説明

電子透かし埋め込み装置、電子透かし埋め込みプログラム、電子透かし検出装置および電子透かし検出プログラム

【課題】電子透かしを活用して、コンテンツの違法コピーを高速に検知して効率良く排除するシステム、および、放送局において番組または放送素材を効果的に識別するシステムを構築可能な電子透かし埋め込み装置、電子透かし埋め込みプログラム、電子透かし検出装置および電子透かし検出プログラムを提供する。
【解決手段】電子透かし埋め込み装置1は、フレーム画像において埋め込み単位となる電子透かし1ビットに対応する画素ブロック単位を特定する埋め込み単位特定手段9と、フレーム画像に、所定数の画素ブロック単位で構成された基本識別情報を1つ以上含む電子透かしを埋め込む電子透かし埋め込み手段20と、フレーム画像を複数の埋め込み領域に分割する領域分割手段10と、を備え、電子透かし埋め込み手段20が、複数の埋め込み領域ごとに、基本識別情報を1回以上埋め込む基本識別情報埋め込み部201を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子透かし埋め込み装置、電子透かし埋め込みプログラム、電子透かし検出装置および電子透かし検出プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、映画スクリーンやテレビのモニタをビデオカメラで撮影(以下、再撮という)した映像やMPEG−2等の符号化方式により圧縮した映像からでも埋め込んだ情報を検出可能な電子透かし(以下、「再撮耐性等を有する電子透かし」という)の技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第05/079072号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の電子透かしにおいては、コンテンツの違法コピーを高速に検知して効率良く排除する技術、および、放送局において番組または放送素材を効果的に識別する技術については言及されておらず、電子透かしを実用的に利用できないという課題があった。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであって、電子透かしを活用して、コンテンツの違法コピーを高速に検知して効率良く排除できるとともに、放送局において番組または放送素材を効果的に識別することができる電子透かし埋め込み装置、電子透かし埋め込みプログラム、電子透かし検出装置および電子透かし検出プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために請求項1に係る電子透かし埋め込み装置は、電子透かしを動画像コンテンツに埋め込むことで電子透かし埋め込み動画像コンテンツを生成する電子透かし埋め込み装置であって、埋め込み単位特定手段と、埋め込む電子透かし埋め込み手段と、領域分割手段と、を備え、電子透かし埋め込み手段が基本識別情報埋め込み部を備える構成とした。
【0007】
このような構成によれば、電子透かし埋め込み装置は、埋め込み単位特定手段によって、動画像コンテンツを構成するフレーム画像において、埋め込み単位となる電子透かし1ビットに対応する画素ブロック単位を特定する。また、電子透かし埋め込み手段によって、フレーム画像に、所定数の画素ブロック単位で構成され、動画像コンテンツを他の動画像コンテンツと区別するための情報である基本識別情報を1つ以上含む電子透かしを埋め込む。また、領域分割手段によって、フレーム画像を複数の埋め込み領域に分割する。
【0008】
そして、基本識別情報埋め込み部によって、複数の埋め込み領域ごとに、基本識別情報を1回以上埋め込む。そのため、電子透かし埋め込み装置は、1枚のフレーム画像に埋め込むことができる基本識別情報の数を、埋め込み領域の数だけ倍増させることができるため、フレーム画像のある部分でより激しい劣化が生じた場合であっても、その他の部分の基本識別情報から電子透かしを検出することができる電子透かし埋め込み動画像コンテンツを生成することができる。
【0009】
また、前記課題を解決するために請求項2に係る電子透かし埋め込み装置は、電子透かしを動画像コンテンツに埋め込むことで電子透かし埋め込み動画像コンテンツを生成する電子透かし埋め込み装置であって、埋め込み単位特定手段と、電子透かし埋め込み手段と、埋め込みデータ生成手段と、を備え、電子透かし埋め込み手段が、埋め込みデータをフレーム画像に所定回数繰り返し埋め込む構成とした。
【0010】
このような構成によれば、電子透かし埋め込み装置は、埋め込み単位特定手段によって、動画像コンテンツを構成するフレーム画像において、埋め込み単位となる電子透かし1ビットに対応する画素ブロック単位を特定する。また、電子透かし埋め込み手段によって、フレーム画像に、所定数の画素ブロック単位で構成され、動画像コンテンツを他の動画像コンテンツと区別するための情報である基本識別情報を1つ以上含む電子透かしを埋め込む。また、埋め込みデータ生成手段によって、同一の前記基本識別情報を1つ以上含む電子透かしの埋め込みデータを生成する。そのため、電子透かし埋め込み装置は、1つ以上の基本識別情報を一度にフレーム画像に埋め込むことができるため、電子透かしの埋め込み処理の回数を減らし、全体の処理速度を高速化することができる。
【0011】
また、請求項3に係る電子透かし埋め込み装置は、請求項1に係る電子透かし埋め込み装置において、関連情報埋め込み部を備える構成とした。
【0012】
このような構成によれば、電子透かし埋め込み装置は、関連情報埋め込み手段によって、複数の埋め込み領域ごとに、動画像コンテンツに関連した情報である関連情報を1回以上埋め込む。そのため、電子透かし埋め込み装置は、1枚のフレーム画像に埋め込むことができる関連情報の数を、埋め込み領域の数だけ倍増させることができるため、フレーム画像のある部分でより激しい劣化が生じた場合であっても、その他の部分の関連情報から電子透かしを検出することができる電子透かし埋め込み動画像コンテンツを生成することができる。
【0013】
また、請求項4に係る電子透かし埋め込み装置は、請求項2に係る電子透かし埋め込み装置において、埋め込みデータ生成手段が、同一の基本識別情報を1つ以上含むとともに動画像コンテンツに関連した情報である関連情報を1つ以上含む電子透かしの埋め込みデータを生成する構成とした。
【0014】
このような構成によれば、電子透かし埋め込み装置は、1つ以上の基本識別情報と1つ以上の関連情報を一度にフレーム画像に埋め込むことができるため、電子透かしの埋め込み処理の回数を減らし、全体の処理速度を高速化することができる。
【0015】
また、請求項3または請求項4に係る電子透かし埋め込み装置において、基本識別情報が、動画像コンテンツの著作権者の氏名または名称、あるいは、動画像コンテンツの識別子である構成としてもよい。
【0016】
さらに、請求項3から請求項5のいずれか一項に係る電子透かし埋め込み装置において、関連情報が、動画像コンテンツの名称を記述したメタデータ、または、動画像コンテンツの著作権者の氏名以外の権利情報もしくは動画像コンテンツの著作権者の名称以外の権利情報を記述したメタデータである構成としてもよく、請求項3、請求項4、請求項6のいずれか一項に係る電子透かし埋め込み装置において、関連情報が、動画像コンテンツの撮影日時または撮影場所を示す情報である構成としてもよい。
【0017】
前記課題を解決するために請求項9に係る電子透かし埋め込みプログラムは、電子透かしを動画像コンテンツに埋め込むことで電子透かし埋め込み動画像コンテンツを生成するために、コンピュータを、埋め込み単位特定手段、埋め込む電子透かし埋め込み手段、領域分割手段、として機能させ、電子透かし埋め込み手段が基本識別情報埋め込み部を備える構成とした。
【0018】
このような構成によれば、電子透かし埋め込みプログラムは、埋め込み単位特定手段によって、動画像コンテンツを構成するフレーム画像において、埋め込み単位となる電子透かし1ビットに対応する画素ブロック単位を特定する。また、電子透かし埋め込み手段によって、フレーム画像に、所定数の画素ブロック単位で構成され、動画像コンテンツを他の動画像コンテンツと区別するための情報である基本識別情報を1つ以上含む電子透かしを埋め込む。また、領域分割手段によって、フレーム画像を複数の埋め込み領域に分割する。
【0019】
そして、基本識別情報埋め込み部によって、複数の埋め込み領域ごとに、基本識別情報を1回以上埋め込む。そのため、電子透かし埋め込みプログラムは、1枚のフレーム画像に埋め込むことができる基本識別情報の数を、埋め込み領域の数だけ倍増させることができるため、フレーム画像のある部分でより激しい劣化が生じた場合であっても、その他の部分の基本識別情報から電子透かしを検出することができる電子透かし埋め込み動画像コンテンツを生成することができる。
【0020】
前記課題を解決するために請求項10に係る電子透かし埋め込みプログラムは、電子透かしを動画像コンテンツに埋め込むことで電子透かし埋め込み動画像コンテンツを生成するために、コンピュータを、埋め込み単位特定手段、電子透かし埋め込み手段、埋め込みデータ生成手段、として機能させ、電子透かし埋め込み手段が、埋め込みデータをフレーム画像に所定回数繰り返し埋め込む構成とした。
【0021】
このような構成によれば、電子透かし埋め込みプログラムは、埋め込み単位特定手段によって、動画像コンテンツを構成するフレーム画像において、埋め込み単位となる電子透かし1ビットに対応する画素ブロック単位を特定する。また、電子透かし埋め込み手段によって、フレーム画像に、所定数の画素ブロック単位で構成され、動画像コンテンツを他の動画像コンテンツと区別するための情報である基本識別情報を1つ以上含む電子透かしを埋め込む。また、埋め込みデータ生成手段によって、同一の前記基本識別情報を1つ以上含む電子透かしの埋め込みデータを生成する。そのため、電子透かし埋め込みプログラムは、1つ以上の基本識別情報を一度にフレーム画像に埋め込むことができるため、電子透かしの埋め込み処理の回数を減らし、全体の処理速度を高速化することができる。
【0022】
前記課題を解決するために請求項11に係る電子透かし検出装置は、動画像コンテンツを構成するフレーム画像内における複数の埋め込み領域のそれぞれに、当該動画像コンテンツを他の動画像コンテンツと区別するための情報である基本識別情報を1つ以上含むとともに当該動画像コンテンツに関連した情報である関連情報を1つ以上含む電子透かしが埋め込まれている電子透かし埋め込み動画像コンテンツから、電子透かしを検出する電子透かし検出装置であって、基本識別情報検出部と、関連情報検出部と、からなる電子透かし検出手段を備える構成とした。
【0023】
このような構成によれば、電子透かし検出装置は、基本識別情報検出部によって、複数の埋め込み領域から基本識別情報を検出し、関連情報検出部によって、複数の埋め込み領域から関連情報を検出するように、検出処理を2段階に分けて行うことができる。
【0024】
また、請求項12に係る電子透かし検出装置は、請求項11に係る電子透かし検出装置において、検索キーワード入力手段と、動画像コンテンツ収集手段と、を備え、基本識別情報検出部および関連情報検出部が、収集された動画像コンテンツを構成するフレーム画像内における複数の埋め込み領域から、基本識別情報および関連情報を検出する構成とした。
【0025】
このような構成によれば、電子透かし検出装置は、キーワード入力手段によって、通信網上における予め設定されたウェブサイト上に存在する動画像コンテンツを検索するための検索キーワードを入力する。また、動画像コンテンツ収集手段によって、検索キーワードに従ってウェブサイト上に存在する動画像コンテンツを検索し、当該動画像コンテンツを収集する。そのため、電子透かし検出装置は、キーワードに一致する動画像コンテンツを構成するフレーム画像の複数の埋め込み領域において、基本識別情報または関連情報が埋め込まれているか否かを検出するため、フレーム画像のある部分で劣化が生じた場合であっても、その他の部分の基本識別情報または関連情報から電子透かしを検出することができる。
【0026】
また、請求項13に係る電子透かし検出装置は、請求項11に係る電子透かし検出装置において、動画像コンテンツ受信手段と、動画像コンテンツ復号手段と、第1データベース格納手段と、第2データベース格納手段と、を備え、基本識別情報検出部および関連情報検出部が、復号された動画像コンテンツを構成するフレーム画像内における複数の埋め込み領域から、基本識別情報および関連情報を検出するとともに、第1データベース格納手段および第2データベース格納手段から、基本識別情報および関連情報に対応したテキスト情報をそれぞれ抽出する構成とした。
【0027】
このような構成によれば、電子透かし検出装置は、動画像コンテンツ受信手段によって、伝送路経由で動画像コンテンツを受信する。また、動画像コンテンツ復号手段によって、受信した動画像コンテンツをベースバンド信号に復号する。なお、この電子透かし検出装置は、第1データベース格納手段によって、動画像コンテンツの基本識別情報に対応付けて、当該動画像コンテンツの名称、または、当該動画像コンテンツの説明をテキスト情報として格納しているとともに、第2データベース格納手段によって、動画像コンテンツの関連情報に対応付けて、当該動画像コンテンツが撮影された場所の地図情報をテキスト情報として格納している。そのため、電子透かし検出装置は、伝送路経由で動画像コンテンツを受信した際に、基本識別情報および関連情報の検出に加えて、これらに関連した情報も抽出されるように構成されているため、例えば送信元や名称が不明な動画像コンテンツを受信した場合であっても、送信元や名称を把握することができる。
【0028】
また、請求項14に係る電子透かし検出装置は、請求項11から請求項13のいずれか一項に係る電子透かし検出装置において、基本識別情報検出部および関連情報検出部が、動画像コンテンツを構成するフレーム画像内における複数の埋め込み領域ごとの埋め込みビットを判定し、当該複数の判定結果を相補的に判断することで、前記基本識別情報および前記関連情報に相当する最終的な埋め込みビットを決定する構成とした。
【0029】
このような構成によれば、電子透かし検出装置は、複数の埋め込み領域ごとの判定結果を総合することで、フレーム画像に埋め込まれている電子透かしの内容(基本識別情報および関連情報)を検出することができる。
【0030】
前記課題を解決するために請求項15に係る電子透かし検出プログラムは、動画像コンテンツを構成するフレーム画像に、当該動画像コンテンツを他の動画像コンテンツと区別するための情報である基本識別情報を1つ以上含むとともに当該動画像コンテンツに関連した情報である関連情報を1つ以上含む電子透かしが埋め込まれている電子透かし埋め込み動画像コンテンツから、電子透かしを検出するために、コンピュータを、基本識別情報検出部と関連情報検出部とを備える電子透かし検出手段として機能させる構成とした。
【0031】
このような構成によれば、電子透かし検出プログラムは、基本識別情報検出部によって、フレーム画像から基本識別情報を検出し、関連情報検出部によって、フレーム画像から、関連情報を検出する関連情報検出部を検出するように、検出処理を2段階に分けて行うことができる。
【発明の効果】
【0032】
請求項1から請求項10に係る発明によれば、基本識別情報をフレーム画像に繰り返し埋め込むことで、フレーム画像の一部が劣化した場合であっても、電子透かし検出装置によってその他の部分の基本識別情報から電子透かしを検出させることができるため、コンテンツの違法コピーを高速に検知して効率良く排除することができるとともに、放送局において番組または放送素材を効果的に識別することができる。
【0033】
請求項11から請求項15に係る発明によれば、基本識別情報がフレーム画像に繰り返し埋め込まれていることで、フレーム画像の一部が劣化した場合であっても、その他の部分の基本識別情報から電子透かしを検出することができるため、コンテンツの違法コピーを高速に検知して効率良く排除することができるとともに、放送局において番組または放送素材を効果的に識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電子透かし埋め込み装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】画像フレームの埋め込み領域を説明するための概略図である。
【図3】画像フレームの埋め込み領域における電子透かしのデータ配列を説明するための概略図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る電子透かし埋め込み装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態またはその変形例に係る電子透かし埋め込み装置の全体構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る電子透かし検出装置の全体構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る電子透かし検出装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態に係る電子透かし検出装置の全体構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る電子透かし検出装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の実施形態に係る電子透かし埋め込み装置、電子透かし埋め込みプログラム、電子透かし検出装置および電子透かし検出プログラムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、同一の構成については同一の名称及び符号を付し、詳細説明を省略する。
【0036】
<電子透かし埋め込み装置>
[第1実施形態]
以下、第1実施形態に係る電子透かし埋め込み装置1について、図1〜図3を参照しながら詳細に説明する。電子透かし埋め込み装置1は、電子透かしを動画像コンテンツに埋め込むことで電子透かし埋め込み動画像コンテンツを生成するものである。電子透かし埋め込み装置1は、具体的には、図1に示すように、埋め込み単位特定手段9と、領域分割手段10と、電子透かし埋め込み手段20と、を備えている。以下、電子透かし埋め込み装置1が備える各構成について説明する。
【0037】
埋め込み単位特定手段9は、一つのフレーム画像において、埋め込み単位となる電子透かし1ビットに対応する画素ブロック単位を特定するためのものである。この画素ブロックは、少なくとも1つ以上の画素から構成されており、例えば横10×縦10から構成される複数(100個)の画素等、画素ブロックが複数の画素から構成される場合、その画素ブロック内には、同一の電子透かしが埋め込まれる。なお、埋め込み単位特定手段9により特定される画素ブロックの画素数は特に限定されるものではなく、前記した1個や100個の画素に限定されない。
【0038】
領域分割手段10は、動画像コンテンツのフレーム画像を複数の埋め込み領域に分割するものであり、この埋め込み領域に、電子透かしが埋め込まれることとなる。また、領域分割手段10は、分割した埋め込み領域が、後記する電子透かし埋め込み手段20により、基本識別情報及び関連情報である電子透かしが繰り返し複数回埋め込み可能なようにフレームを分割する。本実施形態における領域分割手段10は、図2に示すように、動画像コンテンツを構成するそれぞれのフレーム画像を例えば(1)〜(8)の8つの領域に分割する。そして、領域分割手段10は、フレーム画像の分割位置に関する情報(例えば、各埋め込み領域の境界に位置する画素の座標)を生成する。なお、本実施形態の埋め込み領域には、一つのフレームを分割した(1)〜(8)の8つの埋め込み領域に、それぞれ同一のデータが埋め込まれる。
【0039】
領域分割手段10には、図1に示すように、図示しない動画像コンテンツ蓄積装置等から、動画像コンテンツが入力される。そして、領域分割手段10は、前記した手法によってフレーム画像を複数の埋め込み領域に分割し、図2に示すように、フレーム画像と当該フレーム画像の分割位置に関する情報とを電子透かし埋め込み手段20に出力する。
【0040】
電子透かし埋め込み手段20は、動画像コンテンツを構成するフレーム画像に、一つの画素ブロックを1ビットデータとして、基本識別情報および関連情報を含む電子透かしを埋め込むものである。電子透かし埋め込み手段20は、具体的には、図1に示すように、フレーム画像に基本識別情報を埋め込む基本識別情報埋め込み部201と、フレーム画像に関連情報を埋め込む関連情報埋め込み部202と、を備えており、フレーム画像に対して基本識別情報と関連情報とを別々に埋め込むように構成されている。
【0041】
ここで、基本識別情報とは、動画像コンテンツを他の動画像コンテンツと区別するために最低限必要な情報のことを意味している。基本識別情報は、所定数の画素ブロック単位で構成される。基本識別情報の具体的な内容は、電子透かしの用途によって異なるが、例えば電子透かしをコンテンツの違法コピーを検出する用途に活用する場合は、著作権者の氏名または名称等の動画像コンテンツの著作権者を識別するための情報を基本識別情報とすることができる。また、電子透かしを放送局において番組または放送素材を識別する用途に活用する場合は、動画像コンテンツの識別子(コンテンツID)、動画像コンテンツを撮影したカメラ等の固体識別番号、放送局間におけるコンテンツ受け渡しの際の送信元放送局ID、等の動画像コンテンツの識別情報を基本識別情報とすることができる。なお、基本識別情報は、ビット数が小さいほど検出に要する時間も短くなるため、例えば8ビット程度の少数ビットデータで構成することが好ましい。
【0042】
また、関連情報とは、動画像コンテンツに関連した情報のことを意味している。関連情報は、所定数の画素ブロック単位で構成される。関連情報の具体的な内容は、電子透かしの用途によって異なるが、例えば電子透かしをコンテンツの違法コピーを検出する用途に活用する場合は、動画像コンテンツの名称等の属性情報を記述したメタデータ、または、動画像コンテンツの著作権者の氏名または名称以外の権利情報(権利期間等)を記述したメタデータを関連情報とすることができる。また、電子透かしを放送局において番組または放送素材を識別する用途に活用する場合は、動画像コンテンツの撮影日時または撮影場所等の制作情報を関連情報とすることができる。なお、関連情報は、基本識別情報と異なり一つの埋め込み領域に対して一つ埋め込まれていればよいため、例えば40ビット程度の汎用データで構成することが好ましい。
【0043】
基本識別情報埋め込み部201は、図2に示す埋め込み領域(1)〜(8)に対して、基本識別情報を所定回数繰り返し埋め込むものである。基本識別情報埋め込み部201は、ここでは図2に示す埋め込み領域(1)〜(8)のそれぞれに、図示しない基本識別情報蓄積装置等から入力された基本識別情報を例えば5回埋め込む。基本識別情報埋め込み部201は、例えば基本識別情報が8ビットである場合、図2に示す埋め込み領域(1)〜(8)ごとに8ビットの基本識別情報を5回ずつ埋め込み、1つの埋め込み領域に対して合計40ビットのデータを埋め込む。
【0044】
基本識別情報埋め込み部201は、図2に示す埋め込み領域(1)〜(8)のそれぞれに基本識別情報を5回ずつ埋め込む場合、埋め込み領域(1)から(8)まで順番に基本識別情報を埋め込む処理を5回繰り返すことで、1つの埋め込み領域に対して合計40ビットのデータを埋め込む。但し、基本識別情報埋め込み部201が基本識別情報を埋め込む順序は特に限定されず、例えば1つの埋め込み領域に対して基本識別情報を5回埋め込む処理を埋め込み領域(1)から(8)まで順番に行うことで、1つの埋め込み領域に対して合計40ビットのデータを埋め込んでもよい。
【0045】
関連情報埋め込み部202は、図2に示す埋め込み領域(1)〜(8)に対して、図示しない関連情報蓄積装置等から入力された関連情報を1回以上埋め込むものである。関連情報埋め込み部202は、例えば関連情報が40ビットである場合、図2に示す埋め込み領域(1)〜(8)ごとに40ビットの関連情報を1回ずつ埋め込み、1つの埋め込み領域に対して40ビットのデータを埋め込む。なお、関連情報埋め込み部202は、ここでは前記した基本識別情報埋め込み部201による基本識別情報の5回分の埋め込み処理の後に、関連情報の埋め込み処理を行う。
【0046】
前記したように、基本識別情報埋め込み部201が基本識別情報の埋め込み処理を5回行った後に、関連情報埋め込み部202が関連情報の埋め込み処理を1回行った場合、図2に示す埋め込み領域(1)〜(8)のそれぞれには、図3に示すようなデータ配列を有する電子透かしの埋め込みデータが埋め込まれる。すなわち、図3に示すように、図2に示す埋め込み領域(1)〜(8)のそれぞれが1つの埋め込み単位(単位埋め込み領域)となり、当該埋め込み単位における少数ビットデータの繰り返し埋め込み領域に基本識別情報a1〜a5が埋め込まれ、当該埋め込み単位の汎用データの埋め込み領域に関連情報bが埋め込まれている。なお、図3におけるCRCは、汎用データの埋め込み領域に埋め込まれた関連情報bのデータビットに対する誤り訂正データのことを意味している。
【0047】
(電子透かしの埋め込みアルゴリズム)
以上説明した基本識別情報埋め込み部201および関連情報埋め込み部202は、具体的には、前記した特許文献1に記載されたアルゴリズムと同様のアルゴリズムを用いて、フレーム画像に基本識別情報および関連情報を埋め込む。すなわち、基本識別情報埋め込み部201および関連情報埋め込み部202は、図2に示す埋め込み領域(1)〜(8)ごとに、画素値(輝度値)の変化が視認されにくい特性を有する画素を適応画素として抽出し、当該領域間の境界および/または時間方向で画素値(輝度値)を変化させることで基本識別情報および関連情報を埋め込み、再撮耐性等を有する電子透かし埋め込み動画像コンテンツを生成する。
【0048】
電子透かし埋め込み手段20には、図1に示すように、領域分割手段10から、分割画像が入力される。そして、電子透かし埋め込み手段20は、前記した手法によって電子透かし埋め込み動画像コンテンツを生成し、これを例えば図示しない電子透かし埋め込み動画像コンテンツ蓄積手段等に出力する。
【0049】
以上のような構成を備える電子透かし埋め込み装置1は、1枚のフレーム画像に埋め込むことができる基本識別情報の数を、埋め込み領域の数だけ倍増させることができるため、フレーム画像のある部分でより激しい劣化が生じた場合であっても、その他の部分の基本識別情報から電子透かしを検出することができる電子透かし埋め込み動画像コンテンツを生成することができる。従って、電子透かし埋め込み装置1は、基本識別情報をフレーム画像に繰り返し埋め込むことで、フレーム画像の一部が劣化した場合であっても、電子透かし検出装置によってその他の部分の基本識別情報から電子透かしを検出させることができるため、コンテンツの違法コピーを高速に検知して効率良く排除することができるとともに、放送局において番組または放送素材を効果的に識別することができる。
【0050】
[電子透かし埋め込み装置1の動作]
以下、電子透かし埋め込み装置1の動作について、図4を参照しながら簡単に説明する。まず、図示しない動画像コンテンツ蓄積装置等から動画像コンテンツが入力されると、埋め込み単位特定手段9が、フレーム画像において、埋め込み単位となる電子透かし1ビットに対応する画素ブロック単位を特定する(ステップS1)。次に、領域分割手段10が、動画像コンテンツのフレーム画像を複数の埋め込み領域(図2参照)に分割した分割画像を生成し、これを電子透かし埋め込み手段20に出力する(ステップS2)。次に、基本識別情報埋め込み部201が、図2に示す埋め込み領域(1)〜(8)のそれぞれに対して、基本識別情報を所定回数(例えば5回)繰り返し埋め込む(ステップS3)。また、関連情報埋め込み部202が、図2に示す埋め込み領域(1)〜(8)のそれぞれに対して、関連情報を1回埋め込む(ステップS4)。そして、このような埋め込み処理によって、図2に示す埋め込み領域(1)〜(8)のそれぞれに、図3に示すようなデータ配列を有する電子透かしの埋め込みデータが埋め込まれた電子透かし埋め込み動画像コンテンツを生成し、図示しない電子透かし埋め込み動画像コンテンツ蓄積手段等に出力する。
【0051】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態に係る電子透かし埋め込み装置1Aについて、図5を参照(適宜図3も参照)しながら簡単に説明する。電子透かし埋め込み装置1Aは、図5に示すように、埋め込み単位特定手段9と、電子透かし埋め込み手段21と、埋め込みデータ生成手段30と、を備えている。ここで、電子透かし埋め込み装置1Aは、前記した電子透かし埋め込み装置1とは異なり、フレーム画像を複数の埋め込み領域に分割することなく、予め生成された埋め込みデータをフレーム画像の面内に繰り返し埋め込むことを特徴としている。なお、電子透かし埋め込み装置1Aは、電子透かし埋め込み装置1と同様の埋め込みアルゴリズムを用いている。
【0052】
埋め込み単位特定手段9は、前記した電子透かし埋め込み装置1と同様に、一つのフレーム画像において、埋め込み単位となる電子透かし1ビットに対応する画素ブロック単位を特定する。
【0053】
電子透かし埋め込み手段21は、前記した電子透かし埋め込み手段20と同様に、動画像コンテンツを構成するフレーム画像に、基本識別情報および関連情報からなる電子透かしを埋め込むものであるが、基本識別情報埋め込み部201および関連情報埋め込み部202を備えていない点において、電子透かし埋め込み手段20とは異なる。すなわち、電子透かし埋め込み手段21は、フレーム画像に対して基本識別情報と関連情報をそれぞれ別々に埋め込むのではなく、後記する埋め込みデータ生成手段30によって予め生成された電子透かしの埋め込みデータをフレーム画像の面内に繰り返し埋め込む。
【0054】
電子透かし埋め込み手段21には、図5に示すように、図示しない動画像コンテンツ蓄積手段等から、動画像コンテンツが入力されるとともに、埋め込みデータ生成手段30から、埋め込みデータが入力される。そして、電子透かし埋め込み手段21は、前記した手法によって電子透かし埋め込み動画像コンテンツを生成し、これを例えば図示しない電子透かし埋め込み動画像コンテンツ蓄積手段等に出力する。なお、埋め込みデータとは、図3に示すように、同一の基本識別情報を複数含むとともに、関連情報を1つ含むデータ配列を有する電子透かしの埋め込みデータのことを意味している。
【0055】
埋め込みデータ生成手段30は、電子透かしの埋め込みデータを予め生成するものである。埋め込みデータ生成手段30は、前記した埋め込み単位特定手段9によって特定された一つの画素ブロックを1ビットデータとして、基本識別情報および関連情報を含む電子透かしの埋め込みデータを生成する。
【0056】
埋め込みデータ生成手段30には、図示しない基本識別情報蓄積装置等から、基本識別情報が入力されるとともに、図示しない関連情報蓄積装置等から、関連情報が入力される。そして、埋め込みデータ生成手段30は、図3に示すように、基本識別情報と関連情報とを配列することで、電子透かしの埋め込みデータを生成し、図5に示すように、これを電子透かし埋め込み手段21に出力する。
【0057】
以上のような構成を備える電子透かし埋め込み装置1Aは、複数の基本識別情報と1つの関連情報を一度にフレーム画像に埋め込むことができるため、電子透かしの埋め込み処理の回数を減らし、全体の処理速度を高速化することができる。
【0058】
[第2実施形態の変形例]
以下、第2実施形態に係る電子透かし埋め込み装置1Aの変形例について、図5を参照しながら簡単に説明する。電子透かし埋め込み装置1Aの変形例は、図5に示すように、前記した電子透かし埋め込み装置1Aと同様の構成を備えているが、埋め込み単位特定手段9、電子透かし埋め込み手段21および埋め込みデータ生成手段30の動作が異なることを特徴としている。なお、電子透かし埋め込み装置1Aの変形例は、電子透かし埋め込み装置1と同様の埋め込みアルゴリズムを用いている。
【0059】
電子透かし埋め込み装置1Aの変形例は、埋め込みデータ生成手段30によって、電子透かしの埋め込みデータを予め1フレーム分生成する。これは、例えば埋め込みデータ生成手段30によって、埋め込み単位特定手段9によって特定された一つの画素ブロックを1ビットデータとして、図3に示すデータ配列を有する電子透かしの埋め込みデータ(合計80ビット)を8つ分生成し、1フレーム分の埋め込みデータ(合計640ビット)を一度に生成することを意味している。電子透かし埋め込み装置1Aの変形例は、このようにして生成した1フレーム分の電子透かしの埋め込みデータを、フレーム画像に1回埋め込むことで、電子透かしの埋め込み処理を行う。
【0060】
以上のような構成を備える電子透かし埋め込み装置1Aの変形例は、埋め込みデータ生成手段30によって1フレーム分の埋め込みデータを生成することで、一度の処理によってフレーム画像に電子透かしを埋め込むことができるため、埋め込み処理の速度を向上させることができる。
【0061】
[電子透かし埋め込みプログラム]
ここで、前記した電子透かし埋め込み装置1,1Aおよびその変形例は、一般的なコンピュータを、前記した各手段および各部として機能させるプログラムにより動作させることで実現することができる。このプログラムは、通信回線を介して配布することも可能であるし、CD−ROM等の記録媒体に書き込んで配布することも可能である。
【0062】
<電子透かし検出装置>
[第1実施形態]
以下、第1実施形態に係る電子透かし検出装置2について、図6を参照しながら詳細に説明する。電子透かし検出装置2は、前記した電子透かし埋め込み装置1によって生成された電子透かし埋め込み動画像コンテンツ中に埋め込まれた電子透かしを検出するものである。電子透かし検出装置2は、具体的には、動画像コンテンツを構成するフレーム画像に、基本識別情報を複数含むとともに関連情報を1つ含む電子透かしが埋め込まれている電子透かし埋め込み動画像コンテンツから電子透かしを検出する。そして、電子透かし検出装置2は、図6に示すように、その検出結果(基本識別情報および関連情報の内容)を外部の表示手段80に出力する。なお、図6に示す表示手段80は、外部に設けられたパソコンのモニタ等を想定しているが、電子透かし検出装置2の内部に備える構成としても構わない。
【0063】
また、電子透かし検出装置2は、電子透かしをコンテンツの違法コピーを検出する用途に活用する場合に用いることを想定している。従って、電子透かし検出装置2の検出対象となる電子透かしの中には、基本識別情報として、著作権者の氏名または名称等の動画像コンテンツの著作権者を識別するための情報が含まれており、かつ、関連情報として、動画像コンテンツの名称等の属性情報を記述したメタデータ、または、動画像コンテンツの著作権者の氏名または名称以外の権利情報(権利期間等)を記述したメタデータが含まれている場合を想定している。
【0064】
電子透かし検出装置2は、図6に示すように、電子透かし検出手段70を主な構成として備えており、検索キーワード入力手段40と、動画像コンテンツ収集手段50と、動画像コンテンツ蓄積手段60と、を付加的な構成として備えている。以下、電子透かし検出装置2が備える各構成について説明する。
【0065】
検索キーワード入力手段40は、動画像コンテンツ収集手段50に対して、検索キーワードを入力するものである。検索キーワード入力手段40は、具体的には、図示しない外部のユーザの操作に基づいて、図6に示すように通信網N上における予め設定されたウェブサイト上に存在する動画像コンテンツを検索するための検索キーワードを動画像コンテンツ収集手段50に入力する。なお、通信網Nとしては、ここではインターネットを想定している。また、予め設定されたウェブサイトとしては、ここでは動画投稿サイト等を想定している。
【0066】
動画像コンテンツ収集手段50は、動画像コンテンツの収集を行うものである。動画像コンテンツ収集手段50は、具体的には、図6に示すように、検索キーワードに従って、通信網N上における予め設定されたウェブサイト上に存在する動画像コンテンツを検索し、当該動画像コンテンツを収集する。
【0067】
動画像コンテンツ蓄積手段60は、動画像コンテンツ収集手段50が収集した動画像コンテンツを蓄積するものである。動画像コンテンツ蓄積手段60は、具体的には、データを記憶することができるメモリ、ハードディスク等で具現される。動画像コンテンツ蓄積手段60には、図6に示すように、動画像コンテンツ収集手段50から、動画像コンテンツの画像データ(輝度および色差の画像データ)が1フレームないし複数フレーム単位で入力される。
【0068】
電子透かし検出手段70は、動画像コンテンツを構成するフレーム画像から電子透かしを検出するものである。電子透かし検出手段70は、具体的には、図6に示すように、フレーム画像から基本識別情報を検出する基本識別情報検出部701と、フレーム画像から関連情報を検出する関連情報検出部702と、を備えており、フレーム画像に電子透かしとして埋め込まれている基本識別情報と関連情報とを別々に検出するように構成されている。
【0069】
基本識別情報検出部701は、図2に示す埋め込み領域(1)〜(8)に埋め込まれた基本識別情報を検出するものである。基本識別情報検出部701は、例えば図2に示す埋め込み領域(1)から埋め込み領域(8)までを順番に走査して当該埋め込み領域ごとの埋め込みビットを判定し、後記するように、当該複数の判定結果を多数決する多数決判定等によって相補的に判断することで、基本識別情報に相当する最終的な埋め込みビットを決定する。なお、基本識別情報検出部701は、電子透かし埋め込み装置1によってフレーム画像のどの位置にどのような基本識別情報が埋め込まれているのか、すなわち検出対象となる基本識別情報の埋め込み位置の情報と、当該基本識別情報に対応する埋め込みビットの情報と、を予め保持しており、これらの情報を用いて埋め込みビットを判定することで、最終的な埋め込みビットを決定する。
【0070】
ここで、図2に示す埋め込み領域(1)〜(8)のそれぞれには、図3に示すように、基本識別情報が5つずつ埋め込まれているため、1枚のフレーム画像には、合計40箇所に基本識別情報が埋め込まれていることになる。そのため、より少ないフレーム数のフレーム画像から基本識別情報を検出することができるため、電子透かしの検出処理を高速化することができる。
【0071】
関連情報検出部702は、図2に示す埋め込み領域(1)〜(8)に埋め込まれた関連情報を検出するものである。関連情報検出部702は、例えば図2に示す埋め込み領域(1)から埋め込み領域(8)までを順番に走査して当該埋め込み領域ごとの埋め込みビットを判定し、後記するように、当該複数の判定結果を多数決する多数決判定等によって相補的に判断することで、関連情報に相当する最終的な埋め込みビットを決定する。なお、関連情報検出部702は、電子透かし埋め込み装置1によってフレーム画像のどの位置にどのような関連情報が埋め込まれているのか、すなわち検出対象となる関連情報の埋め込み位置の情報と、当該関連情報に対応する埋め込みビットの情報と、を予め保持しており、これらの情報を用いて埋め込みビットを判定することで、最終的な埋め込みビットを決定する。
【0072】
ここで、図2に示す埋め込み領域(1)〜(8)のそれぞれには、図3に示すように、関連情報が1つずつ埋め込まれているため、1枚のフレーム画像には、合計8箇所に関連情報が埋め込まれている。なお、関連情報検出部702は、ここでは前記した基本識別情報検出部701による基本識別情報の検出処理の後に、関連情報の検出処理を行う。
【0073】
(電子透かしの検出アルゴリズム)
基本識別情報検出部701および関連情報検出部702は、以下のようなアルゴリズムを用いてフレーム画像内における基本識別情報および関連情報を検出する。基本識別情報検出部701および関連情報検出部702は、例えば前記したように特許文献1に記載されたアルゴリズムを用いて電子透かしの埋め込み処理を行った場合、埋め込み領域(1)〜(8)(図2参照)内および/または時間方向の画素値(輝度値)変化パターンと、予め定めた電子透かしによる埋め込みビットの埋め込み領域(1)〜(8)(図2参照)内および/または時間方向の画素値(輝度値)変化パターンとの相関値を計算して埋め込み領域ごとにビットを判定し、これらの結果を多数決して最終的な埋め込みビットを決定する。
【0074】
電子透かし検出手段70には、図6に示すように、動画像コンテンツ蓄積手段60から、動画像コンテンツが入力される。そして、電子透かし検出手段70は、前記した手法によって電子透かしを検出し、図6に示すように、その検出結果を表示手段80に出力する。
【0075】
以上のような構成を備える電子透かし検出装置2は、基本識別情報検出部701によって、複数の埋め込み領域から基本識別情報を検出し、関連情報検出部702によって、複数の埋め込み領域から関連情報を検出するように、検出処理を2段階に分けて行うことができる。また、電子透かし検出装置2は、キーワードに一致する動画像コンテンツを構成するフレーム画像の複数の埋め込み領域において、基本識別情報または関連情報が埋め込まれているか否かを検出するため、フレーム画像のある部分で劣化が生じた場合であっても、その他の部分の基本識別情報または関連情報から電子透かしを検出することができる。従って、電子透かし検出装置2は、基本識別情報がフレーム画像に繰り返し埋め込まれていることで、フレーム画像の一部が劣化した場合であっても、その他の部分の基本識別情報から電子透かしを検出することができるため、コンテンツの違法コピーを高速に検知して効率良く排除することができるとともに、放送局において番組または放送素材を効果的に識別することができる。
【0076】
[電子透かし検出装置2の動作]
以下、電子透かし検出装置2の動作について、図7を参照しながら簡単に説明する。まず、検索キーワード入力手段40から検索キーワードが入力されると、動画像コンテンツ収集手段50は、当該検索キーワードに従って、通信網N上における予め設定されたウェブサイト上に存在する動画像コンテンツを検索および収集する(ステップS5)。次に、基本識別情報検出部701が、当該収集された動画像コンテンツを構成するフレーム画像の埋め込み領域(1)〜(8)(図2参照)に埋め込まれた基本識別情報を検出し、検出結果を表示手段80に出力する(ステップS6)。次に、関連情報検出部702が、当該収集された動画像コンテンツを構成するフレーム画像の埋め込み領域(1)〜(8)(図2参照)に埋め込まれた関連識別情報を検出し、検出結果を表示手段80に出力する(ステップS7)。そして、表示手段80が当該検出結果を表示する。
【0077】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態に係る電子透かし検出装置2Aについて、図8を参照しながら簡単に説明する。電子透かし検出装置2Aは、前記した電子透かし検出装置2と同様に、前記した電子透かし埋め込み装置1によって生成された電子透かし埋め込み動画像コンテンツ中に埋め込まれた電子透かしを検出するものであるが、動画像コンテンツ蓄積手段60および電子透かし検出手段70の他に、動画像コンテンツ受信手段90と、動画像コンテンツ復号手段100と、第1データベース格納手段111と、第2データベース格納手段112と、を備えている点において、電子透かし検出装置2とは異なる。なお、電子透かし検出装置2Aは、電子透かし検出装置2と同様の検出アルゴリズムを用いている。
【0078】
また、電子透かし検出装置2Aは、電子透かしを放送局において番組または放送素材を識別する用途に活用する場合に用いることを想定している。従って、電子透かし検出装置2Aの検出対象となる電子透かしの中には、基本識別情報として、動画像コンテンツの識別子(コンテンツID)、動画像コンテンツを撮影したカメラ等の固体識別番号、放送局間におけるコンテンツ受け渡しの際の送信元放送局ID、等の動画像コンテンツの識別情報が含まれており、かつ、関連情報として、動画像コンテンツの撮影日時または撮影場所等の制作情報が含まれている場合を想定している。
【0079】
動画像コンテンツ受信手段90は、伝送路を経由して、圧縮処理が施された動画像コンテンツ(以下、圧縮動画像コンテンツという)を受信するものである。動画像コンテンツ受信手段90は、図8に示すように、伝送路T経由で受信した圧縮動画像コンテンツを動画像コンテンツ復号手段100に出力する。なお、伝送路Tとしては、ここでは放送局間を結ぶFPU(Field Pickup Unit)線、高速固定データ通信回線またはインターネット等を想定している。また、動画像コンテンツの圧縮処理とは、例えば送信側の放送局において、電子透かし埋め込み装置1,1Aによって電子透かしの埋め込み処理がなされた後の電子透かし埋め込み動画像コンテンツに対して、図示していない圧縮装置により圧縮処理が行われたことを意味している。
【0080】
動画像コンテンツ復号手段100は、動画像コンテンツをベースバンド信号に復号するものである。動画像コンテンツ復号手段100は、図8に示すように、動画像コンテンツ受信手段90から圧縮処理が施された圧縮動画像コンテンツが入力されると、ベースバンド信号に復号することで圧縮処理前の状態に戻し、当該動画像コンテンツを動画像コンテンツ蓄積手段60に出力する。
【0081】
第1データベース格納手段111は、動画像コンテンツの基本識別情報に対応付けて、当該動画像コンテンツの名称、または、当該動画像コンテンツの説明をテキスト情報として格納するものである。第1データベース格納手段111は、具体的には、データを記憶することができるメモリ、ハードディスク等で具現される。第1データベース格納手段111は、図8に示すように、基本識別情報に対応した動画像コンテンツの名称、または、当該動画像コンテンツの説明等のテキスト情報を基本識別情報検出部701に出力する。
【0082】
第2データベース格納手段112は、動画像コンテンツの関連情報に対応付けて、当該動画像コンテンツが撮影された場所の地図情報をテキスト情報として格納するものである。第2データベース格納手段112は、具体的には、データを記憶することができるメモリ、ハードディスク等で具現される。第2データベース格納手段112は、図8に示すように、関連情報に対応した動画像コンテンツが撮影された場所の地図情報からなるテキスト情報を関連情報識別部702に出力する。
【0083】
このような構成を備える電子透かし検出装置2Aにおいて、電子透かし検出手段70の基本識別情報検出部701は、動画像コンテンツ復号手段100によって復号された動画像コンテンツを構成するフレーム画像内における複数の埋め込み領域(図2参照)から、基本識別情報を検出するとともに、第1データベース格納手段111から、基本識別情報に対応した動画像コンテンツの名称、または、当該動画像コンテンツの説明等のテキスト情報を抽出する。また、電子透かし検出手段70の関連情報検出部702は、動画像コンテンツ復号手段100によって復号された動画像コンテンツを構成するフレーム画像内における複数の埋め込み領域(図2参照)から、関連情報を検出するとともに、第2データベース格納手段112から、関連情報に対応した動画像コンテンツが撮影された場所の地図情報等のテキスト情報を抽出する。
【0084】
以上のような構成を備える電子透かし検出装置2Aは、伝送路T経由で動画像コンテンツを受信した際に、基本識別情報および関連情報の検出に加えて、これらに関連した情報も抽出されるように構成されているため、例えば送信元や名称が不明な動画像コンテンツを受信した場合であっても、送信元や名称を把握することができる。
【0085】
[電子透かし検出装置2Aの動作]
以下、電子透かし検出装置2Aの動作について、図9を参照しながら簡単に説明する。まず、動画像コンテンツ受信手段90が、伝送路T経由で圧縮動画像コンテンツが受信される(ステップS8)。次に、動画像コンテンツ復号手段100が、圧縮動画像コンテンツをベースバンド信号に復号する(ステップS9)。次に、基本識別情報検出部701が、当該復号された動画像コンテンツを構成するフレーム画像の埋め込み領域(1)〜(8)(図2参照)に埋め込まれた基本識別情報を検出するとともに、第1データベース格納手段111から、基本識別情報に対応したテキスト情報を抽出し、検出結果とテキスト情報を表示手段80に出力する(ステップS10)。次に、関連情報検出部702が、当該収集された動画像コンテンツを構成するフレーム画像の埋め込み領域(1)〜(8)(図2参照)に埋め込まれた関連識別情報を検出するとともに、第2データベース格納手段112から、関連情報に対応したテキスト情報を抽出し、検出結果とテキスト情報を表示手段80に出力する(ステップS11)。そして、表示手段80が当該検出結果およびテキスト情報を表示する。
【0086】
[電子透かし検出プログラム]
ここで、前記した電子透かし検出装置2,2Aは、一般的なコンピュータを、前記した各手段および各部として機能させるプログラムにより動作させることで実現することができる。このプログラムは、通信回線を介して配布することも可能であるし、CD−ROM等の記録媒体に書き込んで配布することも可能である。
【0087】
以上、本発明に係る電子透かし埋め込み装置、電子透かし埋め込みプログラム、電子透かし検出装置および電子透かし検出プログラムについて、発明を実施するための形態により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。
【0088】
例えば、前記した電子透かし埋め込み装置1の電子透かし埋め込み手段20は、基本識別情報埋め込み部201のみを備える構成としてもよい。すなわち、電子透かし埋め込み装置1は、入力された動画像コンテンツに対して、基本識別情報のみを埋め込んで電子透かし埋め込み動画像コンテンツを生成してもよい。
【0089】
また、前記した電子透かし埋め込み装置1の領域分割手段10は、図2に示すように、フレーム画像を(1)〜(8)の8つの領域に分割しているが、8つ以下あるいは8つ以上の領域に分割しても構わない。
【0090】
また、前記した電子透かし埋め込み装置1の基本識別情報埋め込み部201は、図2に示す埋め込み領域(1)〜(8)のそれぞれに、基本識別情報を1回だけ埋め込んでもよい。
【0091】
また、前記した電子透かし埋め込み装置1の関連情報埋め込み部202は、基本識別情報埋め込み部201による基本識別情報の5回分の埋め込み処理の後に、関連情報の埋め込み処理を行うとしたが、基本識別情報と関連情報の埋め込みの順序は特に限定されず、どちらが先でも、どちらが後でも、あるいは同時であっても構わない。
【0092】
また、前記した電子透かし埋め込み装置1の基本識別情報埋め込み部201および関連情報埋め込み部202は、図3に示すようなデータ配列を有する電子透かしの埋め込みが可能であれば、特許文献1に記載された再撮耐性を有する電子透かしの埋め込みアルゴリズム以外のアルゴリズムも用いることができる。
【0093】
また、前記した電子透かし埋め込み装置1Aの埋め込みデータ生成手段30は、基本識別情報のみを含む電子透かしの埋め込みデータを生成する構成としてもよい。すなわち、電子透かし埋め込み装置1Aは、関連情報を含まない電子透かしの埋め込みデータを生成してもよい。
【0094】
また、前記した電子透かし埋め込み装置1Aの埋め込みデータ生成手段30は、基本識別情報を1つのみ含む電子透かしの埋め込みデータを生成する構成としてもよい。すなわち、電子透かし埋め込み装置1Aは、基本識別情報を1つのみ、あるいは基本識別情報および関連情報をそれぞれ1つずつ含む電子透かしの埋め込みデータを生成してもよい。
【0095】
また、電子透かし検出装置2,2Aは、電子透かし埋め込み装置1のみならず、電子透かし埋め込み装置1Aおよびその変形例によって生成された電子透かし埋め込み動画像コンテンツ中に埋め込まれた電子透かしを検出することもできる。
【0096】
また、前記した電子透かし検出装置2,2Aの基本識別情報検出部701および関連情報検出部702で用いられる電子透かしの検出アルゴリズムは前記したものに限定されず、例えばフレーム画像内の埋め込み領域ごとに算出される相関値を順次足し合わせ、一定の閾値に達した時点で、対応する埋め込みビットを最終的な埋め込みビットとして出力するアルゴリズムを用いてもよい。なお、この場合、例えば1つの基本識別情報がフレーム画像の時間方向あるいは複数のフレームにわたって埋め込まれている場合とは異なり、1枚のフレーム画像から基本識別情報を検出することができるため、電子透かしの検出処理を高速化することができる。
【0097】
また、前記した電子透かし検出装置2,2Aの関連情報検出部702は、基本識別情報検出部701による基本識別情報の検出処理の後に、関連情報の検出処理を行うとしたが、電子透かし検出装置2,2Aの処理能力に応じて、基本識別情報の検出処理と関連情報の検出処理を並行して同時に行っても良い。
【0098】
また、前記した電子透かし埋め込み装置1の説明では、図3に示す少数ビットデータの繰り返し埋め込み領域に8ビットの基本識別情報を繰り返し埋め込み、汎用データの埋め込み領域に40ビットの関連情報を埋め込む場合を示したが、他のビット列長であってもよい。この2種類のデータについて、それぞれどのビット列長が最適であるかは、電子透かしの検出に要する時間や検出精度との兼ね合いによるため、個々の具体的な態様により異なる。
【0099】
例えば、前記した基本識別情報の検出に要する時間をより短縮化する必要がある場合、その埋め込み繰り返し回数を増加させればよい。例えば、図3に示す電子透かしのデータ配列における基本識別情報の繰り返し回数を5回から10回に増加させると、基本識別情報検出部701が判定する埋め込み領域ごとの埋め込みビットの数がより増加し、最終的な埋め込みビットの決定までの時間がより短縮されるため、基本識別情報をより高速に検出することができる。また、関連情報(汎用データ)のデータ量が大きく、その検出に非常に長い時間を要する場合は、基本識別情報の埋め込み繰り返し回数を減少させることによって、1フレーム内の埋め込み領域における汎用データが占める割合を増加させればよい。
【0100】
また、前記した電子透かし検出装置2の説明では、動画像コンテンツ収集手段50がインターネット経由でアクセス可能な動画像コンテンツのうち、動画投稿サイトにアップロードされた放送番組等、著作権侵害の可能性が疑われる動画像コンテンツを収集する場合を示したが、使用する通信網Nはインターネットに限らず、任意の通信網を利用することができる。また、ウェブサイトについても、動画投稿サイトに限らず任意のウェブサイトを対象として動画像コンテンツを探索してもよく、アクセスし得るあらゆる動画像コンテンツを収集してもよい。
【0101】
また、前記した電子透かし検出装置2を動画投稿サイトへの削除要請システムと組み合わせて違法流通対策システムを構築してもよい。また、当該電子透かし検出装置2を直接動画投稿サイトに備え、アップロードされる動画像コンテンツから基本識別情報を高速に検出することで、違法にアップロードされた動画像コンテンツを速やかに検知し、即座にこれを削除する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0102】
1,1A 電子透かし埋め込み装置
2,2A 電子透かし検出装置
9 埋め込み単位特定手段
10 領域分割手段
20,21 電子透かし埋め込み手段
30 埋め込みデータ生成手段
40 検索キーワード入力手段
50 動画像コンテンツ収集手段
60 動画像コンテンツ蓄積手段
70 電子透かし検出手段
80 表示手段
90 動画像コンテンツ受信手段
100 動画像コンテンツ復号手段
111 第1データベース格納手段(DB1)
112 第2データベース格納手段(DB1)
201 基本識別情報埋め込み部
202 関連情報埋め込み部
701 基本識別情報検出部
702 関連情報検出部
N 通信網
T 伝送路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子透かしを動画像コンテンツに埋め込むことで電子透かし埋め込み動画像コンテンツを生成する電子透かし埋め込み装置であって、
前記動画像コンテンツを構成するフレーム画像において、埋め込み単位となる電子透かし1ビットに対応する画素ブロック単位を特定する埋め込み単位特定手段と、
前記フレーム画像に、所定数の画素ブロック単位で構成され、前記動画像コンテンツを他の動画像コンテンツと区別するための情報である基本識別情報を1つ以上含む電子透かしを埋め込む電子透かし埋め込み手段と、
前記フレーム画像を複数の埋め込み領域に分割する領域分割手段と、を備え、
前記電子透かし埋め込み手段は、前記複数の埋め込み領域ごとに、前記基本識別情報を1回以上埋め込む基本識別情報埋め込み部を備えることを特徴とする電子透かし埋め込み装置。
【請求項2】
電子透かしを動画像コンテンツに埋め込むことで電子透かし埋め込み動画像コンテンツを生成する電子透かし埋め込み装置であって、
前記動画像コンテンツを構成するフレーム画像において、埋め込み単位となる電子透かし1ビットに対応する画素ブロック単位を特定する埋め込み単位特定手段と、
前記フレーム画像に、所定数の画素ブロック単位で構成され、前記動画像コンテンツを他の動画像コンテンツと区別するための情報である基本識別情報を1つ以上含む電子透かしを埋め込む電子透かし埋め込み手段と、
同一の前記基本識別情報を1つ以上含む前記電子透かしの埋め込みデータを生成する埋め込みデータ生成手段と、を備え、
前記電子透かし埋め込み手段は、前記埋め込みデータを前記フレーム画像に所定回数繰り返し埋め込むことを特徴とする電子透かし埋め込み装置。
【請求項3】
前記電子透かし埋め込み手段は、前記複数の埋め込み領域ごとに、動画像コンテンツに関連した情報である関連情報を1回以上埋め込む関連情報埋め込み部を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子透かし埋め込み装置。
【請求項4】
前記埋め込みデータ生成手段は、同一の前記基本識別情報を1つ以上含むとともに動画像コンテンツに関連した情報である関連情報を1つ以上含む前記電子透かしの埋め込みデータを生成することを特徴とする請求項2に記載の電子透かし埋め込み装置。
【請求項5】
前記基本識別情報は、前記動画像コンテンツの著作権者の氏名または名称であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電子透かし埋め込み装置。
【請求項6】
前記基本識別情報は、前記動画像コンテンツの識別子であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電子透かし埋め込み装置。
【請求項7】
前記関連情報は、前記動画像コンテンツの名称を記述したメタデータ、または、前記動画像コンテンツの著作権者の氏名以外の権利情報もしくは前記動画像コンテンツの著作権者の名称以外の権利情報を記述したメタデータであることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の電子透かし埋め込み装置。
【請求項8】
前記関連情報は、前記動画像コンテンツの撮影日時または撮影場所を示す情報であることを特徴とする請求項3、請求項4、請求項6のいずれか一項に記載の電子透かし埋め込み装置。
【請求項9】
電子透かしを動画像コンテンツに埋め込むことで電子透かし埋め込み動画像コンテンツを生成するために、コンピュータを、
前記動画像コンテンツを構成するフレーム画像において、埋め込み単位となる電子透かし1ビットに対応する画素ブロック単位を特定する埋め込み単位特定手段、
前記フレーム画像に、所定数の画素ブロック単位で構成され、前記動画像コンテンツを他の動画像コンテンツと区別するための情報である基本識別情報を1つ以上含む電子透かしを埋め込む電子透かし埋め込み手段、
前記フレーム画像を複数の埋め込み領域に分割する領域分割手段、として機能させ、
前記電子透かし埋め込み手段は、前記複数の埋め込み領域ごとに、前記基本識別情報を1回以上埋め込む基本識別情報埋め込み部を備えることを特徴とする電子透かし埋め込みプログラム。
【請求項10】
電子透かしを動画像コンテンツに埋め込むことで電子透かし埋め込み動画像コンテンツを生成するために、コンピュータを、
前記動画像コンテンツを構成するフレーム画像において、埋め込み単位となる電子透かし1ビットに対応する画素ブロック単位を特定する埋め込み単位特定手段、
前記フレーム画像に、所定数の画素ブロック単位で構成され、前記動画像コンテンツを他の動画像コンテンツと区別するための情報である基本識別情報を1つ以上含む電子透かしを埋め込む電子透かし埋め込み手段、
同一の前記基本識別情報を1つ以上含む前記電子透かしの埋め込みデータを生成する埋め込みデータ生成手段、として機能させ、
前記電子透かし埋め込み手段は、前記埋め込みデータを前記フレーム画像に所定回数繰り返し埋め込むことを特徴とする電子透かし埋め込みプログラム。
【請求項11】
動画像コンテンツを構成するフレーム画像内における複数の埋め込み領域のそれぞれに、当該動画像コンテンツを他の動画像コンテンツと区別するための情報である基本識別情報を1つ以上含むとともに当該動画像コンテンツに関連した情報である関連情報を1つ以上含む電子透かしが埋め込まれている電子透かし埋め込み動画像コンテンツから、前記電子透かしを検出する電子透かし検出装置であって、
前記複数の埋め込み領域から前記基本識別情報を検出する基本識別情報検出部と、前記複数の埋め込み領域から前記関連情報を検出する関連情報検出部と、からなる電子透かし検出手段を備えることを特徴とする電子透かし検出装置。
【請求項12】
通信網上における予め設定されたウェブサイト上に存在する動画像コンテンツを検索するための検索キーワードを入力する検索キーワード入力手段と、
前記検索キーワードに従って前記ウェブサイト上に存在する動画像コンテンツを検索し、当該動画像コンテンツを収集する動画像コンテンツ収集手段と、を備え、
前記基本識別情報検出部および前記関連情報検出部は、前記収集された動画像コンテンツを構成するフレーム画像内における複数の埋め込み領域から、前記基本識別情報および前記関連情報を検出することを特徴とする請求項11に記載の電子透かし検出装置。
【請求項13】
伝送路経由で前記動画像コンテンツを受信する動画像コンテンツ受信手段と、
前記受信した動画像コンテンツをベースバンド信号に復号する動画像コンテンツ復号手段と、
前記動画像コンテンツの基本識別情報に対応付けて、当該動画像コンテンツの名称、または、当該動画像コンテンツの説明をテキスト情報として格納する第1データベース格納手段と、
前記動画像コンテンツの関連情報に対応付けて、当該動画像コンテンツが撮影された場所の地図情報をテキスト情報として格納する第2データベース格納手段と、を備え、
前記基本識別情報検出部および前記関連情報検出部は、前記復号された動画像コンテンツを構成するフレーム画像内における複数の埋め込み領域から、前記基本識別情報および前記関連情報を検出するとともに、前記第1データベース格納手段および前記第2データベース格納手段から、前記基本識別情報および前記関連情報に対応したテキスト情報をそれぞれ抽出することを特徴とする請求項11に記載の電子透かし検出装置。
【請求項14】
前記基本識別情報検出部および前記関連情報検出部は、前記動画像コンテンツを構成するフレーム画像内における複数の埋め込み領域ごとの埋め込みビットを判定し、当該複数の判定結果を相補的に判断することで、前記基本識別情報および前記関連情報に相当する最終的な埋め込みビットを決定することを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか一項に記載の電子透かし検出装置。
【請求項15】
動画像コンテンツを構成するフレーム画像内における複数の埋め込み領域のそれぞれに、当該動画像コンテンツを他の動画像コンテンツと区別するための情報である基本識別情報を1つ以上含むとともに当該動画像コンテンツに関連した情報である関連情報を1つ以上含む電子透かしが埋め込まれている電子透かし埋め込み動画像コンテンツから、前記電子透かしを検出するために、コンピュータを、
前記複数の埋め込み領域から前記基本識別情報を検出する基本識別情報検出部と、前記複数の埋め込み領域から前記関連情報を検出する関連情報検出部と、からなる電子透かし検出手段として機能させることを特徴とする電子透かし検出プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−151535(P2012−151535A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6577(P2011−6577)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】