説明

電子装置

【課題】 携帯型情報端末のアイコンと電子装置側のアイコンの親和性の低下を防止した「電子装置」を提供する。
【解決手段】 本発明の電子装置40は、携帯端末20が保有するアプリケーションのアイコンを表示可能であり、かつ表示された携帯端末側のアイコンへの入力操作を可能とする。電子装置40は、携帯端末20が接続されたか否かを確認する接続確認手段と、携帯端末20の接続が確認されたとき、携帯端末20に対してアイコン情報の送信を要求する要求手段と、要求手段に応じて送信されたアイコン情報と電子装置側のアイコン情報とを比較し、両アイコンのサイズが一致しない場合には携帯端末側のアイコン情報を変更する変更手段と、変更されたアイコン情報に基づき携帯端末側のアイコンを表示する表示手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型情報端末が接続されたとき、当該携帯型情報端末を遠隔操作することができる電子装置に関し、特に、携帯型情報端末から提供されたアプリケーションのアイコンの表示に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンなどに代表される高機能なポータブル装置の利用が増加している。このようなポータブル装置が車内に持ち込まれたとき、ポータブル装置を車載用電子装置に接続し、ポータブル装置が保有するアプリケーションソフトやメディアデータなどを車載用電子装置において利用することが可能になっている。例えば特許文献1は、携帯電話の画面に表示された情報を車載器に表示する場合に、携帯電話の画面を大画面で表示する技術を開示している。また、特許文献2は、表示部の画面デザインを使用者の好みに合うように簡単に変更することができる情報表示装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−244343号公報
【特許文献2】特開2003−95040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ポータブル装置が車載用電子装置に接続されたとき、ポータブル装置が保有するアプリケーションのアイコン情報が車載用電子装置へ送信され、車載用電子装置のディスプレイには、ポータブル装置から提供されたアイコンが表示される。ユーザは、ポータブル装置から提供されたアイコンへの入力操作を行うことで、ポータブル装置のアプリケーションを遠隔操作することができる。
【0005】
ここで、ポータブル装置が保有するアイコンのデザインは、ポータブル装置の仕様で作成されているため、これを車載用電子装置で表示した場合には、車載用電子装置の仕様で作成されたアイコンとサイズ(大きさ)や色合いが異なる場合がある。このため、ポータブル装置側のアイコンと電子装置側のアイコンとを一緒に表示すると、デザインの親和性が低下したり、アイコンの美的が損なわれることがある。
【0006】
図1は、車載用電子装置が保有するアプリケーションのアイコンとポータブル装置から提供されたアイコンを表示したメニュー画面の例である。同図に示すように、車載用電子装置側のアイコン10A〜10Eの大きさに比べて、ポータブル装置から受け取ったアイコン12の大きさが小さいと、アイコンの整列が不揃いになってしまう。また、車載用電子装置側のアイコンは、その状態が識別できるような態様で表示され、例えば、イネーブル状態(実行可能状態)のアイコン10A、10B、10D、10E、ディスエーブル状態(実行不可状態)のアイコン10Cの態様で表示することができるが、ポータブル装置から受け取るアイコン情報は1種類であるため、そのような状態が識別できるような態様でアイコンを表示することできず、ユーザは、アイコンが実行可能であるか否か等を認識することができない、という不具合がある。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決し、アイコン表示の親和性の低下を防止した電子装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、携帯型情報端末から提供されるアイコンの状態を認識することができるような電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電子装置は、携帯型情報端末から提供されるアプリケーションのアイコン情報を表示可能であって、携帯型情報端末が接続されたか否かを確認する接続確認手段と、前記接続確認手段により携帯型情報端末の接続が確認されたとき、携帯型情報端末に対してアイコン情報の送信を要求する要求手段と、前記要求手段に応じて送信されたアイコン情報を受信する受信手段と、受信したアイコン情報と電子装置側のアイコン情報とを比較し、比較結果に基づき携帯型情報端末側のアイコン情報を変更する変更手段と、前記変更手段により変更されたアイコン情報に基づきアイコンを表示する表示手段とを有する。
【0009】
好ましくは電子装置はさらに、携帯型情報端末に対し電子装置の表示画面の設定情報を通知する通知手段を含み、前記受信手段は、前記通知手段および前記要求手段に応じたアイコン情報を受信する。好ましくは前記変更手段は、携帯型情報端末側のアイコンのサイズと、電子装置側のアイコンのサイズとが一致しないとき、携帯型情報端末側のアイコンのサイズが電子装置側のアイコンのサイズに対応するように携帯型情報端末のアイコン情報を変更する。好ましくは前記接続確認手段により携帯型情報端末の非接続が確認されたとき、前記変更手段は、ディスエイブル状態で表示されるようにアイコン情報を変更する。好ましくは前記接続確認手段により携帯型情報端末の再接続が確認されたとき、前記変更手段は、イネーブル状態で表示されるようにアイコン情報を変更する。好ましくは前記接続確認手段により携帯型情報端末の非接続が確認されたとき、前記表示手段は、携帯型情報端末側のアイコンの表示位置を保持する。好ましくは前記表示画面の設定情報は、背景色の情報を含み、前記受信手段は、前記背景色に応じたアイコン情報を受信する。好ましくは前記表示手段は、電子装置側のアイコンと携帯型情報端末側のアイコンとを並べて表示する。
【0010】
本発明の表示システムは、上記した電子装置と、電子装置に接続された携帯型情報端末とを有し、携帯型情報端末から提供されるアプリケーションのアイコン情報を電子装置に表示するものであって、携帯型情報端末は、前記要求手段に応じて特定のアプリケーションのアイコン情報を送信する送信手段を有する。好ましくは前記送信手段は、前記通知手段に応じたアイコン情報を送信する。
【0011】
本発明に係るアイコン表示プログラムは、携帯型情報端末から提供されるアプリケーションのアイコン情報を表示可能な電子装置が実行するものであって、携帯型情報端末が接続されたか否かを確認するステップと、携帯型情報端末の接続が確認されたとき、携帯型情報端末に対してアイコン情報の送信を要求するステップと、携帯型情報端末から送信されたアイコン情報を受信するステップと、受信したアイコン情報と電子装置側のアイコン情報とを比較し、両者のアイコンのサイズが一致しないとき、携帯型情報端末側のアイコンのサイズが電子装置側のアイコンのサイズに対応するように携帯型情報端末のアイコン情報を変更するステップと、変更されたアイコン情報に基づきアイコンを表示するステップとを有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、携帯型情報端末から受信したアイコン情報を電子装置側のアイコン情報との比較に基づき変更するようにしたので、携帯型情報端末のアイコンを親和性が損なわれないように表示することができる。さらに、携帯型情報端末側のアイコンの状態を認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来の電子装置におけるポータブル装置から提供されたアイコンと電子装置側のアイコンを表示したメニュー画面の例をある。
【図2】本発明の実施例に係るメディアシステムの構成を示す図である。
【図3】本発明の実施例に係る電子装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施例に係る携帯型情報端末の構成を示すブロック図である。
【図5】本実施例の電子装置のアイコン表示プログラムの機能ブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係るアイコン表示動作を説明するフローチャートである。
【図7】図7(a)は第1の実施例に係るアイコン表示例、図7(b)は第1の実施例に係るアイコン表示例である。
【図8】本発明の第2の実施例に係るアイコン表示動作を説明するフローチャートである。
【図9】アイコンの他の表示態様を説明する図である。
【図10】アイコンの表示位置のカスタマイズを説明する図である。
【図11】本発明の第3の実施例に係るアイコン表示動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。好ましい実施態様では、移動体として自動車を例示し、自動車に電子装置が搭載された例を説明する。
【実施例】
【0015】
図2は、本発明の実施例に係るメディアシステムの構成を示す図である。本実施例のメディアシステム15は、携帯型情報端末20(以下、携帯端末と略す)と、携帯端末20が接続手段30を介して接続された車載用電子装置40(以下、電子装置と略す)とを含んで構成される。ここで、携帯端末20は、ユーザ入力に応答して種々の情報処理を行う情報処理装置、コンピュータ装置などであることができ、その機能が特に制限されるものではなく、例えば、携帯電話機、スマートフォン、携帯型音声再生装置、携帯型映像再生装置、ポータブルな情報処理端末などであることができる。電子装置40は、ユーザ入力に応答して種々の情報処理を行う情報処理装置、コンピュータ装置などであることができ、その機能が特に制限されるものではなく、例えば、ナビゲーション機能、オーディオ機能、ビデオ機能、テレビ機能、ラジオ機能などを含むことができる。携帯端末20と電子装置40を接続する接続手段30は、有線ケーブルまたは無線信号のいずれであってもよい。例えば、USBケーブル、無線LAN、ブルーツースなどを用いて両機器を接続することができる。
【0016】
本実施例のメディアシステム15では、電子装置40に携帯端末20が接続されたとき、両機器はターミナルモードで動作する。ターミナルモードでは、音声情報、画面情報および操作情報が機器間で転送され、携帯端末20に表示される画面情報が電子装置40に表示され、ユーザは、電子装置40の表示画面のアイコン等への操作をすることで、携帯端末20を遠隔操作をすることができる。
【0017】
携帯端末20から電子装置40へ転送される画面情報、および電子装置40から携帯端末20へ送信される操作情報(タッチパネルの座標情報やキー入力情報)は、RFB(Remote Frame buffer)プロトコルを用いて通信制御される。音声情報は、RTP(Real-time Transport Protocol)を用いて通信制御される。本実施例の好ましい態様では、USBケーブルまたはWLANにより両機器が接続されたときにターミナルモードで両機器が動作可能である。ターミナルモードでは、ブルーツースの利用を前提とし、両機器間がブルーツースにより接続された場合には、ブルーツースを利用して音声情報に関する信号の送受が行われる。
【0018】
図3は、電子装置40の典型的な構成を示すブロック図である。同図に示すように、電子装置40は、ユーザからの入力を受け取る入力部100、携帯端末20との接続を確立する接続部110、ディスプレイにアイコン等の種々の情報を表示する表示部120、音声を出力する音声出力部130、地上波テレビ放送等を受信するチューナ140、制御部150、電子装置20が保有するアプリケーションのソフトウエアまたはそのプログラムを格納するプログラムメモリ160、音楽、映像、地図などのデータを記憶するデータメモリ170、各部を接続するバス180とを備えている。
【0019】
好ましくは、入力部100は、リモコンやカーソルによる入力に加え、ディスプレイへのタッチパネル入力を含む。また、プログラムメモリ160は、ナビゲーション機能、オーディオ機能、ビデオ機能などを実行するためのプログラムに加え、携帯端末20が接続されたときに実行されるターミナルモードを制御するプログラムを有する。ターミナルモードは、後述するように、携帯端末20と共働して、電子装置40から携帯端末20が保有するアプリケーションの起動などの遠隔指示を行うこと可能にする。さらにターミナルモードを制御するプログラムは、携帯端末20から提供されたアイコン情報に基づきアイコンを表示部120に表示するためのアイコン表示プログラムを含む。
【0020】
図4は、携帯端末の典型的な構成を示すブロック図である。携帯端末20は、ユーザからの入力を受け取る入力部200、電子装置40との接続を確立する接続部210、ディスプレイにアイコン等の種々の情報を表示する表示部220、音声を出力する音声出力部230、公衆無線回線網を介して他の携帯電話機等との通話を可能にする通話部240、制御部250、携帯型情報端末40が保有するアプリケーションのソフトウエアまたはそのプログラムを格納するプログラムメモリ260、音楽、映像、地図などのデータを記憶するデータメモリ270、各部を接続するバス280とを備えている。
【0021】
好ましくはプログラムメモリ260は、電子装置40に接続されときに実行されるターミナルモードを制御するプログラムを含む。ターミナルモードでは、携帯端末20は、入力部200の入力操作を無効(ロック)し、電子装置40からの入力によりアプリケーションを起動する。また、ターミナルモードに移行すると、電子装置40から携帯端末20に対し特定のアプリケーションに関するアイコン情報の送信要求がなされ、携帯端末20は、この要求に応じてアイコン情報を送信する。このため、データメモリ270には、アプリケーションに関連付けされたアイコン情報が格納されている。
【0022】
図5は、電子装置40のプログラムメモリ160に格納されたアイコン表示プログラムの機能ブロック図である。アイコン表示プログラムは、ターミナルモードにおいて、携帯端末20から受信したアイコン情報の表示制御を行う。アイコン要求部162は、ターミナルモード、すなわち携帯端末20の接続が確認されると、携帯端末20に対してアイコン情報の送信を要求する。どのようなアイコンを要求するかは、どのようなアプリケーションを遠隔操作するのかとの関連において予め設定することができる。例えば、ターミナルモードにおいて、携帯端末20が保有するナビゲーション機能に関するアプリケーションと、オーディオデータの再生に関するアプリケーションの遠隔操作を可能にするならば、それらのアプリケーションに関するアイコン情報を要求することになる。
【0023】
アイコン情報格納部164は、携帯端末20から受信したアイコン情報をデータメモリ170に格納する。格納されたアイコン情報は、携帯端末20が非接続とされ、その後に再接続されたときに使用することができる。携帯端末20から受け取るアイコン情報には、アイコンの画像データ、アイコンのサイズを表す縦および横のピクセル数、画像の符号化方法、アプリケーションとの関連情報などが含まれる。
【0024】
アイコン変更部166は、受信したアイコン情報を、そのまま電子装置40のアイコンと一緒に表示することが相応しくない場合には、アイコン情報を変更または加工する。好ましくは、アイコン変更部166は、携帯端末側のアイコンのサイズと電子装置側のアイコンのサイズを比較し、一致しない場合には、両者のアイコンのサイズが一致するように携帯端末側のアイコンのサイズを拡大、または縮小する。アイコンのサイズの比較は、上記したようにアイコンの画像データの縦および横のピクセル数を対比して行う。アイコン画像の拡大または縮小は、公知の手段、例えば、バイリニアを用いて行う。バイリニアは、画像の拡大縮小や変形などで用いられる補間方式のひとつであり、変更前と変更後で、座標の近い4個の画素の平均値を採用するものである。また、携帯端末側のアイコンのサイズが電子装置側のアイコンのサイズと相似形にない場合、言い換えれば、アイコンのサイズのアスペクト比(縦横のピクセル数の比)が異なる場合には、アイコンの縦サイズまたは横横サイズの一方が一致するように、倍率を調整するようにしてもよい。
【0025】
次に、本発明の第1の実施例について図6のフローチャートを参照して説明する。電子装置40は、接続部110を介して携帯端末20が接続されたか否かを確認する(S101)。携帯端末20においても電子装置40との接続の確認が行われる。両装置において接続が確認されると、両装置は自動的にターミナルモードに移行する。但し、ターミナルモードへ移行するか否かは、ユーザの選択によって行われるようにしてもよい。
【0026】
次に、電子装置40のアイコン要求部162は、携帯端末20に対し、予め決められたアプリケーションに対応するアイコン情報の送信を要求する(S102)。複数のアプリケーションの遠隔操作を行う場合には、それぞれのアプリケーションのアイコン情報を要求する。例えば、アイコン要求部162は、ナビゲーションのアプリケーションを実行するためのアイコン、オーディオ再生のアプリケーションを実行するためのアイコン情報の送信を要求する。
【0027】
携帯端末20は、この要求に応答して、自身が保有しているアイコン情報を電子装置40へ送信する。電子装置40は、接続部110を介してアイコン情報を受信し、アイコン情報格納部164は、受信したアイコン情報をデータメモリ170等に格納する。次に、アイコン変更部166は、携帯端末側のアイコンのサイズと電子装置側のアイコンのサイズを比較し(S104)、両サイズが一致するか否かを判定する(S105)。上記したように、アイコンを表示するときのサイズは、好ましくは縦および横のピクセル数によって規定される。例えば、アイコンのサイズは、縦40ピクセル×横40ピクセルで表される。携帯端末側のアイコンのサイズが電子装置側のアイコンのサイズに一致する場合には、アイコン変更部166は、携帯端末側のアイコンのサイズを変更せず(S106)、アイコン表示部168は、受信したアイコン情報に基づきアイコンを表示部120に表示する(S107)。このときのアイコンの表示位置は、予め決められている。
【0028】
一方、携帯端末側のアイコンのサイズが電子装置側のアイコンのサイズに一致しない場合には、アイコン変更部166は、サイズが一致または近似するように携帯端末側のアイコンのサイズを拡大または縮小する(S108)。そして、アイコン表示部168は、アイコン変更部166で変更されたアイコン情報に基づきアイコンを所定の表示位置に表示させる(S109)。図7(a)は、携帯端末側のアイコンの表示サイズが変更された例を示している。10Aないし10Eは、電子装置40が保有するアプリケーションのアイコンであり、12Aは、携帯端末20から提供されたアイコンである。アイコン12Aは、図1のメニュー画面の表示のとき比較して、他のアイコン10A〜10Eと表示サイズが一致するように拡大されている。このように、アイコンの表示サイズを一致させることで、アイコンのデザインの親和性が損なわれるのが防止される。
【0029】
表示部120に表示されたメニュー画面において、ユーザが所望のアイコンを選択すると、その座標情報が携帯端末20へ送信され、携帯端末20は、受信した座標情報に基づきアプリケーションを起動する。アプリケーションが起動されると、携帯端末20に表示される画面情報と同一の画面情報が電子装置40に転送され、それが表示部120に表示される。
【0030】
次に、本発明の第2の実施例について図8のフローチャート参照して説明する。電子装置40は、接続部110を介して携帯端末20が非接続されたか否かを確認する(S201)。携帯端末20が非接続となったことを確認すると、ターミナルモードは終了するが、アイコン表示部168は、携帯端末側のアイコンの表示位置をデータメモリ170に保持し(S202)、アイコンの表示を継続する。また、アイコン変更部166は、両機器が非接続になったことにより、アイコンのアプリケーションが実行不可であること(ディスエーブル状態であること)が認識できるようにアイコンの表示態様を変更する(S203)。ディスエーブル状態の表示態様は、イネーブル状態のアイコンの表示色を変更するものでよく、例えば、イネーブル状態のアイコンの表示色をグレースケールに変更する。アイコン表示部168は、こうして得られたディスエーブル状態のアイコンを表示する(S204)。ディスエーブル状態でのアイコン表示は、携帯端末20が再接続されるまで継続される(S205)。但し、ユーザ操作よって、ディスエーブル状態のアイコン表示を消去することも可能である。
【0031】
電子装置40が接続部110を介して携帯端末20が再接続されたことが確認されると(S205)、アイコン表示部168は、データメモリ170に格納されたアイコン情報を読み出し、動作可能な状態(イネーブル状態)のアイコンを表示する(S206)。図7(b)は、図7(a)に対応する表示例であり、アイコン12Bがディスエーブル状態であること表している。アイコン10A、10B、10D、10Eは、イネーブル状態であり、アイコン10Cは、アイコン12Bと同様にディスエーブル状態であることを表している。このように、携帯端末20から1種類のアイコン情報しか取得できない場合であっても、状態に応じてアイコンの表示色を変更することで、アイコンの状態を識別することが可能になる。
【0032】
アイコンの状態は、イネーブル/ディスエーブルの他にも幾つかの状態がある。図9(a)は、アプリケーションが動作中であることを示すActive表示のアイコン300であり、アイコン中にActive であることの識別310が表示される。また、アイコン300は、イネーブル状態であることの識別320(図中のハッチング部分)が表示されている。図9(b)は、ディスエーブル状態のアイコン330であり、アイコンがディスエーブル状態であることの識別340(図中のハッチング部分)が表示される。図9(c)は、アイコンが選択(押下)されたことを示すPressed表示のアイコン350であり、選択された状態であることの識別360(図中のハッチング部分)が表示される。このように、アイコン変更部166は、携帯端末20から受け取ったアイコン情報が1種類の表示態様でしかない場合には、図9(a)ないし(c)に示すように、状態に応じてアイコンの表示態様を変更することができる。
【0033】
図10は、アイコン表示位置のユーザによるカスタマイズの例である。好ましい態様では、電子装置40の表示部120は、タッチ入力を可能とするタッチパネルから構成される。ユーザは、アイコン370を選択し移動させることで、アイコン370の表示位置を変更することができる。アイコン表示部168は、アイコン370の表示位置が変更された場合には、その位置情報を保持する。
【0034】
次に、本発明の第3の実施例について図11のフローチャートを参照して説明する。電子装置40は、接続部110を介して携帯端末20が接続されたことを確認すると(S301)、アイコン要求部162は、携帯端末20にアイコン情報を要求するとき、これに併せて、表示画面の設定情報を送信する(S302)。設定情報は、例えば、アイコンを表示するときのメニュー画面の背景色である。携帯端末20は、要求されたアイコン情報であって、背景色に対応するコントラストの表示色を有するアイコン情報を電子装置40へ送信する。電子装置40は、接続部110を介してこれを受信し(S303)、アイコン表示部168は、受信した携帯端末から提供されたアイコンを表示する(S304)。
【0035】
例えば、電子装置40のメニュー画面の背景色が黒であるとき、アイコン要求部162は、背景色が黒であることを示す設定情報を携帯端末20へ送信する。携帯端末20は、受け取った背景色に基づき、背景色とコントラスト比の大きなアイコンの表示色を選択する。好ましくは、携帯端末20は、1つのアイコンについての複数の表示色の画像データを備えており、その中から、背景色と適切なコントラスト比が生じる表示色を選択する。電子装置40は、自身が保有するアイコンを背景色とコントラスト比が生じる色で表示し、また、携帯端末20から受け取ったアイコンを同様に背景色とコントラスト比が生じる色で表示する。これにより、電子装置40の表示画面の設定と親和性のあるアイコン表示を行うことができる。
【0036】
次に、本発明の第4の実施例について説明する。第1の実施例では、アイコン変更部166がアイコンのサイズを変更する例を示したが、第4の実施例では、携帯端末20がアイコンのサイズを変更する。ターミナルモードにおいて、アイコン要求部162は、アイコン情報の要求に加えて、電子装置40におけるアイコンのサイズ情報を携帯端末20へ送信する。アイコンのサイズ情報は、好ましくは縦および横のピクセル数で規定される。携帯端末20は、アイコンのサイズ情報を受信すると、当該サイズ情報にアイコンのサイズが一致するか否かを判定し、一致しない場合には、アイコンのサイズを変更し、変更したサイズのアイコン情報を電子装置40へ送信する。また、携帯端末20は、1つのアイコンについて複数のサイズの画像データを備えており、その中から要求されたサイズに一致もしくは近似するサイズのアイコン情報を選択し、これを電子装置40へ送信するようにしてもよい。
【0037】
上記した第1ないし第4の実施例は、それぞれ単独で実施されるものであってもよいし、第1ないし第4の実施例を適宜組合せるものでもよい。例えば、第3の実施例により携帯端末から受信したアイコンを、第1の実施例に従いアイコンのサイズを変更することができる。
【0038】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0039】
10:表示画面 10A〜10E:電子装置側のアイコン
12、12A:携帯端末側のアイコン 15:メディアシステム
20:携帯型情報端末 30:接続手段
40:電子装置 162:アイコン要求部
164:アイコン情報格納部 166:アイコン変更部
168:アイコン表示部 300:Active表示のアイコン
330:Disable表示のアイコン 350:Pressed表示のアイコン
370:表示位置を変更されたアイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型情報端末から提供されるアプリケーションのアイコン情報を表示可能な電子装置であって、
携帯型情報端末が接続されたか否かを確認する接続確認手段と、
前記接続確認手段により携帯型情報端末の接続が確認されたとき、携帯型情報端末に対してアイコン情報の送信を要求する要求手段と、
前記要求手段に応じて送信されたアイコン情報を受信する受信手段と、
受信したアイコン情報と電子装置側のアイコン情報とを比較し、比較結果に基づき携帯型情報端末側のアイコン情報を変更する変更手段と、
前記変更手段により変更されたアイコン情報に基づきアイコンを表示する表示手段と、
を有する電子装置。
【請求項2】
電子装置はさらに、携帯型情報端末に対し電子装置の表示画面の設定情報を通知する通知手段を含み、前記受信手段は、前記通知手段および前記要求手段に応じたアイコン情報を受信する、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記変更手段は、携帯型情報端末側のアイコンのサイズと、電子装置側のアイコンのサイズとが一致しないとき、携帯型情報端末側のアイコンのサイズが電子装置側のアイコンのサイズに対応するように携帯型情報端末のアイコン情報を変更する、請求項1または2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記接続確認手段により携帯型情報端末の非接続が確認されたとき、前記変更手段は、ディスエイブル状態で表示されるようにアイコン情報を変更する、請求項1ないし3いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項5】
前記接続確認手段により携帯型情報端末の再接続が確認されたとき、前記変更手段は、イネーブル状態で表示されるようにアイコン情報を変更する、請求項4に記載の電子装置。
【請求項6】
前記接続確認手段により携帯型情報端末の非接続が確認されたとき、前記表示手段は、携帯型情報端末側のアイコンの表示位置を保持する、請求項1ないし5いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項7】
前記表示画面の設定情報は、背景色の情報を含み、前記受信手段は、前記背景色に応じたアイコン情報を受信する、請求項2に記載の電子装置。
【請求項8】
前記表示手段は、電子装置側のアイコンと携帯型情報端末側のアイコンとを並べて表示する、請求項1ないし7いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項9】
請求項1ないし8いずれか1つに記載の電子装置と、電子装置に接続された携帯型情報端末とを有し、携帯型情報端末から提供されるアプリケーションのアイコン情報を電子装置に表示する表示システムであって、
携帯型情報端末は、前記要求手段に応じて特定のアプリケーションのアイコン情報を送信する送信手段を有する、表示システム。
【請求項10】
前記送信手段は、前記通知手段に応じたアイコン情報を送信する、請求項9に記載の表示システム。
【請求項11】
携帯型情報端末から提供されるアプリケーションのアイコン情報を表示可能な電子装置が実行するアイコン表示プログラムであって、
携帯型情報端末が接続されたか否かを確認するステップと、
携帯型情報端末の接続が確認されたとき、携帯型情報端末に対してアイコン情報の送信を要求するステップと、
携帯型情報端末から送信されたアイコン情報を受信するステップと、
受信したアイコン情報と電子装置側のアイコン情報とを比較し、両者のアイコンのサイズが一致しないとき、携帯型情報端末側のアイコンのサイズが電子装置側のアイコンのサイズに対応するように携帯型情報端末のアイコン情報を変更するステップと、
変更されたアイコン情報に基づきアイコンを表示するステップと、
を有するアイコン表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−128619(P2012−128619A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278891(P2010−278891)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】