説明

電子部品パッケージ用封止部材、電子部品パッケージ、及び電子部品

【課題】第1封止部材と第2封止部材とにより、電子部品素子の電極を気密封止する電子部品パッケージの第2封止部材として用いられ、電子部品素子を収納するためのキャビティを有する電子部品パッケージ用封止部材の強度を向上させる。
【解決手段】電子部品パッケージ用封止部材7は、天部71と、この天部71の一主面72の外周縁の全体に沿って設けられた壁部73とに囲まれたキャビティ75を備える。天部71の一主面72は、長辺721,722と短辺723,724とを有する。壁部73は、一主面72の長辺721に沿う第1長辺部81と、第1長辺部81に対向する第2長辺部82とを有している。ここで、第1長辺部81と第2長辺部82の少なくとも一方において、中心点C1,C2を含む中央部812,822は、両端部811,813の少なくとも一方に比べて、幅広に成形されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品素子が搭載される第1封止部材と、第2封止部材とにより、前記電子部品素子の電極を気密封止する電子部品パッケージの第2封止部材として使用される電子部品パッケージ用封止部材、この電子部品パッケージ用封止部材を用いてなる電子部品パッケージ、及び、この電子部品パッケージに電子部品素子の電極が気密封止された電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電振動デバイス等の電子部品のパッケージ(以下、電子部品パッケージという)の内部空間は、この内部空間に搭載した圧電振動片等の電子部品素子の電極の特性が劣化するのを防ぐために気密封止される。
【0003】
この種の電子部品パッケージとしては、ベースと蓋といった2つの封止部材から構成され、その筐体が直方体のパッケージに構成されたものがある。このようなパッケージの内部空間では、電子部品素子がベースに保持接合される。そして、ベースと蓋とが接合されることで、パッケージの内部空間の電子部品素子の電極が気密封止される。
【0004】
例えば、特許文献1には、図12に示すような、圧電振動片102が搭載された平板状のベース104に、蓋107が接合された圧電振動子100が開示されている。この圧電振動子100のパッケージにおいて、蓋107は、図12及び図13に示すように、天部108と、天部108の一主面112の外周縁に沿って下方へ延出する壁部109とから構成されており、天部108と壁部109に囲まれた平面視矩形状のキャビティ111(凹部)を備える。そして、この蓋107のキャビティ111が、ベース104に搭載された圧電振動片102を収納する収納空間とされている。
【0005】
このような圧電振動子100のパッケージの蓋107は、ガラス材料からなり、例えば、長方体の一枚板の基材に、ウェットエッチング等によりキャビティ111を成形して形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−194859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年、電子部品は、この電子部品が搭載される電子機器の小型化に伴って薄型化される傾向にあり、図12及び図13に示すような圧電振動子100のパッケージの蓋107も薄型化される傾向にある。
【0008】
しかしながら、図12及び図13に示すような圧電振動子100のパッケージの蓋107は、ガラス材料からなる一枚板に矩形状のキャビティを成形してなるものであるため、薄型化すると、天部108及び壁部109の厚みが薄くなり、外部からの衝撃に対して十分な強度を確保することができなかった。
【0009】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、電子部品素子を収納するためのキャビティを有し、薄型化された場合においても十分な強度を有する電子部品パッケージ用封止部材、この電子部品パッケージ用封止部材を用いてなる電子部品パッケージ、この電子部品パッケージに電子部品素子の電極が気密封止された電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る電子部品パッケージ用封止部材は、電子部品素子が搭載される第1封止部材と、第2封止部材とにより、前記電子部品素子の電極を気密封止する電子部品パッケージの前記第2封止部材として使用される電子部品パッケージ用封止部材であって 天部と、この天部の一主面の外周縁の全体に沿って設けられた壁部とに囲まれて形成されたキャビティを備え、前記天部の前記一主面は、長辺と、この長辺よりも短い長さの短辺を有し、前記壁部は、前記一主面から延出して設けられ、前記一主面の前記長辺に沿う第1長辺部と、前記第1長辺部に対向する第2長辺部とを有し、前記第1長辺部と前記第2長辺部の少なくとも一方において、中心点を含む中央部が、両端部の少なくとも一方に比べて、幅広に成形されていることを特徴とする。
【0011】
このような構成の電子部品パッケージ用封止部材では、壁部の第1長辺部及び第2長辺部の少なくとも一方において、中心点を含む中央部が、その両端部の少なくとも一方に比べて、幅広に成形され、外部からの衝撃による影響を受け易い長手方向の中央部の強度の向上が図られている。よって、本発明の電子部品パッケージ用封止部材によれば、薄型化された場合において備えられる強度を向上させることができ、薄型化された場合においても、十分な強度を有する電子部品パッケージ用封止部材を提供することができる。
【0012】
また、本発明に係る電子部品パッケージ用封止部材では、前記第1長辺部と前記第2長辺部の少なくとも一方において、前記中央部が、両端部に比べて、幅広に成形されていてもよい。
【0013】
また、本発明に係る電子部品パッケージ用封止部材では、前記第1長辺部と前記第2長辺部の少なくとも一方において、一端部から前記中央部にかかる部分が、他端部と比べて、幅広に成形されていてもよい。
【0014】
この場合、外部からの衝撃による影響を受け易い長手方向の中央部に加え、長手方向の両端部の強度が向上する。このため、薄型化された場合において備えられる強度を、さらに向上させることができる。
【0015】
また、本発明に係る電子部品パッケージ用封止部材において、前記キャビティの形状が、前記一主面の中心点に対して点対称の形状とされていてもよい。
【0016】
この場合、キャビティが、天部の一主面の中心点に対して点対称の形状に成形されているため、壁部の第1長辺部及び第2長辺部の両方において、中央部が、両端部の少なくとも一方に比べて、幅広となる。よって、外部からの衝撃による影響を受け易い長手方向の中央部の強度をさらに向上させることができ、薄型化された場合において備えられる強度を、さらに向上させることができる。また、キャビティの形状が、天部の一主面の中心点に対して点対称の形状とされているため、電子部品素子が搭載された第1封止部材に本発明に係る電子部品パッケージ用封止部材を接合する際に、電子部品素子の搭載方向を考慮する必要がなくなり、電子部品素子が搭載された第1封止部材に対する位置合わせが容易となる。
【0017】
本発明に係る電子部品パッケージは、電子部品素子が搭載される第1封止部材と、第2封止部材とにより、前記電子部品素子の電極を気密封止する電子部品パッケージであって、前記第2封止部材が、上記した本発明に係る電子部品パッケージ用封止部材であることを特徴とする。
【0018】
このような構成の電子部品パッケージにおいて、第2封止部材は、上記した本発明に係る電子部品パッケージ用封止部材であり、外部からの衝撃による影響を受け易い長手方向の中央部の強度が向上されたものである。このため、本発明に係る電子部品パッケージは、薄型化された場合においても、十分な強度を有する。
【0019】
本発明に係る電子部品は、上記した本発明に係る電子部品パッケージにより電子部品素子の電極が気密封止されていることを特徴とする。
【0020】
このような構成の電子部品において、電子部品素子を気密封止する第2封止部材は、上記した本発明に係る電子部品パッケージ用封止部材であり、外部からの衝撃による影響を受け易い長手方向の中央部の強度が向上されたものである。このため、本発明に係る電子部品は、薄型化された場合においても、十分な強度を有する。
【0021】
また、本発明に係る電子部品において、前記電子部品素子の基板が、振動部である2本の脚部と、基部と、前記第1封止部材の一主面に接合される接合部とから構成されており、2本の前記脚部は、前記基部の一端面から、前記基部の幅方向に対して直交する方向に突出して設けられており、前記接合部は、先端部を前記基部の幅方向の一方向に向けて、前記基部の他端面に突出して設けられており、前記電子部品素子の前記基板の外形において、前記脚部の側面の位置及び前記基部の側面の位置よりも前記一方向の外方に、前記接合部の前記先端部の先端があってもよい。
【0022】
また、本発明に係る電子部品において、前記電子部品素子の基板が、振動部である2本の脚部と、基部と、前記第1封止部材の一主面に接合される接合部とから構成されており、2本の前記脚部は、前記基部の一端面から、前記基部の幅方向に対して直交する方向に突出して設けられており、前記接合部は、先端部を前記基部の幅方向の一方向に向けて、前記基部の他端面に突出して設けられており、前記電子部品素子の前記基板の外形において、前記接合部の前記先端部の先端及び前記脚部の側面の位置よりも、前記一方向の外方に前記基部の側面があってもよい。
【0023】
また、本発明に係る電子部品において、前記電子部品素子の基板が、振動部である2本の脚部と、基部と、前記第1封止部材の一主面に接合される接合部とから構成されており、2本の前記脚部は、前記基部の一端面から、前記基部の幅方向に対して直交する方向に突出して設けられ、2本の前記脚部の先端部は、前記脚部の他の部位と比べて幅広に成形されており、前記接合部は、先端部を前記基部の幅方向の一方向に向けて、前記基部の他端面に突出して設けられており、前記電子部品素子の前記基板の外形において、前記接合部の前記先端部の先端及び前記基部の側面の位置よりも、前記一方向の外方に前記脚部の前記先端部の側面があってもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、電子部品素子を収納するためのキャビティを有し、薄型化された場合においても十分な強度を有する電子部品パッケージ用封止部材、この電子部品パッケージ用封止部材を用いてなる電子部品パッケージ、この電子部品パッケージに電子部品素子の電極が気密封止された電子部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、実施の形態1に係る水晶振動子の内部空間を公開した概略構成図であり、図2に示すベースのA−A線に沿って全体を切断した時の水晶振動子の概略断面図である。
【図2】図2は、実施の形態1に係るベースの概略平面図である。
【図3】図3は、実施の形態1に係るベースの概略裏面図である。
【図4】図4は、実施の形態1に係る蓋の概略裏面図である。
【図5】図5は、実施の形態1に係る水晶振動片の概略平面図である。
【図6】図6は、実施の形態1に係る蓋のキャビティ内における水晶振動片の収納状態を説明するための説明図であり、キャビティ内に水晶振動片が配置された蓋を天部側から視た概略平面図である。
【図7】図7は、実施の形態2に係る蓋の概略裏面図である。
【図8】図8は、実施の形態2に係る蓋のキャビティ内における水晶振動片の収納状態を説明するための説明図あり、キャビティ内に水晶振動片が配置された蓋を天部側から視た概略平面図である。
【図9】図9は、他の実施形態に係る蓋の概略裏面図である。
【図10】図10は、他の実施形態に係る水晶振動片の外形を示す概略平面図である。
【図11】図11は、他の実施形態に係る水晶振動片の外形を示す概略平面図である。
【図12】図12は、従来の圧電振動子の内部空間を公開した概略断面図である。
【図13】図13は、図12に示す圧電振動子の蓋の概略裏面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施の形態では、電子部品パッケージとして圧電振動デバイスである水晶振動子のパッケージに本発明を適用し、さらに電子部品素子として圧電振動片である音叉型水晶振動片に本発明を適用した場合を示す。
【0027】
<実施の形態1>
本実施の形態1に係る水晶振動子1(本発明でいう電子部品)には、図1に示すように、音叉型水晶片からなる水晶振動片2(本発明でいう電子部品素子)と、この水晶振動片2を保持し、水晶振動片2を気密封止するためのベース4(本発明でいう第1封止部材)と、ベース4と対向するように配置し、ベース4に保持した水晶振動片2の励振電極31,32(本発明でいう電子部品素子の電極)を気密封止するための蓋7(本発明でいう第2封止部材としての電子部品パッケージ用封止部材)とが設けられている。
【0028】
この水晶振動子1では、ベース4と蓋7とがAuとSnの合金からなるろう材を含む接合材12により接合され、この接合により、気密封止された内部空間11を備える本体筐体が構成される。この内部空間11では、ベース4に、水晶振動片2が、金バンプ等の導電性バンプ13を用いたFCB法(Flip Chip Bonding)により電気機械的に超音波接合されている。なお、本実施の形態1において、導電性バンプ13には、金バンプ等の非流動性部材のメッキバンプが用いられている。なお、ベース4と水晶振動片2とは、導電性樹脂接合材により接合されていてもよい。
【0029】
次に、この水晶振動子1の各構成について説明する。
【0030】
ベース4は、ホウケイ酸ガラス等のガラス材料からなり、図1〜図3に示すように、底部41と、ベース4の一主面42の外周に沿って底部41から上方に延出した壁部44とから構成された箱状体に成形されている。このようなベース4は、直方体の一枚板の基材をウェットエッチングして箱状体に成形される。
【0031】
ベース4の壁部44の内側面は、テーパー状に成形されている。また、壁部44の天面は蓋7との接合面であり、この接合面には、蓋7と接合するための第1接合層48が設けられている。第1接合層48は、複数の層の積層構造からなり、ベース4の壁部44の天面にスパッタリング法によりスパッタリング形成されたスパッタ膜481と、スパッタ膜の上にメッキ形成されたメッキ膜482とからなる。スパッタ膜481は、ベース4の壁部44の天面にスパッタリング法によりスパッタリング形成されたTi膜(図示省略)と、Ti膜の上にスパッタリング法によりスパッタリング形成されたAu膜(図示省略)とからなる。また、メッキ膜482は、スパッタ膜481の上にメッキ形成されたAu膜からなる。
【0032】
ベース4の一主面42には、底部41と壁部44とによって囲まれた平面視長方形のキャビティ45が成形されている。キャビティ45の底面451には、その長手方向の一端部452の全体に沿って台座部46がエッチング成形されている。この台座部46に、水晶振動片2が搭載される。なお、このキャビティ45の壁面は、壁部44の内側面であり、上記のようにテーパー状に成形されている。
【0033】
また、ベース4の他主面43(筺体裏面)には、図1及び図3に示すように、外周縁47の全体に沿って、他主面43から一主面42の側に傾斜するテーパー面471が形成されている。
【0034】
また、ベース4には、水晶振動片2の励振電極31,32それぞれと電気機械的に接合する一対の電極パッド51,52と、外部部品や外部機器と電気的に接続する外部端子電極53,54と、電極パッド51と外部端子電極53、及び電極パッド52と外部端子電極54を電気的に接続させる配線パターン55とが形成されている。これら電極パッド51,52と外部端子電極53,54と配線パターン55とによりべース4の電極が構成される。電極パッド51,52は、台座部46の表面に形成されている。
【0035】
電極パッド51,52は、ベース4の基板上にスパッタリング形成された第1スパッタ膜61と、この第1スパッタ膜61の上に形成された第2スパッタ膜62と、この第2スパッタ膜の上に形成されたAuメッキ膜63とにより構成されている。なお、電極パッド51,52を構成する第1スパッタ膜61は、ベース4の一主面42にスパッタリング法によりスパッタリング形成されたTi膜(図示省略)と、Ti膜の上にスパッタリング法によりスパッタリング形成されたCu膜(図示省略)とからなり、第2スパッタ膜62は、第1スパッタ膜61の上にスパッタリング法によりスパッタリング形成されたTi膜(図示省略)と、Ti膜の上にスパッタリング法によりスパッタリング形成されたAu膜(図示省略)とからなる。また、Auメッキ膜63は、第2スパッタ膜62の上にメッキ形成されたAu膜からなる。
【0036】
配線パターン55は、電極パッド51,52と外部端子電極53,54とを電気的に接続させるように、ベース4の一主面42から貫通孔49(下記参照)の内側面491を介してベース4の他主面43に形成されている。また、配線パターン55は、ベース4の基板上に形成された第1スパッタ膜61で構成されており、ベース4の一主面42に位置する部分の第1スパッタ膜61上には、第2スパッタ膜62と、Auメッキ膜63とが形成されている。配線パターン55の第1スパッタ膜61、第2スパッタ膜62、及びAuメッキ膜63は、それぞれ、上記した電極パッド51,52の第1スパッタ膜61、第2スパッタ膜62、及びAuメッキ膜63と同様の構成とされている。
【0037】
外部端子電極53,54は、図3に示すように、他主面471のテーパー面471に設けられている。具体的には、他主面43の長手方向の両端部に設けられ、長手方向に沿って離間して並設されている。
【0038】
また、外部端子電極53,54は、ベース4の他主面43に形成された配線パターン55を構成する第1スパッタ膜61上に形成された第2スパッタ膜62と、この第2スパッタ膜62上に形成されたNiメッキ膜64と、このNiメッキ膜64上に形成されたAuメッキ膜65とにより構成されている。なお、外部端子電極53,54の第2スパッタ膜62は、上記した電極パッド51,52及び配線パターン55の第2スパッタ膜62と同様の構成とされている。また、外部端子電極53,54において、Niメッキ膜64は、第2スパッタ膜62にメッキ形成されたNi膜からなり、Auメッキ膜65は、Niメッキ膜64にメッキ形成されたAu膜からなる。
【0039】
また、ベース4には、図1〜図3に示すように、水晶振動片2の励振電極31,32を電極パッド51,52を介して配線パターン55により、キャビティ45内からキャビティ45外に導出させるための貫通孔49が形成されている。
【0040】
貫通孔49は、ベース4をフォトリソグラフィ法によりウェットエッチングして成形する際、キャビティ45の成形と同時にウェットエッチング形成され、図1〜図3に示すように、ベース4に2つの貫通孔49が両主面42,43間を貫通して形成されている。この貫通孔49の内側面491は、ベース4の一主面42及び他主面43に対して傾斜を有し、テーパー状に成形されている。貫通孔49の径は、図1に示すように、ベース4の他主面43の側の端部で最大となり、ベース4の一主面42の側の端部で最小となる。このように、本実施の形態1では、貫通孔49の内側面491は、ベース4の一主面42及び他主面43に対して傾斜しており、ベース4の一主面42と貫通孔49の内側面491とがなす角度θは、約45度とされているが、これに限定されない。例えば、ベース4の一主面42と貫通孔49の内側面491とがなす角度θは、45度より大きく、具体例としては、70〜90度であってもよい。ベース4の一主面42と貫通孔49の内側面491とがなす角度θを90度に近づけると、ベース4において、貫通孔49の占める面積が小さくなり、配線パターン55の形成箇所の自由度を高めることができる。なお、貫通孔49の形成法としては、ウェットエッチング法以外の形成法、例えば、ドライエッチング法、サンドブラスト法等のショットブラスト法、又は、ドリルを用いた穴あけ加工法等を採用することも可能である。
【0041】
このような貫通孔49の内側面491には、配線パターン55の一部であるTi及びCuからなる第1スパッタ膜61が形成されている。さらに、貫通孔49の内部には、Cuから構成される充填材が第1スパッタ膜61上に充填されて充填層66が形成されており、この充填層66により、貫通孔49が塞がれている。この充填層66は、第1スパッタ膜61の表面に電解メッキ形成されたCuメッキ層により構成されている。
【0042】
また、ベース4の他主面43には、樹脂材で構成された樹脂パターン67が形成されている。本実施の形態1では、ベース4の他主面43において、外部端子電極53,54の形成領域を除く全領域に樹脂パターン67が形成されている。この樹脂パターン67により、内部に充填層66が形成された貫通孔49の他主面43の側の端部が塞がれ、貫通孔49の封孔強度が確保されている。なお、樹脂パターン67のベース4の基材(ガラス材)への接合強度は、上記した通り、他主面43の外部端子電極53,54の形成領域を除く全領域に樹脂パターン67を形成して、ベース4を構成する基材と樹脂パターン67との接触面積を十分に確保することにより、十分に確保されている。また、本実施の形態1に係るベース4では、その製造方法として、ウエハに多数個のベース4を形成し、ウエハ上に形成したベース4をダイシングにより個片化する方法を採用した際に、ウエハの切断部となるベース4の外周縁47の周囲は樹脂パターン67により被覆されているので、ダイシングによるウエハ(ガラス材)のチッピングの発生が抑制される。
【0043】
樹脂パターン67を構成する樹脂材には、ポリベンズオキサゾール(PBO)が使用されている。なお、樹脂パターン67を構成する樹脂材は、PBOに限定されず、ベース4を構成する材料(例えば、ガラス材料)との密着性が良好な樹脂材をいずれも使用することができる。よって、樹脂パターン67を構成する樹脂材としては、PBOの他に、例えば、ベンゾシクロブテン(BCB)、エポキシ、ポリイミド等を使用してもよい。また、本実施の形態1で使用した樹脂パターン67を構成する樹脂材、即ち、PBOは、感光性を有する樹脂材であり、フォトリソグラフィ法によるパターン形成が可能な樹脂材である。ここで、感光性を有する樹脂材とは、感光性を有する樹脂からなる樹脂材の他、感光剤と樹脂とを含む感光性樹脂組成物を含む広い概念とする。
【0044】
蓋7は、ホウケイ酸ガラス等のガラス材料からなり、図1及び図4に示すように、天部71と、天部71の一主面72の外周縁の全体に沿って設けられ、天部71の一主面72から下方に延出した壁部73とから構成されている。このような蓋7は、直方体の一枚板の基材をウェットエッチングして成形される。
【0045】
天部71の一主面72は、長手方向の二つの辺(長辺)721,722と、短手方向の二つの辺(短辺)723,724とからなる長方形状とされている。
【0046】
蓋7の壁部73の両側面(内側面731及び外側面732)は、テーパー状に成形されており、蓋7は、天部71の一主面72及び壁部73の内側面731に囲まれたキャビティ75を備える。
【0047】
また、壁部73は、図4に示すように、天部71の一主面72の長手方向の一辺721に沿う第1長辺部81と、一主面72の長手方向の他辺722に沿う第2長辺部82(第1長辺部81に対向する第2長辺部82)と、一主面72の短手方向の一辺723に沿う第1短辺部83と、一主面72の短手方向の他辺724に沿う第2短辺部84とから構成されている。
【0048】
また、第1長辺部81の中心点C1(第1長辺部81の平面視中心に位置する中心点C1)を含む中央部812(図4中、W3で示す幅を有する部分)は、第1長辺部81の両端部811,813(図4中、W1で示す幅を有する部分及びW2で示す幅を有する部分)と比べて、幅広に成形されている。具体的には、壁部73において、第1長辺部81の中央部812の幅(一主面72の短手方向に沿う幅)W3は、第1長辺部81の両端部811,813の幅(一主面72の短手方向に沿う幅)W1,W2よりも広く設定されている。同様に、第2長辺部82の中心点C2(第2長辺部82の平面視中心に位置する中心点C2)を含む中央部822(図4中、W6で示す幅を有する部分)は、第2長辺部82の両端部821,823(図4中、W4で示す幅を有する部分及びW5で示す幅を有する部分)と比べて、幅広に成形されている。具体的には、壁部73において、第2長辺部82の中央部822の幅(一主面72の短手方向に沿う幅)W6は、第2長辺部822の両端部821,823の幅(一主面72の短手方向に沿う幅)W4,W5よりも広く設定されている。
【0049】
また、第1長辺部81は、第2長辺部82と、天部71の一主面72の中心(一主面72の平面視中心に位置する中心点)を中心点C3とする点対称に成形されており、第1短辺部83は、第2短辺部84と、天部71の一主面72の中心を中心点C3とする点対称に成形されている。
【0050】
また、上記したように、壁部73の両側面(内側面731及び外側面732)はテーパー状に成形されている。具体的には、幅広に成形された第1長辺部81及び第2長辺部82の中央部812,822、第1長辺部81及び第2長辺部82の両端部811,813,821,823、並びに第1短辺部83及び第2短辺部84の各部位において、両側面(内側面731及び外側面732)がテーパー状に成形されている。
【0051】
このような壁部73の構成により、天部71の一主面72と壁部73の内側面731に囲まれたキャビティ75は、天部71の一主面72の中心点C3に対して点対称の形状を呈し、キャビティ75の長手方向の両端部の空間S1,S3(第1長辺部81の一端部811、第2長辺部82の一端部821、及び第1短辺部83の内側面731と、天部71の一主面72とに囲まれた空間S1、並びに、第1長辺部81の他端部813、第2長辺部82の他端部823、及び第2短辺部84の内側面731と、天部71の一主面72とに囲まれた空間S3)が、キャビティ75の長手方向の中央部の空間S2(第1長辺部81の中央部812、及び第2長辺部82の中央部822の内側面731と、天部71の一主面72とに囲まれた空間S2)よりも幅広(一主面72の短手方向に幅広)となる。
【0052】
また、壁部73には、ベース4と接合するための第2接合層74が形成されている。
【0053】
蓋7の第2接合層74は、図1及び図4に示すように、蓋7の壁部73の天面733から外側面732にかけて形成されている。この第2接合層74は、TiからなるTi膜(図示省略)が形成され、Ti膜の上にAuからなるAu膜(図示省略)が形成された複数の積層構造からなり、これらTi膜及びAu膜は、スパッタリング法によりスパッタリング形成されている。
【0054】
上記したベース4と蓋7とを接合させるための接合材12は、ベース4と蓋7との接合前において、蓋7の第2接合層74に積層される。この接合材12は、蓋7の第2接合層74の上にAuとSnとの合金からなるAu/Sn膜(図示省略)がメッキ形成され、このAu/Sn膜の上にAu膜(図示省略)がメッキ形成された複数の積層構造からなる。なお、Au膜は、Auストライクメッキ膜がメッキ形成され、Auストライクメッキ膜の上にAuメッキ膜がメッキ形成された複数の層の積層構造からなる。このような接合材12では、Au/Sn膜が、加熱により溶融して、AuSn合金膜となる。なお、接合材12は、蓋7の第2接合層74の上にAuSn合金膜をメッキ形成することにより構成されたものであってもよい。なお、本実施の形態1において、接合材12は、ベース4と蓋7との接合前において、蓋7の第2接合層74に積層されるが、ベース4の第1接合層48に積層されてもよい。
【0055】
水晶振動片2は、異方性材料の水晶片である水晶素板(図示省略)から、ウェットエッチング形成された水晶Z板である。
【0056】
この水晶振動片2は、図5に示すように、振動部である2本の脚部21,22と、基部23と、ベース4の電極パッド51,52に接合される接合部24とから構成されており、基部23の一端面231に2本の脚部21,22が突出して設けられ、基部23の他端面232に接合部24が突出して設けられた圧電振動素板(基板)20からなる。
【0057】
基部23は、図5に示すように、平面視左右対称形状とされている。また、基部23の側面233は、一端面231の側の部位が一端面231と同一幅で、他端面232の側の部位が他端面232の側にかけて漸次幅狭になるように形成されている。
【0058】
2本の脚部21,22は、図5に示すように、基部23の一端面231から、同一方向(基部23の幅方向と直交する方向)に突出して設けられている。これら2本の脚部21,22の先端部211,221は、脚部21,22の他の部位と比べて幅広(突出方向に対して直交する方向に幅広)に形成され、さらに、それぞれの先端隅部は曲面形成されている。また、2本の脚部21,22の両主面には、CI値(直列抵抗値)を改善させるために、溝部25が形成されている。
【0059】
接合部24は、図5に示すように、基部23の他端面232の幅方向の中央部から突出して設けられている。この接合部24は、基部23の他端面232に対して平面視垂直方向に突出した短辺部241と、短辺部241の先端部に連なり短辺部241の先端部において平面視直角に折曲されて基部23の幅方向の一方向Xに延出する長辺部242とから構成され、接合部24の先端部243は基部23の幅方向の一方向Xに向いている。すなわち、接合部24は、平面視L字状に成形されている。また、圧電振動素板20の外形において、接合部24の先端部243の先端は、基部23の側面233及び脚部21,22の側面212,222の位置よりも、基部23の幅方向の一方向Xの外方に位置する。また、接合部24には、ベース4の電極パッド51,52と導電性バンプ13を介して接合される接合箇所27が設けられている。
【0060】
上記した構成からなる水晶振動片2には、異電位で構成された第1及び第2の励振電極31,32と、これら第1及び第2の励振電極31,32をベース4の電極パッド51,52に電気的に接合させるために第1及び第2励振電極31,32から引き出された引出電極33,34とが形成されている。
【0061】
また、第1及び第2の励振電極31,32の一部は、脚部21,22の溝部25の内部に形成されている。このため、水晶振動片2を小型化しても脚部21,22の振動損失が抑制され、CI値を低く抑えることができる。
【0062】
第1の励振電極31は、一方の脚部21の両主面と、他方の脚部22の両側面及び先端部221の両主面とに形成されている。同様に、第2の励振電極32は、他方の脚部22の両主面と、一方の脚部21の両側面及び先端部211の両主面に形成されている。
【0063】
また、引出電極33,34は、基部23及び接合部24に形成されており、基部23に形成された引出電極33により、一方の脚部21の両主面に形成された第1の励振電極31が、他方の脚部22の両側面及び先端部221の両主面に形成された第1の励振電極31に繋げられ、基部23に形成された引出電極34により、他方の脚部22の両主面に形成された第2の励振電極32が、一方の脚部21の両側面及び先端部211の両主面に形成された第2の励振電極32に繋げられている。
【0064】
なお、基部23には、圧電振動素板20の両主面を貫通する2つの貫通孔26が形成されており、これら貫通孔26内には、導電性材料が充填されている。これらの貫通孔26を介して、引出電極33,34が基部23の両主面間に引回されている。
【0065】
上記した構成からなる水晶振動子1では、図1に示すように、ベース4の一主面42に形成された台座部46に水晶振動片2の接合部24が導電性バンプ13を介してFCB法により電気機械的に超音波接合される。この接合により、水晶振動片2の励振電極31,32が、引出電極33,34と、導電性バンプ13とを介してベース4の電極パッド51,52に電気機械的に接合され、ベース4に水晶振動片2が搭載される。そして、水晶振動片2が搭載されたベース4に、蓋7がFCB法により仮接合され、その後、真空雰囲気下で加熱されることにより、接合材12と第1接合層48と第2接合層74とが溶融し、これにより、ベース4の第1接合層48に蓋7の第2接合層74が接合材12を介して接合されて、水晶振動片2を気密封止した水晶振動子1が製造される。なお、導電性バンプ13には、非流動性部材のメッキバンプが用いられている。メッキバンプは、メッキ形成された金属膜、具体的には、下地金属層(シード層)上に電解メッキ等によりメッキ形成された金属膜である。この金属膜の膜厚は、メッキ条件を変更することにより調整可能であり、下地金属層上に金属膜を厚膜に形成することも可能である。また、金属膜上面の形状は、下地金属層の形状に応じて変化するので、下地金属層の形状を適宜調整することによって、金属膜上面の形状を、平坦形状としたり、凸形状としたりすることができる。
【0066】
このような水晶振動子1では、図4に示すように、蓋7の壁部73において、第1長辺部81の中心点C1を含む中央部812は、第1長辺部81の両端部811,813と比べて、幅広に成形され、第2長辺部82の中心点C2を含む中央部822は、第1長辺部82の両端部821,823と比べて、幅広に成形されている。このため、蓋7において、外部からの衝撃による影響を受け易い長手方向の中央部の強度が向上する。よって、上記した水晶振動子1は、蓋7の薄型化により、薄型化された場合においても、十分な強度を有する。
【0067】
また、蓋7のキャビティ75において、長手方向の両端部の空間S1,S3は、中心点C3を含む中央部の空間S2と比べて、短手方向に幅広の空間となっており、例えば、図6(蓋7及び水晶振動片2について、外形のみを示す。)に示すように、これら両端部の一方の空間S3が、水晶振動片2の2本の脚部21,22の先端部211,221を収納する収納空間とされ、他方の空間S1が、水晶振動片2の基部23及び接合部24を収納する収納空間とされる。このような蓋7のキャビティ75は、天部71の一主面72の中心点C3に対して点対称の形状を呈しており、水晶振動片2が搭載されたベース4の一主面42(図1参照)に蓋7を接合する際に、蓋7が180°反転しても、蓋7のキャビティ75内にベース4に搭載された水晶振動片2を収納することが可能である。具体的には、図6に示すように、キャビティ75の両端部の一方の空間S3を、水晶振動片2の2本の脚部21,22の先端部211,221を収納する収納空間とし、他方の空間S1を、水晶振動片2の基部23及び接合部24を収納する収納空間とすることが可能であるとともに、図6に示す蓋7を180°回転させて、キャビティ75の両端部の一方の空間S3を、水晶振動片2の基部23及び接合部24を収納する収納空間とし、他方の空間S1を、水晶振動片2の2本の脚部21,22の先端部211,221を収納する収納空間とすることも可能である。このため、水晶振動片2が搭載されたベース4の一主面42に蓋7を接合する際に、ベース4における水晶振動片2の搭載方向を考慮する必要がなく、水晶振動片2が搭載されたベース4に対する蓋7の位置合わせが容易である。
【0068】
また、水晶振動片2が搭載されたベース4の一主面42に蓋7を接合材12により接合させる際、蓋7の壁部73に形成された第2接合層74に積層された接合材12の加熱による溶融物は、壁部73の第1長辺部81及び第2長辺部82の両端部811,813,821,823から、第1長辺部81及び第2長辺部82の中央部812,822の方へ流れ易く、壁部73の第1長辺部81及び第2長辺部82の中央部812,822に接合材12の溶融物が溜まり易いが、本実施の形態1では、蓋7の壁部73の第1長辺部81及び第2長辺部82の中央部812,822が幅広に成形されているため、壁部73の第1長辺部81及び第2長辺部82の中央部812,822に接合材12の溶融物が溜まったとしても、その溶融物が、水晶振動子1のパッケージの内部空間11に入り込むことはなく、安定した振動特性が得られる。
【0069】
<実施の形態2>
本実施の形態2に係る水晶振動子1は、図7及び図8に示すように、蓋7の壁部76の形状及び水晶振動片2の脚部28,29の外形形状が、上記した実施の形態1と異なる。それ以外の構成は、実施の形態1に係る水晶振動子1と同一であり、同一構成による効果及び変形例は、実施の形態1の効果及び変形例と同様である。このため、実施の形態2に係る水晶振動子1については、主に、実施の形態1に係る水晶振動子1と異なる点を以下に示す。
【0070】
実施の形態2に係る水晶振動子1において、蓋7は、ホウケイ酸ガラス等のガラス材料からなり、図7に示すように、天部71と、天部71の一主面72の外周縁全体に沿って設けられ、天部71の一主面72から下方に延出した壁部76とから構成されている。このような蓋7は、直方体の一枚板の基材をウェットエッチングして成形される。
【0071】
蓋7の壁部76の両側面(内側面761及び外側面762)は、テーパー状に成形されており、蓋7は、天部71の一主面72及び壁部76の内側面761に囲まれたキャビティ77を備える。
【0072】
蓋7の壁部76は、図7に示すように、天部71の一主面72の長手方向の一辺721に沿う第1長辺部85と、一主面72の長手方向の他辺722に沿う第2長辺部86と、一主面72の短手方向の一辺723に沿う第1短辺部87と、一主面72の短手方向の他辺724に沿う第2短辺部88とから構成されている。ここで、第1長辺部85の長手方向の一端部851と第2長辺部86の長手方向の一端部861とが対応(第1短辺部87を介して対向)し、第1長辺部85の長手方向の他端部853と第2長辺部86の長手方向の他端部863とが対応(第2短辺部88を介して対向)する。また、第1長辺部85においては、第1長辺部85の中心点C1(第1長辺部85の平面視中心に位置する中心点C1)を含む部分を中央部852といい、第2長辺部86においては、第2長辺部86の中心点C2(第2長辺部86の平面視中心に位置する中心点C2)を含む部分を中央部862という。
【0073】
第1長辺部85の他端部853から中央部852にかかる部分(図7中、W8で示す幅を有する部分)は、第1長辺部85の一端部851(図7中、W7で示す幅を有する部分)と比べて、幅広に成形されている。具体的には、壁部76において、第1長辺部85の他端部853から中央部862にかかる部分の幅(一主面72の短手方向に沿う幅)W8は、第1長辺部85の一端部851の幅(一主面72の短手方向に沿う幅)W7よりも広く設定されている。また、第2長辺部86の一端部861から中央部862にかかる部分(図7中、W10で示す幅を有する部分)は、他端部863(図7中、W9で示す幅を有する部分)と比べて、幅広に成形されている。具体的には、壁部76において、第2長辺部86の一端部861から中央部862にかかる部分の幅(一主面72の短手方向に沿う幅)W10は、第2長辺部86の他端部863の幅(一主面72の短手方向に沿う幅)W9よりも広く設定されている。
【0074】
また、第1長辺部85は、第2長辺部86と、天部71の一主面72の中心(一主面72の平面視中心に位置する中心点)を中心点C3とする点対称に成形されている。また、第1短辺部87は、第2短辺部88と、天部71の一主面72の中心を中心点C3とする点対称に成形されている。
【0075】
また、上記したように、壁部76の両側面(内側面761及び外側面762)はテーパー状に成形されている。具体的には、幅広に成形された第1長辺部85の他端部853から中央部852にかかる部分、第1長辺部85の一端部851、第2長辺部86の一端部861から中央部862にかかる部分、第2長辺部86の他端部863、並びに、第1短辺部87及び第2短辺部88の各部位において、両側面(内側面761及び外側面762)がテーパー状に成形されている。
【0076】
このような壁部76の構成により、天部71の一主面72と壁部76の内側面761に囲まれたキャビティ77は、図7に示すように、天部71の一主面72の中心点C3に対して点対称の形状を呈し、キャビティ77の長手方向の両端部の空間S4,S6(第1長辺部85の一端部851、第2長辺部86の一端部861、及び第1短辺部87の内側面761と、天部71の一主面72とに囲まれた空間S4、並びに、第1長辺部85の他端部853、第2長辺部86の他端部863、及び第2短辺部88の内側面761と、天部71の一主面72とに囲まれた空間S6)が、キャビティ77の長手方向の中央部の空間S5(第1長辺部85の中央部852、及び第2長辺部86の中央部862の内側面761と、天部71の一主面72とに囲まれた空間S5)よりも幅広(一主面72の短手方向に幅広)となる。
【0077】
また、壁部76には、ベース4と接合するための第2接合層74が形成されている。
【0078】
蓋7の第2接合層74は、図7に示すように、蓋7の壁部76の天面763から外側面762にかけて形成されている。この第2接合層74は、TiからなるTi膜(図示省略)が形成され、Ti膜の上にAuからなるAu膜(図示省略)が形成された複数の積層構造からなり、これらTi膜及びAu膜は、スパッタリング法によりスパッタリング形成されている。
【0079】
また、実施の形態2に係る水晶振動子1の水晶振動片2は、図8(蓋7及び水晶振動片2について、外形のみを示す。)に示されるように、振動部である2本の脚部(振動部)28,29の先端部281,291が、脚部28,29の他の部位と同一の幅で形成されている点で、実施の形態1に係る水晶振動片2(図5参照)と異なり、その他の構成については、実施の形態1に係る水晶振動片2と同様である。この実施の形態2に係る水晶振動片2の圧電振動素板20の外形において、接合部24の先端部243の先端は、基部23の側面233及び脚部28,29の両側面282,292の位置よりも、基部23の幅方向の一方向Xの外方に位置する。
【0080】
このような水晶振動子1では、図7に示すように、蓋7の壁部76の第1長辺部85及び第2長辺部86の中央部852,862に加え、第1長辺部85の他端部853及び第2長辺部の一端部861が、第1長辺部85の一端部851及び第2長辺部86の他端部863と比べて、幅広に成形されている。このため、蓋7において、外部からの衝撃による影響を受け易い長手方向の中央部に加え、長辺方向の両端部の強度が向上する。よって、上記した水晶振動子1は、蓋7の薄型化により、薄型化された場合においても、十分な強度を有する。
【0081】
また、蓋7のキャビティ77において、長手方向の両端部の空間S4,S6は、長手方向の中央部の空間S5と比べて、短手方向に幅広の空間となっている。具体的には、図7に示すように、長手方向の一端部の空間S4は、第1長辺部85側の側端部S41が、長手方向の中央部の空間S5よりも、キャビティ77の外方向に向かって突出する。また、長手方向の他端部の空間S6は、第2長辺部86側の側端部S61が、長手方向の中央部の空間S5よりも、キャビティ77の外方向に向かって突出する。このため、水晶振動片2を、例えば、図8に示すように、接合部24の先端部243(基部23の側面233及び脚部28,29の両側面の位置よりも、基部23の幅方向の一方向Xの外方に、先端がある先端部243)を第1長辺部85側に向けて、キャビティ77内に収納することができる。つまり、キャビティ77において、長手方向の一端部にある空間S4の第1長辺部85側の側端部S41(キャビティ77の外方向に向かって突出する側端部S41)を、接合部24の先端部243を収納する収納空間とすることができる。このような蓋7のキャビティ77は、天部71の一主面72の中心点C3に対して点対称の形状を呈しており、水晶振動片2が搭載されたベース4の一主面42(図1参照)に蓋7を接合する際に、蓋7が180°反転しても、蓋7のキャビティ75内にベース4に搭載された水晶振動片2を収納することが可能である。具体的には、キャビティ77においては、図8に示すように、長手方向の一端部にある空間S4の第1長辺部85側の側端部S41(キャビティ77の外方向に向かって突出する側端部S41)を、水晶振動片2の接合部24の先端部243を収納する収納空間とすることができるとともに、長手方向の他端部にある空間S6の第2長辺部86側の側端部S61(キャビティ77の外方向に向かって突出する側端部S61)を、水晶振動片2の接合部24の先端部243を収納する収納空間とすることもできる。このため、水晶振動片2が搭載されたベース4の一主面42に蓋7を接合する際に、ベース4における水晶振動片2の搭載方向を考慮する必要がなく、水晶振動片2が搭載されたベース4に対する蓋7の位置合わせが容易である。
【0082】
また、水晶振動片2が搭載されたベース4の一主面42に蓋7を接合材12により接合させる際、蓋7の壁部76に形成された第2接合層74に積層された接合材12の加熱による溶融物は、壁部76の第1長辺部85及び第2長辺部86の両端部851,853,861,863から、第1長辺部85及び第2長辺部86の中央部852,862の方へ流れ易く、壁部76の第1長辺部85及び第2長辺部86の中央部852,862に接合材12の溶融物が溜まり易いが、本実施の形態2では、蓋7の壁部76の第1長辺部85及び第2長辺部86の中央部852,862が幅広に成形されているため、壁部76の第1長辺部85及び第2長辺部86の中央部852,862に接合材12の溶融物が溜まったとしても、その溶融物が、水晶振動子1のパッケージの内部空間11に入り込むことはなく、安定した振動特性が得られる。
【0083】
なお、実施の形態1及び2に係る水晶振動子1のベース4(図1〜図3参照)において、ベース4には、キャビティ45が成形されていなくてもよい。即ち、ベース4は、平板状であってもよく、このような平板状のベース4を用いた水晶振動子1においても、本発明の効果が得られる。
【0084】
また、実施の形態1及び2に係る水晶振動子1のベース4(図1〜図3参照)において、第1接合層48は、ベース4の基材上にスパッタリング形成されたTi膜及びAu膜からなるスパッタ膜481と、このスパッタ膜481の上にメッキ形成されたAu膜からなるメッキ膜482とから構成されているが、この構成に限定されるものではない。例えば、第1接合層48は、ベース4の基材上にスパッタリング形成されたTi膜及びAu膜からなるスパッタ膜と、このスパッタ膜の上にメッキ形成されたNiメッキ膜と、Niメッキ膜の上にメッキ形成されたAuメッキ膜とから構成されたものであってもよい。このように、スパッタ膜とAuメッキ膜との間にNiメッキ膜を介在させると、第2接合層75に含まれるろう材(AuSn合金)によるスパッタ膜(Au膜)の侵食を防止することができ、ベース4と蓋7との接合の強度を向上させることができる。
【0085】
上記した実施の形態1及び2に係る水晶振動子1において、電極パッド51,52及びベース4の一主面42の側の配線パターン55は、ベース4の基板上に形成されたTi膜及びCu膜からなる第1スパッタ膜61と、この第1スパッタ膜61の上に形成されたTi膜及びAu膜からなる第2スパッタ膜62と、この第2スパッタ膜62の上にメッキ形成されたAu膜からなるAuメッキ膜63とで構成されているが、電極パッド51,52及び配線パターン55の電極構成は、これに限定されず、ベース4の基板上にTi膜及びCu膜からなるスパッタ膜を介さず、直接、Ti膜及びAu膜からなるスパッタ膜が形成され、このスパッタ膜の上に、Au膜がメッキ形成された構成であってもよい。つまり、貫通孔49の内側面491の配線パターン55のスパッタ膜が、Ti膜及びAu膜からなる構成であってもよい。このように、貫通孔49の内側面491のスパッタ膜をTi膜とAu膜とで構成する場合には、貫通孔49の内側面491の配線パターン55のスパッタ膜上にメッキ形成する充填層66をAuSnメッキ層とすると、内側面491の配線パターン55のスパッタ膜と充填層66との接着強度を向上させることができる。
【0086】
また、実施の形態1及び2に係る水晶振動子1のベース4において、外部端子電極53,54は、上記した通り、配線パターン55を構成する第1スパッタ膜61の上に形成されたTi膜及びAu膜からなる第2スパッタ膜62と、この第2スパッタ膜62の上にメッキ形成されたNiからなるNiメッキ膜64と、このNiメッキ膜64の上にメッキ形成されたAuからなるAuメッキ膜65とから構成されているが、この構成に限定されるものではなく、例えば、第2スパッタ膜62の上に直接(NiからなるNiメッキ膜64を介さず)AuからなるAuメッキ膜が形成されたものであってもよい。または、第2スパッタ膜62の上に、Niメッキ膜64に代えて、Au/Cu合金メッキ膜又はPdメッキ膜がメッキ形成され、このAu/Cu合金メッキ膜又はPdメッキ膜の上に、Auメッキ膜が形成されたものであってもよい。
【0087】
また、実施の形態1及び2に係る水晶振動子1において、ベース4の他主面43には、外部端子電極53,54の形成領域を除く全領域に樹脂パターン67が形成されているが、この構成に限定されるものではなく、樹脂パターン67は、他主面43の側の貫通孔49の端部及びその周辺のみに形成されていてもよい。或いは、樹脂パターン67は形成されていなくてもよい。
【0088】
また、実施の形態1及び2に係る水晶振動子1において、ベース4の他主面43には、外周縁47の全体に沿ってテーパー面が形成されているが、本発明はこのような構成に限定されない。例えば、ベース4の他主面43は、外周縁47の外部端子電極53,54との対向部分にのみ、テーパー面が形成されてなるものであってもよい。或いは、ベース4の他主面43は、全体が平坦面で構成されていてもよい。
【0089】
また、本実施の形態1及び2に係る水晶振動子1の蓋7(図4及び7参照)において、第2接合層75に含まれるろう材には、AuSn合金を用いているが、第2接合層75は、ベース4と蓋7とを接合させるための接合材を形成することができるろう材を含むものであれば特に限定されず、例えば、CuSn等のSn合金ろう材を用いて構成されたものであってもよい。
【0090】
また、本実施の形態1及び2に係る水晶振動子1の蓋7(図4及び7参照)において、キャビティ75,77を構成する面(即ち、壁部73,76の内側面731,761、及び、天部71の一主面72)は、ガスを吸着する効果を有するゲッター材(例えば、Ti、又はCr等)で被覆されていてもよい。この場合には、水晶振動子1の内部空間11のガスをゲッター材に吸着させて、内部空間11におけるガス量を抑制することができることから、圧電振動片等の電子部品素子の電極を劣化を防止し、CI値(直列等価抵抗)の悪化を抑制することができる。
【0091】
また、本実施の形態1及び2に係る水晶振動子1の蓋7(図4及び7参照)においては、壁部73,76の第1長辺部81,85及び第2長辺部82,86の両方の中央部812,822,852,862が幅広に成形されているが、本発明は、このような構成に限定されず、壁部の第1長辺部及び第2長辺部の少なくとも一方において、中央部がその両端部の少なくとも一方と比べて幅広に成形されたものであれば、いかなるものであってもよい。例えば、蓋7は、図9に示すように、第1長辺部89の中央部892が、その両端部891,893を含む他の部位と同一幅に成形される一方、第2長辺部91の中央部912(図9中、W13で示す幅を有する部分)が、両端部911,913(図9中、W11に示す幅を有する部分、及び、W12に示す幅を有する部分)と比べて幅広に成形された壁部78を備えるものであってもよい。このような構成の蓋7においても、幅広に成形された第2長辺部91の中央部912により、蓋7の長手方向の中央部の強度を向上させることができる。
【0092】
また、本実施の形態1及び2に係る水晶振動子1の蓋7においては、天部71の一主面72は、長方形状とされているが、本発明は、このような構成に限定されず、天部は、長辺と、この長辺よりも長さの短い短辺とを有するものであれば、いかなるものであってもよい。例えば、天部は、二つの長辺と二つの短辺とで構成された平行四辺形状、又は、一辺(長辺)の長さが他の辺(短辺)の長さよりも長く設定された五角形状の一主面を有するものであってもよい。
【0093】
また、実施の形態1及び2では、ベース4及び蓋7の材料としてガラスを用いているが、ベース4及び蓋7は、いずれも、ガラスを用いて構成されたものに限定されるものではなく、例えば、水晶を用いて構成されたものであってもよい。
【0094】
また、本実施の形態1及び2に係るベース4に、水晶振動片2に加えて、ICチップを搭載し、発振器を構成してもよい。ベース4にICチップを搭載する場合には、ICチップの電極構成に合わせた電極がベース4に形成される。
【0095】
また、本実施の形態1に係る水晶振動子1のパッケージ(図1及び図6参照)に気密封止される水晶振動片2は、接合部24の先端部243の先端が、圧電振動素板20の外形において基部23の幅方向の一方向Xに沿う最も外方に位置する図5に示す圧電振動片2に限定されない。即ち、本実施の形態1に係る水晶振動子1のパッケージに気密封止される水晶振動片2は、圧電振動素板20の外形において基部23の幅方向の一方向Xに沿う最も外方に、基部23の側面233又は脚部21の側面212があるものであってもよく、本実施の形態1に係る水晶振動子1のパッケージには、例えば、図10及び図11に示す外形を有する水晶振動片2を気密封止することが可能である。
【0096】
具体的には、図10に示す外形を有する水晶振動片2は、基部23の幅方向の一方向Xに延出する長辺部242の長さが、図5に示す水晶振動片2の長辺部242と比べて短く設定され、2本の脚部(振動部)28,29の先端部281,291が、脚部28,29の他の部位と同一の幅で形成されている点で図5に示す水晶振動片2と異なり、圧電振動素板20の外形において、接合部24の先端部243の先端及び脚部28,29の側面282,292の位置よりも、基部23の幅方向の一方向Xの外方に、基部23の側面233がある。つまり、図10に示す外形を有する水晶振動片2は、圧電振動素板20の外形において、基部23の幅方向の一方向Xに沿う最も外方に、基部23の側面233がある。その他の構成については、図5に示す水晶振動片2と同様であり、同様の構成部分については、水晶振動片2と同様の作用効果及び変形例を有する。また、図10に示す外形を有する水晶振動片2が気密封止された水晶振動子1においても、実施の形態1に係る水晶振動子1と同様の作用効果が得られる。
【0097】
また、図11に示す外形を有する水晶振動片2は、基部23の幅方向の一方向Xに延出する長辺部242の長さが、図5に示す水晶振動片2の長辺部242と比べて短く設定され、基部23の幅が、図5に示す水晶振動片2の基部23の幅よりも若干広く設定されている点で、図5に示す水晶振動片と異なり、圧電振動素板20の外形において、接合部24の先端部243の先端よりも、基部23の幅方向の一方向Xの外方に、基部23の側面233が位置し、さらに、この基部23の側面233の位置よりも、一方向Xの外方に、脚部21の先端部211の側面212が位置する。つまり、図11に示す外形を有する水晶振動片2は、圧電振動素板20の外形において、接合部24の一方向Xを向く先端部243の先端及び基部23の側面233の位置よりも、一方向Xの外方に、脚部21の先端部211の側面212がある。すなわち、圧電振動素板20の外形において、基部23の幅方向の一方向Xに沿う最も外方に脚部21の先端部211の側面212がある。その他の構成については、図5に示す水晶振動片2と同様であり、同様の構成部分については、水晶振動片2と同様の作用効果及び変形例を有する。また、図11に示す外形を有する水晶振動片2が気密封止された水晶振動子1においても、実施の形態1に係る水晶振動子1と同様の作用効果が得られる。
【0098】
以上、本発明に係る電子部品パッケージを水晶振動子1のパッケージに適用した場合の実施の形態を示したが、これは好適な実施の形態であり、本発明に係る電子部品パッケージは、電子部品素子の電極を第1封止部材及び第2封止部材により封止するものであれば、いかなるものであってもよい。よって、本発明に係る電子部品パッケージは、第1封止部材及び第2封止部材により、水晶以外の圧電材料、例えば、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等により構成された圧電振動片の励振電極を気密封止する圧電振動デバイスのパッケージであってもよい。
【0099】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0100】
1 水晶振動子(電子部品)
11 内部空間
12 接合材
13 導電性バンプ
2 水晶振動片(電子部品素子)
20 圧電振動素板
21,22 脚部
211,221 先端部
212,222 側面
23 基部
231 一端面
232 他端面
233 側面
24 接合部
241 短辺部
242 長辺部
243 先端部
25 溝部
26 貫通孔
27 接合箇所
28,29 脚部
281,291 先端部
282,292 側面
31,32 励振電極
33,34 引出電極
4 ベース(第1封止部材)
41 底部
42 一主面
43 他主面
44 壁部
45 キャビティ
451 底面
452 一端部
46 台座部
47 外周縁
471 テーパー面
48 第1接合層
481 スパッタ膜
482 メッキ膜
49 貫通孔
491 内側面
51,52 電極パッド
53,54 外部端子電極
55 配線パターン
61 第1スパッタ膜
62 第2スパッタ膜
63 Auメッキ膜
64 Niメッキ膜
65 Auメッキ膜
66 充填層
67 樹脂パターン
7 蓋(第2封止部材としての電子部品パッケージ用封止部材)
71 天部
72 一主面
721,722 長手方向の辺
723,724 短手方向の辺
73 壁部
731 外側面(外周縁部)
732 内側面
733 天面
74 第2接合層
75 キャビティ
76 壁部
761 外側面(外周縁部)
762 内側面
763 天面
77 キャビティ
78 壁部
781 外側面(外周縁部)
782 内側面
783 天面
79 キャビティ
81 第1長辺部
811 一端部
812 中央部
813 他端部
82 第2長辺部
821 一端部
822 中央部
823 他端部
83 第1短辺部
84 第2短辺部
85 第1長辺部
851 一端部
852 中央部
853 他端部
86 第2長辺部
861 一端部
862 中央部
863 他端部
87 第1短辺部
88 第2短辺部
89 第1長辺部
891 一端部
892 中央部
893 他端部
91 第2長辺部
911 一端部
912 中央部
913 他端部
92 第1短辺部
93 第2短辺部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品素子が搭載される第1封止部材と、第2封止部材とにより、前記電子部品素子の電極を気密封止する電子部品パッケージの前記第2封止部材として使用される電子部品パッケージ用封止部材であって、
天部と、この天部の一主面の外周縁の全体に沿って設けられた壁部とに囲まれて形成されたキャビティを備え、
前記天部の前記一主面は、長辺と、この長辺よりも短い長さの短辺を有し、
前記壁部は、前記一主面から延出して設けられ、前記一主面の前記長辺に沿う第1長辺部と、前記第1長辺部に対向する第2長辺部とを有し、
前記第1長辺部と前記第2長辺部の少なくとも一方において、中心点を含む中央部が、両端部の少なくとも一方に比べて、幅広に成形されている
ことを特徴とする電子部品パッケージ用封止部材。
【請求項2】
請求項1に記載の電子部品パッケージ用封止部材であって、
前記第1長辺部と前記第2長辺部の少なくとも一方において、前記中央部が、両端部に比べて、幅広に成形されている
ことを特徴とする電子部品パッケージ用封止部材。
【請求項3】
請求項1に記載の電子部品パッケージ用封止部材であって、
前記第1長辺部と前記第2長辺部の少なくとも一方において、一端部から前記中央部にかかる部分が、他端部と比べて、幅広に成形されている
ことを特徴とする電子部品パッケージ用封止部材。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つに記載の電子部品パッケージ用封止部材であって、
前記キャビティの形状が、前記一主面の中心点に対して点対称の形状とされている
ことを特徴とする電子部品パッケージ用封止部材。
【請求項5】
電子部品素子が搭載される第1封止部材と、第2封止部材とにより、前記電子部品素子の電極を気密封止する電子部品パッケージであって、
前記第2封止部材が、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の電子部品パッケージ用封止部材であることを特徴とする電子部品パッケージ。
【請求項6】
請求項5に記載の電子部品パッケージにより電子部品素子の電極が気密封止されていることを特徴とする電子部品。
【請求項7】
請求項6に記載の電子部品であって、
前記電子部品素子の基板が、振動部である2本の脚部と、基部と、前記第1封止部材の一主面に接合される接合部とから構成されており、
2本の前記脚部は、前記基部の一端面から、前記基部の幅方向に対して直交する方向に突出して設けられており、
前記接合部は、先端部を前記基部の幅方向の一方向に向けて、前記基部の他端面に突出して設けられており、
前記電子部品素子の前記基板の外形において、前記脚部の側面の位置及び前記基部の側面の位置よりも前記一方向の外方に、前記接合部の前記先端部の先端がある
ことを特徴とする電子部品。
【請求項8】
請求項6に記載の電子部品であって、
前記電子部品素子の基板が、振動部である2本の脚部と、基部と、前記第1封止部材の一主面に接合される接合部とから構成されており、
2本の前記脚部は、前記基部の一端面から、前記基部の幅方向に対して直交する方向に突出して設けられており、
前記接合部は、先端部を前記基部の幅方向の一方向に向けて、前記基部の他端面に突出して設けられており、
前記電子部品素子の前記基板の外形において、前記接合部の前記先端部の先端及び前記脚部の側面の位置よりも、前記一方向の外方に前記基部の側面がある
ことを特徴とする電子部品。
【請求項9】
請求項6に記載の電子部品であって、
前記電子部品素子の基板が、振動部である2本の脚部と、基部と、前記第1封止部材の一主面に接合される接合部とから構成されており、
2本の前記脚部は、前記基部の一端面から、前記基部の幅方向に対して直交する方向に突出して設けられ、
2本の前記脚部の先端部は、前記脚部の他の部位と比べて幅広に成形されており、
前記接合部は、先端部を前記基部の幅方向の一方向に向けて、前記基部の他端面に突出して設けられており、
前記電子部品素子の前記基板の外形において、前記接合部の前記先端部の先端及び前記基部の側面の位置よりも、前記一方向の外方に前記脚部の前記先端部の側面がある
ことを特徴とする電子部品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate