説明

電子部品製造装置

【課題】電子部品製造装置に異常が発生した場合に、基板の加熱が継続されることを抑制すること。
【解決手段】基板10を上面に搭載するステージ20と、前記ステージを加熱することにより前記基板を加熱するヒータ22と、電子部品製造装置に異常が発生すると、前記ステージから前記基板を離間させる離間機構11と、を具備する電子部品製造装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品製造装置に関し、例えば、ステージを加熱することにより基板を加熱する電子部品製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置等の電子部品製造装置の製造工程においては、例えば半導体基板等の基板をステージ上に配置し、ステージより基板を加熱する電子部品製造装置が用いられる。例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用い基板上に絶縁膜を形成する際は、ステージを加熱することにより、基板を加熱する。一方、電子部品製造装置において、ステージから基板を離間させるためリフトピンを用いる(例えば、特許文献1および2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平02−66988号公報
【特許文献2】特開平06−252253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板がステージ上に配置された状態で電子部品製造装置に異常が発生した場合、ステージのヒータの電源が遮断されたとしてもステージの温度が低下するには時間を要する。この間、基板の加熱が継続される。基板の加熱により、基板表面に突起または窪みが形成される、または、基板に形成される製品の品質保証が得られないことが生じうる。
【0005】
本電子部品製造装置は、電子部品製造装置に異常が発生した場合に、基板の加熱が継続されることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例えば、基板を上面に搭載するステージと、前記ステージを加熱することにより前記基板を加熱するヒータと、電子部品製造装置に異常が発生すると、前記ステージから前記基板を離間させる離間機構と、を具備することを特徴とする電子部品製造装置を用いる。
【発明の効果】
【0007】
本電子部品製造装置によれば、電子部品製造装置に異常が発生した場合に、基板の加熱が継続されることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1(a)および図1(b)は、実施例1の模式図である。
【図2】図2は、実施例2に係る半導体製造装置の模式図である。
【図3】図3は、ガス導入部/対向電極の下面図である。
【図4】図4は、半導体製造装置の動作を示すフローチャート(その1)である。
【図5】図5は、半導体製造装置の動作を示すフローチャート(その2)である。
【図6】図6(a)および図6(b)は、それぞれ通常時および異常時の離間機構の模式図である。
【図7】図7(a)および図7(b)は、それぞれ通常時および異常時の離間機構の別の例の模式図である。
【図8】図8(a)および図8(b)は、それぞれ通常時および異常時の離間機構のさらに別の例の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照に実施例について説明する。
【実施例1】
【0010】
実施例1は、半導体製造装置の例である。図1(a)および図1(b)は、実施例1の模式図である。図1(a)は、ステージ20上に基板10が配置された状態、図1(b)は、ステージ20から基板10が上方に持ち上げられた状態を示している。図1(a)に示すように、半導体製造装置100は、ステージ20、ヒータ22、離間機構11および電源30を備えている。基板10はステージ20の上面に搭載される。ステージ20内にはヒータ22が設けられている。ヒータ22には電源30が接続されている。図1(a)および図1(b)においては、簡略化のため一部ヒータ22に電源30が接続されているように図示されているが、全てのヒータ22に電源30が電気的に接続されている。ヒータ22はステージ20を加熱することにより基板10を加熱する。ステージ20には上下に貫通する孔21が形成されている。離間機構11は、リフトピン12および駆動部14を備えている。リフトピン12は、孔21内に上下に移動可能である。駆動部14は、リフトピン12を上下に駆動する。駆動部14は、半導体製造装置100に異常がない場合(すなわち正常な場合)、リフトピン12を下降させる。このように、基板10がステージ20の上面に配置され、基板10が加熱されている状態で、半導体装置の製造工程が行われる。例えば、基板10上に絶縁膜または金属膜等をCVD法またはスパッタリング法を用い堆積させる。
【0011】
図1(b)に示すように、駆動部14は、半導体製造装置100に異常が発生すると、リフトピン12を上昇させる。これにより、基板10はステージ20から離間する。このように、離間機構11は、半導体製造装置100に異常が発生すると、ステージ20から基板10を離間させる。これにより、半導体製造装置100に異常が発生した場合、基板10が加熱状態に放置されることを抑制できる。なお、実施例1において、ステージ20から基板10を離間させる機構としてリフトピン12を用いる例を示したが、他の方法を用い、ステージ20から基板10を離間させてもよい。
【実施例2】
【0012】
実施例2は、CVD装置の例である。図2は、実施例2に係る半導体製造装置の模式図である。図2に示すように、半導体製造装置102は、主に、ステージ20、ヒータ22、ヒータ電源24、離間機構11、チャンバ40、ゲートバルブ42および真空ポンプ46を備える。さらに、半導体製造装置102は、主に、ガス導入部/対向電極50、RF(Radio Frequency)電源52、ガスボックス64、主電源30、搬送機構70および制御部80を備えている。
【0013】
ステージ20上に基板10が配置されている。ステージ20内にはヒータ22が設けられている。ヒータ22には、ヒータ電源24から電力が供給される。図2においては、簡略化のためヒータ22とヒータ電源24との接続を省略しているが、全てのヒータ22はヒータ電源24と電気的に接続されている。ヒータ制御ユニット28は、ヒータ電源24がヒータ22に供給する電力を制御する。また、ヒータ制御ユニット28は、ヒータ22の異常を検出する。ヒータ電源24およびヒータ制御ユニット28には主電源30から電力が供給される。ステージ20は、例えばアルミニウム合金またはステンレス等の金属により形成されている。図2では、ステージ20上に1枚の基板10が配置されているが、ステージ20上には例えば6枚等複数の基板10が配置されてもよい。
【0014】
離間機構11は、リフトピン12、駆動部14、バルブ16および離間機構制御ユニット18を含む。離間機構11の動作は、実施例1と同じである。離間機構11の詳細は後述する。リフトピン12は、例えばステンレス等の金属またはセラミック等の絶縁体から形成されている。ヒータ22は、ステージ20を例えば300℃〜400℃に加熱する。半導体装置の製造工程によっては、これらの温度には限られない。
【0015】
チャンバ40は、ステージ20および基板10を密閉し、チャンバ40内を大気に対し減圧状態に維持する。ステージ20の少なくとも一部(例えば基板10が配置された部分)が密閉されていればよい。ゲートバルブ42が開くことにより、チャンバ40内の気体は真空配管49を介し真空ポンプ46により排出される。真空制御ユニット48は、真空ポンプ46およびゲートバルブ42の動作を制御する。真空制御ユニット48は、真空ポンプ46およびゲートバルブ42の異常を検出する。真空制御ユニット48および真空ポンプ46には主電源30から電力が供給される。
【0016】
ガス導入部/対向電極50は、基板10上の例えば酸化シリコン膜等の成膜に用いるガスをチャンバ40内に導入する。図3は、ガス導入部/対向電極の下面図である。図3のように、ガス導入部/対向電極50の下面には、ガスを導入する孔51が複数設けられている。ガス導入部/対向電極50は、ステージ20に対しRF電力を印加する。RF電源52は、ガス導入部/対向電極50にRF電力を供給する。パワー制御ユニット58は、RF電源52を制御する。また、パワー制御ユニット58は、RF電源52の異常を検出する。パワー制御ユニット58およびRF電源52には主電源30から電力が供給される。
【0017】
ガスミキシング部60は、各ガスをミキシングし、ガス導入部/対抗電極50にガスを供給する。ガスボックス64内には、各種ガスの流量を制御するマスフローコントローラ66およびガスをガスミキシング部60に供給するためのバルブ65が設けられている。各種ガスとしては、例えば、シラン(SiH)、アルゴン(Ar)、窒素(N)、アンモニア(NH)、二酸化窒素(NO)および酸素(O)が用いられる。ガス系制御ユニット68は、マスフローコントローラ66およびバルブ65等を制御する。また、ガス制御ユニット68は、マスフローコントローラ66およびバルブ65等の異常を検出する。ガス制御ユニット68には、主電源30から電力が供給される。
【0018】
搬送機構70は、基板10をチャンバ40内のステージ20上に搬入する。また、搬送機構70は、基板10をステージ20からチャンバ40の外に搬出する。搬出制御ユニット78は、搬出機構70を制御する。また、搬出制御ユニット78は、搬出機構70の異常を検出する。搬送機構70および搬送制御ユニット78には、主電源30から電力が供給される。
【0019】
例えばMPU(Micro Processing Unit)が、制御部80として機能する。制御部80は、離間機構制御ユニット18、ヒータ制御ユニット28、真空制御ユニット48、パワー制御ユニット58、ガス制御ユニット68および搬送制御ユニット78を制御する。また、各ユニットが検出した異常に関する情報を取得する。
【0020】
次に、半導体製造装置102の動作について説明する。図4は、半導体製造装置の動作を示すフローチャートである。まず、制御部80は、ヒータ制御ユニット28に、ヒータ電源24をオンし、ヒータ22を用いステージ20を加熱させる。ステージ20が加熱された状態で、以下のステップが実行される。まず、制御部80は、搬送制御ユニット78に基板10をステージ20上に搬送させる(ステップS10)。次に、制御部80は、基板10が加熱されるまで待機させる(ステップS12)。次に、制御部80は、ガス制御ユニット68に、反応ガスをチャンバ40内に導入させる(ステップS14)。次に、制御部80は、パワー制御ユニット58に、RF電源52からRF電力をガス導入部/対抗電極50に印加させる(ステップS16)。これにより、ステージ20とガス導入部/対向電極50との間に導入したガスのプラズマが発生する。各種ガスのうち、例えばシランおよび酸素のプラズマが反応し、基板10上に酸化シリコン膜が堆積する。また、例えばシランおよびアンモニアのプラズマが反応し、基板10上に窒化シリコン膜が堆積する。制御部80は、堆積される膜が目標膜厚に達するまでこの状態を維持する(ステップS18)。次に、制御部80は、ガス制御ユニット68に反応ガスを遮断させ、パワー制御ユニット58にRF電力を遮断させる(ステップS20)。次に、制御部80は、搬送制御ユニット78に基板10を搬出させる(ステップS22)。以上により、基板10上に所望の膜を成膜することができる。
【0021】
次に、半導体製造装置102に異常が発生した場合の動作について説明する。図5は、半導体製造装置の動作を示すフローチャートである。図4のフローの途中において定期的または不定期に図5のフローを行う。まず、制御部80は、各ユニットのいずれかが異常を検出したかを判断する(ステップS30)。各ユニットの異常としては、例えば、ヒータ制御ユニット28が、ステージ20の温度の異常(例えば、ステージ20の温度が設定温度より低いまたは高い)を検出した場合がある。また、例えば、真空制御ユニット48が、真空ポンプ46の停止または異常を検出した場合がある。例えば、パワー制御ユニット58がRF電源52の異常(例えばRF電力が所定の値より大きいまたは小さい)を検出した場合がある。例えば、ガス系制御ユニット68が、ガスの異常(例えば、ガスの流量が所定値より大きいまたは小さい)を検出した場合がある。例えば、搬送制御ユニット78は搬送機構70の異常(例えば、所定時間経過しても基板が搬送されない)を検出した場合がある。例えば、主電源30から電力が供給されない場合がある。
【0022】
ステップS30においてNoの場合、終了し、図4のフローに戻る。ステップS32においてYesの場合,制御部80は、ヒータ制御ユニット28に、ヒータ22への電力を遮断させる(ステップS32)。制御部80は、真空制御ユニット48にゲートバルブ34を閉じさせる(ステップS34)。制御部80は、真空制御ユニット48に真空ポンプ46を停止させる(ステップS36)。制御部80は、パワー制御ユニット58にRF電力を遮断させる(ステップS38)。制御部80は、パワー制御ユニット58にRF電力の供給を遮断させる(ステップS38)。制御部80は、ガス制御ユニット68に各ガスの供給を遮断させる(ステップS40)。制御部80は、離間機構11を制御するための電気信号を遮断する(ステップS42)。その後終了する。なお、ステップS32からS42の順番は任意である。また、スッテプS32からS42の全部のステップまたは一部のステップを同時に実行してもよい。
【0023】
図5のように、制御部80が半導体製造装置102の異常を検出した場合、制御部80は、ステップS32のように、ヒータ22の電源をオフする。これは、半導体製造装置102が発熱することを抑制するためである。また、ステップS34およびS36のように、制御部80は、チャンバ40内の減圧を維持する。これは、反応ガスがチャンバ40外に漏洩すること、およびチャンバ40が発熱することを抑制するためである。ステップS38およびS40のように、制御部80は、RF電力および反応ガスを遮断する。これは、反応ガスの漏洩または半導体製造装置102が発熱等を抑制するためである。
【0024】
実施例2のように、制御部80は、半導体製造装置102に異常が発生すると、チャンバ40内の減圧を維持する。この状態では、ステージ20の温度が下がり難くなる。よって、離間機構11は、基板10をステージ20から離間させる。これにより、基板10の温度を下げることができる。基板10のステージ20からの離間距離は、例えば1mm以上が好ましい。これにより、基板10とステージ20とを熱的に遮断することができる。特に、実施例2のように、基板10とステージ20とが減圧状態内の場合、基板10とステージ20との距離は小さくとも熱的に遮断することができる。
【0025】
図6(a)および図6(b)は、それぞれ通常時および異常時の離間機構の模式図である。離間機構11は、リフトピン12、駆動部14、バネ19、バルブ16およびガス導入管17を備えている。駆動部14は、シリンダ15およびピストン13を備えている。シリンダ15内にはピストン13が嵌めこまれている。ピストン13はシリンダ15には固定されておらず上下に移動自在である。ピストン13にはリフトピン12が固定されている。ピストン13はバネ19により上方向に付勢されている。シリンダ15のピストン13上の空間にはガス導入管17によりガスが導入される。ガス導入管17にはバルブ16が設けられている。バルブ16はノーマリクローズバルブである。ノ−マリクローズバルブは、電力またはバルブ16を開けるための電気信号32が供給されないと閉まり、電力およびバルブ16を開けるための電気信号32が供給されると開く。図6(a)のように、半導体製造装置102が正常に動作している場合、バルブ16には電力およびバルブ16を開けるための電気信号32が供給される。よって、バルブ16が開き、シリンダ15のピストン13上の空間にガス34が導入される。ガス34は例えば乾燥空気または窒素である。ガス導入により、ピストン13には下方向に力が加わる。下方向の力がバネ19の付勢力より大きくなるように設定しておく。これにより、ピストン13は下降した状態となる。よって、リフトピン12も下降した状態となる。このため、基板10はヒータ22上面に接している。
【0026】
図6(b)を参照し、半導体製造装置102に異常が発生した場合、図5のステップS42のように、バルブ16へ電気信号32の供給が遮断される。または、バルブ16への電力が遮断される。これにより、バルブ16が閉じる。このため、シリンダ15内のピストン13の上空間にはガスが導入されない。よって、バネ19の付勢力により、ピストン13が上昇し、リフトピン12が上昇する。これにより、基板10がステージ20から離間する。
【0027】
図7(a)および図7(b)は、それぞれ通常時および異常時の離間機構の別の例の模式図である。図7(a)に示すように、シリンダ15の底面とピストン13とに磁石19aが設けられている.磁石19aは互いに反発するように設けられている。これにより、ピストン13は上方向に付勢されている。バルブ16に電力およびバルブ16を開けるための電気信号32が供給されているため、シリンダ15のピストン13より上の空間にガス34が導入される。よって、図6(a)と同様に、リフトピン12は下降した状態である。図7(b)のように、バルブ16への電力またはバルブ16を開けるための電気信号32が遮断されると、シリンダ15のピストン13より上の空間にガスが導入されなくなる。よって、磁石19aによる付勢力により、リフトピン12が上昇し、基板10がステージ20から離間する。その他の構成は図6(a)および図6(b)と同じであり説明を省略する。
【0028】
以上のように、半導体製造装置102に異常が発生していない場合には、リフトピン12に下降させる力が加わり、半導体製造装置102に異常が発生すると、リフトピン12に上昇させる力が加わる。これにより、半導体製造装置102に異常が発生した場合、基板10をステージ20から離間させることができる。
【0029】
さらに、離間機構11は、例えば図6(a)のバネ19および図7(a)の磁石19aのようなリフトピンを上昇させるように付勢する付勢部を備えている。図6(a)および図7(a)のように、駆動部14は、ガス34を供給することにより、付勢部の付勢力より大きな力でリフトピン12を下降させる。さらに、駆動部14にガスを供給するノーマリクローズバルブ16が設けられている。これにより、図6(a)および図7(a)のように、離間機構11に電力および電気信号が供給されている場合、リフトピン12は下降している。図6(b)および図7(b)のように、離間機構11への電力または電気信号が遮断されると、リフトピン12が上昇し、基板10がステージ20から離間する。
【0030】
以上のように、離間機構11は、離間機構11を駆動させる電力が遮断されると、ステージ20から基板10を離間させる。これにより、例えば半導体製造装置102の主電源30に異常が発生した場合など、離間機構11に供給される電力が遮断された場合、離間機構11は、基板10をステージ20から離間させることができる。
【0031】
また、離間機構11は、離間機構11を制御する信号が遮断されると、ステージ20から基板10を離間させる。これにより、制御部80が離間機構11への信号を遮断した場合に加え、制御部80に異常が発生した場合または制御部80と離間機構11との間の信号伝送路に異常が発生した場合においても基板10の加熱を抑制できる。
【0032】
図8(a)および図8(b)は、それぞれ通常時および異常時の離間機構のさらに別の例の模式図である。駆動部14は、シリンダ15とピストン13とを備えている。ピストン13より上部の空間にはガス導入管17aからガス34aが導入され、ピストン13より下部の空間にはガス導入管17bからガス34bが導入される。ガス導入管17aにはノーマリクローズバルブ16aが接続されている。ガス導入管17bにはノーマリオープンバルブ16bが接続されている。ノ−マリオープンバルブは、電力またはバルブを閉めるための電気信号32が供給されないと開き、電力およびバルブを閉めるための電気信号32が供給されると閉じる。図8(a)のように、離間機構11に電力および電気信号32が供給されると、バルブ16aは開き、バルブ16bは閉じる。よって、ピストン13より上部の空間にガス34aが導入され、ピストン13より下部の空間にはガスが導入されない。これにより、ピストン13は下降する。よって、リフトピン12は下降する。図8(b)のように、離間機構11への電力または電気信号32が遮断されると、バルブ16aは閉じ、バルブ16bは開く。よって、ピストン13より下部の空間にガス34bが導入され、ピストン13より上部の空間にはガスが導入されない。これにより、ピストン13は上昇する。よって、リフトピン12は上昇する。
【0033】
このように、駆動部14は、ノーマリクローズバルブ16aからガス34aが供給されることにより、リフトピン12を下降させる。また、駆動部14は、ノーマリオープンバルブ16bからガス34bが供給されることにより、リフトピン12を上昇させる。駆動部14は上記構造でもよい。
【0034】
実施例1および2のリフトピン12は、ウエハ等をステージ20に搬送する際に用いるリフトピンを兼ねてもよい。また、実施例1および2においては、電子部品製造装置の例として、半導体装置を製造する半導体製造装置を例に説明したが、その他の電子部品を製造する電子部品製造装置でもよい。
【0035】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0036】
実施例1および2を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
付記1:
基板を上面に搭載するステージと、前記ステージを加熱することにより前記基板を加熱するヒータと、電子部品製造装置に異常が発生すると、前記ステージから前記基板を離間させる離間機構と、を具備することを特徴とする電子部品製造装置。
付記2:
前記ステージの少なくとも一部および前記基板を密閉し内部を減圧するチャンバと、前記電子部品製造装置に異常が発生した場合にも前記チャンバ内の減圧を維持する制御部と、を具備することを特徴とする付記1記載の電子部品製造装置。
付記3:
前記離間機構は、前記電子部品製造装置の異常により記離間機構を駆動させる電力が遮断されると、前記ステージから前記基板を離間させることを特徴とする付記1または2記載の電子部品製造装置。
付記4:
前記離間機構は、前記電子部品製造装置の異常により前記離間機構を制御する信号が遮断されると、前記ステージから前記基板を離間させることを特徴とする付記1または2記載の電子部品製造装置。
付記5:
前記離間機構は、前記基板を前記ステージから上昇させるリフトピンを含むことを特徴とする付記1から3のいずれか一項記載の電子部品製造装置。
付記6:
前記離間機構は、前記リフトピンを上昇させるように付勢する付勢部と、ガスが供給されることにより、前記付勢部の付勢力より大きな力で前記リフトピンを下降させる駆動部と、前記駆動部に前記ガスを供給するノーマリクローズバルブと、を具備する付記5記載の電子部品製造装置。
付記7:
前記離間機構は、ノーマリクローズバルブと、ノーマリオープンバルブと、前記ノーマリクローズバルブからガスが供給されることにより、前記リフトピンを下降させ、前記ノーマリオープンバルブからガスが供給されることにより、前記リフトピンを上昇させる駆動部と、を含むことを特徴とする付記5記載の電子部品製造装置。
【符号の説明】
【0037】
10 基板
11 離間機構
12 リフトピン
14 駆動部
16 バルブ
20 ステージ
22 ヒータ
40 チャンバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を上面に搭載するステージと、
前記ステージを加熱することにより前記基板を加熱するヒータと、
電子部品製造装置に異常が発生すると、前記ステージから前記基板を離間させる離間機構と、
を具備することを特徴とする電子部品製造装置。
【請求項2】
前記ステージの少なくとも一部および前記基板を密閉し内部を減圧するチャンバと、
前記電子部品製造装置に異常が発生した場合にも前記チャンバ内の減圧を維持する制御部と、
を具備することを特徴とする請求項1記載の電子部品製造装置。
【請求項3】
前記離間機構は、前記電子部品製造装置の異常により前記離間機構を駆動させる電力が遮断されると、前記ステージから前記基板を離間させることを特徴とする請求項1または2記載の電子部品製造装置。
【請求項4】
前記離間機構は、前記電子部品製造装置の異常により前記離間機構を制御する信号が遮断されると、前記ステージから前記基板を離間させることを特徴とする請求項1または2記載の電子部品製造装置。
【請求項5】
前記離間機構は、前記基板を前記ステージから上昇させるリフトピンを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の電子部品製造装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−62301(P2013−62301A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198334(P2011−198334)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】