説明

電子装置のドアカバー構造

【課題】ドアカバーと弾性片を含む電子装置のドアカバー構造を提供する。
【解決手段】ドアカバーは一端にカムを有する回転軸を備え、回転軸の両端はそれぞれ電子装置のケースの一部に穿入する。弾性片はケース内に位置してカムに接触して、ドアカバーに力が加わって回動すると、カムは弾性片の弾力作用によりドアカバーを回動させて自動開閉する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置のドアカバー構造に関し、より詳しくは力が加わると自動開閉が可能な電子装置のドアカバー構造に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の電子製品は撮影されたデジタル写真やデジタル画像等データをデジタルカメラやビデオカメラのメモリ或いはメモリカード内に保存する。メモリカードの交換やデータ伝送又はその他の機能のニーズのために、デジタルカメラやデジタルビデオカメラの本体にはこれに対応するメモリカードスロット、データ伝送用のUSB(universal serial bus)スロット等を配置しなければならない。また、防塵保護というニーズを満たすために、メモリカードやUSB等のスロットには開閉が可能なドアカバーを配置して、これらのスロットが使用されない時、汚染環境に晒されたり損壊したりしないようにしなければならない。防塵保護というニーズの他に、一般のデジタルカメラやデジタルビデオカメラのドアカバーにはさらに意匠そして製造生産が簡単で消費者の使用に便利等といったニーズがあり、従って本発明は上記のニーズを満たすための簡単なドアカバー構造を設計した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものである。上記課題解決のため、本発明は、力が加わると自動開閉が可能な電子装置のドアカバー構造を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る実施形態における電子装置のドアカバー構造は、一端にカムを有する回転軸を備え、回転軸の両端はそれぞれ電子装置のケースの一部に穿入するドアカバーと、ケース内に位置してカムに接触し、ドアカバーに力が加わって回動すると、カムは弾性片の弾力作用によってドアカバーを回動させて自動開閉する弾性片とを含むことを特徴とする。
【0005】
また、本発明に係る実施形態における電子装置のケース構造は、開口を有するケースと、開口をカバーすると共に、一端にカムを有する回転軸を備え、回転軸の両端はそれぞれケースの一部に穿入するドアカバーと、ケース内に位置してカムに接触し、ドアカバーに力が加わって回動すると、カムは弾性片の弾力作用によってドアカバーを回動させて自動開閉する弾性片と、ケース内に位置して弾性片を固定する固定台座とを含むことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明に係る実施形態における電子装置の部分構造の分解図を示している。
【図2】本発明に係る実施形態におけるドアカバーの拡大図を示している。
【図3】本発明に係る実施形態における電子装置の局部断面の構造図を示している。
【図4A】それぞれ本発明に係る実施形態における電子装置のドアカバー構造が自動開閉する概略図を示している。
【図4B】それぞれ本発明に係る実施形態における電子装置のドアカバー構造が自動開閉する概略図を示している。
【図5】本発明に係る実施形態における電子装置で多段階的感覚構造を有するドアカバー構造を示している。
【図6】カムと弾性片の接触面の実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0008】
図1は本発明に係る実施形態における電子装置の部分構造の分解図を示している。この電子装置はデジタルカメラを含むものの、デジタルカメラに限られず、デジタルビデオカメラの様なその他のドアカバーを使用した電子装置をも含む。
図1はドアカバー102、弾性片106、固定台座108及びケース110からなる電子装置のケース構造を示している。
ケース110は開口を有し、この開口はメモリカードスロット、データ伝送用のUSBスロットを収納するのに用いられ又はその他の用途機能に用いられる。
図2は本発明に係る実施形態におけるドアカバーの拡大図を示している。ドアカバー102は開口をカバーすると共に一端にカム104を有する回転軸103を備え、回転軸103の両端はそれぞれケース110内の一部に穿入されて、ドアカバー102を回転軸103を軸として回動させる。従って、ドアカバー102はメモリカードドアカバーと入出力インターフェイスドアカバーを含み、入出力インターフェイスはUSBを含む。弾性片106はケース110内に位置してドアカバー102のカムに接触し、ドアカバー102に力が加わって回動すると、カムは弾性片106の弾力作用によってドアカバー102を回動させ自動開閉する。固定台座108はケース110内に位置して弾性片106を固定する。弾性片106は金属弾性片又はプラスチック弾性片を含む。
ここでは、図1に示される電子装置の概略図は本発明と直接関係の無い従来の特徴部分を省略した。本実施形態で省略した従来の特徴は関係する従来の技術であれば何でも実施することができ、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば普通の技術水準に基づいて本発明を実施することが可能である。
【0009】
図3は本発明に係る実施形態における電子装置の局部断面の構造図を示している。
図はドアカバー102のカム104が固定台座108に固定された弾性片106に接触すると、ドアカバー102のカム104は弾性片106に力を加えて変形させ、弾性片106の変形による回復力又は弾力もカム104に力を加える。ドアカバー102に力が加わって回動すると、カム104と弾性片106が対向して移動し、弾性片106の弾力がドアカバー102を引き続き回動させてケース110の開口を自動開閉する。
【0010】
図4Aと図4Bはそれぞれ本発明に係る実施形態における電子装置のドアカバー構造が自動開閉する概略図を示している。
図4Aはドアカバー102を開けた時を示し、ドアカバー102を中間まで動かした後、さらに開く方向へ動かすと、カム104は弾性片106の弾力作用によってドアカバー102を自動的に開ける作用をする。
図4Bはドアカバー102を閉じた時を示し、ドアカバー102を中間まで動かした後、さらに閉じる方向へ動かすと、カム104は弾性片106の弾力作用によってドアカバー102を自動的に閉じる。
【0011】
図5は本発明に係る実施形態における電子装置で多段階的感覚構造を有するドアカバー構造を示している。
カムと弾性片の接触面が多辺形である場合、即ちカム104と弾性片106の接触面が複数の平面からなる場合、ドアカバー102の開閉は多段階的感覚を有する。図6はカムと弾性片の接触面の実施形態を示している。図6(a)〜(c)のように、(a)のカムと弾性片の接触面は2つの平面からなり、従ってドアカバーは2段階回動となる。(b)のカムと弾性片の接触面は3つの平面からなり、従ってドアカバーは3段階回動となる。(c)のカムと弾性片の接触面は4つの平面からなり、従ってドアカバーは4段階回動となる。
このように類推すると、カムと弾性片の接触面がN個の平面からなることで、ドアカバーはN段階回動となる。
ドアカバーが外力によって回動して、カムの第1平面と弾性片が密着すると、ドアカバーは回動を停止する。ドアカバーが再度力によって回動すると、カムの第2平面と弾性片は接触し始め、第2平面と弾性片が密着すると、再度回動を停止する。即ち、一つの平面が増えるたびに一段階感覚が増え(ドアカバーの開閉位置は自動效果もある)、多辺形の接触面によってドアカバーの開閉に拘らず何れも自動停止する效果がある。
【0012】
本発明の電子装置のドアカバー構造はドアカバーの回転軸の一端のカムと、電子装置ケースに位置する弾性片の間の相互作用を利用し、ドアカバーに力が加わって回動すると、てこの原理を利用して、カムが弾性片の力によって回動推力を生じ、ドアカバーが回動して自動開閉の機能を生じる。カムと弾性片の接触面が多辺形である場合、ドアカバーの開閉は多段階的感覚と自動停止の效果がある。
本発明の電子装置のドアカバー構造は触感が良好なカムを使用し、従来のドアカバーで使用されるフック構造ではないので、電子装置の表面がフック構造で傷つくことが無く、しかも体積が小さく外見が簡潔であることから、多様な意匠的変化に富んでいる。
【0013】
上述の実施例は本発明の技術思想及び特徴を説明するためのものにすぎず、当該技術分野を熟知する者に本発明の内容を理解させると共にこれをもって実施させることを目的とし、本発明の特許範囲を限定するものではない。従って、本発明の精神を逸脱せずに行う各種の同様の効果をもつ改良又は変更は、後述の請求項に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0014】
102・・・ドアカバー
103・・・回転軸
104・・・カム
106・・・弾性片
108・・・固定台座
110・・・ケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端にカムを有する回転軸を備え、前記回転軸の両端はそれぞれ電子装置のケースの一部に穿入するドアカバーと、
前記ケース内に位置して前記カムに接触し、前記ドアカバーに力が加わって回動すると、前記カムは弾性片の弾力作用によって前記ドアカバーを回動させて自動開閉する弾性片と、
を含むことを特徴とする電子装置のドアカバー構造。
【請求項2】
前記カムと前記弾性片の接触面は複数の平面を含み、前記ドアカバーが外力で回動されて前記カムの第1平面と前記弾性片が密着すると、前記ドアカバーは回動を停止し、前記ドアカバーが再度力が加わって回動すると、前記カムの第2平面と前記弾性片が接触し始め、前記第2平面と前記弾性片が密着すると、再度回動を停止することを特徴とする請求項1に記載のドアカバー構造。
【請求項3】
前記カムは複数の平面を含んで多段階的回動をすることを特徴とする請求項2に記載のドアカバー構造。
【請求項4】
前記電子装置はデジタルカメラ又はデジタルビデオカメラを含むことを特徴とする請求項1に記載のドアカバー構造。
【請求項5】
前記ドアカバーはメモリカードドアカバー又は入出力インターフェイスドアカバーを含むことを特徴とする請求項1に記載のドアカバー構造。
【請求項6】
前記入出力インターフェイスはユニバーサル・シリアル・バス(USB)インターフェイスを含むことを特徴とする請求項5に記載のドアカバー構造。
【請求項7】
開口を有するケースと、
前記開口をカバーすると共に、一端にカムを有する回転軸を備え、前記回転軸の両端はそれぞれ前記ケースの一部に穿入するドアカバーと、
前記ケース内に位置して前記カムに接触し、前記ドアカバーに力が加わって回動すると、前記カムは弾性片の弾力作用によって前記ドアカバーを回動させて自動開閉する弾性片と、
前記ケース内に位置して前記弾性片を固定する固定台座と、
を含むことを特徴とする電子装置のケース構造。
【請求項8】
前記弾性片は金属弾性片又はプラスチック弾性片を含むことを特徴とする請求項7に記載のケース構造。
【請求項9】
前記カムと前記弾性片の接触面は複数の平面を含み、前記ドアカバーが外力で回動されて前記カムの第1平面と前記弾性片が密着すると、前記ドアカバーは回動を停止し、前記ドアカバーに再度力が加わって回動すると、前記カムの第2平面と前記弾性片が接触し始め、前記第2平面と前記弾性片が密着すると、再度回動を停止することを特徴とする請求項7に記載のケース構造。
【請求項10】
前記電子装置はデジタルカメラ又はデジタルビデオカメラを含むことを特徴とする請求項7に記載のケース構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−258908(P2011−258908A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195705(P2010−195705)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(510103336)佳能企業股▲分▼有限公司 (18)
【Fターム(参考)】