説明

電子部品収容装置及び電子部品収容装置における電子部品の挿抜方法

【課題】電子部品をゴミやほこりから保護し、再利用可能なキャリアテープを用いた電子部品収容装置及び電子部品収容装置における電子部品の挿抜方法を提供する。
【解決手段】密閉構造を有し、テープ11を使用して電子部品36を収容する電子部品収容装置10において、前記テープ11は、前記電子部品36を弾性保持可能なテープであり、当該電子部品収容装置10の内部において走行される。当該電子部品収容装置10は、前記電子部品36を前記テープ11に挿抜するために前記テープ11の上方に設けられ、当該電子部品収容装置10を開放する開口部が当該電子部品収容装置の上面に位置づけられた挿抜開口部17と、前記テープ11の走行方向と略直交する方向に前記テープを押し広げるテープ押し広げ機構19と、を当該電子部品収容装置10の内部に備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品収容装置及び電子部品収容装置における電子部品の挿抜方法に関し、より具体的には、テープを使用して電子部品を収容する電子部品収容装置及び電子部品収容装置に於ける電子部品の挿抜方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子等の電子部品に損傷を与えることなく搬送する手段の一つとして、エンボステープと処されるキャリアテープ内に複数個の電子部品を個別に収容して搬送する方法が採られている。
【0003】
かかるキャリアテープを使用した半導体デバイス収容装置の構成を図1に示す。当該キャリアテープの断面を図2に示す。また、キャリアテープに収容されている半導体デバイスを、当該キャリアテープから取り出す工程を図3に示す。
【0004】
図1を参照するに、半導体デバイス収容装置1は、リール2と、リール2に巻かれたキャリアテープ3と、カバーテープ4とから構成される。当該キャリアテープ3には、半導体デバイス5を収容する凹部6が複数個、所定の間隔を有して配設されている。
図2を参照するに、半導体デバイス5がキャリアテープ3の凹部6に収容された状態で、熱シール、圧着コテ或いは加熱されたコテを用いた圧着等により、カバーテープ4が凹部上に貼着され、半導体デバイス5が凹部6から脱落することが防止される。
【0005】
当該凹部6に収容された半導体デバイス5をキャリアテープ3から取り出す際には、図3に示すように、先ずカバーテープ4をキャリアテープ3から剥離し、次いで吸着治具9を用いて半導体デバイス5を取り出す。
【0006】
しかしながら、半導体デバイス5をキャリアテープ3から取り出すためには、カバーテープ4をキャリアテープ3から剥離する工程が必要なため作業工程数が増加し、カバーテープ4の材料費及び加工費が増加する。また、使用後のキャリアテープ3にはカバーテープ4のシール跡が残るため、キャリアテープ3を再使用することはできない。
【0007】
また、封止をしていない半導体デバイス等はゴミ或いは塵埃等に極めて敏感であり、回路を構成する際の接合品質に、ゴミ或いは塵埃等に因り悪影響が与えられてしまう。従って、半導体デバイス収容装置1に於ける半導体デバイス5の挿抜作業をクリーンルーム等で行わなければならず煩雑である。
【0008】
そこで、特許文献1では、エンボステープに、半導体デバイスを載置するための底壁と、底壁の両側縁から立ち上がる側壁と、開口部を有する頂部壁とが形成され、開口部から挿入され底壁に載置された半導体デバイスが、側壁によって保持される構造を備えた半導体デバイス収容装置が提案されている。
【0009】
また、特許文献2では、電子部品を収納し、電子部品の取り出し口が開閉可能なシャッター機構を備え、内部に粘着テープの張付機構と剥離機構が設けられた密閉構造の容器を用いて、電子部品をテーピング包装する方法が提案されている。
【特許文献1】特開平9−226828号公報
【特許文献2】特開平10−116842号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記特許文献1に於いて提案されている半導体デバイス収容装置では、図1乃至図3に示すカバーテープ4は用いられていないためカバーテープ4を用いた場合の上述の問題は回避され得るものの、エンボステープに保持される半導体デバイスへのゴミ或いは塵埃等の付着の問題は解消されていない。従って、エンボステープにおける半導体デバイスの挿抜作業をクリーンルーム等で行わなければならず、煩雑な工程を要する。
【0011】
また、特許文献2に於いて提案されている電子部品をテーピング包装する方法では、粘着テープを用いて電子部品が固定されるため、電子部品を収納する容器の構造が複雑になる。更に、粘着テープは、巻き替えが必要とされ、再利用性は低い。
【0012】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、電子部品をゴミ或いは塵埃から保護し、再利用可能なキャリアテープを用いた電子部品収容装置及び電子部品収容装置における電子部品の挿抜方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一観点によれば、密閉構造を有し、テープを使用して電子部品を収容する電子部品収容装置において、前記テープは、前記電子部品を弾性保持可能なテープであり、当該電子部品収容装置の内部において走行され、前記電子部品を前記テープに挿抜するために前記テープの上方に設けられ、当該電子部品収容装置を開放する開口部が当該電子部品収容装置の上面に位置づけられた挿抜開口部と、前記テープの走行方向と略直交する方向に前記テープを押し広げるテープ押し広げ機構とを当該電子部品収容装置の内部に備えたことを特徴とする電子部品収容装置が提供される。
【0014】
本発明の別の観点によれば、密閉構造を有し、テープを使用して電子部品を収容する電子部品収容装置における電子部品の挿抜方法であって、前記テープは、前記電子部品を弾性保持可能なテープであり、前記電子部品収容装置の内部において走行され、前記テープの所定の部分が、前記電子部品収容装置の挿抜開口部の下方に位置した場合に前記挿抜開口部を開口する工程と、前記電子部品を前記テープに挿抜するために、前記電子部品収容装置の内部で前記テープの走行方向と略直交する方向に前記テープを押し広げる工程と、を含むことを特徴とする電子部品収容装置における電子部品の挿抜方法が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電子部品をゴミ或いは塵埃から保護し、再利用可能なキャリアテープを用いた電子部品収容装置及び電子部品収容装置における電子部品の挿抜方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
まず、本発明に係る電子部品収容装置の実施形態について説明する。なお、以下の説明にあっては、電子部品収容装置の一例として、半導体デバイスの収容装置について説明するが、本発明はこれに限られず、半導体デバイス以外の電子部品の収容装置にも勿論適用することができる。
【0018】
図4は、本発明の実施形態に係る半導体デバイス収容用収容装置(以下半導体デバイス収容装置と称する)の内部構造の概略を示す透視図である。
図5は、図4に示す半導体デバイス収容装置を矢印A方向から見た断面を示し、図6は、図4に示す半導体デバイス収容装置を矢印B方向から見たときの透視図を示す。
なお、説明の便宜上、後述するキャリアテープの詳細構造、挿抜用開口部における開閉機構、及びキャリアテープを押し広げる機構については、図4乃至図6における図示及び説明を省略する。
【0019】
図4乃至図6を参照するに、略直方体形状を有する半導体デバイス収容装置10は、密閉構造を有し、後述する半導体デバイスを挿抜可能に載置することができるキャリアテープ11、第1リール13及び第2リール15、半導体デバイス収容装置10の外部からキャリアテープ11に半導体デバイスを挿入又はキャリアテープ11から半導体デバイス収容装置10の外部へ半導体デバイスを抜き出すための挿抜用開口部17等を内部に備える。
【0020】
図4において、矢印Cで示す方向にキャリアテープ11が走行する場合には、第1リール13がキャリアテープ11の供給リールに相当し、第2リール15がキャリアテープ11の巻取リールに相当する。矢印Cで示す方向と反対の方向にキャリアテープ11が走行する場合には、第2リール15がキャリアテープ11の供給リールに相当し、第1リール13がキャリアテープ11の巻取リールに相当する。尚、図4乃至図6に示す例では、1本のキャリアテープ11、1つの第1リール13及び第2リール15が半導体デバイス収容装置10に設けられているが、本発明はこれに限られない。複数本のキャリアテープ11、並びにキャリアテープのそれぞれに対応する複数の第1リール13及び第2リール15が、1つの半導体デバイス収容装置10内に設けられてもよい。
【0021】
また、半導体デバイス収容装置10の内部には、第1リール13及び第2リール15との間においてキャリアテープ11の走行方向を略90度変えるための大ローラ12−1及び12−2が設けられ、大ローラ12−1及び12−2間に、小ローラ対14−1及び14−2がキャリアテープ11を挟持するように設けられ、キャリアテープ11は一定のピッチで送られる。
【0022】
第1リール13、第2リール15、大ローラ12−1及び12−2、小ローラ対14−1及び14−2は、例えば、金属、PC(ポリカーボネート)樹脂、PPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂、或いはPSU(ポリスルホン)樹脂 から成り耐熱性を有する。
【0023】
尚、キャリアテープ11の走行にあっては、スプロケットを用いても良い。即ち、キャリアテープ11を挟持するようにキャリアテープ11の上下、又はキャリアテープ11の左又は右の何れかにスプロケットを設け、キャリアテープ11に形成された孔部に、スプロケットのピンを挿入し、スプロケットを回動させることにより、キャリアテープ11を一定のピッチで送るこことしてもよい。スプロケットの材質としては、金属或いは樹脂が選択される。
【0024】
また、挿抜用開口部17と対向するように、後述するキャリアテープ押し広げ機構部19が、キャリアテープ11の両側端部近傍において、キャリアテープ11を挟むように設けられている。
【0025】
更に、キャリアテープ11及び挿抜用開口部17の下方には、第1のセンサ20が設けられ、キャリアテープ11中に半導体デバイスが収容されているか否かを検出し、後述する挿抜用開口部17の開閉のタイミングを図ることができる。
【0026】
図4に示すように、半導体デバイス収容装置10の上面であって挿抜用開口部17の近傍には、透明な窓部22が配設されており、半導体デバイス収容装置10の外部からキャリアテープ11中に半導体デバイスの収容状態を目視で確認することができる。
また、半導体デバイス収容装置10の上面であって窓部22の近傍には、第2のセンサ21が載置されている。第2のセンサ21により、透明な窓部22を介して、キャリアテープ11中に半導体デバイスが収容されているか否かを検出することができ、更に、挿抜用開口部17の開閉のタイミングを図ることができる。
【0027】
また、半導体デバイス収容装置10を矢印B方向から見たときの面の下部には、半導体デバイス収容装置10の内部にガスを充填するためのガス流入口24が設けられている。上述のように、半導体デバイス収容装置10は密閉構造を有するが、半導体デバイス収容装置10の使用中常にガス流入口24からガスを充填し続け、半導体デバイス収容装置10の内部を1気圧(絶対圧)以上に保つことにより、後述する挿抜用開口部17の開閉動作を行っても、半導体デバイス収容装置10の外部からゴミ或いは塵埃の侵入を防止することができる。使用するガスとして、窒素或いはヘリウム等の不活性ガスを用いることにより、容易に所望のクリーン環境を得ることができ、キャリアテープ11に挿入された半導体デバイスの電極部等の酸化及び/或いは変色を防止することができる。
【0028】
更に、半導体デバイス収容装置10を矢印B方向から見たときの面には、溝形成部16−1、16−2が形成されている。溝形成部16−1、16−2により、半導体デバイス収容装置10を他の設備に容易に取り付けることができる。
【0029】
次に、上述の半導体デバイス収容装置10の内部に備えられ、半導体デバイスを挿抜可能なキャリアテープ11の構造について図7及び図8を参照して説明する。図7はキャリアテープ11の外観を示し、図8は当該キャリアテープ11の断面を示す。
【0030】
キャリアテープ11として、例えば所謂エンボステープを用いることができる。キャリアテープ11は、例えば、耐熱性を備えたPC(ポリカーボネート)樹脂、PPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂等の耐熱性を備えた樹脂から成る。
【0031】
図7を参照するに、キャリアテープ11は、半導体デバイス36が収容される複数個の素子収容部38と、当該素子収容部38の両側縁から上方に延出している側壁40−1、40−2と、開口部46を有する頂部壁41−1、41−2とを具備する。頂部壁41−1、41−2は、側壁40−1、40−2の頂部から外方に曲がり、且つ素子収容部38と平行に当該テープの長さ方向に延在している。頂部壁41−1、41−2の夫々には、当該キャリアテープ11を後述するピン等によって移動させ(送る)、また当該キャリアテープ11を横方向(移動方向とはほぼ直角の方向)に弾性的に押し広げる為の孔42が一直線状に配設されている。更に、半導体デバイス36を収容する素子収容部38の相互間には、突起44が一定のピッチで突出して配設されている。
【0032】
図8を参照するに、素子収容部38は略平坦であり、側壁40−1、40−2は底壁38から上方に離れる程それらの間隔を狭められるよう傾斜している。従って、側壁40−1、40−2が素子収容部38に結合される部位における側壁40−1、40−2間の距離L1は、素子収容部38よりも上方の位置における側壁40−1、40−2間の距離よりも大きい。側壁40−1、40−2の頂部における側壁40−1、40−2間の距離がL2で示されている。また、素子収容部38よりも上方の位置における側壁40−1、40−2間の距離は、収容すべき半導体デバイス36の寸法L3よりも小さい。
【0033】
従って、半導体デバイス36を、例えば吸着ヘッド48を使用してキャリアテープ11に収容する際には、側壁40−1、40−2を矢印D、Eで示す方向に弾性的に押し広げ、半導体デバイス36を頂部壁41−1、41−2の開口部46の上方から挿入し、素子収容部38に載置する。
【0034】
半導体デバイス36が底壁18に載置されると、側壁40−1、40−2は元の位置に弾性的に戻される。この結果、側壁40−1、40−2は半導体デバイス36の一部を覆う如くして半導体デバイス36に接触し、当該半導体デバイス36はキャリアテープ11内に弾性的に保持される。
【0035】
なお、図7に示す例にあっては、側壁40−1、40−2と突起44とにより形成される素子収容部38は、キャリアテープ11の長さ方向に一列に配設されている。
しかしながら、本発明はこれに限られない。素子収容部38が、キャリアテープ11の幅方向に複数列形成されてもよい。
【0036】
次に、挿抜用開口部17における開閉機構について図9乃至図18を参照して説明する。
【0037】
図9は、前記図4に示す半導体デバイス収容装置10において、点線Fで示す部分の第1の構成例を示す。
【0038】
図4及び図9を参照するに、半導体デバイス収容装置10の内部において、キャリアテープ11の上方に挿抜用開口部17が配設されている。
【0039】
図9に示すように、挿抜用開口部17の上面の開口部50は、半導体デバイス収容装置10の上面に位置づけられ、開口部50が開くことにより、半導体デバイス収容装置10は開放される。開口部50の内縁部には、矢印G(H)で示す方向に溝部51が形成されている。また、溝部51に沿って矢印G(H)で示す方向に摺動可能に、第1ドア52が設けられている。第1ドア52は例えば、金属、PC(ポリカーボネート)樹脂、PPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂、或いはPSU(ポリスルホン)樹脂から成り、耐熱性を有する。当該第1ドア52の内部には巻きバネ53が配設され、また当該第1ドア52は半導体デバイス収容装置10の内部に設けられたエアシリンダ54に接続されている。
【0040】
図9では、第1ドア52が挿抜用開口部17の開口部50から矢印Gで示す方向に摺動した状態が示されている。即ち、巻きバネ53のバネ力により第1ドア52を開口部50に位置させて挿抜用開口部17を閉じた状態で、エアシリンダ54を作動させ、同一平面上において第1ドア52を開口部50から矢印Gで示す方向に摺動させることにより、挿抜用開口部17を開いた状態にすることができる。なお、挿抜用開口部17を閉じた状態にするためには、第1ドア52を矢印Hで示す方向に摺動せしめ、開口部50に位置付ければよい。
【0041】
このように、本実施形態では、第1ドア52により、挿抜用開口部17の開閉動作が行われ、半導体デバイス収容装置10の内部に設けられたキャリアテープ11の素子収容部38における半導体デバイス36の挿抜操作が行われる。かかる挿抜操作を行う際には、挿抜用開口部17の開口部50のみを開ければよく、半導体デバイス収容装置10の気密性を確保することができる。
【0042】
また、第1ドア52は、水平方向(図9において矢印G(H)で示す方向)に摺動する。従って、例えば、第1ドア52を回動させて挿抜用開口部17の開閉動作を行う場合に比して、挿抜用開口部17の面積を小さくすることができ、半導体デバイス収容装置10の小型化、機密性の維持を図ることができる。挿抜用開口部17は、図9に示す構成に限られず、図10乃至図14に示す構成であってもよい。
【0043】
図10は、図4に示す半導体デバイス収容装置10において点線Fで示す部分の第2の例の拡大詳細図である。図11は、図10に示す第1絞り機構体60の平面図(その1)であり挿抜用開口部17が開いた状態を示し、図12は、図10に示す第1絞り機構体60の平面図(その2)であり挿抜用開口部17が閉じた状態を示す。図13は、図10に示す挿抜用開口部17を矢印K方向から見たときの斜視図である。
【0044】
図10に示す例では、図9に示した第1ドア52の代わりに、第1絞り機構体60が設けられている。第1絞り機構体60の上面は半導体デバイス収容装置10の上面に位置づけられており、第1絞り機構体60が開くことにより、半導体デバイス収容装置10は開放される。第1絞り機構体60は、例えば、金属、PC(ポリカーボネート)樹脂、PPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂、或いはPSU(ポリスルホン)樹脂からなり耐熱性を有する。
【0045】
図11及び図12を参照するに、第1絞り機構体60は、円形のベース61と、ベース61に対して回動自在に設けられた複数(本例では、7枚)の絞り羽根63と、複数の絞り羽根63を回動するための回動部材70等を有する。
【0046】
絞り羽根63は、それぞれ略菱形の形状を有し、一端部に植設された支持ピン65と、支持ピン65から所定の距離だけ離れた位置に植設された係合ピン67を備え、全て同一のものとして略同一平面上に形成されている。絞り羽根63は、夫々の支持ピン65がベース61の支持孔(図示を省略)に挿入されてベース61に対して回動自在に支持されている。夫々の係合ピン67が回動リング62に形成されたカム溝64に挿入されて、カム溝64に沿って案内される。
【0047】
図11に示すように、複数の絞り羽根63は、それぞれの一部が重なり合った状態で全体として環状になるように位置し、開口部66を開放した全開の状態となる。
一方、図11に示す状態から、回動部材70を図10乃至図13に示す矢印Jで示す方向に回動し回動リング62も同方向に回動すると、係合ピン67がカム溝64を移動する。そうすると、絞り羽根63は、図10、図11及び図13に示す矢印Jで示す方向と逆の方向に、略同一平面上において回動し開口部66を絞って閉じた状態となる。再度開口部66を開放した全開の状態にするためには、回動部材70を図10乃至図13に示す矢印Jで示す方向と逆方向に回動すればよい。
【0048】
また、図13を参照するに、回動部材70は、挿抜用開口部17の側面に形成された回動部材用溝部71から延出して設けられ、半導体デバイス収容装置10の外部において手動等により操作することが可能である。
【0049】
このように、本例では、第1絞り機構体60により、挿抜用開口部17の開閉動作が行われ、半導体デバイス収容装置10の内部に設けられたキャリアテープ11における半導体デバイス36(図7等参照)の挿抜操作が行われる。半導体デバイス収容装置10の内部に収容されたキャリアテープ11に対し、半導体デバイス36の挿抜操作を行う場合に、第1絞り機構体60のみを開ければよく、当該半導体デバイス収容装置10の気密性を維持・確保することができる。
【0050】
また、第1絞り機構体60の絞り羽根63を同一平面上において回動させている。従って、第1ドア52(図9参照)を図9における矢印G(H)で示す方向と垂直な方向に位置するように回動させて挿抜用開口部17の開閉動作を行う場合に比して、挿抜用開口部17を小さくすることができ、半導体デバイス収容装置10の小型化を図ることができる。
【0051】
なお、本例では、絞り羽根63を回動させる手法として、回動部材70を半導体デバイス収容装置10の外部において手動等により操作することとしているが、本発明はかかる構造に限られない。例えば、半導体デバイス収容装置10の外部から力を作用させ、これを半導体デバイス収容装置10の内部において機械的に転換して絞り羽根63を回動させる構造としてもよい。
【0052】
尚、図4乃至図6及び図9乃至図13に示す実施例では、挿抜用開口部17の上面の開口部50に、一つのドア52又は絞り機構体60が設けられている。しかしながら、本発明はこれらの構造に限定されず、複数のドア又は複数の絞り機構が設けられてもよい。
【0053】
図14は、図4に示す半導体デバイス収容デバイス装置10に於ける挿抜用開口部17とは異なる構造を有する挿抜用開口部を備えた半導体デバイス収容装置の内部構造の概略を示す。また、図15は、図14に示す半導体デバイス収容装置を矢印A方向から見たときの断面を示し、図16は、図14に示す半導体デバイス収容装置を矢印B方向から見たときの透視図を示す。図14乃至図16においては、前記図4乃至図6に図示した箇所と同一の箇所には、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0054】
図14乃至図16を参照するに、略直方体形状を有する半導体デバイス収容装置100は、前記半導体デバイス収容装置10と同様に密閉構造を有し、当該半導体デバイス収容装置100の外部からキャリアテープ11の素子収容部38への半導体デバイスの挿入、或いは当該素子収容部38からの半導体デバイスの取り出しのための挿抜用開口部77が設けられている。
【0055】
挿抜用開口部77は、その上面が半導体デバイス収容装置10の上部外面に位置付けられ、挿抜用開口部77の下面は、キャリアテープ11の上方に僅かに隙間を有して位置付けられて配設されている。
【0056】
図17は、前記図14に示す半導体デバイス収容装置100に於いて、点線Lで囲まれた挿抜用開口部77部分の第1の構成を示す。図17を参照するに、挿抜用開口部77の上部に配設された開口50の内縁部には、矢印G(H)で示す方向に溝51が形成され、当該溝51に沿って矢印G(H)で示す方向に摺動可能に第1ドア52が配設されている。
第1ドア52の内部には巻きバネ53が配設され、また当該第1ドア52は半導体デバイス収容装置10の内部に設けられたエアシリンダ54に接続されている。
【0057】
また、挿抜用開口77の下部に配設された開口55の内縁部には、矢印G(H)で示す方向に溝56が形成され、当該溝56に沿って矢印G(H)で示す方向に摺動可能に、第1ドア52と同様の材料から形成された第2ドア57が配設されている。当該第2ドア57の内部には巻きバネ58が配設され、また当該第2ドア57は半導体デバイス収容装置10の内部に設けられたエアシリンダ59に接続されている。
【0058】
図17にあっては、前記第1ドア52が開口部50から、また、第2ドア57が開口部55から、矢印Gで示す方向にそれぞれ摺動した状態が示されている。即ち、巻きバネ53のバネ力により第1ドア52が開口部50に位置させて挿抜用開口部77を閉じた状態でエアシリンダ54を作動させ、同一平面上において第1ドア52を開口部50から矢印Gで示す方向に摺動させ、且つ巻きバネ58のバネ力で第2ドア57が開口部55に位置させて挿抜用開口部77を閉じた状態でエアシリンダ59を作動させ、第2ドア57を開口部50から矢印Gで示す方向に摺動させることにより、挿抜用開口部77を開いた状態とすることができる。そして、当該挿抜用開口部77を閉じる際には、第1ドア52及び第2ドア57を矢印Hで示す方向に摺動して、開口部50及び開口部55に位置せしめる。
【0059】
かかる挿抜用開口部77の構造は、図18に示す構造であってもよい。図18は、前記図14に示す半導体デバイス収容装置100の点線Lで囲まれた部分の第2の構成を示す。図18を参照するに、挿抜用開口部77の上部には、第1絞り機構体60が配設され、挿抜用開口部77の下部には、第1絞り機構体60と同様の材料からなる第2絞り機構体80が配設されている。当該第1絞り機構体60及び第2絞り機構体80を用いて挿抜用開口部77の開閉動作を行うことができる。
【0060】
図17、図18に示すように、キャリアテープ11の上方に隙間を有して配設されている挿抜用開口部77の下面に第2ドア57(図17参照)又は第2絞り機構体80(図18参照)が設けられている。そして、吸着治具を利用して、キャリアテープ11の素子収容部38から半導体デバイスをから取り出す際に、半導体デバイスを吸着治具によりキャリアテープ11から吸い上げた後、挿抜用開口部77の下面に設けられた第2ドア57又は第2絞り機構体80を閉じ、吸着治具を更に上昇させて半導体デバイスを半導体デバイス収容装置100から取り出した後に、挿抜用開口部77の上面に設けられた第1ドア52(図17参照)又は第1絞り機構体60(図18参照)を閉じる。
【0061】
従って、前記図9又は図10に示す例のように、挿抜用開口部77の上面にのみドア52又は絞り機構体60を設けた場合に比し、挿抜用開口部77を開閉させた際の半導体デバイス収容装置100の内部の圧力の低下を抑制することができ、また、ガス流入口14から充填されるガスの消費量を低減することができる。
従って、半導体デバイス収容装置100内部の機密性を確保することができる。
【0062】
また、図17に示す例では、第1ドア52及び第2ドア57を水平方向に摺動させている。図18に示す例では、第1絞り機構体60及び第2絞り機構体80の絞り羽根63を同一平面上において回動させている。従って、図9又は図10に示す例の場合と同様に、例えば、第1ドア52(図9参照)又は第2ドア57を図17における矢印G(H)で示す方向と垂直な方向に位置するように回動させて挿抜用開口部77の開閉動作を行う場合よりも、挿抜用開口部77の大きさを小とすることができ、半導体デバイス収容装置100の小型化を図ることができる。
【0063】
ところで、キャリアテープ11を介して挿抜用開口部17(77)と対向するように設けられているキャリアテープ押し広げ機構部19の下方には、第1のセンサ20が配設され、また半導体デバイス収容装置10(100)の上面であって挿抜用開口部17(77)の近傍に設けられた透明な窓部22の近傍には第2のセンサ21が配設されている。
第1のセンサ20、第2のセンサ21、窓部22は、夫々検出部として機能する。
【0064】
従って、これらの検出部により、キャリアテープ11の素子収容部38に於ける半導体デバイスの収容の有無を検出することができ、更に、挿抜用開口部17(77)における開閉のタイミングを検出することができる。
【0065】
よって、半導体デバイスをキャリアテープ11の素子収容部38から取り出す際に、半導体デバイスの取出し操作ミスなのか、半導体デバイスがキャリアテープ11の素子収容部に収容されていないのかとの判断を容易に行うことができ、半導体デバイスの取り出し工程の作業性を向上させることができる。
【0066】
次に、キャリアテープ11を押し広げる機構について図19乃至図30を参照して説明する。図8を参照して説明した如く、半導体デバイス36を、キャリアテープ11の素子収容部38に対して挿抜するには、側壁40−1、40−2を、矢印D、Eで示す方向に弾性的に押し広げることを要する。
【0067】
図19、図20は、キャリアテープ押し広げ機構部19の第1の例の詳細構造を示す。図19及び図20に示す構成にあっては、キャリアテープ11の押し広げ機構として、針状のピン90を備えた複数の治具95及び当該治具の移動部材としてのエアシリンダ93が用いられている。当該複数の治具95は、キャリアテープ11をその幅方向に拡大する事が可能なように互いに対向して配設され、キャリアテープ11の走行する方向と略直角の方向に移動可能とされている。当該治具95は、金属、PC(ポリカーボネート)樹脂、PPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂、或いはPSU(ポリスルホン)樹脂から形成され耐熱性を有しており、その上面にはピン90が上下動可能に植立されている。
【0068】
当該ピン90が上昇して、キャリアテープ11の孔部42に挿入され、当該キャリアテープ11の上面に突き出る。かかる状態に於いて、エアシリンダ93により治具95を矢印Nで示す方向に移動することにより、キャリアテープ11は弾性的に矢印Nで示す方向に押し広げられ、キャリアテープ11の素子収容部38に対して半導体デバイスを挿抜することが可能となる。
【0069】
なお、図19及び図20に示す例では、ピン90を備えたジグ95をエアシリンダ93により矢印Nで示す方向に移動しているが、本発明に於いてはこれに限定されず、例えば図21に示す構成としても良い。
【0070】
図21に示す第1の変形例でにあっては、キャリアテープ押し広げ機構部に於ける前記治具95の移動手段として電磁石94が適用される。当該電磁石94の磁力により、ピン90を備えた治具95の下部が矢印Qで示す方向に吸引され、治具95は傾斜する。
その結果、ピン90は、図21に示す矢印Pで示す方向に移動し、キャリアテープ11は弾性的に矢印Nで示す方向に押し広げられて、キャリアテープ11の素子収容部38に対して半導体デバイスを挿抜することが可能となる。
【0071】
当該キャリアテープ11の押し広げ状態は、図20に示す例ではエアシリンダ93の動作を、図21に示す例では電磁石94の動作を解除することにより解くことができ、キャリアテープ11の側壁40−1、40−2は元の位置に弾性的に復帰する。
【0072】
次に、図4、図14に示す半導体デバイス収容装置に於けるキャリアテープ押し広げ機構部19の第2の例について説明する。図22は、当該キャリアテープ押し広げ機構部19の第2の例を含む半導体デバイス収容装置の構造を示し、図23は当該キャリアテープ押し広げ機構部の第2の例19の構成を示す。なお、図22に於いて、前記図4の半導体デバイス収容装置10に設けられている第1のセンサ20、第2のセンサ21、窓部22及びガス流入口24の図示及びその説明を省略すると共に、図4に示す部位と同一部位については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0073】
図22を参照するに、半導体デバイス収容装置150に於いて、キャリアテープ押し広げ機構部として、スプロケット体160が用いられている。
スプロケット体160は、金属、PC(ポリカーボネート)樹脂、PPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂、或いはPSU(ポリスルホン)樹脂から形成され耐熱性を有する。
【0074】
図23を参照するに、スプロケット体160は、円盤状のスプロケット161及び162が回転軸163によって接続されて構成されている。スプロケット161及び162それぞれの外周面には、複数個のピン164が等間隔に配設されている。
当該ピン164は、キャリアテープ11に形成された孔部42に挿入され、キャリアテープ11の下方から上面に突き出ている。
【0075】
また、半導体デバイス収容装置150の外側面であって、スプロケット161及び162の下部に相当する部分には、スプロケット移動部材として偏心契機部170がスプロケット体160を介して互いに対向して配設されている。図23に於いて矢印Sで示すように、偏心契機部170を半導体デバイス収容装置150の外部から押圧することにより、押圧がスプロケット161及び162の下部に伝わり、図23において点線で示すように、当該スプロケット161及び162は傾斜する。その結果、キャリアテープに形成された孔部42から上方に突き出ているピン164は、矢印Rで示す方向に移動し、キャリアテープ11は矢印Rで示す方向に押し広げられ、キャリアテープ11に対し半導体デバイスを挿抜することが可能となる。
【0076】
前記偏心契機部170に代えて、図24に示すように、スプロケット161及び162を傾ける所望の角度のテーパー部を備え、スプロケット161及び162間に配設された移動体175を、スプロケット移動部材として用いてもよい。
【0077】
図24を参照するに、スプロケット161,162はその内側面にテーパー部が設けられており、一方、テーパー状移動部材175は、回動部材176の一端に接続されている。
当該回動部材176は、軸177を介して半導体デバイス収容装置150の外側に延出されており、当該回動部材176他端に対して矢印Tで示す方向に力を加えることにより、軸177を中心として矢印Uで示す方向に回動する。一方、スプロケット161,162の外側面には方向Sの外力を印加する。かかる動作により、移動体175のテーパー部は、スプロケット161及び162のテーパー部に当接しつつ下降する。この為、軸163を中心として、当該スプロケット161,162の上部は外側に傾斜する。その結果、キャリアテープ11に形成された孔部42から上方に突き出ているピン164は、矢印Rで示す方向に移動し、キャリアテープ11は矢印Rで示す方向に押し広げられ、当該キャリアテープ11の素子収容部38に対して半導体デバイスを挿抜することが可能となる。
【0078】
尚、キャリアテープ11を押し広げた状態は、図23に示す例では偏心契機部170を外部からの押圧を除き、また図24に示す例では回動部材176を矢印Tで示す方向と反対の方向に操作することにより解除することができ、側壁40−1、40−2は元の位置に弾性的に復帰する。
【0079】
また、図24に示す移動体175を用いた構造に代えて、図25或いは図26に示す構造としてもよい。図25は、キャリアテープ押し広げ機構部の第2の変形例を示し、図26は第3の変形例を示す。
【0080】
図25に示す例にあっては、スプロケット移動用部材として電磁石94が用いられる。電磁石94を作動させることにより、スプロケット161及び162の下部が矢印Qで示す方向に当該電磁石94に吸引され、当該スプロケットは傾斜する。その結果、キャリアテープ11に形成された孔部42から上方に突き出ているピン164は矢印Nで示す方向に移動し、キャリアテープ11は矢印Nで示す方向に押し広げられて、半導体デバイスをキャリアテープ11の素子収容部38に対して挿抜することが可能となる。
【0081】
また、図26に示す例にあっては、エアシリンダ93がスプロケット移動部材として用いられている。エアシリンダ93によりピン164を備えたスプロケット161及び162を矢印Nで示す方向に移動し、キャリアテープ11は矢印Nで示す方向に押し広げる。これにより、当該キャリアテープ11の素子収容部38に対して半導体デバイスを挿抜することが可能となる。
【0082】
なお、キャリアテープ11の押し広げ状態は、図25に示す例では電磁石94の動作を、図26に示す例ではエアシリンダ93の動作を停止することにより解除することができ、これにより側壁40−1、40−2は元の位置に弾性的に復帰する。
【0083】
また、図22乃至図26に示す夫々の構造では、スプロケット161及び162を傾けることにより、キャリアテープ11を弾性的に矢印Nで示す方向に押し広げているが、本発明はかかる構成に限られない。
【0084】
図27は、キャリアテープ11の第1の変形例に係るキャリアテープ110を示し、図28は、当該キャリアテープ110をスプロケット体により押し広げる状態を示す。図27を参照するに、当該キャリアテープ110に於いて、半導体デバイス間分離用突起44に挟まれた素子収容部38の横に位置する頂部壁41−1、41−2にあっては、孔部42Aが素子収容部38側に近接して配設されており、半導体デバイス間分離用突起44が設けられた部分に対応する頂部壁41−1、41−2に於ける孔部42は当該頂部壁41−1、41−2の略中央部に配設されている。
【0085】
かかる構成を有するキャリアテープ110は、図28に示すようにスプロケット161及び162上を移動する際に、スプロケット161及び162のピン164は、半導体デバイス36収容部に対応して形成された孔部42Aに下方から挿入される。そして当該スプロケット161及び162の外側への傾斜或いは移動により、キャリアテープ110は矢印Nで示す方向に効果的に押し広げられ、当該キャリアテープ11の素子収容部38に対して半導体デバイスを挿抜することが可能となる。
【0086】
なお、キャリアテープ110の押し広げ状態は、半導体デバイス間分離用突起44が設けられた部分に対応する頂部壁41−1、41−2に設けられた孔部42がスプロケット161及び162の上を通過する際に開放され、側壁40−1、40−2は元の位置に弾性的に復帰する。
【0087】
かかる構成にあっては、前記孔部42がチャリアテープ110の長さ方向に平行に、2列配設される。この為、前記スプロケット161及び162それぞれに配設されるピン164は、2列の孔部が共通する位置(幅方向に重なる位置)に対応して配設され、当該ピン164が孔部42Aに挿通された際には当該孔部42Aを介してキャリアテープ110の頂壁部41−1,41−2を横方向に押し広げ、素子収容部38に対して半導体デバイスを挿抜することを可能とする。
【0088】
ピン164が、半導体デバイス間分離用突起44の設けられた部分に対応して設けられた孔部42に挿通された際には、当該孔部42が孔部42Aよりも外側に位置することから押し広げ状態は開放さる。
【0089】
尚、図示されていないが、被収容半導体デバイスが大型である場合には、かかる孔部42を当該キャリアテープの長さ方向に正弦波状に連続して配置し、スプロケット161及び162それぞれに配設されるピン164を当該孔部42に対応させることにより、当該キャリアテープ上面の開閉動作を速やかに行うことができる。
【0090】
即ち、孔部42を、当該キャリアテープの素子収容部38の側部にあっては、当該素子収容部に近接して配置し、当該素子収容部38と半導体デバイス間分離用突起44との間では漸次遠ざけるように配置する。かかる構成により、キャリアテープ上面の開閉動作を連続して且つ速やかに行うことができる。
【0091】
更に、キャリアテープを押し広げるための構成として、図29、図30に示す構造としてもよい。図29は、前記キャリアテープ11の第2の変形例に係るキャリアテープ200の外観を示し、図30は、当該キャリアテープの幅を押し広げる構成を示す。
【0092】
図29を参照するに、キャリアテープ200にあっては、頂部壁41−1、41−2の端部が延出して、側壁40−1、40−2に向かって円弧を形成するように曲げられ、レール受け部205が形成されている。
【0093】
そして、当該キャリアテープ200のレール受け部205には、図30に示されるように、針金等の棒状金属からなる2本のレール210が挿通される。当該2本のレール210には、直線部210−1と、外側に湾曲する湾曲部210−2が配設されている。そして当該レール210は、半導体デバイス収容装置10に於いて大ローラ12−1と12−2との間、或いは第1ローラ対14−1と第2ローラ対14−2との間に配設され、湾曲部210−2が、挿抜用開口部17の略下方に位置される。
【0094】
かかる構成にあっては、キャリアテープ200が図30に矢印Wで示す方向に進行すると、当該キャリアテープ200はレール210の湾曲部210−2を通過する際に矢印Nで示す方向に押し広げられ、当該キャリアテープ200の素子収容部38に半導体デバイスを挿抜することが可能となる。
【0095】
なお、キャリアテープ200の押し広げ状態は、押し広げられたキャリアテープ200の部分が、レール210の直線部210−1を通る際に解くことができ、側壁40−1、40−2は元の位置に弾性的に復帰する。
【0096】
このように、図19乃至図30に示す例にあっては、半導体デバイスを収容・保持可能なキャリアテープを簡易に押し広げる機構を、気密構造を有する半導体デバイス収容装置の内部に設けている。従って、ゴミ或いは塵埃等の半導体デバイスへの付着を回避しつつ、キャリアテープの素子収容部への半導体デバイスの挿抜操作を容易に行うことができる。
【0097】
次に、上述の構造を備えた半導体デバイス収容装置において半導体デバイスをキャリアテープの素子収容部に収容する方法について説明する。
【0098】
以下の説明では、前記図4に示したように、第1リール13をキャリアテープ11の供給リールに、第2リール15をキャリアテープ11の巻取リールとして用い、キャリアテープ11を矢印Cで示す方向に走行させる状態を一例として説明する。
【0099】
ガス流入口24からガスが充填されている半導体デバイス収容装置10の内部において、キャリアテープ11を走行させる。半導体デバイス36が収容・載置されるべき所定のキャリアテープ11の素子収容部38(図7参照)が、挿抜用開口部17の下方に位置すると、キャリアテープ11の下方に設けられた第1のセンサ20及び/又は半導体デバイス収容装置10の上面であって窓部22の近傍に載置された第2のセンサ21により、キャリアテープ1中に半導体デバイスが既に収容されているか否かが検出される。
【0100】
キャリアテープ11の素子収容部38に半導体デバイス36が収容されていないこが確認されると、図9に示す構造にあっては、エアシリンダ54を作動させ、同一平面上において第1ドア52を開口部50から矢印Gで示す方向に摺動させて、挿抜用開口部17を開いた状態とする。一方、図10に示す構造にあっては、第1絞り機構体60を開ける動作を行い、挿抜用開口部17を開いた状態とする。
【0101】
また図17に示す構造にあっては、挿抜用開口部77の上面に設けられた第1ドア52を開き、更に挿抜用開口部77の下面に設けられた第2ドア57を開いて、挿抜用開口部77を開いた状態とする。また図18に示す構造にあっては、挿抜用開口部77の上面に設けられた第1絞り機構体60を開き、更に挿抜用開口部77の下面に設けられた第2絞り機構体80を開いて、挿抜用開口部77を開いた状態にする。この時、同時に、キャリアテープの押し広げ機構を動作させる。
【0102】
図20に示す例にあっては、キャリアテープ11の下方から上面にピン90を突き出し、エアシリンダ93によりピン90を備えたジグ95を矢印Nで示す方向に移動する。また、図21に示す例にあっては、電磁石94を作動させ、ピン90を備えたジグ95の下部を矢印Qで示す方向に吸引してジグ95を傾斜させ、ピン90を矢印Pで示す方向即ち外側に移動せしめる。
【0103】
一方、図23に示す例にあっては、矢印Sで示すように偏心契機部170を半導体デバイス収容装置150の外部から加圧して、スプロケット161及び162を傾斜(偏心)させ、キャリアテープ11に形成された孔部42から上方に突き出ているピン164を、矢印Rで示す方向に移動せしめる。
【0104】
また、図24に示す例にあっては、スプロケット161、162に外力Sを印加しつつ、回動部材176を軸部177を介して矢印Tの方向に回動させ、移動体175を矢印Uの方向に、スプロケット161、162の内側テーパー面に沿って移動せしめる。かかる動作により当該スプロケット161、162の上部は外側に傾斜し、キャリアテープ11に形成された孔部42から上方に突き出ているピン164は矢印Rで示す方向に移動する。
更に、図25に示す例にあっては、電磁石94を作動させ、磁力により、スプロケット161及び162の下部が矢印Qで示す方向に電磁石94に吸着して傾斜させる。その結果、キャリアテープ11に形成された孔部42から上方に突き出ているピン164は、図25に示す矢印Nで示す方向に移動する。そして、図26に示す例にあっては、エアシリンダ93によりピン164を備えたスプロケット161及び162を、矢印Nで示す方向に移動する。
【0105】
この様なキャリアテープの開放処理により、キャリアテープ11は弾性的に矢印N(図19等参照)で示す方向に押し広げられて、半導体デバイス36を当該キャリアテープ11の素子収容部38に収容することが可能となる。
【0106】
なお、図27乃至図30に示す例にあっては、半導体デバイス36が収容されるキャリアテープ110或いは200の素子収容部38が、挿抜用開口部17の下方に位置すると、キャリアテープ110或いは200の側壁部は弾性的に矢印Nで示す方向に押し広げられ、当該キャリアテープ110又は200の素子収容部38に対して半導体デバイス36を挿入可能な状態とされる。
【0107】
かかる状態に於いて、半導体デバイス36を吸着ヘッド等によりキャリアテープ11の頂部壁41−1、41−2(図7参照)の開口部46(図7参照)から挿入し、当該半導体デバイス36をキャリアテープ11の素子収容部38に収容・載置する。
【0108】
次いで、前記側壁40−1、40−2(図7参照)を元の位置に戻し、素子収容部38に収容された半導体デバイス36を側壁40−1、40−2により保持する。
前記図20に示す例にあっては、エアシリンダ93によるジグ95の矢印Nで示す方向への移動を解除し、また図21に示す例にあっては、電磁石94の作動を解除し、ジグ95の傾斜を解き、ピン90を下げる。
【0109】
一方、前記図23に示す例にあっては、偏心契機部170を押すことを止めて、スプロケット161及び162の傾斜を解く。また、図24に示す例にあっては、移動体175を矢印Uで示す方向と反対の方向に移動させ、スプロケット161及び162の傾斜を解く。更に、前記図25に示す例にあっては、電磁石94の作動を解除し、スプロケット161及び162の傾斜を解く。そして、図26に示す例にあっては、エアシリンダ93によるスプロケット161及び162の矢印Nで示す方向への移動を解除する。
【0110】
次いで、当該半導体デバイス収容装置10の挿抜用開口部17(77)を閉じる。
前記図9に示す構造にあっては、エアシリンダ54の作動を解き、第1ドア52を開口部50から矢印Hで示す方向に摺動させて、挿抜用開口部17を閉じる。また図10に示す構造にあっては、第1絞り機構体60を閉じて、挿抜用開口部17を閉じる。
【0111】
また前記図17に示す構造にあっては、挿抜用開口部77の下面に設けられた第2ドア57を閉じ、次いで挿抜用開口部77の上面に設けられた第1ドア52を閉じる。そして、図18に示す構造にあっては、挿抜用開口部77の下面に設けられた第2絞り機構体80を閉じ、更に挿抜用開口部77の上面に設けられた第1絞り機構体60を閉じる。しかる後、キャリアテープ11を1ピッチ分、図4において矢印Cで示す方向に移動せしめ、次の半導体デバイスをキャリアテープ11の素子収容部に収容可能な状態とする。
【0112】
次に、半導体デバイスをキャリアテープに挿抜する方法について説明する。ここでは、例えば第1リール13をキャリアテープ11の供給リールに、第2リール15をキャリアテープ11の巻取リールとして用いる状態を例として説明する。即ち、当該半導体デバイス収容装置10にあっては、キャリアテープ11に半導体デバイス36を挿入・収容する場合、第1リール13に予め巻回されたキャリアテープ11を一つの方向(例えば、図4にて矢印Cで示す方向)で走行させつつ、素子収容部38に半導体デバイスの挿入を行い、且つ当該キャリアテープ11を第2リール15に巻取る。巻回されたキャリアテープ11の素子収容部から半導体デバイス36を取り出す場合には、第2リール15に巻回されたキャリアテープ11を前記一つの方向とは逆方向(例えば、図4にて矢印Cで示す方向とは逆の方向)に走行させつつ素子収容部38から半導体デバイス36を取り出し、空となったキャリアテープ11を第1リール13に巻取る。
【0113】
そして、空となった当該キャリアテープ11を、再度前記一つの方向に走行させつつ素子収容部38に半導体デバイス36を挿入する。即ち、この様な手法によれば、当該キャリアテープ11を再利用することが可能である。
【0114】
ガス流入口24からガスが充填されている半導体デバイス収容装置10の内部において、キャリアテープ11を矢印Cで示す方向と反対の方向に走行させる。取り出すべき半導体デバイス36が挿抜用開口部17の下方に位置すると、キャリアテープ11の下方に設けられた第1のセンサ20及び/又は半導体デバイス収容装置10の上面であって窓部22の近傍に載置された第2のセンサ21により、キャリアテープ1の素子収容部に半導体デバイスが収容されているか否かを検出する。半導体デバイス36が収容されていることが確認されると、挿抜用開口部17を開ける。
【0115】
同時に、キャリアテープ押し広げ機構19を動作させ、キャリアテープ11の素子収容部38に載置されている半導体デバイス36を吸着治具によりキャリアテープ11の頂部壁41−1、41−2の開口部46から取り出す(図7参照)。
【0116】
次いで、側壁40−1、40−2(図7参照)を弾性的に元の位置に戻す。
【0117】
次に、挿抜用開口部17を閉じる。図9又は図10に示す構造の場合は、半導体デバイス36をキャリアテープ11の素子収容部38に挿入する場合と同様にして、挿抜用開口部17を閉じる。
【0118】
前記図17、図18に示す構造にあっては、半導体デバイス36を吸着治具によりキャリアテープ11から摘出した後、挿抜用開口部77の下面に設けられた第2ドア57又は第2絞り機構体80を閉じ、次いで吸着治具を更に上昇させ、吸着治具により半導体デバイス36を半導体デバイス収容装置10外に取り出した後に、挿抜用開口部77の第1ドア52又は第1絞り機構体60を閉じる。
【0119】
この場合、挿抜用開口部77の上面だけに第1ドア52又は第1絞り機構体60を配設した場合に比べ半導体デバイス収容装置10の内部の機密性を確保することができ、挿抜用開口部77を開閉させる際の半導体デバイス収容装置10の内部の圧力の低下を減少させることができる。従って、半導体デバイス収容装置10の内部に充填されるガスの消費量を低減することができる。
【0120】
しかる後、キャリアテープ11を1ピッチ分、図4において矢印Cで示す方向に走行させて、次の半導体デバイスをキャリアテープ11の素子収容部38に挿入可能な状態とする。
【0121】
このように、本実施形態における半導体デバイス収容措置の内部は気密構造であるため、半導体デバイスへのゴミ或いは塵埃の付着を回避して半導体デバイスを保護できる。
【0122】
更に、半導体デバイス収容装置の内部において弾性的に半導体デバイスを保持固定可能なキャリアテープを簡易に押し広げ、半導体デバイス収容装置の挿抜用開口部を開けることにより、キャリアテープに対する半導体デバイスの挿抜操作を容易且つ効率的に行うことができる。
【0123】
また、キャリアテープに挿入された半導体デバイスは当該半導体デバイス収容装置に収容されたまま運搬可能であって輸送性に富み、よって輸送コストの増加を抑制することができる。また、キャリアテープは再利用可能である。
【0124】
そして、半導体デバイス収容装置の各構成要素は耐熱性を有するため、半導体デバイスにベーキング等の熱処理を施す場合であっても、半導体デバイスを他の収容装置に詰め替える等の工程を必要とせず、当該半導体デバイス収容装置に収容された状態で半導体デバイスに対し加熱処理を行うことができる。
【0125】
本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0126】
例えば、半導体デバイス収容装置10におけるキャリアテープ11の巻回方法は、前記図4に示す方法に限定されない。図31に示すように、第1リール13の回転方向と逆の方向に第2リール15を回転させて、キャリアテープ11において半導体デバイス36が載置されている面が、第1リール13又は第2リール15の内側を向くようにしても良い。
【0127】
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
(付記1) 密閉構造を有し、テープを使用して電子部品を収容する電子部品収容装置において、
前記テープは、前記電子部品を弾性保持可能なテープであり、当該電子部品収容装置の内部において走行され、
前記電子部品を前記テープに挿抜するために前記テープの上方に設けられ、当該電子部品収容装置を開放する開口部が当該電子部品収容装置の上面に位置づけられた挿抜開口部と、
前記テープの走行方向と略直交する方向に前記テープを押し広げるテープ押し広げ機構と、を当該電子部品収容装置の内部に備えたことを特徴とする電子部品収容装置。
(付記2) 前記挿抜開口部は、ドアを有し、
前記ドアを水平方向に摺動することにより、前記挿抜開口部の前記開口部が開閉することを特徴とする付記1記載の電子部品収容装置。
(付記3) 前記挿抜開口部は、絞り機構体を有し、
前記絞り機構体の絞り羽根を同一平面上において回動させることにより、前記挿抜開口部の前記開口部が開閉することを特徴とする付記1記載の電子部品収容装置。
(付記4) 前記挿抜開口部は、第1ドア及び第2ドアを有し、
前記第1ドアは、前記挿抜開口部の上面に位置づけられた前記開口部に設けられ、
前記第2ドアは、前記挿抜開口部の下面に設けられ、
前記第1ドア及び前記第2ドアを水平方向に摺動することにより、前記挿抜開口部が開閉することを特徴とする付記1記載の電子部品収容装置。
(付記5) 前記挿抜開口部は、第1絞り機構体及び第2絞り機構体を有し、
前記第1絞り機構体は、前記挿抜開口部の上面に位置づけられた前記開口部に設けられ、
前記第2絞り機構体は、前記挿抜開口部の下面に設けられ、
前記第1絞り機構体及び前記第2絞り機構体の絞り羽根を同一平面上に回動することにより、前記挿抜開口部が開閉することを特徴とする付記1記載の電子部品収容装置。
(付記6) 前記テープの側端部に孔部が形成され、
前記テープ押し広げ機構は、前記テープの前記孔部に挿入されるピンを備えたジグと、前記ジグを前記テープの走行方向と略直交する方向に移動させるジグ移動部材と、を備えたことを特徴とする付記1乃至付記5記載の電子部品収容装置。
(付記7) 前記ジグ移動部材は、エアシリンダであることを特徴とする付記6記載の電子部品収容装置。
(付記8) 前記ジグ移動部材は、電磁石であることを特徴とする付記6記載の電子部品収容装置。
(付記9) 前記テープの側端部に孔部が形成され、
前記テープ押し広げ機構は、前記テープの前記孔部に挿入されるピンを備えたスプロケットと、前記スプロケットを傾斜させて前記ピンを前記テープの走行方向と略直交する方向に移動させるスプロケット移動部材と、を備えたことを特徴とする付記1乃至付記5記載の電子部品収容装置。
(付記10) 前記スプロケット傾斜部材は、当該電子部品収容装置の側面に設けられた偏心契機部であって、
偏心契機部が押されると、押圧が前記スプロケットに伝達されて前記スプロケットが傾斜することを特徴とする付記9記載の電子部品収容装置。
(付記11) 前記スプロケット傾斜部材は、所定の角度のテーパー部分を有し前記スプロケットに接している移動体であって、
前記移動体が上下に移動することにより前記スプロケットが傾斜することを特徴とする付記9記載の電子部品収容装置。
(付記12) 前記スプロケット傾斜部材は、エアシリンダであることを特徴とする付記9記載の電子部品収容装置。
(付記13) 前記スプロケット傾斜部材は、電磁石であることを特徴とする付記9記載の電子部品収容装置。
(付記14) 前記テープの側端部に複数の孔部が形成され、
前記複数の孔部のうち、前記テープにおいて前記電子部品が保持される部分の横に形成される孔部は、他の孔部よりも前記テープの内側に位置づけられていることを特徴とする付記1乃至5いずれか一項記載の電子部品収容装置。
(付記15) 当該電子部品収容装置は、前記テープを走行させるためのレールを内部に更に備え、
前記レールは、前記テープの走行方向に延在している直線部と、前記走行方向の外側に湾曲している湾曲部とを有し、
前記テープの側端部は円弧を形成するように曲げられ、前記レールを受容するレール受け部を形成していることを特徴とする付記1乃至5いずれか一項記載の電子部品収容装置。
(付記16) 前記テープの、前記挿抜開口部の下に位置している部分における電子部品の有無を検出する検出部を、更に備えたことを特徴とする付記1乃至15いずれか一項記載の電子部品収容装置。
(付記17) 密閉構造を有し、テープを使用して電子部品を収容する電子部品収容装置における電子部品の挿抜方法であって、
前記テープは、前記電子部品を弾性保持可能なテープであり、前記電子部品収容装置の内部において走行され、
前記テープの所定の部分が、前記電子部品収容装置の挿抜開口部の下方に位置した場合に前記挿抜開口部を開口する工程と、
前記電子部品を前記テープに挿抜するために、前記電子部品収容装置の内部で前記テープの走行方向と略直交する方向に前記テープを押し広げる工程と、
を含むことを特徴とする電子部品収容装置における電子部品の挿抜方法。
(付記18) 前記挿抜開口部を閉口する工程を更に含み、
前記挿抜開口部を閉口する工程は、前記電子部品を前記テープから取り出した後に、前記挿抜用開口部の下面を閉じ、次いで、前記電子部品を前記電子部品収容装置から抜き出し、次いで、前記挿抜用開口部の上面を閉じる工程であることを特徴とする付記17記載の電子部品収容装置における電子部品の挿抜方法。
(付記19) 前記挿抜開口部を開口する工程は、前記テープの所定の部分が前記電子部品収容装置の挿抜開口部の下方に位置し、前記部分における前記電子部品の有無の検出に基づいて行われることを特徴とする付記17又は付記18記載の電子部品収容装置における電子部品の挿抜方法。
(付記20) 前記電子部品を前記テープに挿入する場合には、前記テープを一の方向に走行させて前記電子部品を挿入し前記テープを巻き、
巻かれた前記テープから前記電子部品を抜き出す場合には、前記テープを前記一の方向と逆の方向に走行させて前記電子部品を抜き出し当該テープを巻くことを特徴とする付記17乃至19記載の電子部品の挿抜方法。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】キャリアテープを使用した半導体デバイス収容装置の斜視図である。
【図2】図1に示すキャリアテープの断面図である。
【図3】キャリアテープに収容されている半導体デバイスを、当該キャリアテープから抜き出す工程を示す概略図である。
【図4】本発明の実施形態に係る半導体デバイス収容装置の内部構造の概略を示す透視図である。
【図5】図4に示す半導体デバイス収容装置を矢印A方向から見たときの断面図である。
【図6】図4に示す半導体デバイス収容装置を矢印B方向から見たときの透視図である。
【図7】キャリアテープの斜視図である。
【図8】キャリアテープの断面図である。
【図9】図4において点線Fで示す部分の第1の例の詳細図である。
【図10】図4において点線Fで示す部分の第2の例の詳細図である。
【図11】図10に示す第1絞り機構体の平面図(その1)であり、挿抜用開口部が開いた状態を示す。
【図12】図10に示す第1絞り機構体の平面図(その2)であり、挿抜用開口部が閉じた状態を示す。
【図13】図10に示す挿抜用開口部を矢印K方向から見たときの斜視図である。
【図14】図4に示す半導体デバイス収容装置の挿抜用開口部と異なる構造の挿抜用開口部を備えた半導体デバイス収容装置の内部構造の概略を示す透視図である。
【図15】図14に示す半導体デバイス収容装置を矢印A方向から見たときの断面図である。
【図16】図14に示す半導体デバイス収容装置を矢印B方向から見たときの透視図である。
【図17】図14において点線Lで示す部分の第1の例の詳細図である。
【図18】図14において点線Lで示す部分の第2の例の詳細図である。
【図19】キャリアテープ押し広げ機構部の第1の例の詳細構造を示す斜視図である。
【図20】キャリアテープ押し広げ機構部の第1の例の詳細構造を示す断面図である。
【図21】キャリアテープ押し広げ機構部の第1の例の変形例を示す図である。
【図22】キャリアテープ押し広げ機構部の第2の例の詳細構造を説明するための、半導体デバイス収容装置の斜視図である。
【図23】図22に示す半導体デバイス収容装置の断面図である。
【図24】キャリアテープ押し広げ機構部の第2の例の第1の変形例を示す図である。
【図25】キャリアテープ押し広げ機構部の第2の例の第2の変形例を示す図である。
【図26】キャリアテープ押し広げ機構部の第2の例の第3の変形例を示す図である。
【図27】図7に示すキャリアテープの第1の変形例に係るキャリアテープの平面図である。
【図28】図27に示すキャリアテープを押し広げる状態を示す図である。
【図29】図7に示すキャリアテープの第2の変形例に係るキャリアテープの平面図である。
【図30】図29に示すキャリアテープを押し広げる状態を示す図である。
【図31】キャリアテープの巻き方が図4に示す例と異なる半導体デバイス収容装置の内部構造の概略を示した透視図である。
【符号の説明】
【0129】
10、100 半導体デバイス収容装置
11、110、200 キャリアテープ
13、15 リール
17、77 挿抜開口部
19 テープ押し広げ機構
36 半導体デバイス
42、42A 孔部
52 第1ドア
57 第2ドア
60 第1絞り機構体
80 第2絞り機構体
93 エアシリンダ
95 ジグ
161、162 スプロケット
210 レール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉構造を有し、テープを使用して電子部品を収容する電子部品収容装置において、
前記テープは、前記電子部品を弾性保持可能なテープであり、当該電子部品収容装置の内部において走行され、
前記電子部品を前記テープに挿抜するために前記テープの上方に設けられ、当該電子部品収容装置を開放する開口部が当該電子部品収容装置の上面に位置づけられた挿抜開口部と、
前記テープの走行方向と略直交する方向に前記テープを押し広げるテープ押し広げ機構と、を当該電子部品収容装置の内部に備えたことを特徴とする電子部品収容装置。
【請求項2】
前記挿抜開口部は、ドアを有し、
前記ドアを水平方向に摺動することにより、前記挿抜開口部の前記開口部が開閉することを特徴とする請求項1記載の電子部品収容装置。
【請求項3】
前記挿抜開口部は、第1ドア及び第2ドアを有し、
前記第1ドアは、前記挿抜開口部の上面に位置づけられた前記開口部に設けられ、
前記第2ドアは、前記挿抜開口部の下面に設けられ、
前記第1ドア及び前記第2ドアを水平方向に摺動することにより、前記挿抜開口部が開閉することを特徴とする請求項1記載の電子部品収容装置。
【請求項4】
前記テープの側端部に孔部が形成され、
前記テープ押し広げ機構は、前記テープの前記孔部に挿入されるピンを備えたジグと、前記ジグを前記テープの走行方向と略直交する方向に移動させるジグ移動部材と、を備えたことを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項記載の電子部品収容装置。
【請求項5】
前記テープの側端部に孔部が形成され、
前記テープ押し広げ機構は、前記テープの前記孔部に挿入されるピンを備えたスプロケットと、前記スプロケットを傾斜させて前記ピンを前記テープの走行方向と略直交する方向に移動させるスプロケット移動部材と、を備えたことを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項記載の電子部品収容装置。
【請求項6】
前記テープの側端部に複数の孔部が形成され、
前記複数の孔部のうち、前記テープにおいて前記電子部品が保持される部分の横に形成される孔部は、他の孔部よりも前記テープの内側に位置づけられていることを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項記載の電子部品収容装置。
【請求項7】
当該電子部品収容装置は、前記テープを走行させるためのレールを内部に更に備え、
前記レールは、前記テープの走行方向に延在している直線部と、前記走行方向の外側に湾曲している湾曲部とを有し、
前記テープの側端部は円弧を形成するように曲げられ、前記レールを受容するレール受け部を形成していることを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項記載の電子部品収容装置。
【請求項8】
密閉構造を有し、テープを使用して電子部品を収容する電子部品収容装置における電子部品の挿抜方法であって、
前記テープは、前記電子部品を弾性保持可能なテープであり、前記電子部品収容装置の内部において走行され、
前記テープの所定の部分が、前記電子部品収容装置の挿抜開口部の下方に位置した場合に前記挿抜開口部を開口する工程と、
前記電子部品を前記テープに挿抜するために、前記電子部品収容装置の内部で前記テープの走行方向と略直交する方向に前記テープを押し広げる工程と、
を含むことを特徴とする電子部品収容装置における電子部品の挿抜方法。
【請求項9】
前記挿抜開口部を閉口する工程を更に含み、
前記挿抜開口部を閉口する工程は、前記電子部品を前記テープから取り出した後に、前記挿抜用開口部の下面を閉じ、次いで、前記電子部品を前記電子部品収容装置から抜き出し、次いで、前記挿抜用開口部の上面を閉じる工程であることを特徴とする請求項8記載の電子部品収容装置における電子部品の挿抜方法。
【請求項10】
前記電子部品を前記テープに挿入する場合には、前記テープを一の方向に走行させて前記電子部品を挿入し前記テープを巻き、
巻かれた前記テープから前記電子部品を抜き出す場合には、前記テープを前記一の方向と逆の方向に走行させて前記電子部品を抜き出し当該テープを巻くことを特徴とする請求項8又は9記載の電子部品の挿抜方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2007−176525(P2007−176525A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−375681(P2005−375681)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】