説明

電子装置

【課題】ケーブルのプラグを接続ポートから容易に抜き出すことができる電子装置を提供すること。
【解決手段】本発明に係る電子装置は、ハウジングと、前記ハウジング内に装着されるプラグ抜き出し補助部品及びプラグと、を備える。前記ハウジングの内部には、前記開口の位置に対応するコネクタが設けられ、前記プラグの底面には、前記コネクタの底部に係止される弾片を有し、前記プラグ抜き出し補助部品は、突上げ部材及び前記突上げ部材に対してスライド可能に装着される操作部材を備える。前記突上げ部材は弾性フックを有し、前記操作部材には推進ブロックが設けられる。前記操作部材が前記突上げ部材から離れるようにスライドされると、前記操作部材の推進ブロックは、前記弾性フックを上方へ移動させ、従って、前記弾性フックは、前記プラグの前記弾片を上へ突上げて該弾片を前記コネクタから離脱させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラグ抜き出し補助部品を備える電子装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術において、ケーブルのプラグを電子装置の接続ポートから抜き出す際には、先ず、前記プラグの底面に設けられた弾性フックを押圧して、該弾性フックと前記接続ポートとの係合関係を解除してから、該プラグを抜き出す。しかし、空間に制限があるため、ユーザーは、前記弾性フックを押圧することが難しく、また、前記弾性フックを幾度となく押圧すると、次第に該弾性フックの弾性力は弱くなり、前記プラグと前記接続ポートとの係合が緩む問題が度々発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上の問題点に鑑みて、本発明は、ケーブルのプラグを接続ポートから容易に抜き出すことができる電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために、本発明に係る電子装置は、ハウジングと、前記ハウジング内に装着されるプラグ抜き出し補助部品及びプラグと、を備える。前記ハウジングは、開口を有する側板を含み、前記ハウジングの内部には、前記開口の位置に対応するコネクタが設けられ、前記プラグの底面には、前記コネクタの底部に係止される弾片を有し、前記プラグ抜き出し補助部品は、突上げ部材及び前記突上げ部材の底面にスライド可能に装着される操作部材を備え、前記突上げ部材は、突上げ部が設けられている弾性フックを有し、前記突上げ部は、前記プラグの前記弾片に対応し且つ該突上げ部材の末端から上方へ垂直に突出しており、前記弾性フックの底面の両側には、楔形状を呈する2つのブロックが間隔をあけて設けられ、前記操作部材には、推進ブロックが設けられ、前記操作部材が前記突上げ部材から離れるようにスライドされると、前記操作部材の前記推進ブロックは、前記ブロックを上方へ推進して、前記弾性フックを上方へ移動させ、従って、前記弾性フックの前記突上げ部は、前記プラグの前記弾片を上方へ突上げて該弾片を前記コネクタから離脱させる。
【発明の効果】
【0005】
従来の技術とは異なり、本発明の電子装置には、プラグ抜き出し補助部品が固定されており、該プラグ抜き出し補助部品は、互いにスライド可能に装着される突上げ部材及び操作部材を備える。前記突上げ部材は、その末端に突上げ部が設けられた弾性フックを有する。前記操作部材を前記突上げ部材に対してスライドさせることにより、前記弾性フックを上方へ移動させ、該弾性フックの前記突上げ部によって、前記プラグの弾片を上片へ突上げて、該弾片と前記導通部材との係合関係を解除する。つまり、本発明の電子装置は、操作部材をスライドすることを介して、ケーブルのプラグの弾片を電子装置のハウジングの接続ポートから離脱させるため、従来の構成及び解除操作と比較して、その構造が簡単で、且つその操作が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の実施形態に係る電子装置とケーブルのプラグとの接続状態を示す図である。
【図2】図1の部分的な分解斜視図である。
【図3】図2に示したプラグ抜き出し補助部品の分解斜視図である。
【図4】図1に示した電子装置とケーブルのプラグとのIV−IV線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1及び図2に示したように、本発明の実施形態に係る電子装置100は、ハウジング10と、プラグ抜き出し補助部品20と、を備え、該プラグ抜き出し補助部品20は、プラグ30を容易に抜き出すために用いられる。前記プラグ30は、本体部32及び該本体部32の一端から、前方斜め下に延伸して形成された弾片34を含む。
【0008】
前記ハウジング10は側板12を備え、該側板12は開口121を備える。また、前記ハウジング10の内部における前記側板12の後方には、該開口121に対向して、コネクタ14が設けられており、前記本体部32は、該コネクタ14内に挿入接続される。前記コネクタ14は、横断面が「T」字形を呈する収容キャビティ141を有し、該収容キャビティ141の対向する2つの側壁の底部の末端には、1つの係止用ブロック143がそれぞれ突設されている。前記ハウジング10は、更に、固定板16を備え、該固定板16上には、複数の固定孔161が設けられている。前記固定板16は、前記コネクタ14の下方で、該コネクタ14と互いに離間して配置され、且つ前記開口121の外部まで延在する。
【0009】
図3及び図4に示すように、前記プラグ抜き出し補助部品20は、突上げ部材22及び操作部材25を備える。前記突上げ部材22の底部には、該突上げ部材22の長手方向に沿って、その両端を貫通する「T」字形のスライドレール221が設けられている。また、前記突上げ部材22の頂部には、前記スライドレール221と互いに連通する略「U」字形の貫通溝223が設けられ、前記突上げ部材22の一端の中央部には、前記貫通溝223の内部へ延伸する弾性フック225が設けられている。前記弾性フック225の末端には、上方に向かって垂直に突出する突き上げ部226が設けられ、前記弾性フック225の底面の両側には、楔形状を呈する2つのブロック227が間隔をあけて設けられている。各々の前記ブロック227は、前記弾性フック225の底面の中間部まで延在する斜面228を有する。また、前記突上げ部材22の底面には、複数の固定ピン229が設けられている。
【0010】
前記操作部材25は、操作部251と、推進部253と、前記操作部251と前記推進部253との間に位置する連接部255と、を備え、且つこれらは一体に成形される。前記連接部255の幅は、前記操作部251及び前記推進部253の幅より小さい。前記連接部255から離れている前記操作部251の一端には、把手252が突設され、前記推進部253の中央部には、収容凹所256が設けられている。前記推進部253における前記収容凹所256の、前記連接部255から遠位に位置した一端には、前記収容凹所256内に向かって延伸する楔形状の推進ブロック257が形成されている。
【0011】
前記プラグ抜き出し補助部品20を組み立てる際、先ず、前記突上げ部材22を前記操作部材25に対して被せるようにして、前記操作部材25の前記推進部253及び前記連接部255を前記突上げ部材22の底部の前記スライドレール221内に装着する。この際、前記操作部251は、前記突上げ部材22の外部へ露出しており、前記突上げ部材22の2つの前記ブロック227は、前記推進部253の前記収容凹所256内に収納される。これにより、前記推進部253及び前記連接部255は、前記スライドレール221に沿ってスライドすることができる。次に、前記操作部材25及び前記突上げ部材22を、共に前記ハウジング10の前記コネクタ14と前記固定板16との間に挿入し、且つ前記突上げ部材22の複数の前記固定ピン229を、前記固定板16の前記固定孔161内にそれぞれ係止させる。これにより、前記プラグ抜き出し補助部品20は、前記ハウジング10に安定して固定される。この際、前記突上げ部材22の前記弾性フック225は、前記コネクタ14の前記収容キャビティ141に対向し、前記弾性フック225の前記突上げ部226は、前記コネクタ14の前方且つ下方に位置する。
【0012】
前記プラグ30を前記電子装置100の接続ポート内に挿入接続する場合、前記本体部32を、前記コネクタ14の前記収容キャビティ141内に挿入して、前記弾片34の前記本体部32に連接された一端の両側を下方へ押圧して、該弾片34を前記収容キャビティ141の2つの前記係止用ブロック143の間に係止させる。この際、前記弾片34の前記一端の反対側の他端は、前記収容キャビティ141から突き出ており、且つ前記弾性フック225の前記突上げ部226の真上に位置する。
【0013】
前記プラグ30を前記電子装置100の接続ポートから抜き出す際、ユーザーは、前記把手252を持った後、前記操作部251を手前に引っ張ることで、前記推進部253及び前記連接部255は、前記突上げ部材22の前記スライドレール221に沿って、前方(つまり、ユーザーに対して手前の方向)へスライドし、前記推進部253の前記推進ブロック257は、前記弾性フック225の前記ブロック227の前記斜面228に当接される。この際、前記弾性フック225は上方へ推進される。従って、前記弾性フック225の前記突上げ部226は、前記プラグ30の前記弾片34を上方へ突上げ、前記弾片34は、前記本体部32の底面に近接するように移動し、前記収容キャビティ141の2つの前記係止用ブロック143から離脱する。これにより、ユーザーは、前記プラグ30を容易に抜き出すことができる。
【0014】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形又は修正が可能であり、該変形又は修正も又、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0015】
10 ハウジング
12 側板
14 コネクタ
16 固定板
20 プラグ抜き出し補助部品
22 突上げ部材
25 操作部材
30 プラグ
32 本体部
34 弾片
100 電子装置
121 開口
141 収容キャビティ
143 係止用ブロック
161 固定孔
221 スライドレール
223 貫通溝
225 弾性フック
226 突上げ部
227 ブロック
228 斜面
229 固定ピン
251 操作部
252 把手
253 推進部
255 連接部
256 収容凹所
257 推進ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、前記ハウジング内に装着されるプラグ抜き出し補助部品及びプラグと、を備える電子装置であって、
前記ハウジングは、開口を有する側板を含み、前記ハウジングの内部には、前記開口の位置に対応するコネクタが設けられ、前記プラグの底面には、前記コネクタの底部に係止される弾片を有し、前記プラグ抜き出し補助部品は、突上げ部材及び前記突上げ部材の底面にスライド可能に装着される操作部材を備え、前記突上げ部材は、突上げ部が設けられている弾性フックを有し、前記突上げ部は、前記プラグの前記弾片に対応し且つ該突上げ部材の末端から上方へ垂直に突出しており、前記弾性フックの底面の両側には、楔形状を呈する2つのブロックが間隔をあけて設けられ、前記操作部材には、推進ブロックが設けられ、
前記操作部材が前記突上げ部材から離れるようにスライドされると、前記操作部材の前記推進ブロックは、前記ブロックを上方へ推進して、前記弾性フックを上方へ移動させ、従って、前記弾性フックの前記突上げ部は、前記プラグの前記弾片を上方へ突上げて該弾片を前記コネクタから離脱させることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記突上げ部材の底部には、スライドレールが設けられ、前記操作部材は、操作部と、前記スライドレール内にスライド可能に設けられる推進部と、前記操作部及び前記推進部を一体に連接する連接部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記突上げ部材の頂面には、前記スライドレールと互いに連通する貫通溝が設けられ、前記弾性フックは、前記貫通溝の内部に延伸していることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項4】
前記推進部の中央部には、前記ブロックを収納するための収容凹所が設けられ、前記推進ブロックは、前記側板から遠位に位置した前記収容凹所の一端に設けられることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
前記スライドレールはT字形を呈し、前記連接部の幅は前記操作部及び前記推進部の幅より小さく、前記推進部及び前記連接部は、前記スライドレール内にスライド可能に収納され、前記操作部は、前記突上げ部材の外部へ露出することを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
【請求項6】
前記コネクタの下方には、該コネクタに離間して配置され、且つ前記開口の外部まで延在する固定板が設けられ、前記固定板には複数の固定孔が設けられ、前記突上げ部材の底面には、複数の固定ピンが設けられ、複数の前記固定ピンを複数の前記固定孔内にそれぞれ係止することにより、前記突上げ部材を前記固定板に固定することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−69675(P2013−69675A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−183101(P2012−183101)
【出願日】平成24年8月22日(2012.8.22)
【出願人】(503023069)鴻富錦精密工業(深▲セン▼)有限公司 (399)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】