説明

電子部品パッケージ用封止部材、及び電子部品パッケージ

【課題】電子部品パッケージの内部空間を気密封止するために、電子部品パッケージ用封止部材の他主面に樹脂材を用いる場合であっても、電子部品パッケージの内部空間における気密性の低下を抑制する。
【解決手段】電子部品パッケージ用封止部材であるベース4を構成する基材の他主面42には、外部と電気的に接続する外部端子電極53,54と、一主面41に搭載される電子部品素子2を外部端子電極53,54に引き回す配線パターン55と、樹脂材(樹脂パターン61)とが形成され、他主面42の基材および配線パターン55上に樹脂パターン61が積層され、配線パターン55および樹脂パターン61上に外部端子電極53,54が積層されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対向して配置された第1封止部材及び第2封止部材により電子部品素子の電極が封止された電子部品パッケージの第1封止部材として使用される電子部品パッケージ用封止部材、及びこの電子部品パッケージ用封止部材を使用してなる電子部品パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
圧電振動デバイス等の電子部品のパッケージ(以下、電子部品パッケージという)の内部空間は、この内部空間に搭載した電子部品素子の電極の特性が劣化するのを防ぐために気密封止される。
【0003】
この種の電子部品パッケージとしては、ベースと蓋といった2つの封止部材から構成され、その筐体が直方体のパッケージに構成されたものがある。このような電子部品パッケージの内部空間では、圧電振動片等の電子部品素子がベースに保持接合される。そして、ベースと蓋とが接合されることで、電子部品パッケージの内部空間の電子部品素子の電極が気密封止される。
【0004】
例えば、特許文献1に開示の水晶部品(本発明でいう電子部品)では、ベースと蓋とからなる電子部品パッケージの内部空間に、水晶片が気密封止されている。このような水晶部品のベースには、当該ベースを構成する基材を貫通する貫通孔が設けられており、この貫通孔の内側面には、Cr−Ni−Au等の多層の金属膜からなる配線用金属が形成されている。さらに、貫通孔には、AuGe等の合金が溶着されており、これにより、電子部品パッケージの内部空間の気密性が確保されている。
【0005】
このような電子部品では、プリント配線板等の基板への実装に際して熱が加えられるが、この際、次に示す不具合が生じる。特許文献1に開示の水晶部品では、その基板に実装する際に加えられた熱により、貫通孔の内側面に溶着された合金の界面が軟化(拡散)し、貫通孔の内側面と合金との密着性が低下することがあった。そして、このような合金の密着性の低下により、貫通孔の内側面から合金が剥がれ、剥がれた合金が水晶部品の電子部品パッケージの外へ脱落することがあった。このような貫通孔からの合金の脱落は、電子部品パッケージの内部空間における気密性の低下をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−283951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、電子部品パッケージの内部空間に十分な気密性を確保するために、貫通孔に、配線パターンの一部となる導電性材料(金属)を充填するとともに、貫通孔の他主面の側の開口面を樹脂材により塞ぐ技術が本出願人によって発明されたが、樹脂のベースへの密着強度が弱くなる場合があるという問題があった。
【0008】
具体的には、ベースの裏面(他主面)には金属からなる配線パターン等が形成されており、貫通孔を封止する樹脂材は、ベースの他主面(素面)だけなく、他主面に形成された配線パターン上にも形成されることになる。
【0009】
樹脂材(特に、高耐熱性を有する高耐熱性樹脂など)は、Cuや貴金属(例えばAu)との密着強度(密着性)が弱いため、樹脂材と導電性材料との接着強度(密着性)が弱く、配線パターンなどの導電性材料から樹脂材が剥がれることがあり、このことが原因となって電子部品パッケージの内部空間における気密性の低下をもたらす可能性がある。
【0010】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、電子部品パッケージの内部空間を気密封止するために電子部品パッケージ用封止部材の他主面に樹脂材を用いる場合であっても、電子部品パッケージの内部空間における気密性の低下を抑制することができる電子部品パッケージ用封止部材、及び電子部品パッケージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明に係る電子部品パッケージ用封止部材は、一主面に電子部品素子が搭載される第1封止部材と、前記第1封止部材と対向して配置されて前記電子部品素子の電極を気密封止する第2封止部材とを備える電子部品パッケージの前記第1封止部材として使用される電子部品パッケージ用封止部材において、当該電子部品パッケージ用封止部材を構成する基材の他主面には、外部と電気的に接続する外部端子電極と、前記一主面に搭載される電子部品素子を前記外部端子電極に電気的に接続するための配線パターンと、樹脂材とが形成され、前記他主面の前記基材および前記配線パターン上に前記樹脂材が積層され、前記配線パターンおよび前記樹脂材上に前記外部端子電極が積層されたことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、電子部品パッケージの内部空間を気密封止するために前記他主面に前記樹脂材を用いる場合であっても、前記内部空間における気密性の低下を抑制することが可能となる。具体的には、前記他主面の前記基材および前記配線パターン上に前記樹脂材が積層され、前記配線パターンおよび前記樹脂材上に前記外部端子電極が積層されるので、前記配線パターンへの前記樹脂材の接着強度が弱い場合であっても、前記基材への前記樹脂材の接着と、前記配線パターンへの前記外部端子電極の接着とによって、前記基材への前記樹脂材の接着補完を行うことが可能となる。
【0013】
ところで、電子部品パッケージをプリント基板などに搭載する際に、半田(鉛フリー半田)を用いてプリント基板に当該電子部品パッケージ用封止部材を接合する。ここでいう半田の主成分としてSnが用いられている。そのため、電子部品パッケージをプリント基板などに搭載する際に、半田のSnが、当該電子部品パッケージ用封止部材の配線パターンや貫通孔を伝って、電子部品パッケージの内部空間に入り込んでくる可能性がある。これに対して、本発明にかかる電子部品パッケージ用封止部材によれば、前記基材の他主面に、前記外部端子電極と前記配線パターンと前記樹脂材とが形成され、前記他主面の前記基材および前記配線パターン上に前記樹脂材が積層されるので、前記樹脂材により半田のSnが電子部品パッケージの内部空間へ入り込むのを防ぎ、その結果、電子部品パッケージの内部空間の真空状態を保つことが可能となる。
【0014】
前記構成において、前記外部端子電極が積層された前記樹脂材の積層部位の外周縁に沿った外方において前記配線パターン上に前記外部端子電極が積層されてもよい。
【0015】
この場合、前記外部端子電極が積層された前記樹脂材の積層部位の外周縁に沿った外方において前記配線パターン上に前記外部端子電極が積層されるので、前記樹脂材上に前記外部端子電極が積層された積層部位を囲むように、前記配線パターンへの前記外部端子電極の積層を行うことが可能となり、前記基材への前記樹脂材の接着に好ましい。また、このような構成によれば、前記配線パターンから前記外部接続端子までの距離を長くすることが可能となり、その結果、上述の半田のSnが電子部品パッケージの内部空間へ入り込むのを抑えることが可能となる。
【0016】
前記構成において、前記基材の両主面間を貫通する貫通孔に、導電性材料が充填され、前記貫通孔の他主面(電子部品素子の搭載面と対向する面)の側の開口面が、前記樹脂材により塞がれてもよい。
【0017】
この場合、前記両主面を貫通する前記貫通孔の前記他主面の側の開口面が、前記樹脂材により塞がれるので、前記貫通孔に充填された前記導電性材料が前記貫通孔から剥がれ、脱落するのを防止することができる。また、前記他主面から前記貫通孔に充填された前記導電性材料への熱伝導が、前記貫通孔の他主面側の開口面を塞ぐ前記樹脂材により遮断されるので、例えば、電子部品パッケージを基板に実装する際の熱による前記導電性材料と当該電子部品パッケージ用封止部材を構成する基材との密着性の低下を防止することが可能となる。その結果、前記内部空間の気密性の低下を抑制することが可能となる。
【0018】
上記の目的を達成するため、本発明に係る電子部品パッケージは、一主面に電子部品素子が搭載される第1封止部材と、前記第1封止部材と対向して配置されて前記電子部品素子の電極を気密封止する第2封止部材とを備える電子部品パッケージであって、前記第1封止部材が、上記した本発明に係る電子部品パッケージ用封止部材であることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、第1封止部材として、上記した本発明に係る電子部品パッケージ用封止部材が使用されるので、本発明に係る電子部品パッケージ用封止部材と同様の作用効果を有し、前記第1封止部材の他主面に前記樹脂材を用いる場合であっても、当該電子部品パッケージの前記内部空間における気密性の低下を抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の電子部品パッケージ用封止部材及び電子部品パッケージによれば、電子部品パッケージの内部空間を気密封止するために電子部品パッケージ用封止部材の他主面に樹脂材を用いる場合であっても、電子部品パッケージの内部空間における気密性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本実施の形態に係る水晶振動子の内部空間を公開した概略構成図であり、図2に示すベースのA−A線に沿って全体を切断した時の水晶振動子の概略断面図である。
【図2】図2は、本実施の形態に係るベースの概略平面図である。
【図3】図3は、本実施の形態に係るベースの概略裏面図である。
【図4】図4は、図1に示すベースの貫通孔部分の概略構成を示す概略断面図である。
【図5】図5は、本実施の形態に係る蓋の概略裏面図である。
【図6】図6は、本実施の形態に係る水晶振動片の概略平面図である。
【図7】図7は、本実施の形態に係るベースの製造工程の一工程を示すウエハの一部概略断面図である。
【図8】図8は、本実施の形態に係るベースの製造工程の一工程を示すウエハの一部概略断面図である。
【図9】図9は、本実施の形態に係るベースの製造工程の一工程を示すウエハの一部概略断面図である。
【図10】図10は、本実施の形態に係るベースの製造工程の一工程を示すウエハの一部概略断面図である。
【図11】図11は、本実施の形態に係るベースの製造工程の一工程を示すウエハの一部概略断面図である。
【図12】図12は、本実施の形態に係るベースの製造工程の一工程を示すウエハの一部概略断面図である。
【図13】図13は、本実施の形態に係るベースの製造工程の一工程を示すウエハの一部概略断面図である。
【図14】図14は、本実施の形態に係るベースの製造工程の一工程を示すウエハの一部概略断面図である。
【図15】図15は、図14に示すベースの概略裏面図である。
【図16】図16は、本実施の形態に係るベースの製造工程の一工程を示すウエハの一部概略断面図である。
【図17】図17は、本実施の形態に係るベースの製造工程の一工程を示すウエハの一部概略断面図である。
【図18】図18は、図18に示すベースの概略裏面図である。
【図19】図19は、本実施の形態に係るベースの製造工程の一工程を示すウエハの一部概略断面図である。
【図20】図20は、本実施の形態に係るベースの製造工程の一工程を示すウエハの一部概略断面図である。
【図21】図21は、本実施の形態に係るベースの製造工程の一工程を示すウエハの一部概略断面図である。
【図22】図22は、本実施の形態に係るベースの製造工程の一工程を示すウエハの一部概略断面図である。
【図23】図23は、本実施の形態に係るベースの製造工程の一工程を示すウエハの一部概略断面図である。
【図24】図24は、本実施の形態に係るベースの製造工程の一工程を示すウエハの一部概略断面図である。
【図25】図25は、本実施の形態に係るベースの製造工程の一工程を示すウエハの一部概略断面図である。
【図26】図26は、本実施の形態に係るベースの製造工程の一工程を示すウエハの一部概略断面図である。
【図27】図27は、本実施の形態に係るベースの製造工程の一工程を示すウエハの一部概略断面図である。
【図28】図28は、本実施の形態に係るベースの製造工程の一工程を示すウエハの一部概略断面図である。
【図29】図29は、本実施の形態に係るベースの製造工程の一工程を示すウエハの一部概略断面図である。
【図30】図30は、本実施の形態に係るベースの製造工程の一工程を示すウエハの一部概略断面図である。
【図31】図31は、他の形態に係るベースの概略断面図であって、図4に対応する部分の貫通孔の概略構成を示す概略構成図である。
【図32】図32は、他の形態に係るベースの概略断面図であって、図4に対応する部分の貫通孔の概略構成を示す概略構成図である。
【図33】図33は、他の形態に係るベースの概略構成を示す概略断面図である。
【図34】図34は、他の形態に係る水晶振動片の概略平面図である。
【図35】図35は、他の形態に係るベースの概略裏面図である。
【図36】図36は、他の形態に係るベースの概略裏面図である。
【図37】図37は、図15に示すベースに対応した、他の形態に係るベースの概略裏面図である。
【図38】図38は、他の形態に係るベースの概略裏面図である。
【図39】図39は、他の形態に係るベースの概略裏面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施の形態では、電子部品パッケージとして圧電振動デバイスである水晶振動子のパッケージに本発明を適用し、さらに電子部品素子として圧電振動片である音叉型水晶振動片に本発明を適用した場合を示す。
【0023】
本実施の形態に係る水晶振動子1には、図1に示すように、音叉型水晶片からなる図6に示す水晶振動片2(本発明でいう電子部品素子)と、この水晶振動片2を保持し、水晶振動片2を気密封止するためのベース4(本発明でいう第1封止部材としての電子部品パッケージ用封止部材)と、ベース4と対向するように配置され、ベース4に保持した水晶振動片2の励振電極31,32(本発明でいう電子部品素子の電極)を気密封止するための蓋7(本発明でいう第2封止部材)とが設けられている。
【0024】
この水晶振動子1では、ベース4と蓋7とがAuとSnの合金からなる接合材12と、下記の第1接合層48と、下記の第2接合層74とにより接合され、これらの接合により、気密封止された内部空間11を備える本体筐体が構成される。この内部空間11では、ベース4に、水晶振動片2が、金バンプ等の導電性バンプ13を用いたFCB法(Flip Chip Bonding)により電気機械的に超音波接合されている。なお、本実施の形態において、導電性バンプ13には、金バンプ等の非流動性部材のメッキバンプが用いられている。
【0025】
次に、この水晶振動子1の各構成について説明する。
【0026】
ベース4は、ホウケイ酸ガラス等のガラス材料からなり、図1〜3に示すように、底部41と、ベース4の一主面42の外周に沿って底部41から上方に延出した壁部44とから構成された箱状体に成形されている。このようなベース4は、直方体の一枚板の基材をウエットエッチングして箱状体に成形される。
【0027】
ベース4の壁部44の内側面は、テーパー状に成形されている。また、壁部44の天面は、蓋7との接合面であり、この接合面には、蓋7と接合するための第1接合層48が設けられている。第1接合層48は、複数の層の積層構造からなり、ベース4の壁部44の天面にスパッタリング法によりスパッタリング形成されたスパッタ膜(図1の符号93参照)と、スパッタ膜の上にメッキ形成されたメッキ膜(図1の符号95参照)とからなる。スパッタ膜は、ベース4の壁部44の天面にスパッタリング法によりスパッタリング形成されたTi膜(図示省略)と、Ti膜の上にスパッタリング法によりスパッタリング形成されたAu膜(図示省略)とからなる。また、メッキ膜は、スパッタ膜の上にメッキ形成されたAu膜からなる。
【0028】
また、ベース4の一主面42には、底部41と壁部44とによって囲まれた平面視長方形のキャビティ45が成形されている。キャビティ45の底面451には、その長手方向の一端部452の全体に沿って台座部46がエッチング成形されている。この台座部46に、水晶振動片2が搭載される。なお、このキャビティ45の壁面は、壁部44の内側面であり、上記のようにテーパー状に成形されている。
【0029】
また、ベース4には、水晶振動片2の励振電極31,32それぞれと電気機械的に接合する一対の電極パッド51,52と、外部部品や外部機器と電気的に接続する外部端子電極53,54と、電極パッド51と外部端子電極54、及び電極パッド52と外部端子電極53を電気的に接続させる配線パターン55とが形成されている。これら電極パッド51,52と外部端子電極53,54と配線パターン55とによりべース4の電極5が構成される。電極パッド51,52は、台座部46の表面に形成されている。また、2つの外部端子電極53,54は、ベース4の他主面43において、長手方向の両端部に形成され、長手方向に沿って離間して並設されている。また、外部端子電極54の一隅部(外部端子電極53に対面する側の1つの隅部)には切り欠き部541が形成され、この切り欠き部541は、当該水晶振動子1の製造工程におけるベースの位置決めや、当該水晶振動子1を外部部品や外部機器へ搭載する際の位置決めを行うサポートの役割を果たす。
【0030】
電極パッド51,52は、ベース4の基板上に形成された第1シード膜(図1の符号92参照)と、この第1シード膜の上に形成された第2シード膜(図1の符号93参照)と、この第2シード膜の上に形成された第2メッキ膜(図1の符号95参照)とにより構成されている。なお、電極パッド51,52を構成する第1シード膜92は、ベース4の一主面42にスパッタリング法によりスパッタリング形成されたTi膜(図示省略)と、Ti膜の上にスパッタリング法によりスパッタリング形成されたCu膜(図示省略)とからなる。また、第2シード膜93は、第1シード膜92の上にスパッタリング法によりスパッタリング形成されたTi膜(図示省略)と、Ti膜の上にスパッタリング法によりスパッタリング形成されたAu膜(図示省略)とからなる。また、第2メッキ膜95は、第2シード膜93にメッキ形成されたAu膜からなる。
【0031】
配線パターン55は、電極パッド51,52と外部端子電極53,54とを電気的に接続させるように、ベース4の一主面42から貫通孔49(下記参照)の内側面491を介してベース4の他主面43に形成されている。また、配線パターン55は、ベース4の基板上に形成された第1シード膜(図1の符号92参照)で構成されており、ベース4の一主面42に位置する部分の第1シード膜92上には、第2シード膜(図1の符号93参照)と、Au膜からなる第2メッキ膜(図1の符号95参照)とが形成されている。配線パターン55を構成する第1シード膜92は、ベース4の一主面42にスパッタリング法によりスパッタリング形成されたTi膜(図示省略)と、Ti膜の上にスパッタリング法によりスパッタリング形成されたCu膜(図示省略)とからなる。また、第2シード膜93は、第1シード膜92の上にスパッタリング法によりスパッタリング形成されたTi膜(図示省略)と、Ti膜の上にスパッタリング法によりスパッタリング形成されたAu膜(図示省略)とからなる。また、第2メッキ膜95は、この第2シード膜93にメッキ形成されたAu膜からなる。
【0032】
また、外部端子電極53,54は、樹脂材からなる樹脂パターン61(下記参照)上、及びベース4の他主面43に形成された配線パターン55(図1の符号92参照)上に形成された第2シード膜(図1の符号93参照)と、この第2シード膜93上に形成された第1メッキ膜(図1の符号94参照)と、この第1メッキ膜94上に形成された第2メッキ膜(図1の符号95参照)とにより構成されている。なお、外部端子電極53,54を構成する第1シード膜93は、樹脂パターン61上、及びベース4の他主面43に形成された配線パターン55(図1の符号92参照)上にスパッタリング法によりスパッタリング形成されたTi膜(図示省略)と、Ti膜の上にスパッタリング法によりスパッタリング形成されたAu膜(図示省略)とからなる。また、第1メッキ膜94は、第1シード膜93にメッキ形成されたNi膜からなる。また、第2メッキ膜95は、第1メッキ膜94にメッキ形成されたAu膜からなる。
【0033】
また、ベース4には、図1〜4に示すように、水晶振動片2の励振電極31,32を電極パッド51,52を介して配線パターン55により、キャビティ45内からキャビティ45外に導出させるための貫通孔49が形成されている。
【0034】
貫通孔49は、ベース4をフォトリソグラフィ法によりエッチングして成形する際、キャビティ45の成形と同時に形成され、図1〜図4に示すように、ベース4に2つの貫通孔49が両主面42,43間を貫通して形成されている。この貫通孔49の内側面491は、ベース4の一主面42及び他主面43に対して傾斜を有し、テーパー状に形成されている。貫通孔49は、図4に示すように、ベース4の他主面43の側にある貫通孔49の他端開口面493の径で最大となり、ベース4の一主面42の側にある貫通孔49の一端開口面492の径で最小となる。このように、本実施の形態では、貫通孔49の内側面491は、ベース4の一主面42及び他主面43に対して傾斜しており、ベース4の一主面42と貫通孔49の内側面491とがなす角度(図4の符号θ参照)は、約45度とされる。なお、本実施の形態では、ベース4の一主面42と貫通孔49の内側面491とがなす角度θは、約45度とされるが、これに限定されない。例えば、ベース4の一主面42と貫通孔49の内側面491とがなす角度θは、45度より大きく、具体例としては、70度〜90度であってもよい。ベース4の一主面42と貫通孔49の内側面491とがなす角度(図4の符号θ参照)を90度に近づけると、ベース4において、貫通孔49の占める面積が小さくなり、配線パターン55の形成箇所の自由度を向上させることができる。
【0035】
このような貫通孔49の内側面491には、配線パターン55の一部であるTi及びCuからなる第1シード膜(図1の符号92参照)が形成されている。さらに、貫通孔49の内部には、Cuから構成される充填材(本発明でいう導電性材料)が第1シード膜92上に充填されて充填層98が形成されており、この充填層98により、貫通孔49が塞がれている。この充填層98は、第1シード膜92の表面に電解メッキ形成されたCuメッキ層により構成されている。なお、充填層98は、図4に示すように、ベース4の一主面42の側の一端面981が、ベース4の一主面42上に形成された第1シード膜92の表面921と面一で、他主面43の側の他端面982が貫通孔49の他端開口面493よりも一主面42の側に位置するように、形成されている。
【0036】
また、貫通孔49のベース4の他主面43の側の他端開口面493は、感光性を有する樹脂材で構成された樹脂パターン61により塞がれている。なお、本実施の形態では、樹脂材として樹脂パターン61を適用しているが、内部空間11を気密封止するためにベース4の他主面43に用いられるものであれば、その形態は樹脂パターン61に限定されるものではない。
【0037】
樹脂パターン61は、図3に示すように、ベース4の他主面43に平面視矩形状(本実施の形態では長方形状)に形成されている。樹脂パターン61は、ベース4の他主面43において、樹脂パターン61が形成される樹脂パターン形成領域47は、他主面43の長手方向に沿う長辺471と、他主面43の短手方向に沿う短辺472とからなる略長方形状を呈し、当該樹脂パターン形成領域47内に貫通孔49の他端開口面493を含むように設けられている。このような樹脂パターン形成領域47に形成された樹脂パターン61により、貫通孔49の他端開口面493が塞がれているとともに、貫通孔49の他端開口面493の周縁部551に設けられた配線パターン55が被覆されている。このように、内部に充填層98が形成された貫通孔49の他端開口面493を樹脂パターン61により塞ぐことにより、貫通孔49の封孔強度の向上が図られている。
【0038】
また、樹脂パターン61の一部は、図4に示すように、貫通孔49の内部で充填層98に接している。具体的には、充填層98を電解メッキ形成する際のめっき析出において、ベース4の他主面42側の充填層98の他端部(充填層98の他端面982側の端部)は、盛り上がって凸状に形成され、貫通孔49の内側面491の他主面42側の端部に形成したシード膜(図4の符号92参照)と充填層98の他端部との間に、図4に示すように、隙間99が生じる。この隙間99に樹脂パターン61を構成する樹脂材が入り込んでアンカー効果が生じる。このようにアンカー効果を発揮することにより、樹脂パターン99と充填層98及び貫通孔49の内側面491(第1シード膜92)との間の密着性が確保されている。このように、樹脂パターン61の樹脂材が貫通孔49にくい込んでいる構成により、アンカー効果を得て、樹脂パターン61の貫通孔49への密着強度が向上する。
【0039】
また、ベース4の他主面43の側の配線パターン55の一部は、樹脂パターン形成領域47の長辺471の両端部473,474と、短辺472とに沿って、環状に成形されている。なお、環状内には配線パターン55は形成されていない。このような環状の配線パターン55の一部は、樹脂パターン61に被覆されないように、樹脂パターン形成領域47の長辺471の両端部473,474と、短辺472とに沿って、平面視で樹脂パターン形成領域47の外側の領域552に形成されている。
【0040】
そして、ベース4の他主面43では、樹脂パターン形成領域47の平面視外側の領域552に形成された配線パターン55上、および樹脂パターン61上に外部端子電極53,54が形成されている。具体的には、配線パターン55と外部端子電極53,54とが樹脂パターン61の両端部を間に挟むようにして形成される。このように配線パターン55と外部端子電極53,54と樹脂パターン61とが形成されることにより、樹脂パターン61のベース4への接着強度及び樹脂パターン61の強度向上が図られている。
【0041】
上記のように、ベース4を構成する基材の他主面43には、外部端子電極53,54と配線パターン55と樹脂パターン61とが形成され、他主面43の基材および配線パターン55上に樹脂パターン61が積層され、配線パターン55および樹脂パターン61上に外部端子電極53,54が積層されている。これら外部端子電極53,54と配線パターン55と樹脂パターン61との他主面43における形成位置に関して、外部端子電極53,54が積層された樹脂パターン61の積層部位の外周縁に沿った外方において配線パターン55上に外部端子電極53,54が積層されている。さらに詳説すると、本実施の形態では、外部端子電極53が積層された樹脂パターン61の積層部位の外周縁(短辺472と端部473参照)に沿った外方において配線パターン55上に外部端子電極53が積層されている。また、外部端子電極53が積層された樹脂パターン61の積層部位の外周縁(短辺472と端部474参照)に沿った外方において配線パターン55上に外部端子電極54が積層されている。なお、本実施の形態では、樹脂パターン61の積層部位の外周縁の三辺に沿った外方において配線パターン55上に外部端子電極53,54が積層されているが、少なくとも積層部位の外周縁の二辺以上の辺に沿った外方において配線パターン55上に外部端子電極53,54が積層されていることが好ましい。
【0042】
また、樹脂パターン61を構成する樹脂材には、ポリベンズオキサゾール(PBO)が使用されている。なお、樹脂パターン61を構成する樹脂材は、ポリベンズオキサゾール(PBO)に限定されず、ベース4を構成する材料(例えば、ガラス材料)との密着性が良好な樹脂材をいずれも使用することができる。よって、樹脂パターン61を構成する樹脂材には、例えば、ベンゾシクロブテン(BCB)、エポキシ、ポリイミド、又はフッ素系樹脂からなる樹脂材を使用してもよい。また、本実施の形態で使用した樹脂パターン61を構成する樹脂材、即ち、ポリベンズオキサゾール(PBO)は、感光性を有する樹脂材であり、フォトリソグラフィ法によるパターン形成が可能な樹脂材である。ここで、本発明でいう感光性を有する樹脂材とは、感光性を有する樹脂からなる樹脂材の他、感光剤と樹脂とを含む感光性樹脂組成物を含む広い概念とする。
【0043】
蓋7は、ホウケイ酸ガラス等のガラス材料からなり、図1及び図5に示すように、頂部71と、蓋7の一主面72の外周に沿って頂部71から下方に延出した壁部73とから構成されている。このような蓋7は、直方体の一枚板の基材をウエットエッチングして成形される。
【0044】
蓋7の壁部73の両側面(内側面731及び外側面732)は、テーパー状に成形されている。また、壁部73には、ベース4と接合するための第2接合層74が形成されている。
【0045】
蓋7の第2接合層74は、図1に示すように、蓋7の壁部73の天面733から外側面732にかけて形成されている。この第2接合層74は、TiからなるTi膜(図示省略)が形成され、Ti膜の上にAuからなるAu膜(図示省略)が形成された複数の積層構造からなり、これらTi膜及びAu膜は、スパッタリング法によりスパッタリング形成されている。
【0046】
上記のベース4と蓋7とを接合させるための接合材12は、蓋7の第2接合層74に積層されている。この接合材12は、蓋7の第2接合層74の上にAuとSnとの合金からなるAu/Sn膜(図示省略)がメッキ形成され、このAu/Sn膜の上にAu膜(図示省略)がメッキ形成された複数の積層構造からなる。なお、Au膜は、Auストライクメッキ膜がメッキ形成され、Auストライクメッキ膜の上にAuメッキ膜がメッキ形成された複数の層の積層構造からなる。このような接合材12では、Au/Sn膜が、加熱により溶融して、AuSn合金膜となる。なお、接合材12は、蓋7の第2接合層74の上にAuSn合金膜をメッキ形成することにより構成されたものであってもよい。また、本実施の形態において、接合材12は、蓋7の第2接合層74に積層されているが、ベース4の第1接合層48に積層されていてもよい。
【0047】
水晶振動片2は、異方性材料の水晶片である水晶素板(図示省略)から、ウエットエッチング形成された水晶Z板である。
【0048】
この水晶振動片2は、図6に示すように、振動部である2本の脚部21,22と、基部23と、ベース4の電極パッド51,52に接合される接合部24とから構成されており、基部23の一端面231に2本の脚部21,22が突出して設けられ、基部23の他端面232に接合部24が突出して設けられた圧電振動素板20からなる。
【0049】
基部23は、図6に示すように、平面視左右対称形状とされている。また、基部23の側面233は、一端面231の側の部位が一端面231と同一幅で、他端面232の側の部位が他端面232の側にかけて漸次幅狭になるように形成されている。
【0050】
2本の脚部21,22は、図6に示すように、基部23の一端面231から、同一方向に突出して設けられている。これら2本の脚部21,22の先端部211,221は、脚部21,22の他の部位と比べて幅広(突出方向に対して直交する方向に幅広)に形成され、さらに、それぞれの先端隅部は曲面形成されている。また、2本の脚部21,22の両主面には、CI値を改善させるために、溝部25が形成されている。
【0051】
接合部24は、図6に示すように、基部23の他端面232の幅方向の中央部から突出して設けられている。この接合部24は、基部23の他端面232に対して平面視垂直方向に突出した短辺部241と、短辺部241の先端部と連なり短辺部241の先端部において平面視直角に折曲されて基部23の幅方向に延出する長辺部242とから構成され、接合部24の先端部243は基部23の幅方向に向いている。すなわち、接合部24は、平面視L字状に成形されている。また、接合部24には、ベース4の電極パッド51,52と導電性バンプ13を介して接合される接合箇所27が設けられている。
【0052】
上記した構成からなる水晶振動片2には、異電位で構成された第1及び第2の励振電極31,32と、これら第1及び第2の励振電極31,32をベース4の電極パッド51,52に電気的に接合させるために第1及び第2励振電極31,32から引き出された引出電極33,34とが形成されている。
【0053】
また、第1及び第2の励振電極31,32の一部は、脚部21,22の溝部25の内部に形成されている。このため、水晶振動片2を小型化しても脚部21,22の振動損失が抑制され、CI値を低く抑えることができる。
【0054】
第1の励振電極31は、一方の脚部21の両主面と、他方の脚部22の両側面及び先端部221の両主面とに形成されている。同様に、第2の励振電極32は、他方の脚部22の両主面と、一方の脚部21の両側面及び先端部211の両主面に形成されている。
【0055】
また、引出電極33,34は、基部23及び接合部24に形成されており、基部23に形成された引出電極33により、一方の脚部21の両主面に形成された第1の励振電極31が、他方の脚部22の両側面及び先端部221の両主面に形成された第1の励振電極31に繋げられ、基部23に形成された引出電極34により、他方の脚部22の両主面に形成された第2の励振電極32が、一方の脚部21の両側面及び先端部211の両主面に形成された第2の励振電極32に繋げられている。
【0056】
なお、基部23には、圧電振動素板20の両主面を貫通する2つの貫通孔26が形成されており、これら貫通孔26内には、導電性材料が充填されている。これらの貫通孔26を介して、引出電極33,34が基部23の両主面間に引回されている。
【0057】
上記構成からなる水晶振動子1では、図1に示すように、ベース4の一主面42に形成された台座部46に水晶振動片2の接合部24が導電性バンプ13を介してFCB法により電気機械的に超音波接合される。この接合により、水晶振動片2の励振電極31,32が、引出電極33,34と、導電性バンプ13とを介してベース4の電極パッド51,52に電気機械的に接合され、ベース4に水晶振動片2が搭載される。そして、水晶振動片2が搭載されたベース4に、蓋7がFCB法により仮接合され、その後、真空雰囲気下で加熱されることにより、接合材12と第1接合層48と第2接合層74とが溶融し、これにより、ベース4の第1接合層48に蓋7の第2接合層74が接合材12を介して接合されて、水晶振動片2を気密封止した水晶振動子1が製造される。なお、導電性バンプ13には、非流動性部材のメッキバンプが用いられている。
【0058】
次に、この水晶振動子1及びベース4の製造方法について図7〜図30を用いて説明する。
【0059】
本実施の形態では、ベース4を多数個形成するガラス材料からなる一枚板のウエハ8を用いる。まず、ウエハ8の両主面81,82を、フォトリソグラフィ技術を用いたウェットエッチング法によりエッチングして、図7に示すように、ウエハ8に、台座部46、キャビティ45、貫通孔49を形成したベース4を多数個成形する(ベース成形工程)。図7は、ウエハ8の両主面81,82をエッチングして成形されたベース4の1つを示しており、ベース4には、キャビティ45,台座部46,貫通孔49が形成されている。なお、各ベース4の台座部46、キャビティ45、貫通孔49等はドライエッチング法、サンドブラスト法等の機械的加工法を用いて形成してもよい。
【0060】
ベース成形工程後、ウエハ8(両主面81,82や貫通孔49の内側面491など)に、TiからなるTi層をスパッタリング法によりスパッタリング形成する。Ti層の形成後に、Ti層上に、CuからなるCu層をスパッタリング法によりスパッタリング形成して積層し、図8に示すように、第1メタル層92を形成する(メタル層形成工程)。ここで形成した第1メタル層92が、ベース4の電極パッド51,52及び配線パターン55を構成するTi膜及びCu膜からなる第1シード膜92となる。
【0061】
メタル層形成工程後、第1メタル層92上にレジストをディップコート法により塗布して、新たなポジレジスト層97を形成し(レジスト層形成工程)、その後、ウエハ8の一主面81側の貫通孔49の開口端部に形成したポジレジスト層97に対してフォトリソグラフィ法により露光及び現像を行い、図9に示すように、貫通孔49の内側面のパターン形成を行う(パターン形成工程)。
【0062】
パターン形成工程後、図10に示すように、貫通孔49の内側面491の露出した第1メタル層92(シード膜)に対してCu電解メッキを行うことにより、Cuからなる充填層98をメッキ形成する(充填工程)。
【0063】
充填工程後、図11に示すように、ポジレジスト層97を剥離除去する(レジスト剥離工程)。
【0064】
レジスト剥離工程後、第1メタル層92及び充填層98上にレジストをディップコート法により塗布して、新たなポジレジスト層97を形成し(第2レジスト層形成工程)、その後、電極パッド51,52、及び配線パターン55を形成する位置以外のポジレジスト層に対して露光および現像を行い、ベース4の電極パッド51,52及び配線パターン55、並びにベース4の外形のパターン形成を行う(図12に示す第2パターン形成工程)。
【0065】
第2パターン形成工程後、露出した第1メタル層92をメタルエッチングして除去する(図13に示すメタルエッチング工程)。
【0066】
メタルエッチング工程後、図14に示すように、ポジレジスト層97を剥離除去する(第2レジスト剥離工程)。なお、図14に示す第2レジスト剥離工程後における各ベース4の他主面43の平面図(ベース4の裏面図)を図15に示す。
【0067】
第2レジスト剥離工程後、図16に示すように、第1メタル層92、充填層98及び露出したウエハ8の両主面81,82上に感光性を有する樹脂材をディップコート法により塗布して、樹脂層96を形成する(樹脂層形成工程)。
【0068】
樹脂層形成工程後、貫通孔49の他端開口面493の側の開口端部を塞ぐ樹脂パターン61を形成する位置以外の樹脂層96に対してフォトリソグラフィ法により露光及び現像を行い、図17に示すように、樹脂パターン61を形成する(樹脂パターン形成工程)。なお、図17に示す樹脂パターン形成工程後における各ベース4の他主面43の平面図(ベース4の裏面図)を図18に示す。
【0069】
樹脂パターン形成工程後、露出した第1メタル層92、樹脂層96、及び露出したウエハ8の両主面81,82の上に、TiからなるTi層をスパッタリング法によりスパッタリング形成する。Ti層の形成後、Ti層上に、図19に示すように、Au層をスパッタリング法によりスパッタリング形成して積層し、第2メタル層93を形成する(第2メタル層形成工程)。ここで形成した第2メタル層93が、第1接合層48を構成するTi膜及びAu膜からなるスパッタ膜、並びに、電極パッド51,52、外部端子電極53,54、及び配線パターン55を構成するTi膜及びAu膜からなる第2シード膜92となる。
【0070】
第2メタル層形成工程後、第2メタル層93上にレジストをディップコート法により塗布して、新たなポジレジスト層97を形成し(第3レジスト層形成工程)、その後、ベース4の外部端子電極53,54を形成する位置上のポジレジスト層97に対してフォトリソグラフィ法により露光および現像を行い、図20に示すベース4の外部端子電極53,54のパターン形成を行う(第3パターン形成工程)。
【0071】
第3パターン形成工程後、露出した第2メタル層93上に、図21に示すように、Niからなる第1メッキ層94をメッキ形成する(第1メッキ形成工程)。ここで、形成した第1メッキ層94がベース4の外部端子電極53,54のNi膜の第1メッキ膜94となる。
【0072】
第1メッキ形成工程後、図22に示すように、ポジレジスト層97を剥離除去する(第3レジスト剥離工程)
第3レジスト剥離工程後、露出した第2メタル層93及び第1メッキ層94上にレジストをディップコート法により塗布して、図23に示すように、新たなポジレジスト層97を形成する(第4レジスト層形成工程)。その後、ベース4の第1接合層48、電極パッド51,52、外部端子電極53,54、及び配線パターン55を形成する位置上のポジレジスト層97に対してフォトリソグラフィ法により露光及び現像を行い、図24に示すように、ベース4の第1接合層、電極パッド51,52、外部端子電極53,54、及び配線パターン55のパターン形成を行う(第4パターン形成工程)。
【0073】
第4パターン形成工程後、露出した第2メタル層93及び第1メッキ層94上に、図25に示すように、Auからなる第2メッキ層95をメッキ形成する(第2メッキ形成工程)。ここで形成した第2メッキ層95が、ベース4の第1接合層48、電極パッド51,52、外部端子電極53,54、及び配線パターン55を構成するAu膜からなる第2メッキ膜95となる。
【0074】
第2メッキ形成工程後、図26に示すように、ポジレジスト層97を剥離する(第4レジスト剥離工程)。
【0075】
第4レジスト剥離工程後、露出した第2メタル層93及び第2メッキ層95上にレジストをディップコート法により塗布し、図27に示すように、新たなポジレジスト層97を形成する(第5レジスト層形成工程)。その後、ベース4の第1接合層48、電極パッド51,52、外部端子電極53,54及び配線パターン55を形成する位置上以外のポジレジスト層97に対してフォトリソグラフィ法により露光及び現像を行い、図28に示すように、ベース4の第1接合層48、電極パッド51,52、外部端子電極53,54及び配線パターン55、並びにベース4の外形のパターン形成を行う(第5パターン形成工程)。
【0076】
第5パターン形成工程後、図29に示すように、露出した第2メタル層93をメタルエッチングして除去する(第2メタルエッチング工程)。
【0077】
第2メタルエッチング工程後、ポジレジスト層97を剥離除去して、図30に示すように、ベース4をウエハ8に多数個形成する(第5レジスト剥離工程)。なお、図30に示す第5レジスト剥離工程後における各ベース4の他主面43の平面図(ベース4の裏面図)を図3に示す。
【0078】
第5レジスト剥離工程後、多数個のべース4を個別分割して多数個のベース4を個片化し(ベース個片化工程)、多数個の図30に示すベース4を製造する。
【0079】
そして、図30に示すベース4に、切り欠き部541の位置に基づいて図6に示す水晶振動片2を配し、導電性バンプ13を介してベース4に水晶振動片2をFCB法により電気機械的に超音波接合して、ベース4に水晶振動片2を搭載保持する。また、別工程で、図5に示す蓋7の第2接合層74上に接合材12を積層する。その後、水晶振動片2を搭載保持したベース4に蓋7を配し、ベース4の第1接合層48と蓋7の第2接合層74とを接合材12を介してFCB法により電気機械的に超音波接合して、図1に示す水晶振動子1を製造する。
【0080】
上記の製造工程のうち、ベース成形工程にて貫通孔49を形成する工程が、本発明でいう貫通孔形成工程に相当する。また、メタル層形成工程を経て貫通孔49の内側面491に、シード膜である第1メタル層92を形成する工程が、本発明でいうシード膜形成工程に相当する。また、充填工程で、貫通孔49の内側面491に露出した第1メタル層92(第1シード膜92)に対してCu電解メッキを行う工程が、本発明でいうメッキ工程に相当する。また、樹脂層形成工程及び樹脂パターン形成工程を経て、樹脂パターン61を形成して、この樹脂パターン61により貫通孔49の他端開口面493の側の開口端部493を塞ぐ工程が本発明でいう封孔工程に相当する。
【0081】
また、上記の製造工程は、本発明を具現化した実施形態の一つであり、これに限定されるものではなく、他の実施形態により水晶振動子1を製造してもよい。
【0082】
上記のように、本実施の形態にかかる水晶振動子1、および電子部品パッケージによれば、ベース4の他主面43に樹脂材(樹脂パターン61)を用いる場合であっても、内部空間11における気密性の低下を抑制することができる。
【0083】
具体的には、ベース4の他主面43の基材および配線パターン55上に樹脂パターン61が積層され、配線パターン55および樹脂パターン61上に外部端子電極53,54が積層されるので、ベース4の基材への樹脂パターン61の接着強度が弱い場合であっても、配線パターン55への樹脂パターン61の接着と、配線パターン55への外部端子電極53,54の接着とによって、ベース4の基材への樹脂パターン61の接着補完を行うことができる。
【0084】
また、外部端子電極53,54が積層された樹脂パターン61の積層部位の外周縁に沿った外方(図4に示す符号552参照)において配線パターン55上に外部端子電極53,54が積層されているので、樹脂パターン61上に外部端子電極53,54が積層された部位を囲むように、配線パターン55への外部端子電極53,54の積層を行うことができ、ベース4の基材への樹脂パターン61の接着に好ましい。
【0085】
また、ベース4の両主面42,43を貫通する貫通孔49の他端開口面493が、樹脂パターン61により塞がれるので、貫通孔49に充填された導電性材料(充填層98参照)が貫通孔49から剥がれ、脱落するのを防止することができる。また、ベース4の他主面43から貫通孔49に充填された充填層98への熱伝導が、貫通孔49の他端開口面493を塞ぐ樹脂パターン61により遮断されるので、例えば、水晶振動子1を基板に実装する際の熱による充填層98とベース4を構成する基材との密着性の低下を防止することができる。よって、内部空間11の気密性の低下を抑制することができる。
【0086】
なお、本実施の形態に係る水晶振動子1において、充填層98は、貫通孔49の内側面のシード膜(図1の符号92参照)にメッキ形成されたCuメッキ層により構成されているが、充填層98は、貫通孔49に導電性材料を充填して構成されるものであれば、これに限定されるものではない。つまり、充填層98は、貫通孔49に金属ペースト(導電性フィラーの添加されたペースト状樹脂材)を充填することにより構成されてもよい。
【0087】
また、本実施の形態に係る水晶振動子1において、充填層98は、図4に示すように、ベース4の一主面42の側の一端面981が、ベース4の一主面42と面一に形成されているが、これは好適な例であり、これに限定されるものではない。つまり、充填層98は、貫通孔49を塞ぐものであればよく、図31に示すように、充填層98の一端面981は、ベース4の一主面42よりも下方に位置していてもよい。あるいは、充填層98の一端面981は、図32に示すように、ベース4の一主面42よりも上方に位置していてもよい。つまり、図32に示す構成において、充填層98の突出部(ベース4の一主面42から突出した部分)の厚みTは、充填層98上に形成された配線パターン55を構成するメッキ膜(図4の第2メッキ膜95参照)が水晶振動片2に接触することのないように、2μm以下とされていることが好ましい。
【0088】
また、本実施の形態に係る水晶振動子1においては、貫通孔49の他端開口面493を塞ぐ樹脂パターン61が、他主面41の外周部を除くほぼ全面に形成されているが、これは好適な例であり、これに限定されるものではない。つまり、例えば、図33に示すように、貫通孔49の他端開口面493のみに樹脂パターンを形成しても、貫通孔49の内部に充填された導電性材料(充填層98の構成材料)の落下防止効果を得ることはできる。なお、図33に示す構成では、外部端子電極53,54は、ベース4の他主面43に形成された配線パターン55(図1の第1シード膜92参照)上に形成されたTi膜及びAu膜からなる第2シード膜93(図193参照)と、この第2シード膜93上に形成されたAu膜からなる第2メッキ膜95(図33参照)とで構成されている。
【0089】
また、本実施の形態に係る水晶振動子1において、電極パッド51,52及び配線パターン55は、ベース4の基板上に形成されたTi膜及びCu膜からなる第1シード膜92と、この第1シード膜92の上に形成されたTi膜及びAu膜からなる第2シード膜93と、この第2シード膜93の上にメッキ形成されたAu膜からなる第2メッキ膜95とで構成されているが、電極パッド51,52及び配線パターン55の電極構成は、これに限定されず、ベース4の基板上にTi膜及びCu膜からなるシード膜を介さず、直接、Ti膜及びAu膜からなるシード膜が形成され、このシード膜の上に、Au膜がメッキ形成された構成であってもよい。つまり、貫通孔49の内側面491の配線パターン55のシード膜が、Ti膜及びAu膜からなる構成であってもよい。このように、貫通孔49の内側面491のシード膜をTi膜とAu膜とで構成する場合には、貫通孔49の内側面491の配線パターン55のシード膜上にメッキ形成する充填層98をAuSnメッキ層とすると、内側面491の配線パターン55のシード膜と充填層98との接着強度を向上させることができる。
【0090】
また、本実施の形態に係る水晶振動子1のベース4において、第1接合層48は、上記した通り、ベース4の基材上にスパッタリング形成されたTi膜及びAu膜からなるスパッタ膜(図1の符号93参照)と、このスパッタ膜の上にメッキ形成されたAu膜からなるメッキ膜(図1の符号95参照)とから構成されているが、この構成に限定されるものではない。例えば、第1接合層48は、ベース4の基材上にスパッタリング形成されたTi膜及びAu膜からなるスパッタ膜と、このスパッタ膜の上にメッキ形成されたNiメッキ膜と、Niメッキ膜の上にメッキ形成されたAuメッキ膜とから構成されたものであってもよい。このように、スパッタ膜とAuメッキ膜との間にNiメッキ膜を介在させると、接合材12(ろう材)によるスパッタ膜(Au膜)の侵食を防止することができ、ベース4と蓋7との接合の強度を向上させることができる。
【0091】
また、本実施の形成に係る水晶振動子1のベース4において、外部端子電極53,54は、上記した通り、ベース4の他主面43の配線パターン55の第1シード膜92上及び樹脂パターン61上に形成されたTi膜及びAu膜からなる第2シード膜93と、この第2シード膜93の上にメッキ形成されたNiからなる第1メッキ膜94と、この第1メッキ膜94の上にメッキ形成されたAuからなる第2メッキ膜95とから構成されているが、この構成に限定されるものではなく、例えば、第2シード膜93の上に直接(Niからなる第1メッキ膜94を介さず)Auからなる第2メッキ膜95が形成されたものであってもよい。
【0092】
また、本実施の形態では、ベース4及び蓋7の材料としてガラスを用いているが、ベース4及び蓋7は、いずれも、ガラスを用いて構成されたものに限定されるものではなく、例えば、水晶を用いて構成されたものであってもよい。
【0093】
また、本実施の形態では、接合材12として、主にAuSnを用いているが、接合材12は、ベース4と蓋7とを接合させることができるものであれば特に限定されず、例えば、CuSn等のSn合金ろう材を用いて構成されたものであってもよい。
【0094】
また、上記した実施の形態に係る水晶振動子1では、水晶振動片として、図6に示す音叉型水晶振動片2を使用したが、図34に示すATカット水晶振動片2を使用してもよい。ATカット水晶振動片2を使用した水晶振動子1では、ATカット水晶振動片2に合わせてベース4に電極が形成されているが、本発明に係る構成については、本実施の形態と同一であり、本実施の形態と同様の効果を奏する。
【0095】
また、本実施の形態に係るベース4に、水晶振動片2に加えて、ICチップを搭載し、発振器を構成してもよい。ベース4にICチップを搭載する場合には、ICチップの電極構成に合わせた電極がベース4に形成される。
【0096】
また、本実施の形態に係るベース4の外部端子電極53,54の形状は、図3に示す形状に限定されるものではなく、図35に示す外部端子電極53,54の形状であってもよい。この図35に示す形態では、対向する外部端子電極53,54からベース4の長手方向に沿って、電極部位(伸長部532(542))が、それぞれ対向する相手側の外部端子電極53(54)に向けて延出される。また、伸長部532,542は、外部端子電極53,54がそれぞれ対面する2つの隅部から延出され、これら伸長部532,542により、外部端子電極53,54のベース4の基材への接着面積を広げる。さらに、伸長部532,542が、接着しにくい外部端子電極53,54と樹脂パターン61との接合部位近傍(領域552)にあり、外部端子電極53,54と樹脂パターン61の接着補完に好適である。なお、図35に示す伸長部532,542は、ベース4の長手方向に沿って延出して形成されているが、これに限定されるものではなく、外部端子電極53,54の上記2つの隅部からベース4の短手方向に沿って延出して形成されてもよく、またベース4の長手方向および短手方向に沿って外部端子電極53,54の上記2つの隅部から延出して形成されてもよい。
【0097】
また、本実施の形態では、樹脂パターン61は、平面視矩形状に成形されているが、これに限定されるものではなく、図36に示すように、樹脂パターン61の内方に切り欠いた凹部611が形成されてもよい。なお、図36では、凹部611を明らかにするために、外部端子電極53,54に覆われた部分もドット表示している。なお、図36に示す形態では、樹脂パターン61に、テーパー部612を有する凹部611が形成されているだけでなく、さらに、配線パターン55も樹脂パターン61の形状に対応させて、配線パターン55には、凹部611のテーパー部612と同一形状のテーパー部553が形成されている。このように、樹脂パターン61のテーパー部612と配線パターン55のテーパー部553とが同一形状であるので、配線パターン55と外部端子電極53,54との接続の信頼性を向上させることができる。なお、図36に示す配線パターン55のうち環状に成形された一部は、テーパー部553以外は本実施の形態と同様の構成からなる。
【0098】
また、本実施の形態では、ベース4の他主面43の側の配線パターン55の一部が樹脂パターン形成領域47の長辺471の両端部473,474と、短辺472とに沿って、環状に成形され、環状内には配線パターン55が形成されていないが、これに限定されるものではなく、図37に示すように、環状内に格子状(図37では十字形状)の格子配線パターン部554が形成されてもよい。この場合、配線パターン55における電気抵抗を向上させることができる。その結果、配線パターン55の一部や外部端子電極53,54の一部が断線した場合であっても、抵抗値が悪化するのを抑えることができる。
【0099】

また、本実施の形態では、図3に示すように、外部端子電極53,54の幅方向(ベース4の短手方向)の寸法が、樹脂パターン61の幅方向(ベース4の短手方向)の寸法よりも長く設定されているが、これに限定されるものではなく、図38に示すように、外部端子電極53,54の幅方向の寸法と樹脂パターン61の幅方向の寸法とが同一であってもよい。なお、図38に示す形態では、ベース4を三分割した中央部分431において、外部端子電極53,54がそれぞれ樹脂パターン61を覆う。この場合、外部端子電極53,54が、ベース4を三分割した中央部分431において露出する樹脂パターン61の対向部分の一部613のみを覆っている。そのため、2つの外部端子電極53,54により、ベース4の基材への樹脂パターン61の接着補完を行うことができる。なお、図38に示す外部端子電極54には、切り欠き部541(図3参照)を形成していないが、これは単なる設計事項の変更である。
【0100】
また、本実施の形態では、2端子の水晶振動子1を用いているが、これに限定されるものではなく、図39に示すように、4端子の水晶振動子1にも適用できる。
【0101】
図39に示す4端子の水晶振動子1では、ベース4に4つの外部端子電極56が形成されている。これら4つの外部端子電極56は、複数の電極膜の積層構造からなり、図39に示す実施の形態では、平面視面積が異なる2つの層(面積が小さい層561と面積が大きい層562)からなり、4つの外部端子電極56はそれぞれ段差を有する凸状に形成されている。また、貫通孔49の開口端が、多角形(図39に示す形態では八角形)に成形されている。
【0102】
図39に示す実施の形態によれば、4つの外部端子電極56が、面積が小さい層561と面積が大きい層562との2層構成から構成され、その結果、4つの外部端子電極56に凸状の段差部がそれぞれ形成される。そのため、水晶振動子1を外部部品や外部機器(具体的には、プリント配線基板)に鉛フリー半田等で導電接合する際にアンカー効果が生じ、接合の信頼性を向上させることができる。
【0103】
また、外部部品や外部機器と接続する接続部位は、ベース4の他主面43から配線パターン55、樹脂パターン61、および外部端子電極53,54の順に積層さあれた積層構成からなる。そのため、プリント配線基板と接続する接続部位は、全体としてベース4の他主面43と、外部端子電極53,54との間の距離を大きくすることができる。すなわち、プリント配線基板と接続する接続部位を厚くすることができる。このような構成とすることで、水晶振動子1とプリント配線基板との間で生じる応力を緩衝させることができる。特に、樹脂パターン61を配線パターン55と外部端子電極53,54との間に介在させる構成とすることにより、緩衝効果をより発揮させることができ、その結果、プリント配線基板と接続する接続部位における接合における信頼性を向上させることができる。
【0104】
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0105】
1 水晶振動子
11 内部空間
12 接合材
13 導電性バンプ
2 水晶振動片(電子部品素子)
20 圧電振動素板
21,22 脚部
211,221 先端部
23 基部
231 一端面
232 他端面
233 側面
24 接合部
241 短辺部
242 長辺部
243 先端部
25 溝部
26 貫通孔
27 接合箇所
31,32 励振電極
33,34 引出電極
4 ベース(第1封止部材としての電子部品パッケージ用封止部材)
41 底部
42 一主面
43 他主面
44 壁部
45 キャビティ
452 一端部
46 台座部
47 樹脂パターン形成領域
471 長辺
472 短辺
473,474 端部
48 第1接合層
49 貫通孔
491 内側面
492 一端開口面
493 他端開口面
51,52 電極パッド
53,54 外部端子電極
541 切り欠き部
532,542 伸長部
55 配線パターン
551 周縁部
552 領域
553 テーパー部
554 格子配線パターン部
61 樹脂パターン
611 凹部
612 テーパー部
613 一部
7 蓋(第2封止部材)
71 頂部
72 一主面
73 壁部
731 内側面
732 外側面
733 天面
74 第2接合層
8 ウエハ
81,82 主面
92 第1シード膜(第1メタル層)
93 第2シード膜(第2メタル層)
94 第1メッキ膜(第1メッキ層)
95 第2メッキ膜(第2メッキ層)
96 樹脂層
97 ポジレジスト層
98 充填層
981 一端面
982 他端面
99 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一主面に電子部品素子が搭載される第1封止部材と、前記第1封止部材と対向して配置されて前記電子部品素子の電極を気密封止する第2封止部材とを備える電子部品パッケージの前記第1封止部材として使用される電子部品パッケージ用封止部材において、
当該電子部品パッケージ用封止部材を構成する基材の他主面には、外部と電気的に接続する外部端子電極と、前記一主面に搭載される電子部品素子を前記外部端子電極に電気的に接続するための配線パターンと、樹脂材とが形成され、
前記他主面の前記基材および前記配線パターン上に前記樹脂材が積層され、前記配線パターンおよび前記樹脂材上に前記外部端子電極が積層されたことを特徴とする電子部品パッケージ用封止部材。
【請求項2】
請求項1に記載の電子部品パッケージ用封止部材であって、
前記外部端子電極が積層された前記樹脂材の積層部位の外周縁に沿った外方において、前記配線パターン上に前記外部端子電極が積層されたことを特徴とする電子部品パッケージ用封止部材。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電子部品パッケージ用封止部材であって、
前記基材の両主面間を貫通する貫通孔に、導電性材料が充填され、
前記貫通孔の他主面の側の開口面が、前記樹脂材により塞がれたことを特徴とする電子部品パッケージ用封止部材。
【請求項4】
一主面に電子部品素子が搭載される第1封止部材と、前記第1封止部材と対向して配置されて前記電子部品素子の電極を気密封止する第2封止部材とを備える電子部品パッケージであって、
前記第1封止部材が、請求項1乃至3のうちいずれか1つに記載の電子部品パッケージ用封止部材であることを特徴とする電子部品パッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2012−69582(P2012−69582A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211045(P2010−211045)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(000149734)株式会社大真空 (312)