説明

電子装置

【課題】 携帯型情報端末から提供される画面情報を統一感をもって表示することができる「電子装置」を提供する。
【解決手段】 本発明の電子装置は、携帯型情報端末から提供される画面情報を表示可能であり、携帯型情報端末が接続されたか否かを確認する接続確認手段と、接続確認手段により携帯型情報端末の接続が確認されたとき、携帯型情報端末から提供される画面情報の背景色に関する情報を携帯型情報端末に通知する通知手段と、背景色に関する情報に基づき設定された画面情報を携帯型情報端末から受信する受信手段と、受信手段により受信された画面情報を表示する表示手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型情報端末が接続されたとき、当該携帯型情報端末を遠隔操作することができる電子装置に関し、特に、携帯型情報端末から提供される画面情報の設定に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンなどに代表される高機能なポータブル装置の利用が増加している。このようなポータブル装置が車内に持ち込まれたとき、ポータブル装置を車載用電子装置に接続し、ポータブル装置が保有するアプリケーションソフトやメディアデータなどを車載用電子装置において利用することが可能になっている。例えば特許文献1は、携帯電話の画面に表示された情報を車載器に表示する場合に、携帯電話の画面を大画面で表示する技術を開示している。また、特許文献2は、表示部の画面デザインを使用者の好みに合うように簡単に変更することができる情報表示装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−244343号公報
【特許文献2】特開2003−95040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スマートフォンなどの携帯端末を車載用電子装置に接続し、携帯端末に表示される画面情報を車載用電子装置に転送することで、車載用電子装置は、携帯端末の画面を表示したり、自身が保有するソース画面(例えば、DVDや地上波テレビ放送など)と共に2画面で表示することができる。
【0005】
車載用電子装置および携帯端末の双方において、表示画面の基調となる背景色をユーザが嗜好に併せて任意に設定することが可能である。また、ユーザ設定によらない場合でも、双方の背景色が異なることがある。車載用電子装置で設定された背景色と携帯端末で設定された背景色とが異なると、仮に、車載用電子装置の画面と携帯端末の画面を2画面で表示した場合には、画面色の統一感を得ることができない。例えば、車載用電子装置側の画面の背景色が青色であり、携帯端末から転送された画面情報の背景色が白色となるような場合である。また、2画面表示以外でも、車載用電子装置の画面が携帯端末の画面に切り替わったとき、画面の背景色が全く異なると、ユーザに不快感を与え易い。
【0006】
さらに、車載用電子装置では、通常、車両のイルミネーションのオン/オフ(ディマーレベルのハイ/ロー)に連動して、輝度が異なる昼夜画面に切替わるが、携帯端末から転送された画面は切替わらないため、特に、夜間に転送された携帯端末の画面を表示すると眩し過ぎるという課題がある。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決し、携帯型情報端末から提供される画面情報に統一感を持たせることができる電子装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、携帯型情報端末から提供される画面情報の明るさを変更することができる電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電子装置は、携帯型情報端末から提供される画面情報を表示可能なものであって、携帯型情報端末が接続されたか否かを確認する接続確認手段と、前記接続確認手段により携帯型情報端末の接続が確認されたとき、携帯型情報端末から提供される画面情報の設定に関する設定情報を携帯型情報端末に通知する通知手段と、前記設定情報に基づき設定された画面情報を携帯型情報端末から受信する受信手段と、前記受信手段により受信された画面情報を表示する表示手段とを有する。
【0009】
好ましくは前記設定情報は、電子装置側の画面について設定された情報である。好ましくは前記設定情報は、画面の背景色に関する情報である。好ましくは前記背景色に関する情報は、複数の背景色の中からユーザにより選択されたものである。好ましくは前記設定情報は、画面の輝度に関する情報である。好ましくは前記設定情報は、画面の色合いに関する情報である。好ましくは電子装置はさらに、車両の動作に関する車両情報を検出する検出手段を含み、前記通知手段は、前記車両情報に基づき画面の輝度を異にする設定情報を通知する。好ましくは電子装置はさらに、車両の動作に関する車両情報を検出する検出手段を含み、前記通知手段は、前記車両情報に基づき画面の色合いを異にする設定情報を通知する。好ましくは前記検出手段は、車両のイルミネーションスイッチのオンまたはオフ情報を検出する。好ましくは携帯型情報端末から提供される画面情報は、ナビゲーションの道路地図画面である。好ましくは前記表示手段は、2画面表示領域を含み、一方の画面表示領域に電子装置が保有するメディアの画面情報を表示し、他方の画面表示領域に携帯型情報端末から提供された画面情報を表示する。
【0010】
本発明に係るメディアシステムは、上記の電子装置と、当該電子装置に接続された携帯型情報端末とを有するものであって、携帯型情報端末は、電子装置の通知手段により通知された設定情報に基づき画面情報を設定する設定手段と、前記設定手段により設定された画面情報を電子装置に送信する送信手段とを有する。
【0011】
好ましくは前記設定手段は、前記通知手段により通知された背景色に関する情報に基づき画面情報の背景色を設定する。好ましくは前記設定手段は、携帯型情報端末側の画面について設定された携帯側の背景色が前記通知手段により通知された背景色と異なるとき、前記携帯側の背景色を変更する。好ましくは前記設定手段は、前記通知手段により通知された画面の輝度に関する情報に基づき画面情報の輝度を設定する。好ましくは前記設定手段は、前記通知手段により通知された画面の色合いに関する情報に基づき画面情報の色合いを設定する。
【0012】
本発明に係る表示プログラムは、携帯型情報端末から提供された画面情報を表示可能な電子装置が実行するものであって、携帯型情報端末が接続されたか否かを確認するステップと、携帯型情報端末の接続が確認されたとき、携帯型情報端末から提供される画面情報の設定に関する設定情報を携帯型情報端末に通知するステップと、前記設定情報に基づき設定された画面情報を携帯型情報端末から受信するステップと、前記受信された画面情報を表示するステップとを有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、携帯型情報端末から提供される画面情報の設定に関する設定情報を通知するようにしたので、携帯型情報端末かた提供される画面情報と電子装置の画面情報とに統一感を持たせることができる。さらに、携帯型情報端末から提供される画面情報の明るさや色合いを、電子装置の画面の明るさや色合いに合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例に係る表示システムの構成を示す図である。
【図2】図1に示す車載用電子装置の典型的な構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す携帯型情報端末の典型的な構成を示すブロック図である。
【図4】車載用電子装置の画面情報表示プログラムの機能ブロック図である。
【図5】表示画面の背景色を選択するための背景色選択テーブルの一例である。
【図6】本発明の第1の実施例に係る車載用電子装置の画面情報の表示動作を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施例に係る携帯型情報端末の画面情報の設定動作を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施例による2画面表示例である。
【図9】本発明の第2の実施例に係る表示動作を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施例による2画面表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。好ましい実施態様では、移動体として自動車を例示し、自動車に電子装置が搭載された例を説明する。
【実施例】
【0016】
図1は、本発明の実施例に係るメディアシステムの構成を示す図である。メディアシステム10は、携帯型情報端末20(以下、携帯端末と略す)と、接続手段30を介して携帯端末20が接続された車載用電子装置(以下、電子装置と略す)40とを含んで構成される。電子装置40は、ユーザ入力に応答して種々の情報処理を行う情報処理装置、コンピュータ装置などであることができ、その機能が特に制限されるものではなく、例えば、ナビゲーション機能、オーディオ機能、ビデオ機能、テレビ機能、ラジオ機能などを含むことができる。携帯端末20は、ユーザ入力に応答して種々の情報処理を行う情報処理装置、コンピュータ装置などであることができ、その機能が特に制限されるものではなく、例えば、携帯電話機、スマートフォン、携帯型音声再生装置、携帯型映像再生装置、ポータブルの情報処理端末などであることができる。電子装置40と携帯端末20とを接続する接続手段30は、有線ケーブルまたは無線信号のいずれであってもよい。例えば、USBケーブル、無線LAN、ブルーツースなどを用いて両機器を接続することができる。
【0017】
本実施例のメディアシステム10では、電子装置40に携帯端末20が接続されたとき、両機器はターミナルモードで動作する。ターミナルモードでは、音声情報、画面情報および操作情報が機器間で転送され、携帯端末20に表示される画面情報が電子装置40に表示される。ユーザは、電子装置40の表示画面のアイコン等への操作をすることで、携帯端末20のアプリケーションを遠隔操作をすることができる。
【0018】
携帯端末20から電子装置40へ転送される画面情報、および電子装置40から携帯端末20へ送信される操作情報(タッチパネルの座標情報やキー入力情報)は、RFB(Remote Frame buffer)プロトコルを用いて通信制御される。音声情報は、RTP(Real-time Transport Protocol)を用いて通信制御される。本実施例の好ましい態様では、USBケーブルまたはWLANにより両機器が接続されたときにターミナルモードで両機器が動作可能である。ターミナルモードでは、ブルーツースの利用を前提とし、両機器間がブルーツースにより接続された場合には、ブルーツースを利用して音声情報に関する信号の送受が行われる。
【0019】
図2は、電子装置40の典型的な構成を示すブロック図である。同図に示すように、電子装置40は、ユーザからの入力を受け取る入力部100、携帯端末20との接続を確立する接続部110、携帯端末20からの画面情報などをディスプレイに表示する表示部120、音声を出力する音声出力部130、車両情報を検出する車両情報検出部140、制御部150、アプリケーション等を実行するためのプログラムを格納するプログラムメモリ160、音楽、映像、地図などのデータや後述するように表示部120の画面背景色を設定するための背景色情報などを記憶するデータメモリ170、各部を接続するバス180とを備えている。
【0020】
好ましくは、入力部100は、リモコンやカーソルによる入力に加え、ディスプレイへのタッチパネル入力を含む。車両情報検出部140は、イルミネーションのオン/オフまたはディマーレベルのハイまたはローに関する情報を検出したり、その他、ナビゲーション動作に必要なGPS測位情報、車速情報、方位情報などを検出する。また、プログラムメモリ160は、ナビゲーション機能、オーディオ機能、ビデオ機能などを実行するためのプログラムに加え、携帯端末20が接続されたときに実行されるターミナルモードを制御するプログラムを有する。ターミナルモードは、携帯端末20と共働して、電子装置40から携帯端末20が保有するアプリケーションの起動などの遠隔操作を可能にする。ターミナルモードを制御するプログラムは、携帯端末20から提供される画面情報を表示部120に表示するための画面表示プログラムを含む。
【0021】
図3は、携帯端末の典型的な構成を示すブロック図である。携帯端末20は、ユーザからの入力を受け取る入力部200、電子装置20との接続を確立する接続部210、ディスプレイに種々の画像を表示する表示部220、音声を出力する音声出力部230、外部のサーバとデータ通信をしたり携帯電話機との通話を可能にする通信部240、制御部250、携帯端末20が保有するアプリケーション等のプログラムを格納するプログラムメモリ260、音楽、映像、地図などのデータを記憶するデータメモリ270、各部を接続するバス280とを備えている。
【0022】
好ましくはプログラムメモリ260は、電子装置40に接続されたときに実行されるターミナルモードを制御するプログラムを含む。ターミナルモードでは、携帯端末20に表示する画面情報が電子装置40に転送され、当該画面情報が電子装置40の表示部120に表示される。また、携帯端末20は、ターミナルモード時に入力部200の入力操作を無効にし、遠隔操作されたアプリケーションを起動する。さらに携帯端末20は、電子装置40からの画面情報の設定情報に基づき、転送する画面情報の表示条件を設定する。
【0023】
図4は、電子装置40のプログラムメモリ160に格納された画面表示プログラムの機能ブロック図である。画面表示プログラムは、ターミナルモードにおいて、携帯端末20から転送される画面情報の表示制御を行うものである。設定情報抽出部162は、電子装置40の表示部120で表示される画面の設定情報を抽出する。画面の設定情報は、好ましくは、メニュー画面やアプリケーション画面などを表示するときの画面の背景色である。メニュー画面では、アイコンやキーボタンなどが背景色上に表示され、アプリケーション画面では、アプリケーションに関する情報が背景色上に表示される。背景色は、ユーザによって任意に設定することができ、設定された内容はデータメモリ170に格納されている。
【0024】
設定情報通知部164は、ターミナルモードに移行すると、設定情報抽出部162によって抽出された画面の設定情報を携帯端末20へ通知する。この設定情報は、携帯端末20において画面情報の表示条件の設定に利用される。画面情報受信部166は、ターミナルモードにおいて、携帯端末20からRFBプロトコルにより転送された画面情報を受け取る。この画面情報は、設定情報通知部164により通知された設定情報に基づき表示条件が設定されたものである。画面情報表示部168は、ターミナルモードにおいて受信した画面情報を表示部120に表示する。
【0025】
次に、電子装置40の表示部120で表示される画面の基調となる背景色の設定について説明する。背景色は、メニュー画面やアプリケーション画面等において、アイコン、キー、テキストなどを表示するときの背景(バックグラウンド)の色である。好ましくは、図5に示すような背景色テーブルがデータメモリ170に記憶される。画面の背景色または基調色の設定が行われるとき、制御部150は、背景色選択テーブルを参照し、選択可能な背景色を表示部120に表示する。ユーザは、提示された複数の背景色の中から所望の背景色を選択することができる。背景色選択テーブルには、複数の背景色(背景色1、2、・・・n)と、それに対応するコード情報との関係が規定されている。ユーザによって選択された背景色に対応するコード情報は、画面の設定情報としてデータメモリ170に保存される。
【0026】
好ましくは、携帯端末20もまた、背景色選択テーブルをデータメモリ270に備えている。そして、表示部220の画面の背景色または基調色を設定するときに、背景色選択テーブルが参照され、選択された背景色に対応するコード情報がデータメモリ270に保存される。ここで、電子装置40の背景色選択テーブルで規定されるコード情報と、携帯端末20の背景色選択テーブルで規定されるコード情報との関係を規定する判定テーブルが、電子装置40および携帯端末20のそれぞれに用意されることが望ましい。この判定テーブルを参照することで、相手方で設定されている背景色を認識することができる。
【0027】
次に、本発明の第1の実施例に係る表示動作を図6のフローチャートを参照して説明する。電子装置40は、接続部110を介して携帯端末20が接続されたか否かを確認する(S101)。携帯端末20においても電子装置40との接続確認が行われる。両装置において接続が確認されると、両装置は、自動的にターミナルモードになる(S102)。なお、ターミナルモードへの移行は、ユーザ選択により行われるようにしてもよい。
【0028】
ターミナルモードに移行すると、設定情報抽出部162は、電子装置40における表示部120の画面設定情報を抽出する(S103)。ここでの画面の設定情報は、背景色または基調色に関する情報である。次に、設定情報通知部164は、抽出された設定情報を携帯端末20へ通知する(S104)。携帯端末20の制御部250は、受け取った設定情報に基づき画面情報の背景色の設定を行う。
【0029】
図7は、携帯端末20の背景色の設定動作を示すフローである。携帯端末20の制御部250は、設定情報を受信すると(S201)、自身の表示部220の画面の設定情報である背景色と電子装置側の設定情報である背景色とを比較し(S202)、背景色が一致するか否かを判定する(S203)。例えば、電子装置40で青色の背景色が設定されている場合には、青色に該当するコード情報が携帯端末20に通知され、携帯端末20で設定された背景色のコード情報と比較される。コード情報が一致するか否かは、予め用意された判定テーブルを用いて判定される。背景色が一致する場合には、携帯端末側の背景色を変更することなく(S204)、表示部220に表示される画面情報をそのまま電子装置40へ転送する(S205)。一方、背景色が一致しない場合には(S203)、制御部250は、電子装置側の背景色と一致する背景色に変更し(S206)、その画面情報を電子装置40へ転送する(S207)。
【0030】
ここで、携帯端末20で設定できる背景色が、電子装置40で設定できる背景色と必ずしも一致しない場合がある。その場合、制御部250は、電子装置40で設定された背景色とできるだけ近い背景色を選択し、その画面情報を転送する。どの背景色が近似するか否かは、予め決定しておくことができ、例えば、1つの背景色に対して近似する度合いが異なる複数の背景色を決定しておき、近似する度合いが高い背景色を優先的に選択する。
【0031】
再び図6に戻り、画面情報受信部166は、携帯端末20から背景色が調整された画面情報を受信し(S105)、画面情報表示部168は、受信した画面情報を表示部120に表示する(S106)。画面情報表示部168は、接続部110を介して携帯端末20が非接続になったとき(S107)、またはターミナルモードが終了されたとき、携帯端末20からの画面情報の表示を終了し、電子装置40が保持するメディアのソース画面に切替える。
【0032】
図8は、電子装置40の表示部120において2画面表示が行われる例を示している。ユーザの指示によって2画面表示にしたり、あるいはターミナルモードに移行したときに自動的に2画面表示にすることが可能である。表示画面300の一方の画面300Aには、電子装置40が保有するメディアのソース画面が表示され、他方の画面300Bには、携帯端末20から転送された画面情報が表示される。例えば、ソース画面300Aの背景色が青色であるとき、携帯端末からの画面300Bの背景色も青色となり、両者に統一感が生じる。また、2画面表示以外でも、例えば、ターミナルモードに移行したときに、電子装置40のソース画面から携帯端末20の画面に切替わる場合でも、背景色または基調色が同じであれば、ユーザに違和感は生じない。
【0033】
例えば、表示部120に表示されたメニュー画面において、ユーザが所望のアイコンを選択すると、その座標情報が携帯端末20へ送信され、携帯端末20は、受信した座標情報に基づきアプリケーションを起動する。アプリケーションが起動されると、携帯端末20は、表示部120に表示する画面情報と同一の画面情報を電子装置40に転送し、その転送された画面情報が表示部120に表示される。
【0034】
このように本実施例によれば、電子装置40で設定した画面の設定情報に基づき携帯端末20で設定した画面の設定情報を変更するようにしたので、携帯端末20から転送された画面情報を表示するときに、電子装置側の画面と携帯端末側の画面との間に統一感を持たせることができる。また、統一感のある画面を表示することで、ユーザに違和感を生じさせない。
【0035】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。図9は、第2の実施例の動作フローを示している。車載用の電子装置では、昼夜に応じて表示される画面の明るさ、色合いが変更される。第2の実施例は、画面の明るさ、色合いを変更する昼夜情報を設定情報に利用する。初めに、携帯端末20および電子装置40は、それぞれ昼モードの画面を表示するものとする。昼モードの画面は、輝度が比較的高く設定されるか、色合いが明るくされる。
【0036】
電子装置40の設定情報抽出部162は、車両情報検出部140の検出結果に基づき昼夜情報を抽出する。好ましい例では、昼夜情報は、車両のイルミネーションスイッチがオンのとき(またはディマーレベルがハイのとき)夜間モードを表し、イルミネーションスイッチがオフのとき(またはディマーレベルがローのとき)昼モードを表す。設定情報抽出部162は、昼夜情報が昼モードまたは夜間モードのいずれを表すかを抽出し、設定情報通知部164は、その昼夜情報を設定情報として携帯端末20へ通知する。携帯端末20は、昼モードである昼夜情報を受け取り、自身の画面情報が昼モードか否かを判定し、昼モードの画面の設定であれば、その画面情報を電子装置40へ転送する。
【0037】
ここで、図示するように、車両のイルミネーションスイッチがオンされると(S301)、設定情報抽出部162は、夜間モードを表す昼夜情報を抽出し、設定情報通知部164は、その昼夜情報を設定情報として携帯端末20へ通知する。これを受けて、携帯端末20の制御部250は、画面情報が夜間モードか否かを判定し、夜間モードに一致しない場合には、画面情報の設定を夜間モードに変更する(S302)。夜間モードの画面情報は、輝度が低く設定されるか、色合いが暗く設定される。こうして、夜間モードの画面情報が電子装置40へ転送される。これにより、電子装置40の表示部120には、夜間モードの画面情報が表示され、画面情報が眩しくなり過ぎるような問題が解消される。
【0038】
同様に、イルミネーションがオフされた場合には、設定情報抽出部162により昼モードを表す昼夜情報が抽出され、その昼夜情報が設定情報として携帯端末20に通知される。そして、携帯端末20は、昼モードに設定された画面情報を電子装置40に転送する。これにより、電子装置40の表示部120には、昼モードの明るい画面情報が表示され、画面情報が暗すぎるような問題が解消される。
【0039】
上記したように、携帯端末20は、昼モードまたは夜間モードに応じて画面情報の輝度を変更し、すなわち、夜間モードであれば輝度を相対的に下げ、昼モードであれば、輝度を相対的に上げる。輝度の変更以外に、夜間モードであれば、画面の色合いを暗くし、昼モードであれば、画面の色合いが明るくすることができる。輝度、色合いの変更の度合いは、予め決定される。なお、上記実施例では、イルミネーションスイッチのオン/オフをトリガーに、昼夜情報を昼モードと夜間モードの2段階に設定したが、これ以上の複数段階の設定であってもよい。例えば、車両に搭載されている時計情報または時間情報を参照し、昼モードと夜間モードの間に、日の出モードや日の入モードなどを含めてもよい。
【0040】
図10は、第2の実施例の2画面表示の例である。表示部120の画面310の一方の画面310Aには、電子装置40が保有するメディアのソース画面が表示され、他方の画面310Bには、携帯端末から転送された画面情報が表示される。自車のイルミネーションスイッチがオンされたとき、これに連動してソース画面310Aは、夜モードの色合いで暗めに表示される。同様に、携帯端末20から転送された画面310Bも夜モードの色合いで表示されるため、2つの画面310A、310B間に統一感を持たせることができる。また、2画面表示以外でも、ソース画面から携帯端末の画面に切替わった場合でも、同じような輝度または色合いで画面を表示させることができる。
【0041】
さらに、第2の実施例を第1の実施例と組合せることで、画面310Aの背景色は青の夜色となり、画面310Bの背景色は、輝度が低下した青色となり、画面の輝度、色の双方において統一感を持たせることができる。
【0042】
次に、第2の実施例の具体例について説明する。ターミナルモードにおいて、携帯端末20が保有するナビゲーション機能のアプリケーションが電子装置40により遠隔操作されたものとする。携帯端末20は、ナビゲーション機能を実行し、自車位置周辺の道路地図画面を表示部220に表示する。道路地図画面のデータは、携帯端末20が保持するものであってもよいし、外部サーバと通信をすることでそこから受信するものであってもよい。携帯端末20に表示された道路地図画面情報は、RFBプロトコルに従い毎秒数フレームで電子装置40に転送され、その道路地図画面情報が表示部120に表示される。
【0043】
自車の走行中、表示部120には、携帯端末20から転送された道路地図画面情報が表示される。ユーザによって、車両のイルミネーションスイッチがオンされると、電子装置40から携帯端末20に画面の設表示条件を変更するための昼夜情報が通知される。携帯端末20は、昼夜情報に基づき道路地図画面情報を夜間モードに変更し、夜間モードの道路地図画面情報が電子装置40に転送される。こうして、電子装置40には、夜間モードの道路地図画面情報が表示される。
【0044】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0045】
10:メディアシステム 20:携帯型情報端末
30:接続手段 40:車載用電子装置
162:設定情報抽出部 164:設定情報通知部
166:画面情報受信部 168:画面情報表示部
300、310:2画面表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型情報端末から提供される画面情報を表示可能な電子装置であって、
携帯型情報端末が接続されたか否かを確認する接続確認手段と、
前記接続確認手段により携帯型情報端末の接続が確認されたとき、携帯型情報端末から提供される画面情報の設定に関する設定情報を携帯型情報端末に通知する通知手段と、
前記設定情報に基づき設定された画面情報を携帯型情報端末から受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された画面情報を表示する表示手段と、
を有する電子装置。
【請求項2】
前記設定情報は、電子装置側の画面について設定された情報である、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記設定情報は、画面の背景色に関する情報である、請求項1または2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記背景色に関する情報は、複数の背景色の中からユーザにより選択されたものである、請求項3に記載の電子装置。
【請求項5】
前記設定情報は、画面の輝度に関する情報である、請求項1または2に記載の電子装置。
【請求項6】
前記設定情報は、画面の色合いに関する情報である、請求項1または2に記載の電子装置。
【請求項7】
電子装置はさらに、車両の動作に関する車両情報を検出する検出手段を含み、前記通知手段は、前記車両情報に基づき画面の輝度を異にする設定情報を通知する、請求項5に記載の電子装置。
【請求項8】
電子装置はさらに、車両の動作に関する車両情報を検出する検出手段を含み、前記通知手段は、前記車両情報に基づき画面の色合いを異にする設定情報を通知する、請求項6に記載の電子装置。
【請求項9】
前記検出手段は、車両のイルミネーションスイッチのオンまたはオフ情報を検出する、請求項7または8に記載の電子装置。
【請求項10】
携帯型情報端末から提供される画面情報は、ナビゲーションの道路地図画面である、請求項1ないし9いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項11】
前記表示手段は、2画面表示領域を含み、一方の画面表示領域に電子装置が保有するメディアの画面情報を表示し、他方の画面表示領域に携帯型情報端末から提供された画面情報を表示する、請求項1ないし10いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項12】
請求項1ないし11いずれか1つに記載の電子装置と、当該電子装置に接続された携帯型情報端末とを有するメディアシステムであって、
携帯型情報端末は、
電子装置の通知手段により通知された設定情報に基づき画面情報を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された画面情報を電子装置に送信する送信手段とを有する、メディアシステム。
【請求項13】
前記設定手段は、前記通知手段により通知された背景色に関する情報に基づき画面情報の背景色を設定する、請求項12に記載のメディアシステム。
【請求項14】
前記設定手段は、携帯型情報端末側の画面について設定された携帯側の背景色が前記通知手段により通知された背景色と異なるとき、前記携帯側の背景色を変更する、請求項13に記載のメディアシステム。
【請求項15】
前記設定手段は、前記通知手段により通知された画面の輝度に関する情報に基づき画面情報の輝度を設定する、請求項12に記載のメディアシステム。
【請求項16】
前記設定手段は、前記通知手段により通知された画面の色合いに関する情報に基づき画面情報の色合いを設定する、請求項12に記載のメディアシステム。
【請求項17】
携帯型情報端末から提供された画面情報を表示可能な電子装置が実行する表示プログラムであって、
携帯型情報端末が接続されたか否かを確認するステップと、
携帯型情報端末の接続が確認されたとき、携帯型情報端末から提供される画面情報の設定に関する設定情報を携帯型情報端末に通知するステップと、
前記設定情報に基づき設定された画面情報を携帯型情報端末から受信するステップと、
前記受信された画面情報を表示するステップと、
を有する表示プログラム。
【請求項18】
前記設定情報は、電子装置側の画面について設定された情報である、請求項17に記載の表示プログラム。
【請求項19】
前記設定情報は、画面の背景色に関する情報である、請求項17または18に記載の表示プログラム。
【請求項20】
前記背景色に関する情報は、複数の背景色の中からユーザにより選択されたものである、請求項19に記載の表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−128620(P2012−128620A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278892(P2010−278892)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】