説明

電子装置

【課題】電流制御用トランジスタ、電流検出用抵抗及びオフ駆動用スイッチング素子の少なくともいずれかの異常を検出できる電子装置を提供する。
【解決手段】制御回路は、正常時のミラー期間Tmの終了時t4におけるIGBT110dのゲート電圧がミラー電圧Vmより高い場合、電流制御用FET121aのショート故障、又は、電流検出用抵抗121bのショート故障が発生していると判断する。具体的には、IGBT110dのゲート電圧の立ち上がり時t2を基準として、所定時間T1経過後のt4におけるIGBT110dのゲート電圧に基づいて異常を検出する。これにより、電流制御用FET121a又は電流検出用抵抗121bの異常を検出するころができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング素子と、駆動回路とを備えた電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スイッチング素子と、駆動回路とを備えた電子装置として、例えば特許文献1に開示されているモータ駆動装置がある。
【0003】
このモータ駆動装置は、パワートランジスタと、ゲートドライバとを備えている。ゲートドライバは、第1及び第2電流源と、ゲート電流制御器と、ゲートスイッチング制御器とを備えている。第1電流源は、回路用電源の正極端子とパワートランジスタのゲートの間に接続されている。第2電流源は、パワートランジスタのゲートと回路用電源の負極端子の間に接続されている。ゲート電流制御器は、第1及び第2電流源に接続されている。ゲートスイッチング制御器は、ゲート電流制御器に接続されている。
【0004】
ゲート電流制御器は、ゲートスイッチング制御器から入力される信号に基づいて第1及び第2電流源を制御して第1パワートランジスタを駆動する。ゲートスイッチング制御器から入力される信号がパワートランジスタのオンを指示すると、ゲート電流制御器は、第1電流源を制御して第1パワートランジスタのゲートに所定の電流を流し込む。その結果、ゲート電圧がオン、オフ閾値電圧より高くなり、パワートランジスタがオンする。
【0005】
一方、ゲートスイッチング制御器から入力される信号がパワートランジスタのオフを指示すると、ゲート電流制御器は、第2電流源を制御してパワートランジスタのゲートから所定の電流を引き抜く。その結果、ゲート電圧がオン、オフ閾値電圧より低くなり、パワートランジスタがオフする。
【0006】
ところで、このモータ制御装置は、2つの電流源を備えている。そのため、回路構成が複雑になるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−288856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これに対して、2つの電流源を用いることなく、簡素な構成で、スイッチング素子を駆動することができる電子装置が提案されている。
【0009】
この電子装置は、スイッチング素子と、オン駆動用定電流回路と、オフ駆動用スイッチング素子と、制御回路とを備えている。オン駆動用定電流回路は、電流制御用トランジスタと、電流検出用抵抗とを有している。オン駆動用定電流回路は、駆動用電源回路の正極端子とスイッチング素子の制御端子の間に接続されている。オフ駆動用スイッチング素子は、スイッチング素子の制御端子と駆動用電源回路の負極端子の間に接続されている。制御回路は、オン駆動用定電流回路とオフ駆動用スイッチング素子に接続されている。
【0010】
制御回路は、外部から入力される駆動信号に基づいてオン駆動用定電流回路とオフ駆動用スイッチング素子を制御してスイッチング素子を駆動する。駆動信号がスイッチング素子のオンを指示すると、制御回路は、オフ駆動用スイッチング素子をオフするとともに、オン駆動用定電流回路を制御してスイッチング素子の制御端子に定電流を流れ込む。その結果、制御端子の電圧がオン、オフ閾値電圧より高くなり、スイッチング素子がオンする。
【0011】
一方、駆動信号がスイッチング素子のオフを指示すると、制御回路は、オン駆動用定電流回路の動作を停止するとともに、オフ駆動用スイッチング素子をオンしてスイッチング素子の制御端子から電荷を放電する。その結果、制御端子の電圧がオン、オフ閾値電圧より低くなり、スイッチング素子がオフする。
【0012】
ところで、この電子装置において、電流制御用トランジスタや電流検出抵抗が異常になると、スイッチング素子の制御端子の電圧が低下せず、スイッチング素子をオフできない異常状態が発生することがある。このとき、スイッチング素子の制御端子の電圧が、オン、オフ閾値電圧付近の所定範囲内の電圧であると、オン電圧が増加し、スイッチング素子の発熱が増大する。このような異常状態が継続すると、スイッチング素子が発熱し熱破壊する可能性がある。
【0013】
また、電流制御用トランジスタや電流検出抵抗やオフ駆動用スイッチング素子が異常になると、それに伴って他の回路部分が故障してしまう可能性がある。
【0014】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、電流制御用トランジスタ、電流検出用抵抗及びオフ駆動用スイッチング素子の少なくともいずれかの異常を検出できる電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
そこで、本発明者らは、この課題を解決すべく鋭意研究し試行錯誤を重ねた結果、駆動信号がスイッチング素子のオンを指示しているときのスイッチング素子の制御端子の電圧と時間に基づいて、電流制御用トランジスタ、電流検出用抵抗及びオフ駆動用スイッチング素子の少なくともいずれかの異常を検出できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0016】
すなわち、請求項1に記載の電子装置は、制御端子の電圧を制御することで駆動されるスイッチング素子と、スイッチング素子の制御端子に接続され、スイッチング素子の制御端子に定電流を流し込み電荷を充電するオン駆動用定電流回路と、スイッチング素子の制御端子に接続され、オンすることでスイッチング素子の制御端子から電荷を放電するオフ駆動用スイッチング素子と、入力される駆動信号に基づいてオン駆動用定電流回路とオフ駆動用スイッチング素子を制御することで、スイッチング素子の制御端子の電圧を制御してスイッチング素子を駆動する制御回路と、を備えた電子装置において、オン駆動用定電流回路は、スイッチング素子の制御端子に流し込む電流を制御する電流制御用トランジスタと、電流制御用トランジスタに流れる電流を検出する電流検出用抵抗と、を有し、制御回路は、駆動信号がスイッチング素子のオンを指示しているときのスイッチング素子の制御端子の電圧と時間に基づいて、電流制御用トランジスタ、電流検出用抵抗及びオフ駆動用スイッチング素子の少なくともいずれかの異常を検出することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、駆動信号がスイッチング素子のオンを指示すると、制御回路は、オフ駆動用スイッチング素子をオフするとともに、オン駆動用定電流回路を制御してオン駆動用定電流回路からスイッチング素子の制御端子に定電流を流し込む。これにより、スイッチング素子の制御端子に電荷が充電され、制御端子の電圧が上昇する。このとき、スイッチング素子の制御端子の電圧は、時間の経過とともに特徴的な変化の仕方をする。しかし、電流制御用トランジスタ、電流検出用抵抗及びオフ駆動用スイッチング素子が異常になると、スイッチング素子の制御端子の電圧が、正常時とは異なる変化の仕方をするようになる。そのため、駆動信号がスイッチング素子のオンを指示しているときの、スイッチング素子の制御端子の電圧と時間に基づいて電流制御用トランジスタ、電流検出用抵抗及びオフ駆動用スイッチング素子の少なくともいずれかの異常を検出することができる。
【0018】
請求項2に記載の電子装置は、制御回路は、所定時におけるスイッチング素子の制御端子の電圧に基づいて異常を検出することを特徴とする。この構成によれば、電流制御用トランジスタ、電流検出用抵抗及びオフ駆動用スイッチング素子が異常になると、スイッチング素子の制御端子の電圧が、正常時とは異なる変化の仕方をするようになる。つまり、所定時におけるスイッチング素子の制御端子の電圧が、正常時とは異なるようになる。そのため、所定時におけるスイッチング素子の制御端子の電圧に基づいて判断することで、電流制御用トランジスタ、電流検出用抵抗及びオフ駆動用スイッチング素子の少なくともいずれかの異常を確実に検出することができる。
【0019】
請求項3に記載の電子装置は、制御回路は、正常時のミラー期間終了の所定時におけるスイッチング素子の制御端子の電圧が、ミラー電圧より高い場合、電流制御用トランジスタのショート故障、又は、電流検出用抵抗のショート故障が発生していると判断することを特徴とする。この構成によれば、前述したように、駆動信号がスイッチング素子のオンを指示すると、スイッチング素子の制御端子に電荷が充電され、制御端子の電圧が上昇する。制御端子の電圧が上昇しオン、オフ閾値電圧を超えると、スイッチング素子がオンする。スイッチング素子がオンして電流が流れるようになると、端子間容量を充電するため、ミラー期間の間、制御端子の電圧がミラー電圧に保持される。そして、ミラー期間が終了すると、制御端子の電圧がさらに上昇する。しかし、電流制御用トランジスタのショート故障、又は、電流検出用抵抗のショート故障が発生すると、制御端子に流れ込む電流が増加する。そのため、ミラー期間が正常時より短くなり、正常時のミラー期間終了の所定時におけるスイッチング素子の制御端子の電圧がミラー電圧より高くなる。従って、正常時のミラー期間終了の所定時におけるスイッチング素子の制御端子の電圧が、ミラー電圧より高い場合、電流制御用トランジスタのショート故障、又は、電流検出用抵抗のショート故障が発生していると判断することができる。
【0020】
請求項4に記載の電子装置は、制御回路は、正常時のミラー期間中の所定時におけるスイッチング素子の制御端子の電圧が、ミラー電圧より低い場合、電流制御用トランジスタのオープン故障、電流検出用抵抗のオープン故障及びオフ駆動用スイッチング素子のショート故障の少なくともいずれかが発生していると判断することを特徴とする。この構成によれば、電流制御用トランジスタのオープン故障、電流検出用抵抗のオープン故障及びオフ駆動用スイッチング素子のショート故障の少なくともいずれかが発生すると、制御端子に流れ込む電流が減少する。そのため、制御端子の電圧の上昇が遅くなり、正常時のミラー期間中の所定時におけるスイッチング素子の制御端子の電圧がミラー電圧より低くなる。従って、正常時のミラー期間中の所定時におけるスイッチング素子の制御端子の電圧が、ミラー電圧より低い場合、電流制御用トランジスタのオープン故障、電流検出用抵抗のオープン故障及びオフ駆動用スイッチング素子のショート故障の少なくともいずれかが発生していると判断することができる。
【0021】
請求項5に記載の電子装置は、制御回路は、スイッチング素子の制御端子の電圧の立ち上がりを基準として、所定時間経過後の所定時におけるスイッチング素子の制御端子の電圧に基づいて異常を検出することを特徴とする。この構成によれば、スイッチング素子の制御端子の電圧の立ち上がりを基準として、所定時を特定することができる。そのため、所定時におけるスイッチング素子の制御端子の電圧を特定することができる。従って、異常を確実に検出することができる。
【0022】
請求項6に記載の電子装置は、制御回路は、駆動信号のスイッチング素子のオン指示の開始を基準として、所定時間経過後の所定時におけるスイッチング素子の制御端子の電圧に基づいて異常を検出することを特徴とする。この構成によれば、駆動信号のスイッチング素子のオン指示の開始を基準として、所定時を特定することができる。そのため、所定時におけるスイッチング素子の制御端子の電圧を特定することができる。従って、異常を確実に検出することができる。
【0023】
請求項7に記載の電子装置は、制御回路は、電流制御用トランジスタの制御端子の電圧の立ち上がりを基準として、所定時間経過後の所定時におけるスイッチング素子の制御端子の電圧に基づいて異常を検出することを特徴とする。この構成によれば、電流制御用トランジスタの制御端子の電圧の立ち上がりを基準として、所定時を特定することができる。そのため、所定時におけるスイッチング素子の制御端子の電圧を特定することができる。従って、異常を確実に検出することができる。
【0024】
請求項8に記載の電子装置は、制御回路は、スイッチング素子の制御端子の電圧が所定電圧になるまでの時間に基づいて異常を検出することを特徴とする。この構成によれば、電流制御用トランジスタ、電流検出用抵抗及びオフ駆動用スイッチング素子が異常になると、スイッチング素子の制御端子の電圧が、正常時とは異なる変化の仕方をするようになる。つまり、スイッチング素子の制御端子の電圧が所定電圧になるまでの時間が、正常時とは異なるようになる。そのため、スイッチング素子の制御端子の電圧が所定電圧になるまでの時間に基づいて判断することで、電流制御用トランジスタ、電流検出用抵抗及びオフ駆動用スイッチング素子の異常を確実に検出することができる。
【0025】
請求項9に記載の電子装置は、制御回路は、スイッチング素子の制御端子の電圧がミラー電圧より高い所定電圧になるまでの時間が、正常時より短い場合、電流制御用トランジスタのショート故障、又は、電流検出用抵抗のショート故障が発生していると判断することを特徴とする。この構成によれば、電流制御用トランジスタのショート故障、又は、電流検出用抵抗のショート故障が発生すると、制御端子に流れ込む電流が増加する。そのため、ミラー期間が正常時より短くなり、スイッチング素子の制御端子の電圧が正常時より速くミラー電圧より高くなる。つまり、スイッチング素子の制御端子の電圧がミラー電圧より高い所定電圧になるまでの時間が、正常時より短くなる。従って、スイッチング素子の制御端子の電圧がミラー電圧より高い所定電圧になるまでの時間が、正常時より短い場合、電流制御用トランジスタのショート故障、又は、電流検出用抵抗のショート故障が発生していると判断することができる。
【0026】
請求項10に記載の電子装置は、制御回路は、スイッチング素子の制御端子の電圧が0Vより高く、かつ、ミラー電圧以下である所定電圧になるまでの時間が、正常時より長い場合、電流制御用トランジスタのオープン故障、電流検出用抵抗のオープン故障及びオフ駆動用スイッチング素子のショート故障の少なくともいずれかが発生していると判断することを特徴とする。この構成によれば、電流制御用トランジスタのオープン故障、電流検出用抵抗のオープン故障及びオフ駆動用スイッチング素子のショート故障の少なくともいずれかが発生すると、制御端子に流れ込む電流が減少する。そのため、制御端子の電圧の上昇が遅くなり、スイッチング素子の制御端子の電圧が、なかなかミラー電圧にならない。つまり、スイッチング素子の制御端子の電圧がミラー電圧になるまでの時間が、正常時より長くなる。従って、スイッチング素子の制御端子の電圧が0Vより高く、かつ、ミラー電圧以下である所定電圧になるまでの時間が、正常時より長い場合、電流制御用トランジスタのオープン故障、電流検出用抵抗のオープン故障及びオフ駆動用スイッチング素子のショート故障の少なくともいずれかが発生していると判断することができる。
【0027】
請求項11に記載の電子装置は、制御回路は、スイッチング素子の制御端子の電圧の立ち上がりを基準として、スイッチング素子の制御端子の電圧が所定電圧になるまでの時間に基づいて異常を検出することを特徴とする。この構成によれば、スイッチング素子の制御端子の電圧の立ち上がりを基準として、スイッチング素子の制御端子の電圧が所定電圧になるまでの時間を特定することができる。そのため、異常を確実に検出することができる。
【0028】
請求項12に記載の電子装置は、制御回路は、駆動信号のスイッチング素子のオン指示の開始を基準として、スイッチング素子の制御端子の電圧が所定電圧になるまでの時間に基づいて異常を検出することを特徴とする。この構成によれば、駆動信号のスイッチング素子のオン指示の開始を基準として、スイッチング素子の制御端子の電圧が所定電圧になるまでの時間を特定することができる。そのため、異常を確実に検出することができる。
【0029】
請求項13に記載の電子装置は、制御回路は、電流制御用トランジスタの制御端子の電圧の立ち上がりを基準として、スイッチング素子の制御端子の電圧が所定電圧になるまでの時間に基づいて異常を検出することを特徴とする。この構成によれば、電流制御用トランジスタの制御端子の電圧の立ち上がりを基準として、スイッチング素子の制御端子の電圧が所定電圧になるまでの時間を特定することができる。そのため、異常を確実に検出することができる。
【0030】
請求項14に記載の電子装置は、制御回路は、異常を検出したとき、オフ駆動用スイッチング素子以外でスイッチング素子をオフすることを特徴とする。この構成によれば、電流制御用トランジスタ、電流検出用抵抗及びオフ駆動用スイッチング素子の異常に伴って発生する、他の回路部分の故障を防止することができる。
【0031】
請求項15に記載の電子装置は、スイッチング素子の制御端子に接続され、オンすることでスイッチング素子の制御端子から電荷を放電するオフ保持用スイッチング素子を有し、制御回路は、スイッチング素子の制御端子の電圧がオン、オフ閾値電圧より低いオフ保持閾値以下になると、オフ保持用スイッチング素子を制御してスイッチング素子のオフ状態を保持し、異常を検出したとき、オフ保持用スイッチング素子を制御してスイッチング素子をオフすることを特徴とする。この構成によれば、電流制御用トランジスタ、電流検出用抵抗及びオフ駆動用スイッチング素子の異常時に、スイッチング素子を確実にオフすることができる。
【0032】
請求項16に記載の電子装置は、制御回路は、異常を検出したとき、異常信号を出力することを特徴とする。この構成によれば、電流制御用トランジスタ、電流検出用抵抗及びオフ駆動用スイッチング素子の異常を外部に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】第1実施形態におけるモータ制御装置の回路図である。
【図2】図1における制御装置の回路図である。
【図3】第1実施形態における正常時の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図4】第1実施形態における定電流制御用FET及び電流検出用抵抗の異常検出動作を説明するためのタイムチャートである。
【図5】第2実施形態における電流制御用FET、電流検出用抵抗及びオフ駆動用FETの異常検出動作を説明するためのタイムチャートである。
【図6】第3実施形態における電流制御用FET、電流検出用抵抗及びオフ駆動用FETの異常検出動作を説明するためのタイムチャートである。
【図7】第4実施形態における電流制御用FET、電流検出用抵抗及びオフ駆動用FETの異常検出動作を説明するためのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
次に実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。本実施形態では、本発明に係る電子装置を、車両に搭載され、車両駆動用モータを制御するモータ制御装置に適用した例を示す。
【0035】
(第1実施形態)
まず、図1を参照して第1実施形態のモータ制御装置の構成について説明する。ここで、図1は、第1実施形態におけるモータ制御装置の回路図である。
【0036】
図1に示すモータ制御装置1(電子装置)は、車体から絶縁された高電圧バッテリB1の出力する直流高電圧(例えば288V)を3相交流電圧に変換して車両駆動用モータM1に供給し、車両駆動用モータM1を制御する装置である。モータ制御装置1は、平滑コンデンサ10と、インバータ装置11と、制御装置12とを備えている。
【0037】
平滑コンデンサ10は、高電圧バッテリB1の直流高電圧を平滑化するための素子である。平滑コンデンサ10の一端は、高電圧バッテリB1の正極端子に接続されている。また、他端は、高電圧バッテリB1の負極端子に接続されている。さらに、高電圧バッテリB1の負極端子は、車体から絶縁された高電圧バッテリ用のグランドに接続されている。
【0038】
インバータ装置11は、平滑コンデンサ10によって平滑化された直流電圧を3相交流電圧に変換して車両駆動用モータM1に供給する装置である。インバータ装置11は、IGBT110a〜110f(スイッチング素子)と、電流センス抵抗111a〜111fとを備えている。
【0039】
IGBT110a〜110fは、ゲート(制御端子)の電圧を制御することで駆動され、オン、オフすることで平滑コンデンサ10に平滑化された直流電圧を3相交流電圧に変換するためのスイッチング素子である。IGBT110a〜110fは、コレクタ電流に比例し、コレクタ電流より小さい電流が流れる電流センス端子を備えている。IGBT110a、110d、IGBT110b、110e及びIGBT110c、110fはそれぞれ直列接続されている。具体的には、IGBT110a〜110cのエミッタが、IGBT110d〜110fのコレクタにそれぞれ接続されている。直列接続された3組のIGBT110a、110d、IGBT110b、110e及びIGBT110c、110fは並列接続されている。IGBT110a〜110cのコレクタは平滑コンデンサ10の一端に、IGBT110d〜110fのエミッタは平滑コンデンサ10の他端にそれぞれ接続されている。また、IGBT110a〜110fのゲートとエミッタは制御装置12にそれぞれ接続されている。さらに、直列接続されたIGBT110a、110d、IGBT110b、110e及びIGBT110c、110fの直列接続点は、車両駆動用モータM1にそれぞれ接続されている。
【0040】
電流センス抵抗111a〜111fは、IGBT110a〜110fに流れる電流を電圧に変換するための素子である。具体的には、電流センス端子に流れる電流を電圧に変換する素子である。電流センス抵抗111a〜111fの一端はIGBT110a〜110fの電流センス端子に、他端はIGBT110a〜110fのエミッタにそれぞれ接続されている。また、電流センス抵抗111a〜111fの両端は、制御装置12にそれぞれ接続されている。
【0041】
制御装置12は、IGBT110a〜110fを制御する装置である。制御装置12は、IGBT110a〜110fのゲートとエミッタにそれぞれ接続されている。また、IGBT110a〜110fに流れる電流を検出するため、電流センス抵抗111a〜111fの両端にそれぞれ接続されている。
【0042】
次に、図2を参照して制御装置について詳細に説明する。ここで、図2は、図1における制御装置の回路図である。具体的には、1つのIGBTに対する回路部分を示す回路図である。
【0043】
図2に示すように、制御装置12は、IGBT110dに対して、駆動用電源回路120と、オン駆動用定電流回路121と、オフ駆動用回路122と、オフ保持用回路123と、遮断用回路124と、過電流検出回路126と、短絡検出回路127と、制御回路128とを備えている。制御装置12は、他のIGBT110a〜110c、110e、110fに対しても、それぞれ同様に、駆動用電源回路と、オン駆動用定電流回路と、オフ駆動用回路と、オフ保持用回路と、遮断用回路と、過電流検出回路と、短絡検出回路と、制御回路とを備えている。
【0044】
駆動用電源回路120は、IGBT110dを駆動するための電圧を供給する回路である。駆動用電源回路120は、電源回路(図略)から供給される電圧を安定化して出力する。駆動用電源回路120の入力端子は、電源回路に接続されている。また、正極端子は、オン駆動用定電流回路121に接続されている。さらに、負極端子は、車体から絶縁された高電圧バッテリ用のグランドに接続され、高電圧バッテリ用のグランドを介してIGBT110dのエミッタに接続されている。
【0045】
オン駆動用定電流回路121は、IGBT110dをオンするための回路である。具体的には、IGBT110dのゲートに所定の定電流を流し込んで電荷を充電して、ゲート電圧をオン、オフ閾値電圧より高くし、IGBT110dをオンする回路である。オン駆動用定電流回路121は、電流制御用FET121a(電流制御用トランジスタ)と、電流検出用抵抗121bとを備えている。
【0046】
電流制御用FET121aは、ゲートの電圧を制御することで駆動され、IGBT110dのゲートに所定の定電流を流し込んで電荷を充電する素子である。具体的には、PチャネルMOSFETである。電流検出用抵抗121bは、IGBT110dに流し込む電流を検出する素子である。電流制御用FET121aのソースは、電流検出用抵抗121bを介して駆動用電源回路120の正極端子に接続されている。また、ドレインは、IGBT110dのゲートに接続されている。さらに、ゲートは、制御回路128に接続されている。 加えて、電流検出用抵抗121bの両端は、制御回路128にそれぞれ接続されている。
【0047】
オフ駆動用回路122は、IGBT110dをオフするための回路である。具体的には、IGBT110dのゲートから電荷を放電して、ゲート電圧をオン、オフ閾値電圧より低くし、IGBT110dをオフする回路である。オフ駆動用回路122は、オフ駆動用FET122a(オフ駆動用スイッチング素子)と、オフ駆動用抵抗122bとを備えている。
【0048】
オフ駆動用FET122aは、ゲートの電圧を制御することで駆動され、オンすることでIGBT110dのゲートから電荷を放電するスイッチング素子である。具体的には、NチャネルMOSFETである。オフ駆動用FET122aのソースは、車体から絶縁された高電圧バッテリ用のグランドに接続され、高電圧バッテリ用のグランドを介して駆動用電源回路120の負極端子とIGBT110dのエミッタに接続されている。また、ドレインは、オフ駆動用抵抗122bを介してIGBT110dのゲートに接続されている。さらに、ゲートは、制御回路128に接続されている。
【0049】
オフ保持用回路123は、IGBT110dのオフ状態を保持する回路である。具体的には、IGBT110dのゲート電圧がオン、オフ閾値電圧より低いオフ保持閾値以下になると、オフ駆動用回路122に比べ速やかにIGBT110dのゲートから電荷を放電して、ゲート電圧をオン、オフ閾値電圧より低くし、IGBT110dのオフ状態を保持する回路である。オフ保持用回路123は、オフ保持用FET123a(オフ保持用スイッチング素子)と、ゲート抵抗123bとを備えている。
【0050】
オフ保持用FET123aは、ゲートの電圧を制御することで駆動され、オンすることでIGBT110dのゲートから電荷を放電するスイッチング素子である。具体的には、NチャネルMOSFETである。オフ保持用FET123aのソースは、車体から絶縁された高電圧バッテリ用のグランドに接続され、高電圧バッテリ用のグランドを介して駆動用電源回路120の負極端子とIGBT110dのエミッタに接続されている。また、ドレインは、IGBT110dのゲートに接続されている。さらに、ゲートは、ゲート抵抗123bを介して制御回路128に接続されている。
【0051】
遮断用回路124は、異常が発生したとき、オフ駆動用回路122に代わってIGBT110dをオフする回路である。具体的には、過電流や短絡等の異常が発生したとき、オフ駆動用回路122に比べ緩やかにIGBT110dのゲートから電荷を放電して、ゲート電圧をオン、オフ閾値電圧より低くし、オフ駆動用回路122に代わってIGBT110dのオフする回路である。遮断用回路124は、遮断用FET124aと、遮断用抵抗124bとを備えている。
【0052】
遮断用FET124aは、ゲートの電圧を制御することで駆動され、オンすることでIGBT110dのゲートから電荷を放電するスイッチング素子である。具体的には、NチャネルMOSFETである。遮断用FET124aのソースは、車体から絶縁された高電圧バッテリ用のグランドに接続され、高電圧バッテリ用のグランドを介して駆動用電源回路120の負極端子とIGBT110dのエミッタに接続されている。また、ドレインは、遮断用抵抗124bを介してIGBTのゲートに接続されている。さらに、ゲートは、制御回路128に接続されている。
【0053】
過電流検出回路126は、IGBT110dに過電流が流れているか否かを検出する回路である。具体的には、IGBT110dに流れる電流が過電流閾値より大きくなると、IGB110dTに過電流が流れていると判断する回路である。過電流検出回路126の入力端子は、電流センス抵抗111dの一端に接続されている。また、出力端子は、制御回路128に接続されている。
【0054】
短絡検出回路127は、IGBT110dが短絡状態にあるか否かを検出する回路である。具体的には、IGBT110dに流れる電流が、過電流閾値より大きい短絡電流閾値より大きくなると、IGBT110a、110dがともにオンした短絡状態となり、IGBT110dに短絡電流が流れていると判断する回路である。短絡検出回路127の入力端子は、電流センス抵抗111dの一端に接続されている。また、出力端子は、制御回路128に接続されている。
【0055】
制御回路128は、外部から入力される駆動信号に基づいてオン駆動用定電流回路121とオフ駆動用回路122を制御して、IGBT110dを駆動するとともに、IGBT110dのゲート電圧に基づいてオフ保持用回路123を制御して、IGBT110dのオフ状態を保持する回路である。また、駆動信号がIGBT110dのオンを指示しているときのIGBT110dのゲート電圧と時間に基づいて、電流制御用FET121a及び電流検出用抵抗121bの少なくともいずれかの異常を検出し、オフ駆動用FET122a以外(オフ駆動用スイッチング素子以外)、具体的にはオフ保持用FET123aを制御してIGBT110dをオフするとともに、異常信号を外部に出力する回路でもある。さらに、IGBT110dに過電流が流れたり、IGBT110dが短絡状態になったりした等の異常が発生したとき、オフ駆動用回路122に代わって遮断用回路124を制御して、IGBT110dをオフする回路でもある。制御回路128は、電流制御用FET121a及びオフ駆動用FET122aのゲートにそれぞれ接続されている。また、IGBT110dのゲートに接続されるとともに、ゲート抵抗123bを介してオフ保持用FET123aのゲートに接続されている。さらに、電流検出用抵抗121bの両端に接続されている。加えて、過電流検出回路126及び短絡検出回路127の出力端子、並びに、遮断用FET124aのゲートにそれぞれ接続されている。
【0056】
ここで、駆動用電源回路120、電流制御用FET121a、オフ駆動用FET122a、遮断用FET124a、過電流検出回路126、短絡検出回路127及び制御回路128は、ICとして一体的に構成されている。
【0057】
次に、図1を参照してモータ制御装置の動作について説明する。車両のイグニッションスイッチ(図略)がオンすると、図1に示すモータ制御装置1が動作を開始する。高電圧バッテリB1の直流高電圧は、平滑コンデンサ10によって平滑化される。制御装置12は、外部から入力される駆動信号に基づいて、インバータ装置11を構成するIGBT110a〜110fを制御する。具体的には、IGBT110a〜110fを所定周期でオン、オフする。インバータ装置11は、平滑コンデンサ10によって平滑化された直流高電圧を3相交流電圧に変換して車両駆動用モータM1に供給する。このようにして、モータ制御装置1が車両駆動用モータM1を制御する。
【0058】
次に、図2及び図3を参照してIGBTの駆動動作について説明する。ここで、図3は、第1実施形態における正常時の動作を説明するためのタイムチャートである。図2に示す制御回路128は、外部から入力される駆動信号に基づいて電流制御用FET121aとオフ駆動用FET122aを制御してIGBT110dを駆動する。
【0059】
図3に示すように、駆動信号がt0でIGBT110dのオンを指示すると、制御回路128は、電流検出用抵抗121bの検出結果に基づいて電流制御用FET121aのゲートに印加する電圧を決定する。そして、t1で、オフ駆動用FET122aをオフするとともに、電流制御用FET121aのゲートに電圧を印加して、IGBT110dのゲートに定電流を流し込む。これにより、IGBT110dのゲートに電荷が充電され、t2でIGBT110dのゲート電圧が上昇を開始する。IGBT110dのゲート電圧が上昇し、オン、オフ閾値電圧を超えると、IGBT110dがオンする。IGBT110dがオンしてコレクタ電流が流れるようになると、端子間容量を充電するため、t3でゲート電圧の上昇が停止する。その後、ミラー期間Tmの間、ゲート電圧がミラー電圧Vmに保持される。そして、ミラー期間Tmが終了すると、終了時t4でゲート電圧が上昇を再開し、最終的に駆動用電源回路120の電圧になる。
【0060】
一方、駆動信号がIGBT110dのオフを指示すると、図2に示す制御回路128は、オン駆動用定電流回路121の動作を停止するとともに、オフ駆動用FET122aをオンする。これにより、IGBT110dのゲートからオフ駆動用抵抗122bを介して電荷が放電される。その結果、ゲート電圧がオン、オフ閾値電圧より低くなり、IGBT110dがオフする。そして、ゲート電圧がオン、オフ閾値電圧より低いオフ保持閾値以下になると、制御回路128は、オフ保持用FET123aをオンする。これにより、IGBT110dのゲートからオフ保持用FET123aを介して電荷がさらに放電され、IGBT110dのオフ状態が保持される。
【0061】
ところで、IGBT110dに流れる電流が過電流閾値より大きくなると、過電流検出回路126は、IGBT110dに過電流が流れていると判断する。IGBT110dに流れる電流が短絡電流閾値より大きくなると、短絡検出回路127は、IGBT110a、110dがともにオンした短絡状態にあると判断する。制御回路128は、IGBT110dに過電流が流れたり、IGBT110dが短絡状態になったりした等の異常が発生したと判断すると、オフ駆動用FET122aに代わって遮断用FET124aをオンする。これにより、IGBT110dのゲートから遮断抵抗124bを介して電荷が放電される。その結果、ゲート電圧が、オフ駆動回路122に比べ緩やかにオン、オフ閾値電圧より低くなり、IGBT110dがオフする。
【0062】
次に、図2及び図4を参照して定電流制御用FET及び電流検出抵抗の異常検出動作について説明する。ここで、図4は、第1実施形態における定電流制御用FET及び電流検出用抵抗の異常検出動作を説明するためのタイムチャートである。
【0063】
図2に示す 制御回路128は、駆動信号がIGBT110dのオンを指示しているときの所定時におけるIGBT110dのゲート電圧に基づいて、電流制御用FET121a、電流検出用抵抗121b及びオフ駆動用FET122aの少なくともいずれかの異常を検出する。具体的には、図4に示すように、制御回路128は、正常時のミラー期間Tmの終了時t4におけるIGBT110dのゲート電圧がミラー電圧Vmより高い場合、電流制御用FET121aのショート故障、又は、電流検出用抵抗121bのショート故障が発生していると判断する。より具体的には、IGBT110dのゲート電圧の立ち上がり時t2を基準として、所定時間T1経過後のt4におけるIGBT110dのゲート電圧に基づいて異常を検出する。
【0064】
そして、電流制御用FET121aのショート故障、又は、電流検出用抵抗121bのショート故障が発生していると判断すると、制御回路128は、オフ駆動用FET122a以外、具体的には、オフ保持用FET123aを制御してIGBT110dをオフするとともに、異常信号を出力する。
【0065】
次に、効果について説明する。第1実施形態によれば、駆動信号がIGBT110dのオンを指示すると、制御回路128は、オフ駆動用FET122aをオフするとともに、オン駆動用定電流回路121を制御してオン駆動用定電流回路121からIGBT110dのゲートに定電流を流し込む。これにより、IGBT110dのゲートに電荷が充電され、ゲート電圧が上昇する。このとき、IGBT110dのゲート電圧は、図3に示すように、時間の経過とともに特徴的な変化の仕方をする。しかし、電流制御用FET121a、電流検出用抵抗121b及びオフ駆動用FET122aの少なくともいずれかが異常になると、IGBT110dのゲート電圧が、図4に示すように、正常時とは異なる変化の仕方をするようになる。そのため、駆動信号がIGBT110dのオンを指示しているときのIGBT110dのゲート電圧と時間に基づいて、電流制御用FET121a、電流検出用抵抗121b及びオフ駆動用FET122aの少なくともいずれかの異常を検出することができる。
【0066】
第1実施形態によれば、電流制御用FET121a、電流検出用抵抗121b及びオフ駆動用FET122aの少なくともいずれかが異常になると、図4に示すように、所定時におけるIGBT110dのゲート電圧が、正常時とは異なるようになる。そのため、所定時におけるIGBT110dのゲート電圧に基づいて判断することで、電流制御用FET121a、電流検出用抵抗121b及びオフ駆動用FET122aの少なくともいずれかの異常を確実に検出することができる。
【0067】
第1実施形態によれば、図3に示すように、駆動信号がIGBT110dのオンを指示すると、IGBT110dのゲートに電荷が充電され、ゲート電圧が上昇する。ゲート電圧が上昇しオン、オフ閾値電圧を超えると、IGBT110dがオンする。IGBT110dがオンしてコレクタ電流が流れるようになると、端子間容量を充電するため、ミラー期間Tmの間、ゲート電圧がミラー電圧Vmに保持される。そして、ミラー期間Tmが終了すると、ゲート電圧がさらに上昇する。しかし、電流制御用FET121aのショート故障、又は、電流検出用抵抗121bのショート故障が発生すると、ゲートに流れ込む電流が増加する。そのため、ミラー期間が正常時より短くなり、正常時のミラー期間Tmの終了時t4におけるIGBT110dのゲート電圧がミラー電圧Vmより高くなる。従って、正常時のミラー期間Tmの終了時t4におけるIGBT110dのゲート電圧が、ミラー電圧Vmより高い場合、電流制御用FET121aのショート故障、又は、電流検出用抵抗121bのショート故障が発生していると判断することができる。
【0068】
第1実施形態によれば、制御回路128は、IGBT110dのゲート電圧の立ち上がり時t2を基準として、所定時間T1経過後のt4におけるIGBT110dのゲート電圧に基づいて異常を検出する。そのため、IGBT110dのゲート電圧の立ち上がり時t2を基準として、所定時t4を特定することができる。従って、所定時t4におけるIGBT110dのゲート電圧を特定することができ、異常を確実に検出することができる。
【0069】
第1実施形態によれば、制御回路128は、異常を検出したとき、オフ駆動用FET122a以外でIGBT110dをオフする。そのため、電流制御用FET121a又は電流検出用抵抗121bの異常に伴って発生する、他の回路部分の故障を防止することができる。
【0070】
第1実施形態によれば、制御回路128は、異常を検出したとき、オフ保持用FET123aを制御してIGBT110dをオフする。そのため、電流制御用FET121a又は電流検出用抵抗121bの異常時に、IGBT110dを確実にオフすることができる。
【0071】
第1実施形態によれば、制御回路128は、異常を検出したとき、異常信号を出力する。そのため、電流制御用FET121a又は電流検出用抵抗121bの異常を外部に知らせることができる。
【0072】
なお、第1実施形態では、制御回路128が、IGBT110dのゲート電圧の立ち上がり時t2を基準として、所定時間経過後のt4におけるIGBT110dのゲート電圧に基づいて異常を検出する例を挙げているが、これに限られるものではない。
【0073】
制御回路128は、図4に示す駆動信号のIGBT110dのオン指示の開始時t0を基準として、所定時間経過後のt4におけるIGBT110dのゲート電圧に基づいて異常を検出するようにしてもよい。駆動信号のIGBT110dのオン指示の開始時t0を基準として、所定時t4を特定することができる。そのため、所定時t4におけるIGBT110dのゲート電圧を特定することができる。従って、異常を確実に検出することができる。
【0074】
また、電流制御用FET121aのゲート電圧の立ち上がり時t1を基準として、所定時間経過後の所定時t4におけるIGBT110dのゲート電圧に基づいて異常を検出するようにしてもよい。電流制御用FET121aのゲート電圧の立ち上がり時t1を基準として、所定時t4を特定することができる。そのため、所定時t4におけるIGBT110dのゲート電圧を特定することができる。従って、異常を確実に検出することができる。
【0075】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のモータ制御装置について説明する。第2実施形態のモータ制御装置は、第1実施形態のモータ制御装置が、ミラー期間終了の所定時におけるIGBTのゲート電圧に基づいて異常を検出するのに対して、ミラー期間中の所定時におけるIGBTのゲート電圧に基づいて異常を検出するようにしたものである。第2実施形態のモータ制御装置は、制御回路の異常検出動作を除いて第1実施形態のモータ制御装置と同一構成である。
【0076】
まず、図2及び図5を参照して制御回路の異常検出動作について説明する。ここで、図5は、第2実施形態における電流制御用FET、電流検出用抵抗及びオフ駆動用FETの異常検出動作を説明するためのタイムチャートである。
【0077】
図2に示す制御回路128は、図5に示すように、正常時のミラー期間Tm中のt5におけるIGBT110dのゲート電圧がミラー電圧Vmより低い場合、電流制御用FET121aのオープン故障、電流検出用抵抗121bのオープン故障及びオフ駆動用FET122aショート故障の少なくともいずれかが発生していると判断する。具体的には、IGBT110dの駆動信号の立ち上がり時t0を基準として、所定時間T2経過後のt5におけるIGBT110dのゲート電圧に基づいて異常を検出する。
【0078】
次に、効果について説明する。第2実施形態によれば、電流制御用FET121aのオープン故障、電流検出用抵抗121bのオープン故障及びオフ駆動用FET122aのショート故障の少なくともいずれかが発生すると、ゲートに流れ込む電流が減少する。そのため、ゲート電圧の上昇が遅くなり、正常時のミラー期間Tm中のt5におけるIGBT110dのゲート電圧がミラー電圧Vmより低くなる。従って、正常時のミラー期間Tm中のt5におけるIGBT110dのゲート電圧が、ミラー電圧Vmより低い場合、電流制御用FET121aのオープン故障、電流検出用抵抗121bのオープン故障及びオフ駆動用FET122aのショート故障の少なくともいずれかが発生していると判断することができる。
【0079】
第2実施形態によれば、制御回路128は、駆動信号のIGBT110dのオン指示の開始t0を基準として、所定時間T2経過後のt5におけるIGBT110dのゲート電圧に基づいて異常を検出する。そのため、駆動信号のIGBT110dのオン指示の開始t0を基準として、所定時t5を特定することができる。そのため、所定時t5におけるIGBT110dのゲート電圧を特定することができ、異常を確実に検出することができる。
【0080】
なお、第2実施形態では、制御回路128が、駆動信号のIGBT110dのオン指示の開始t0を基準として、所定時間T2経過後のt5におけるIGBT110dのゲート電圧に基づいて異常を検出する例を挙げているが、これに限られるものではない。
【0081】
電流制御用FET121aのゲート電圧の立ち上がり時t1を基準として、所定時間経過後の所定時t5におけるIGBT110dのゲート電圧に基づいて異常を検出するようにしてもよい。電流制御用FET121aのゲート電圧の立ち上がり時t1を基準として、所定時t5を特定することができる。そのため、所定時t5におけるIGBT110dのゲート電圧を特定することができる。従って、異常を確実に検出することができる。
【0082】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態のモータ制御装置について説明する。第3実施形態のモータ制御装置は、第1実施形態のモータ制御装置が、所定時におけるIGBTのゲート電圧に基づいて異常を検出するのに対して、IGBTのゲート電圧が所定電圧になるまでの時間に基づいて異常を検出するようにしたものである。第3実施形態のモータ制御装置は、制御回路の異常検出動作を除いて第1実施形態のモータ制御装置と同一構成である。
【0083】
まず、図2及び図6を参照して制御回路の異常検出動作について説明する。ここで、図6は、第3実施形態における電流制御用FET、電流検出用抵抗及びオフ駆動用FETの異常検出動作を説明するためのタイムチャートである。
【0084】
図2に示す 制御回路128は、駆動信号がIGBT110dのオンを指示しているときのIGBT110dのゲート電圧が所定電圧になるまでの時間に基づいて、電流制御用FET121a電流検出用抵抗121b及びオフ駆動用FET122aの少なくともいずれかの異常を検出する。具体的には、図6に示すように、制御回路128は、IGBT110dのゲート電圧がミラー電圧Vmより高い所定電圧V2になるまでの時間T3が、正常時における時間T4より短い場合、電流制御用FET121aのショート故障、又は、電流検出用抵抗121bのショート故障が発生していると判断する。より具体的には、IGBT110dのゲート電圧の立ち上がり時t2を基準として、IGBT110dのゲート電圧が所定電圧V2になるまでの時間に基づいて異常を検出する。
【0085】
次に、効果について説明する。第3実施形態によれば、電流制御用FET121a、電流検出用抵抗121b及びオフ駆動用FET122aの少なくともいずれかが異常になると、図6に示すように、IGBT110dのゲート電圧が所定電圧になるまでの時間が、正常時とは異なるようになる。そのため、IGBT110dのゲート電圧が所定電圧になるまでの時間に基づいて判断することで、電流制御用FET121a、電流検出用抵抗121b及びオフ駆動用FET122aの少なくともいずれかの異常を確実に検出することができる。
【0086】
第3実施形態によれば、電流制御用FET121aのショート故障、又は、電流検出用抵抗121bのショート故障が発生すると、ゲートに流れ込む電流が増加する。そのため、ミラー期間が正常時より短くなり、IGBT110dのゲート電圧が正常時より速くミラー電圧Vmより高くなる。つまり、IGBT110dのゲート電圧がミラー電圧Vmより高い所定電圧V2になるまでの時間が、正常時より短くなる。従って、IGBT110dのゲート電圧がミラー電圧Vmより高い所定電圧V2になるまでの時間T3が、正常時における時間T4より短い場合、電流制御用FET121aのショート故障、又は、電流検出用抵抗121bのショート故障が発生していると判断することができる。
【0087】
第3実施形態によれば、制御回路128は、IGBT110dのゲート電圧の立ち上がり時t2を基準として、IGBT110dのゲート電圧が所定電圧V2になるまでの時間に基づいて異常を検出する。そのため、IGBT110dのゲート電圧の立ち上がり時t2を基準として、IGBT110dのゲート電圧が所定電圧V2になるまでの時間T3を特定することができる。従って、異常を確実に検出することができる。
【0088】
なお、第3実施形態では、制御回路128が、IGBT110dのゲート電圧の立ち上がり時t2を基準として、IGBT110dのゲート電圧が所定電圧V2になるまでの時間に基づいて異常を検出する例を挙げているが、これに限られるものではない。
【0089】
制御回路128は、図6に示す駆動信号のIGBT110dのオン指示の開始時t0を基準として、IGBT110dのゲート電圧が所定電圧V2になるまでの時間に基づいて異常を検出するようにしてもよい。駆動信号のIGBT110dのオン指示の開始時t0を基準として、IGBT110dのゲート電圧が所定電圧V2になるまでの時間を特定することができる。そのため、異常を確実に検出することができる。
【0090】
また、電流制御用FET121aのゲート電圧の立ち上がり時t1を基準として、IGBT110dのゲート電圧が所定電圧V2になるまでの時間に基づいて異常を検出するようにしてもよい。駆動信号のIGBT110dのゲート電圧の立ち上がり時t1を基準として、IGBT110dのゲート電圧が所定電圧V2になるまでの時間を特定することができる。そのため、異常を確実に検出することができる。
【0091】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態のモータ制御装置について説明する。第4実施形態のモータ制御装置は、第3実施形態のモータ制御装置が、IGBTのゲート電圧がミラー電圧より高い所定電圧になるまでの時間に基づいて異常を検出するのに対して、IGBTのゲート電圧が0Vより高く、かつ、ミラー電圧以下である所定電圧になるまでの時間に基づいて異常を検出するようにしたものである。第3実施形態のモータ制御装置は、制御回路の異常検出動作を除いて第3実施形態のモータ制御装置と同一構成である。
【0092】
まず、図2及び図7を参照して制御回路の異常検出動作について説明する。ここで、図7は、第4実施形態における電流制御用FET、電流検出用抵抗及びオフ駆動用FETの異常検出動作を説明するためのタイムチャートである。
【0093】
図2に示す制御回路128は、図7に示すように、IGBT110dのゲート電圧が0Vより高く、かつ、ミラー電圧Vm以下である所定電圧V3になるまでの時間が、正常時における時間T5より長い場合、電流制御用FET121aのオープン故障、電流検出用抵抗121bのオープン故障及びオフ駆動用FET122aショート故障の少なくともいずれかが発生していると判断する。具体的には、IGBT110dの駆動信号の立ち上がり時t0を基準として、IGBT110dのゲート電圧が所定電圧V3になるまでの時間に基づいて異常を検出する。なお、IGBT110dのゲート電圧が継続して0Vである場合、正常時における時間T5より長くなったときに異常と判断する。
【0094】
次に、効果について説明する。第4実施形態によれば、電流制御用FET121aのオープン故障、電流検出用抵抗121bのオープン故障及びオフ駆動用FET122aのショート故障の少なくともいずれかが発生すると、ゲートに流れ込む電流が減少する。そのため、ゲート電圧の上昇が遅くなり、IGBT110dのゲート電圧がなかなかミラー電圧Vmにならない。つまり、IGBT110dのゲート電圧がミラー電圧Vmになるまでの時間が、正常時より長くなる。従って、IGBT110dのゲート電圧が0Vより高く、かつ、ミラー電圧Vm以下である所定電圧V3になるまでの時間が、正常時のおける時間T5より長い場合、電流制御用FET121aのオープン故障、電流検出用抵抗121bのオープン故障及びオフ駆動用FET122aのショート故障の少なくともいずれかが発生していると判断することができる。
【0095】
第4実施形態によれば、制御回路128は、駆動信号のIGBT110dのオン指示の開始時t0を基準として、IGBT110dのゲート電圧が所定電圧V3になるまでの時間に基づいて異常を検出する。そのため、駆動信号のIGBT110dのオン指示の開始時t0を基準として、IGBT110dのゲート電圧が所定電圧V3になるまでの時間を特定することができる。従って、異常を確実に検出することができる。
【0096】
なお、第4実施形態では、制御回路128が、駆動信号のIGBT110dのオン指示の開始時t0を基準として、IGBT110dのゲート電圧が所定電圧V3になるまでの時間に基づいて異常を検出する例を挙げているが、これに限られるものではない。
【0097】
電流制御用FET121aのゲート電圧の立ち上がりt1を基準として、IGBT110dのゲート電圧が所定電圧V3になるまでの時間に基づいて異常を検出するようにしてもよい。電流制御用FET121aのゲート電圧の立ち上がりt1を基準として、IGBT110dのゲート電圧が所定電圧V3になるまでの時間を特定することができる。そのため、異常を確実に検出することができる。
【0098】
また、第1〜第4実施形態では、駆動用電源回路120、電流制御用FET121a、オフ駆動用FET122a、遮断用FET124a、過電流検出回路126、短絡検出回路127及び制御回路128が、ICとして一体的に構成されている例を挙げているが、これに限られるものではない。IGBTに流し込む電流が大きい場合、電流制御用FETをICに外付けするような構成としてもよい。
【符号の説明】
【0099】
1・・・モータ制御装置(電子装置)、10・・・平滑コンデンサ、11・・・インバータ装置、110a〜110d・・・IGBT(スイッチング素子)、111a〜111f・・・電流センス抵抗、12・・・制御装置、120・・・駆動用電源回路、121・・・オン駆動用定電流回路、121a・・・電流制御用FET(電流制御用トランジスタ)、121b・・・電流検出用抵抗、122・・・オフ駆動用回路、122a・・・オフ駆動用FET(オフ駆動用スイッチング素子)、122b・・・オフ駆動用抵抗、123・・・オフ保持用回路、123a・・・オフ保持用FET(オフ保持用スイッチング素子)、123b・・・ゲート抵抗、124・・・遮断用回路、124a・・・遮断用FET、124b・・・遮断用抵抗、126・・・過電流検出回路、127・・・短絡検出回路、128・・・制御回路、B1・・・高電圧バッテリ、M1・・・車両駆動用モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御端子の電圧を制御することで駆動されるスイッチング素子と、
前記スイッチング素子の制御端子に接続され、前記スイッチング素子の制御端子に定電流を流し込み電荷を充電するオン駆動用定電流回路と、
前記スイッチング素子の制御端子に接続され、オンすることで前記スイッチング素子の制御端子から電荷を放電するオフ駆動用スイッチング素子と、
入力される駆動信号に基づいて前記オン駆動用定電流回路と前記オフ駆動用スイッチング素子を制御することで、前記スイッチング素子の制御端子の電圧を制御して前記スイッチング素子を駆動する制御回路と、
を備えた電子装置において、
前記オン駆動用定電流回路は、
前記スイッチング素子の制御端子に流し込む電流を制御する電流制御用トランジスタと、
前記電流制御用トランジスタに流れる電流を検出する電流検出用抵抗と、
を有し、
前記制御回路は、駆動信号が前記スイッチング素子のオンを指示しているときの前記スイッチング素子の制御端子の電圧と時間に基づいて、前記電流制御用トランジスタ、前記電流検出用抵抗及び前記オフ駆動用スイッチング素子の少なくともいずれかの異常を検出することを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記制御回路は、所定時における前記スイッチング素子の制御端子の電圧に基づいて異常を検出することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記制御回路は、正常時のミラー期間終了の所定時における前記スイッチング素子の制御端子の電圧が、ミラー電圧より高い場合、前記電流制御用トランジスタのショート故障、又は、前記電流検出用抵抗のショート故障が発生していると判断することを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記制御回路は、正常時のミラー期間中の所定時における前記スイッチング素子の制御端子の電圧が、ミラー電圧より低い場合、前記電流制御用トランジスタのオープン故障、前記電流検出用抵抗のオープン故障及び前記オフ駆動用スイッチング素子のショート故障の少なくともいずれかが発生していると判断することを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
【請求項5】
前記制御回路は、前記スイッチング素子の制御端子の電圧の立ち上がりを基準として、所定時間経過後の所定時における前記スイッチング素子の制御端子の電圧に基づいて異常を検出することを特徴とする請求項2又は3に記載の電子装置。
【請求項6】
前記制御回路は、駆動信号の前記スイッチング素子のオン指示の開始を基準として、所定時間経過後の所定時における前記スイッチング素子の制御端子の電圧に基づいて異常を検出することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項7】
前記制御回路は、前記電流制御用トランジスタの制御端子の電圧の立ち上がりを基準として、所定時間経過後の所定時における前記スイッチング素子の制御端子の電圧に基づいて異常を検出することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項8】
前記制御回路は、前記スイッチング素子の制御端子の電圧が所定電圧になるまでの時間に基づいて異常を検出することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項9】
前記制御回路は、前記スイッチング素子の制御端子の電圧がミラー電圧より高い所定電圧になるまでの時間が、正常時より短い場合、前記電流制御用トランジスタのショート故障、又は、前記電流検出用抵抗のショート故障が発生していると判断することを特徴とする請求項8に記載の電子装置。
【請求項10】
前記制御回路は、前記スイッチング素子の制御端子の電圧が0Vより高く、かつ、ミラー電圧以下である所定電圧になるまでの時間が、正常時より長い場合、前記電流制御用トランジスタのオープン故障、前記電流検出用抵抗のオープン故障及び前記オフ駆動用スイッチング素子のショート故障の少なくともいずれかが発生していると判断することを特徴とする請求項8に記載の電子装置。
【請求項11】
前記制御回路は、前記スイッチング素子の制御端子の電圧の立ち上がりを基準として、前記スイッチング素子の制御端子の電圧が所定電圧になるまでの時間に基づいて異常を検出することを特徴とする請求項8又は9に記載の電子装置。
【請求項12】
前記制御回路は、駆動信号の前記スイッチング素子のオン指示の開始を基準として、前記スイッチング素子の制御端子の電圧が所定電圧になるまでの時間に基づいて異常を検出することを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項13】
前記制御回路は、前記電流制御用トランジスタの制御端子の電圧の立ち上がりを基準として、前記スイッチング素子の制御端子の電圧が所定電圧になるまでの時間に基づいて異常を検出することを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項14】
前記制御回路は、異常を検出したとき、前記オフ駆動用スイッチング素子以外で前記スイッチング素子をオフすることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項15】
前記スイッチング素子の制御端子に接続され、オンすることで前記スイッチング素子の制御端子から電荷を放電するオフ保持用スイッチング素子を有し、
前記制御回路は、前記スイッチング素子の制御端子の電圧がオン、オフ閾値電圧より低いオフ保持閾値以下になると、前記オフ保持用スイッチング素子を制御して前記スイッチング素子のオフ状態を保持し、異常を検出したとき、前記オフ保持用スイッチング素子を制御して前記スイッチング素子をオフすることを特徴とする請求項14に記載の電子装置。
【請求項16】
前記制御回路は、異常を検出したとき、異常信号を出力することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の電子装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−165618(P2012−165618A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26166(P2011−26166)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】