説明

電子装置

【課題】 本発明は実装基板にはんだ付けにより実装される電子装置に関し、放熱材料よりなるケースを有していても部品点数の増加を伴うことなく効率よく実装基板に実装可能とすることを課題とする。
【解決手段】 電子回路を搭載した回路基板15と、放熱材料からなり回路基板15を挟持することにより保持する一対のケース半体13,14からなるケース12と、このケース12を実装基板17に実装するための実装部材とを有してなる電子装置において、実装部材20をはんだ付け可能な材質により形成すると共に、一対のケース半体13,14に挟み込まれることによりケース12に取り付けられる構成とし、この実装部材20を用いて電子装置を実装基板17に実装可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子装置に係り、特に基板にはんだ付けにより実装される電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子装置の小型化及び高密度化が図られており、よって電子装置の一つである車載用のデジタル受信モジュールにおいても、小型化及びIC化が図られている。このため、ICの発熱が大きくなり、モジュールとして熱対策が必要となってきている。
【0003】
放熱対策としては、モジュール内に銅板を配設し、ケースに孔を開ける等で対処してきたが限界が生じ、車載時の高温動作に対応できなくなってきている。そこで、このような車載用のデジタル受信モジュールでは、ケースを放熱性の良好なアルミダイキャストで製造し、これにより高温動作時における放熱特性を高めることが行われている。
【0004】
このデジタル受信モジュールは、他の電子装置や電子素子と共に実装基板に実装される。この際、デジタル受信モジュール以外の電子装置や電子素子等は、はんだ付けにより実装基板に実装される。しかしながら、アルミダイキャスト等の放熱特性の良好な材料(放熱材料)は、はんだを溶融するために加熱してもこの熱が放熱されるため、はんだ付けが困難であるという問題点がある。
【0005】
このため、従来では図5に示すように、回路基板3を保持した放熱用のケース2を有する電子装置1を実装基板4に実装する場合、実装用ねじ5を用いて電子装置1を実装基板4に実装することが行われていた。
【0006】
また、他の実装方法としては、特許文献1に開示されているように、放熱板の下部に下方に突出する取り付け部を形成し、実装時にはこの取り付け部を実装基板に形成されている貫通孔な挿入する。そして、取り付け部の貫通孔から下方に突出した部分を曲げてかしめることにより、放熱板を実装基板に実装する方法も提案されている。
【特許文献1】実用新案登録第3016159号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図5に示した実装用ねじ5を用いて電子装置1を実装基板4に実装する方法では、実装用ねじ5が必要となるため、部品点数が増大すると共に実装処理に手間が掛かり、実装コストが増加するという問題点があった。
【0008】
また、特許文献1に開示された実装方法では、他の電子部品や電子素子がはんだ付け処理(リフロー処理等)により実装されるのに対し、放熱板のみがかしめ加工により実装基板に実装される。このため、実装時に二つの異なる実装処理を行う必要があり、実装効率が悪く、この方法によっても実装コストが増加してしまう。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、放熱材料よりなるケースを有していても部品点数の増加を伴うことなく効率よく実装基板に実装しうる電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項1記載の発明は、
電子回路を搭載した回路基板と、
放熱材料からなり、前記回路基板を挟持することにより保持する一対のケース半体からなるケースと、
該ケースを実装基板に実装するための実装部材とを有してなる電子装置において、
前記実装部材をはんだ付け可能な材質により形成すると共に、前記一対のケース半体に挟み込まれることにより前記ケースに取り付けられる構成としたことを特徴とするものである。
【0012】
上記発明によれば、はんだ付け可能な材質によりなる実装部材をケースに取り付けたことにより、仮にケースがはんだ付けが不能な材料が多い放熱材料により形成されていても、実装部材をはんだ付けすることによりケースを実装基板にはんだ付けにより実装することができる。これにより、リフロー等の効率の高い実装方法を用いることが可能となり、電子装置の実装効率を高めることができる。また、実装部材は一対のケース半体に挟み込まれることによりケースに取り付けられるため、実装部材をケースへ容易に取り付けることができる。
【0013】
また、請求項2記載の発明は、
請求項1記載の電子装置において、
前記放熱材料はアルミダイキャストであることを特徴とするものである。
【0014】
上記発明によれば、放熱材料として放熱特性の良好なアルミダイキャストを用いたため、回路基板に搭載された電子部品で発生する熱を効率よく放熱することができる。また、アルミダイキャストははんだ付けを行うことができないが、実装部材を用いることにより、アルミダイキャスト製のケースを実装基板にはんだ付け実装することが可能となる。
【0015】
また、請求項3記載の発明は、
請求項1または2記載の電子装置において、
前記実装部材は、前記一対のケース半体に係合する係合部と、前記実装基板にはんだ付けされるはんだ付け部とを有することを特徴とするものである。
【0016】
上記発明によれば、実装部材の係合部が一対のケース半体に係合され、実装部材のはんだ付け部が実装基板にはんだ付けされることにより、実装部材によりケースは実質的に実装基板にはんだ付けされたと等価の状態となる。
【0017】
また、請求項4記載の発明は、
請求項3記載の電子装置において、
前記実装部材は、板状材を一体形成することにより形成した構成であることを特徴とするものである。
【0018】
上記発明によれば、実装部材は板状材を一体形成することにより形成されるため、容易かつ安価に実装部材を製造することができる。
【0019】
また、請求項5記載の発明は、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子装置において、
それぞれの前記ケース半体は、前記実装部材が装着されるスリットが形成されていることを特徴とするものである。
【0020】
上記発明によれば、それぞれのケース半体に実装部材が装着されるスリットを形成したことにより、ケース半体(ケース)に対して実装部材を容易かつ確実に装着することができる。また、ケースに対する実装部材の取り付け強度を高めることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、実装部材をはんだ付けすることによりケースを実装基板にはんだ付けにより実装することができるため、リフロー等の効率の高い実装方法を用いることが可能となり、電子装置の実装効率を高めることができる。また、実装部材は一対のケース半体に挟み込まれることによりケースに取り付けられるため、実装部材をケースへ容易に取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面と共に説明する。
【0023】
図1は本発明の一実施例である電子装置10を説明するための正面、左右側面、及び底面図であり、図2は電子装置10の要部を拡大して示す斜視図である。尚、以下の説明においては、電子装置10として車載用のデジタル受信モジュールを例に挙げて説明するが、本発明の適用はこれに限定されるものではない。
【0024】
電子装置10は、大略するとケース12、回路基板15、及び実装部材20等により構成されている。
【0025】
ケース12は放熱特性の高いアルミダイキャストにより形成されており、ケース半体13とケース半体14とにより構成されている。この一対のケース半体13,14は、ケース固定ねじ16により一体的に固定される。
【0026】
ケース半体13は、車載されたアンテナからのケーブルが接続されるアンテナコネクタ18が設けられている。また、ケース半体13の底面部には、後述する回路基板15と電気的に接続された外部接続端子19が配設されている。更に、ケース半体13及びケース半体14の底面にはスリット21(図2参照)が形成されているが、説明の便宜上、このスリット21については後述するものとする。
【0027】
尚、ケース12の材料となるアルミダイキャストは放熱特性は良好であるが、はんだ付けが困難であることは前述した通りである。また、ケース12の材質はアルミダイキャストに限定されるものではなく、他の放熱特性の高い放熱材料を用いることも可能である。しかしながら、いずれの放熱材料を用いても、その特性上はんだ付けは一般に困難である。
【0028】
回路基板15は、その表面及び背面に多数の電子部品や電子素子が搭載されている。この回路基板15は、一対のケース半体13,14に挟み込まれるようにしてケース12に取り付けられる。具体的には、ケース半体13,14をケース固定ねじ16により固定する際、回路基板15は一対のケース半体13,14に挟み込まれるよう配置され、ケース固定ねじ16によりケース12と共に固定される。
【0029】
前記したように、車載用のデジタル受信モジュールにおいても、小型化及びIC化が図られている。このため、回路基板15も高密度化が図られており、よって回路基板15に搭載された電子素子(IC等)には高温を発生させるものもある。このような高温を発生させる電子素子は、ケース12と熱的に接続するよう構成されており、これにより電子素子の高温化が防止され適正な動作が保障される。
【0030】
尚、回路基板15は外部接続端子19と電気的に接続されており、よって電子装置10の動作に必要な電源や信号は、この外部接続端子19を介して回路基板15に搭載された電子部品や電子素子との間で授受される。
【0031】
続いて、図1に加え図2に用い、本発明の要部となる実装部材20について説明する。
【0032】
実装部材20は、はんだ付けが可能な材料により形成されている。具体的には、本実施例では実装部材20は鉄(Fe)により形成されている。
【0033】
実装部材20は、図2に示すように、係合部22、はんだ付け部23、折り曲げ部24、及び基板係合部25を有した構成とされている。この実装部材20は、上記のはんだ付けが可能な材料よりなる板状材を一体形成することにより形成されている。このように、板状材を一体形成することにより実装部材20を形成することにより、容易かつ安価に実装部材20を製造することができる。
【0034】
係合部22は、実装部材20の略中央に位置する部分である。この係合部22は、ケース半体13及びケース半体14に夫々形成されたスリット21に挿入されることにより係合する。
【0035】
スリット21は、図2に示されるようにケース半体13,14の底板13A,14Aに形成されている(図2では、ケース半体13にのみスリット21が現れる)。このスリット21の幅寸法(W1)は実装部材20の幅寸法(W2)よりも若干大きく設定されており(W1≧W2)、またスリット21の長さ(L1)は実装部材20の長さ(L2)の約半分の長さとされている(L1≒(L2/2))。
【0036】
はんだ付け部23は、後述するように電子装置10を実装基板17に実装する際、はんだ29により実装基板17にはんだ付けされる部位である。このはんだ付け部23には、切り欠き部26が形成されており、はんだ付け時におけるはんだ29との接触面積が広くなるよう構成されている。
【0037】
折り曲げ部24は、係合部22の上部に一体的に形成されており、長さ方向に対する中央部分で分離され、夫々が互い違いに折り曲げられた構成となっている。この折り曲げ部24は、実装部材20がスリット21に装着された際にケース半体13,14の底板13A,14Aの内面と係合し、実装部材20がケース12から脱落するのを防止する。
【0038】
基板係合部25は、一対の折り曲げ部24の間に形成されている。この基板係合部25はスリット状とされており、その内部に回路基板15が嵌入できるよう構成されている。回路基板15は、前記したケース固定ねじ16によりケース半体13,14と共に固定されるものである。
【0039】
よって、ケース半体13,14に固定される回路基板15が基板係合部25と係合することにより、実装部材20もケース12内で位置固定がされる。即ち、実装部材20は、係合部22がスリット21に係合し、折り曲げ部24がケース半体13,14の底板13A,14Aと係合し、更に回路基板15が基板係合部25と係合することにより、ケース12に装着・固定される。
【0040】
続いて、上記構成とされた実装部材20を有した電子装置10を、実装基板17へ実装する処理について説明する。
【0041】
電子装置10を実装基板17に実装するには、電子装置10をはんだペーストを用いて実装基板17上に仮固定する。この際、実装基板17上に実装する電子装置10以外の電子部品や電子素子もはんだペーストを用いて実装基板17上に仮止めを行う。
【0042】
続いて、この電子装置10及び他の電子部品等が仮止めされた実装基板17は、リフロー炉に装着されてリフロー処理が実施される。これにより、ハンダペーストに含まれていたはんだは溶融し、実装部材20及び他の電子部品等は実装基板17に対してはんだ付けされる。
【0043】
図3は、実装部材20を用いて電子装置10を実装基板17に実装した状態を示している。実装部材20はケース12に装着されているため、はんだ付けが困難な放熱材料からなるケース12であっても、実装部材20を実装基板17にはんだ付けすることにより、ケース12は実質的に実装基板17とはんだ付けされたと等価の状態となる。即ち、本実施例により電子装置10によれば、実装基板17に対して電子装置10をはんだ付けにより実装することができる。
【0044】
これにより、リフロー等の効率の高い実装方法を用いることが可能となり、電子装置10の実装効率を高めることができる。また、上記のように実装部材20は一対のケース半体13,14に挟み込まれることによりケース12に取り付けられるため、ケース12に対し実装部材20を容易に取り付けることができる。
【0045】
更に、本実施例では、それぞれのケース半体13,14に実装部材20が装着されるスリット21が形成されているため、ケース半体13,14に対して実装部材20をより精度よくかつ確実に装着することができる。また、実装部材20がスリット21内でケース12に係止される構成となるため、実装部材20の取り付け強度を高めることができる。
【0046】
次に、上記した電子装置10の変形例について説明する。図4は、上記した電子装置10の変形例である電子装置30を示している。
【0047】
前記した実施例に係る電子装置10は、図3に示されるように、実装基板17に対してケース12を立てた状態で実装する構造とされていた。これに対して本変形例に係る電子装置30は、ケース12を寝せた状態で実装基板17に実装できるように構成したものである。
【0048】
本変形例に係る電子装置30は、回路基板35の長さがケース半体33,34に比べて短くなっており、よってケース32の回路基板35の両端部にスリット41が形成された構成となっている。そして、実装部材40は、このスリット41内に装着されることにより、一対のケース半体33,34に挟み込まれるよう構成されている。尚、一対のケース半体33,34は、はんだ付けが困難な放熱材料により形成されている。
【0049】
実装部材40は、前記した実装部材20と同様にはんだ付け可能な鉄等の金属により形成されている。この実装部材40は側面視で略L字形状を有しており、係合部42とはんだ付け部43とが一体形成された構成とされている。
【0050】
係合部42は前記したスリット41に係合する部位であり、スリット41がスリット41に挿入され、ケース半体33,34で挟み込まれることにより、係合部42はケース32に装着される。また、はんだ付け部43ははんだ付けされる部位であり、はんだ付け性を高めるために切り欠き部46が形成されている。
【0051】
本実施例のように、電子装置30を寝せた構成としても、これを実装基板に実装することは可能であり、また図1乃至図3に示した電子装置10と同様な効果を実現することができる。
【0052】
尚、上記した変形例では、回路基板35の長さをケース半体33,34に比べて短くすることによりスリット41を形成したが、回路基板35とケース半体33,34の長さを等しくして、ケース半体33と回路基板35との間、或いはケース半体34と回路基板35との間に係合部42を挟み込んで固定する構成とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、本発明の一実施例である電子装置を示しており、(A)は正面図、(B)は左側面図、(C)は右側面図、(D)は底面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施例である電子装置の要部を拡大して示す分解斜視図である。
【図3】図3は、本発明の一実施例である電子装置を実装基板に実装した状態を示す斜視図である。
【図4】図4は、本発明の変形例である電子装置を示す分解斜視図である。
【図5】図5は、従来の一例である電子装置を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
【0054】
10,30 電子装置
12,32 ケース
13,33 ケース半体
14,34 ケース半体
15,35 回路基板
16 ケース固定ねじ
17 実装基板
20,40 実装部材
21,41 スリット
22,42 係合部
23,43 はんだ付け部
25 基板係合部
29 はんだ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子回路を搭載した回路基板と、
放熱材料からなり、前記回路基板を挟持することにより保持する一対のケース半体からなるケースと、
該ケースを実装基板に実装するための実装部材とを有してなる電子装置において、
前記実装部材をはんだ付け可能な材質により形成すると共に、前記一対のケース半体に挟み込まれることにより前記ケースに取り付けられる構成としたことを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記放熱材料はアルミダイキャストであることを特徴とする請求項1記載の電子装置。
【請求項3】
前記実装部材は、前記一対のケース半体に係合する係合部と、前記実装基板にはんだ付けされるはんだ付け部とを有することを特徴とする請求項1または2記載の電子装置。
【請求項4】
前記実装部材は、板状材を一体形成することにより形成した構成であることを特徴とする請求項3記載の電子装置。
【請求項5】
それぞれの前記ケース半体は、前記実装部材が装着されるスリットが形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−95836(P2007−95836A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−280675(P2005−280675)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【Fターム(参考)】