説明

電子部品実装基板

【課題】配線パターンが形成された基板の表面に実装された電子部品の発熱による熱歪みの影響によって起こるはんだ接合部の破断を減少させ、かつはんだ接合時の傾きを抑制して、信頼性の高い電子部品実装基板を提供する。
【解決手段】配線パターン4が形成された基板1の表面に、はんだ接合により電子部品2が実装される電子部品実装基板3において、基板1は、当該基板1と電子部品2との間であって、かつ上記はんだ接合部を除く位置に耐熱テープ6が配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線パターンが形成された基板の表面に、はんだ接合により電子部品が実装される電子部品実装基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリント基板上に電子部品を実装する場合には、基板上に形成された配線パターンに、錫−鉛の共晶はんだを用いたはんだ付けによって、上記電子部品を接合する方法が採用されていた。この錫−鉛の共晶はんだは、融点が低く、しかも柔軟性があるため、伸びと強度のバランスが良く、はんだ付けの際に、プリント基板と電子部品端子との間の熱膨張係数の違いによるストレスを吸収することができる。また、自らが劣化すること(粒
径の粗大化)により、急激な破壊または破断を防止し、一種の緩衝剤として作用するため、はんだ付け接合部に高い信頼性を与えていた。
【0003】
しかしながら、鉛は人体に有害な金属である。そのため、地球環境の保護や有害物質の使用を回避しようとする国際的な要求の高まりに応じて、鉛を含有しない鉛フリーはんだの研究および開発が進められてきている。
【0004】
現在、最も一般的に使用されている無鉛はんだは、3元系の錫−銀−銅の合金である。この代表的な組成として、Sn−3.5Ag−0.7Cu、Sn−3.0Ag−0.5Cu等が実用化されている。これ以外にも、3元系のSn−Ag−Bi、Sn−Cu−Ni(Niは微量添加物)、4元系のSn−Ag−Cu−Bi、5元系のSn−Ag−Cu−Bi−Ge等の無鉛はんだ等が発表されている。
【0005】
しかし、これらの鉛フリーはんだ材料は、鉛含有はんだに比べて上記ストレスの吸収作用が小さいことが知られている。そのため、通電時の温度上昇において、基板と電子部品との熱膨張率が異なるために生じるストレスを完全に吸収することができず、微小な塑性歪みが蓄積されてしまう。このようなストレスや塑性歪みが生じると、高温時のはんだの強度・剛性の低下が起きた際に、はんだが耐えることができない。
【0006】
そのため、電子部品実装基板では、使用のたびに自身や周囲の部品からの発熱による熱歪みが発生し、各部材間の熱歪み差に起因して発生する応力が、はんだ部にも及んでしまう。このため、鉛フリーはんだにおいては、発熱のたびに塑性歪みが蓄積されて、ある時点で接合部内部にクラックが発生し、さらに使用を続けていくと、クラックは成長して接合部の断裂を起こし、電気的な接続が保てなくなるという問題がある。
【0007】
さらに、鉛フリーはんだは、従来のはんだに比べて疲労試験のテータ蓄積が少なく、使用寿命を予測することが困難であるという側面もあるために、この経時劣化の問題は、電子部品を鉛フリーはんだによって接合した製品の信頼性を保証することができないという問題もある。この問題を解決するために、鉛フリーはんだの機械特性の改善やはんだ接合量・位置の最適化、使用部材の選定、または熱歪みの小さい高価な基板材料への変更など、コストの増加によって信頼性を維持させている現実がある。
【0008】
すなわち、−60〜150℃程度の温度範囲では、熱歪みが発生した場合に起こる破壊の原因は、図2に示すように、基板1と電子部品2との熱膨張率が異なるために現れる基板1、の反りにある。例えば、チップ抵抗器で多く利用されているフェライト焼結体では、100〜200GPa程度の弾性係数と、5〜10×10-6/℃程度の熱膨張率を示す。
【0009】
一方、基板1は金属またはガラスをベースに樹脂含浸したものや、紙をベースに樹脂が含浸したものなど種類が多い。しかし、ほとんど弾性係数は5〜250GPa、熱膨張率は15〜25×10−6/℃の範囲に収まっている。このような部品構成において、高温または低温に移行すると、電子部品と基板の熱膨張率の差からストレスが発生するが、当該基板の持つ弾性係数は電子部品に比べて明らかに小さい、すなわち柔らかいため、電子部品2の変形に比べて基板1の変形量が著しく大きくなり、結果として基板1が、高温、低温において、それぞれ電子部品2側に凹状、凸状に反った状態になる。基板1が反った状態になると、はんだフィレット内の当該電子部品のコーナー部近傍の位置に、応力が集中し、局所的に大きなストレスが発生する。
【0010】
これは、鉛フリーはんだ5が、従来はんだに比べてストレスの緩和能力が小さく、歪みを蓄積する特性によるものである。そして、蓄積された歪は、やがてクラックに発展し、さらに温度サイクルのたびにクラックが拡大して、最終的にははんだフィレットの表層に達することになる。このように局所的にであっても、高い応力が発生する場合には、フィレット全体の断裂に繋がってしまい、大きな問題となっている。
【0011】
この問題について種々に研究した結果、はんだフィレットの耐疲労性を高め、はんだフィレットの破壊を防ぐためには、電子部品2と基板1との間隙部7にあるはんだ5の厚みを増すことが、最も効果的であることがわかった。これは、電子部品2と基板1との間に発生する応力が均一に分散され、使用時に応力集中部に蓄積される塑性歪みの量が減少するからである。この傾向は、電子部品2、基板1の材料や大きさや厚み寸法が様々であっても変わらず、総じて塑性歪みの減少効果が得られることも分かった。
【0012】
しかしながら、電子部品2と基板1の間隙距離を増加させることは容易なことでなない。これは、はんだ5は接合時に、一旦溶解し凝固する直前の融液形状を保って固体化するが、このときに電子部品2が自重により沈降するからである。なお、はんだ溶融時に、電子部品の電極表面を濡れ上がる力(濡れ力)が発生し、はんだ5の表面には表面張力、基板と電子部品(金属の配線パッド)の間隙にはんだ5が侵入しようとする毛細管現象が生じる。これらの力と電子部品の自重との釣り合いよりはんだフィレットが形成される。
【0013】
この中で、電子部品2を浮かせ、基板1との間隙距離を増加させる方向に働く力は、基板1と電子部品2間の毛細管現象による毛細管力である。一方、はんだ5表面に現れる表面張力と、はんだ5と金属の界面に現れる濡れ力は、溶融はんだをフィレット側に引き出すように働く。この電子部品2を浮かせる毛細管力は、表面張力と濡れ力に比べて非常に小さいため、一般的な電子部品2においては、ほとんど基板1に接触するすれすれの位置で接合されている。また、微妙な力のバランスにより、電子部品2の位置が定まるため、そのバラツキも大きく、信頼性を低下させる一因となっている。特に疲労寿命が短い傾向にあるサイズの大きな電子部品2では、自重も大きくなり間隙距離は短くなりがちで、疲労寿命に悪影響を及ぼしている。
【0014】
ところが、電子部品2を浮かせる方向に働く力は小さく、はんだ接合時に電子部品2そのものに直接力を加えない限り、間隙距離を増加させることは難しい。またはんだ接合時に、電子部品2を持ち上げておくことで、間隙距離を調整することはできるが、例えば、オートフィーダーとリフロー工程を用いたような自動制御による接合工程では、無数にある基板1の配線パターン4や部品配置パターンに対応して、個別に電子部品2を持ち上げることは難しいという問題がある。
【0015】
さらに、はんだ接合においては、はんだ5が溶融した際に、はんだ5表面に現れる表面張力と、はんだ5と金属の界面に現れる濡れ力によって、電子部品が移動する、いわゆるセルフアライメントと呼ばれる現象がある。このセルフアライメントは、はんだ接合工程において、フィーダーによる部品の配置位置、またはマスク印刷によるはんだペーストの塗布位置が理想の位置から外れた際に、溶融はんだと電子部品とを、本来あるべき位置に引き寄せる働きをする。
【0016】
すなわち、電子部品2と基板1との間隙距離を増加させるために、電子部品2に力を掛けるか、または固定してしまうと、上記セルフアライメントによる位置ずれの補正機能が働かなくなってしまい、製品全体の信頼性が大きく低下することになる。
【0017】
また、上記セルフアライメントによる位置ずれの補正機能自体も安定して作用しにくいという問題もある。これは、ペーストの印刷量、電子部品や配線パターンとの位置関係、加熱の状況など、それぞれのはんだペーストを厳密に同じ環境に揃えることができないために起きる。例えば、はんだ接合時の加熱は、すべての電子部品に対して均等に行うことはできないため、電子部品2側端のそれぞれのはんだ5は、その温度上昇と溶融のタイミングがずれた状態になる。そのため、はんだの溶融時には、上記セルフアライメントによる複雑な力が働き、はんだ接合時の電子部品2の水平が保たれずに傾いてしまう。また顕著な場合には、電子部品2の傾きが90°になり、立ち上がってしまう場合もある。
【0018】
そこで、下記特許文献1においては、素子の外縁部に形成された電極と、基板表面に形成されたランドとをはんだ層により接合する際に、上記電極において上記ランドと対向する部位の厚さを略均一にする、または、上記電極において上記ランドと対向する部位の厚さを上記素子のエッジ部から離れるに伴いに増大させる方法が提案されている。
【0019】
また、下記特許文献2においては、端部に第1の電極が形成された電子部品を実装基板上に搭載し、上記実装基板上に形成された第2の電極と上記第1の電極とをはんだによって電気的接続する際に、上記電子部品と上記実装基板との間に、無機物フィラーを含有した樹脂からなる第1のスペーサを配置した電子部品の実装構造が提案されている。
【0020】
さらに、下記特許文献3においては、回路基板上と、上記回廊基板上に搭載される電子部品と、上記回路基板に設けられた基板電極と上記電子部品に設けられた部品電極とを電気的に接続するはんだ層とを備え、上記回路基板は、上記電子部品が搭載される部位に、当該電子部品に当接する凸部を有し、当該凸部の高さは上記基板電極より高い車載用電子回路装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開2005−183468号公報
【特許文献2】特開平11−163510号公報
【特許文献3】特開2008−60182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
ところが、ランドと対応する素子の電極の厚みを制御する従来の方法においては、素子の電極に厚みを持たせて、基板と素子との間隙距離を増加させたとしても、電極の厚みを増加できる量は限られており、また応力が集中するはんだ部位の厚みが増加する効果も小さいため、寿命向上の効果は小さいという問題がある。また、電極の厚みを制御することは難しく、製造工程が複雑になるとともに、工程における条件設定に多大なコストが必要になるという問題もある。
【0023】
また、チップ部品とプリント基板との間に、シリカフィラーを含有したエポキシ樹脂からなる樹脂部材を配置する従来の方法においては、プリント基板にスペーサとなる樹脂部材を直接接続するため、新たな応力の発生源となってしまうという問題がある。また樹脂部材は、特赦な配合の樹脂により形成されているため、製造工程において、基板と樹脂部材とを配置する設置工程が別途必要になり、製造コストが嵩むという問題もある。
【0024】
さらに、回路基板上のソルダーレジスト、基板電極、シルクインク、またはこれらを組み合わせて、当該回路基板上に電子部品を当接させるための凸部を設ける従来の方法においては、基板と電子部品との間隙距離の大きな増加は難しく、充分な寿命改善の効果は期待できないという問題がある。ちなみに、電子部品と基板の間隙距離は、間隙への溶融はんだの毛細管力と表面張力、および電子部品の自重によって決まるが、一般に使用される電子部品では、概ね15μm〜35μmになる。しかし、レジストやシルクスクリーン印刷を利用する方法においては、間隙距離の増加は、最大でも20μm程度であり、また製造のばらつきを考えると効果が認められない。
【0025】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、配線パターンが形成された基板の表面に実装された電子部品の発熱による熱歪みの影響によって起こるはんだ接合部の破断を減少させ、かつはんだ接合時の傾きを抑制して、信頼性の高い電子部品実装基板を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、配線パターンが形成された基板の表面に、はんだ接合により電子部品が実装される電子部品実装基板において、上記基板は、当該基板と上記電子部品との間であって、かつ上記はんだ接合部を除く位置に耐熱テープが配設されていることを特徴とするものである。
【0027】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記耐熱テープは、ポリイミドを主成分とする基材と、この基材の片面にシリコンまたはアクリルを主成分とする接着剤が塗布されて形成されていることを特徴とするものである。
【0028】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記耐熱テープは、厚さ寸法が50μm以上であるとともに、上記電子部品の50%以上の表面積において当接する幅寸法に形成されていることを特徴とするものである。
【0029】
また、請求項4に記載の発明は、配線パターンが形成された基板の表面に、はんだ接合により電子部品を実装する電子部品実装基板の製造方法であって、上記耐熱テープを上記基板と上記電子部品との間に配設した後に、上記配線パターンと上記電子部品とをはんだ接合することを特徴とするものである。
【0030】
そして、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、上記耐熱テープを上記配線パターンを除く位置であって、かつ上記基板と上記電子部品との間の上記はんだ接合部を除く位置に配設した後に、ペースト状の上記はんだを上記電子部品が実装される位置の上記配線パターン上に配置して、上記配線パターンと上記電子部品とをはんだ接合することを特徴とするものである
【発明の効果】
【0031】
請求項1〜3に記載の本発明によれば、基板が、当該基板と上記電子部品との間であって、かつ上記はんだ接合部を除く位置に耐熱テープを配設しているため、上記耐熱テープをスペーサとして、上記基板と上記電子部品との間隙距離を増加させることができる。これにより、上記基板と上記電子部品とのはんだ接合部に形成されるはんだフィレットの厚みを増加させることができ、通電時の発熱による上記基板と上記電子部品との熱膨張率の差に起因するストレスを均一に分散させて、塑性歪みの蓄積を減少させることができる。
【0032】
また、上記基板と上記電子部品との間のスペーサとして、上記耐熱テープを使用するため、はんだ接合時において、融点220℃程度のはんだを溶融させる際に、上記基板と上記電子部品が、240〜260℃程度の高温に加熱されても、接着機能や強度の低下がなく、安定した間隙距離の増加を発揮することができる。この結果、上記耐熱テープを上記基板と上記電子部品との間のスペーサとして、容易に使用することができる。
【0033】
さらに、上記耐熱テープは、柔らかく弾性係数が小さいため、はんだ接合時の熱および通電時の発熱により、上記基板および上記電子部品に対し、新たなストレスの要因となることがない。これにより、製品の信頼性を低下させる要因となることがない。
【0034】
請求項2に記載の発明によれば、上記耐熱テープが、ポリイミドを主成分とする基材の片面に、シリコンまたはアクリルを主成分とする接着剤を塗布しているため、上記耐熱テープを上記基板または上記電子部品のどちらかに貼着し、スペーサとすることができる。これにより、上記基板に形成された配線パターンと電子部品とをはんだ結合する際に、上記耐熱テープがズレたり、外れたりすることがなく、複数の上記電子部品を実装する際にも、容易にはんだ結合することができるとともに、新たな設備や工程を増設することなく、既存の製造工程を利用することができ、製造コストの増加を防ぐことができる。
【0035】
また、上記耐熱テープが上記基板または上記電子部品の一方のみに貼着されているため、上記耐熱テープがスペーサとして、上記電子部品を鉛直方向に支持し、間隙距離を増加させる以外に、上記電子部品に力が及ばない。この結果、はんだ結合の際のはんだの溶融時に、はんだ表面に現れる表面張力と、はんだと金属の界面に現れる濡れ力によって起こるセルフアライメントによって、位置ずれの補正機能を作用させることができ、製品全体の信頼性を向上させることができる。
【0036】
請求項3に記載の発明によれば、上記耐熱テープが、厚さ寸法が50μm以上であるとともに、上記耐熱テープが、上記電子部品の50%以上の表面積において当接する幅寸法に形成されているため、上記基板と上記電子部品との間隙距離を大きく増加させることができるとともに、上記電子部品を安定させて支持することができ、はんだ接合時のセルフアライメントが2つのはんだフィレットに不均一に働くことによる上記電子部品の傾きを抑えることができる。これにより、上記基板と上記電子部品との間隙距離の増加とともに、上記電子部品の水平を保った状態によりはんだ結合することができ、高い耐熱疲労性を得ることができる。
【0037】
また、上記耐熱テープを上記電子部品の表面積に対して幅広く設置するため、上記耐熱テープは、上記基板の上記配線パターンや上記はんだの供給量が不適切であった時に起こる間隙部へのはんだの侵入や、はんだボールの発生も回避することができ、はんだ接合時の故障発生率を減少させることができる。
また、
【0038】
請求項4に記載の発明によれば、上記耐熱テープを上記基板と上記電子部品との間に配設した後に、上記配線パターンと上記電子部品とをはんだ接合するため、上記基板と上記電子部品との間隙距離を増加させ、はんだ接合によって、はんだフィレットの厚みを容易に増加させることができる。これにより、通電時の発熱による上記基板と上記電子部品との熱膨張率の差に起因するストレスが均一に分散し、塑性歪みの蓄積が減少された電子部品実装基板を製造することができる。
【0039】
請求項5に記載の発明によれば、上記耐熱テープを上記配線パターンを除く位置であって、かつ上記基板と上記電子部品との間の上記はんだ接合部を除く位置に配設した後に、ペースト状の上記はんだを上記電子部品が実装される位置の上記配線パターン上に配置して、上記配線パターンと上記電子部品とをはんだ接合するため、上記耐熱テープを安定した状態で貼着することができる。
【0040】
また、予め上記耐熱テープを上記基板または上記電子部品のいずれかに貼着するため、従来使用されているペースト状のはんだの配置、部品設置、リフローを自動で行うリフロー工程の設備を利用することができる。さらに、上記電子部品の中でも特に壊れやすい部品のみ上記耐熱テープを適用して、上記耐熱テープの使用を最小限に抑えて製造することができる。これにより、製造コストを抑えながら、製品全体の信頼性を向上させた電子部品実装基板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の電子部品実装基板の一実施形態を示し、(a)は基板上にはんだと耐熱テープを配置した状態の断面概略図、(b)は(a)に電子部品を実装してハンダ接合した状態の断面概略図である。
【図2】従来の電子部品実装基板を示す断面概略図である。
【図3】(a)および(b)は、本発明の一実施形態により、テスト基板に2012サイズの電子部品をはんだ接合して温度サイクル試験を行った結果を示す顕微鏡写真である。
【図4】(a)および(b)は、従来の方法により、テスト基板に2012サイズの電子部品をはんだ接合して温度サイクル試験を行った結果を示す顕微鏡写真である。
【図5】(a)および(b)は、本発明の一実施形態により、テスト基板に3216サイズの電子部品をはんだ接合して温度サイクル試験を行った結果を示す顕微鏡写真である。
【図6】(a)および(b)は、従来の方法により、テスト基板に3216サイズの電子部品をはんだ接合して温度サイクル試験を行った結果を示す顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1(b)に示すように、本発明に係る電子部品実装基板3の一実施形態は、配線パターン4が片面に形成された基板1と、電子部品2との間に耐熱テープ6が形成されているとともに、基板1の配線パターン4と電子部品2の端子部がはんだ5により接合され概略構成されている。
【0043】
ここで、基板1は、0.02〜0.05mmのリジッド基板が用いられ、その組成の種類から、 紙にフェノール樹脂を含浸させた紙フェノール基板、 紙にエポキシ樹脂を含浸させた紙エポキシ基板、切り揃えたガラス繊維を重ねエポキシ樹脂を含浸させたガラスコンポジット基板、 ガラス繊維製の布(クロス)を重ねたものに、エポキシ樹脂を含浸させたガラスエポキシ基板などが用いられる。
【0044】
また、配線パターン4は、その主成分に銅が用いられ、基板1の片面に配線パターン4が印刷されて形成されている。そして、耐熱テープ6は、ポリイミドを主成分とする基材と、この基材の片面にシリコンまたはアクリルを主成分とする接着剤が塗布され形成されている。また、耐熱テープ6は、厚さ寸法が50μmであるとともに、電子部品2の50%の表面積において当接する幅寸法に形成されている。
【0045】
そして、はんだ5は、ペースト状の無鉛はんだが用いられている。この無鉛はんだは、3元系の錫−銀−銅の合金である。そして、その組成としては、Sn−3.5Ag−0.7Cu、Sn−3.0Ag−0.5Cu等がある。またこれ以外にも、3元系のSn−Ag−Bi、Sn−Cu−Ni(Niは微量添加物)、4元系のSn−Ag−Cu−Bi、5元系のSn−Ag−Cu−Bi−Ge等の無鉛はんだがある。
【0046】
上記構成からなる電子部品実装基板の製造方法について説明する。
まず、図1(a)に示すように、基板1上に形成された配線パターン4上の電子部品2の端子部との接合位置に、ペースト状の鉛フリーはんだ5を配置する。そして、このはんだ5の間の位置であって、かつ配線パターン4を除く位置に、厚さ寸法50μmの耐熱テープ6の接着剤により貼着して配設する。この耐熱テープ6は、電子部品2の表面積の50%を当接する大きさにカットされたものである。また、厚さ寸法50μmの耐熱シート6を基板1に配設する場合には、配線パターン4上に配置したペースト状の鉛フリーはんだ5の高さは、耐熱テープ6の厚さ寸法より高くして配置する。
【0047】
次いで、電子部品2を耐熱テープ6上および配線パターン4上に配置されたペースト状のはんだ5上に配置し、リフロー炉に投入して加熱する。このリフロー炉内において、ペースト状のはんだ5が溶融して、電子部品2の端子部と、基板1の配線パターン4とが接合される。またはんだ5が溶融される際に、電子部品2は、はんだ5の高さ寸法と耐熱テープ6の厚さ寸法に差があるため、自重により鉛直方向に下降する。その際に、耐熱テープ6により支えられているため、基板1と電子部品2との間隙部7の距離を耐熱テープの厚さ寸法以上に保持され、厚みを増したはんだフィレットが形成される。
【0048】
さらに、はんだ溶融時には、電子部品2が鉛直方向に下降する際、溶融したはんだ5に強い表面張力が生じて、電子部品2およびその電極部の下部に毛細管現象が起こることにより、電子部品2のはんだ接合部を引っ張って移動させるセルフアライメント現象が生じて、電子部品2のズレが補正される。このセルフアライメント現象は、はんだ溶融時に電子部品2がはんだ5のみに配設された状態のときに、電子部品2が最も大きく移動して、電子部品2のズレを補正する。また、はんだ溶融時の加熱が電子部品2に均一に伝わらなかった場合に、電子部品2にセルフアライメントによる複雑な力が働き、電子部品2が傾こうとするが、電子部品2の表面積に対して、耐熱テープ6が50%当接されているために、電子部品2の傾きが抑えられて、水平を保つことができる。
【0049】
また、基板1側に貼り付ける際には、電子部品2や基板1の配線パターン4の状況に応じ、各電子部品2の大きさに合わせて耐熱テープ6をカットするとともに、各々の電子部品2を適宜配設する必要がある。そこで、自動のラベリング機を導入することにより、耐熱テープ5の配設枚数に関わらず、量産自動化を可能にすることができる。
【0050】
なお、耐熱テープ6を配設する方法は、基板1側に貼り付ける方法以外に、電子部品2側に貼り付ける方法、または基板1と電子部品2の各々に貼り付ける方法がある。また基板1と電子部品2の各々に耐熱テープ6を貼り付ける場合には、間隙距離の増加量が多くすることができるため、はんだ接合部の耐熱疲労性をより高くすることができる。
【0051】
(実施例1)
以上の構成により製造される電子部品実装基板が、従来の製造設備および製造条件においても可能であるかを発明者らか行った試験により説明する。
【0052】
今回の試験は、市販されている厚さ寸法50μmの耐熱テープ6(YT130シリーズ/ACE GLOBAL LTD製)を用意し、この耐熱テープ6を基板1に配置する方法および電子部品2に配置する方法によって、従来のはんだ接合設備および製造条件を用いてはんだ接合を行った。なお、搭載する電子部品2は、異なる大きさのものを数種類由用意して、はんだ接合を行った。
【0053】
結果としは、耐熱テープ6を基板1に配置する方法および電子部品2に配置する方法ともに、従来のはんだ接合設備および製造条件において、良好にはんだ接合することができた。これにより、はんだ接合する際に、セルフアライメントが問題なく発揮されていることが確認された。
【0054】
また、はんだ接合後に、基板1と電子部品2との間隙距離を測定した結果、電子部品2の大きさに左右されることなく、間隙部7の距離が平均50μm増加した。そして、間隙距離のバラツキ幅も、従来の製造方法に比べて小さく、また電子部品2の傾き量のバラツキも少ない(平坦性が高い)ことが確認された。さらに、はんだフィレットの形状や外観のつや、はんだ5と配線パターン4および電子部品2の端子部とのなじみも良いことが確認された。
【0055】
すなわち、本願発明の製造方法は、従来の電子部品実装基板3を製造する際に用いられた製造設備および製造工程を利用することが判明した。
【0056】
(実施例2)
次に、上記の構成により製造される電子部品実装基板の温度サイクルによる耐熱疲労性について、発明者らか行った試験により説明する。
なお、今回の試験は、本発明の製造方法により製造される二つのテスト用電子部品実装基板と、従来の製造方法により製造された二つのテスト用電子部品実装基板を用いておこなった。
【0057】
今回の試験に用いたテスト用電子部品実装基板の構成、および温度サイクル条件は、以下の通りである。
【0058】
<実施1>
電子部品 :2012サイズ
基板 :ガラスコンポジット(CEM−3)
はんだ :鉛フリーはんだ(3元系の錫−銀−銅の合金)
耐熱テープ :50μm YT130シリーズ(ACE GLOBAL LTD製)
温度サイクル:低温−55℃、高温125℃で、各々15分保持

<比較1>
電子部品 :2012サイズ
基板 :ガラスコンポジット(CEM−3)
はんだ :鉛フリーはんだ(3元系の錫−銀−銅の合金)
耐熱テープ :なし
温度サイクル:低温−55℃、高温125℃で、各々15分保持

<実施2>
電子部品 :3216サイズ
基板 :ガラスコンポジット(CEM−3)
はんだ :鉛フリーはんだ(3元系の錫−銀−銅の合金)
耐熱テープ :50μm(YT130シリーズ/ACE GLOBAL LTD製)
温度サイクル:低温−55℃、高温125℃で、各々15分保持

<比較2>
電子部品 :3216サイズ
基板 :ガラスコンポジット(CEM−3)
はんだ :鉛フリーはんだ(3元系の錫−銀−銅の合金)
耐熱テープ :なし
温度サイクル:低温−55℃、高温125℃で、各々15分保持
【0059】
上記の実施1及び実施2は、本発明の製造方法により製造したテスト用電子部品実装基板であり、比較1および比較2は、従来の製造方法により製造したテスト用電子部品実装基板である。そして、各々のテスト用電子部品実測基板を−55℃の低温側で15分保持し、その後125℃の高温側で15分間保持、再び−55℃の低温側で15分保持という方法で、繰り返し温度サイクル試験を行った。
【0060】
その結果を図3〜図6の顕微鏡写真により説明する。
まず、図3(a)は、実施1のテスト用電子部品実装基板を用いて、温度サイクル試験を300サイクル行った後のはんだフィレット部分を拡大したものであり、図3(b)は、実施1のテスト用電子部品実装基板を用いて、温度サイクル試験を450サイクル行った後のフィレット部分を拡大したものである。この図3(a)および(b)の試験結果を見る限り、はんだフィレットの破断は認められない。
【0061】
次に、図4(a)は、比較1のテスト用電子部品実装基板を用いて、温度サイクル試験を300サイクル行った後のはんだフィレット部分を拡大したものであり、図4(b)は、実施1のテスト用電子部品実装基板を用いて、温度サイクル試験を450サイクル行った後のフィレット部分を拡大したものである。この図4(a)の試験結果では、基板1と電子部品2との間隙部7の内側に亀裂が認められる。また図4(b)の試験結果では、基板1と電子部品2との間隙部7からはんだフィレット部分に亘り亀裂が生じ、はんだ結合部が破断されている。
【0062】
そして、図5(a)は、実施2のテスト用電子部品実装基板を用いて、温度サイクル試験を300サイクル行った後のはんだフィレット部分を拡大したものであり、図5(b)は、実施2のテスト用電子部品実装基板を用いて、温度サイクル試験を450サイクル行った後のフィレット部分を拡大したものである。この図5(a)の試験結果では、はんだ5が接合されている電子部品の角部付近に亀裂が認められる。また図5(b)の試験結果では、はんだ5が接合されている電子部品の角部付近からはんだフィレット部分に亘り亀裂が認められるが、はんだ接合の破断は認められない。
【0063】
さらに、図6(a)は、比較2のテスト用電子部品実装基板を用いて、温度サイクル試験を300サイクル行った後のはんだフィレット部分を拡大したものであり、図6(b)は、比較2のテスト用電子部品実装基板を用いて、温度サイクル試験を450サイクル行った後のフィレット部分を拡大したものである。この図6(a)の試験結果では、はんだ5が接合されている電子部品の角部付近に亀裂が認められる。また図6(b)の試験結果では、基板1と電子部品2との間隙部7からはんだフィレット部分に亘り亀裂が生じ、はんだ結合部が破断されている。
【0064】
すなわち、今回の試験により、従来の製造方法によってはんだ接合された電子部品実測基板よりも、本発明の製造方法によって、はんだ接合することにより、疲労寿命を延ばすことができることが分かった。これは、電子部品2の大きさに左右されるものではなく、また寿命を保ちにくい比較的大きな電子部品2であっても、疲労寿命を延ばすことができる。
【0065】
上述の実施形態による電子部品実装基板3によれば、上記基板1が、当該基板1と電子部品2との間のはんだ接合部を除く位置に耐熱テープ6を配設しているため、耐熱テープ6をスペーサとして、基板1と電子部品2との間隙距離を増加させることができる。これにより、実施例2の試験結果からも分かるように、基板1と電子部品2とのはんだ接合部に形成されるはんだフィレットの厚みを増加させることができ、通電時の発熱による基板1と電子部品2との熱膨張率の差のストレスを均一に分散させて、塑性歪みの蓄積を減少させることができる。
【0066】
また、基板1と電子部品2との間のスペーサとして、耐熱テープ6を使用するため、はんだ接合時において、融点220℃程度のはんだを溶融させる際に、基板1と電子部品2とが、240〜260℃程度の高温に加熱されても、接着機能や強度の低下がなく、安定した間隙距離の増加を発揮することができる。この結果、耐熱テープ6を基板1と電子部品2との間のスペーサとして、容易に使用することができる。
【0067】
さらに、耐熱テープ6は、柔らかく弾性係数が低いため、はんだ接合時の熱および通電時の発熱により、基板1および電子部品2にストレスを与えることがない。これにより、製品の信頼性を低下させる要因となることがない。
【0068】
また、耐熱テープ6が、ポリイミドを主成分とする基材の片面に、シリコンまたはアクリルを主成分とする接着剤を塗布しているため、耐熱テープ6を基板1または電子部品2のどちらかに貼着、または各々に貼着し、スペーサとすることができる。これにより、実施例1の試験結果からも分かるように、基板1に形成された配線パターン4と電子部品2とをはんだ結合する際に、耐熱テープ6がズレたり、外れたりすることがなく、複数の電子部品2を実装する際にも、容易にはんだ結合することができるとともに、新たな設備や工程を増設することなく、既存の製造工程を利用することができ、製造コストの増加を防ぐことができる。
【0069】
そして、耐熱テープ6が基板1または電子部品2の一方のみに貼着されているため、耐熱テープ6がスペーサとして、電子部品2を鉛直方向に支持し、間隙距離を増加させる以外に、電子部品2に力が及ばない。この結果、はんだ結合の際のはんだの溶融時に、はんだ表面に現れる表面張力と、はんだと金属の界面に現れる濡れ力によって起こるセルフアライメントによって、位置ずれの補正機能を作用させることができ、製品全体の信頼性を向上させることができる。
【0070】
さらに、耐熱テープ6が、厚さ寸法が50μm以上であるとともに、耐熱テープ6が、電子部品2の50%以上の表面積において当接する幅寸法に形成されているため、基板1と電子部品2との間隙距離を大きく増加させることができるとともに、電子部品2を安定させて支持することができ、はんだ接合時のセルフアライメントが2つのはんだフィレットに不均一に働くことによる電子部品2の傾きをを抑えることができる。これにより、基板1と電子部品2との間隙距離の増加とともに、電子部品2の水平を保った状態によりはんだ結合することができ、高い耐熱疲労性を得ることができる。
【0071】
また、耐熱テープ6を電子部品2の表面積に対して幅広く設置するため、耐熱テープ6は、基板1の配線パターン4およびはんだ5の供給量や供給位置が不適切であったり、製造時の様々な要因により接合環境が変動した際に起こる間隙部へのはんだ5の侵入や、はんだボールの発生も回避することができ、はんだ接合時の故障発生率を減少させることができる。
【0072】
そして、電子部品2が実装される位置の配線パターン4上に、ペースト状のはんだ5を配置する前に、配線パターン4を除く位置であるとともに、基板1と電子部品2との間のはんだ接合部を除く位置に耐熱テープ6を配設して、配線パターン4と電子部品2とをはんだ接合するため、上記耐熱テープを安定した状態で貼着することができるとともに、基板1と電子部品2との間隙距離を増加させ、はんだ接合によって、はんだフィレットの厚みを増加させた電子部品実装基板を製造することができる。
【0073】
また、予め耐熱テープ6を基板1または電子部品2のいずれか、または各々に貼着するため、従来使用されているペースト状のはんだの配置、部品設置、リフローを自動で行うリフロー工程の設備を利用することができる。さらに、電子部品2の中でも特に壊れやすい部品のみ耐熱テープ6を適用して、耐熱テープ6の使用を最小限に抑えるて製造することができる。これにより、製造コストを抑えながら、製品全体の信頼性を向上させた電子部品実装基板を製造することができる。
【0074】
なお、上記実施の形態において、厚さ寸法が50μmの耐熱テープ6を用いる場合のみ説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、50μm〜200μm程度の耐熱テープ6であれば、対応可能である。
また、上記実施の形態において、配線パターン4が片面に形成された基板1を用いた場合のみ説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、両面に配線パターン4が形成された基板1でも対応可能である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
配線パターンが形成された基板に利用することができる。
【符号の説明】
【0076】
1 基板
2 電子部品
3 電子部品実装基板
4 配線パターン
5 はんだ
6 耐熱テープ
7 間隙部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線パターンが形成された基板の表面に、はんだ接合により電子部品が実装される電子部品実装基板において、
上記基板は、当該基板と上記電子部品との間であって、かつ上記はんだ接合部を除く位置に耐熱テープが配設されていることを特徴とする電子部品実装基板。
【請求項2】
上記耐熱テープは、ポリイミドを主成分とする基材と、この基材の片面にシリコンまたはアクリルを主成分とする接着剤が塗布されて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品実装基板。
【請求項3】
上記耐熱テープは、厚さ寸法が50μm以上であるとともに、上記電子部品の50%以上の表面積において当接する幅寸法に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子部品実装基板。
【請求項4】
配線パターンが形成された基板の表面に、はんだ接合により電子部品を実装する電子部品実装基板の製造方法であって、
上記耐熱テープを上記基板と上記電子部品との間に配設した後に、上記配線パターンと上記電子部品とをはんだ接合することを特徴とする電子部品実装基板の製造方法。
【請求項5】
上記耐熱テープを上記配線パターンを除く位置であって、かつ上記基板と上記電子部品との間の上記はんだ接合部を除く位置に配設した後に、ペースト状の上記はんだを上記電子部品が実装される位置の上記配線パターン上に配置して、上記配線パターンと上記電子部品とをはんだ接合することを特徴とする請求項4に記載の電子部品実装基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−104659(P2012−104659A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−251873(P2010−251873)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(000237721)FDK株式会社 (449)
【Fターム(参考)】