説明

電子部品パッケージ、及び電子部品パッケージの製造方法

【課題】電子部品素子の電極を気密封止する一対の封止部材をろう材の加熱溶融により接合する時に発生するガスを、それら封止部材の接合により形成される内部空間に入り難くする。
【解決手段】電子部品素子2の電極31,32を気密封止する第1及び第2の封止部材4,6が、各々の一主面の外周縁部(接合部442,611)で、ろう材を含む接合材72で接合された電子部品パッケージ1において、第1及び第2封止部材4,6の少なくとも一方の外周縁部611を、当該封止部材6の主面61から他主面62の側に向かって傾斜するテーパー面とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品素子の電極を気密封止する電子部品パッケージ、及びその電子部品パッケージの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品パッケージの内部空間は、この内部空間に搭載した電子部品素子の電極の特性が劣化するのを防ぐために気密封止される。このような内部空間が気密封止された電子部品パッケージとして、例えば、水晶振動子等の圧電振動デバイスのパッケージが挙げられる。
【0003】
この種の電子部品パッケージとしては、ベースと蓋といった2つの封止部材から構成され、その筐体が直方体のパッケージに構成されたものがある。このようなパッケージの内部空間では、圧電振動片等の電子部品素子がベースに保持接合される。そして、ベースと蓋とが接合されることで、パッケージの内部空間の電子部品素子の電極が気密封止されている。例えば、特許文献1には、ベースと蓋とがろう材で接合された圧電振動デバイスが開示されている。
【0004】
以下に、特許文献1に開示された従来例に係る圧電振動デバイスにおけるベースと蓋との接合について、図6を参照して説明する。
【0005】
ベース400の基材には、蓋600と対向して配置される側の一主面401の外周縁部に、例えば、Mo層、Ni層、及びAu層が順に積層されてなる積層体402が配されている。また、蓋600の基材には、ベース400と対向して配置される側の一主面601の外周縁部に、AuSn合金を含むろう材602が配されている。
【0006】
このような構成のベース400及び蓋600では、図6(a)に示すように、積層体402にろう材602が重なり合うように、ベース400の上に蓋600を配置する。この状態で、積層体402とろう材602とを加熱することにより、積層体402及びろう材602が溶融して接合材700が形成され、図6(b)に示すように、ベース400に蓋600が接合材700を介して接合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−55283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、ろう材が加熱溶融すると、ガスが発生する。ここで発生したガスが、圧電振動デバイスのパッケージの内部空間内に入りこむと、圧電振動片等の電子部品素子の電極が劣化し、CI値(直列等価抵抗)の悪化やエージング特性において時間経過による周波数の変動が生じる。
【0009】
上記した従来例に係る圧電振動デバイスにおいて、ベース400の積層体402が配された外周縁部403及び蓋600のろう材602が配された外周縁部603は、平行に形成されている。このため、ろう材602を加熱溶融させた際、ろう材602の溶融物は、蓋600の主面601の面方向に沿って移動する。つまり、ろう材602の溶融物が内側方向D2へ流れるため、ろう材602の加熱溶融により発生するガスが、圧電振動デバイスの内部空間内に入り込み易い(図6(b)参照)。よって、従来例に係る圧電振動デバイスの内空空間には、圧電振動片等の電子部品素子の電極の劣化をもたらすガスが多量に存在するおそれがあった。
【0010】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、電子部品素子の電極を気密封止する2つの封止部材が、ろう材を含む接合材により接合されている電子部品パッケージにおいて、当該電子部品パッケージの製造工程でろう材を加熱溶融させた際に発生するガスが、気密封止された内部空間内に入り難い構成とされた電子部品パッケージ、及びそのような電子部品パッケージの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明に係る電子部品パッケージは、電子部品素子の電極を気密封止する電子部品パッケージにおいて、前記電子部品素子の電極を気密封止する第1及び第2の封止部材を備え、前記第1及び第2の封止部材の各々の一主面の外周縁部は、ろう材を含む接合材で接合されており、前記第1及び第2の封止部材の少なくとも一方の前記外周縁部が、当該封止部材の前記一主面から他主面の側に向かって傾斜するテーパー面とされていることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、一主面の外周縁部で互いに接合される第1及び第2の封止部材のうち、少なくとも一方の封止部材の外周縁部がテーパー面とされていることから、このテーパー面により、第1及び第2の封止部材の外周縁部間の隙間が外側方向に向かって広げられる。このように、テーパー面により、第1及び第2の封止部材の外周縁部間の隙間が外側方向に向かって広げられることで、ろう材の加熱溶融により発生するガスが、パッケージの外側方向へ放出され易くなる。また、第1及び第2の封止部材の外周縁部間には、ろう材を含む接合材のメニスカスが形成されるが、少なくとも一方の封止部材の外周縁部をテーパー面とすると、メニスカスの形成領域が広がり、表面積の大きいメニスカスを形成させることができるので、そのメニスカスの表面からガスをパッケージの外へ逃がすことができる。このように、上記した構成によれば、ろう材を加熱溶融させた際に発生するガスを、パッケージの外へ逃がして、気密封止された内部空間内に入り難くすることができるので、内部空間内のガス量が抑制された電子部品パッケージとすることができる。
【0013】
本発明に係る電子部品パッケージでは、前記外周縁部がテーパー面とされた前記一主面の隅部において、前記テーパー面とこのテーパー面に連続して形成された他面との境界線が、円弧状に形成されていてもよい。
【0014】
この構成では、外周縁部がテーパー面とされた一主面の隅部において、テーパー面とこのテーパー面に連続して形成された他面との境界線が、円弧状に形成されているので、ろう材を加熱溶融させた時、テーパー面のほぼ全面にろう材の溶融物を行き渡らせることができる。具体的にいえば、例えば、テーパー面とこのテーパー面に連続して形成された他面との境界線に、角が存在している場合、テーパー面に配されたろう材の溶融物は、その境界線の方へ引っ張られ、その角においてろう材の溶融物が不足するので、テーパー面のほぼ全面にろう材の溶融物を行き渡らせることが難しい。しかし、上記の構成では、その境界線の隅部が円弧状に形成されており、境界線に角がないので、テーパー面に配されたろう材の溶融物がその境界線の方へ引っ張られることがない。このため、ろう材の溶融物を封止部材の外周縁部のほぼ全面に行き渡らせることができる。よって、封止部材同士の接合の強度を向上させることができる。
【0015】
本発明に係る電子部品パッケージにおいて、前記第1及び第2の封止部材は、それぞれ、平面視長方形状を呈しており、前記第1及び第2の封止部材の各々の前記外周縁部には、前記接合材の一部を構成する接合層が形成された接合層形成領域が設けられており、前記接合層形成領域は、前記一主面の長辺方向に幅を有する短辺領域と、前記一主面の短辺方向に幅を有し、且つ前記短辺領域と面積が等しい長辺領域とからなってもよい。
【0016】
この構成によれば、第1及び第2の封止部材が、共に、平面視長方形状を呈する場合において、第1及び第2の封止部材の外周縁部に設けられた接合層形成領域は、前記一主面の長辺方向に幅を有する短辺領域と、前記一主面の短辺方向に幅を有する長辺領域とからなり、その短辺領域と長辺領域とは、面積が等しくされている。例えば、接合層形成領域の短辺領域よりも長辺領域の方に多くの量のろう材が配されている場合、ろう材の張力(表面張力を含む)が短辺領域と長辺領域との間で等しく保たれず、短辺領域に配されたろう材の溶融物は、ろう材量が多く張力の大きい長辺領域の方へ引っ張られる。上記した構成では、接合層形成領域において、短辺領域と長辺領域とは面積が等しいので、その接合層形成領域に均一な厚さで接合層を形成することで、その接合層形成領域の短辺領域と長辺領域に等しい量のろう材を配することができる。短辺領域と長辺領域に等しい量のろう材が配されることで、ろう材の溶融物の張力は短辺領域と長辺領域との間で等しく保たれるので、接合層(即ち、ろう材)を加熱溶融させた時、短辺領域に配されたろう材の溶融物が長辺領域の方へ引っ張られることがない。つまり、ろう材を加熱溶融させた時、短辺領域に配されたろう材の溶融物は短辺領域内に留まり、長辺領域に配されたろう材の溶融物は長辺領域内に留まるので、封止部材同士の接合強度が部分的に低下することがなく、外周縁部内の全領域において接合強度が均一に保たれる。
【0017】
本発明に係る電子部品パッケージの製造方法は、電子部品素子の電極を気密封止する電子部品パッケージの製造方法であって、第1及び第2の封止部材を成形する成形工程と、前記第1及び第2の封止部材の各々の前記外周縁部に設けられた接合層形成領域に、接合層を形成する接合層形成工程と、前記第1の封止部材に、前記電子部品素子を搭載する搭載工程と、前記接合層を加熱溶融させてろう材を含む接合材を形成させ、前記第1及び第2の封止部材の各々の一主面の外周縁部を接合することにより、前記電子部品素子の電極を気密封止する接合工程とを有し、前記成形工程では、前記第1及び第2の封止部材の少なくとも一方の前記外周縁部を、当該封止部材の前記一主面から他主面の側に向かって傾斜するテーパー面に成形することを特徴とする。
【0018】
この方法によれば、成形工程で第1及び第2の封止部材を成形する際、第1及び第2の封止部材の少なくとも一方の外周縁部をテーパー面に成形するので、接合工程で第1及び第2の封止部材を重ね合わせた時に外周縁部間に形成される隙間を外側方向に向かって広げることができる。このように、テーパー面によって、第1及び第2の封止部材の外周縁部間の隙間が外側方向に向かって広げられることで、ろう材の加熱溶融により発生するガスは、パッケージの外側方向へ放出され易くなる。また、接合工程で、接合層を溶融させることにより、第1及び第2の封止部材の外周縁部間には、ろう材を含む接合材のメニスカスが形成される。成形工程で、第1及び第2の封止部材のうち、少なくとも一方の封止部材の外周縁部をテーパー面に成形することで、第1及び第2封止部材の外周縁部間のメニスカス形成領域を広げることができるので、接合工程で、表面積の広いメニスカスを形成することでき、そのメニスカスの表面からガスをパッケージの外へ逃がすことができる。このように、上記した方法によれば、接合工程で封止部材同士を接合する際、ろう材の加熱溶融により発生するガスを、封止部材の内側方向に流れ難くすることができるので、内部空間内のガス量が抑制された電子部品パッケージを製造することができる。
【0019】
本発明に係る電子部品パッケージの製造方法において、前記成形工程では、前記第1及び第2の封止部材を、それぞれ、平面視長方形状に成形し、前記接合層形成工程では、前記一主面の長辺方向に幅を有する短辺領域と、前記一主面の短辺方向に幅を有し、且つ前記短辺領域と面積が等しい長辺領域とからなる前記接合層形成領域に、均一な厚みで、前記接合層を形成してもよい。
【0020】
この方法によれば、平面視長方形状を呈する第1及び第2の封止部材を成形した場合において、主面の長辺方向に幅を有する短辺領域と、主面の短辺方向に幅を有し、且つ短辺領域と面積が等しい長辺領域とからなる接合層形成領域に、均一な厚みで、接合層を形成するので、その短辺領域と長辺領域に等しい量のろう材を配することができる。短辺領域と長辺領域に等しい量のろう材を配することで、ろう材の溶融物の張力を短辺領域と長辺領域との間で等しく保つことができるので、接合層(即ち、ろう材)を加熱溶融させた時に、短辺領域に配したろう材の溶融物が長辺領域の方へ引っ張られることを防ぐことができる。つまり、接合工程において、短辺領域に配したろう材の溶融物を短辺領域内に留め、長辺領域に配したろう材の溶融物を長辺領域内に留めて、封止部材同士を接合させることができるので、電子部品パッケージの完成品において、封止部材同士の接合強度が部分的に低下することを防止することができ、外周縁部内の全領域において接合強度を均一に保つことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、電子部品素子の電極を気密封止する2つの封止部材が、ろう材で構成された接合材により接合されている電子部品パッケージにおいて、当該電子部品パッケージの製造工程でろう材を加熱溶融させた際に発生するガスが、気密封止された内部空間内に入り難い構成とされた電子部品パッケージ、及びそのような電子部品パッケージの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る水晶振動子の内部空間を公開した概略断面図である。
【図2】図2は、図1に示す水晶振動子のベースの概略構成を示す概略図であって、図2(a)はベースの概略構成を示す概略平面図であり、図2(b)はベースの概略構成を示す概略断面図である。
【図3】図3は、図1に示す水晶振動子の蓋の概略構成を示す概略図であって、図3(a)は蓋の概略構成を示す概略底面図であり、図3(b)は蓋の概略構成を示す概略断面図である。
【図4】図4は、図1に示す水晶振動子の水晶振動片の概略底面図である。
【図5】図5は、本発明の他の実施の形態に係る水晶振動子の内部空間を公開した概略断面図である。
【図6】図6は、従来例に係る水晶振動子の接合部の構成を説明するための説明図であって、図6(a)は、水晶振動子のベースに蓋を配置した時の接合部の状態を拡大して示す部分拡大図であり、図6(b)は、図6(a)に示す状態でろう材及び積層体を加熱溶融させた後の接合部の状態を拡大して示す部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施の形態では、電子部品パッケージとして、圧電振動デバイスである水晶振動子のパッケージに本発明を適用し、さらに電子部品素子として圧電振動片であるATカット水晶振動片に本発明を適用した場合を示す。
【0024】
本実施の形態に係る水晶振動子1には、図1に示すように、ATカット水晶からなる水晶振動片2(本発明でいう電子部品素子)と、この水晶振動片2を保持し、水晶振動片2を気密封止するためのベース4(本発明でいう第1の封止部材)と、ベース4と対向するように配置され、ベース4に保持した水晶振動片2の励振電極31,32(本発明でいう電子部品素子の電極)を気密封止するための蓋6(本発明でいう第2の封止部材)とが設けられている。
【0025】
この水晶振動子1では、ベース4と蓋6とがAuとSnの合金からなるろう材を含む接合材72により接合されることにより、気密封止された内部空間11を備える本体筺体が構成される。この内部空間11では、ベース4に、水晶振動片2が、導電性バンプ(不図示)を用いたFCB法(Flip Chip Bonding)により電気機械的に超音波接合されている。なお、本実施の形態において、導電性バンプには、金バンプ等の非流動性部材のメッキバンプが用いられている。
【0026】
次に、この水晶振動子1の各構成について説明する。
【0027】
ベース4は、ホウケイ酸ガラス等のガラス材料からなり、図1及び図2に示すように、底部41と、ベース4の一主面42の外周に沿って底部41から上方に延出した壁部44とから構成された箱状体に成形されている。ベース4は、直方体の一枚板をフォトリソグラフィ法によりエッチングして成形される。
【0028】
ベース4の壁部44の天面の外周縁部、即ち、後述する蓋6のテーパー面とされた外周縁部(接合部611)に対向する部分は、蓋6との接合部442とされている。また、天面には、後述する蓋6の仮止め部612と平行に配される仮止め部443が、接合部442と隣接して設けられている。
【0029】
また、ベース4の基材には、接合部442と仮止め部443とされる部分に、第1接合層形成領域が設けられており、この第1接合層形成領域の全体に、蓋6と接合するための第1接合層45が均一な厚みで形成されている。
【0030】
第1接合層形成領域は、図2(a)に示すように、主面42の長辺方向L4に幅W1を有する短辺領域T1と、主面42の短辺方向L5に幅W2を有する長辺領域T2とからなる。なお、短辺領域T1と長辺領域T2とは、長辺方向L4及び短辺方向L5とが交差する領域P1(図2(a)中、幅W1と幅W2を2辺とする領域)で重なり合っており、短辺領域T1及び長辺領域T2は、それぞれ、その重なり合う領域P1を包含する。
【0031】
このような第1接合層形成領域において、短辺領域T1の面積は、長辺領域T2の面積と等しい面積とされている。
【0032】
第1接合層45は、図2に示すように、Tiスパッタ膜451の上に、Auスパッタ膜452と、Auメッキ膜453が形成された複数の層の積層構造からなる。Tiスパッタ膜451は、ベース4の基材の上に、Tiをスパッタリングすることにより形成されている。また、Auスパッタ膜452は、Tiスパッタ膜451の上に、Auをスパッタリングすることにより形成されている。さらに、Auメッキ膜453は、Auスパッタ膜452の上に、Auをメッキすることにより形成されている。
【0033】
ベース4の基材において、第1接合層45は、短辺領域T1及び長辺領域T2(即ち、第1接合層形成領域)の全体に、均一な厚みで設けられているので、短辺領域T1におけるTi及びAuの量は、長辺領域T2におけるTi及びAuの量と等しい。
【0034】
また、ベース4には、底部41と壁部44とによって囲まれたキャビティ46が形成され、このキャビティ46は、図2に示すように、平面視矩形状に形成され、キャビティ46の壁面がテーパー面に形成されている。なお、本実施の形態では、キャビティ46は、平面視長方形に形成されている。
【0035】
また、キャビティ46の底面461には、2つの台座部411,412が、キャビティ46の短辺方向で互いに対向するように設けられている。これら台座部411,412は、それぞれ、キャビティ46の底面461の短辺方向の辺L1に接するとともに、この短辺方向の辺と隣接する長辺方向の辺L2,L3に接して設けられている。
【0036】
また、ベース4の平面視長方形の筺体裏面(他主面43)には、キャスタレーション47,48が形成されている(図1及び図2参照)。キャスタレーション47,48は、筐体側面に形成され、他主面43の長辺方向の両側辺の両端部と、これら端部に隣接する短辺方向の両側辺の全体に沿って形成されている。
【0037】
また、ベース4には、図1及び図2に示すように、ベース4の基材を貫通する貫通孔49が形成されている。この貫通孔49の内側面491は、ベース4の一主面42及び他主面43に対して傾斜を有しテーパー面に形成されている。貫通孔49は、ベース4の他主面43の側にある貫通孔49の他端の径で最大となり、ベース4の一主面42の側にある貫通孔49の一端の径で最小となる。このような貫通孔49の内部には、Au等の導電性金属56によるめっき充填が施されている。
【0038】
また、ベース4の基材には、水晶振動片2の励振電極31,32それぞれと電気機械的に接合する一対の電極パッド51,52と、外部部品や外部機器と電気的に接続する外部端子電極53,54と、電極パッド51と外部端子電極53、および電極パッド52と外部端子電極54を電気的に接続させる配線パターン(図示省略)とが、形成されている。電極パッド51,52は、台座部411,412の表面に形成され、外部端子電極53,54は、キャスタレーション47,48に形成されている。そして、配線パターンは、貫通孔49を介して、ベース4の一主面42の電極パッド51,52から他主面43の外部端子電極53,54にかけて形成されている。
【0039】
なお、電極パッド51,52、外部端子電極53,54、及び配線パターンは、第1接合層45と同様に、ベース4の基材の上にTiをスパッタリングしてなるTiスパッタ膜と、このTiスパッタ膜の上にAuをスパッタリングしてなるAuスパッタ膜と、Auスパッタ膜の上にAuをメッキしてなるAuメッキ膜とからなり、第1接合層45と同時に形成される。
【0040】
蓋6は、図3に示すように、ホウケイ酸ガラス等のガラス材料からなる直方体の一枚板の平面視外周縁部をフォトリソグラフィ法等によりエッチングして成形される。
【0041】
この蓋6の一主面61(下面)の外周縁部は、ベース4の接合部442と接合材72により接合される接合部611であって、主面61から他主面62(裏面)の側に向かって傾斜するテーパー面となるように形成されている。
【0042】
また、蓋6の一主面61の隅部において、テーパー面(接合部611とされた面)と、このテーパー面に連続して形成された他面、即ち、主面61の内周部を構成する面(本実施の形態では、仮止め部612とされた面)との境界線Bは、円弧状に形成されている。以下、この円弧状に形成された部分を内周隅部C1という。
【0043】
また、蓋6の主面61には、ベース4の仮止め部443と平行に配される仮止め部612が、接合部611と隣接して設けられている。
【0044】
また、蓋6の基材には、接合部611と仮止め部612とされる部分に、第2接合層形成領域が設けられており、この第2接合層形成領域の全体に、ベース4と接合するための第2接合層64が均一な厚みで形成されている。
【0045】
第2接合層形成領域は、図3(a)に示すように、主面61の長辺方向L6に幅W3を有する短辺領域T3と、主面61の短辺方向L7に幅W4を有する長辺領域T4とからなる。なお、短辺領域T3と長辺領域T4とは、長辺方向L6及び短辺方向L7とが交差する領域P2(図3(a)中、幅W3と幅W4を2辺とする領域)で重なり合っており、短辺領域T3及び長辺領域T4は、それぞれ、その重なり合う領域P2を包含する。
【0046】
また、主面61の内周隅部C1は、上述した通り、円弧状に形成されており、短辺領域T3と長辺領域T4とが重なり合う領域P2は側面視で丸みを帯びた形状を呈する。つまり、短辺領域T3と長辺領域T4とが重なり合う領域P2には稜が形成されていない。
【0047】
このような第2接合層形成領域において、短辺領域T3の面積は、長辺領域T4の面積と等しい面積とされている。
【0048】
蓋6の第2接合層64は、図3(b)に示すように、Tiスパッタ膜641の上に、Auスパッタ膜642と、Au/Snメッキ膜643と、Auメッキ膜644とが形成された複数の層の積層構造からなる。
【0049】
ここで、Tiスパッタ膜641は、蓋6の基材の上に、Tiをスパッタリングすることにより形成されている。Auスパッタ膜642は、Tiスパッタ膜641の上に、Auをスパッタリングすることにより形成されている。また、Au/Sn膜643は、Auスパッタ膜642の上に積層してメッキ形成されたAu膜と、このAu膜の上にメッキ形成されたSn膜とから構成されている。さらに、Auメッキ膜644は、Au/Sn膜643の上に積層してメッキ形成されたAuストライクメッキ膜と、Auストライクメッキ膜上に積層してメッキ形成されたAuメッキ膜とから構成されている。このような第2接合層64において、Au/Sn膜643は、加熱により溶融して、AuSn合金(ろう材)膜となる。なお、Au/Sn膜643は、Auスパッタ膜642の上にAuSn合金をメッキすることにより構成されたものであってもよい。
【0050】
蓋6の基材において、第2接合層64は、面積が等しい短辺領域T3及び長辺領域T4(即ち、第2接合層形成領域)の全体に、均一な厚みで設けられているので、短辺領域T3におけるTi、Sn、及びAuの量は、長辺領域T4におけるTi、Sn、及びAuの量と等しい。
【0051】
水晶振動片2は、ATカット水晶片の基板21からなり、その外形は、図1及び図4に示すように、両主面22,23が略矩形状に形成された一枚板の直方体となっている。
【0052】
この水晶振動片2には、振動領域を構成する振動部26と、ベース4の電極パッド51,52と接合する接合部27とが設けられ、振動部26と接合部27とが一体成形されて基板21が構成される。また、接合部27では、基板21の平面視短辺の中央部分24を切り欠いている。
【0053】
この水晶振動片2には、励振を行う一対の励振電極31,32と、ベース4の電極パッド51,52と電気機械的に接合する一対の端子電極33,34と、一対の励振電極31,32を一対の端子電極33,34に引き出す引出電極35,36とが形成されている。一対の励振電極31,32は、引出電極35,36により引回されて一対の端子電極33,34にそれぞれ電気的に接続されている。
【0054】
一対の励振電極31,32は、基板21の両主面22,23であって振動部26の平面視中央に対向して形成されている。これら一対の励振電極31,32は、例えば、基板21側から、Cr、Auの順に積層して形成されたCr−Au膜により構成される。
【0055】
一対の端子電極33,34は、接合部27の他主面23に形成されている。一対の端子電極33,34のうち一端子電極33は、基板21の長辺方向の一側辺を含むその近傍に形成され、他端子電極34は、長辺方向の他側辺を含むその近傍に形成されている。これら一対の端子電極33,34は、例えば、励振電極31,32と同様に、基板21側からCr、Auの順に積層して形成されたCr−Au膜により構成される。また、一対の端子電極33,34は、上層と下層からなる二層構造となっており、上層はAuから構成され、下層はCr−Auから構成されている。下層の主面(平面視の面)の面積は、上層の主面(平面視の面)の面積に対して大きい。
【0056】
引出電極35,36は、振動部26及び接合部27に形成され、振動部26から接合部27にかけて、対向せずに基板21の両主面22,23に形成されている。これら引出電極35,36は、例えば、励振電極31,32と同様に、基板21側からCr、Auの順に積層して形成されたCr−Au膜により構成される。
【0057】
上記した構成からなる水晶振動子1は、次に示す方法により製造される。つまり、まず、ベース4及び蓋6を成形する(本発明でいう成形工程)。さらに、ベース4の基材の第1接合層形成領域に第1接合層45を、蓋6の基材の第2接合層形成領域に第2接合層64を形成する(本発明でいう接合層形成工程)。そして、図1に示すように、ベース4に水晶振動片2を導電性バンプ(不図示)を介してFCB法により電気機械的に超音波接合し、ベース4に水晶振動片2を搭載する(本発明でいう搭載工程)。これにより、水晶振動片2の励振電極31,32は、引出電極35,36、端子電極33,34、導電性バンプを介してベース4の電極パッド51,52に電気機械的に接合される。そして、水晶振動片2が搭載されたベース4の仮止め部443に蓋6の仮止め部612をFCB法により接合して、ベース4に蓋6を仮接合する。次いで、窒素雰囲気下で加熱処理を施して、第1接合層45の一部(主にAuスパッタ膜452及びAuメッキ膜453)と、第2接合層64の一部(主にAuスパッタ膜642、Au/Snメッキ膜643、及びAuメッキ膜644)とを溶融させる。この溶融により、接合材72が形成され、この接合材72を介して、図1に示すように、ベース4の接合部442と蓋6の接合部611とが接合されて、水晶振動片2の励振電極31,32が気密封止される(本発明でいう接合工程)。この結果、水晶振動片2を気密封止した水晶振動子1が製造される。
【0058】
このような水晶振動子1では、蓋6の接合部611がテーパー面とされているので、製造工程においてベース4に蓋6を重ね合わせた時(例えば、ベース4に蓋6を仮接合した時)にベース4の接合部442と蓋6の接合部611との間に形成される隙間が、外側方向D1に向かって広げられる。このため、加熱処理を施して、第1接合層45の一部及び第2接合層64の一部を溶融させた時に発生するガスが、外側方向D1に放出され易くなる。また、蓋6の接合部611をテーパー面とすることで、接合材72のメニスカス721の表面積が確保されているので、そのメニスカスの表面からガスが水晶振動子1の外へ逃げ易い。このように、上記した水晶振動子1は、その製造工程において第1接合層45及び第2接合層64が加熱溶融した際に発生するガスが、水晶振動子1の外へ逃げ、内側の内部空間11内に入り難い構成とされているので、水晶振動片2の励振電極31,32が気密封止された内部空間11内のガス量が抑制されたものとなる。
【0059】
また、主面61の内周隅部C1は、図3に示すように、円弧状に形成されているので、接合部611に形成された第2接合層64の溶融物が、境界線Bの方へ引っ張られることがない。つまり、第2接合層64の溶融物が、蓋6の接合部611のほぼ全面に行き渡るので、蓋6とベース4の接合強度が十分に確保される。
【0060】
さらに、ベース4の基材には、短辺領域T1とこの短辺領域T1と面積が等しい長辺領域T2とからなる第1接合層形成領域が設けられており、この第1接合層形成領域の全体に、均一に、第1接合層45が形成されている。つまり、短辺領域T1と長辺領域T2には、等しい量のTi及びAuが配されている。このため、第1接合層45を溶融させた時、第1接合層45の溶融物の張力は短辺領域T1と長辺領域T2との間で等しく保たれ、短辺領域T1に配された第1接合層45の溶融物が、長辺領域T2の方へ引っ張られることがない。つまり、第1接合層45を加熱溶融させた時に、短辺領域T1に形成した第1接合層45の溶融物を短辺領域T1内に留め、長辺領域T2に形成した第1接合層45の溶融物を長辺領域T2内に留めておくことができる。同様に、蓋6の基材には、短辺領域T3とこの短辺領域T3と面積が等しい長辺領域T4とからなる第2接合層形成領域が設けられており、この第2接合層形成領域の全体に、均一に、第2接合層64が形成されている。つまり、短辺領域T3と長辺領域T4には、等しい量のTi、Au、及びSnが配されている。このため、第2接合層64を溶融させた時、第2接合層64の溶融物の張力は短辺領域T3と長辺領域T4との間で等しく保たれ、短辺領域T3に配された第2接合層64の溶融物が、長辺領域T4の方へ引っ張られることがない。よって、第2接合層64を加熱溶融させた時に、短辺領域T3に形成した第2接合層64の溶融物を短辺領域T3内に留め、長辺領域T4に形成した第2接合層64の溶融物を長辺領域T4内に留めておくことができる。よって、蓋6とベース4の接合強度が部分的に低下するということがなく、接合部442,611内の全領域において接合強度が均一に保たれる。
【0061】
なお、図1に示す水晶振動子1では、上述した通り、第1接合層45において短辺領域T1と長辺領域T2とは面積が等しくされているが、第1接合層45の溶融物の張力を短辺領域T1と長辺領域T2との間でほぼ等しく保つことができ、短辺領域T1に形成した第1接合層45の溶融物を短辺領域T1内に留め、長辺領域T2に形成した第1接合層45の溶融物を長辺領域T2内に留めておくことができれば、短辺領域T1と長辺領域T2とは面積が若干異なっていてもよい。第2接合層64においても同様に、第2接合層64の溶融物の張力を短辺領域T3と長辺領域T4との間でほぼ等しく保つことができ、短辺領域T3に形成した第2接合層64の溶融物を短辺領域T3内に留め、長辺領域T4に形成した第2接合層64の溶融物を長辺領域T4内に留めておくことができれば、短辺領域T3と長辺領域T4とは面積が若干異なっていてもよい。つまり、本発明において、接合層形成領域の長辺領域の面積は、短辺領域の面積と完全に一致していなくても、短辺領域の面積とほぼ等しくされていればよい。
【0062】
また、図1に示す水晶振動子1では、蓋6の接合部611がテーパー面とされ、ベース4の接合部442は水平面とされているが、ベース4の接合部442がテーパー面とされ、蓋6の接合部611が水平面とされたものであっても、ベース4の接合部442と蓋6の接合部611との間の隙間は、外側方向D1に向かって広げられるので、上記した図1に示す水晶振動子1と同様の効果を奏することができる。
【0063】
また、図5に示すように、蓋6の接合部611及びベース4の接合部442の両方がテーパー面とされてもよい。このような図5に示す水晶振動子1においても、ベース4の接合部442と蓋6の接合部611との間の隙間が外側方向D1に向かって広げられる。このため、図1に示す水晶振動子1と同様に、ろう材の加熱溶融により発生するガスが、外側方向D1に放出され易い。さらに、蓋6の接合部611及びベース4の接合部442をテーパー面とすることで、接合材72のメニスカス721の表面積が確保されているので、そのメニスカスの表面からガスが水晶振動子1の外へ逃げ易い。このように、図5に示す水晶振動子1も、図1に示す水晶振動子1と同様に、その製造工程において第1接合層45及び第2接合層64が加熱溶融した際に発生するガスが、水晶振動子1の外へ逃げ、内側の内部空間11内に入り難い構成とされていることから、水晶振動片2の励振電極31,32が気密封止された内部空間11内のガス量が抑制されたものとなる。
【0064】
さらに、図1及び図5に示す水晶振動子1では、加熱処理を施す前に、ベース4に蓋6を仮接合することができるように、ベース4と蓋6のそれぞれに、仮止め部443,612が設けられ、これら仮止め部443,612にも、接合部442,611と同様に、第1接合層45及び第2接合層64が設けられているが、これら仮止め部443,612の幅W6,W8(図2(b)及び図3(b)参照)は、接合部442,611の幅W5,W7と比べて、可能な限り狭くされていることが好ましい。或いは、これら仮止め部443,612は設けられていなくてよい。つまり、第1接合層45をベース4の接合部442のみに設け、第2接合層64を蓋6の接合部611のみに設けてもよい。
【0065】
例えば、図1に示す水晶振動子1では、テーパー面とされた蓋6の接合部611と、ベース4の接合部442とのみが接合材72で接合されていてもよく、図5に示す水晶振動子1では、テーパー面とされた蓋6の接合部611と、テーパー面とされたベース4の接合部442のみが接合材72で接合されていてもよい。図1及び5に示す水晶振動子1では、平行に設けられた仮止め部443,612に積層された第1接合層45及び第2接合層64の溶融物が内側方向に流れて、少量のガスが内部空間に入り込むおそれがある。しかし、蓋6の接合部611とベース4の接合部442のみを接合材72で接合した水晶振動子1では、第1接合層443及び第2接合層612の溶融物が内側方向に流れる要因とり得る平行に設けられた仮止め部443,612がなく、接合部442,611のみに第1接合層45及び第2接合層64が設けられるので、図1及び5に示す水晶振動子と比べて、内部空間11内に存在するガスの低減化が期待できる。
【0066】
また、仮止め部442,611を設けない場合、具体的には、FCB法によるベース4と蓋6の仮接合を加熱処理前に行わない場合、第1接合層45のAuメッキ膜453及び第2接合層64のAuメッキ膜644は省略されてよい。
【0067】
また、図1及び図5に示す水晶振動子1では、ベース4に第1接合層45が設けられ、蓋6に第2接合層64が設けられているが、ベース4に第2接合層64が設けられ、蓋6に第1接合層45が設けられてもよい。
【0068】
また、図1及び図5に示す水晶振動子1では、接合材72を形成する第2接合層64の主な材料として、AuSnを用いているが、第2接合層64は、ベース4と蓋6とを接合させるための接合材を形成することができるろう材を含むものであれば特に限定されず、例えば、CuSn等のSn合金ろう材を用いて構成されたものであってもよい。
【0069】
また、図1及び図5に示す水晶振動子1では、水晶振動片2として、ATカット水晶片が使用されているが、音叉型水晶片が使用されてもよい。
【0070】
以上、本発明に係る電子部品パッケージを水晶振動子のパッケージに適用した場合の実施の形態を示したが、これは好適な実施の形態であり、本発明に係る電子部品パッケージは、電子部品素子の電極を第1及び第2の封止部材により封止するものであれば、いかなるものであってもよい。よって、本発明に係る電子部品パッケージは、第1及び第2の封止部材により、水晶以外の圧電材料、例えば、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等により構成された圧電振動片の励振電極を気密封止する圧電振動デバイスのパッケージであってもよい。
【0071】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0072】
1 水晶振動子
11 内部空間
2 水晶振動片(電子部品素子)
21 基板
22,23 主面
24 短辺の中央部分
26 振動部
27 接合部
31,32 励振電極
33,34 端子電極
35,36 引出電極
4 ベース(第1の封止部材)
41 底部
411,412 台座部
42,43 主面
44 壁部
441 壁部の天面
442 接合部
443 仮止め部
45 第1接合層
451 Tiスパッタ膜
452 Auスパッタ膜
453 Auメッキ膜
46 キャビティ
461 底面
47,48 キャスタレーション
49 貫通孔
491 内側面
51,52 電極パッド
53,54 外部端子電極
56 導電性金属
6 蓋(第2の封止部材)
61,62 主面
611 接合部
612 仮止め部
64 第2接合層
641 Tiスパッタ膜
642 Auスパッタ膜
643 An/Sn膜
644 Auメッキ膜
72 接合材
721メニスカス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品素子の電極を気密封止する電子部品パッケージにおいて、
前記電子部品素子の電極を気密封止する第1及び第2の封止部材を備え、
前記第1及び第2の封止部材の各々の一主面の外周縁部は、ろう材を含む接合材で接合されており、
前記第1及び第2の封止部材の少なくとも一方の前記外周縁部が、当該封止部材の前記一主面から他主面の側に向かって傾斜するテーパー面とされている
ことを特徴とする電子部品パッケージ。
【請求項2】
請求項1に記載の電子部品パッケージであって、
前記外周縁部がテーパー面とされた前記一主面の隅部において、前記テーパー面とこのテーパー面に連続して形成された他面との境界線が、円弧状に形成されていることを特徴とする電子部品パッケージ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電子部品パッケージであって、
前記第1及び第2の封止部材は、それぞれ、平面視長方形状を呈しており、
前記第1及び第2の封止部材の各々の前記外周縁部には、前記接合材の一部を構成する接合層が形成された接合層形成領域が設けられており、
前記接合層形成領域は、前記一主面の長辺方向に幅を有する短辺領域と、前記一主面の短辺方向に幅を有し、且つ前記短辺領域と面積が等しい長辺領域とからなる
ことを特徴とする電子部品パケージ。
【請求項4】
電子部品素子の電極を気密封止する電子部品パッケージの製造方法であって、
第1及び第2の封止部材を成形する成形工程と、
前記第1及び第2の封止部材の各々の前記外周縁部に設けられた接合層形成領域に、接合層を形成する接合層形成工程と、
前記第1の封止部材に、前記電子部品素子を搭載する搭載工程と、
前記接合層を加熱溶融させてろう材を含む接合材を形成させ、前記第1及び第2の封止部材の各々の一主面の外周縁部を接合することにより、前記電子部品素子の電極を気密封止する接合工程とを有し、
前記成形工程では、前記第1及び第2の封止部材の少なくとも一方の前記外周縁部を、当該封止部材の前記一主面から他主面の側に向かって傾斜するテーパー面に成形する
ことを特徴とする電子部品パッケージの製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の電子部品パッケージの製造方法であって、
前記成形工程では、前記第1及び第2の封止部材を、それぞれ、平面視長方形状に成形し、
前記接合層形成工程では、前記一主面の長辺方向に幅を有する短辺領域と、前記一主面の短辺方向に幅を有し、且つ前記短辺領域と面積が等しい長辺領域とからなる前記接合層形成領域に、均一な厚みで、前記接合層を形成する
ことを特徴とする電子部品パッケージの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−233703(P2011−233703A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102436(P2010−102436)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000149734)株式会社大真空 (312)