説明

電子部品実装機および電子部品実装方法

【課題】はんだマークの認識が困難であっても電子部品を装着可能な電子部品実装機および電子部品実装方法を提供することを課題とする。
【解決手段】電子部品実装機1は、ランド部800と、はんだ部81と、ランド部800と同一の座標系のランドマークM1、M2と、はんだ部81と同一の座標系のはんだマークm1、m2と、を有する基板8に、電子部品Pを装着する。電子部品実装機1は、基板8に対してはんだマークm1、m2の位置を基準に電子部品Pを装着するはんだマークモードと、基板8に対して少なくともランドマークM1、M2の位置を基準に電子部品Pを装着するランドマークモードと、に切り替え可能である。基板8の位置の確認時に、はんだマークm1、m2に電子部品Pが装着されていない場合、はんだマークモードを実行する。はんだマークm1、m2に電子部品Pが装着済みの場合、ランドマークモードを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に電子部品を装着する電子部品実装機および電子部品実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図8に、はんだが印刷された基板の上面図を示す。説明の便宜上、はんだ部103にはハッチングを施す。図8に示すように、基板100の上面には、ランドマーク101と、配線パターン102と、はんだ部103と、が配置されている。ランドマーク101および配線パターン102は、基板100の上面に形成されている。ランドマーク101とランド部102aとは、同一の座標系に配置されている。ランドマーク101は、基板100の対角位置に合計2つ配置されている。はんだ部103は、配線パターン102のランド部102aの上面に印刷されている。
【0003】
図9に、図8の枠IX内の拡大図を示す。図9に示すように、電子部品104は、所定の装着座標のはんだ部103に装着される。ランド部102aとはんだ部103との間に位置ずれがない場合は、図8に示すランドマーク101(つまりランド部102a)を装着座標の基準にすることにより、電子部品104を所定の装着座標に正確に装着することができる。
【0004】
しかしながら、印刷ずれにより、ランド部102aとはんだ部103との間に位置ずれが発生する場合がある。図10に、はんだがずれて印刷された基板の上面図を示す。図11に、図10の枠XI内の拡大図を示す。図10、図11に示すように、ランド部102aとはんだ部103との間には、位置ずれが生じている。この場合、ランドマーク101を装着座標の基準にすると、電子部品104は、ランド部102aに対しては、正確に装着される。一方、電子部品104は、はんだ部103に対しては、ずれて装着される。
【0005】
この状態で、基板100をリフロー炉に搬入すると、はんだ部103が溶融し液状になる。図12に、リフロー後の枠XI内の拡大図を示す。図12に白抜き矢印で示すように、液状のはんだ部103は、ランド部102aの中央に向かって流動する。この際、自重の軽い電子部品104は、はんだ部103と共に流動してしまう。このため、リフロー後においては、電子部品104が所定の装着座標からずれてしまうことになる。
【0006】
この対策として、図8に示すように、ランドマーク101ではなく、はんだマーク103aを基準に、電子部品104を装着する方法がある。はんだマーク103aは、基板100の対角位置に合計2つ配置される。2つのはんだマーク103aは、各々、4つのはんだ部103からなる。図13に、はんだマークを基準に電子部品を装着する場合の枠XI内の拡大図を示す。図13に示すように、電子部品104は、はんだマーク103aを基準に装着されている。すなわち、電子部品104は、はんだ部103に対しては、正確に装着される。一方、電子部品104は、ランド部102aに対しては、ずれて装着される。
【0007】
この状態で、基板100をリフロー炉に搬入すると、はんだ部103が溶融し液状になる。図14に、リフロー後の枠XI内の拡大図を示す。図14に白抜き矢印で示すように、はんだ部103および電子部品104は、ランド部102aの中央に向かって流動する。このため、リフロー後においては、電子部品104が所定の装着座標に正確に装着されることになる。
【0008】
このように、電子部品104を基板100に装着する方法としては、ランドマーク101を基準に装着する方法と、はんだマーク103aを基準に装着する方法と、が挙げられる。とりわけ、自重が軽い電子部品104など、リフロー時にはんだ部103と共に流動しやすい電子部品104は、はんだマーク103aを基準に基板100に装着する方が好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平7−22791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ここで、はんだマーク103aの認識は、撮像装置で4つのはんだ部103を撮像することにより行われる。はんだマーク103a撮像時においては、撮像装置により、4つのはんだ部103の形状が読み取れることが要求される。逆に言えば、撮像装置により、4つのはんだ部103の形状が読み取れない場合、はんだマーク103aの認識が困難になる。
【0011】
4つのはんだ部103の形状が読み取れない場合の具体例としては、はんだマーク103aの認識前に、既にはんだ部103に電子部品104が装着されている場合が挙げられる。すなわち、はんだマーク103aの撮像、認識は、基板100の生産開始時(電子部品104の装着開始時)に、電子部品実装機に位置決めされた基板100に対して、実行される。一旦認識されたはんだマーク103aは、生産終了まで使用される。
【0012】
ところが、生産の途中で、基板100が、一旦電子部品実装機から取り外され、再度電子部品実装機に取り付けられる場合がある。この場合、生産開始時の基板100の位置に対して、再取付後の基板100の位置が、ずれてしまうおそれがある。このため、再度、はんだマーク103aを撮像、認識する必要がある。しかしながら、はんだマーク103a用のはんだ部103に電子部品104が装着済みの場合、はんだ部103の形状が不明確である。このため、撮像装置により、はんだマーク103aを読み取ることができなくなる。
【0013】
特許文献1には、ランドマーク101とはんだマーク103aとを併用して、電子部品104を基板100に装着する方法が開示されている。同文献には、上記はんだマーク103aの撮像、認識に関する課題は開示されていない。また、同文献記載の方法によると、全ての電子部品104の装着において、ランドマーク101とはんだマーク103aとが併用されている。このため、装着精度が向上する反面、電子部品104の種類によらず、逐一、ランドマーク101とはんだマーク103aとを撮像、認識する必要がある。ランドマーク101、はんだマーク103aの撮像、認識作業は、基板100の生産には直接関係のない作業である。したがって、同文献記載の方法によると、基板100の生産効率が低下してしまう。
【0014】
本発明の電子部品実装機および電子部品実装方法は、上記課題に鑑みて完成されたものである。本発明は、はんだマークの認識が困難な場合であっても電子部品を装着可能な電子部品実装機および電子部品実装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1)上記課題を解決するため、本発明の電子部品実装機は、複数のランド部と、複数の該ランド部に印刷される複数のはんだ部と、複数の該ランド部と同一の座標系のランドマークと、複数の該はんだ部と同一の座標系のはんだマークと、を有する位置決めされた基板に、電子部品を装着する電子部品実装機であって、前記はんだマークは、複数の前記はんだ部の中から選択され、前記基板に対して該はんだマークの位置を基準に前記電子部品を装着するはんだマークモードと、該基板に対して少なくとも前記ランドマークの位置を基準に該電子部品を装着するランドマークモードと、に切り替え可能であり、位置決めされた該基板の位置の確認時に、該はんだマークに該電子部品が装着されていない場合、該はんだマークモードを実行し、該はんだマークに該電子部品が装着済みの場合、該ランドマークモードを実行することを特徴とする。
【0016】
本発明の電子部品実装機は、はんだマークモードとランドマークモードとに切り替え可能である。電子部品装着前においては、基板の位置決めが実行される。また、位置決めされた基板の、位置の確認が実行される。当該位置の確認は、はんだマークおよびランドマークのうち、少なくとも一方を用いて実行される。当該確認時に、はんだマークに電子部品が装着されていない場合は、はんだマークモードを実行する。一方、はんだマークに電子部品が装着済みの場合は、ランドマークモードを実行する。すなわち、はんだマークとして選択されたはんだ部に電子部品が既に装着済みの場合は、少なくともランドマークを基準に、電子部品を基板に装着する。このように、本発明の電子部品実装機によると、はんだマーク上の電子部品の有無に応じて、はんだマークとランドマークとを使い分けて電子部品を装着することができる。このため、はんだマークの認識が困難な場合であっても電子部品を装着することができる。
【0017】
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記はんだマークに前記電子部品が装着された前記基板への、該電子部品の装着処理が中断され、再開された場合に、前記ランドマークモードを実行する構成とする方がよい。
【0018】
はんだマークに電子部品装着済みであって、かつ装着処理が中断され、再開された場合、再開時の基板は、以下の(A)、(B)いずれかの状態であると想定される。
(A)基板が、一旦解放され、再び位置決めされている状態。
(B)基板が、解放されておらず、中断前から継続して位置決めされている状態。
【0019】
(A)の場合、再位置決め後のはんだマークの撮像、認識が困難になる。このため、ランドマークモードを実行する必要がある。(B)の場合、装着処理が中断される前のモード(はんだマークモードまたはランドマークモード)を、継続して実行することができる。つまり、必ずしもランドマークモードを実行する必要はない。しかしながら、(A)、(B)の判別作業は繁雑である。この点、本構成によると、実際に基板が、解放、再位置決めされたか否かによらず、一律にランドマークモードを実行することができる。このため、(A)、(B)の判別作業は不要である。
【0020】
(3)好ましくは、上記(2)の構成において、前記装着処理が中断され、再開されるまでの間に、前記基板が一旦解放され再び位置決めされた可能性がある場合に、前記ランドマークモードを実行する構成とする方がよい。
【0021】
本構成によると、基板が、一旦解放され、再び位置決めされた可能性がある場合、つまり(A)の可能性がある場合に、ランドマークモードを実行することができる。ここで、基板の「再び位置決めされた可能性」の有無は、例えば、電子部品装着時に基板の位置決めを行う装置(クランプ装置など)や、位置決め位置まで基板を搬送する装置(搬送装置など)の駆動履歴などを基に、判断することができる。
【0022】
(4)好ましくは、上記(2)または(3)の構成において、前記基板を位置決め、解放可能なクランプ装置と、該クランプ装置に位置決めされた該基板の前記ランドマーク、前記はんだマークを撮像可能な撮像装置と、該クランプ装置に位置決めされた該基板に前記電子部品を装着する吸着ノズルと、該クランプ装置、該撮像装置、該吸着ノズルを制御する制御装置と、を備え、該制御装置は、前記ランドマークモードを実行する場合、該ランドマークモードの前に、前記装着処理が中断される前の該ランドマークの位置を該撮像装置を用いて取得する第一ランドマーク位置取得ステップと、該装着処理が中断される前の該はんだマークの位置を該撮像装置を用いて取得するはんだマーク位置取得ステップと、該ランドマークの位置と該はんだマークの位置とのずれ量を算出するずれ量算出ステップと、該装着処理が再開された後の該ランドマークの位置を該撮像装置を用いて取得する第二ランドマーク位置取得ステップと、を実行し、該ランドマークモードにおいては、該第二ランドマーク位置取得ステップで取得した該ランドマークの位置と、該ずれ量算出ステップで算出した該ずれ量と、を基準に、該吸着ノズルを用いて該電子部品を装着する構成とする方がよい。
【0023】
本構成によると、制御装置は、第一ランドマーク位置取得ステップと、はんだマーク位置取得ステップと、ずれ量算出ステップと、第二ランドマーク位置取得ステップと、を実行してから、ランドマークモードを実行する。
【0024】
ランドマークモードにおいては、装着処理が再開された後(上記(3)の構成の場合は再位置決め後)のランドマークの位置と、装着処理が中断される前(上記(3)の構成の場合は解放前)のランドマークの位置とはんだマークの位置とのずれ量と、を基に、言い換えるとランドマークを基準としたはんだマークの位置を基に、電子部品を装着する。本構成によると、電子部品の装着により撮像、認識できなくなったはんだマークを、ランドマークの位置とずれ量とから、復元することができる。
【0025】
(5)上記課題を解決するため、本発明の電子部品実装方法は、複数のランド部と、複数の該ランド部に印刷される複数のはんだ部と、複数の該ランド部と同一の座標系のランドマークと、複数の該はんだ部と同一の座標系のはんだマークと、を有する位置決めされた基板に、電子部品を装着する電子部品実装方法であって、前記はんだマークは、複数の前記はんだ部の中から選択され、前記基板に対して該はんだマークの位置を基準に前記電子部品を装着するはんだマークモードと、該基板に対して少なくとも前記ランドマークの位置を基準に該電子部品を装着するランドマークモードと、に切り替え可能であり、位置決めされた該基板の位置の確認時に、該はんだマークに該電子部品が装着されていない場合、該はんだマークモードを実行し、該はんだマークに該電子部品が装着済みの場合、該ランドマークモードを実行することを特徴とする。
【0026】
本発明の電子部品実装方法は、はんだマークモードとランドマークモードとに切り替え可能である。電子部品装着前においては、基板の位置決めが実行される。また、位置決めされた基板の、位置の確認が実行される。当該位置の確認は、はんだマークおよびランドマークのうち、少なくとも一方を用いて実行される。当該確認時に、はんだマークに電子部品が装着されていない場合は、はんだマークモードを実行する。一方、はんだマークに電子部品が装着済みの場合は、ランドマークモードを実行する。すなわち、はんだマークとして選択されたはんだ部に電子部品が既に装着済みの場合は、少なくともランドマークを基準に、電子部品を基板に装着する。このように、本発明の電子部品実装方法によると、はんだマーク上の電子部品の有無に応じて、はんだマークとランドマークとを使い分けて電子部品を装着することができる。このため、はんだマークの認識が困難な場合であっても電子部品を装着することができる。
【0027】
(6)好ましくは、上記(5)の構成において、前記はんだマークに前記電子部品が装着された前記基板への、該電子部品の装着処理が中断され、再開された場合に、前記ランドマークモードを実行する構成とする方がよい。
【0028】
はんだマークに電子部品装着済みであって、かつ装着処理が中断され、再開された場合、再開時の基板は、以下の(A)、(B)いずれかの状態であると想定される。
(A)基板が、一旦解放され、再び位置決めされている状態。
(B)基板が、解放されておらず、中断前から継続して位置決めされている状態。
【0029】
(A)の場合、再位置決め後のはんだマークの撮像、認識が困難になる。このため、ランドマークモードを実行する必要がある。(B)の場合、装着処理が中断される前のモード(はんだマークモードまたはランドマークモード)を、継続して実行することができる。つまり、必ずしもランドマークモードを実行する必要はない。しかしながら、(A)、(B)の判別作業は繁雑である。この点、本構成によると、実際に基板が、解放、再位置決めされたか否かによらず、一律にランドマークモードを実行することができる。このため、(A)、(B)の判別作業は不要である。
【0030】
(7)好ましくは、上記(6)の構成において、前記装着処理が中断され、再開されるまでの間に、前記基板が一旦解放され再び位置決めされた可能性がある場合に、前記ランドマークモードを実行する構成とする方がよい。
【0031】
本構成によると、基板が、一旦解放され、再び位置決めされた可能性がある場合、つまり(A)の可能性がある場合に、ランドマークモードを実行することができる。ここで、基板の「再び位置決めされた可能性」の有無は、例えば、電子部品装着時に基板の位置決めを行う装置(クランプ装置など)や、位置決め位置まで基板を搬送する装置(搬送装置など)の駆動履歴などを基に、判断することができる。
【0032】
(8)好ましくは、上記(6)または(7)の構成において、前記ランドマークモードを実行する場合、該ランドマークモードの前に、前記装着処理が中断される前の前記ランドマークの位置を取得する第一ランドマーク位置取得ステップと、該装着処理が中断される前の前記はんだマークの位置を取得するはんだマーク位置取得ステップと、該ランドマークの位置と該はんだマークの位置とのずれ量を算出するずれ量算出ステップと、該装着処理が再開された後の該ランドマークの位置を取得する第二ランドマーク位置取得ステップと、を実行し、該ランドマークモードにおいては、該第二ランドマーク位置取得ステップで取得した該ランドマークの位置と、該ずれ量算出ステップで算出した該ずれ量と、を基準に該電子部品を装着する構成とする方がよい。
【0033】
本構成によると、第一ランドマーク位置取得ステップと、はんだマーク位置取得ステップと、ずれ量算出ステップと、第二ランドマーク位置取得ステップと、が実行されてから、ランドマークモードが実行される。
【0034】
ランドマークモードにおいては、装着処理が再開された後(上記(7)の構成の場合は再位置決め後)のランドマークの位置と、装着処理が中断される前(上記(7)の構成の場合は解放前)のランドマークの位置とはんだマークの位置とのずれ量と、を基に、言い換えるとランドマークを基準としたはんだマークの位置を基に、電子部品を装着する。本構成によると、電子部品の装着により撮像、認識できなくなったはんだマークを、ランドマークの位置とずれ量とから、復元することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によると、はんだマークの認識が困難な場合であっても電子部品を装着可能な電子部品実装機および電子部品実装方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態の電子部品実装機が配置された生産ラインの模式図である。
【図2】同電子部品実装機の斜視図である。
【図3】同電子部品実装機のブロック図である。
【図4】同電子部品実装機のモジュールの搬送装置およびクランプ装置付近の斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態の電子部品実装方法のフローチャートである。
【図6】最下流側の電子部品実装機に搬入される基板の上面図である。
【図7】同電子部品実装機において生産中の基板の非常停止時の上面図である。
【図8】はんだが印刷された基板の上面図である。
【図9】図8の枠IX内の拡大図である。
【図10】はんだがずれて印刷された基板の上面図である。
【図11】図10の枠XI内の拡大図である。
【図12】リフロー後の枠XI内の拡大図である。
【図13】はんだマークを基準に電子部品を装着する場合の枠XI内の拡大図である。
【図14】リフロー後の枠XI内の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の電子部品実装機および電子部品実装方法の実施の形態について説明する。
【0038】
<電子部品実装機>
まず、本実施形態の電子部品実装機について説明する。図1に、本実施形態の電子部品実装機が配置された生産ラインの模式図を示す。図1に示すように、生産ライン9は、上位制御装置90と、複数の電子部品実装機1と、基板外観検査機91と、リフロー炉92と、を備えている。複数の電子部品実装機1と、基板外観検査機91と、リフロー炉92と、は左右方向(基板の搬送方向)に並んでいる。複数の電子部品実装機1は、基板のはんだ部に、段階的に電子部品を装着する。基板外観検査機91は、基板に対する電子部品の装着状態を検査する。リフロー炉92は、基板を加熱、冷却することにより、はんだ部を溶融、固化させる。つまり、はんだ部を介して、基板に電子部品を接続する。上位制御装置90は、電子部品実装機1、基板外観検査機91、リフロー炉92を総合的に制御している。
【0039】
図2に、本実施形態の電子部品実装機の斜視図を示す。なお、モジュール3のハウジングを透過して示す。図3に、同電子部品実装機のブロック図を示す。図2、図3に示すように、電子部品実装機1は、ベース2と、モジュール3と、部品供給装置4と、画像処理装置5と、制御装置7と、を備えている。
【0040】
モジュール3は、ベース2の上面に、交換可能に配置されている。モジュール3は、搬送装置30と、XYロボット31と、装着ヘッド32と、撮像装置33と、基部34と、クランプ装置35と、デバイスパレット36と、を備えている。X方向は左右方向に、Y方向は前後方向に、各々対応している。
【0041】
デバイスパレット36は、モジュール3のハウジングの前面開口に取り付けられている。基部34は、モジュール3の底壁である。基部34の上面には、一対のY軸ガイドレール340が配置されている。一対のY軸ガイドレール340は、前後方向に延在している。
【0042】
図4に、本実施形態の電子部品実装機のモジュールの搬送装置およびクランプ装置付近の斜視図を示す。なお、基板8を透過して示す。図1〜図4に示すように、搬送装置30は、固定壁部300と、可動壁部301と、一対のコンベアベルト302と、搬送モータ303と、を備えている。固定壁部300は、左右方向に延在している。固定壁部300は、一対のY軸ガイドレール340の前端を封止している。可動壁部301は、左右方向に延在している。可動壁部301は、固定壁部300の後方に配置されている。可動壁部301は、一対のY軸ガイドレール340に対して、前後方向に摺動可能である。一対のコンベアベルト302は、固定壁部300の後面と、可動壁部301の前面と、に対向して配置されている。一対のコンベアベルト302は、左右方向に延在している。一対のコンベアベルト302には、基板8が架設されている。搬送モータ303は、一対のコンベアベルト302を回転駆動している。可動壁部301を前後方向に移動させることにより、一対のコンベアベルト302間の幅、つまり基板8の搬送幅を拡縮することができる。
【0043】
クランプ装置35は、バックアップテーブル350と、多数のバックアップピン351と、一対のクランプ片352と、昇降モータ353と、を備えている。バックアップテーブル350は、固定壁部300と可動壁部301との間に配置されている。昇降モータ353は、バックアップテーブル350を上下方向に往復動可能である。多数のバックアップピン351は、バックアップテーブル350の上面に配置されている。基板8に電子部品を装着する際、多数のバックアップピン351は、基板8の下面を支持している。一対のクランプ片352は、固定壁部300および可動壁部301の上縁に配置されている。基板8に電子部品を装着する際、一対のクランプ片352は、基板8の上面の前後両縁を押圧している。すなわち、電子部品装着時において、基板8は、上方から一対のクランプ片352により、下方から多数のバックアップピン351により、挟持、固定される。当該固定により、基板8の位置が決定される。
【0044】
図2、図3に示すように、XYロボット31は、一対のX軸ガイドレール310と、X軸スライド311と、一対のY軸ガイドレール312と、Y軸スライド313と、X軸モータ314と、Y軸モータ315と、を備えている。一対のY軸ガイドレール312は、モジュール3のハウジングの上壁下面に配置されている。一対のY軸ガイドレール312は、前後方向に延在している。Y軸スライド313は、一対のY軸ガイドレール312に対して、前後方向に摺動可能である。一対のX軸ガイドレール310は、Y軸スライド313の前面に配置されている。一対のX軸ガイドレール310は、左右方向に延在している。X軸スライド311は、一対のX軸ガイドレール310に対して、左右方向に摺動可能である。X軸モータ314はX軸スライド311を、Y軸モータ315はY軸スライド313を、各々駆動可能である。X軸モータ314およびY軸モータ315の駆動力により、X軸スライド311は、前後左右方向に移動することができる。
【0045】
装着ヘッド32は、X軸スライド311に交換可能に取り付けられている。装着ヘッド32は、吸着ノズル320と、Z軸モータ321と、θ軸モータ322と、を備えている。吸着ノズル320は、装着ヘッド32に交換可能に取り付けられている。吸着ノズル320は、装着ヘッド32に対して、Z軸モータ321により上下方向に、θ軸モータ322により水平面内における回転方向に、移動可能である。吸着ノズル320には、正圧、負圧が切り替え可能に供給される。負圧により、吸着ノズル320は電子部品を固定する。正圧により、吸着ノズル320は電子部品を解放する。
【0046】
撮像装置33は、X軸スライド311に取り付けられている。撮像装置33は、いわゆるCCD(Charge−Coupled Device)エリアセンサである。撮像装置33は、多数の受光素子が二次元的に配置された撮像面を有している。撮像装置33は、真上方向から被写体を撮像する。このように、装着ヘッド32および撮像装置33は、共にX軸スライド311に取り付けられている。このため、装着ヘッド32および撮像装置33は、前後左右方向に移動可能である。
【0047】
部品供給装置4は、デバイスパレット36に交換可能に取り付けられている。部品供給装置4は、複数のテープフィーダ40を備えている。複数のテープフィーダ40は、左右方向に並んでいる。テープフィーダ40は、テープを備えている。テープには、長手方向に沿って、多数の電子部品が配置されている。電子部品は、吸着ノズル320により、テープから取り出される。
【0048】
図3に示すように、制御装置7は、コンピュータ70と複数の駆動回路とを備えている。制御装置7は、図1に示す上位制御装置90に電気的に接続されている。コンピュータ70は、入出力インターフェイス700と、演算部701と、記憶部702と、を備えている。コンピュータ70は、駆動回路を介して、搬送モータ303、昇降モータ353、X軸モータ314、Y軸モータ315、Z軸モータ321、θ軸モータ322、撮像装置33に電気的に接続されている。制御装置7は、これらの機器を制御している。また、コンピュータ70は、画像処理装置5に電気的に接続されている。画像処理装置5には、撮像装置33から撮像データが伝送される。
【0049】
<電子部品実装方法>
次に、本実施形態の電子部品実装方法について説明する。以下に説明する電子部品実装方法は、図1に示す全ての電子部品実装機1において、各々実行される。図5に、本実施形態の電子部品実装方法のフローチャートを示す。
【0050】
まず、生産開始(ステップ1(S1))前の生産準備として、図1に示す上位制御装置90から各電子部品実装機1の制御装置7に、生産プログラムが伝送される。生産プログラムには、各電子部品実装機1に対する電子部品の割り当てが含まれている。また、電子部品の、基板8における装着座標が含まれている。また、生産プログラムには、ランドマークの形状、位置などに関するランドマークデータ、はんだマークの形状、位置などに関するはんだマークデータが含まれている。ランドマークデータ、はんだマークデータは、全ての電子部品実装機1において共用されている。伝送された生産プログラムは、図3に示すコンピュータ70の記憶部702に格納される。
【0051】
図6に、最下流側の電子部品実装機に搬入される基板の上面図を示す。説明の便宜上、はんだ部81にはハッチングを施す。図6に示すように、基板8の上面には、2つのランドマークM1、M2と、2つのはんだマークm1、m2と、配線パターン80と、複数のはんだ部81と、が配置されている。ランドマークM1、M2および配線パターン80は、基板8の上面に形成されている。ランドマークM1、M2と配線パターン80つまりランド部800とは、基板8に対して同時に形成される。ランドマークM1、M2と配線パターン80つまりランド部800とは、同一の座標系に配置されている。ランドマークM1、M2は、基板8の対角位置(左前隅、右後隅)に合計2つ配置されている。
【0052】
複数のはんだ部81は、図示しないスクリーン印刷機により、配線パターン80のランド部800の上面に印刷されている。スクリーン印刷機は、図1に示す複数の電子部品実装機1の上流側に配置されている。生産プログラムにより、複数のはんだ部81のうち、左前隅の4つのはんだ部81がはんだマークm1に、右後隅の4つのはんだ部81がはんだマークm2に、選択されている。はんだマークm1、m2とはんだ部81とは、同一の座標系に配置されている。
【0053】
[ステップ1(S1)、ステップ2(S2)]
ステップ1、ステップ2においては、基板8の位置決めを行う。具体的には、各電子部品実装機1において、まず、図2、図3に示すように、制御装置7が搬送モータ303を駆動し、一対のコンベアベルト302を回転させる。そして、基板8を電子部品実装機1に搬入する。続いて、制御装置7が昇降モータ353を駆動し、図4に示すバックアップテーブル350を上昇させる。そして、多数のバックアップピン351により、一対のコンベアベルト302から、基板8を持ち上げる。それから、多数のバックアップピン351と、一対のクランプ片352と、の間に、基板8を挟持、固定する。つまり、基板8の位置決めを行う。
【0054】
[ステップ3(S3)]
図1に示す全ての電子部品実装機1の中で、図6に示すはんだマークm1、m2に電子部品Pを装着するのは、最下流側(基板外観検査機91の上流側)の電子部品実装機1だけである。残りの電子部品実装機1においては、はんだマークm1、m2に電子部品Pを装着しない。
【0055】
ステップ3においては、各電子部品実装機1が、はんだマークm1、m2に電子部品を装着するか否かを判別する。すなわち、図3に示す制御装置7の記憶部702の生産プログラムには、電子部品実装機1で装着予定の電子部品Pの装着座標が含まれている。本ステップにおいては、制御装置7が当該生産プログラムを参照する。そして、はんだマークm1、m2に電子部品Pを装着する予定があるか否かを判別する。
【0056】
図6に示すように、最下流側の電子部品実装機1は搬入された段階において、はんだマークm1、m2を構成するはんだ部81には、未だ電子部品Pが装着されていない。最下流側の電子部品実装機1は、これらのはんだ部81に電子部品Pを装着する。よって、最下流側の電子部品実装機1の場合、制御装置7は「YES」を選択する。一方、残りの電子部品実装機1の場合、制御装置7は「NO」を選択する。
【0057】
[ステップ4(S4)]
図3に示す制御装置7が「YES」を選択した場合(最下流側の電子部品実装機1の場合)は、ステップ4を実行する。ステップ4は、本発明の「第一ランドマーク位置取得ステップ」の概念に含まれる。本ステップにおいては、図6に示すランドマークM1、M2の位置に関するデータを取得する。すなわち、位置決めされた基板8の位置を確認する。
【0058】
具体的には、まず、図2、図3に示すように、制御装置7がX軸モータ314、Y軸モータ315を駆動する。そして、撮像装置33を、図6に示す基板8のランドマークM1の真上に配置する。続いて、制御装置7は、撮像装置33により、ランドマークM1を撮像する。それから、制御装置7は、同様の手順により、ランドマークM2を撮像する。ランドマークM1、M2の画像データは、図3に示すように、撮像装置33から画像処理装置5に伝送される。画像処理装置5は、これらの画像データに、所定の画像処理を施す。画像処理装置5は、制御装置7に、ランドマークM1、M2の位置(水平方向座標)に関するデータを送信する。制御装置7は、当該データを記憶部702に格納する。
【0059】
[ステップ5(S5)]
ステップ5は、本発明の「はんだマーク位置取得ステップ」の概念に含まれる。本ステップにおいては、図6に示すはんだマークm1、m2の位置に関するデータを取得する。すなわち、位置決めされた基板8の位置を確認する。
【0060】
具体的には、まず、図2、図3に示すように、制御装置7がX軸モータ314、Y軸モータ315を駆動する。そして、撮像装置33を、図6に示す基板8のはんだマークm1の真上に配置する。続いて、制御装置7は、撮像装置33により、はんだマークm1を撮像する。それから、制御装置7は、同様の手順により、はんだマークm2を撮像する。はんだマークm1、m2の画像データは、図3に示すように、撮像装置33から画像処理装置5に伝送される。画像処理装置5は、これらの画像データに、所定の画像処理を施す。画像処理装置5は、制御装置7に、はんだマークm1、m2の位置(水平方向座標)に関するデータを送信する。制御装置7は、当該データを記憶部702に格納する。
【0061】
[ステップ6(S6)]
ステップ6は、本発明の「ずれ量算出ステップ」の概念に含まれる。電子部品実装機1は、原則として、図6に示すはんだマークm1、m2を基準に、基板8に電子部品Pを装着する(はんだマークモード)。しかしながら、例外的に、後述するステップ12(ランドマークモード)においては、ランドマークM1、M2基準のはんだマークm1、m2の位置を基準に、基板8に電子部品Pを装着する。ステップ12に対応すべく、本ステップにおいては、図3に示す制御装置7が、ランドマークM1、M2基準のはんだマークm1、m2の位置に関するデータを、記憶部702に格納する。
【0062】
具体的には、まず、制御装置7の演算部701が、記憶部702のランドマークM1、はんだマークm1の位置に関するデータから、ランドマークM1とはんだマークm1とのずれ量を算出する。続いて、制御装置7が、記憶部702に、ランドマークM1基準のはんだマークm1の位置に関するデータを格納する。それから、制御装置7は、同様の手順により、記憶部702に、ランドマークM2基準のはんだマークm2の位置に関するデータを格納する。
【0063】
[ステップ7(S7)]
ステップ7は、本発明の「はんだマークモード」の概念に含まれる。本ステップにおいては、図2、図3に示すように、制御装置7がX軸モータ314、Y軸モータ315、Z軸モータ321、θ軸モータ322を適宜駆動し、テープフィーダ40から基板8まで、電子部品Pを搬送する。そして、基板8の所定の装着座標に、電子部品Pを装着する。
【0064】
ここで、電子部品Pの装着座標は、ステップ5において取得したはんだマークm1、m2の位置を基準に設定される。このため、図6に示すように、電子部品Pは、ランド部800ではなく、はんだ部81に対して正確に装着される。したがって、はんだ部81がランド部800からずれている場合であっても、リフロー時に液状のはんだ部81と共に電子部品Pがランド部800の中央に向かって流動することにより、電子部品Pを所定の装着座標に正確に配置することができる。
【0065】
[ステップ8(S8)]
以下のステップ8〜ステップ12は、生産の途中で、基板8が、一旦電子部品実装機1から取り外され、再度電子部品実装機1に取り付けられる場合に実行される。言い換えると、電子部品Pの装着の基準点を、認識し直す必要がある場合に実行される。逆に言えば、順調に生産が進行する場合は、ステップ8〜ステップ12は実行されない。ステップ7のはんだマークモードにより、全ての電子部品Pが基板8に装着される。
【0066】
ステップ8においては、図2に示すように、作業者が、電子部品実装機1を非常停止させる。作業者は、検査のために、一旦、基板8を電子部品実装機1から取り外す。
【0067】
図7に、最下流側の電子部品実装機において生産中の基板の非常停止時の上面図を示す。図7に示すように、はんだマークm2を構成する4つのはんだ部81には、既に電子部品Pが装着されている。また、はんだマークm1を構成する4つのはんだ部81のうち2つのはんだ部81には、既に電子部品Pが装着されている。
【0068】
[ステップ9(S9)、ステップ10(S10)]
ステップ9、ステップ10においては、生産を再開する。すなわち、図2に示すように、作業者は、機外にて検査した基板8を、再び一対のコンベアベルト302に架設する。ステップ2と同様の手順により、図3に示す制御装置7は、多数のバックアップピン351と、一対のクランプ片352と、を用いて、基板8を挟持、固定する。
【0069】
[ステップ11(S11)]
ステップ10において再固定された基板8の位置と、ステップ2において最初に固定された基板8の位置と、はずれている場合が多い。このため、電子部品Pを基板8に装着するためには、再度、電子部品Pの装着の基準点を、認識し直す必要がある。すなわち、位置決めされた基板8の位置を再確認する必要がある。
【0070】
しかしながら、図7に示すように、はんだマークm2を構成する4つのはんだ部81には、既に電子部品Pが装着されている。また、はんだマークm1を構成する4つのはんだ部81のうち2つのはんだ部81には、既に電子部品Pが装着されている。このため、撮像装置33を用いてはんだマークm1、m2の位置に関するデータを取得することは困難である。
【0071】
一方、ランドマークM1、M2には、電子部品Pが装着されていない。また、ステップ6において、ランドマークM1、M2基準のはんだマークm1、m2の位置に関するデータは取得済みである。
【0072】
そこで、ステップ11においては、ランドマークM1、M2を基準に、はんだマークm1、m2の位置を復元するために、ランドマークM1、M2の位置に関するデータを取得する。ステップ11は、本発明の「第二ランドマーク位置取得ステップ」の概念に含まれる。
【0073】
具体的には、ステップ4と同様の手順により、制御装置7が、撮像装置33により、ランドマークM1、M2を撮像する。ランドマークM1、M2の画像データは、図3に示すように、撮像装置33から画像処理装置5に伝送される。画像処理装置5は、制御装置7に、ランドマークM1、M2の位置に関するデータを送信する。制御装置7は、当該データを記憶部702に格納する。
【0074】
[ステップ12(S12)]
ステップ12は、本発明の「ランドマークモード」の概念に含まれる。図3に示す制御装置7は、ステップ6において、ランドマークM1、M2基準のはんだマークm1、m2の位置に関するデータを取得済みである。また、ステップ11において、ランドマークM1、M2の位置に関するデータを取得済みである。このため、制御装置7は、これらのデータを基に、はんだマークm1、m2の位置を復元することができる。本ステップにおいては、復元されたはんだマークm1、m2の位置を基準に、電子部品Pの装着座標を設定する。具体的には、ステップ7と同様の手順により、基板8の所定の装着座標に、電子部品Pを装着する。
【0075】
[ステップ13(S13)、ステップ14(S14)]
ステップ13、ステップ14においては、全ての電子部品Pが装着された基板8を、電子部品実装機1から払い出す。具体的には、まず、図2、図3に示すように、制御装置7が昇降モータ353を駆動し、図4に示すバックアップテーブル350を下降させる。そして、多数のバックアップピン351から一対のコンベアベルト302に、基板8を引き渡す。続いて、制御装置7が搬送モータ303を駆動し、一対のコンベアベルト302を回転させる。そして、基板8を搬出する。図1に示すように、搬出された基板8は、基板外観検査機91、リフロー炉92を通過する。
【0076】
[ステップ15(S15)]
ステップ3において、図3に示す制御装置7が「NO」を選択した場合(最下流側以外の電子部品実装機1の場合)は、ステップ15を実行する。本ステップにおいては、図6に示すはんだマークm1、m2の位置に関するデータを取得する。すなわち、位置決めされた基板8の位置を確認する。
【0077】
具体的には、ステップ5と同様の手順により、制御装置7が、撮像装置33により、はんだマークm1、m2を撮像する。はんだマークm1、m2の画像データは、図3に示すように、撮像装置33から画像処理装置5に伝送される。画像処理装置5は、制御装置7に、はんだマークm1、m2の位置に関するデータを送信する。制御装置7は、当該データを記憶部702に格納する。
【0078】
[ステップ16(S16)]
ステップ16は、本発明の「はんだマークモード」の概念に含まれる。本ステップにおいては、ステップ7と同様の手順により、ステップ15において取得したはんだマークm1、m2の位置を基準に、基板8の所定の装着座標に、電子部品Pを装着する。
【0079】
[ステップ17(S17)〜ステップ19(S19)]
以下のステップ17〜ステップ21は、生産の途中で、基板8が、一旦電子部品実装機1から取り外され、再度電子部品実装機1に取り付けられる場合に実行される。言い換えると、電子部品Pの装着の基準点を、認識し直す必要がある場合に実行される。逆に言えば、順調に生産が進行する場合は、ステップ17〜ステップ21は実行されない。ステップ16のはんだマークモードにより、全ての電子部品Pが基板8に装着される。
【0080】
ステップ17〜ステップ19においては、ステップ8〜ステップ10と同様の手順により、電子部品実装機1の非常停止、基板8の取り外し、生産の再開、基板8の再固定を実行する。
【0081】
[ステップ20(S20)]
ステップ19において再固定された基板8の位置と、ステップ2において最初に固定された基板8の位置と、はずれている場合が多い。このため、電子部品Pを基板8に装着するためには、再度、電子部品Pの装着の基準点を、認識し直す必要がある。すなわち、位置決めされた基板8の位置を再確認する必要がある。
【0082】
ここで、ステップ3において図3に示す制御装置7が「NO」を選択した場合、図7に示すはんだマークm1、m2を構成する4つのはんだ部81には、電子部品Pが装着されない。このため、本ステップにおいては、はんだマークm1、m2の位置に関するデータを取得する。
【0083】
具体的には、ステップ15と同様の手順により、制御装置7が、撮像装置33により、はんだマークm1、m2を撮像する。はんだマークm1、m2の画像データは、図3に示すように、撮像装置33から画像処理装置5に伝送される。画像処理装置5は、制御装置7に、はんだマークm1、m2の位置に関するデータを送信する。制御装置7は、当該データを記憶部702に格納される。
【0084】
[ステップ21(S21)]
ステップ21は、本発明の「はんだマークモード」の概念に含まれる。本ステップにおいては、ステップ16と同様の手順により、ステップ20において取得したはんだマークm1、m2の位置を基準に、基板8の所定の装着座標に、電子部品Pを装着する。
【0085】
[ステップ22(S22)、ステップ23(S23)]
ステップ22、ステップ23においては、ステップ13、ステップ14と同様の手順により、基板8を解放し、搬出する。図1に示すように、搬出された基板8は、下流側の電子部品実装機1に引き渡される。
【0086】
<作用効果>
次に、本実施形態の電子部品実装機1および電子部品実装方法の作用効果について説明する。本実施形態の電子部品実装機1および電子部品実装方法は、図5のステップ7、ステップ16、ステップ21に示すはんだマークモードと、ステップ12に示すランドマークモードと、に切り替え可能である。図6、図7に示すはんだマークm1、m2に電子部品Pを装着しない場合は、はんだマークモードを実行する。一方、はんだマークm1、m2に電子部品Pを装着した場合は、ランドマークモードを実行する。すなわち、はんだマークm1、m2として選択されたはんだ部81に電子部品Pが既に装着済みの場合は、少なくともランドマークM1、M2(電子部品Pが装着されない)を基準に、電子部品Pを基板に装着する。このように、本実施形態の電子部品実装機1によると、はんだマークm1、m2上の電子部品Pの有無に応じて、はんだマークm1、m2とランドマークM1、M2とを使い分けて電子部品Pを装着することができる。このため、はんだマークm1、m2の認識が困難であっても、基板8に電子部品Pを装着することができる。
【0087】
また、本実施形態の電子部品実装機1および電子部品実装方法によると、はんだマークm1、m2に電子部品P装着済みであって(図7)、かつ基板8が一旦解放され再び位置決めされる場合に(図5のステップ8〜ステップ10)、ランドマークモードを実行することができる(図5のステップ12)。すなわち、はんだマークm1、m2に電子部品P装着済みであって、かつ基板8が一旦解放され再び位置決めされる場合、再位置決め後のはんだマークm1、m2の撮像、認識が困難になる。このような場合であっても、少なくともランドマークM1、M2を基準に、電子部品Pを基板8に装着することができる。
【0088】
また、本実施形態の電子部品実装機1および電子部品実装方法によると、図3に示す制御装置7は、第一ランドマーク位置取得ステップ(図5のステップ4)と、はんだマーク位置取得ステップ(図5のステップ5)と、ずれ量算出ステップ(図5のステップ6)と、第二ランドマーク位置取得ステップ(図5のステップ11)と、を実行してから、ランドマークモード(図5のステップ12)を実行する。ランドマークモードにおいては、図7に示すランドマークM1、M2の位置と、ランドマークM1、M2の位置とはんだマークm1、m2の位置とのずれ量と、を基に、言い換えるとランドマークM1、M2を基準としたはんだマークm1、m2の位置を基に、電子部品Pを装着する。本実施形態の電子部品実装機1および電子部品実装方法によると、電子部品Pの装着により撮像、認識できなくなったはんだマークm1、m2を、ランドマークM1、M2の位置とずれ量とから、復元することができる。
【0089】
<その他>
以上、本発明の電子部品実装機および電子部品実装方法の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0090】
上記実施形態においては、図1に示す全ての電子部品実装機1を本発明の電子部品実装機1としたが、最下流側の電子部品実装機1だけを本発明の電子部品実装機としてもよい。つまり、図7に示すように、はんだマークm1、m2に電子部品Pを装着する電子部品実装機1だけを、本発明の電子部品実装機としてもよい。また、はんだマークm1、m2を基準に電子部品Pを基板8に装着する電子部品実装機1だけを、本発明の電子部品実装機としてもよい。
【0091】
上記実施形態においては、図5のステップ12において、図7に示すランドマークM1、M2基準のはんだマークm1、m2を基準に、電子部品Pを基板8に装着した。しかしながら、ランドマークM1、M2だけを基準に、電子部品Pを基板8に装着してもよい。この場合、ステップ4、ステップ6を省略することができる。例えば、リフロー時にはんだ部81と共に流動しにくい電子部品P(自重が重い電子部品Pなど)を基板8に装着する場合は、ランドマークM1、M2(つまりランド部800)を基準に電子部品Pを基板8に装着した方がよい。
【0092】
上記実施形態においては、生産プログラムにおけるランドマークデータ、はんだマークデータを、全ての電子部品実装機1において共用したが、共用しなくてもよい。例えば、電子部品実装機1ごとに、あるいは複数の電子部品実装機1を複数のグループに分けて各グループごとに、異なるはんだ部81を、はんだマークm1、m2として認識してもよい。
【0093】
上記実施形態においては、図5のステップ4、ステップ5において、図6に示すランドマークM1、M2とはんだマークm1、m2とを別々に撮像した。しかしながら、撮像装置33の視野に入る場合は、ランドマークM1とはんだマークm1、ランドマークM2とはんだマークm2を、一度に撮像してもよい。つまり、ステップ4、ステップ5を同時に実行してもよい。また、ステップ5を先に、ステップ4を後に、実行してもよい。
【0094】
また、ランドマークM1、M2、はんだマークm1、m2の位置、配置数、形状は特に限定しない。ランドマークM1、M2は、ランド部800と同一の座標系にあればよい。はんだマークm1、m2は、はんだ部81と同一の座標系にあればよい。
【符号の説明】
【0095】
1:電子部品実装機、2:ベース、3:モジュール、4:部品供給装置、5:画像処理装置、7:制御装置、8:基板、9:生産ライン。
30:搬送装置、31:XYロボット、32:装着ヘッド、33:撮像装置、34:基部、35:クランプ装置、36:デバイスパレット、40:テープフィーダ、70:コンピュータ、80:配線パターン、81:はんだ部、90:上位制御装置、91:基板外観検査機、92:リフロー炉。
300:固定壁部、301:可動壁部、302:コンベアベルト、303:搬送モータ、310:X軸ガイドレール、311:X軸スライド、312:Y軸ガイドレール、313:Y軸スライド、314:X軸モータ、315:Y軸モータ、320:吸着ノズル、321:Z軸モータ、322:θ軸モータ、340:Y軸ガイドレール、350:バックアップテーブル、351:バックアップピン、352:クランプ片、353:昇降モータ、700:入出力インターフェイス、701:演算部、702:記憶部、800:ランド部。
M1:ランドマーク、M2:ランドマーク、P:電子部品、m1:はんだマーク、m2:はんだマーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のランド部と、複数の該ランド部に印刷される複数のはんだ部と、複数の該ランド部と同一の座標系のランドマークと、複数の該はんだ部と同一の座標系のはんだマークと、を有する位置決めされた基板に、電子部品を装着する電子部品実装機であって、
前記はんだマークは、複数の前記はんだ部の中から選択され、
前記基板に対して該はんだマークの位置を基準に前記電子部品を装着するはんだマークモードと、該基板に対して少なくとも前記ランドマークの位置を基準に該電子部品を装着するランドマークモードと、に切り替え可能であり、
位置決めされた該基板の位置の確認時に、該はんだマークに該電子部品が装着されていない場合、該はんだマークモードを実行し、
該はんだマークに該電子部品が装着済みの場合、該ランドマークモードを実行することを特徴とする電子部品実装機。
【請求項2】
前記はんだマークに前記電子部品が装着された前記基板への、該電子部品の装着処理が中断され、再開された場合に、前記ランドマークモードを実行する請求項1に記載の電子部品実装機。
【請求項3】
前記装着処理が中断され、再開されるまでの間に、前記基板が一旦解放され再び位置決めされた可能性がある場合に、前記ランドマークモードを実行する請求項2に記載の電子部品実装機。
【請求項4】
前記基板を位置決め、解放可能なクランプ装置と、該クランプ装置に位置決めされた該基板の前記ランドマーク、前記はんだマークを撮像可能な撮像装置と、該クランプ装置に位置決めされた該基板に前記電子部品を装着する吸着ノズルと、該クランプ装置、該撮像装置、該吸着ノズルを制御する制御装置と、を備え、
該制御装置は、前記ランドマークモードを実行する場合、該ランドマークモードの前に、前記装着処理が中断される前の該ランドマークの位置を該撮像装置を用いて取得する第一ランドマーク位置取得ステップと、該装着処理が中断される前の該はんだマークの位置を該撮像装置を用いて取得するはんだマーク位置取得ステップと、該ランドマークの位置と該はんだマークの位置とのずれ量を算出するずれ量算出ステップと、該装着処理が再開された後の該ランドマークの位置を該撮像装置を用いて取得する第二ランドマーク位置取得ステップと、を実行し、
該ランドマークモードにおいては、該第二ランドマーク位置取得ステップで取得した該ランドマークの位置と、該ずれ量算出ステップで算出した該ずれ量と、を基準に、該吸着ノズルを用いて該電子部品を装着する請求項2または請求項3に記載の電子部品実装機。
【請求項5】
複数のランド部と、複数の該ランド部に印刷される複数のはんだ部と、複数の該ランド部と同一の座標系のランドマークと、複数の該はんだ部と同一の座標系のはんだマークと、を有する位置決めされた基板に、電子部品を装着する電子部品実装方法であって、
前記はんだマークは、複数の前記はんだ部の中から選択され、
前記基板に対して該はんだマークの位置を基準に前記電子部品を装着するはんだマークモードと、該基板に対して少なくとも前記ランドマークの位置を基準に該電子部品を装着するランドマークモードと、に切り替え可能であり、
位置決めされた該基板の位置の確認時に、該はんだマークに該電子部品が装着されていない場合、該はんだマークモードを実行し、
該はんだマークに該電子部品が装着済みの場合、該ランドマークモードを実行することを特徴とする電子部品実装方法。
【請求項6】
前記はんだマークに前記電子部品が装着された前記基板への、該電子部品の装着処理が中断され、再開された場合に、前記ランドマークモードを実行する請求項5に記載の電子部品実装方法。
【請求項7】
前記装着処理が中断され、再開されるまでの間に、前記基板が一旦解放され再び位置決めされた可能性がある場合に、前記ランドマークモードを実行する請求項6に記載の電子部品実装方法。
【請求項8】
前記ランドマークモードを実行する場合、該ランドマークモードの前に、前記装着処理が中断される前の前記ランドマークの位置を取得する第一ランドマーク位置取得ステップと、該装着処理が中断される前の前記はんだマークの位置を取得するはんだマーク位置取得ステップと、該ランドマークの位置と該はんだマークの位置とのずれ量を算出するずれ量算出ステップと、該装着処理が再開された後の該ランドマークの位置を取得する第二ランドマーク位置取得ステップと、を実行し、
該ランドマークモードにおいては、該第二ランドマーク位置取得ステップで取得した該ランドマークの位置と、該ずれ量算出ステップで算出した該ずれ量と、を基準に該電子部品を装着する請求項6または請求項7に記載の電子部品実装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−58605(P2013−58605A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196003(P2011−196003)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】