記画像データの画像方式を前記携帯装置で表示可能な画像方式に変換して前記携帯装置に送信する画像処理部と、を具備することを特徴とする電子システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−306411(P2008−306411A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−150979(P2007−150979)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】