説明

電子装置

【課題】簡単に外部カバーを天井に取り付けることができる電子装置を提供する。
【解決手段】外部カバー6の外部フランジ62には、カバー固定ネジ8のネジ頭を通す第1通し穴63と、第1通し穴63に連通し、当該第1通し穴63から弧状に延在する第1長穴64であって、カバー固定ネジ8のネジ頭を通さない第1長穴64と、第1長穴64の一端から他端までの間に形成され、カバー固定ネジ8のネジ頭が嵌め込まれる凹部65と、が設けられ、この凹部65を設けることにより第1通し穴63と第1長穴64との連結部の縁部に段差67が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置に係り、特に、取付ステーと、前記取付ステーに取り付けられる電子機器と、前記取付ステーに取り付けられる外部カバーと、を備えた電子装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上述した電子装置として、例えば、図8及び図9に示されたドーム型カメラ100が知られている(特許文献1)。図8に示すように、ドーム型カメラ100は、撮影を行うためのカメラユニット101と、カメラユニット101を覆うためのカバー部102と、を備えている。上記カメラユニット101は、図8に示すように、取付面としての天井に取り付けられる取付ステーとしてのシャーシ103と、このシャーシ103に取り付けられる電子機器としてのカメラレンズ104と、シャーシ103にカメラレンズ104を取り付けるためのカメラ土台105及びカメラ取付部106と、を有している。上記シャーシ103は、カバー部102をカメラユニット101に係合するための第1係合受け部107a、107bを有している。カメラ土台105及びカメラ取付部106は、カメラレンズ104の撮影方向の傾き及び回転を調整するために設けられており、所定の方向を撮影できるように調整されている。
【0003】
カバー部102は、シャーシ103に取り付けられるリング状のカバー基材108と、カメラユニット101を覆うドーム状の外部カバー109と、外部カバー109の内側に位置するドーム状の内部カバー110と、を有している。上記カバー基材108には、シャーシ103に設けた第1係合受け部107a、107bと係合する第1係合部111a、111bと、外部カバー109及び内部カバー部110を支持するためにその内周面から突出した第1止め受け部112(図9)と、が設けられている。
【0004】
外部カバー109は、図9に示すように、カメラユニット101を覆う中空状の外部ドーム部113と、外部ドーム部113の縁から外側に突出して形成されたフランジ状の第1端部114と、を有している。内部カバー110は、図9に示すように、外部ドーム113の内側に沿って設けられた内部ドーム部115と、内部ドーム部115の縁から外側に突出して形成されたフランジ状の第2端部116と、を有している。
【0005】
上記構成の外部カバー109をカバー基材108の内部に上から挿入すると、カバー基材108に設けた上記第1止め受け部112の上に外部カバー109に設けた第1端部114が重ねられ、外部カバー109がカバー基材108に支持される。さらに内部カバー110をカバー基材108の内部に上から挿入すると、外部カバー109に設けた第1端部114の上に内部カバー115に設けた第2端部116が重ねられ、内部カバー110もカバー基材108に支持される。上述したようにカバー基材108に外部カバー部109及び内部カバー部110を支持させた状態で、カバー基材108の第1止め受け部112をシャーシ106に設けた第1係合受け部107a、107bに係合させて、取付が完了する。
【0006】
上述したドーム型カメラ100によれば、外部カバー109及び内部カバー110をシャーシ103に固定するには、カバー基材108が必要となるため、コストアップになる、という問題があった。また、カバー基材108の第1係合部111a、111bがそれぞれシャーシ103の第1係合受け部107a、107bに係合する際、係合部が見えない状態での作業となるため、正しく係合されているかが分からない、という問題もあった。カバー基材108の第1係合部111a、111bがそれぞれシャーシ103の第1係合受け部107a、107bに係合しているだけなので、車両の振動および車室内の温度変化による樹脂形成部の膨張収縮により、係合が緩んでくる恐れがある、という問題があった。
【0007】
そこで、カメラユニット101に取付ネジに螺合するネジ穴を設け、例えば外部カバー109の第1端部114及び内部カバー110の第2端部116に長穴を設け、取付ネジによりカメラユニット101に外部カバー109及び内部カバー110を取り付けることが考えられる。しかしながら、外部カバー109及び内部カバー110の長穴とカメラユニット101のネジ穴とが重ねるように、外部カバー109及び内部カバー110を天井に取り付けられるカメラユニット101に対して手で押さえた状態で、長穴とネジ穴とに取付ネジを通して螺合させる、という作業が非常に困難である、という問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−356668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、簡単に外部カバーを取り付けることができる電子装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するための請求項1記載の発明は、取付ステーと、前記取付ステーに取り付けられる電子機器と、前記取付ステーに取り付けられる外部カバーと、を備えた電子装置において、前記取付ステーに設けられたネジ穴に螺合される取付ネジをさらに備え、前記外部カバーが、前記電子機器を覆う外部カバー本体と、前記外部カバー本体の周縁から外部に突出した外部フランジと、から構成され、前記外部フランジには、前記取付ネジのネジ頭を通す第1通し穴と、前記第1通し穴に連通し、当該第1通し穴から弧状に延在する第1長穴であって、前記取付ネジのネジ頭を通さない第1長穴と、が設けられ、前記第1通し穴と前記第1長穴との連結部の周縁に段差が設けられるように前記第1長穴の周縁が凹状に設けられていることを特徴とする電子装置に存する。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記外部カバーの内側に沿うように設けられた内部カバーをさらに備え、前記内部カバーが、前記電子機器を覆う内部カバー本体と、前記内部カバー本体の周縁から外部に突出し、前記外部フランジに重ねられる内部フランジと、から構成され、前記内部フランジには、前記第1通し穴に重ねられ、前記ネジ頭を通すことができる第2通し穴と、前記第1長穴に重ねられ、前記ネジ頭を通すことができない第2長穴と、が設けられ、前記外部カバー及び前記内部カバーには、前記第1通し穴と前記第2通し穴とが重なり、前記第1長穴と前記第2長穴とが重なる位置に互いに位置決めする位置決め手段がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子装置に存する。
【0012】
請求項3記載の発明は、前記取付ステーは、前記電子機器を取り付けるためのネジ穴が形成された円盤状の電子機器取付部と、前記電子機器取付部の外縁から突出し、前記取付ネジを螺合するネジ穴が設けられたカバー取付部と、前記電子機器取付部の外縁から突出し、ネジ穴が形成されたステー取付部と、が1枚の金属板を打ち抜き加工することにより一体に設けられ、前記ステー取付部が、前記電子機器取付部と垂直に折り曲げられた第1折曲部と、前記第1折曲部よりも先端側に形成され、外側に向かって前記電子機器取付部と平行に折り曲げられた第2折曲部と、を備え、前記第2折曲部よりも先端に前記ネジ穴が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子装置に存する。
【0013】
請求項4記載の発明は、前記電子機器がカメラであることを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の電子装置に存する。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、取付面である天井などに取り付けられた取付ステーに取付ネジを螺合した後、外部カバーの第1通し孔から取付ネジのネジ頭を通して、その後外部カバーを回転させて、取付ネジの軸を第1長穴に通すことができる。第1長穴はネジ頭を通さないように設けられているため、外部カバーから手を離してもネジ頭に支持されるため外部カバーが落下することはない。また、作業中に第1長穴に通されたネジ軸が第1通し穴に向かう方向に外部カバーが回転しても、ネジ頭が段差に当接して、第1通し孔まで回されることがないため作業中に外部カバーが落下することを防止できる。その後、取付ネジが第1長穴に挿入されている範囲内で外部カバーを回転させて取付位置を調整した後、取付ネジをさらに締めればその位置で固定することができるので、簡単に外部カバーを取り付けることができる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、外部カバー及び内部カバーには、第1通し穴と第2通し穴とが重なり、第1長穴と第2長穴とが重なる位置に互いに固定する位置決め手段がそれぞれ設けられているので、外部カバー及び内部カバーを互いに重ねて位置決めした後、外部カバー及び内部カバーをまとめて取付ステーに取り付けることができ、簡単に外部カバー及び内部カバーを天井などに取り付けることができる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、ステー取付部に第1、第2折曲部を設けることにより第2折曲部よりも先端を天井などに重ねて配置したとき、電子機器取付部及びカバー取付部と天井などとの間に隙間ができ、1枚の金属板を打ち抜き加工する簡単な製造方法でこれら電子機器取付部及びカバー取付部にネジを螺合させることができる。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、簡単にカメラの外部カバーを取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の電子装置としてのドーム型カメラの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示すドーム型カメラの分解斜視図である。
【図3】図1の部分拡大図である。
【図4】(A)〜(C)はそれぞれ図1に示すドーム型カメラの側面図、正面図、背面図である。
【図5】図4(B)のI−I線断面図である。
【図6】図1に示すドーム型カメラの組み立て手順を説明するための斜視図である。
【図7】図1に示すドーム型カメラの組み立て手順を説明するための斜視図である。
【図8】従来の電子装置としてのドーム型カメラの一例を示す分解斜視図である。
【図9】図8に示すドーム型カメラの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態における電子装置としてのドーム型カメラについて図1〜図7を参照して説明する。図2及び図5などに示すように、ドーム型カメラ1は、取付ステー2と、取付ステー2を取付面である天井などにネジ止めするための取付ステー固定ネジ3と、取付ステー2に取り付けられるカメラユニット4と、カメラユニット4を取付ステー2に取り付けるためのカメラユニット固定ネジ5と、取付ステー2に取り付けられる外部カバー6及び内部カバー7と、外部カバー6及び内部カバー7を取付ステー2に取り付けるための取付ネジとしてのカバー固定ネジ8と、を備えている。
【0020】
上記取付ステー2は、カメラユニット固定ネジ5が螺合されるカメラユニット固定ネジ穴21aが形成された円盤状の電子機器取付部としてのカメラ取付部21と、カメラ取付部21の外縁から突出し、カバー固定ネジ8を螺合するカバー固定ネジ穴22aが設けられた3つのカバー取付部22と、カメラ取付部21の外縁から突出し、取付ステー固定ネジ3が螺合される取付ステー固定ネジ穴23aが形成された3つのステー取付部23と、が1枚の金属板を打ち抜き加工することにより一体に設けられている。
【0021】
上記カバー取付部22及びステー取付部23は、カメラ取付部21の外縁に沿って交互に設けられている。上記カバー取付部22に設けられた5つのカメラユニット固定ネジ穴21aのうち4つは正方形の頂点位置に設けられ、残りの1つはその正方形の中心に設けられている。このようにすることで、カメラユニット4を90度づつ回転させた位置でそれぞれ取付ステー2に取り付けることができる。
【0022】
上記ステー取付部23は、カメラ取付部21の外縁に沿って天井に向かってカメラ取付部21と垂直に折り曲げられた第1折曲部23bと、第1折曲部23bよりも先端側に形成され、外側に向かってカメラ取付部21と平行に折り曲げられた第2折曲部23cと、を備え、第2折曲部23cよりも先端に取付ステー固定ネジ穴23aが形成されている。この取付ステー固定ネジ穴23aは、カメラ取付部21の外縁に沿った長穴に形成されている。
【0023】
上記カメラユニット4は、撮影を行うカメラ41と、カメラ41の撮影方向の傾きを調整可能に取り付けるカメラステー42と、カメラ41をカメラステー42に取り付けるためのカメラ固定ネジ43と、を備えている。上記カメラ41からはケーブル44が引き出されている。
【0024】
上記外部カバー6は、後述の内部カバー7のカメラ切欠部71aからのゴミ等の侵入を防止し、例えば透明なプラスチック等の透明材料から形成されている。外部カバー6は、カメラユニット4を覆うドーム状の外部カバー本体としての外部ドーム61と、この外部ドーム61の周縁から外側に突出した外部フランジ62と、から構成されている。外部フランジ62は、図3〜図5に示すように、外部ドーム61側に設けられた天井と平行な第1外部フランジ部62aと、第1外部フランジ部62aの外部ドーム61から離れた端部から天井に向かって立設して設けられた第2外部フランジ部62bと、が設けられている。
【0025】
そして、上記第1外部フランジ部62aには、図3及び図4示すように、カバー固定ネジ8のネジ頭を通す第1通し穴63と、第1通し穴63に連通し、第1通し穴63から弧状に延在する第1長穴64であって、カバー固定ネジ8のネジ頭を通さない第1長穴64と、後述する内部カバー7を位置決めするための位置決め凹部66(図4(C))と、が設けられている。また、図3に示すように、上記第1通し穴63と第1長穴64との連結部の縁部に段差67が設けられるように、第1長穴64の周縁に凹部65が形成されている。
【0026】
上記凹部65は、第1長穴64の一端から他端に亘って形成され、カバー固定ネジ8のネジ頭を嵌め込むことができるようにその幅がカバー固定ネジ8のネジ頭の径よりも少し大きめに設けられている。上記位置決め凹部66は、図4(C)に示すように、第1外部フランジ部62aの天井側の面に設けられ、カメラ取付部21の中心を中心軸とした120度ずつ3箇所に設けられている。上記第2外部フランジ部62bには、図4(A)に示すように、ケーブル44を外部に引き出すためのケーブル切欠68が設けられている。
【0027】
上記内部カバー7は、カメラユニット4が外部から視認できないように、不透明材料から形成されていて、外部カバー6の内側に沿うように設けられている。内部カバー7は、図2及び図5外部ドーム61の内側に沿うように設けられたドーム状の内部カバー本体としての内部ドーム71と、内部ドーム71の周縁から外側に突出して設けられ、外部フランジ62に重ねられる内部フランジ72と、から構成されている。内部ドーム71には、カメラ切欠部71aが設けられ、このカメラ切欠部71aを介してカメラユニット4が撮影する構造となっている。
【0028】
上記内部フランジ72は、図3及び図5に示すように、内部ドーム71側に設けられた天井と平行な第1内部フランジ部72aと、第1内部フランジ部72aの内部ドーム71から離れた側の端部から天井に向かって立設して設けられた第2内部フランジ部72bと、が設けられている。
【0029】
上記第1内部フランジ部72aは、外部カバー6の第1外部フランジ部62aに重ねられる。上記第1内部フランジ部72aには、図2に示すように、第1通し穴63に重ねられ、カバー固定ネジ8のネジ頭を通すことができる第2通し穴73と、第1長穴64に重ねられ、カバー固定ネジ8のネジ頭を通すことができない第2長穴74と、上記外部カバー6を位置決めするための位置決め手段としての位置決め凸部75と、が設けられている。
【0030】
第2通し穴73と第2長穴74とは連結されている。上記位置決め凸部75は、図2に示すように、第1内部フランジ部72aの天井から離れた側の面に設けられ、カメラ取付部21の中心を中心軸とした120度ずつ3箇所に設けられていて、前記外部カバー6に設けた位置決め手段としての位置決め凹部66に嵌め込むことができる。上記第2内部フランジ部72bは、外部カバー6の第1外部フランジ部62aに重ねられる。上記第2内部フランジ部72bには、ケーブル44を引き出すためのケーブル切欠76が設けられている。
【0031】
次に、上述した構成のドーム型カメラ1の取り付けて順について説明する。まず、図6に示すように、取付ステー2の所望の位置にカメラユニット4をカメラユニット固定ネジ5で固定し、さらに取付ステー2のカバー固定ネジ穴22aにカバー固定ネジ8を仮締めしておく。次に、取付ステー2を取付ステー固定ネジ3で天井に取り付ける。
【0032】
また、内部カバー7に設けた位置決め凸部75と外部カバー6に設けた位置決め凹部66とが嵌合するように、外部カバー6及び内部カバー7を重ねる。これにより、外部カバー6及び内部カバー7のケーブル切欠68及び76、第1通し穴63及び第2通し穴73、第1長穴64及び第2長穴74が重なり合う。その後、図7(A)に示すように、ケーブル44の引き出し方向に互いに重ねられたケーブル切欠68、76を向けて、ケーブル44をケーブル切欠68、76に通す。次に、外部カバー6及び内部カバー7の第1通し穴63及び第2通し穴73に取付ステー2に仮締めされたカバー固定ネジ8のネジ頭を通し、外部カバー6及び内部カバー7を時計方向に回すことで、図7(B)に示すように、カバー固定ネジ8の軸を第1長穴64、第2長穴74に通してネジ頭を凹部65に嵌める。これにより外部カバー6及び内部カバー7から手を離しても外部カバー6及び内部カバー7が落下することはない。
【0033】
また、何らかの拍子で第1長穴64及び第2長穴74に通されたカバー固定ネジ8のネジ軸が第1通し穴63及び第2通し穴73に向かう方向に外部カバー6及び内部カバー7が回転しても、カバー固定ネジ8のネジ頭が段差67に当接して、第1通し穴63及び第2通し穴73まで回されることがないため作業中に外部カバー6及び内部カバー7が落下することはない。
【0034】
その後、図7(C)に示すように、内部カバー7のカメラ切欠71aの中心がカメラユニット4の中心になるように外部カバー6及び内部カバー7を回転させながら微調整し、ドライバーなどでカバー固定ネジ8を締め付けて取り付けが完了する。
【0035】
上述したドーム型カメラ1によれば、外部カバー6の外部フランジ62には、カバー固定ネジ8のネジ頭を通す第1通し穴63と、第1通し穴63に連通し、当該第1通し穴63から弧状に延在する第1長穴64であって、カバー固定ネジ8のネジ頭を通さない第1長穴64と、が設けられ、第1通し穴63と第1長穴64との連結部の周縁に段差67が設けられるように、第1長穴64の周縁に凹部65が設けられている。これにより、上述したように天井に取り付けられた取付ステー2にカバー固定ネジ8を螺合した後、外部カバー6の第1通し孔63からカバー固定ネジ8のネジ頭を通して、その後外部カバー6を回転させて、カバー固定ネジ8の軸を第1長穴64に通すと共にネジ頭を凹部65に嵌め込むことができる。第1長穴64はネジ頭を通さないように設けられているため、外部カバー6から手を離してもネジ頭に支持されるため外部カバー6が落下することはない。また、作業中に第1長穴64に通されたネジ軸が第1通し穴63に向かう方向に外部カバー6が回転しても、ネジ頭が段差に当接して、第1通し孔63まで回されることがないため作業中に外部カバー6が落下することを防止できる。その後、カバー固定ネジ8が第1長穴64に挿入されている範囲内で外部カバー6を回転させて取付位置を調整した後、カバー固定ネジ8をさらに締めればその位置で固定することができるので、簡単に外部カバー6を天井に取り付けることができる。
【0036】
また、上述したドーム型カメラ1によれば、外部カバー6及び内部カバー7には、第1通し穴63と第2通し穴73とが重なり、第1長穴73と第2長穴74とが重なる位置に互いに固定する位置決め凹部66、位置決め凸部75がそれぞれ設けられているので、外部カバー6及び内部カバー7を互いに重ねて位置決めした後、外部カバー6及び内部カバー7をまとめて取付ステー2に取り付けることができ、簡単に外部カバー6及び内部カバー7を天井に取り付けることができる。
【0037】
また、上述したドーム型カメラ1によれば、ステー取付部23に第1、第2折曲部23b、23cを設けることにより第2折曲部23bよりも先端を天井に重ねて配置したとき、カメラ取付部21及びカバー取付部22と天井との間に隙間ができ、1枚の金属板を打ち抜き加工する簡単な製造方法でこれらカメラ取付部12及びカバー取付部22にカメラユニット固定ネジ5、カバー固定ネジ8を螺合させることができる。
【0038】
なお、上述した実施形態は、外部カバー6及び内部カバー7を備えたドーム型カメラ1に適用したものを挙げていたが、本発明はこれに限ったものではない。天井に取り付ける電子装置であればよく、ドーム型カメラに限ったものではなく、内部カバー7を備えていなくてもよい。
【0039】
また、上述した取付ステー2は、1枚の金属板を打ち抜き加工して設けていたが、本発明はこれに限ったものではない。取付ステー2としては、樹脂などで構成されたものであってもよい。
【0040】
また、上述した実施形態では、外部カバー6に位置決め凹部66、内部カバー7に位置決め凸部75を設けていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、外部カバー6に位置決め凸部75を設け、内部カバー7に位置決め凹部66を設けるようにしてもよい。
【0041】
また、上述したカメラユニット4は、ネジ止めにより取付ステー2に取り付けられていたが、本発明はこれに限ったものではない。係合によって取付ステー2に取り付けられるようにしてもよい。
【0042】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 ドーム型カメラ(電子装置)
2 取付ステー
6 外部カバー
7 内部カバー
8 カバー固定ネジ(取付ネジ)
21 カメラ取付部(電子機器取付部)
22 カバー取付部
23 ステー取付部
23b 第1折曲部
23c 第2折曲部
22a カバー固定ネジ穴(ネジ穴)
61 外部ドーム(外部カバー本体)
62 外部フランジ
63 第1通し穴
64 第1長穴
65 凹部
66 位置決め凹部(位置決め手段)
67 段差
71 内部ドーム(内部カバー本体)
72 内部フランジ
73 第2通し穴
74 第2長穴
75 位置決め凸部(位置きめ手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付ステーと、前記取付ステーに取り付けられる電子機器と、前記取付ステーに取り付けられる外部カバーと、を備えた電子装置において、
前記取付ステーに設けられたネジ穴に螺合される取付ネジをさらに備え、
前記外部カバーが、前記電子機器を覆う外部カバー本体と、前記外部カバー本体の周縁から外部に突出した外部フランジと、から構成され、
前記外部フランジには、前記取付ネジのネジ頭を通す第1通し穴と、前記第1通し穴に連通し、当該第1通し穴から弧状に延在する第1長穴であって、前記取付ネジのネジ頭を通さない第1長穴と、が設けられ、
前記第1通し穴と前記第1長穴との連結部の周縁に段差が設けられるように前記第1長穴の周縁が凹状に設けられていることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記外部カバーの内側に沿うように設けられた内部カバーをさらに備え、
前記内部カバーが、前記電子機器を覆う内部カバー本体と、前記内部カバー本体の周縁から外部に突出し、前記外部フランジに重ねられる内部フランジと、から構成され、
前記内部フランジには、前記第1通し穴に重ねられ、前記ネジ頭を通すことができる第2通し穴と、前記第1長穴に重ねられ、前記ネジ頭を通すことができない第2長穴と、が設けられ、
前記外部カバー及び前記内部カバーには、前記第1通し穴と前記第2通し穴とが重なり、前記第1長穴と前記第2長穴とが重なる位置に互いに位置決めする位置決め手段がそれぞれ設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記取付ステーは、前記電子機器を取り付けるためのネジ穴が形成された円盤状の電子機器取付部と、前記電子機器取付部の外縁から突出し、前記取付ネジを螺合するネジ穴が設けられたカバー取付部と、前記電子機器取付部の外縁から突出し、ネジ穴が形成されたステー取付部と、が1枚の金属板を打ち抜き加工することにより一体に設けられ、
前記ステー取付部が、前記電子機器取付部と垂直に折り曲げられた第1折曲部と、前記第1折曲部よりも先端側に形成され、外側に向かって前記電子機器取付部と平行に折り曲げられた第2折曲部と、を備え、前記第2折曲部よりも先端に前記ネジ穴が形成されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記電子機器がカメラであることを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−92600(P2013−92600A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233672(P2011−233672)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(501418498)矢崎エナジーシステム株式会社 (79)
【Fターム(参考)】