説明

電子運転免許証、違反切符発行装置及び納付装置

【課題】本発明の課題は、運転免許証を利用して反則金の納付が手軽に行える電子運転免許証を提供することである。
【解決手段】電子運転免許証11は、表面と裏面が電子ペーパー12、13で構成されており、表面の電子ペーパー12には氏名、免許種別、有効期限等からなる運転免許証情報が表示される。裏面の電子ペーパー13には、交通違反切符、あるいは運転免許証11の記載事項の変更内容が表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペーパーを有する電子運転免許証、違反切符を発行する違反切符発行装置及び交通違反の反則金の納付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、警察官は交通違反の車両を発見した場合、運転者の運転免許証を確認し、違反切符に運転免許証の記載事項を書き写し、違反の発生場所、日時等を記入して違反切符を発行していた。しかし、違反切符には免許証番号、氏名、住所など記載する項目が多いため、記入作業に時間がかってしまい、駐車違反取締りの業務が効率的に行なうことが難しかった。このような問題を解決するために種々の提案がなされている。
【0003】
特許文献1には、運転免許証を読み取り部で読み取り、予め記憶してある違反切符のフォーマットの画面に、免許証から読み取った画像を表示させることで違反切符を簡単に発行できるようにすることが記載されている。
【0004】
特許文献2には、運転免許証の記載内容をイメージデータ読み取り手段で読み取り、読み取ったイメージデータと、入力手段から入力されたデータをメモリカードに記憶すると共に、メモリカードに記憶したデータに基づいて交通違反帳票を発行する携帯型の交通違反帳票発行機について記載されている。
【0005】
特許文献3には、電子運転免許証から無線で送信される情報を、運転免許証検札用携帯端末で受信することで、免許証の検札業務の効率化を実現する運転免許証システムについて記載されている。
【0006】
特許文献4には、免許証情報を読み取る読み取り装置と、読み取り装置により読み取った免許証記載情報を表示する表示装置と、表示装置の表面に配設される透明タッチパネルと、入力装置と、交通違反切符を印刷するプリンタとを有する交通違反切符発行器について記載されている。
【0007】
従来の方法は、何れも違反切符を紙に印刷して発行しており、違反切符自体は電子化されておらず、違反切符の発行者と違反者の利便性が考慮されていなかった。さらに、紙に印刷された違反切符を受け取った人は、その違反切符を銀行等の窓口に持っていって反則金を支払う必要があり、反則金の支払い手続きに時間がかかるという問題点もあった。さらに、従来の方法では、警察官が運転免許証を見てもその人が反則金を納付期限納付に支払っているかどうかは分からないので、反則金を支払わずに運転を続けることも可能であった。
【特許文献1】特開平7−121605号公報
【特許文献2】特開平8−147429号公報
【特許文献3】特開平9−259307号公報
【特許文献4】特許第3640107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、運転免許証を利用して反則金の納付が手軽に行える電子運転免許証を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電子運転免許証は、電子運転免許証の裏面に設けられた電子ペーパーと、運転免許証情報と交通違反情報を記憶する記憶手段と、前記交通違反情報に基づいて前記裏面の電子ペーパーに交通違反切符を表示させると共に、前記運転免許証情報または前記交通違反情報を外部に出力する制御手段とを備える。
【0010】
この発明によれば、電子運転免許証の裏面の電子ペーパーに交通違反切符が表示されるので、交通違反切符を紛失するのを防止できる。また、運転免許証情報を外部の装置(例えば、違反切符発行装置)に出力することで、違反切符発行装置における、交通違反切符の作成作業を簡素化でき、交通違反切符の発行に要する時間を大幅に短縮できる。また、電子運転免許証に交通違反情報を記憶することで、納付装置を利用して交通違反の反則金を簡単に納付することができる。これにより、違反者は、銀行等の窓口に行かなくとも、納付装置が設置されたコンビニやATM(現金自動預払機)を利用して手軽に反則金を納付することができる。
【0011】
上記の電子運転免許証において、電子運転免許証の表側に設けられた、運転免許証情報を表示する第2の電子ペーパーを有する。
このように構成することで、免許の更新時に、第2の電子ペーパーに表示される運転免許証情報を書き換えることで電子運転免許証を再利用することができる。これにより、運転免許証の発行費用を低減できる。
【0012】
上記の電子運転免許証において、前記制御手段は、交通違反の反則金の納付を行う納付装置から、反則金の納付が完了したことを知らせるデータを受信したとき、前記交通違反切符を前記電子ペーパーから消去する。
【0013】
このように構成することで、反則金が未納の場合には、交通違反切符が消去されないので、電子運転免許証を見るだけで違反金が納付済みか否かを確認できる。
本発明の交通違反切符発行装置は、電子運転免許証から運転免許証情報を取得する取得手段と、交通違反のデータを入力する入力手段と、前記運転免許証情報と前記入力手段から入力されたデータに基づいて交通違反切符を作成し、前記電子運転免許証の裏面の電子ペーパーに前記交通違反切符を表示させる制御手段とを備える。
【0014】
本発明によれば、電子運転免許証に記憶されている運転免許証情報を利用して簡易に交通違反切符を発行することができる。
本発明の納付装置は、交通違反情報を記憶する記憶部と交通違反切符が表示される電子ペーパーとを有する電子運転免許証に対して接触または非接触でデータの読み取り及び書き込みを行う読み取り・書き込み手段と、違反者により反則金が納付されたことをサーバ装置に通知する通知手段と、前記サーバ装置から交通違反情報の消去を指示するデータを受信したとき、前記電子運転免許証の裏面の前記電子ペーパーに表示されている前記交通違反切符を消去する制御手段とを備える。
【0015】
この発明によれば、違反者は、銀行等の窓口にわざわざ行かなくとも、近くにある納付装置で電子運転免許証を利用して交通違反の反則金を手軽に納付することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の電子運転免許証によれば、従来の様に違反キップを運転免許証とは別に所持する必要がなくなるため、交通違反切符を紛失する可能性が少なくなる。本発明の違反切符発行装置によれば、電子運転免許証に記憶されている運転免許証情報を利用して電子ペーパーに交通違反切符を表示させることができる。また、本発明の納付装置によれば、違反者は、銀行等の窓口にわざわざ行かなくとも、納付装置が設置されたコンビニやATM(現金自動預払機)で電子運転免許証を利用していつでも交通違反の反則金を手軽に納付することができるため、反則金の納付率の向上が望める。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。図1は、実施の形態の電子ペーパーを有する電子運転免許証11の外観図である。
電子運転免許証(以下、運転免許証という)11は、表側と裏側が電子ペーパーで構成され、CPU、メモリ等が搭載されたICカードである。表側の電子ペーパー12には、氏名、住所、有効期限、免許番号、免許の種類等からなる運転免許証情報が表示される。裏面の電子ペーパー13には、記載事項変更内容や交通違反切符が表示される。
【0018】
電子ペーパー12、13は、表示データを電源オフの状態でも保持する機能を有し、電子分流体方式、マイクロカプセル型電気詠動方式、メモリ性を有する液晶などの種々のタイプのものがある。実施の形態の電子ペーパー12、13は、R,G,Bの3色のコレステリック液晶を薄い透明フィルムで挟んだ構造のものを用いている。
【0019】
図2は、運転免許証11のブロック図である。運転免許証11は、CPU等からなる制御部21と、メモリ部22と、表示部(電子ペーパー)23と、通信部24とからなる。
制御部21は、メモリ部22に記憶されている運転免許証データなどを電子ペーパー12、13に表示させる。メモリ部22には、運転免許証情報と裏面の記載変更事項、あるいは交通違反切符情報(交通違反情報)が記憶されている。メモリ部22のデータは、例えば、暗号化されて記憶されており、復号鍵を有しない外部装置からは読み出すことができない。通信部24は、制御部21の制御のもとに外部の装置(例えば、違反切符発行装置)にデータを出力する。
【0020】
メモリ部22から読み出された運転免許証情報、違反切符情報等は、制御部21により表示部23の電子ペーパー12、13に書き込まれる。
図3は、違反切符発行端末(装置)31の外観図である。違反切符発行端末31は、タッチパネル式の表示部32と、入力用のタッチペン33と、キー入力部34とからなる。この違反切符発行端末31の右側面には、運転免許証11を挿入する挿入口が設けられており、運転免許証11を挿入した状態で記載事項の修正、交通違反情報の書き込み等を行うことができる。
【0021】
図4は、違反切符発行端末31の構成を示す図である。違反切符発行端末31は、リーダライタ部41と、メモリ部42と、入力部34と、表示部32と、通信部43と、制御部44からなる。
【0022】
リーダライタ部41は、運転免許証11に対するデータの読み取り及び書き込みを行う。メモリ部42は、運転免許証11から読み出したデータを一時記憶すると共に、交通違反情報を管理するサーバ装置51(図5)から送信されてくるデータを記憶する。
【0023】
キー入力部34は、図3のキー入力部34とタッチパネル表示部32とで構成される。通信部43は、運転免許証11及びサーバ装置51との間の通信を行う。制御部44は、リーダライタ部41の読み取り、書き込みの制御、メモリ部42のデータの読み出し、書き込みの制御等を行う。
【0024】
図5は、実施の形態の交通違反管理システムの構成を示す図である。交通違反管理システムは、交通違反情報を管理するサーバ装置51と、違反切符発行端末31と、コンビニエンスストア等に設置される反則金の納付端末52と、銀行等の端末53からなる。
【0025】
サーバ装置51は、警察官のID、暗証番号等が登録されている警察官データベース5
4と、違反者データベース55と、個々の違反内容が登録されている違反データベース56とを有している。
【0026】
サーバ装置51は、違反切符発行端末31からキー入力部34またはタッチパネル表示部32により入力された警察官IDと暗証番号を受信すると、受信した警察官ID及び暗証番号を警察官データベース54に登録されているデータと照合し、一致するデータの組が存在するか否かを判定する。一致するデータの組が存在する場合には、その操作者にアクセス権限があることを違反切符発行端末31に通知し、一致するデータの組が存在しない場合には一致しない旨を違反切符発行端末31に通知する。また、違反切符発行端末31から送信されてくる交通違反者に関する情報、違反内容等を違反者データベース55及び違反データベース56に登録する。
【0027】
図6〜図8は、それぞれ警察官データベース54、違反者データベース55、違反データベース56の構成を示す図である。
図6に示す警察官データベース54は、1つのレコードが、警察官の所属する警察署名と、氏名と、暗証番号と、IDで構成されている。
【0028】
違反切符発行端末31から操作者(警察官)のIDと暗証番号が送信されてくると、サーバ装置51は、IDコードをキーにして警察官データベース54を検索し、入力された暗証番号と登録されている暗証番号を比較して、両者が一致する場合のみ運転免許証11へのアクセスを許可する。
【0029】
図7に示す違反者データベース55は、1つのレコードが、運転免許番号と、違反日と、違反内容と、反則金と、納期期限と、納付日と、納付フラグとで構成されている。
違反切符発行端末31により交通違反情報が運転免許証11に書き込まれると、その交通違反情報は運転免許証情報と共にサーバ装置51に送信される。サーバ装置51は、運転免許番号と対応付けて違反データを違反者データベース55と違反データベース56に登録する。この違反者データベース55を、例えば、運転免許番号をキーにして検索することで、運転免許証の11の所有者が交通違反をしているか否か、反則金が納付済みか否かを即座に調べることができる。
【0030】
図8に示す違反データベース56は、1つのレコードが、運転免許番号と違反内容と反則金で構成されている。この違反データベース56を、例えば、運転免許番号をキーにして検索することで違反内容と反則金の金額を調べることができる。
【0031】
次に、図9は、違反切符発行端末31の処理動作を示すフローチャートである。以下の処理は、基本的には制御部44により実行されるが、人が行う操作も含めて示してある。
警察官は違反者を見つけた場合、違反者より運転免許証の提示を求め、提示された運転免許証11を違反切符発行端末31に挿入し、自分のIDを入力する(S11)。さらに、入力部34から暗証番号を入力する(S12)。制御部44は、入力されたIDと暗証番号をサーバ装置51に送信する(S13)。
【0032】
サーバ装置51は、入力されたIDと暗証番号と警察官データベース54に登録されているデータと照合して、照合結果を違反切符発行端末31に送信する。
違反切符発行端末31の制御部44は、照合結果がOKか否かを判別する(S14)。サーバ装置51による照合結果がNGのときには(S14、NG)、ステップS15に進み、表示部44にID、暗証番号の再入力を要求するメッセージを表示する。
【0033】
他方、照合結果がOKであったときには(S14、OK)、ステップS16に進み、運転免許証11から運転免許証情報を取得する。このステップS16の処理では、例えば、
違反切符発行端末31の制御部44が通信部43を介して運転免許証11の通信部24との間でデータの送受信を行い、運転免許証情報を受信する。
【0034】
次に、取得した運転免許証情報を表示部32に表示する(S17)。操作者(警察官)は、運転免許証情報を目視で確認しながら、交通違反の内容を入力部43から入力する(S18)。ステップS18の処理では、運転免許証11から取得した運転免許証情報と、入力された交通違反データがメモリに保存され、それらの情報が交通違反切符の作成に利用される。
【0035】
制御部44は、運転免許証情報と交通違反の内容を示すデータをサーバ装置51に送信する(S19)。
サーバ装置51は、違反切符発行端末31からデータを受信すると、違反者データベース55と違反データベース56にデータを登録し、登録後の違反データ(交通違反情報)を違反切符発行端末31に送信する。
【0036】
違反切符発行端末31の制御部44は、サーバ装置51から違反データを受信すると(S20)、受信した違反データを表示部32に表示する(S21)。
操作者は、表示部32の表示内容を確認する(S22)。このとき修正事項があれば修正する。
【0037】
制御部44は、修正の有無を判断する(S23)。修正があったときには(S23、有)、ステップS18に戻り上記の処理を繰り返す。
他方、修正がなかったときには(S23、無)、ステップS24に進み、運転免許証11に違反データを送信する共に、反則金の納付が必要な場合には、納付書(反則金と納付期限を示すデータ)も同時に送信する。
【0038】
運転免許証11が違反データ、あるいは違反切符の書き込みが完了したことを確認したなら、違反者に運転免許証を返却する(S25)。
図10は、違反切符発行時の運転免許証11側の処理を示すフローチャートである。
【0039】
違反切符発行端末31から運転免許証情報の要求を受信すると(図10、S31)、運転免許証11の制御部21は、メモリ部22に記憶されている運転免許証情報を読み出し違反切符発行端末31に送信する(S32)。
【0040】
次に、違反切符発行端末31から違反データを受信すると(S33)、受信した違反データを裏面の電子ペーパー13に表示させる(S34)。このとき、違反データが反則金の支払いが必要な違反切符であったときには、違反切符の内容を裏面の電子パーパー13に表示する。
【0041】
図11(A)、(B)は、違反切符と記載事項変更時の表示例を示す図である。図11(A)は交通違反切符の表示例であり、運転免許証11の裏面の電子ペーパー13には、違反切符が交付された日付、交付者、違反車両の種類、車両の登録番号、違反事項、反則金、納付期限等が表示される。
【0042】
図11(B)は記載事項を変更した場合の表示例であり、運転免許証11に記載されている住所が変更された場合には、変更された住所が裏面の電子ペーパー13に表示される。
【0043】
図12は、コンビニエンスストア等に設置される納付端末52の構成を示す図である。実施の形態では、納付端末52と運転免許証11を用いて交通違反切符の反則金を納付す
ることができる。
【0044】
納付端末52は、リーダライタ部61、メモリ部62、入力部63、表示部64、通信部65、制御部66からなる。
リーダライタ部61は、接触または非接触で運転免許証11に対してデータの読み出し及び書き込みを行う。メモリ部62は、運転免許証11から読み出したデータを一時記憶すると共に、サーバ装置51から送信されてくるデータを記憶する。
【0045】
表示部64は、操作者に対するメッセージを表示すると共に、入力部63から入力されたデータを表示する。通信部65は、リーダライタ部61で読み取った違反切符情報をネットワークを介してサーバ装置51に送信すると共に、サーバ装置51からデータを受信する。
【0046】
制御部66は、リーダライタ部41の読み取り及び書き込みの制御、メモリ部42のデータの読み出し及び書き込みの制御等を行う。
図13は、反則金納付時の納付端末52の処理を示すフローチャートである。以下の処理には、反則金を支払う違反者の操作も含めて示してある。
【0047】
違反者は、銀行またはコンビニエンスストアに設置される納付端末52のリーダライタ部61に運転免許証11を挿入または非接触の状態で近づける(運転免許証をかざす)(S41)。
【0048】
納付端末52の制御部66は、挿入または非接触の状態で近づけられた運転免許証11の運転免許証情報(例えば、運転免許番号)を取得し、その運転免許番号をサーバ装置51に送信して交通違反データが登録されている否かを照会する(S42)。
【0049】
制御部66は、サーバ装置51の照合結果が違反有りか否かを判別する(S43)。照合結果が違反無しの場合には(S43、無し)、ステップS44に進み、納付端末52の表示部64に「違反データなし」というメッセージを表示する。
【0050】
他方、照合結果が違反データ有りの場合には(S43、有り)、ステップS45に進み、違反者データベース55及び違反データベース56から読み出された違反データ等を受信し、違反データ等を表示部64に表示する。
【0051】
違反者は表示部64に表示される違反内容を確認し、反則金を支払う(S46)。納付端末52は、投入口から所定の反則金が投入されると、反則金納付済みデータをサーバ装置51に送信する(S47)。
【0052】
サーバ装置51は、納付端末52から反則金納付済みデータを受信すると、違反者データベース55の反則金納付フラグを支払い済みにして、納付端末52に違反情報消去データを送信する(S48)。
【0053】
納付端末52は、サーバ装置51から違反情報消去データを受信すると(S49)、運転免許証11の交通違反切符情報を消去する(S50)。交通違反切符情報が消去されると、運転免許証11の制御部21により裏面の電子ペーパー13の交通違反切符が消去される。ステップS50の処理では、例えば、納付端末52が直接運転免許証11の違反切符を消去しても良いし、納付端末52が運転免許証11に違反切符の消去を指示し、運転免許証11の制御部21が、メモリ部22に記憶されている違反切符情報と、電子ペーパー13に表示されている違反切符情報の消去を行うようにしても良い。
【0054】
図14は、反則金納付時のサーバ装置51の処理を示すフローチャートである。
納付端末52から違反切符情報と納付情報(反則金とその納付期限)を受信すると(S51)、サーバ装置51は、運転免許番号をキーにして違反者データベース55を検索し、違反者を特定する(S52)。
【0055】
サーバ装置51は、納付端末52から違反金の納付通知を受信すると、違反者データベース55の該当する違反データに納付日を書き込み、納付フラグを納付済みにして、違反者データベース55を更新する(S53)。
【0056】
サーバ装置51は、その後、納付端末52に違反情報消去データを送信する(S54)。サーバ装置51から違反情報消去データを受信すると、納付端末52は、運転免許証11の裏面の電子ペーパー13に表示されている交通違反切符を消去する。
【0057】
図15は、納付端末52の表示状態を示す図である。図15(A)は、運転免許証11のデータを非接触で読み取るタイプの納付端末52の表示状態を示している。この場合、リーダライタ部61に「免許証をかざしてください」というメッセージが固定表示されている。違反者が、運転免許証11をリーダライタ部61にかざすと、納付端末52により交通違反切符情報が運転免許証11から読み取られ、表示部64に「反則事項」と「反則金」等が表示される。違反者は、表示された反則金を図示しない投入口から投入することで反則金を支払うことができる。また、納付端末はコンビニのPOS端末やATM(現金自動預払機)に接続することにより、POS端末やATMで現金を投入して支払うことが出来る。
【0058】
図15(B)は、運転免許証11を挿入するタイプの納付端末52の表示状態を示している。この場合、リーダライタ部61に「免許証を挿入してください」というメッセージが固定表示されている。違反者が、リーダライタ部61に運転免許証11を挿入すると、交通違反切符情報が運転免許証11から読み取られ、表示部64に「違反事項」と「反則金」が表示される。
【0059】
次に、図16は、違反切符発行端末31からの問い合わせに対するサーバ装置51の処理を示すフローチャートである。
サーバ装置51は、違反切符発行端末31から違反者情報を受信する(S61)。サーバ装置51は、違反事項を指定して反則金の問い合わせを受けた場合には、違反データベース56を違反事項をキーに反則金を抽出する(S62)。そして、その違反事項に対応する反則金情報を違反切符発行端末31へ送信する(S63)。
【0060】
上述した実施の形態によれば、運転免許証11に交通違反情報(交通違反切符情報)を書き込み、運転免許証11の裏面の電子ペーパー13に交通違反切符を表示させることができる。これにより、違反者にとっては、運転免許証11の裏面の電子ペーパー13に違反切符が表示されるので、違反切符を紛失する可能性がなくなる。
【0061】
実施の形態の運転免許証11は、内部に運転免許証情報が記憶されているので、違反切符発行端末31が、その運転免許証情報を利用して交通違反切符を作成することで、交通違反切符を発行するための作業が簡略化できる。これにより、入力操作に慣れていない人でも違反切符を発行することができる。
【0062】
さらに、運転免許証11に交通違反切符情報を書き込むことで、コンビニエンスストア等に設置する納付端末52を利用して反則金を手軽に納付することができる。また、反則金の納付が完了した時点で、運転免許証11の交通違反切符を消去することができる。
【0063】
本発明は上述した実施の形態に限らず、例えば、以下のように構成しても良い。
(1)実施の形態は、運転免許証11の表面と裏面の両方が電子ペーパーで構成されている場合について説明したが、両面が電子ペーパーで構成されているものに限らず、裏面のみが電子ペーパーで構成され、裏面に交通違反切符を表示するものであっても良い。
(2)納付端末52が、サーバ装置51から違反データを受信して納付端末52の表示部に表示する方法に限らず、納付端末52が、運転免許証11から交通違反切符情報を取得し、その交通違反切符情報を利用して反則金の納付を行えるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】実施の形態の運転免許証の外観図である。
【図2】運転免許証のブロック図である。
【図3】違反切符発行端末の外観図である。
【図4】違反切符発行端末の構成を示す図である。
【図5】交通違反管理システムの構成を示す図である。
【図6】警察官データベースの構成を示す図である。
【図7】違反者データベースの構成を示す図である。
【図8】違反データベースの構成を示す図である。
【図9】違反切符発行端末の動作を示すフローチャートである。
【図10】違反切符発行時の運転免許証側の処理を示すフローチャートである。
【図11】違反切符と記載事項変更時の表示例を示す図である。
【図12】納付端末の構成を示す図である。
【図13】反則金納付時の納付端末の処理を示すフローチャートである。
【図14】反則金納付時のサーバ装置の処理を示すフローチャートである。
【図15】納付端末の表示状態を示す図である。
【図16】違反切符発行端末からの問い合わせに対するサーバ装置の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
11 運転免許証
12、13 電子ペーパー
21、44、66 制御部
31 違反切符発行端末
51 サーバ装置
52 納付端末
54 警察官データベース
55 違反者データベース
56 違反データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子運転免許証の裏面に設けられた電子ペーパーと、
運転免許証情報と交通違反情報を記憶する記憶手段と、
前記交通違反情報に基づいて前記裏面の電子ペーパーに交通違反切符を表示させると共に、前記運転免許証情報と前記交通違反情報を外部に出力する制御手段とを備える電子運転免許証。
【請求項2】
電子運転免許証の表側に設けられ、前記運転免許証情報を表示する第2の電子ペーパーを有する請求項1記載の電子運転免許証。
【請求項3】
前記制御手段は、交通違反の反則金の納付を行う納付装置から、反則金の納付が完了したことを知らせるデータを受信したとき、前記交通違反切符を前記電子ペーパーから消去する請求項1または2記載の電子運転免許証。
【請求項4】
電子運転免許証から運転免許証情報を取得する取得手段と、
交通違反のデータを入力する入力手段と、
前記運転免許証情報と前記入力手段から入力されたデータに基づいて交通違反切符を作成し、前記電子運転免許証の裏面の電子ペーパーに前記交通違反切符を表示させる制御手段とを備える違反切符発行装置。
【請求項5】
交通違反情報を記憶する記憶部と交通違反切符が表示される電子ペーパーとを有する電子運転免許証に対して接触または非接触でデータの読み取り及び書き込みを行う読み取り・書き込み手段と、
違反者により反則金が納付されたことをサーバ装置に通知する通知手段と、
前記サーバ装置から交通違反情報の消去を指示するデータを受信したとき、前記電子運転免許証の裏面の前記電子ペーパーに表示されている前記交通違反切符を消去する制御手段とを備える納付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−238091(P2009−238091A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−85738(P2008−85738)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】