説明

電子部品の実装構造および実装方法

【課題】高密度化する電子部品の実装技術において、より簡便な方法で、より高品質、より高信頼性の接続構造を提供する。
【解決手段】電子部品100の実装構造は、複数の電極11を有する電子部品10を、複数の電極11がそれぞれ接合される複数の電極21を有する電子部品20に実装する構造であって、電極11と電極21とが接合されたそれぞれの接合面50は、電極11あるいは電極21が配列されている実装面10s,20s方向に対して傾斜しており、接合面50の傾斜方向は、少なくとも、第一の方向と、第二の方向とを有し、第一の方向と第二の方向は、電子部品10を電子部品20に実装した後に、電子部品10あるいは電子部品20のいずれか一方が他方より高い収縮率で、実装面10s,20sの方向に収縮した場合に、第一の方向の接合面50と第二の方向の接合面50とにそれぞれ応力が発生する方向に傾斜している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の実装構造、およびその実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯情報端末といった分野を中心に、ますます電子機器の小型化、薄型化および低価格化が進み、半導体デバイスなどの電子部品を基板に高密度実装するための構造や方法の簡略化を目的とした様々な技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、高密度実装を実現しながらも半導体デバイスと基板との機械的接続力が向上した実装方法の提案がされている。具体的には、半導体デバイスに形成されたバンプと基板に形成された実装用パッドとの接合において、少なくともどちらか一方の電極(バンプあるいはパッド)に複数の針状の突起を設けてアンカー接合する方法である。
また、例えば、特許文献2には、ファインピッチ化が進んで高さ方向のアスペクト比が大きくなったリードに対して、接合時のリードの倒れ現象が発生しにくい実装方法が提案されている。具体的には、半導体デバイスに形成されたバンプと基板に形成されたリードとの接合において、リードにバンプが嵌合する凹部を形成することで、接合時の加圧によってリードが変形することを低減し、リードの倒れ減少を防止する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−222832号公報
【特許文献2】特開2009−277987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載される方法は、電極に針状の突起を形成する工程が複雑でコストがかかるという問題や、電極材料の選択に制限があるという問題があった。
また、特許文献2に記載される方法は、リードに凹部を形成する工程や、凹部にバンプを嵌合させる工程で高精度の位置合わせが要求され、高価な生産設備を必要としたり、歩留まりを下げてしまったりという問題があった。
つまり、ますます高密度化する電子部品の実装技術においては、より簡便な方法で、より高品質、より高信頼性の接続構造を提供することが課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例に係る電子部品の実装構造は、複数の第一の電極を有する第一の電子部品を、複数の第一の電極がそれぞれ接合される複数の第二の電極を有する第二の電子部品に実装する構造であって、第一の電極と第二の電極とが接合されたそれぞれの接合面は、第一の電極あるいは第二の電極が配列されている実装面方向に対して傾斜しており、接合面の傾斜方向は、少なくとも、第一の方向と、第二の方向とを有し、第一の方向と第二の方向は、第一の電子部品を第二の電子部品に実装した後に、第一の電子部品あるいは第二の電子部品のいずれか一方が他方より高い収縮率で、実装面方向に収縮した場合に、第一の方向の接合面と第二の方向の接合面とにそれぞれ応力が発生する方向に傾斜していることを特徴とする。
【0007】
本適用例によれば、複数の第一の電極と複数の第二の電極とが接合されたそれぞれの接合面は、実装面方向に対して傾斜しており、第一の電子部品あるいは第二の電子部品のいずれか一方が他方より高い収縮率で実装面方向に収縮することにより接合面に応力が発生する。接合部分に発生するこの応力によって接合面の変形、新生面の生成、固相拡散の生成などが行われることで、接続抵抗の低減や接続強度の向上などが可能となり、より高品質、より高信頼性の接続構造が提供される。
【0008】
[適用例2]上記適用例に係る電子部品の実装構造において、第一の電子部品と第二の電子部品とは、硬化収縮性を有する接着剤を介して接着されていることを特徴とする。
【0009】
本適用例によれば、第一の電子部品と第二の電子部品とは、硬化収縮性を有する接着剤を介して接着されるため、上述した第一の電子部品あるいは第二の電子部品の実装面方向の収縮で発生する応力に加えてさらに接着剤が収縮することによる応力が接合部に加わる。そのため、接合面の変形、新生面の生成、固相拡散の生成などがさらに積極的に行われることで、接続抵抗の低減や接続強度の向上などがさらに高い程度で可能となり、より高品質、より高信頼性の接続構造が提供される。
【0010】
[適用例3]上記適用例に係る電子部品の実装構造において、第一の電極は、列を成して配置され、列の略中心から列の一方の端までの間に形成される接合面は、第一の方向に傾斜し、列の略中心から列の他方の端までの間に形成される接合面は、第二の方向に傾斜し、第一の方向と第二の方向は、列の延在方向で互いに逆向きの方向であることを特徴とする。
【0011】
本適用例によれば、列を成して形成される接合面の第一の方向と第二の方向は、列の略中心を境に、列の延在方向で互いに逆向きの方向を向いている。そのため、第一の電子部品あるいは第二の電子部品が列の延在方向に収縮する場合に、その応力が、接合面に効率良く、またバランス良く加わる。その結果、接続抵抗の低減や接続強度の向上などがさらに高い程度で可能となり、より高品質、より高信頼性の接続構造が提供される。
【0012】
[適用例4]上記適用例に係る電子部品の実装構造において、第一の電極は、列を成して配置され、列の特定の位置から列の一方の端までの間に形成される接合面は、第一の方向に傾斜し、列の特定の位置から列の他方の端までの間に形成される接合面は、第二の方向に傾斜し、第一の方向と第二の方向は、互いに逆向きの方向であり、特定の位置は、第一の方向の接合面の面積の総和と第二の方向の接合面の面積の総和とが略等しくなるように配置される位置であることを特徴とする。
【0013】
本適用例によれば、列を成して形成される接合面の第一の方向と第二の方向は、列の延在方向で互いに逆向きの方向を向いており、また第一の方向の接合面の面積の総和と第二の方向の接合面の面積の総和とが略等しくなるように配置されている。そのため、第一の電極や第二の電極の大きさが異なることで接合面の面積が何種類かになる場合など、第一の方向と第二の方向に働く応力のバランスを取ることが可能となる。その結果、より安定的に接続抵抗の低減や接続強度の向上などを図ることが可能となる。
【0014】
[適用例5]上記適用例に係る電子部品の実装構造において、複数の第一の電極あるいは複数の第二の電極のいずれか一方が、予め第一の方向あるいは第二の方向に傾斜する面を備え、傾斜する面を備えた、複数の第一の電極あるいは複数の第二の電極のいずれか一方を構成する材料の硬度が、傾斜する面を備えていない他方を形成する材料より高い(硬い)ことを特徴とする。
【0015】
本適用例によれば、複数の第一の電極あるいは複数の第二の電極のいずれかの内、傾斜する面を備えた一方が、傾斜する面を備えていない他方より高い硬度の材料で構成されている。そのため、複数の第一の電極と複数の第二の電極のそれぞれを押圧して接合させた場合、傾斜面を持った硬度の高い材料が、傾斜面を持たない平坦な面を変形させることにより、傾斜した接合面を形成させることができる。つまり、複数の第一の電極と複数の第二の電極の両方を予め傾斜させておく必要はなく、硬度の高い材料で構成された第一の電極あるいは第二の電極を予め傾斜をもつ形状に成形しておくだけで良い。
【0016】
[適用例6]上記適用例に係る電子部品の実装構造において、接合面の少なくとも一部が固相拡散接合によって形成されていることを特徴とする。
【0017】
本適用例によれば、接合面の少なくとも一部が固相拡散接合によって形成されるため、接続抵抗の低減や接続強度の向上などが図られる。その結果、より高品質、より高信頼性の接続構造が提供される。
【0018】
[適用例7]上記適用例に係る電子部品の実装構造において、接着剤には、導電性粒子を含んでいることを特徴とする。
【0019】
本適用例によれば、接着剤に導電性粒子を含んでいるため、複数の第一の電極と複数の第二の電極のそれぞれを押圧して接合させた場合、導電性粒子が接合面に残ることにより、第一の電極と第二の電極との接続抵抗を低減させることができる。その結果、より高品質、より高信頼性の接続構造が提供される。
【0020】
[適用例8]上記適用例に係る電子部品の実装構造において、導電性粒子が、接着剤に対して5重量%以上かつ30重量%以下であることを特徴とする。
【0021】
本適用例によれば、導電性粒子が、接着剤に対して5重量%以上かつ30重量%以下であることにより、複数の第一の電極と複数の第二の電極のそれぞれを押圧して接合させた場合、導電性粒子を効率的に接合面に残すことができ、また第一の電極間、第二の電極間の充分な絶縁性を維持することができる。その結果、より高品質、より高信頼性の接続構造が提供される。
【0022】
[適用例9]上記適用例に係る電子部品の実装構造において、導電性粒子が、金属粉であることを特徴とする。
【0023】
本適用例によれば、導電性粒子が、金属粉であることにより、複数の第一の電極と複数の第二の電極のそれぞれを押圧して接合させた場合、金属粉が接合面に残ることにより、第一の電極と第二の電極との接続抵抗を低減させることができる。その結果、より高品質、より高信頼性の接続構造が提供される。
【0024】
[適用例10]上記適用例に係る電子部品の実装構造において、導電性粒子が、導電性の金属でコーティングされている樹脂であることを特徴とする。
【0025】
本適用例によれば、導電性粒子が、導電性の金属でコーティングされている樹脂であることにより、複数の第一の電極と複数の第二の電極のそれぞれを押圧して接合させた場合、導電性の金属でコーティングされている樹脂が接合面に残ることにより、第一の電極と第二の電極との接続抵抗を低減させることができる。その結果、より高品質、より高信頼性の接続構造が提供される。
【0026】
[適用例11]上記適用例に係る電子部品の実装構造において、導電性粒子が、非金属の導電性素材でコーティングされている樹脂であることを特徴とする。
【0027】
本適用例によれば、導電性粒子が、非金属の導電性素材でコーティングされている樹脂であることにより、複数の第一の電極と複数の第二の電極のそれぞれを押圧して接合させた場合、非金属の導電性素材でコーティングされている樹脂が接合面に残ることにより、第一の電極と第二の電極との接続抵抗を低減させることができる。その結果、より高品質、より高信頼性の接続構造が提供される。
【0028】
[適用例12]本適用例に係る電子部品の実装方法は、複数の第一の電極を有する第一の電子部品を、複数の第一の電極がそれぞれ接合される複数の第二の電極を有する第二の電子部品に実装する方法であって、複数の第一の電極あるいは複数の第二の電極の少なくともいずれか一方のそれぞれの接合面を、第一の電極あるいは第二の電極が配列されている実装面方向に対して、予め、少なくとも第一の方向と、第二の方向とに傾斜させて形成するステップと、第一の電子部品あるいは第二の電子部品の少なくともいずれか一方を予め加熱して熱膨張させるステップと、第一の電子部品と第二の電子部品とを、接着剤を介して接着し、第一の電極と第二の電極とを接合するステップと、第一の電子部品と第二の電子部品との接着後に冷却し、第一の電子部品あるいは第二の電子部品のいずれか一方を他方より高い収縮率で収縮させるステップと、第一の電子部品あるいは第二の電子部品のいずれか一方を他方より収縮させることで、第一の方向の接合面と第二の方向の接合面とに発生する応力によって、それぞれの接合面を押圧するステップと、を含むことを特徴とする。
【0029】
本適用例によれば、第一の電極と第二の電極とが接合されたそれぞれの接合面は、実装面方向に対して傾斜して形成され、第一の電子部品あるいは第二の電子部品のいずれか一方が他方より高い収縮率で実装面方向に収縮することにより接合面に応力が発生する。接合部分に発生するこの応力によって接合面の変形、新生面の生成、固相拡散の生成などが行われることで、接続抵抗の低減や接続強度の向上などが可能となり、より高品質、より高信頼性の接続構造が提供される。
【0030】
[適用例13]上記適用例に係る電子部品の実装方法において、接着剤は、硬化収縮性を有する接着剤であることを特徴とする。
【0031】
本適用例によれば、第一の電子部品と第二の電子部品とは、硬化収縮性を有する接着剤を介して接着されるため、上述した第一の電子部品あるいは第二の電子部品の実装面方向の収縮で発生する応力に加えてさらに接着剤が収縮することによる応力が接合部に加わる。そのため、接合面の変形、新生面の生成、固相拡散の生成などがさらに積極的に行われることで、接続抵抗の低減や接続強度の向上などがさらに高い程度で可能となり、より高品質、より高信頼性の接続構造が提供される。
【0032】
[適用例14]上記適用例に係る電子部品の実装方法において、第一の電極は、列を成すように配置し、列の略中心から列の一方の端までの間に形成する接合面が傾斜する方向を第一の方向とし、列の略中心から列の他方の端までの間に形成する接合面が傾斜する方向を第二の方向としたときに、第一の方向と第二の方向が、列の延在方向で互いに逆向きとなるようにそれぞれの接合面を形成することを特徴とする。
【0033】
本適用例によれば、接合面の第一の方向と第二の方向は、列の略中心を境に、列の延在方向で互いに逆向きの方向を向いて形成される。そのため、第一の電子部品あるいは第二の電子部品が列の延在方向に収縮する場合に、その応力が、接合面に効率良く、またバランス良く加わる。その結果、接続抵抗の低減や接続強度の向上などがさらに高い程度で可能となり、より高品質、より高信頼性の接続構造が提供される。
【0034】
[適用例15]上記適用例に係る電子部品の実装方法において、第一の電極は、列を成すように配置し、列の特定の位置から列の一方の端までの間に形成する接合面が傾斜する方向を第一の方向とし、列の特定の位置から列の他方の端までの間に形成する接合面が傾斜する方向を第二の方向としたときに、第一の方向と第二の方向が、列の延在方向で互いに逆向きとなるようにそれぞれの接合面を形成し、特定の位置は、第一の方向の接合面の面積の総和と第二の方向の接合面の面積の総和とが略等しくなるように配置される位置とすることを特徴とする。
【0035】
本適用例によれば、接合面の第一の方向と第二の方向は、列の延在方向で互いに逆向きの方向を向いており、また第一の方向の接合面の面積の総和と第二の方向の接合面の面積の総和とが略等しくなるように配置される。そのため、第一の電極や第二の電極の大きさが異なることで接合面の面積が何種類かになる場合など、第一の方向と第二の方向に働く応力のバランスを取ることが可能となる。その結果、より安定的に接続抵抗の低減や接続強度の向上などを図ることが可能となる。
【0036】
[適用例16]上記適用例に係る電子部品の実装方法において、複数の第一の電極あるいは複数の第二の電極のいずれか一方を構成する材料が、他方を構成する材料より硬度の高い硬い材料で構成され、硬い材料によって構成される複数の第一の電極あるいは複数の第二の電極のいずれか一方を、予め第一の方向あるいは第二の方向に傾斜するように形成することを特徴とする。
【0037】
本適用例によれば、複数の第一の電極あるいは複数の第二の電極のいずれかの内、傾斜する面を備えた一方を、傾斜する面を備えていない他方より高い硬度の材料で構成している。そのため、複数の第一の電極と複数の第二の電極のそれぞれを押圧して接合させた場合、傾斜面を持った硬度の高い材料が、傾斜面を持たない平坦な面を変形させることにより、傾斜した接合面を形成させることができる。つまり、複数の第一の電極と複数の第二の電極の両方を予め傾斜させておく必要はなく、硬度の高い材料で構成された第一の電極あるいは第二の電極を予め傾斜をもつ形状に成形しておくだけで良い。
【0038】
[適用例17]上記適用例に係る電子部品の実装方法において、接合面の少なくとも一部を固相拡散接合によって形成することを特徴とする。
【0039】
本適用例によれば、接合面の少なくとも一部が固相拡散接合によって形成されるため、接続抵抗の低減や接続強度の向上などが図られる。その結果、より高品質、より高信頼性の接続構造が提供される。
【0040】
[適用例18]上記適用例に係る電子部品の実装方法において、接着剤には、導電性粒子を含んでいることを特徴とする。
【0041】
本適用例によれば、接着剤に導電性粒子を含めるため、複数の第一の電極と複数の第二の電極のそれぞれを押圧して接合させた場合、導電性粒子が接合面に残ることにより、第一の電極と第二の電極との接続抵抗を低減させることができる。その結果、より高品質、より高信頼性の接続構造が提供される。
【0042】
[適用例19]上記適用例に係る電子部品の実装方法において、導電性粒子が、接着剤に対して5重量%以上かつ30重量%以下であることを特徴とする。
【0043】
本適用例によれば、導電性粒子を、接着剤に対して5重量%以上かつ30重量%以下とすることにより、複数の第一の電極と複数の第二の電極のそれぞれを押圧して接合させた場合、導電性粒子を効率的に接合面に残すことができ、また第一の電極間、第二の電極間の充分な絶縁性を維持することができる。その結果、より高品質、より高信頼性の接続構造が提供される。
【0044】
[適用例20]上記適用例に係る電子部品の実装方法において、導電性粒子が、金属粉であることを特徴とする。
【0045】
本適用例によれば、導電性粒子を、金属粉とすることにより、複数の第一の電極と複数の第二の電極のそれぞれを押圧して接合させた場合、金属粉が接合面に残ることにより、第一の電極と第二の電極との接続抵抗を低減させることができる。その結果、より高品質、より高信頼性の接続構造が提供される。
【0046】
[適用例21]上記適用例に係る電子部品の実装方法において、導電性粒子が、導電性の金属でコーティングされている樹脂であることを特徴とする。
【0047】
本適用例によれば、導電性粒子を、導電性の金属でコーティングされている樹脂とすることにより、複数の第一の電極と複数の第二の電極のそれぞれを押圧して接合させた場合、導電性の金属でコーティングされている樹脂が接合面に残ることにより、第一の電極と第二の電極との接続抵抗を低減させることができる。その結果、より高品質、より高信頼性の接続構造が提供される。
【0048】
[適用例22]上記適用例に係る電子部品の実装方法において、導電性粒子が、非金属の導電性素材でコーティングされている樹脂であることを特徴とする。
【0049】
本適用例によれば、導電性粒子を、非金属の導電性素材でコーティングされている樹脂とすることにより、複数の第一の電極と複数の第二の電極のそれぞれを押圧して接合させた場合、非金属の導電性素材でコーティングされている樹脂が接合面に残ることにより、第一の電極と第二の電極との接続抵抗を低減させることができる。その結果、より高品質、より高信頼性の接続構造が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】(a),(b)実施形態1に係る電子部品を示す斜視図。
【図2】(a),(b)電子部品の実装構造および実装方法の概略を説明する断面図。
【図3】(a)〜(c)接合のメカニズムを説明する断面図。
【図4】(a),(b)所望の傾斜接合面を形成する方法の一例を示す説明図。
【図5】(a)〜(e)実施形態1に係る電子部品の実装工程を説明する断面図。
【図6】(a),(b)実施形態2に係る電子部品の実装構造を説明する断面図。
【図7】(a)実施形態3に係る電子部品の実装構造を説明する斜視図、(b)同平面図。
【図8】(a)変形例1に係る電子部品の実装構造を説明する断面図、(b)同斜視図。
【図9】(a),(b)変形例2に係る電子部品の実装構造を説明する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下に本発明を具体化した実施形態について、図面を参照して説明する。以下は、本発明の一実施形態であって、本発明を限定するものではない。なお、以下の各図においては、説明を分かりやすくするため、実際とは異なる尺度で記載している場合がある。
【0052】
(実施形態1)
図1(a),(b)は、実施形態1に係る電子部品100の組み立て前後の状態を示す斜視図である。電子部品100は、第一の電子部品としての電子部品10が第二の電子部品としての電子部品20に接着剤30を介して実装される形態で構成されている。
【0053】
電子部品10は、片方の面に複数の第一の電極としての電極11を列状に備える平板状の電子部品である。電子部品10の平板を成す基材には、好適例としてポリイミドを使用している。なお、ポリイミドに限定するものではなく、液晶ポリマー、ガラスエポキシ、フェノール樹脂、ポリエステル(PET;Polyethylene Terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN;Polyethylene Naphthalate)などを用いても良い。
【0054】
電子部品20は、片方の面に複数の第二の電極としての電極21を列状に備える平板状の電子部品である。電子部品20の平板を成す基材には、好適例としてシリコン(Si)を使用している。なお、シリコンに限定するものではなく、フェノール、コンポジット、ガラスエポキシ、BTレジン、セラミック、ガラス、石英などを用いても良い。
【0055】
電子部品10と電子部品20とは、互いに電極11と電極21とを内側に向けて対向し、個々の電極11と電極11の配列に合わせて配置された個々の電極21とが、熱圧着されることで電気的に接続される。
電極11は、好適例として銅(Cu)電極に対して金(Au)メッキ処理を行って形成している。電極21は、好適例として金バンプにより形成している。なお、電極11,21に使用される材料は、これらに限定するものではなく、それぞれ、例えば、銅にニッケル/金メッキ、銅に錫(Sn)メッキ、銅に錫系メッキ(厚さ0.1〜10μm、錫銀、錫銅、錫ビスマス、錫鉛、錫亜鉛など)、クロム(Cr)金などのスパッタ膜の上に金メッキ(0.1〜10μm)、クロム金などのスパッタ膜の上に金メッキ(0.1〜1μm)/ニッケル(Ni)メッキ(0.1〜0.5μm)、クロム金などのスパッタ膜の上に金メッキ(0.1〜1μm)/ニッケルメッキ(0.1〜0.5μm)/金メッキ(0.05〜1μm)などであっても良い。
【0056】
接着剤30には、熱硬化収縮性を有する接着剤を使用している。また、接着剤30には、導電性粒子を接着剤に対して5重量%以上かつ30重量%以下の比率で含有させている。導電性粒子としては、好適例として、導電性の金属でコーティングされている樹脂を使用しているが、これに限定するものではなく、例えば金属粉や、非金属の導電性素材でコーティングされている樹脂であっても良い。なお、必ずしも導電性粒子を含有する必要はない。
【0057】
次に、本実施形態の実装構造および実装方法の概略を説明する。
図2(a)は、電子部品10が電子部品20に実装される前の状態を示す図1のA−A’断面図である。図2(a)において、電極11は、電子部品10の実装面10s(図において下面)に列状に形成されている。また、電極21は、電子部品20の実装面20s(図において上面)に電極11の配置に合わせて列状に形成されている。さらに接着剤30が実装面20sの上に電極21を覆って塗布されている。
【0058】
電極11が電極21と接合される被接合面11sは、それぞれ実装面10sに対して傾斜して形成されている。その傾斜方向には第一の方向と第二の方向との2つの方向があり、それぞれ列の延在方向で互いに逆向きの方向となっている。
【0059】
なお、以降の説明において、電極の傾斜方向とは、図2(a)破線円内の斜視図に示すように、電極の被接合面が傾斜して形成されることによって、1つの電極内の被接合面の高さ(電極の厚さ)が部位により変わっている場合において、電極の高い(厚い)側から低い(薄い)側に向かう方向として説明する。
また、接合面とは、電極同士が接合して形成された面を言い、接合する前のそれぞれの電極の面を被接合面として説明する。
【0060】
上記の傾斜をより具体的に説明すると、電極11の列の略中心から列の一方の端(例えば図において左端)までの間の被接合面11sが第一の方向に傾斜しており、各電極11の高さ(電極11の厚み)は、左側が高く(厚く)、列の中心側(右側)が低い(薄い)高さとなるように傾いている。電極11の配列の略中心から列の他方の端(例えば図において右端)までの間の被接合面11sが第一の方向とは逆の第二の方向に傾斜しており、各電極11の高さ(電極11の厚み)は、右側が高く(厚く)、列の中心側(左側)が低い(薄い)高さとなるように傾いている。つまり、被接合面11sは、列の中心部を境に両側から中心部を向くような方向で傾斜している。
【0061】
一方、電極21が電極11と接合される被接合面21sも同様に実装面20sに対して傾斜して形成されている。この傾斜方向は、電極11と電極21とが面で接合される方向であり、図示するように第一の方向と第二の方向との2つの方向がある。具体的には、電極11の高さが高い(厚い)側は低く(薄く)、電極11の高さが低い(薄い)側は高く(厚く)なるように、電極11に合わせた傾斜となっている。換言すると、被接合面11sと相対する被接合面21sとが略平行に傾斜して形成されている。つまり、被接合面21sは、列の中心部を境に中心部から両側を向くような方向で傾斜している。
【0062】
図2(b)は、電子部品10が電子部品20に実装された状態を示す図1のB−B’断面図である。電子部品10が押圧され熱圧着により電子部品20に実装されている。接着剤30は、電極11と電極21とによって挟まれて押し出され、被接合面11sと被接合面21sとが接合して接合面50が形成されている。この接合面50は、実装面10s,20sに対して傾斜をもって形成されている。接着剤30は、実装時の熱で硬化し収縮することで電子部品10と電子部品20とを固定保持している。また、実装後に電子部品100が冷却されると、熱膨張していた電子部品10が収縮し、電極11の間隔が狭まる方向で配列の中心方向に移動する。この移動方向は、被接合面11sが被接合面21sを押圧する方向に働くため、良好な接合が行われ維持される。
【0063】
次に、このような実装構造において、接合部に発生する本実施形態の特徴としての接合のメカニズムについて詳しく説明する。図3(a)〜(c)は、図2(b)に破線で示すC部を拡大して接合のメカニズムを説明する断面図である。各図において、電子部品10を熱圧着の際に押圧する力を押圧Fa、接着剤30が硬化収縮することで発生する力を収縮圧Fb、電子部品10が冷却収縮することで発生する力を収縮圧Fcとして説明する。
【0064】
図3(a)は、電子部品10が押圧され、電極11と電極21とが熱圧着される直前の状態を示している。
電子部品20を固定保持して、加熱された電子部品10を電子部品20に押圧(押圧Fa)していくと、接着剤30は、電極11と電極21とによって挟まれながら押し出されていく。加熱された電子部品10は、熱膨張するため、本来の電極11の位置からややずれた位置(電極11の列中心から列端部に向かう方向にずれた位置)で電極21と接触する。
【0065】
図3(b)は、被接合面11sと被接合面21sとが接触し、熱圧着が進んでいる状態を示している。
被接合面11sと被接合面21sとが接触し押圧(押圧Fa)されると接触部位が変形し新生面が形成されそれぞれを構成する金属の固相拡散が開始する。
加熱された電子部品10の熱により接着剤30が加熱され、接着剤30の硬化収縮が開始し電子部品10と電子部品20とが引き付けられる(収縮圧Fb)。
電子部品10への加熱を終え冷え始めると、熱膨張していた電子部品10は、収縮を開始する(収縮圧Fc)。
【0066】
押圧Fa、収縮圧Fb,Fcは、被接合面11sと被接合面21sとが押し合う応力Frを発生させる。特に、被接合面11sと被接合面21sとが傾斜して接触しているため、電子部品10が冷却収縮することで発生する収縮圧Fcが応力Frをより大きくすることに貢献している。加熱および応力Frにより、接合面50の固相拡散が進み、良好な接合が形成される。
【0067】
図3(c)は、実装完了後の状態を示している。
押圧Faは取り除かれているが、収縮圧Fb,Fcは弱まりながらも残留し応力Frを発生し続けている。この残留する応力Frにより、接合面50の接合状態は良好に維持され、より高い信頼性が得られる。
【0068】
次に、本実施形態に係る電子部品100の具体的な実装方法について説明する。
図4(a),(b)は、所望の傾斜接合面を形成する方法の一例を示す説明図である。実装の前段階として、プレス法により、電極11および電極21の傾斜面(被接合面11s,21s)を形成している。
【0069】
まず、図のように、予め、プレス法により所望する傾斜角度が得られるような金型70、および金型71を作成しておく。金型70、および金型71は、加工する電子部品10や電子部品20の複数の電極11や複数の電極21の位置に合わせて傾斜面を刻んだ金型である。
電極11および電極21は、電子部品10および電子部品20の表面に突出した形状(例えばバンプなど)として形成しておく。この段階では、被接合面11s,21sは傾斜面である必要はなく、実装面10s,20sに対して平行な平坦面、あるいは球面など平坦ではない面であっても良い。
次に、図4(a),(b)に示すように、金型70,71で電子部品10、電子部品20の電極11,21のそれぞれをプレスして傾斜面を形成する。金型70,71により、ワンショットで簡便に傾斜形状の形成を行うことができる。
【0070】
次に、実装工程について説明する。
図5(a)〜(e)は、実施形態1に係る電子部品100の実装工程を説明する断面図である。
(a);まず、前述した方法にて被接合面21sを傾斜させて形成した電子部品20を実装ステージ(図示省略)にセットする。
(b);次に電子部品20の実装面20s側に接着剤30を塗布する。接着剤30には、導電性粒子を含む熱硬化収縮性接着剤を用いている。接着剤30は、電極21が充分に覆われる程度に塗布する。
(c);次に、電子部品20を保持し、加熱した電子部品10を電極11が電極21に重なるように対向させる。電子部品10は、熱により膨張する。
(d);電子部品10を膨張させたまま、押圧して電子部品20に熱圧着する。この時、電極11と電極21との位置あわせを充分に行う。具体的には、熱膨張による位置ずれを平面内で均等になるように合わせる。接着剤30は、電子部品10と電子部品20とを接着し、加熱された電子部品10によって加熱され、硬化収縮を開始する。
(e);次に、電子部品10と電子部品20とが接着された電子部品100を実装ステージから外して全体を冷却させる。膨張した電子部品10は、収縮を開始する。図3を参照して説明した応力Frの作用により、接合面50が形成される。接合面50には、固相拡散層が形成され、充分な接合が完了する。
【0071】
以上述べたように、本実施形態による電子部品の実装構造、および実装方法によれば、以下の効果を得ることができる。
電極11と電極21とが接合された接合面50は、実装面10s,20sの方向に対して傾斜しており、電子部品10が電子部品20より高い収縮率で実装面10sの方向に収縮することにより接合面に応力Frが発生する。接合部分に発生するこの応力Frによって接合面50の変形、新生面の生成、固相拡散の生成などが行われることで、接続抵抗の低減や接続強度の向上などが可能となり、より高品質、より高信頼性の接続構造が提供される。
【0072】
また、電子部品10と電子部品20とは、硬化収縮性を有する接着剤30を介して接着されるため、上述した電子部品10あるいは電子部品20の実装面10s,20s方向の収縮で発生する収縮力Fcに加えてさらに接着剤30が収縮することによる収縮力Fbが接合面50に加わる。そのため、接合面50の変形、新生面の生成、固相拡散の生成などがさらに積極的に行われることで、接続抵抗の低減や接続強度の向上などがさらに高い程度で可能となり、より高品質、より高信頼性の接続構造が提供される。
【0073】
また、列を成して形成される接合面50の第一の方向と第二の方向は、列の略中心を境に、列の延在方向で互いに逆向きの方向を向いている。そのため、電子部品10が接合面50の列の延在方向に収縮する場合に、その応力Frが、接合面50に効率良く、またバランス良く加わる。その結果、接続抵抗の低減や接続強度の向上などがさらに高い程度で可能となり、より高品質、より高信頼性の接続構造が提供される。
【0074】
また、接合面50の少なくとも一部が固相拡散接合によって形成されるため、接続抵抗の低減や接続強度の向上などが図られる。その結果、より高品質、より高信頼性の接続構造が提供される。
【0075】
また、接着剤30に導電性粒子を含んでいるため、複数の電極11と複数の電極21のそれぞれを押圧して接合させた場合、導電性粒子が接合面50に残ることにより、電極11と電極21との接続抵抗を低減させることができる。その結果、より高品質、より高信頼性の接続構造が提供される。
【0076】
なお、接着剤30は、熱硬化収縮性を有する接着剤を使用し、熱硬化収縮させることで、収縮圧Fbを活用したが、熱硬化収縮性の接着剤に限定するものではなく、例えば紫外線などの活性化エネルギー線硬化収縮性の接着剤を用い、活性化エネルギー線を照射することで硬化収縮させる方法を取っても良い。
【0077】
また、上記の方法では、電子部品10を加熱膨張させ、実装後に冷却収縮する方法を取ったが、この方法に限定するものではない。例えば電子部品10と電子部品20とを構成する基材に熱膨張率の異なる材料を使用し、両部品を同時に加熱膨張させて実装する方法を取っても良い。具体的には、電子部品10に膨張・収縮率の高い部材を使用し、熱圧着した後に電子部品10が電子部品20に比べて高い収縮率で収縮することを利用する。この方法によっても、上述した方法と同様の効果を得ることができる。
【0078】
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る電子部品の実装構造、および実装方法について説明する。なお、説明にあたり、上述の実施形態と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
図6(a),(b)は、実施形態2に係る電子部品101の実装構造を説明する断面図である。実施形態1では、電極11、電極21の双方に傾斜面を形成したのに対して、本実施形態は、被接合面の傾斜を電極21のみとしていることを特徴としている。
【0079】
電子部品101は、電子部品10に代わり、電子部品10bで構成される。それ以外は、電子部品100と同様の構造、同様の実装方法で構成される。また、電子部品10bには、電極11に代わり電極11bが形成されている。それ以外は、電子部品10と同様である。
電極11bは、電極11が実装面10sに対して傾斜する被接合面11sを有していたのに対して、電極11bの被接合面11bsを意図して傾斜させていない。この点を除き、電子部品100と電子部品101は同様に構成される。なお、電極11bを構成する材料の硬度は、電極21を構成する材料よりも低い硬度の(軟らかい)材料を用いている。つまり、傾斜面を持つより硬い電極が、傾斜面を持たないより軟らかい電極と接合する構成としている。
【0080】
次に、このような実装構造における接合のメカニズムについて説明する。図6(b)は、図6(a)に破線で示すD部を拡大して接合のメカニズムを説明する断面図である。
図において、電子部品10bを押圧する力を押圧Fa、接着剤30が硬化収縮することで発生する力を収縮圧Fb、電子部品10が冷却収縮することで発生する力を収縮圧Fcとして説明する。
【0081】
電子部品20を固定保持して、加熱された電子部品10bを電子部品20に押圧(押圧Fa)していくと、接着剤30は、電極11bと電極21とによって挟まれながら押し出されていく。加熱された電子部品10bは、熱膨張するため、本来の電極11bの位置からややずれた位置(電極11bの列中心から列端部に向かう方向にずれた位置)で電極21と接触する。
【0082】
電極11bの被接合面11bsと被接合面21sとが接触し押圧(押圧Fa)されると接触部位が変形し新生面が形成されそれぞれを構成する金属の固相拡散が開始する。被接合面11bsは、被接合面21sと平行関係にないため、電極11bの角部(角の辺)が変形し、つぶれながら被接合面21sとの接合面を形成していく。この際、電極11bを構成する材料の硬度が、電極21を構成する材料よりも軟らかいため、接合面50が被接合面21sの傾斜をある程度保ったまま形成される。なお、必ずしも、電極11bを構成する材料の硬度が、電極21を構成する材料よりも低い硬度の(軟らかい)材料を用いる必要はなく、同等の硬度をもった材料であっても良いが、電極11bを構成する材料が軟らかいほうがより好ましい。
【0083】
加熱された電子部品10bの熱により接着剤30が加熱され、接着剤30の硬化収縮が開始し電子部品10bと電子部品20とが引き付けられる(収縮圧Fb)。
電子部品10bへの加熱を終え冷え始めると、熱膨張していた電子部品10bは、収縮を開始する(収縮圧Fc)。
押圧Fa、収縮圧Fb,Fcは、被接合面11bsと被接合面21sとが押し合う応力Frを発生させる。特に、被接合面11bsと被接合面21sとが傾斜角を残して接触しているため、電子部品10bが冷却収縮することで発生する収縮圧Fcが応力Frをより大きくすることに貢献している。加熱および応力Frにより、接合面50の固相拡散が進み、良好な接合が形成される。
【0084】
本実施形態による電子部品の実装構造、および実装方法によれば、実施形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることが出来る。
電極11bを構成する材料の硬度が、電極21を構成する材料と同等かあるいはより軟らかいため、電極11bと電極21のそれぞれを押圧して接合させた場合、被接合面21sが、傾斜面を持たない平坦な被接合面11bsを変形させることにより、傾斜した接合面を形成させることができる。つまり、電子部品10bの電極11bの形状を予め傾斜させる必要がないため、より簡便に実装させることができる。
【0085】
(実施形態3)
次に、実施形態3に係る電子部品の実装構造、および実装方法について説明する。なお、説明にあたり、上述の実施形態と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
図7(a)は、実施形態3に係る電子部品200の実装構造を説明する斜視図である。上述した実施形態は、電極11および電極21が一列に配列されていたのに対して、実施形態3は、マトリクス状(アレイ状)に配列された電極の接合において実施していることを特徴としている。
【0086】
電子部品200は、第一の電子部品としての電子部品10cが第二の電子部品としての電子部品20cに接着剤30を介して実装される形態で構成されている。
電子部品10cは、片方の面(実装面10cs)に複数の第一の電極としての電極11cをマトリクス状に備える平板状の電子部品である。
電子部品20cは、片方の面(実装面20cs)に複数の第二の電極としての電極21cをマトリクス状に備える平板状の電子部品である。
接着剤30は、実装面20csの上に電極21cを覆って塗布されている。
電子部品10cの平板を成す基材の材料、電子部品20の平板を成す基材の材料、接着剤30、電極11c,12cの材料は、実施形態1と同様のものを用いている。
電子部品10cと電子部品20cとは、互いに電極11cと電極21cとを内側に向けて対向し、個々の電極11cと電極11cの配列に合わせて配置された個々の電極21cとが、熱圧着されることで電気的に接続される。
【0087】
図7(b)は、電子部品10cおよび電子部品20cをそれぞれ電極側から見た平面図である。図7(b)において、電極11cは、電子部品10cの実装面10csにマトリクス状に形成されている。また、電極21cは、電子部品20cの実装面20csに電極11cの配置に合わせてマトリクス状に配列されている。なお、この例では、中心部に電極を設けていない。
電極11cが電極21cと接合される被接合面11csは、それぞれ実装面10csに対して傾斜して形成されている。その傾斜方向は、個々の電極11cの位置によって異なり、図に矢印で示すようにそれぞれの位置から平板状の電子部品10cの中央部に向かう方向に傾斜している。つまり、電子部品10cが、実装面10csの中央部を中心として熱膨張した後に冷却されて収縮する方向に傾斜している。
電極21cが電極11cと接合される被接合面21csは、それぞれ実装面20csに対して傾斜して形成されている。その傾斜方向は、個々の電極21cの位置によって異なり、図に矢印で示すようにそれぞれの位置から平板状の電子部品20cの中央部に向かう方向とは逆の方向に傾斜している。つまり、熱膨張した電子部品10cが、冷却されて収縮する場合に収縮する方向に対向する方向に傾斜している。
また、上記の傾斜方向に傾く被接合面11csと相対する被接合面21csとは、互いに対向させた場合に、略平行に傾斜している。
【0088】
実装面にマトリクス状に配置された電極同士を上記のような傾斜面を形成して接合することで、実施形態1と同様の作用効果を得ることができる。
具体的には、電子部品20cを固定保持して、加熱された電子部品10cを電子部品20cに押圧していくと、接着剤30は、電極11cと電極21cとによって挟まれながら押し出されていく。加熱された電子部品10cは、熱膨張するため、本来の電極11cの位置からややずれた位置(平板状の電子部品10cの中央部から周辺に向かう方向にずれた位置)で電極21cと接触する。被接合面11csと被接合面21csとが接触し押圧されると接触部位が変形し新生面が形成されそれぞれを構成する金属の固相拡散が開始する。加熱された電子部品10cの熱により接着剤30が加熱され、接着剤30の硬化収縮が開始し電子部品10cと電子部品20cとが引き付けられる。電子部品10cへの加熱を終え冷え始めると、熱膨張していた電子部品10cは、収縮を開始する。押圧、収縮圧は、被接合面11csと被接合面21csとが押し合う応力を発生させる。特に、被接合面11csと被接合面21csとが傾斜して接触しているため、電子部品10cが冷却収縮することで発生する収縮圧が応力をより大きくすることに貢献している。加熱および応力により、接合面50の固相拡散が進み、良好な接合が形成される。
【0089】
以上述べたように、本実施形態による電子部品の実装構造、および実装方法によれば、マトリクス状に配列された電子部品同士の接合においても、接続抵抗の低減や接続強度の向上などが可能となり、より高品質、より高信頼性の接続構造が提供される。
【0090】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
【0091】
(変形例1)
変形例1に係る電子部品の実装構造、および実装方法について説明する。なお、説明にあたり、上述の実施形態と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
図8(a)変形例1に係る電子部品102の実装構造を示す断面図である。
実施形態1では、電極の接合面(被接合面11s,21s)の傾斜方向を、第一の方向と第二の方向との2つの方向とし、それぞれ列の延在方向で互いに逆向きの方向とした(図2(a))のに対して、本変形例では、接合面の傾斜を一方向のみで実施していることを特徴としている。
【0092】
図8(a)において、電子部品102は、電子部品10a,20a、電極11a,21a、接着剤30(図示省略)、連結部材80などで構成されている。電極11aは、電子部品10aの実装面10as(図において下面)に列状に形成されている。また、電極21aは、電子部品20aの実装面20as(図において上面)に電極11aの配置に合わせて列状に配列されている。さらに接着剤30が実装面20asの上に電極21aを覆って塗布されている。
【0093】
連結部材80は、電子部品10a,20aのそれぞれの実装面10as,20asに凹部81,82を設け、それぞれを嵌合することで電子部品10a,20aの平面方向のズレを抑制する連結部材である。凹部81,82は、電極11a,21aが列状に延在する延長方向の一端(凹部81は、電極11aが傾斜する方向の一端、凹部82は、電極21aが傾斜する方向とは逆方向の凹部81に相対する一端)に設けられる。また凹部81には、電子部品10aと電子部品20aとを接着した後の接着剤30の硬化収縮の効果を妨げないように、わずかな収縮代(余裕)を持たせている。
【0094】
このような連結部材80を設ける構造とすることで、電子部品10aの膨張・収縮の方向が規制される。具体的には、電子部品10aを電子部品20aに実装(接着)する際に加熱されることにより膨張した電子部品10aは、連結部材80と凹部81とを合わせることにより膨張した方向が、図8(a)の断面図において一方向(図8(a)に示す熱膨張矢印の方向)のみとなるように規制される(実際には、図に交差する方向にも膨張する)。その結果、実装後に電子部品10aが冷却され収縮する方向は、膨張方向とは逆の一方向(図8(a)に示す冷却・収縮矢印の方向)に規制される。
【0095】
従って、電極の接合面50a(被接合面11as,21as)の傾斜方向は、収縮により接合面に応力が発生する方向のみ、つまり一方向の傾斜のみで同様の効果が得られることになる。
【0096】
また、連結部材80は、電極11a,21aの列とは離れた位置に電極11a,21aの列と平行して延在する配置としても良い。具体的には、この場合、図8(b)に示すように、電子部品10a,20a、電極11a,21aを、電子部品10a’,20a’、電極11a’,21a’のように配置する。この場合、電子部品10a’を加熱・冷却した場合の膨張・収縮の方向は、電極11a’,21a’の列の方向と交差する方向となるため、電極11a’,21a’それぞれの被接合面は、電子部品10a’が収縮する際に接合面に応力が発生する方向(列の方向と交差する方向)とすることで、同様の効果が得られる。また、この場合、各電極位置における膨張・収縮の量は、略同じとなるために接合に寄与する応力の効果も略同じとなり、接合の均質化においても効果がある。
【0097】
(変形例2)
次に、変形例2に係る電子部品の実装構造について説明する。なお、説明にあたり、上述の実施形態と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
図9(a),(b)((b)−1〜(b)−3)は、変形例2に係る電子部品103の実装構造を説明する断面図である。上述した実施形態では、予め電極11および電極21の双方あるいは電極21に傾斜面を形成していたが、本変形例では、被接合面に傾斜面を形成せず、一方の電極に凸部を形成している。なお、実装方法は、実施形態1と同様である。
【0098】
図9(a)に示すように、電子部品103は、電子部品10,20に代わり、電子部品10b,20bで構成される。それ以外は、電子部品100と同様の構造、同様の実装方法で構成される。また、電子部品20bには、電極21に代わり電極21bが形成されている。それ以外は、電子部品20と同様である。
【0099】
電極21bは、電極21の傾斜させた被接合面21sに代わり、被接合面の約3分の2をへこませた形状をしている。つまり、図9(b)−1に示すように電極21bの断面はL字形を呈し、電極21bの被接合面は、実装面と略平行の被接合面21bs1と被接合面21bs3および実装面に略垂直の被接合面21bs2の3つの面に分割されている。突出した被接合面21bs3の位置(つまり電極21bの凸部)は、電子部品10bと20bとを接着した後に電子部品が冷却・収縮して電極11bの側面が被接合面21bs2を押す方向で応力が発生する側に設けられている。
【0100】
また、熱膨張させる前の電極11bのピッチP11および累積ピッチP11aは、対応する電極21bのピッチP21および累積ピッチP21aの0.99倍〜1倍としている。
【0101】
本変形例に係る電子部品の実装構造、および実装方法によれば、電子部品10bが熱膨張することにより、一旦、電極11bの側面と被接合面21bs2との間には隙間が開くが、電子部品10bが冷却され収縮すると、それぞれは接合し、収縮圧Fcによって接合面に応力が発生する。接合面50には、収縮力FbとFcによって応力が継続し接合面50の固相拡散が進み、良好な接合が形成される。
【0102】
(変形例3)
次に、変形例3に係る電子部品の実装構造について説明する。なお、説明にあたり、上述の実施形態と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
実施形態1では、図2(a)において、電極の被接合面の傾きに第一方向と第二方向とがあり、それぞれは、電極の配列の略中心を境に列の延在方向で互いに逆向きの方向を向いているとしたが、これに限定するものではない。変形例3では、電極の大きさが異なる場合の実装構造の例(図示省略)を示す。
【0103】
図2(a)に示す電子部品100において、第一方向に傾斜面を持つ電極と第二方向に傾斜面を持つ電極とで、それぞれの電極の大きさや数が等しい場合には、逆向きの方向の応力バランスを取ることができた。しかし、電極の大きさ(具体的には、接合面の面積の大きさ)が異なる場合には、バランスが崩れることが想定される。
変形例3では、第一方向と第二方向との境を、列の中心位置ではなく、第一の方向の接合面の面積の総和と第二の方向の接合面の面積の総和とが略等しくなるように配置される位置としている。このようにすることで、第一の方向と第二の方向に働く応力のバランスを取ることが可能となる。その結果、接合面の形成がより安定的に行われ、接続抵抗の低減や接続強度の向上などをより安定的に図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0104】
10,20…電子部品、10s,20s…実装面、11,21…電極、30…接着剤、50…接合面、70,71…金型、80…連結部材、81,82…凹部、100…電子部品、200…電子部品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第一の電極を有する第一の電子部品を、前記複数の第一の電極がそれぞれ接合される複数の第二の電極を有する第二の電子部品に実装する構造であって、
前記第一の電極と前記第二の電極とが接合されたそれぞれの接合面は、前記第一の電極あるいは前記第二の電極が配列されている実装面方向に対して傾斜しており、
前記接合面の傾斜方向は、少なくとも、第一の方向と、第二の方向とを有し、
前記第一の方向と前記第二の方向は、前記第一の電子部品を前記第二の電子部品に実装した後に、前記第一の電子部品あるいは前記第二の電子部品のいずれか一方が他方より高い収縮率で前記実装面方向に収縮した場合に、前記第一の方向の前記接合面と前記第二の方向の前記接合面とにそれぞれ応力が発生する方向に傾斜していることを特徴とする電子部品の実装構造。
【請求項2】
前記第一の電子部品と前記第二の電子部品とは、硬化収縮性を有する接着剤を介して接着されていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品の実装構造。
【請求項3】
前記第一の電極は、列を成して配置され、
前記列の略中心から前記列の一方の端までの間に形成される前記接合面は、前記第一の方向に傾斜し、
前記列の略中心から前記列の他方の端までの間に形成される前記接合面は、前記第二の方向に傾斜し、
前記第一の方向と前記第二の方向は、前記列の延在方向で互いに逆向きの方向であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子部品の実装構造。
【請求項4】
前記第一の電極は、列を成して配置され、
前記列の特定の位置から前記列の一方の端までの間に形成される前記接合面は、前記第一の方向に傾斜し、
前記列の前記特定の位置から前記列の他方の端までの間に形成される前記接合面は、前記第二の方向に傾斜し、
前記第一の方向と前記第二の方向は、互いに逆向きの方向であり、
前記特定の位置は、前記第一の方向の前記接合面の面積の総和と前記第二の方向の前記接合面の面積の総和とが略等しくなるように配置される位置であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子部品の実装構造。
【請求項5】
前記複数の第一の電極あるいは前記複数の第二の電極のいずれか一方が、予め前記第一の方向あるいは前記第二の方向に傾斜する面を備え、
前記傾斜する面を備えた、前記複数の第一の電極あるいは前記複数の第二の電極のいずれか一方を形成する材料の硬度が、前記傾斜する面を備えていない他方を構成する材料より硬いことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の電子部品の実装構造。
【請求項6】
前記接合面の少なくとも一部が固相拡散接合によって形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の電子部品の実装構造。
【請求項7】
前記接着剤には、導電性粒子が含まれていることを特徴とする請求項2に記載の電子部品の実装構造。
【請求項8】
前記導電性粒子が、前記接着剤に対して5重量%以上かつ30重量%以下であることを特徴とする請求項7に記載の電子部品の実装構造。
【請求項9】
前記導電性粒子が、金属粉であることを特徴とする請求項7あるいは請求項8に記載の電子部品の実装構造。
【請求項10】
前記導電性粒子が、導電性の金属でコーティングされている樹脂であることを特徴とする請求項7あるいは請求項8に記載の電子部品の実装構造。
【請求項11】
前記導電性粒子が、非金属の導電性素材でコーティングされている樹脂であることを特徴とする請求項7あるいは請求項8に記載の電子部品の実装構造。
【請求項12】
複数の第一の電極を有する第一の電子部品を、前記複数の第一の電極がそれぞれ接合される複数の第二の電極を有する第二の電子部品に実装する方法であって、
前記複数の第一の電極あるいは前記複数の第二の電極の少なくともいずれか一方のそれぞれの接合面を、前記第一の電極あるいは前記第二の電極が配列されている実装面方向に対して、予め、少なくとも第一の方向と、第二の方向とに傾斜させて形成するステップと、
前記第一の電子部品あるいは前記第二の電子部品の少なくともいずれか一方を予め加熱して熱膨張させるステップと、
前記第一の電子部品と前記第二の電子部品とを、接着剤を介して接着し、前記第一の電極と前記第二の電極とを接合するステップと、
前記第一の電子部品と前記第二の電子部品との接着後に冷却し、前記第一の電子部品あるいは前記第二の電子部品のいずれか一方を他方より高い収縮率で収縮させるステップと、
前記第一の電子部品あるいは前記第二の電子部品のいずれか一方を他方より収縮させることで、前記第一の方向の前記接合面と前記第二の方向の前記接合面とに発生する応力によって、それぞれの前記接合面を押圧するステップと、を含むことを特徴とする電子部品の実装方法。
【請求項13】
前記接着剤は、硬化収縮性を有する接着剤であることを特徴とする請求項12に記載の電子部品の実装方法。
【請求項14】
前記第一の電極は、列を成すように配置し、
前記列の略中心から前記列の一方の端までの間に形成する前記接合面が傾斜する方向を前記第一の方向とし、前記列の略中心から前記列の他方の端までの間に形成する前記接合面が傾斜する方向を前記第二の方向としたときに、前記第一の方向と前記第二の方向が、前記列の延在方向で互いに逆向きとなるようにそれぞれの接合面を形成することを特徴とする請求項12または請求項13に記載の電子部品の実装方法。
【請求項15】
前記第一の電極は、列を成すように配置し、
前記列の特定の位置から前記列の一方の端までの間に形成する前記接合面が傾斜する方向を前記第一の方向とし、前記列の前記特定の位置から前記列の他方の端までの間に形成する前記接合面が傾斜する方向を前記第二の方向としたときに、前記第一の方向と前記第二の方向が、前記列の延在方向で互いに逆向きとなるようにそれぞれの接合面を形成し、
前記特定の位置は、前記第一の方向の前記接合面の面積の総和と前記第二の方向の前記接合面の面積の総和とが略等しくなるように配置される位置とすることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の電子部品の実装方法。
【請求項16】
前記複数の第一の電極あるいは前記複数の第二の電極のいずれか一方を構成する材料が、他方を構成する材料より硬度の高い硬い材料で構成され、前記硬い材料によって構成される前記複数の第一の電極あるいは前記複数の第二の電極のいずれか一方を、予め前記第一の方向あるいは前記第二の方向に傾斜するように形成することを特徴とする請求項12ないし請求項15のいずれか一項に記載の電子部品の実装方法。
【請求項17】
前記接合面の少なくとも一部を固相拡散接合によって形成することを特徴とする請求項12ないし請求項16のいずれか一項に記載の電子部品の実装方法。
【請求項18】
前記接着剤には、導電性粒子を含んでいることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の電子部品の実装方法。
【請求項19】
前記導電性粒子が、前記接着剤に対して5重量%以上かつ30重量%以下であることを特徴とする請求項18に記載の電子部品の実装方法。
【請求項20】
前記導電性粒子が、金属粉であることを特徴とする請求項18あるいは請求項19に記載の電子部品の実装方法。
【請求項21】
前記導電性粒子が、導電性の金属でコーティングされている樹脂であることを特徴とする請求項18あるいは請求項19に記載の電子部品の実装方法。
【請求項22】
前記導電性粒子が、非金属の導電性素材でコーティングされている樹脂であることを特徴とする請求項18あるいは請求項19に記載の電子部品の実装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−26538(P2013−26538A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161715(P2011−161715)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】