説明

電子部品モジュールの製造方法

【課題】チップ側面にスルーホールを設ける場合において、樹脂等の絶縁体が充填されたとしてもマザーシートをチップ毎に分割することができる電子部品モジュールを提供する。
【解決手段】絶縁体31を塗布するより前に、スルーホール内に固体材料52を充填しておき、絶縁体31がスルーホール内に流れ込まないようにする。固体材料52は、ワックスや蝋材等の低融点材料(絶縁体31の硬化温度よりも低い100℃未満の融点を有するもの)である。そして、絶縁体31を熱硬化させると、固体材料52が溶出または揮発し、スルーホールは空洞となる。したがって、上記V字型のブレイク用溝55を外側に、矩形状のブレイク用溝51およびV字型のブレイク用溝57を内側にして曲げることでマザー積層体を各チップにブレイクすると、スルーホールの側壁に端面電極が露出し、分割後のいずれか一方のチップの側壁に絶縁体が付着している、ということはなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数のセラミックグリーンシートを積層してなる積層体に電子部品を搭載した電子部品モジュールの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品を多層基板に搭載してなる電子部品モジュールにおいて、金属メッキを施したスルーホールの側面を電極として使用する構造が知られている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1に示した構造では、最終工程において、電子部品を搭載したマザーシートを複数のチップに分割して電子部品モジュールとする。この際、マザーシートは、複数のセラミックグリーンシートを積層した後、焼成することで得られたものであり、ダイサーによる切断ではなく、焼成前のグリーンシート状態の時に溝を切っておき、焼成後に溝部を中心に分割しやすくしている。上記スルーホールは、各チップの境界位置に設けられ、分割後にチップ側面に露出することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−93846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子部品モジュールは、上面に電子部品が搭載されるため、モジュールサイズが小さい場合、電子部品モジュールを電子機器メーカーの製造工程で取り扱う際に、吸着による取り扱いが出来なくなる。そこで、吸着による取り扱いを可能とするために、電子部品モジュールの天面を樹脂等の絶縁体でカバーし、当該上面を平坦化する場合がある。
【0006】
しかし、上述のような境界位置にスルーホールを設けると、このスルーホールに樹脂等の絶縁体が充填されてしまう。樹脂等の絶縁体は硬いため、このようにスルーホールに絶縁体等が充填されると、マザーシートをチップ毎に分割する際に、絶縁体にダイサー等で溝を切ったとしても、スルーホールに充填された絶縁体までは溝が切れないため、きれいに切断することができない。例えば、分割後のいずれか一方のチップの側壁にのみ絶縁体が付着して他方のチップの側壁には絶縁体が付着しない、という状態になってしまい、チップ毎の均一性がなくなってしまう。
【0007】
そこで、この発明は、チップ側面にスルーホールを設ける場合において、樹脂等の絶縁体が充填されたとしてもマザーシートをチップ毎に分割することができる電子部品モジュール、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電子部品モジュールは、以下の工程により製造される。
(1)セラミックグリーンシートの厚み方向に電気的に導通するように導電性部材を形成する工程
(2)複数のセラミックグリーンシートを積層して積層体を形成する工程
(3)積層体の前記導電性部材が形成された部分を含む位置において、前記厚み方向に貫通孔を形成する工程
(4)積層体の下面に第1の分割用溝を形成する工程
(5)積層体を焼成する工程
(6)前記貫通孔に固体材料を充填する工程
(7)前記積層体の上面に電子部品を搭載する工程
(8)前記積層体の表面に、前記固体材料の融点よりも高い温度で硬化する性質を有する絶縁性樹脂を形成する工程
(9)前記絶縁性樹脂を熱硬化させるとともに前記固体材料を溶出または揮発させる工程
このように、積層体の表面に熱硬化性樹脂を形成する前に当該熱硬化性樹脂の硬化温度よりも低い融点を有する固体材料を貫通孔(スルーホール)に充填する。このような固体材料としては、例えばワックスや蝋材等の低融点材料がある。貫通孔には固体材料が充填されているため、樹脂が貫通孔に流れ込むことはない。そして、熱硬化性樹脂を硬化させると、固体材料が溶出または揮発し、貫通孔は空洞となる。したがって、マザー積層体をチップ毎にブレイクすると、貫通孔の側壁に端面電極が露出し、分割後のいずれか一方のチップの側壁に絶縁体が付着している、ということはなくなる。ただし、固体材料は完全に消失される必要はなく、ある程度残っていたとしても、チップ毎の均一性は保たれる。
【0009】
また、固体材料の融点を熱硬化性樹脂の硬化温度よりも高くする態様も可能である。特に、固体材料の融点が、実装に用いられる鉛フリーはんだの融点よりも低ければ、リフロー時に固体材料が溶出または揮発するため、貫通孔は空洞となる。したがって、この場合も、マザー積層体をチップ毎にブレイクすると、貫通孔の側壁に端面電極が露出し、分割後のいずれか一方のチップの側壁に絶縁体が付着している、ということはなくなる。この場合も、固体材料は完全に消失される必要はなく、ある程度残っていたとしても、チップ毎の均一性は保たれる。
【0010】
なお、固体材料の融点が、実装に用いられる鉛フリーはんだの融点よりも高い場合でも、例えば、残っている固体材料をレーザでカットする等して、マザー積層体をチップ毎に均一にブレイクすることも可能である。
【0011】
また、積層体を焼成する工程の前に、積層体の上面側におけるセラミックグリーンシート上の、貫通孔の中心を結ぶ線上に上記第2の分割用溝とは別の第3の分割用溝を形成する工程を行うことが望ましい。この場合、樹脂に加えて積層体のセラミックグリーンシート上にもブレイク用の溝が形成されるため、さらにブレイクしやすくなる。
【0012】
なお、貫通孔は、セラミックグリーンシートを積層する前にシート毎に形成してもよい。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、チップ側面にスルーホールを設ける場合において、樹脂等の絶縁体が充填されたとしてもマザーシートをチップ毎に分割することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】電子部品モジュールの上面図である。
【図2】図2(A)は、電子部品モジュールのA−A断面図であり、図2(B)は、B−B断面図である。
【図3】電子部品モジュールの製造工程を示す図である。
【図4】図4(A)は、ブレイク後の電子部品モジュールの上面図であり、図4(B)はA−A断面図である。
【図5】第3の例に係る電子部品モジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る電子部品モジュールの上面図であり、図2は、電子部品モジュールの断面図である(図2(A)はA−A断面図、図2(B)はB−B断面図)。なお、図2(A)および図2(B)の断面図は、紙面上側を電子部品モジュールの上面側とし、紙面下側を電子部品モジュールの下面側とする。
【0016】
電子部品モジュールは、複数のセラミックグリーンシートが積層されてなる積層体の最上面にICやコンデンサ等の電子部品を搭載したものである。積層体は、磁性体(フェライト)層を含み、例えば、積層されるシート間にコイルを設け、積層方向に接続したインダクタを構成することで、当該インダクタをチョークコイルとして用いたDC−DCコンバータを実現することができる。
【0017】
図1および図2に示す電子部品モジュールは、ブレイク前のマザー積層体を示すものである。マザー積層体の上面は、絶縁体31によって被覆されている。マザー積層体は、図中の破線で示す所定寸法のチップにブレイクされる。マザー積層体の上面には、図1に示す破線(後述のスルーホールの中心を結ぶ線)に沿って、ダイシング加工により矩形状のブレイク用溝51(本発明における第2の分割用溝)が形成されている。ブレイク用溝51は、絶縁体31のみを切削することで形成されている。
【0018】
また、マザー積層体の下面には、図1に示す破線に沿って、図2(A)に示すように、ダイシング加工により、V字型のブレイク用溝55(本発明における第1の分割用溝)が形成されている。さらに、図2(B)に示すように、マザー積層体の上面(セラミックグリーンシート上)には、図1に示す破線に沿って、V字型のブレイク用溝57(本発明における第3の分割用溝)が形成されている。このV字型のブレイク用溝55及びブレイク用溝57は、マザー積層体を焼成する前に、予め設けておく。マザー積層体は、V字型のブレイク用溝55を外側に、矩形状のブレイク用溝51およびV字型のブレイク用溝57を内側にして曲げることで各チップにブレイクされる。
【0019】
なお、図1および図2においては、説明のために隣接する2つのチップについてブレイク前のマザー積層体を示すが、実際にはさらに多数のチップが並んでいる。
【0020】
積層体を構成する一部のセラミックグリーンシート上には、回路電極22が形成され、回路電極22に電子部品23が実装されている。
【0021】
また、図2(A)の断面図(A−A断面図)に示すように、積層体の最下面には、端子電極21(入力電極、出力電極、および接地電極)が形成されている。この端子電極21は、電子部品モジュールが出荷された後、電子機器の製品製造工程において、電子部品モジュールが実装される、実装基板側のランド電極等と接続されるための実装用電極となる。
【0022】
これらの端子電極21と回路電極22は、端面電極41を介して電気的に接続される。端面電極41は、各チップの境界となる位置に設けられたビアホールの側面が、カットされたことによりスルーホールの側壁から露出したものである。なお、本実施形態においては省略するが、内層に配置されるセラミックグリーンシート上に内部配線を形成し、この内部配線、および端面電極41を介して電気的に接続されるようにしてもよい。
【0023】
マザー積層体の上面は、絶縁体31によって被覆されている。絶縁体31は、マザー積層体が焼成された後に塗布されることにより、電子部品モジュールを保護するとともに、電子部品モジュールの上面を平坦化する機能を有する。絶縁体31は、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂であり、塗布工程時には流動性を有するが、所定温度(例えば100℃程度)で硬化する。
【0024】
ここで、仮に、スルーホール内に絶縁体31が充填されると、ブレイク後のいずれか一方のチップのスルーホールにのみ絶縁体31が付着して他方のチップのスルーホールには絶縁体31が付着しない、という状態になる可能性がある。この場合、チップ毎の均一性がなくなってしまう。
【0025】
そこで、本実施形態に係る電子部品モジュールは、絶縁体31を塗布するより前に、スルーホール内に固体材料52を充填しておき、絶縁体31がスルーホール内に流れ込まないようにする。固体材料52は、ワックスや蝋材等の低融点材料(絶縁体31の硬化温度よりも低い100℃未満の融点を有するもの)である。
【0026】
そして、絶縁体31を熱硬化させると、固体材料52が溶出または揮発し、スルーホールは空洞となる。したがって、上記V字型のブレイク用溝55を外側に、矩形状のブレイク用溝51およびV字型のブレイク用溝57を内側にして曲げることでマザー積層体を各チップにブレイクすると、図4(A)の上面図および図4(B)の断面図に示すように、スルーホールの側壁に端面電極が露出し、分割後のいずれか一方のチップの側壁に絶縁体が付着している、ということはなくなる。なお、固体材料52は完全に消失される必要はなく、ある程度残っていたとしても、チップ毎の均一性は保たれる。また、実装時におけるリフロー炉は、さらに高温(例えば250℃程度)であるため、仮に固体材料52が残っていたとしても、リフロー時に溶出または揮発する。
【0027】
次に、電子部品モジュールの製造工程について説明する。図3は、電子部品モジュールの製造工程を示す図である。電子部品モジュールは、以下に示すようにして形成される。
【0028】
まず、図3(A)に示すように、電子部品モジュールの各セラミックグリーンシートにパンチ等で貫通孔が開けられる。
【0029】
次に、図3(B)に示すように、開けられた貫通孔にAg等が含まれる合金(導電性ペースト)が充填される。この充填された導電性ペーストが後に端面電極41となる。なお、この図3(B)に示す工程の後、あるいはセラミックグリーンシートの積層前に端子電極21、回路電極22、および内部配線が形成される。ただし、最上面および最下面に露出する電極は、積層後に形成することも可能である。
【0030】
次に、各セラミックグリーンシートが積層され、仮圧着された後、図3(C)に示すように、先に開けた矩形状のパンチ孔とは異なる方向(直交する方向)にパンチ等でさらに矩形状の孔を開ける。この矩形状の孔がスルーホールとなる。
【0031】
そして、図3(D)に示すように、各スルーホールの中心を結ぶ線に沿ってV字型のブレイク用溝57を形成する。なお、このV字型のブレイク用溝57を形成する工程は、必須ではないが、V字型のブレイク用溝57を形成することで、絶縁体31に加えて積層体のセラミックグリーンシート上にもブレイク用の溝が形成されることになるため、さらにブレイクしやすくなる。なお、ブレイク用溝57は、V字型に限らず、矩形状等、他の形状であってもよい。また、図3(A)の貫通孔形成、図3(B)の導電性ペーストの充填、および図3(C)の貫通孔形成は、セラミックグリーンシートを積層する前にシート毎に行ってもよい。
【0032】
そして、図3(E)に示すように、マザー積層体が焼成される。これにより、焼成されたブレイク前のマザー積層体が得られる。
【0033】
なお、焼成後のマザー積層体の電極表面には、めっきが施される。めっき処理は、マザー積層体をめっき液に浸漬させ、揺動させることによって行われる。
【0034】
そして、図3(F)に示すように、ICやコンデンサ等の電子部品が搭載された後、図3(G)に示すように、スルーホールに固体材料52が充填され、その後図3(H)に示すように、樹脂(絶縁体31)が塗布される。
【0035】
さらに、図3(I)に示すように、絶縁体31は、ダイシング加工によって、各スルーホールの中心を結ぶ線(上述のV字型のブレイク用溝57と同じ線)に沿って、ブレイク用溝51が形成される。
【0036】
最後に、図3(J)に示すように、絶縁体31が熱硬化され、このときに固体材料52が溶出または揮発する。ただし、ブレイク用溝51は、絶縁体31を熱硬化させた後に形成してもよい。
【0037】
このようにして製造された電子部品モジュールは、出荷先等でチップ毎にブレイクされ、スルーホールの側壁の一部に端面電極41が露出する。
【0038】
なお、熱硬化は、ブレイク前に行う必要はなく、例えば、絶縁体31を塗布した後に比較的低温で仮硬化させ、ブレイク後に比較的高温で本硬化させる場合もある。この場合、固体材料52は、仮硬化の温度よりも低い融点の材料を用いてもよいし、仮硬化の温度以上かつ本硬化の温度未満の融点の材料を用いてもよい。仮硬化の温度以上かつ本硬化の温度未満の融点の材料を用いる場合、ブレイク時には固体材料52がスルーホール内に充填されたままとなり、ブレイク後のいずれか一方のチップのスルーホールにのみ固体材料52が付着して他方のチップのスルーホールには固体材料52が付着しない、という可能性もあるが、本硬化時に溶出または揮発するため、最終的に、スルーホールの側壁に端面電極が露出し、分割後のいずれか一方のチップの側壁に固体材料52が付着している、ということはなくなる。
【0039】
以上の説明においては、固体材料52の融点が、絶縁体31の硬化温度よりも低い例を示したが、絶縁体31の硬化温度よりも高く、かつ電子部品モジュールが実装される際の実装用はんだの融点(リフロー炉の温度)よりも低い融点(例えば100〜240℃程度)の材料を用いることも可能である。
【0040】
この場合、絶縁体31の熱硬化時には固体材料52が消失せず、ブレイク時には固体材料52がスルーホール内に充填されたままとなる。したがって、ブレイク後のいずれか一方のチップのスルーホールにのみ固体材料52が付着して他方のチップのスルーホールには固体材料52が付着しない、という可能性もあるが、リフロー時には溶出または揮発するため、最終的に、スルーホールの側壁に端面電極が露出し、分割後のいずれか一方のチップの側壁に固体材料52が付着している、ということはなくなる。
【0041】
さらに、固体材料52の融点は、実装用はんだの融点(リフロー炉の温度)よりも高い温度(例えば250℃以上)の材料を用いることも可能である。この場合、例えば、図5に示すように、スルーホール内に残っている固体材料52をレーザでカットして切り5352を形成する等の工程を追加すれば、マザー積層体をチップ毎に均一にブレイクすることが可能である。なお、切り込み53は、積層体の上面側から(ブレイク用溝51に重畳して)形成することも可能である。
【0042】
なお、本実施形態においては、矩形状の端面電極41やスルーホールを例示したが、半円状等、他の形状であってもよい。
【符号の説明】
【0043】
21…端子電極
22…回路電極
23…電子部品
31…絶縁体
41…端面電極
51,52,57…ブレイク用溝
52…固体材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックグリーンシートの厚み方向に電気的に導通するように導電性部材を形成する工程と、
複数のセラミックグリーンシートを積層して積層体を形成する工程と、
前記積層体の前記導電性部材が形成された部分を含む位置において、前記厚み方向に貫通孔を形成する工程と、
前記積層体の下面に第1の分割用溝を形成する工程と、
前記積層体を焼成する工程と、
前記貫通孔に固体材料を充填する工程と、
前記積層体の上面に電子部品を搭載する工程と、
前記積層体の表面に、前記固体材料の融点よりも高い温度で硬化する性質を有する絶縁性樹脂を形成する工程と、
前記絶縁性樹脂を熱硬化させるとともに前記固体材料を溶出または揮発させる工程と、
を備えたことを特徴とする電子部品モジュールの製造方法。
【請求項2】
セラミックグリーンシートの厚み方向に電気的に導通するように導電性部材を形成する工程と、
前記セラミックグリーンシートの前記導電性部材が形成された部分を含む位置において、前記厚み方向に貫通孔を形成する工程と、
前記貫通孔が前記厚み方向に合致するように、複数のセラミックグリーンシートを積層して積層体を形成する工程と、
前記積層体の下面に第1の分割用溝を形成する工程と、
前記積層体を焼成する工程と、
前記貫通孔に固体材料を充填する工程と、
前記積層体の上面に電子部品を搭載する工程と、
前記積層体の表面に、前記固体材料の融点よりも高い温度で硬化する性質を有する絶縁性樹脂を形成する工程と、
前記絶縁性樹脂を熱硬化させるとともに前記固体材料を溶出または揮発させる工程と、
を備えたことを特徴とする電子部品モジュールの製造方法。
【請求項3】
セラミックグリーンシートの厚み方向に電気的に導通するように導電性部材を形成する工程と、
複数のセラミックグリーンシートを積層して積層体を形成する工程と、
前記積層体の前記導電性部材が形成された部分を含む位置において、前記厚み方向に貫通孔を形成する工程と、
前記積層体の下面に第1の分割用溝を形成する工程と、
前記積層体を焼成する工程と、
前記貫通孔に固体材料を充填する工程と、
前記積層体の上面に電子部品を搭載する工程と、
前記積層体の表面に、前記固体材料の融点よりも低い温度で硬化する性質を有する絶縁性樹脂を形成する工程と、
前記絶縁性樹脂を熱硬化させるとともに前記固体材料を溶出または揮発させる工程と、
を備えたことを特徴とする電子部品モジュールの製造方法。
【請求項4】
セラミックグリーンシートの厚み方向に電気的に導通するように導電性部材を形成する工程と、
前記セラミックグリーンシートの前記導電性部材が形成された部分を含む位置において、前記厚み方向に貫通孔を形成する工程と、
前記貫通孔が前記厚み方向に合致するように、複数のセラミックグリーンシートを積層して積層体を形成する工程と、
前記積層体の下面に第1の分割用溝を形成する工程と、
前記積層体を焼成する工程と、
前記貫通孔に固体材料を充填する工程と、
前記積層体の上面に電子部品を搭載する工程と、
前記積層体の表面に、前記固体材料の融点よりも低い温度で硬化する性質を有する絶縁性樹脂を形成する工程と、
前記絶縁性樹脂を熱硬化させるとともに前記固体材料を溶出または揮発させる工程と、
を備えたことを特徴とする電子部品モジュールの製造方法。
【請求項5】
前記固体材料は、当該電子部品モジュールが実装される際の実装用はんだの融点よりも低い融点を有することを特徴とする請求項2に記載の電子部品モジュールの製造方法。
【請求項6】
前記貫通孔の中心を結ぶ線上を、前記絶縁性樹脂のみを切削して第2の分割用溝を形成する工程と、
前記第1および第2の分割用溝を基準として前記積層体を分割する工程と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電子部品モジュールの製造方法。
【請求項7】
前記積層体を焼成する工程の前に、前記積層体の上面側における前記セラミックグリーンシート上の、前記貫通孔の中心を結ぶ線上に第3の分割用溝を形成する工程を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電子部品モジュールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−62387(P2013−62387A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200167(P2011−200167)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】