電子認証カード発行装置
【課題】
電子認証に用いる電子認証カードを経済的にかつ迅速に作製できる電子認証カード発行装置を提供する。
【解決手段】
演算処理装置１に、管理者がデータの入力操作を行う入力装置２と各種の情報を表示する情報表示装置３とデータを記憶する記憶装置４とを備える。電子認証カード作製手段９において、記載情報のある名刺等を台紙７として使用し、台紙７にＩＣタグ８を一体化して電子認証カードを作製する。演算処理装置１には、台紙として用いる名刺の記載情報を読取る記載情報読取部５及びＩＣタグ８の固有の素子ＩＤを読取るＩＣタグ読取部６を接続し、ＩＣタグ８の素子ＩＤに読取った記載情報や付加情報を関連付けたデータを記憶装置４に記憶させ、電子認証のデータベースとして活用する。
電子認証に用いる電子認証カードを経済的にかつ迅速に作製できる電子認証カード発行装置を提供する。
【解決手段】
演算処理装置１に、管理者がデータの入力操作を行う入力装置２と各種の情報を表示する情報表示装置３とデータを記憶する記憶装置４とを備える。電子認証カード作製手段９において、記載情報のある名刺等を台紙７として使用し、台紙７にＩＣタグ８を一体化して電子認証カードを作製する。演算処理装置１には、台紙として用いる名刺の記載情報を読取る記載情報読取部５及びＩＣタグ８の固有の素子ＩＤを読取るＩＣタグ読取部６を接続し、ＩＣタグ８の素子ＩＤに読取った記載情報や付加情報を関連付けたデータを記憶装置４に記憶させ、電子認証のデータベースとして活用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、電子認証カード発行装置に係り、特に名刺等の記載情報の台紙及びＩＣタグを使った電子認証カード発行装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
一般に、来訪者（利用者）が工場やビル等の建物或いは管理された特別の室の内部に入る場合には、受付において利用者の氏名や所属を所定の用紙に記入し、許可を受けると共に許可バッチを付けて入場や入室を行っている。
【０００３】
また、入場や入室のためにＩＣタグを使用した電子認証カードを使用するときには、この電子認証カードに個人のＩＤ（ｉｄｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ）や氏名等の情報を記録するため、一般には書き込み機能付きＩＣタグを使用して電子認証カードを作製している。また、電子認証カードでは、無線タグの情報と利用者に関する情報などを暗号化し、その結果を電子的、印刷又は磁気的な手段によって無線タグが装着されている非接触ＩＣ電子認証カードに保持させるということも知られている（特許文献１参照）。
【０００４】
【特許文献１】特開２００５−１８８０７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
従来のように、訪問の度に受付において来訪者（利用者）が、所定の用紙に記入して許可を受けるのでは、受付事務ばかりか管理面から見ても煩雑となっている。また、従来の電子認証カードは、これを短時間に発行するのは管理上難しい状況にある。発行する電子認証カードには個人情報等を記録するため、電子認証カードを紛失した場合には、記録した情報が漏洩する可能性があり、セキュリティの点で問題が生ずる恐れがあった。
【０００６】
しかも、電子認証カードに書き込み機能付きＩＣタグを使用する場合には、ＩＣタグに情報を書き込むための専用書き込み装置が必要であり、電子認証カードが経済的に製作できない欠点がある。
【０００７】
本発明の目的は、電子認証カードを経済的にかつ迅速に作製できる電子認証カード発行装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明の電子認証カード発行装置では、演算処理装置とデータの入力操作を行う入力装置と情報を表示する情報表示装置とを有し、前記演算処理装置には、電子認証カード作製手段で作製する電子認証カードの台紙の記載情報を読取る記載情報の記載情報読取部及び電子認証カードのＩＣタグの素子ＩＤを読取るＩＣタグ読取部とを接続し、前記ＩＣタグの読取った素子ＩＤに関連付けて前記台紙から読取った記載情報と前記入力装置から付加する付加情報とのデータを記憶させる記憶装置を備えて構成するものである。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、記載情報のある台紙とＩＣタグを用いて、電子認証に使用できる電子認証カードを、経済的にかつ迅速に作製できる電子認証カード発行装置を提供でき、作製して電子認証に用いる電子認証カードは、台紙に記載情報以外は知られることがないので、情報漏洩に対するセキュリティに優れたものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
以下、本発明の電子認証カード発行装置を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
本発明では、台紙とＩＣタグとから電子認証カード作製手段で、電子認証カードを作製する。電子認証カードの台紙の記載情報は、記載情報読取部で読取り、また電子認証カードのＩＣタグの素子ＩＤは、ＩＣタグ読取部で読取る構成である。そして、ＩＣタグから読取った素子ＩＤに、台紙から読取った記載情報と入力装置から付加する付加情報とを関連付けたデータを記憶させる記憶装置を備えている。
【実施例１】
【００１１】
本発明の電子認証カード発行装置を、来訪者が提示した名刺を台紙と用いた図１に示す一実施例を用いて説明する。電子認証カード発行装置は、後述するように統括的に制御するための各構成要素を備える演算処理装置１と、受付を行う管理者がデータの入力操作を行うマウスやキーボード等の入力装置２と、各種の情報を画面に表示する情報表示装置３とを有している。これら演算処理装置１と入力装置２と情報表示装置３との構成は、一般に使用される電子計算機（パーソナルコンピュータ：パソコン）を使用できる。
【００１２】
来訪者が受付時に提示した名刺は、そのまま記載情報のある台紙７として使用され、電子認証カード作製手段９において、台紙７に一般に知られているＩＣタグ８を接着等により固定して電子認証カードを作製する。電子認証カード作製手段９には、パッケージ装置１０を備えており、これによって台紙７としての名刺とＩＣタグ８をより強固に一体化でき、損傷や台紙７の記載情報を改変できぬ電子認証カード１０を容易に作製できる。これにより、折れや汚れに強く、ＩＣタグが剥がれ落ちる心配のない電子認証カードを作製することができる。
このパッケージ装置１０としては、例えば、ナイロン・ポリエステル・ポリエチレン等の樹脂フィルムに熱を加え、圧着して内容物となる台紙７とＩＣタグ８を密封するラミネート装置が使用できる。
【００１３】
本発明の電子認証カード作製手段９では、来訪者が名刺を所持していない場合でも、名刺状の定型フォーマット用紙を使用し、これに来訪者が氏名等の情報を手書きで記入することによって、これを名刺の代わりに台紙として使用することができ、また運転免許証等のコピーを台紙として使用できる。このため、これらの台紙７にＩＣタグを一体にして電子認証カードを作製できるため、迅速にかつ経済的に作製できるし、この作製した電子認証カードは即座に使用することができる。
【００１４】
演算処理装置１には、台紙７の記載情報を画像データとして読取る記載情報読取部５と、ＩＣタグ８の素子ＩＤを読取るＩＣタグ読取部６が接続されている。この記載情報読取部５において、来訪者が提示した名刺の記載情報を画像データとして読取り、読取った文字情報は、演算処理装置１内に設ける文字認識処理を行う文字認識処理部１２、記載情報処理部１３、情報修正処理部１４を用いて名刺の記載情報を適切に判読処理する。またＩＣタグ読取部６においては、ＩＣタグ８の素子ＩＤ情報を読取り、同様に演算処理装置１内に設けるＩＣタグ読取処理部１６において読取処理する。
【００１５】
読取ったＩＣタグ８の素子ＩＤには、台紙７の記載情報が関連づけられ、更に必要に応じて入力装置２によって入力された付加情報等を、演算処理装置１内に設ける付加情報処理部１５で文字を付加したデータとされて、このデータを記憶装置４に記憶して電子認証のデータベースを作成する。
【００１６】
このデータベースを作るデータ構造の一例を図２に示している。記憶装置４には、図２に示すようにＩＣタグの素子ＩＤに関連付けて台紙の記載情報である氏名、組織名及び連絡先と、付加情報であるパスワードを登録する。このデータには、電子認証カードの運用に合わせて、必要により種々の付加情報のデータ項目を追加することもできる。付加情報としては、例えば来訪者の年齢、性別、登録日、使用有効期限、面会者、立ち入り許可場所や時間等を使用する。
【００１７】
本発明で作製する電子認証カードは、ＩＣタグの素子ＩＤに関連付けた付加情報は、記憶装置４に記憶しているので、電子認証カードを万一紛失しても、台紙の記載情報と素子ＩＤしか知られず、重要な付加情報は漏洩することがないから、セキュリティを維持することができる。
【００１８】
なお、電子認証カード１１の関連データを記憶する記憶装置４は、図１の例では演算処理装置１とは別に設けて他の装置と組合せできるようにしているが、記憶装置４を演算処理装置１内に設けることもできる。
【００１９】
上記した演算処理装置１は、記憶装置４と組合せて電子認証サーバ２１として利用することができる。この場合には、図１に示すように演算処理装置１の内部に検索照合処理部１８を設け、演算処理装置１には通信網２２を介して少なくとも一つの認証端末２３を接続して電子認証装置を構成する。認証端末２３は、作製した電子認証カード１１におけるＩＣタグの情報の読取りに用いるＩＣタグ読取部２４と、来訪者が入力操作する付加情報入力部２５を備えて構成する。
【００２０】
本発明の装置における電子認証カードの発行処理フローを図３に示している。まず、管理者は来訪者から受け取った名刺等の記載情報のある台紙７を、記載情報読取部５において記載情報の読取処理を開始する（ステップＳ３１）。記載情報読取部５は、名刺の記載情報を画像データとして読み込む。演算処理装置１内の文字認識処理部１２で読み込んだ画像データを文字として認識する文字認識処理を行う（ステップＳ３２）と共に、記載情報処理部１３で記載情報を処理する。そして、情報表示装置３により、認識結果の表示を行う。
【００２１】
管理者は、情報表示装置３に表示された認識結果を確認し、必要があれば入力装置２から入力し、情報修正処理部１４で名刺の記載情報の修正処理を行う（ステップＳ３３）。また、必要に応じて入力装置２から名刺の記載以外の情報を入力し、付加情報処理部１５する付加情報の入力処理を行う（ステップＳ３４）。
【００２２】
ＩＣタグ読取部６においては、ＩＣタグ８の持つ固有の素子ＩＤの読取りを行い（ステップＳ３５）、名刺の記載情報と入力装置２から入力した付加情報及び素子ＩＤを、記憶装置４に登録する（ステップＳ３６）。パッケージ装置９は、名刺７とＩＣタグ８を一体化して、電子認証カード１０を作製する（ステップＳ３７）。したがって、記載情報のある台紙７とＩＣタグ８を利用して電子認証に用いる電子認証カード１１を簡単に経済的に作製できる電子認証カード発行装置として利用することができる。
【００２３】
データを作成するために、台紙７とＩＣタグ８とを一体にして電子認証カード１１を作製してから、台紙７となる名刺の記載情報を記載情報読取部５とＩＣタグ読取部６でそれぞれ読取るようにしても、台紙７となる名刺とＩＣタグ８とを別々に読取ってから一体にしても何ら変わりがない。
【００２４】
本発明の演算処理装置１を記憶装置４と組合せて電子認証サーバ２１とし、これに通信網を介して認証端末を接続して電子認証装置とし、上記したように台紙７及びＩＣタグ８により一体として作製した電子認証カード１１と、パスワード等の付加情報を使って認証を行う例について、図４を用いて説明する。
【００２５】
まず、作製した電子認証カードを所持した来訪者は、認証端末２３のＩＣタグ読取部２４で、電子認証カード中のＩＣタグの素子ＩＤを読取りさせ（ステップＳ４１）、パスワード等の付加情報を付加情報入力部２５から入力する（ステップＳ４２）。次に、演算処理装置１の検索照合処理部１８では、読取ったＩＣタグ８の素子ＩＤ及び入力した付加情報のデータと、電子認証サーバ２１の記憶装置４に格納された各データを、検索照合処理部1８にて検索して照合する（ステップＳ４３）。
【００２６】
照合できたＹの場合には、照合（認証）できたことを情報表示装置３に表示する（ステップＳ４５）と共に、情報の閲覧許可や立入制限区域への入域許可等の種々のサービスを提供する。照合できなかったＮの場合には、照合できなかったことを情報表示装置３に表示し（ステップＳ４６）、種々のサービスは提供しないことになる。このため、簡単に発行できる電子認証カードを用いた経済的な電子認証装置として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２７】
【図１】本発明の電子認証カード発行装置及び電子認証装置の一実施例を示す構成図である。
【図２】本発明において用いられる記憶措置のデータ構造を示す図である。
【図３】本発明の電子認証カード発行の処理フロー図である。
【図４】本発明で発行した電子認証カードを用いた認証処理の処理フロー図である。
【符号の説明】
【００２８】
１…演算処理装置、２…入力装置、３…情報表示装置、４…記憶装置、５…記載情報読取部、６…ＩＣタグ読取部、７…名刺、８…ＩＣタグ、９…電子認証カード作製手段、１０…パッケージ装置、１１…電子認証カード、１２…文字認識処理部、１３…記載情報処理部、１４…情報修正処理部、１５…付加情報処理部、１６…ＩＣタグ読取処理部、１７…登録処理部、１８…検索照合処理部、２１…電子認証サーバ、２２…通信網、２３…認証端末、２４…ＩＣタグ読取部、２５…付加情報入力部。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、電子認証カード発行装置に係り、特に名刺等の記載情報の台紙及びＩＣタグを使った電子認証カード発行装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
一般に、来訪者（利用者）が工場やビル等の建物或いは管理された特別の室の内部に入る場合には、受付において利用者の氏名や所属を所定の用紙に記入し、許可を受けると共に許可バッチを付けて入場や入室を行っている。
【０００３】
また、入場や入室のためにＩＣタグを使用した電子認証カードを使用するときには、この電子認証カードに個人のＩＤ（ｉｄｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ）や氏名等の情報を記録するため、一般には書き込み機能付きＩＣタグを使用して電子認証カードを作製している。また、電子認証カードでは、無線タグの情報と利用者に関する情報などを暗号化し、その結果を電子的、印刷又は磁気的な手段によって無線タグが装着されている非接触ＩＣ電子認証カードに保持させるということも知られている（特許文献１参照）。
【０００４】
【特許文献１】特開２００５−１８８０７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
従来のように、訪問の度に受付において来訪者（利用者）が、所定の用紙に記入して許可を受けるのでは、受付事務ばかりか管理面から見ても煩雑となっている。また、従来の電子認証カードは、これを短時間に発行するのは管理上難しい状況にある。発行する電子認証カードには個人情報等を記録するため、電子認証カードを紛失した場合には、記録した情報が漏洩する可能性があり、セキュリティの点で問題が生ずる恐れがあった。
【０００６】
しかも、電子認証カードに書き込み機能付きＩＣタグを使用する場合には、ＩＣタグに情報を書き込むための専用書き込み装置が必要であり、電子認証カードが経済的に製作できない欠点がある。
【０００７】
本発明の目的は、電子認証カードを経済的にかつ迅速に作製できる電子認証カード発行装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明の電子認証カード発行装置では、演算処理装置とデータの入力操作を行う入力装置と情報を表示する情報表示装置とを有し、前記演算処理装置には、電子認証カード作製手段で作製する電子認証カードの台紙の記載情報を読取る記載情報の記載情報読取部及び電子認証カードのＩＣタグの素子ＩＤを読取るＩＣタグ読取部とを接続し、前記ＩＣタグの読取った素子ＩＤに関連付けて前記台紙から読取った記載情報と前記入力装置から付加する付加情報とのデータを記憶させる記憶装置を備えて構成するものである。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、記載情報のある台紙とＩＣタグを用いて、電子認証に使用できる電子認証カードを、経済的にかつ迅速に作製できる電子認証カード発行装置を提供でき、作製して電子認証に用いる電子認証カードは、台紙に記載情報以外は知られることがないので、情報漏洩に対するセキュリティに優れたものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
以下、本発明の電子認証カード発行装置を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
本発明では、台紙とＩＣタグとから電子認証カード作製手段で、電子認証カードを作製する。電子認証カードの台紙の記載情報は、記載情報読取部で読取り、また電子認証カードのＩＣタグの素子ＩＤは、ＩＣタグ読取部で読取る構成である。そして、ＩＣタグから読取った素子ＩＤに、台紙から読取った記載情報と入力装置から付加する付加情報とを関連付けたデータを記憶させる記憶装置を備えている。
【実施例１】
【００１１】
本発明の電子認証カード発行装置を、来訪者が提示した名刺を台紙と用いた図１に示す一実施例を用いて説明する。電子認証カード発行装置は、後述するように統括的に制御するための各構成要素を備える演算処理装置１と、受付を行う管理者がデータの入力操作を行うマウスやキーボード等の入力装置２と、各種の情報を画面に表示する情報表示装置３とを有している。これら演算処理装置１と入力装置２と情報表示装置３との構成は、一般に使用される電子計算機（パーソナルコンピュータ：パソコン）を使用できる。
【００１２】
来訪者が受付時に提示した名刺は、そのまま記載情報のある台紙７として使用され、電子認証カード作製手段９において、台紙７に一般に知られているＩＣタグ８を接着等により固定して電子認証カードを作製する。電子認証カード作製手段９には、パッケージ装置１０を備えており、これによって台紙７としての名刺とＩＣタグ８をより強固に一体化でき、損傷や台紙７の記載情報を改変できぬ電子認証カード１０を容易に作製できる。これにより、折れや汚れに強く、ＩＣタグが剥がれ落ちる心配のない電子認証カードを作製することができる。
このパッケージ装置１０としては、例えば、ナイロン・ポリエステル・ポリエチレン等の樹脂フィルムに熱を加え、圧着して内容物となる台紙７とＩＣタグ８を密封するラミネート装置が使用できる。
【００１３】
本発明の電子認証カード作製手段９では、来訪者が名刺を所持していない場合でも、名刺状の定型フォーマット用紙を使用し、これに来訪者が氏名等の情報を手書きで記入することによって、これを名刺の代わりに台紙として使用することができ、また運転免許証等のコピーを台紙として使用できる。このため、これらの台紙７にＩＣタグを一体にして電子認証カードを作製できるため、迅速にかつ経済的に作製できるし、この作製した電子認証カードは即座に使用することができる。
【００１４】
演算処理装置１には、台紙７の記載情報を画像データとして読取る記載情報読取部５と、ＩＣタグ８の素子ＩＤを読取るＩＣタグ読取部６が接続されている。この記載情報読取部５において、来訪者が提示した名刺の記載情報を画像データとして読取り、読取った文字情報は、演算処理装置１内に設ける文字認識処理を行う文字認識処理部１２、記載情報処理部１３、情報修正処理部１４を用いて名刺の記載情報を適切に判読処理する。またＩＣタグ読取部６においては、ＩＣタグ８の素子ＩＤ情報を読取り、同様に演算処理装置１内に設けるＩＣタグ読取処理部１６において読取処理する。
【００１５】
読取ったＩＣタグ８の素子ＩＤには、台紙７の記載情報が関連づけられ、更に必要に応じて入力装置２によって入力された付加情報等を、演算処理装置１内に設ける付加情報処理部１５で文字を付加したデータとされて、このデータを記憶装置４に記憶して電子認証のデータベースを作成する。
【００１６】
このデータベースを作るデータ構造の一例を図２に示している。記憶装置４には、図２に示すようにＩＣタグの素子ＩＤに関連付けて台紙の記載情報である氏名、組織名及び連絡先と、付加情報であるパスワードを登録する。このデータには、電子認証カードの運用に合わせて、必要により種々の付加情報のデータ項目を追加することもできる。付加情報としては、例えば来訪者の年齢、性別、登録日、使用有効期限、面会者、立ち入り許可場所や時間等を使用する。
【００１７】
本発明で作製する電子認証カードは、ＩＣタグの素子ＩＤに関連付けた付加情報は、記憶装置４に記憶しているので、電子認証カードを万一紛失しても、台紙の記載情報と素子ＩＤしか知られず、重要な付加情報は漏洩することがないから、セキュリティを維持することができる。
【００１８】
なお、電子認証カード１１の関連データを記憶する記憶装置４は、図１の例では演算処理装置１とは別に設けて他の装置と組合せできるようにしているが、記憶装置４を演算処理装置１内に設けることもできる。
【００１９】
上記した演算処理装置１は、記憶装置４と組合せて電子認証サーバ２１として利用することができる。この場合には、図１に示すように演算処理装置１の内部に検索照合処理部１８を設け、演算処理装置１には通信網２２を介して少なくとも一つの認証端末２３を接続して電子認証装置を構成する。認証端末２３は、作製した電子認証カード１１におけるＩＣタグの情報の読取りに用いるＩＣタグ読取部２４と、来訪者が入力操作する付加情報入力部２５を備えて構成する。
【００２０】
本発明の装置における電子認証カードの発行処理フローを図３に示している。まず、管理者は来訪者から受け取った名刺等の記載情報のある台紙７を、記載情報読取部５において記載情報の読取処理を開始する（ステップＳ３１）。記載情報読取部５は、名刺の記載情報を画像データとして読み込む。演算処理装置１内の文字認識処理部１２で読み込んだ画像データを文字として認識する文字認識処理を行う（ステップＳ３２）と共に、記載情報処理部１３で記載情報を処理する。そして、情報表示装置３により、認識結果の表示を行う。
【００２１】
管理者は、情報表示装置３に表示された認識結果を確認し、必要があれば入力装置２から入力し、情報修正処理部１４で名刺の記載情報の修正処理を行う（ステップＳ３３）。また、必要に応じて入力装置２から名刺の記載以外の情報を入力し、付加情報処理部１５する付加情報の入力処理を行う（ステップＳ３４）。
【００２２】
ＩＣタグ読取部６においては、ＩＣタグ８の持つ固有の素子ＩＤの読取りを行い（ステップＳ３５）、名刺の記載情報と入力装置２から入力した付加情報及び素子ＩＤを、記憶装置４に登録する（ステップＳ３６）。パッケージ装置９は、名刺７とＩＣタグ８を一体化して、電子認証カード１０を作製する（ステップＳ３７）。したがって、記載情報のある台紙７とＩＣタグ８を利用して電子認証に用いる電子認証カード１１を簡単に経済的に作製できる電子認証カード発行装置として利用することができる。
【００２３】
データを作成するために、台紙７とＩＣタグ８とを一体にして電子認証カード１１を作製してから、台紙７となる名刺の記載情報を記載情報読取部５とＩＣタグ読取部６でそれぞれ読取るようにしても、台紙７となる名刺とＩＣタグ８とを別々に読取ってから一体にしても何ら変わりがない。
【００２４】
本発明の演算処理装置１を記憶装置４と組合せて電子認証サーバ２１とし、これに通信網を介して認証端末を接続して電子認証装置とし、上記したように台紙７及びＩＣタグ８により一体として作製した電子認証カード１１と、パスワード等の付加情報を使って認証を行う例について、図４を用いて説明する。
【００２５】
まず、作製した電子認証カードを所持した来訪者は、認証端末２３のＩＣタグ読取部２４で、電子認証カード中のＩＣタグの素子ＩＤを読取りさせ（ステップＳ４１）、パスワード等の付加情報を付加情報入力部２５から入力する（ステップＳ４２）。次に、演算処理装置１の検索照合処理部１８では、読取ったＩＣタグ８の素子ＩＤ及び入力した付加情報のデータと、電子認証サーバ２１の記憶装置４に格納された各データを、検索照合処理部1８にて検索して照合する（ステップＳ４３）。
【００２６】
照合できたＹの場合には、照合（認証）できたことを情報表示装置３に表示する（ステップＳ４５）と共に、情報の閲覧許可や立入制限区域への入域許可等の種々のサービスを提供する。照合できなかったＮの場合には、照合できなかったことを情報表示装置３に表示し（ステップＳ４６）、種々のサービスは提供しないことになる。このため、簡単に発行できる電子認証カードを用いた経済的な電子認証装置として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２７】
【図１】本発明の電子認証カード発行装置及び電子認証装置の一実施例を示す構成図である。
【図２】本発明において用いられる記憶措置のデータ構造を示す図である。
【図３】本発明の電子認証カード発行の処理フロー図である。
【図４】本発明で発行した電子認証カードを用いた認証処理の処理フロー図である。
【符号の説明】
【００２８】
１…演算処理装置、２…入力装置、３…情報表示装置、４…記憶装置、５…記載情報読取部、６…ＩＣタグ読取部、７…名刺、８…ＩＣタグ、９…電子認証カード作製手段、１０…パッケージ装置、１１…電子認証カード、１２…文字認識処理部、１３…記載情報処理部、１４…情報修正処理部、１５…付加情報処理部、１６…ＩＣタグ読取処理部、１７…登録処理部、１８…検索照合処理部、２１…電子認証サーバ、２２…通信網、２３…認証端末、２４…ＩＣタグ読取部、２５…付加情報入力部。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
演算処理装置とデータの入力操作を行う入力装置と情報を表示する情報表示装置とを有し、前記演算処理装置には、電子認証カード作製手段で作製する電子認証カードの台紙の記載情報を読取る記載情報読取部及び電子認証カードのＩＣタグの素子ＩＤを読取るＩＣタグ読取部を接続し、前記ＩＣタグから読取った素子ＩＤに前記台紙から読取った記載情報と前記入力装置から付加する付加情報とを関連付けたデータを記憶させる記憶装置を備えて構成したことを特徴とする電子認証カード発行装置。
【請求項２】
請求項１において、前記演算処理装置内には、電子認証カードの台紙の記載情報を画像データとして読込み処理する文字認識処理部及び記載情報処理部と、記載情報の情報修正処理部と、前記入力装置から付加する付加情報を処理する付加情報処理部と、読取った素子ＩＤに関連付けた記載情報と付加情報のデータを記憶装置に登録する登録処理部とを備えたことを特徴とする電子認証カード発行装置。
【請求項３】
請求項１又は２において、前記演算処理装置内に電子認証カードの検索照合処理部を備えると共に、前記演算処理装置と記憶装置にて電子認証サーバを構成し、前記電子認証サーバには通信網を介して認証端末を接続し、前記認証端末にはＩＣタグ読取部と付加情報入力部を有することを特徴とする電子認証カード発行装置。
【請求項４】
請求項１において、前記電子認証カード作製手段には、記載情報のある台紙にＩＣタグを一体にした電子認証カードを密封するパッケージ装置を備えたことを特徴とする電子認証カード発行装置。
【請求項１】
演算処理装置とデータの入力操作を行う入力装置と情報を表示する情報表示装置とを有し、前記演算処理装置には、電子認証カード作製手段で作製する電子認証カードの台紙の記載情報を読取る記載情報読取部及び電子認証カードのＩＣタグの素子ＩＤを読取るＩＣタグ読取部を接続し、前記ＩＣタグから読取った素子ＩＤに前記台紙から読取った記載情報と前記入力装置から付加する付加情報とを関連付けたデータを記憶させる記憶装置を備えて構成したことを特徴とする電子認証カード発行装置。
【請求項２】
請求項１において、前記演算処理装置内には、電子認証カードの台紙の記載情報を画像データとして読込み処理する文字認識処理部及び記載情報処理部と、記載情報の情報修正処理部と、前記入力装置から付加する付加情報を処理する付加情報処理部と、読取った素子ＩＤに関連付けた記載情報と付加情報のデータを記憶装置に登録する登録処理部とを備えたことを特徴とする電子認証カード発行装置。
【請求項３】
請求項１又は２において、前記演算処理装置内に電子認証カードの検索照合処理部を備えると共に、前記演算処理装置と記憶装置にて電子認証サーバを構成し、前記電子認証サーバには通信網を介して認証端末を接続し、前記認証端末にはＩＣタグ読取部と付加情報入力部を有することを特徴とする電子認証カード発行装置。
【請求項４】
請求項１において、前記電子認証カード作製手段には、記載情報のある台紙にＩＣタグを一体にした電子認証カードを密封するパッケージ装置を備えたことを特徴とする電子認証カード発行装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００７−６６２１０（Ｐ２００７−６６２１０Ａ）
【公開日】平成１９年３月１５日（２００７．３．１５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−２５４２３４（Ｐ２００５−２５４２３４）
【出願日】平成１７年９月２日（２００５．９．２）
【出願人】（３９００２３９２８）日立エンジニアリング株式会社 (134)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年３月１５日（２００７．３．１５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年９月２日（２００５．９．２）
【出願人】（３９００２３９２８）日立エンジニアリング株式会社 (134)
【Ｆターム（参考）】
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