説明

電子装置及びその製造方法

【課題】 信頼性の高い電子装置を提供すること。
【解決手段】 外表面に電極31を有する電子部品3と、基板本体21、および基板本体21の一方主面に設けられ電子部品3の電極31と電気的に接続された電気配線22を含む配線基板2とを備え、基板本体21の表面と、電子部品3の下面とは、直接接合している電子装置1である。電子部品3と配線基板2との間には別体の部材が存在しない。よって、異なる部材同士の境界が減少するので、剥離の可能性を低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電子装置においては、電子部品の下面と、この電子部品を実装する配線基板の上面との間に、アンダーフィル等の樹脂材が配置されていた。この樹脂材によって、電子部品と配線基板との接着を強化していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-24029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の電子装置においては、電子部品と配線基板との間には、異なる部材同士が接する境界が2つある。すなわち、電子部品とアンダーフィルとの境界面、および配線基板とアンダーフィルとの境界面である。よって、これらの境界面に衝撃、応力等が加わった場合、境界面が複数存在するので、そのいずれかの境界面で剥離が生じる可能性があった。結果、電子部品が配線基板に対して固定される力が弱まり、電子部品と配線基板との電気的導通が取れなくなる可能性があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の電子装置は、外表面に電極を有する電子部品と、基板本体、および該基板本体の一方主面に設けられ前記電子部品の前記電極と電気的に接続された電気配線を含む配線基板とを備え、前記基板本体の表面と、前記電子部品の下面とは、直接接合していることを特徴とするものである。
【0006】
本発明の電子装置の製造方法は、硬化して前記基板本体となる樹脂材料の表面に、前記電気配線を形成する工程と、前記樹脂材料上に下面を直接接触させて、前記電子部品を配置する工程と、前記樹脂材料を硬化させて前記配線基板を形成するとともに、前記電子部品の下面を前記基板本体の表面に直接接合させる工程とを含むものである。
【0007】
本発明の電子装置の製造方法は、外表面に電極を有する電子部品を、電気配線と該電気配線が一方主面に設けられた基板本体とを有する配線基板に、直接接合させる電子装置の製造方法であって、硬化して前記基板本体となる樹脂材料の表面に、反応して電気配線となる導電体層を形成する工程と、前記樹脂材料上に下面を直接接触させて、前記電子部品を配置する工程と、前記樹脂材料を硬化させつつ前記導電体層を反応させて前記配線基板を形成するとともに、前記電子部品の下面を前記基板本体の表面に直接接合させる工程とを含むものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の電子装置によれば、外表面に電極を有する電子部品と、基板本体、および該基板本体の一方主面に設けられ前記電子部品の前記電極と電気的に接続された電気配線を含む配線基板とを備え、前記基板本体の表面と、前記電子部品の下面とは、直接接合していることから、電子部品と配線基板との間には別体の部材が存在しない。よって、例えば、電子部品と配線基板との間に、アンダーフィル等の樹脂材料を配置させる場合と比較して、異なる部材同士の境界が減少し、電子部品と配線基板との間の境界の1つとなる。従っ
て、剥離が生じる可能性のある境界の数を減少させることができるので、電子装置に衝撃、応力等が加わった場合であっても、電子部品の配線基板への固定力を維持できる。結果、電子部品が配線基板と電気的導通が取れなくなることを防止できる。
【0009】
本発明の電子装置の製造方法によれば、硬化して前記基板本体となる樹脂材料の表面に、前記電気配線を形成する工程と、前記樹脂材料上に下面を直接接触させて、前記電子部品を配置する工程と、前記樹脂材料を硬化させて前記配線基板を形成するとともに、前記電子部品の下面を前記基板本体の表面に直接接合させる工程とを含むことから、配線基板を形成するとともに、電子部品の配線基板への接着を行うことができる。よって、電子装置の製造効率を向上させることができる。
【0010】
本発明の電子装置の製造方法によれば、外表面に電極を有する電子部品を、電気配線と該電気配線が一方主面に設けられた基板本体とを有する配線基板に、直接接合させる電子装置の製造方法であって、硬化して前記基板本体となる樹脂材料の表面に、反応して電気配線となる導電体層を形成する工程と、前記樹脂材料上に下面を直接接触させて、前記電子部品を配置する工程と、前記樹脂材料を硬化させつつ前記導電体層を反応させて前記配線基板を形成するとともに、前記電子部品の下面を前記基板本体の表面に直接接合させる工程とを含むことから、配線基板を形成するとともに、電子部品の配線基板への接着を行うことができる。よって、電子装置の製造効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の電子装置の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の電子装置の実施の形態の一例を示す上面図である。
【図3】本発明の電子装置の実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図4】本発明の電子装置の実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図5】本発明の電子装置の実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図6】本発明の電子装置の実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図7】本発明の電子装置の実施の形態の他の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の電子装置の実施の形態の一例について図面を参照しつつ詳細に説明する。図1に示す電子装置1は、基本的な構成として、電子部品3と、配線基板2とを有する。
【0013】
図1に示す例においては、配線基板2は、基板本体21と、基板本体21の一方主面に設けられ、電子部品2の電極31と電気的に接続された電気配線22とを有している。
【0014】
基板本体21は、フェノール系樹脂,ポリイミド系樹脂またはエポキシ系樹脂等の紫外線硬化型や熱硬化型の樹脂材料が使用される。また、ポリエーテルエーテルケトン等の熱可塑性樹脂を用いることもできる。また、基板本体21は、セラミックスまたはガラス等の無機材料をエポキシ樹脂等の有機樹脂材料に配合させて成る複合材等を用いることもできる。また、基板本体21は、薄型化の観点から、厚みが50〜300μm程度の樹脂シート材から
成ることが好ましい。また、機械的強度の観点から、ガラスやアラミド等から成る繊維製の布に上記の樹脂材料を含浸させた樹脂シート材を用いることが好ましい。また、配線基板2の寸法は、縦が10〜50mm程度であり、横が10〜50mm程度である。
【0015】
電気配線22は、例えば、Cu、Ag、Au等の金属材料、これらの金属材料と樹脂との複合材料、又は、これらの金属材料の粒子を含有する導電性樹脂材料で形成されている。電気配線22の寸法は、長さが2〜10mm程度であり、幅が0.2〜2mm程度である。電気
配線22の厚みは、1〜20μm程度である。また、電気配線22がCu、Agで形成されてい
る場合には、電気配線22の表面に、Niメッキ、及びその上からAuメッキを施すことが、耐腐食性の観点から好ましい。
【0016】
また、後述する電子部品3の電極31と電気配線22との電気的接続において、両者間に導電性コンパウンド等を介在させることによって、電気的接続抵抗を低減することができる。また、両者間の固着力を高めるため、半田又は導電性接着材等を介在させることもできる。
【0017】
電子部品3は、外表面に電極31を有する。また、電子部品3の電極31は、配線基板2の一方主面の電気配線22と電気的に接続される。図1に示す例においては、この電極31は、電子部品3の下面の両端部にそれぞれ1つずつ設けられている。電極31の寸法は、長さが0.2〜0.5mm程度であり、幅が0.3〜3mm程度であり、厚みが5〜20μm程度である。
また、電極31の材料は、前述した電気配線22に使用される材料と同様である。また、電気配線22と同様のメッキ処理が施されることが好ましい。この電子部品3としては、コンデンサ、抵抗、ダイオード、コイル、IC又はトランジスタ等が例示できる。また、電子部品3としては、SAW振動子、セラミック振動子、水晶振動子等の圧電発振振動部品であってもよい。さらに、これらの圧電発振振動部品を含むモジュール部品であってもよい。
【0018】
図1に示す例においては、配線基板2における基板本体21の表面と、電子部品3の下面とは、直接接合していることから、電子部品3と配線基板2との間には別体の部材が存在しない。よって、例えば、電子部品3と配線基板2との間に、アンダーフィル等の樹脂材料を配置させる場合と比較して、異なる部材同士の境界が減少する。つまり、電子部品3と配線基板2との間の境界の1つとなる。従って、剥離が生じる可能性のある境界の数を
減少させることができるので、電子装置1に衝撃、応力等が加わった場合であっても、電子部品3の配線基板2への固定力を維持できる。結果、電子部品3が配線基板2と電気的導通が取れなくなることを防止できる。
【0019】
ここで、図1に示す例において、基板本体21の表面の一部が、凸部となっており、この凸部が電子部品3の下面に接している。これは、電気配線22が、基板本体21中に埋め込まれ、基板本体21の表面とほぼ面一になっているからである。
【0020】
また、基板本体21の表面が、図1に示す破線部Aであっても、電子部品3の下面に直接接する構成とすることが可能である。なぜなら、実際には、電気配線22は、厚みが1〜20μm程度の薄い部材であり、電気配線22の表面と配線基板3の表面とはほぼ面一となるからである。
【0021】
以下に、電子装置1の製造方法を示す。まず、硬化して基板本体21となる樹脂材料の表面に、電気配線22を形成する。電気配線22の形成方法としては、メタライズ、めっき、蒸着等によって金属薄膜層を被着させる手段が用いられる。また、未硬化の樹脂材料に、所定の形状を有する金属箔を転写することもできる。このように金属箔を転写する方法を採用する場合には、未硬化の樹脂材料を所定の温度に保持し、軟化させることによって金属箔を樹脂材料上に予め仮接着させておくことが好ましい。これにより、電気配線22として金属箔が配置された未硬化の樹脂材料の保管又は輸送等の取り扱いが容易となる。
【0022】
次に、樹脂材料上に下面を直接接触させて、電子部品3を配置する。この時、樹脂材料を所定の温度に保持し、軟化させることによって電子部品3を樹脂材料に予め仮接合させることが好ましい。
【0023】
次に、樹脂材料を硬化させて配線基板2を形成するとともに、電子部品3の下面を基板本体21の表面に直接接合させる。例えば、樹脂材料として熱硬化性の樹脂を用いた場合に
は、樹脂材料を硬化させるために所定の温度及び時間で加熱処理をする。この時、電子部品3を上面から加圧しながら接合することで、電気配線22と電子部品とを樹脂シート材により強固に接合することができる。以上のような工程によって、電子装置1を得ることができる。また、加熱手段以外にも、所定の赤外線や電磁波等を樹脂材料に照射することによって硬化させることもできる。
【0024】
また、以下に、電子装置1の製造方法の他の例を示す。まず、硬化して基板本体21となる樹脂材料の表面に、反応して電気配線22となる導電体層を形成する。導電体層を形成する方法としては、例えば、未硬化の樹脂材料の表面に、Ag、Cu等の金属ナノ粒子を含有するインクをインクジェット等で塗布する方法等がある。また、導電体層の形成には、金属粒子を含有する導電性樹脂ペーストをスクリーン印刷によって形成する方法も採用できる。
【0025】
次に、樹脂材料上に下面を直接接触させて、電子部品3を配置する。この工程は、前述した製造方法の一例と同様である。
【0026】
次に、樹脂材料を硬化させつつ導電体層を反応させて配線基板2を形成するとともに、電子部品3の下面を基板本体21の表面に直接接合させる。ここで、硬化手段、反応手段としては、前述した製造方法の一例と同様の手段が採用される。以上のような工程によって、電子装置1を得ることができる。
【0027】
以上のような製造方法によれば、配線基板2を形成する工程で、これと同時に電子部品3の配線基板2への接着を行うことができる。また、電子部品3と配線基板2との接着に、アンダーフィル等の別体の樹脂等を配置する工程が省略できる。よって、電子装置1の製造効率を向上させることができる。また、基板本体21となる樹脂材料の硬化と、電気配線22となる導電体層の反応とを同時に行うので、樹脂材料と導電体層との境界であった付近に、それらの材質が複合的に結合した層(複合層)を形成することができるので、電気配線22の基板本体21に対する固着力を高めた配線基板2とすることができる。
【0028】
なお、本発明は上述した実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更,改良等が可能である。
【0029】
例えば、電子部品3の下面は、適度な表面粗さを有していることが好ましい。例えば、2〜12μm程度である。この場合には、アンカー効果によって、基板本体21となる樹脂材料が、粗さを有する電子部品3の下面と強固に接合する。よって、基板本体21の表面と、電子部品3とが、高い接合性で接合される。また、表面粗さを設けるには、サンドブラスト等を用いることができる。
【0030】
また、例えば、図3に示す例のように、電子装置1は、その配線基板2の下面が、保持体4の上面に接着されていてもよい。この保持体4の材料としては、フェノール系樹脂,ポリイミド系樹脂またはエポキシ系樹脂等の紫外線硬化型や熱硬化型の樹脂材料が使用される。また、ポリエーテルエーテルケトン等の熱可塑性樹脂を用いることもできる。また、保持体4の材料としては、酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、ガラスセラミックス焼結体等のセラミック材料を用いることもできる。また、セラミックスまたはガラス等の無機材料をエポキシ樹脂等の有機樹脂材料に混合させて成る複合材等を用いてもよい。さらに、金属材料等を用いてもよい。
【0031】
ここで、配線基板2を保持体4に接着させる方法としては、電子装置1における配線基板2の下面を、接着材を介して保持体4の上面に接着させる方法が採用できる。例えば、
接着材としては、未硬化の樹脂シートを用いることができる。この場合には、配線基板2の下面に未硬化の樹脂シートを仮接着させておき、その樹脂シートの下面にペットフィルムを設けておくことが好ましい。このようにすれば、ペットフィルムが設けられた状態の電子装置1を保管しておき、その後、所望のタイミングでペットフィルムを剥がし、所望の保持体4に接着させ、加熱等の手段で硬化させることができる。また、配線基板2と保持体4とを接着する接着材としては、硬化を必要としない粘着性の樹脂材料を用いてもよい。
【0032】
電子装置1の保持体4への接着の別の方法を以下に示す。まず、配線基板2となる未硬化の樹脂材料を保持体4の上面に仮接着で配置し、未硬化の樹脂材料上に、電気配線22(又は、反応して電気配線となる導電体層)を形成する。次に、樹脂材料上に電子部品3を配置する。次に、樹脂材料を硬化させて、電子部品3と配線基板2とを直接接合させると同時に、配線基板2と保持体4を接着させる。これにより、保持体4に接着された電子装置1を得ることができる。この方法を採った場合、未硬化の樹脂材料は加熱によって軟化するので、曲面や凹凸を有する保持体4にも配線基板2を接着させることができる。よって、衣類等の柔軟性を有する保持体4にも、電子装置1の接着が可能となる。
【0033】
また、本発明の電子装置1は、保持体4の両主面に形成されていてもよい。また、この場合には、保持体4の両主面における電気配線22同士を、保持体4の表面又は内部に設けられた電極によって互いに接続してもよい。保持体4の内部に設けられる電極としては、貫通導体等が挙げられる。
【0034】
また、例えば、図4に示す例のように、配線基板2の表面及び電子部品3を覆うように樹脂材5を設けることが好ましい。このような構成とすることによって、電子部品3の配線基板2への接着を強化することができる。また、電極配線22を樹脂材5で覆うことができるので、電気配線22同士が接近した場合でも、電気配線22間の絶縁性を確保することができる。また、電子部品3が外部に露出することを防ぎ、衝撃等から電子部品3を保護することができる。
【0035】
このような樹脂材5の材料としては、基板本体21に使用される材料と同様のものを用いることができる。また、樹脂材5が、樹脂シート材である場合には、樹脂材5が電子部品3の形状に合わせて密着し、電子部品3を配線基板2に強固に接着できるので好ましい。また、樹脂材5は、配線基板2の表面の全部を覆ってもよいが、一部を覆っていてもよい。
【0036】
また、例えば、図5に示す例のように、電子部品3の上面および下面にそれぞれ電極31、32が設けられており、樹脂材5は、その下面であって電子部品3との境界に電気配線51を有しており、この電気配線51が、上面電極32および配線基板2の電気配線22に電気的に接続されていることが好ましい。この場合には、電気配線51によって、電子部品3と電気回路22との電気的接続をより確実にすることができる。
【0037】
また、例えば、図6に示す例のように、電極32は、電子部品3の上面にのみ設けられていてもよい。この場合には、電極32と配線基板2の電気配線22とを電気的に接続させるために、導電性樹脂6を用いればよい。導電性樹脂6は、導電性粒子を含む樹脂ペースト等を用いればよい。また、電極32と電気配線22との電気的接続にはワイヤボンディングを用いることもできる。
【0038】
また、例えば、配線基板2に貫通孔23が設けられており、電子部品3が、その外周部が貫通孔23の開口部に接合されるように配線基板2に実装されていてもよい。図7に示す例においては、電子部品3の両端部が貫通孔23の開口部に接合されている。この場合には、
電子部品3の中央部が配線基板2に接していないこととなるので、例えば、圧電振動素子を保持する用途に適することとなる。
【0039】
貫通孔23は、未硬化の樹脂シート材を金型等で打ち抜いて形成することができる。また、レーザー等を用いてもよい。圧電振動素子は、圧電基板の両主面に、圧電基板を介して対向する振動電極31、32が設けられたものである。圧電基板の下面の電極31は、圧電基板の端面を介して、圧電基板の上面へと引き出されている。これらの振動電極31、32は、圧電基板の両端部において、導電性樹脂6によって、電気配線22に電気的に接続されている。
【0040】
また、圧電振動素子は、内部電極を有する積層基板であってもよい。さらに、圧電振動素子が、金属等からなるシムに接合されたものを用いてもよい。この場合には、シムの周縁部を、貫通孔23の開口周辺で保持することによって配線基板2へ実装することもできる。
【0041】
また、例えば、配線基板2の基板本体21は、樹脂材料に限らず、酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、ガラスセラミックス焼結体等のセラミック材料を用いてもよい。この場合には、セラミックスやガラス等から成る電子部品3を選択することによって、配線基板2を焼成するのと同時に当該電子部品3を焼成することができる。また、電子部品3の基板本体21への直接接合も兼ねることができる。よって、この場合には、電子部品3を含めた電子装置1全体の製造効率を向上させることができる。また、セラミック材料から成る基板本体21を選択する場合には、電気配線22として、WやAg−Pdなどの高融点で安定性の高い金属材料を用いることが焼成の観点から望ましい。
【符号の説明】
【0042】
1:電子装置
2:配線基板
21:基板本体
22:電気配線
3:電子部品
4:保持体
5:樹脂材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外表面に電極を有する電子部品と、
基板本体、および該基板本体の一方主面に設けられ前記電子部品の前記電極と電気的に接続された電気配線を含む配線基板とを備え、
前記基板本体の表面と、前記電子部品の下面とは、直接接合していることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記配線基板の表面及び前記電子部品を覆うように樹脂材を設けることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記配線基板に貫通孔が設けられており、前記電子部品が、その外周部が前記貫通孔の開口部に接合されるように前記配線基板に実装されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
外表面に電極を有する電子部品を、電気配線と該電気配線が一方主面に設けられた基板本体とを有する配線基板に、直接接合させる電子装置の製造方法であって、
硬化して前記基板本体となる樹脂材料の表面に、前記電気配線を形成する工程と、
前記樹脂材料上に下面を直接接触させて、前記電子部品を配置する工程と、
前記樹脂材料を硬化させて前記配線基板を形成するとともに、前記電子部品の下面を前記基板本体の表面に直接接合させる工程とを含む電子装置の製造方法。
【請求項5】
外表面に電極を有する電子部品を、電気配線と該電気配線が一方主面に設けられた基板本体とを有する配線基板に、直接接合させる電子装置の製造方法であって、
硬化して前記基板本体となる樹脂材料の表面に、反応して電気配線となる導電体層を形成する工程と、
前記樹脂材料上に下面を直接接触させて、前記電子部品を配置する工程と、
前記樹脂材料を硬化させつつ前記導電体層を反応させて前記配線基板を形成するとともに、前記電子部品の下面を前記基板本体の表面に直接接合させる工程とを含む電子装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−243862(P2012−243862A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110578(P2011−110578)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】