説明

電子食券システム

【課題】汎用性のある或いは従業員が既に所有する個人識別端末を用いつつ、企業から支給される食費額を管理可能な電子食券システムを提供すること。
【解決手段】個人識別端末を有する従業員と、従業員食費の予め定めた割合を負担する企業と、システムを管理する管理会社との間で用い、個人識別端末の認証機と処理装置と情報収集装置とを含み、情報収集装置は個人識別端末毎の利用明細データを所定期間収集し処理装置へと出力し、処理装置は演算部と記憶部を備え、演算部はコンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、個人識別端末毎に企業から食費として支給される仮想食費支給額と利用明細データとを関連付けて記憶させる手段と、個人識別端末を所定期間内に利用した支払総額及び食費総額を算出する手段と、支払総額のうち企業負担額と従業員支払額とを算出する請求額算出手段と、を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、企業が従業員に支給する食券の改良に関するものであり、特に個人識別端末を用いた電子食券システムに関する。
【背景技術】
【0002】
図16は、従来の食券システムを説明するための図である。企業1001から、従業員に、有効期限付きのカード型の食券1002が渡される。従業員は、社内、又は、特定のレストラン1003で食券1002を渡し、食事を摂取する。
【0003】
前記食券は、(i)食事内容によらず使いきりで、(ii)利用できるレストランが限られておりメニュー選択の自由度が少なく、従業員にとって不便であった。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、前記食券の代わりに、プリペイド式の電子バリューを保持した電子バリュー保持媒体を用いる電子食券事業システムが提案されている。前記電子食券事業システムは、電子バリューを用いることによって、前記「食事内容によらず使いきり」という前記(i)の不便を解消する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−288572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記システムで用いる電子バリューは、従来の食券システムと同様、社内、又は、特定のレストランのみで使用できるものであり、汎用性に欠け、前記(ii)の課題を解決できない。
【0007】
そこで、例えば、特定のレストランだけでなく、ショッピングセンター、コンビニエンスストア、交通機関等で共通して用いることができるクレジットカードなどのポストペイド端末を用いれば、従業員は、食券専用の電子バリュー保持媒体を持ち歩くことなく、任意のレストラン等で食事を摂取でき、前記(i)、(ii)の課題を解決できる。
【0008】
しかし、上記ポストペイド端末を使用する電子食券システムでは、ポストペイド端末の所有者がレストランやショッピングセンターなどで使用した使用額は、ポストペイド端末の所有者の支払いとして計算されるので、(iii)従業員が使った全使用額のうち企業から支給される食費額がいくらになるのか分からないという問題がある。
【0009】
本発明は、汎用性のある或いは従業員が既に所有している個人識別端末を用いつつも、企業から支給される食費額を管理可能な、前記(i)、(ii)、(iii)の課題を解決する電子食券システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の電子食券システムは、
個人識別端末を有している従業員と、従業員に食費の一部又は全部の予め定めた割合を負担する企業と、この電子食券システムを管理する管理会社とを含むグループの間で用い、個人識別端末の認証機と、処理装置と、情報収集装置と、を含む電子食券システムであって、
前記情報収集装置は、個人識別端末毎の利用明細データを所定期間収集し、前記処理装置へと出力するものであり、
前記処理装置は、演算部と、記憶部と、を備えており、
前記演算部は、コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、
前記個人識別端末毎に、前記企業から食費として支給される仮想食費支給額と、前記利用明細データと、を関連付けて記憶部に記憶させる手段と、
前記個人識別端末を前記所定期間内に利用した支払総額及び食費総額を算出する手段と、
前記支払総額のうち前記企業に請求する企業負担額と、前記支払総額のうち前記従業員に請求する従業員支払額と、を算出する請求額算出手段と、を実現するものであり、
前記請求額算出手段は、
(1)前記食費総額が前記仮想食費支給額以上である場合、前記仮想食費支給額に前記予め定めた割合を掛け合わせた額を企業負担額に設定し、
(2)前記食費総額が前記仮想食費支給額未満である場合、前記食費総額に前記予め定めた割合を掛け合わせた額を企業負担額に設定する
ことを特徴とする電子食券システムに関する。
【0011】
請求項2記載の電子食券システムは、
前記個人識別端末が特定の飲食店以外でも使用できる汎用性を有するポストペイド端末であって、前記個人識別端末の認証機がポストペイド支払機であり、
前記請求額算出手段は、
(1)前記食費総額が前記仮想食費支給額以上であって、
(1−1)前記ポストペイド端末の契約者が前記従業員である場合、前記仮想食費支給額に前記予め定めた割合を掛け合わせた額を企業負担額に設定し、
(1−2)前記ポストペイド端末の契約者が前記企業又は前記管理会社である場合、前記仮想食費支給額に前記予め定めた割合を掛け合わせた額を企業負担額に設定し、前記支払総額から前記企業負担額を引いた額を従業員支払額に設定し、
(2)前記食費総額が前記仮想食費支給額未満であって、
(2−1)前記ポストペイド端末の契約者が前記従業員である場合、前記食費総額に前記予め定めた割合を掛け合わせた額を企業負担額に設定し、
(2−2)前記ポストペイド端末の契約者が前記企業又は前記管理会社である場合、前記食費総額に前記予め定めた割合を掛け合わせた額を企業負担額に設定し、前記支払総額から前記企業負担額を引いた額を従業員支払額に設定する
ことを特徴とする、請求項1記載の電子食券システムに関する。
【0012】
請求項3記載の電子食券システムは、
前記ポストペイド端末がクレジットカードであって、前記グループがクレジットカード決済会社を含み、前記ポストペイド支払機がクレジットカード認証装置であり、
クレジットカード認証装置は、従業員がクレジットカードを使用したときに、クレジットカード決済会社へ認証を求め、認証の可否をクレジットカード決済会社から受信するものであり、
前記請求額算出手段によって設定された請求額をクレジットカード決済会社へ通知する
ことを特徴とする請求項2記載の電子食券システムに関する。
【0013】
請求項4記載の電子食券システムは、
前記グループは、前記従業員と、前記企業と、前記管理会社とから構成されており、
前記情報収集装置は、前記個人識別端末毎の利用明細データを、前記認証機から受信し、前記処理装置へと出力するものであり、
前記演算部は、コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、
前記仮想食費支給額を、前記認証機が設置された加盟店において使用可能な電子バリューのチャージ額として前記記憶部に記憶させる手段と、
前記認証機から受信した前記利用明細データに含まれる食費額に対応する電子バリューを、前記チャージ額から減算する手段を実現するものである
ことを特徴とする、請求項1記載の電子食券システムに関する。
【発明の効果】
【0014】
本電子食券システムは、特定の飲食店以外で個人識別端末を使用しても、処理装置により、支払総額のうち企業に請求する企業負担額と、支払総額のうち従業員に請求する従業員支払額とが計算されるので、従業員が使った全使用額のうち企業から支給される食費額が分かる。また、従業員が既に持っている個人識別端末を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の第一実施形態の電子食券システムの構成図である。
【図2】図1の支払機の実行する処理のフローチャートである。
【図3】第一実施形態における電子バリューを用いた支払いの様子と、該支払い時に作成される利用明細と電子領収書の一例を示す図である。
【図4】第一実施形態における情報収集装置の実行する処理のフローチャートである。
【図5】第一実施形態における管理会社の備える処理装置の構成を示す図である。
【図6】第一実施形態における処理装置の実行する処理のフローチャートである。
【図7】第一実施形態における処理装置の実行する処理のフローチャートである。
【図8】第一実施形態における処理装置の実行する処理のフローチャートである。
【図9】第一実施形態における企業負担額CH1aと従業員支払額CHzの請求の流れを示す図である。
【図10】この発明の第二実施形態の電子食券システムの構成図である。
【図11】図10の認証機の実行する処理のフローチャートである。
【図12】第二実施形態における電子バリューを用いた支払いの様子と、該支払時に作成される利用明細と電子領収書の一例を示す図である。
【図13】第二実施形態における情報収集装置の実行する処理のフローチャートである。
【図14】第二実施形態における管理会社の備える処理装置の構成を示す図である。
【図15】第二実施形態における処理装置の実行する処理のフローチャートである。
【図16】従来の食券システムを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る電子食券システムについて説明する。
本発明に係る電子食券システムは、個人識別端末を有している従業員と、従業員に食費の一部又は全部の予め定めた割合を負担する企業と、この電子食券システムを管理する管理会社とを含むグループの間で用い、個人識別端末の認証機と、処理装置と、情報収集装置と、を含む電子食券システムである。
ここで、個人識別端末とは、所有者(従業員)を識別できる個人識別情報(氏名や社員番号等)を記憶する記憶部を有する端末であって、当該記憶部に記憶された個人識別情報が、認証機にて読み取り可能なものである。端末の形態は、特に限定されず、カードであっても携帯電話のような情報通信可能なモバイル機器であってもよい。
【0017】
<第一実施形態>
先ず、本発明の第一実施形態の電子食券システムについて説明する。
本発明の第一実施形態の電子食券システムにおいて、個人識別端末はポストペイド端末である。
【0018】
(1)電子食券システムの全体構成
第一実施形態における電子食券システム1は、図1に示すように、特定の飲食店以外、例えば、ショッピングセンター、コンビニエンスストア、交通機関などでも使用できる汎用性を有するポストペイド端末2を有している従業員と、食費の一部又は全部の予め定めた割合を負担する企業3と、このシステムを管理する管理会社9との間で用いるものであり、認証機としてのポストペイド支払機4と、情報収集装置5と、処理装置6とを含んでいる。
【0019】
この電子食券システム1は、図1に示すように、決済会社7のサーバ7aを含むことができる。
決済会社7とは、送金等の為替決済をすることが可能な会社を指す。
具体的には、銀行等の金融機関が代表的な例であるが、これに限定されず、資金決済法に基づいて為替決済を行うことができる会社であればよく、インターネットを利用した決済サービスを提供する会社(例えば米国PayPal社等)も含まれる。また、例えば、ポストペイド端末2として使用可能な携帯端末(携帯電話機等)の通信サービスを提供する会社が、決済会社7となる場合もあり得る。
【0020】
ポストペイド端末2は、クレジットカードなどのポストペイドカードを挙げることができるが、これに限定されず、ポストペイドで決済可能なものであればいずれでもよい。また、ポストペイド端末2は、電子バリューをチャージ可能なチャージ式ポストペイドカードと、非チャージ式ポストペイドカードの両方を含むものである。また、ポストペイド端末2は、携帯電話機であってもよい。チャージの方法は、ポストペイド端末2にチャージされているチャージ額が足りなくなったときに、自動でチャージされる自動チャージ式と、電子バリューチャージ器を用いてチャージする方式のいずれでもよい。ポストペイド端末2に内蔵されたICに記録された情報の読み取り形式は、非接触型と接触型のいずれであってもよい。
【0021】
電子バリューは、電子マネーと、特定の加盟店のみでお金として食費や食費以外の支払いに利用できるポイントとを含むものである。
【0022】
前記予め定めた割合とは、所得税基本通達36−38の2によって定められている割合で、現行法では、50%である。また、非課税扱いとなる1月あたりの食費支給額の上限は、3500円である。なお、これらの値は、法の改廃に応じて変わる。
【0023】
ポストペイド支払機4は、情報収集装置5と決済会社7のサーバ7aに接続されており、ポストペイド端末2の利用データを情報収集装置5と決済会社7のサーバ7aに送信する。以下、ポストペイド支払機4が行なう処理の流れについて説明する。
【0024】
図2に示すように、ステップS100では、決済しようとするポストペイド端末2がクレジットカードである場合にクレジットカードの認証を決済会社7のサーバ7aに要求する。この認証は、ポストペイド支払機4が行なうようにしてもよい。ステップS101では、決済会社7のサーバ7aから認証NOの通知を受信したと判断した場合は処理を終了し、認証OKの通知を受信したと判断した場合は処理をステップS102に進める。なお、ポストペイド端末2がクレジットカード以外で、設定金額を超えない支払い額の場合は、ステップS100〜S102の処理は行なわれない。ステップS102では、ポストペイド端末2が電子領収書の受領機能を有する端末かどうか判断し、受領機能を有すると判断した場合は処理をステップS103に進め、受領機能を有さないと判断する場合は処理をステップS104に進める。
【0025】
ステップS103では、ポストペイド端末2の記憶部に電子領収書のデータを記録する。ステップS104では、情報収集装置5と決済会社7のサーバ7aへ利用明細のデータを送信する。決済会社7のサーバ7aが利用明細のデータを受け取ると、従来と同様に、食費等の利用額分をポストペイド端末2の契約者の口座から決済会社7の決済日に引き落とす処理を行う。ステップS103で電子領収書のデータを受け取ったポストペイド端末2の利用者(従業員)は、情報収集装置5へ電子領収書のデータを送信する。送信は、電子領収書のデータを受け取る毎に行なってもよいが、後述する所定期間内にまとめて行なってもよい。
【0026】
情報収集装置5は、ポストペイド支払機4から、ポストペイド端末2毎の利用明細のデータを収集し、処理装置6へと出力するものである。この情報収集装置5は、例えば、電子食券システム1の管理会社9に設置される。
【0027】
処理装置6は、システム1の管理会社9に設置される。この処理装置6は、例えば、企業などの月末の決済時などに、従業員の利用明細のデータまたは電子領収書のデータを分析し、企業負担額CH1aと、従業員支払額CHzとを算出し、その算出結果の情報を企業3と従業員2に送付する。送付は、企業3の経理端末11や従業員2のパソコンに対して行なうことができるが、これに限定されず、処理装置6による算出結果を確認することができる方法であればいずれでもよい。例えば、ポストペイド端末2が携帯電話機等の情報の送受信が可能なものである場合は、ポストペイド端末2に対して送信することができる。また、ポストペイド端末2が、例えば、NFCIP-2(ISO/IEC21481)の規格に準拠する近距離通信が可能な場合は、ポストペイド端末2を処理装置6、従業員2のパソコンまたは経理端末11にかざすことで処理装置6から前記算出結果を得るようにしてもよい。尚、送付は、郵送を含む。
【0028】
ここで、企業負担額CH1aとは、後述する所定期間内の食費総額P2のうち企業3に請求する額である。従業員支払額とは、所定期間内の支払総額P1のうち従業員に請求する額である。
【0029】
ポストペイド支払機4は、システム1の加盟・契約店に設置されている。加盟・契約店には、食事をとる店以外の店、例えば、種々のショッピングセンター、交通機関、宿泊施設等を含む。場合によっては、企業10内、管理会社9内、の店にも備えられ得る。
【0030】
(2)ポストペイド端末2を用いた支払いについて
図3(a)は、ポストペイド端末2を用いた支払いの様子を示し、図3(b)は、該支払い時に作成される利用明細と電子領収書の一例を示す図である。支払い時、ポストペイド端末2からは、チャージされている電子バリューのデータの他に、その端末を識別するためのNo.(以下、端末No.という)のデータが、支払機4に出力される。利用明細のデータには、例えば、店名と、購入商品名と、利用前の電子バリュー残高と、利用額と、利用後残高と、端末No.と、ポストペイド支払機によって自動チャージされた場合には、そのチャージ額とが含まれている。
【0031】
(3)情報収集装置5
図4は、情報収集装置5の実行する処理のフローチャートである。情報収集装置5は、いわゆるコンピュータ端末であり、中央演算処理装置(CPU)が、コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、以下の処理を実行する。まず、ステップS501では、ポストペイド端末2の利用がある毎に、接続されている各支払機4からリアルタイムで利用明細のデータを受け取り分析する。また、電子領収書の受領機能を有するポストペイド端末2からは電子領収書のデータを受け取り分析する。分析は、端末No.に基づいて、利用者を確認するものである。なお、設定事項であるが、各支払機4と情報収集装置5の間に、バッファメモリを備え、1時間、半日等の予め定められた間隔で、データのやり取りを行なうようにすることもできる。さらには、後に図6のステップS5で実行する支払いが、食事又は食品に関するものか否かの分析を、予め、このステップで行なってもよい。
【0032】
ステップS502では、1取引を1レコードとして、記憶媒体に記録してデータベース化する。このデータベース化を行なう際、必要に応じて、端末No.又は対応する従業員の識別番号(社員番号)で検索可能とするための付加情報をレコードに付す。
【0033】
ステップS503では、管理会社9の処理装置6からのデータ要求の有無を判断する。処理装置6から特定のポストペイド端末2についてのデータ要求があった場合には(ステップS503でYes)、特定の従業員のポストペイド端末2の利用明細のデータ又は電子領収書のデータを処理装置6に出力し(ステップS504)、その後、ステップS501に戻る。なお、設定事項であるが、一度に複数人のポストペイド端末2についてのデータ要求がされた場合には、各データを、例えば、端末No.順に、出力することもできる。他方、データ要求がない場合には(ステップS503でNo)、ステップS501、S502の処理を繰り返し実行して、各従業員の利用明細のデータをデータベース化する。この図3でのステップS504の出力は、後に図6に示すステップS3の情報収集処理へと送られる。
【0034】
(4)処理装置6
(4−1)処理装置6の構成
図5は、管理会社9の処理装置6の構成を示す図である。処理装置6は、いわゆるコンピュータ端末であり、演算部である中央演算処理装置(CPU)401と、RAM402と、ROM403と、入力部404と、表示部405と、記憶部であるハードディスク406と、出力部407と、を備えている。
【0035】
前記RAM402は、データ作業領域として用いられる。前記ROM403は、オペレーティングシステム(OS)、電子バリュー管理プログラム等のプログラムを格納している。前記入力部404は、キーボード、マウス、ポストペイド端末2の端末No.読取装置等を備えている。前記表示部405は、液晶ディスプレイ等である。前記ハードディスク406は、情報収集装置5から受け取った従業員2のポストペイド端末2毎の利用明細のデータ及び電子領収書のデータと、ポストペイド端末2の契約者情報等を記憶するのに用いられる。契約者情報は、端末No.に関連付けられてハードディスク406に記憶される。前記出力部407は、請求書又は利用明細等の必要書類発行用のプリンタ等を備えている。
【0036】
処理装置6のCPU401は、例えば、ネットワークを介して、企業3の経理端末11と、情報収集装置5(500)と、に接続されている。
【0037】
(4-2)処理装置6の実行する処理内容
図6は、処理装置6のCPU401の実行する処理のフローチャートである。CPU401は、コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、以下の処理を実行する。
【0038】
ステップS1では、初期設定を行なうと共に、入力部404による仮決済処理の要求を受け付ける。前記仮決済処理とは、例えば、従業員又は企業3からの要求に応じて、管理会社9が、任意の時期に、電子バリューの使用状況を確認するための処理であり、仮決済要求時の、企業負担額CH1aと従業員支払額CHzとを算出する処理をいう。
【0039】
ステップS2では、決済時期であるか否かを判断する。決済時期でない場合(ステップS2でNo)、ステップS1に戻る。決済時期の場合(ステップS2でYes)、以下のステップS3乃至S18の処理を実行する。前記決済時期とは、契約内容によって決まる決済の時期であり、日次処理、月次処理、等の場合がある。
【0040】
なお、前記ステップS1で仮決済処理の要求があった場合、ステップS2では、決済時期であると判断する。仮決済処理実行時、後述するステップS9、S12、S15、S18では、設定に応じて表示部405、及び/又は企業3の経理端末11に、仮決済処理の結果を表示する。
【0041】
さらに、設定事項であるが、CPU401は、ネットワークに接続されている、従業員のコンピュータ端末又は企業3の経理端末11からの入力を受け付け、前記仮決済処理を実行する。この場合、後述するステップS9、S12、S15、S18では、仮決済処理の要求を受けた端末のディスプレイに、前記仮決済処理の結果を表示する。
【0042】
ステップS3では、入力部404からの入力を受け付け、処理対象とする1つのポストペイド端末2を特定し、特定したポストペイド端末2についての情報収集処理を行なう。ポストペイド端末2の特定は、従業員の端末No.を直接入力することによって行なっても良いし、従業員の識別番号の入力に応じて前記端末No.を特定することによって行なっても良い。または、決済を行なう一部又は全ての従業員の端末No.又は識別番号を表示部405に表示し、マウス等の入力部404の操作によって選択することによって、ポストペイド端末2を特定しても良い。
【0043】
前記情報収集処理は、特定したポストペイド端末2の利用明細のデータと電子領収書のデータを情報収集装置5に要求し、情報収集装置5から前記利用明細のデータを受け取ることによって行なう。
【0044】
受け取った利用明細のデータは、特定したポストペイド端末2と、企業から食費として支給される仮想食費支給額CH1(例えば、7000円)と、利用明細のデータと、を関連付けてハードディスク406に記憶される。
【0045】
ステップS4では、支払総額P1を算出する。この算出は、例えば、利用明細のデータ又は電子領収書のデータから、前回の決済時から次の決済時(前記仮決済時の要求があった場合は、前記仮決済時)までの所定期間内の支払総額を求めることによって行なう。また、所定期間を、企業3の経理上の締め日から次の締め日までの期間としてもよい。
【0046】
ステップS5では、食費総額P2を算出する。この算出は、例えば、レストラン等の食事を摂取する店での利用明細の支出額合計と、食事を摂取する店以外の店での利用の内、食べ物に関する支出を抽出して求められる支出額合計と、の合計を求めることによって行なう。なお、これらの処理は、食事を摂取する店か否かの付加情報を有する店名についてのデータベースと、食べ物であるか否かの付加情報を有する商品又は商品コードについてのデータベースと、に基づいて行なう。これらのデータベースは、情報処理装置5に備えられているものであり、既成のデータベースと、加盟・契約店で用いている商品又は商品コードに関する情報と、電子食券システム1のために用意した情報と、の内の少なくとも1つ以上のものを必要に応じて処理したもので構成される。
【0047】
ステップS6では、食費総額P2が仮想食費支給額CH1以上であるか判断し、仮想食費支給額CH1以上と判断する場合は、処理をステップS7に進め、仮想食費支給額CH1未満であると判断する場合は、処理をステップS13に進める。
【0048】
図7に示すように、ステップS7では、ポストペイド端末2の契約者が従業員2であるかどうか判断し、従業員2である(Yes)と判断する場合は処理をステップS8に進め、従業員2でない(No)と判断する場合(ポストペイド端末の契約者が企業3又は管理会社9である場合)は処理をステップS10に進める。ステップS8では、仮想食費支給額CH1の50%を企業負担額CH1aとする。ステップS9では、企業負担額CH1aが含まれる利用情報を企業3および従業員2へ通知する。
【0049】
ステップS10では、仮想食費支給額CH1の50%を企業負担額CH1aとする。ステップS11では、支払総額P1から企業負担額CH1aを引いた額を従業員支払額CHzとする。ステップS12では、企業負担額CH1aと従業員支払額CHzが含まれる利用情報を企業3および従業員2へ通知する。
【0050】
図8に示すように、ステップS13では、ポストペイド端末2の契約者が従業員2であるかどうか判断し、従業員2である(Yes)と判断する場合は処理をステップS14に進め、従業員2でない(No)と判断する場合(ポストペイド端末の契約者が企業3又は管理会社9である場合)は処理をステップS16に進める。ステップS14では、食費総額P2の50%を企業負担額CH1aとする。ステップS15では、企業負担額CH1aが含まれる利用情報を企業3および従業員2へ通知する。
【0051】
ステップS16では、食費総額P2の50%を企業負担額CH1aとする。ステップS17では、支払総額P1から企業負担額CH1aを引いた額を従業員支払額CHzとする。ステップS18では、企業負担額CH1aと従業員支払額CHzが含まれる利用情報を企業3および従業員2へ通知する。
【0052】
処理装置6から利用情報を受け取った企業3と従業員2は、図9に示すように、企業負担額CH1aもしくは従業員支払額CHzを企業3もしくは従業員2に対して請求する。ステップS9、15で企業負担額CH1aが含まれる利用情報を受け取った従業員2は、企業負担額CH1aを管理会社9を介して企業3に請求する。ポストペイド端末2の契約者が企業3であって、ステップS12、18で企業負担額CH1aと従業員支払額CHzとが含まれる利用情報を受け取った企業3は、従業員支払額CHzを従業員2に請求する。なお、ポストペイド端末2の契約者が管理会社9である場合は、ステップS12、18での処理が企業3と従業員2に対する企業負担額CH1aと従業員支払額CHzの請求となる。
【0053】
上記実施形態では、処理装置6による算出結果が含まれる利用情報を処理装置6から企業3および従業員2へ通知したが、処理装置6による算出結果が含まれる利用情報は、処理装置6から決済会社7のサーバ7aに送信し、決済会社7から企業3および従業員2へ通知するようにしてもよい。この場合、処理装置6による算出結果が含まれる利用情報は、決済会社から発行される請求書又は利用明細書とともに、又は、別々に通知することができる。
【0054】
電子食券システム1は、企業負担額CH1a及び/又は従業員支払額CHzが含まれる利用情報が企業3および従業員2へ通知されるので、クレジットカードなどの汎用性のあるポストペイド端末2を利用しても、企業3から支給される食費額を管理することができる。
【0055】
<第二実施形態>
(1)電子食券システムの全体構成
次に、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態の電子食券システム12は図10に示すように、個人識別端末13を有している従業員と、食費の一部又は全部の予め定めた割合を負担する企業14と、このシステムを管理する管理会社18との間で用いるものであり、個人識別端末認証機15と、情報収集装置16と、処理装置17とを含んでいる。第二実施形態のシステムは、第一実施形態のように決済会社を必要としない。
【0056】
第二実施形態における個人識別端末13は、所有者(従業員)を識別できる個人識別情報(氏名や社員番号等)を記憶する記憶部を有する端末であって、当該記憶部に記憶された個人識別情報が、認証機にて読み取り可能なものであればよく、その種類は限定されない。例えば、第一実施形態のシステムで使用されるクレジットカード等のポストペイド端末を使用してもよいし、電子バリューをチャージ可能なプリペイド端末や、従業員が所属する会社が発行した社員証を使用してもよい。そのため、第二実施形態のシステムでは、従業員が既に所有している個人識別端末をそのまま使用することができる。尚、個人識別端末13に内蔵されたIC(記憶部)に記録された情報の読み取り形式は、非接触型と接触型のいずれであってもよい。
【0057】
前記電子バリューのチャージ方法について、本実施形態では、企業14が経理端末19から管理会社18の処理装置17に対して電子バリューをチャージすることを特徴とする。つまり、第二実施形態のシステムにおいて、企業から従業員に支給される食費に相当する電子バリューは、従業員が所有する個人識別端末13にチャージされるのではなく、管理会社18の処理装置17にチャージされる。具体的なチャージ方法としては、例えば月初めに7000円を企業14が管理会社18の処理装置17にチャージすることが挙げられるが、チャージの期日、頻度、額については企業14が自由に設定してよい。
【0058】
第二実施形態のシステム12で使用される個人識別端末13は、特定の飲食店以外、例えば、ショッピングセンター、コンビニエンスストア、交通機関などでも使用できる汎用性を有する個人識別端末であってもよいが、システム12の利用はシステム12の加盟・契約店でのみ有効である。つまり、システム12において、企業14から処理装置17にチャージされた電子バリューは、システム12の加盟・契約店でのみ利用することが可能なものである。
例えば、個人識別端末13がクレジットカードであった場合、クレジットカード自体は様々な場所で利用可能であるが、本システム12の加盟・契約店以外でクレジットカードを利用した場合、企業14から処理装置17にチャージされた電子バリューは支払に利用されず、クレジットカードの契約者個人によって決済されて支払がなされる。一方、システム12の加盟・契約店でこのクレジットカードを使用した場合、企業14から処理装置17にチャージされた電子バリューが支払に利用され、クレジットカードの契約者個人による決済及び支払はなされない。
例えば、個人識別端末13が、電子バリューがチャージされたプリペイドカードであった場合、プリペイドカード自体は様々な場所で利用可能であるが、本システム12の加盟・契約店以外でプリペイドカードを利用した場合、企業14から処理装置17にチャージされた電子バリューは支払に利用されず、プリペイドカードにチャージされた電子バリューによって支払がなされる。一方、システム12の加盟・契約店でこのプリペイドカードを使用した場合、企業14から処理装置17にチャージされた電子バリューが支払に利用され、プリペイドカードにチャージされた電子バリューによる支払はなされない。
【0059】
個人識別端末認証機15は情報収集装置16に接続されており、個人識別端末13の利用データを情報収集装置16に送信する。以下、個人識別端末認証機15が行なう処理の流れについて説明する。
【0060】
図11に示すように、ステップS105では個人識別端末13の認証を管理会社18の情報収集装置16に要求する。この認証は個人識別端末認証機15が行なうようにしてもよい。ステップS106では、管理会社18の情報収集装置16が認証NOの通知を受信したと判断した場合は処理を終了し、認証OKの通知を受信したと判断した場合は処理をステップS107に進める。ステップS107では、個人識別端末13が電子領収書の受領機能を有する端末かどうか判断し、受領機能を有すると判断した場合は処理をS108に進める。受領機能を有さないと判断した場合は処理をS109に進める。
【0061】
ステップS108では、個人識別端末13の記憶部に電子領収書のデータを記録する。ステップS109では、管理会社18の情報収集装置16へ利用明細のデータを送信する。ステップS108で電子領収書のデータを受け取った個人識別端末13の利用者(従業員)は、情報収集装置16へ電子領収書のデータを送信する。
【0062】
情報収集装置16は、個人識別端末認証機15から、個人識別端末13毎の利用明細のデータを収集し、処理装置17へと出力するものである。この情報収集装置16は、例えば、電子食券システム12の管理会社18に設置される。
【0063】
処理装置17は、システム12の管理会社18に設置される。この処理装置17は、従業員がシステム12の加盟・契約店で食事を行う毎に(食費発生時に)、システム12の加盟・契約店に設置された個人識別端末認証機15から従業員の利用額を含む利用明細データを受信し、この利用額(食費額)を企業が処理装置17の記憶部(後述するハードディスク414)にチャージした電子バリューの額から減算処理する。そして例えば、企業などの月末の決済時などに、従業員の利用明細のデータまたは電子領収書のデータを分析し、企業負担額CH2aと、従業員支払額CHz´とを算出し、その算出結果の情報を企業14及び従業員13に送付する。この情報の送付は、企業14の経理端末19や従業員13のパソコンに対して行なうことができるが、これに限定されず、処理装置17による算出結果を確認することができる方法であればいずれでもよい。例えば、個人識別端末13が携帯電話機等の情報の送受信が可能なものである場合は、個人識別端末13に対して送信することができる。また、個人識別端末13が、例えば、NFCIP-2(ISO/IEC21481)の規格に準拠する近距離通信が可能な場合は、個人識別端末13を処理装置17、従業員13のパソコンまたは経理端末19にかざすことで処理装置17から前記算出結果を得るようにしてもよい。尚、送付は、郵送を含む。
【0064】
ここで、企業負担額CH2aとは、後述する所定期間内の食費総額P3のうち企業14に請求する額である。従業員支払額CHz´とは、所定期間内の食費総額P3のうち従業員13に請求する額である。
【0065】
個人識別端末認証機15は、加盟・契約店に設置されている。加盟・契約店には、食事をとる店以外の店、例えば、種々のショッピングセンター、交通機関、宿泊施設等を含む。場合によっては、企業14内、管理会社17内、の店にも備えられ得る。
【0066】
(2)個人識別端末13を用いた支払いについて
図12(a)は、個人識別端末13を用いた支払いの様子を示し、図12(b)は、該支払い時に作成される利用明細と電子領収書の一例を示す図である。支払い時、個人識別端末13からは、個人識別情報の他に、その端末を識別するためのNo.(以下、端末No.という)のデータが、認証機15に出力される。利用明細のデータには、例えば、店名と、購入商品名と、利用前の電子バリュー残高と、利用額と、利用後残高と、端末No.とが含まれている。
【0067】
(3)情報収集装置16
図13は、情報収集装置16が実行する処理のフローチャートである。情報収集装置16は、いわゆるコンピュータ端末であり、中央演算処理装置(CPU)が、コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、以下の処理を実行する。まず、ステップS505では、個人識別端末13の利用がある毎に、接続されている各認証機15からリアルタイムで利用明細のデータを受け取り分析する。また、電子領収書の受領機能を有する個人識別端末13からは電子領収書のデータを受け取り分析する。分析は、端末No.に基づいて、利用者を確認するものである。なお、設定事項であるが、各認証機15と情報収集装置16の間に、バッファメモリを備え、1時間、半日等の予め定められた間隔で、データのやり取りを行なうようにすることもできる。
【0068】
ステップS506では、1取引を1レコードとして、記憶媒体に記録してデータベース化する。このデータベース化を行なう際、必要に応じて、端末No.又は対応する従業員の識別番号(社員番号)で検索可能とするための付加情報をレコードに付す。
【0069】
ステップS507では、管理会社18の処理装置17からのデータ要求の有無を判断する。処理装置17から特定の個人識別端末13についてのデータ要求があった場合には(ステップS507でYes)、特定の従業員の個人識別端末13の利用明細のデータ又は電子領収書のデータを処理装置17に出力し(ステップS508)、その後、ステップS505に戻る。この個人識別端末13の利用明細のデータ又は電子領収書のデータの処理装置17への出力は、従業員がシステム12の加盟・契約店で食事を行った時(食費発生時)にリアルタイムでも行われる。なお、設定事項であるが、一度に複数人の個人識別端末13についてのデータ要求がされた場合には、各データを、例えば、端末No.順に、出力することもできる。他方、データ要求がない場合には(ステップS507でNo)、ステップS505、S506の処理を繰り返し実行して、各従業員の利用明細のデータをデータベース化する。この図13でのステップS508の出力は、後に図15に示すステップS24の情報収集処理へと送られる。
【0070】
(4)処理装置17
(4−1)処理装置17の構成
図14は、管理会社18の処理装置17の構成を示す図である。処理装置17は、いわゆるコンピュータ端末であり、演算部である中央演算処理装置(CPU)409と、RAM410と、ROM411と、入力部412と、表示部413と、記憶部であるハードディスク414と、出力部415と、を備えている。
【0071】
前記RAM410は、データ作業領域として用いられる。前記ROM410は、オペレーティングシステム(OS)、電子バリュー管理プログラム等のプログラムを格納している。前記入力部412は、キーボード、マウス、個人識別端末13の端末No.読取装置等を備えている。前記表示部413は、液晶ディスプレイ等である。前記ハードディスク414は、企業14の経理端末19からチャージされる電子バリューのデータと、情報収集装置500から受け取った従業員13の個人識別端末13毎の利用明細のデータ及び電子領収書のデータと、個人識別端末13の契約者情報等を記憶するのに用いられる。契約者情報は、端末No.に関連付けられてハードディスク414に記憶される。前記出力部415は、請求書又は利用明細等の必要書類発行用のプリンタ等を備えている。
【0072】
処理装置17のCPU409は、例えば、ネットワークを介して、企業14の経理端末19と、情報収集装置16(500)と、に接続されている。
【0073】
(4-2)処理装置17の実行する処理内容
図15(a)(b)は、処理装置17のCPU409が実行する処理のフローチャートである。図15(a)は、従業員の食費支払い時における処理のフローチャートであり、(b)は企業の決済時における処理のフローチャートである。CPU409は、コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、以下の処理を実行する。
【0074】
先ず、従業員の食費支払い時における処理のフローチャートを、図15(a)に基づいて説明する。
ステップS19では初期設定を行い、ステップS20では、情報収集装置16から出力された個人識別端末13の利用明細のデータを受信する。この受信は、従業員がシステム12の加盟・契約店で食事を行った時(食費発生時)にリアルタイムで行われてもよいし、予め定められた一定期間毎に行われてもよいし、処理装置17から情報収集装置16に送信要求がなされた時に行われてもよい。
ステップS21では、情報収集装置16から受信した利用明細データに含まれる食費額に対応する電子バリューを、処理装置17の記憶部(ハードディスク414)に記憶されている企業からチャージされた電子バリューのチャージ額から減算処理する。
【0075】
次に、企業の決済時における処理のフローチャートを、図15(b)に基づいて説明する。
ステップS22では、初期設定を行なうと共に、入力部412による仮決済処理の要求を受け付ける。前記仮決済処理とは、例えば、従業員13又は企業14からの要求に応じて、管理会社18が、任意の時期に、電子バリューの使用状況を確認するための処理であり、仮決済要求時の、企業負担額CH2aと従業員支払額CHz´とを算出する処理をいう。
【0076】
ステップS23では、決済時期であるか否かを判断する。決済時期でない場合(ステップS23でNo)、ステップS22に戻る。決済時期の場合(ステップS23でYes)、以下のステップS24乃至S29の処理を実行する。前記決済時期とは、契約内容によって決まる決済の時期であり、日次処理、月次処理、等の場合がある。
【0077】
なお、前記ステップS22で仮決済処理の要求があった場合、ステップS23では、決済時期であると判断する。仮決済処理実行時、後述するステップS29では、設定に応じて表示部412、及び/又は企業14の経理端末19に、仮決済処理の結果を表示する。
【0078】
さらに、設定事項であるが、CPU409は、ネットワークに接続されている、従業員のコンピュータ端末又は企業14の経理端末19からの入力を受け付け、前記仮決済処理を実行する。この場合、後述するステップS29では、仮決済処理の要求を受けた端末のディスプレイに、前記仮決済処理の結果を表示する。
【0079】
ステップS24では、入力部412からの入力を受け付け、処理対象とする1つの個人識別端末13を特定し、特定した個人識別端末13についての情報収集処理を行なう。個人識別端末13の特定は、従業員の端末No.を直接入力することによって行なっても良いし、従業員の識別番号の入力に応じて前記端末No.を特定することによって行なっても良い。または、決済を行なう一部又は全ての従業員の端末No.又は識別番号を表示部413に表示し、マウス等の入力部412の操作によって選択することによって、個人識別端末13を特定しても良い。
【0080】
前記情報収集処理は、特定した個人識別端末13の利用明細のデータと電子領収書のデータを情報収集装置16に要求し、情報収集装置16から前記利用明細のデータを受け取ることによって行なう。
【0081】
受け取った利用明細のデータは、特定した個人識別端末13と、企業から食費として支給される仮想食費支給額CH2(例えば、7000円)と、利用明細のデータと、を関連付けてハードディスク414に記憶される。
【0082】
ステップS25では、食費総額P3を算出する。この算出は、例えば、利用明細のデータ又は電子領収書のデータから、前回の決済時から次の決済時(前記仮決済時の要求があった場合は、前記仮決済時)までの所定期間内の食費総額を求めることによって行なう。また、所定期間を、企業14の経理上の締め日から次の締め日までの期間としてもよい。
【0083】
ステップS26では、食費総額P3が仮想食費支給額CH2以上であるか判断し、仮想食費支給額CH2以上と判断する場合は、処理をステップS27に進め、仮想食費支給額CH2未満であると判断する場合は、処理をステップS28に進める。
【0084】
ステップS27では、仮想食費支給額CH2の50%を企業負担額CH2aとする。ステップS29では、企業負担額CH2aが含まれる利用情報を企業14へ通知する。また、通知は従業員13に行ってもよく、食費総額P3から企業負担額CH2aを引いた額を従業員支払額CHz´とし、企業負担額CH2aと従業員支払額CHz´が含まれる利用情報を企業14および従業員13へ通知してもよい。
【0085】
ステップS28では、食費総額P3の50%を企業負担額CH2aとする。ステップS29では、企業負担額CH2aが含まれる利用情報を企業14へ通知する。また、通知は従業員13に行ってもよく、食費総額P3から企業負担額CH2aを引いた額を従業員支払額CHz´とし、企業負担額CH2aと従業員支払額CHz´が含まれる利用情報を企業14および従業員13へ通知してもよい。
【0086】
第二実施形態の電子食券システム12は、企業が管理会社の処理装置に対して電子バリューをチャージすることにより、決済会社を必要とせず、従業員が既に所有している個人識別端末を用いることができ、システムの簡略化を図ることができる。
【符号の説明】
【0087】
1、12 電子食券システム
2 ポストペイド端末
3、14 企業
4 ポストペイド支払機
5、16 情報収集装置
6、17 処理装置
13 個人識別端末
15 個人識別端末認証機
401、409 CPU
406、414 HDD
CH1、CH2 仮想食費支給額
CH1a、CH2a 企業負担額
CHz、CHz´ 従業員支払額
P1 支払総額
P2、P3 食費総額

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人識別端末を有している従業員と、従業員に食費の一部又は全部の予め定めた割合を負担する企業と、この電子食券システムを管理する管理会社とを含むグループの間で用い、個人識別端末の認証機と、処理装置と、情報収集装置と、を含む電子食券システムであって、
前記情報収集装置は、個人識別端末毎の利用明細データを所定期間収集し、前記処理装置へと出力するものであり、
前記処理装置は、演算部と、記憶部と、を備えており、
前記演算部は、コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、
前記個人識別端末毎に、前記企業から食費として支給される仮想食費支給額と、前記利用明細データと、を関連付けて記憶部に記憶させる手段と、
前記個人識別端末を前記所定期間内に利用した支払総額及び食費総額を算出する手段と、
前記支払総額のうち前記企業に請求する企業負担額と、前記支払総額のうち前記従業員に請求する従業員支払額と、を算出する請求額算出手段と、を実現するものであり、
前記請求額算出手段は、
(1)前記食費総額が前記仮想食費支給額以上ある場合、前記仮想食費支給額に前記予め定めた割合を掛け合わせた額を企業負担額に設定し、
(2)前記食費総額が前記仮想食費支給額未満である場合、前記食費総額に前記予め定めた割合を掛け合わせた額を企業負担額に設定する
ことを特徴とする電子食券システム。
【請求項2】
前記個人識別端末が特定の飲食店以外でも使用できる汎用性を有するポストペイド端末であって、前記個人識別端末の認証機がポストペイド支払機であり、
前記請求額算出手段は、
(1)前記食費総額が前記仮想食費支給額以上であって、
(1−1)前記ポストペイド端末の契約者が前記従業員である場合、前記仮想食費支給額に前記予め定めた割合を掛け合わせた額を企業負担額に設定し、
(1−2)前記ポストペイド端末の契約者が前記企業又は前記管理会社である場合、前記仮想食費支給額に前記予め定めた割合を掛け合わせた額を企業負担額に設定し、前記支払総額から前記企業負担額を引いた額を従業員支払額に設定し、
(2)前記食費総額が前記仮想食費支給額未満であって、
(2−1)前記ポストペイド端末の契約者が前記従業員である場合、前記食費総額に前記予め定めた割合を掛け合わせた額を企業負担額に設定し、
(2−2)前記ポストペイド端末の契約者が前記企業又は前記管理会社である場合、前記食費総額に前記予め定めた割合を掛け合わせた額を企業負担額に設定し、前記支払総額から前記企業負担額を引いた額を従業員支払額に設定する
ことを特徴とする、請求項1記載の電子食券システム。
【請求項3】
前記ポストペイド端末がクレジットカードであって、前記グループがクレジットカード決済会社を含み、前記ポストペイド支払機がクレジットカード認証装置であり、
クレジットカード認証装置は、従業員がクレジットカードを使用したときに、クレジットカード決済会社へ認証を求め、認証の可否をクレジットカード決済会社から受信するものであり、
前記請求額算出手段によって設定された請求額をクレジットカード決済会社へ通知する
ことを特徴とする請求項2記載の電子食券システム。
【請求項4】
前記グループは、前記従業員と、前記企業と、前記管理会社とから構成されており、
前記情報収集装置は、前記個人識別端末毎の利用明細データを、前記認証機から受信し、前記処理装置へと出力するものであり、
前記演算部は、コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、
前記仮想食費支給額を、前記認証機が設置された加盟店において使用可能な電子バリューのチャージ額として前記記憶部に記憶させる手段と、
前記認証機から受信した前記利用明細データに含まれる食費額に対応する電子バリューを、前記チャージ額から減算する手段を実現するものである
ことを特徴とする、請求項1記載の電子食券システム

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−77289(P2013−77289A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−165252(P2012−165252)
【出願日】平成24年7月25日(2012.7.25)
【出願人】(510304106)株式会社ファナティック (2)
【Fターム(参考)】