説明

電子黒板連動システムおよび電子黒板連動方法

【課題】 電子黒板装置と特定の端末装置とを連動させることができる電子黒板連動システムおよび電子黒板連動方法を提供する。
【解決手段】 端末制御装置20は、最先に連動要求を受信した電子端末10を連動対象の電子端末10とし、最先に連動要求を受信した電子黒板30を連動対象の電子黒板30とする。連動対象の電子黒板30から回答完了を受信すると、回答完了および転送可能項目を連動対象の電子端末10に送信する。端末制御装置20は、転送可能項目の中から選択された選択項目についての回答転送要求を、連動対象の電子端末10から受信すると、連動対象の電子黒板30から、選択項目についての回答内容を取得し、取得した回答内容を連動対象の電子端末10に送信する。連動対象の電子端末10は、端末制御装置20から回答内容を受信すると、受信した回答内容を記憶して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子黒板に描画された情報を他の装置に反映することができる電子黒板連動システムおよび電子黒板連動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子黒板装置(以下「電子黒板」ともいう)は、独立した表示装置として使用されることが一般的であり、電子黒板に記述された内容は、容易に電子媒体に記憶することができる。また、個人が使用する端末装置、たとえば携帯端末も、独立した使用が基本となっており、表示データを表示画面に表示するのが一般的な仕様である。このように、電子黒板と端末装置とは、一般的に独立した仕様となっており、個々の状況に応じた連動は実施されていない。
【0003】
従来技術として、特許文献1に記載される電子黒板装置がある。この電子黒板装置は、ボード上に描かれた画をスキャナによって光学的に読み取り、読み取った画像を画像データに変換して、赤外線発信器によって外部に出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−223331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術は、個々の状況に応じた連動、たとえば読み取った画像の一部のみを外部の装置、たとえば端末装置に出力して、端末装置と連動させることはできない。また、従来技術は、電子黒板と外部の装置との関連付けができないため、回答者が電子黒板に回答を記入した場合に、特定の端末装置にその回答の内容を送信することはできない。
【0006】
本発明の目的は、電子黒板装置と特定の端末装置とを連動させることができる電子黒板連動システムおよび電子黒板連動方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、情報を描画可能な複数の電子黒板装置と、複数の端末装置と、前記複数の電子黒板装置のうちの1つの電子黒板装置の動作と前記複数の端末装置のうちの1つの端末装置の動作とを連動させて制御する制御装置と、を含む電子黒板連動システムであって、
各端末装置は、電子黒板装置との連動を要求するための連動要求を制御装置に送信することを指示する連動要求指示部と、連動要求指示部によって連動要求が指示されると、指示された連動要求を制御装置に送信する端末制御部とを含み、
制御装置は、複数の端末装置の端末制御部から連動要求を受信したとき、受信した複数の連動要求のうち最先に受信した連動要求を送信した端末制御部の端末装置を連動対象の端末装置とすることを特徴とする電子黒板連動システムである。
【0008】
また本発明は、前記制御装置は、連動対象の電子黒板装置に描画された描画情報を、該連動対象の電子黒板装置から取得し、取得した描画情報を前記連動対象の端末装置に送信することを特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記各端末装置は、表示部および選択操作を行うための操作部をさらに含み、
前記各電子黒板装置は、前記描画情報を複数の項目に分類して項目ごとに描画するとともに、該複数の項目を表す項目情報を記憶し、
前記制御装置は、前記連動対象の電子黒板装置から前記項目情報を取得し、取得した項目情報を前記連動対象の端末装置に送信し、
前記連動対象の端末装置の端末制御部は、前記制御装置から項目情報を受信すると、受信した項目情報が示す複数の項目を表示部に表示させ、表示部に表示させた複数の項目の中から操作部による選択操作によって選択された項目を表す選択項目情報を前記制御装置に送信し、
前記制御装置は、前記連動対象の端末装置の端末制御部から選択項目情報を受信すると、受信した選択項目情報が示す選択された項目の描画情報を、前記連動対象の電子黒板装置から取得し、取得した描画情報を前記連動対象の端末装置に送信することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記各端末装置は、描画情報を要求するための描画情報要求を前記制御装置に送信することを指示する描画情報要求指示部をさらに含み、
前記端末制御部は、描画情報要求指示部によって描画情報要求が指示されると、描画情報要求を前記制御装置に送信し、
前記制御装置は、連動対象でない端末装置の端末制御部から描画情報要求を受信すると、前記連動対象の電子黒板装置から項目情報を取得し、取得した項目情報を、前記描画情報要求を受信した連動対象でない端末装置に送信し、
該連動対象でない端末装置の端末制御部は、前記制御装置から項目情報を取得すると、取得した項目情報が示す複数の項目を表示部に表示させ、表示部に表示させた複数の項目の中から操作部による選択操作によって選択された項目を表す選択項目情報を前記制御装置に送信し、
前記制御装置は、前記連動対象でない端末装置の端末制御部から選択項目情報を受信すると、受信した選択項目情報が示す選択された項目の描画情報を、前記連動対象の電子黒板装置から取得し、取得した描画情報を、前記連動対象でない端末装置に送信することを特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記各電子黒板装置は、端末装置との連動を要求するための第2の連動要求を前記制御装置に送信することを指示する第2の連動要求指示部と、第2の連動要求指示部によって第2の連動要求の指示があると、第2の連動要求を前記制御装置に送信する黒板制御部とを含み、
前記制御装置は、前記複数の電子黒板装置の黒板制御部から第2の連動要求を受信したとき、受信した複数の第2の連動要求のうち最先に受信した第2の連動要求を送信した黒板制御部の電子黒板装置を連動対象の電子黒板装置とすることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、情報を描画可能な複数の電子黒板装置と、複数の端末装置と、前記複数の電子黒板装置のうちの1つの電子黒板装置の動作と前記複数の端末装置のうちの1つの端末装置の動作とを連動させて制御する制御装置と、を含み、各端末装置は、電子黒板装置との連動を要求するための連動要求を制御装置に送信することを指示する連動要求指示部と端末制御部とを含み、各電子黒板装置は、端末装置との連動を要求するための第2の連動要求を制御装置に送信することを指示する第2の連動要求指示部と黒板制御部とを含む電子黒板連動システムで実行される電子黒板連動方法であって、
各端末装置の端末制御部が、連動要求指示部によって連動要求が指示されると、指示された連動要求を前記制御装置に送信する送信ステップと、
制御装置が、複数の端末装置の端末制御部から連動要求を受信したとき、受信した複数の連動要求のうち最先に受信した連動要求を送信した端末制御部の端末装置を連動対象の端末装置とする制御ステップと、
各電子黒板装置の黒板制御部が、第2の連動要求指示部によって第2の連動要求が指示されると、指示された第2の連動要求を前記制御装置に送信する第2の送信ステップとを含むことを特徴とする電子黒板連動方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、情報を描画可能な複数の電子黒板装置と、複数の端末装置と、前記複数の電子黒板装置のうちの1つの電子黒板装置の動作と前記複数の端末装置のうちの1つの端末装置の動作とを連動させて制御する制御装置と、を含む電子黒板連動システムで、電子黒板装置と端末装置と連動させるにあたって、各端末装置は、電子黒板装置との連動を要求するための連動要求を制御装置に送信することを指示する連動要求指示部と、連動要求指示部によって連動要求が指示されると、指示された連動要求を制御装置に送信する端末制御部とを含む。そして、制御装置は、複数の端末装置の端末制御部から連動要求を受信したとき、受信した複数の連動要求のうち最先に受信した連動要求を送信した端末制御部の端末装置を連動対象の端末装置とする。したがって、電子黒板連動システムは、電子黒板装置と特定の端末装置とを連動させることができる。
【0014】
また本発明によれば、前記制御装置は、連動対象の電子黒板装置に描画された描画情報を、該連動対象の電子黒板装置から取得し、取得した描画情報を前記連動対象の端末装置に送信する。したがって、電子黒板連動システムは、電子黒板装置に描画された情報を特定の端末装置に送信することができる。
【0015】
また本発明によれば、前記各端末装置は、表示部および選択操作を行うための操作部をさらに含む。前記各電子黒板装置は、前記描画情報を複数の項目に分類して項目ごとに描画するとともに、該複数の項目を表す項目情報を記憶する。前記制御装置は、前記連動対象の電子黒板装置から前記項目情報を取得し、取得した項目情報を前記連動対象の端末装置に送信する。前記連動対象の端末装置の端末制御部は、前記制御装置から項目情報を受信すると、受信した項目情報が示す複数の項目を表示部に表示させ、表示部に表示させた複数の項目の中から操作部による選択操作によって選択された項目を表す選択項目情報を前記制御装置に送信する。そして、前記制御装置は、前記連動対象の端末装置の端末制御部から選択項目情報を受信すると、受信した選択項目情報が示す選択された項目の描画情報を、前記連動対象の電子黒板装置から取得し、取得した描画情報を前記連動対象の端末装置に送信する。したがって、電子黒板連動システムは、電子黒板装置に描画された描画情報のうち選択された項目についての描画情報のみを特定の端末装置に送信することができる。
【0016】
本発明によれば、前記各端末装置は、描画情報を要求するための描画情報要求を前記制御装置に送信することを指示する描画情報要求指示部をさらに含む。前記端末制御部は、描画情報要求指示部によって描画情報要求が指示されると、描画情報要求を前記制御装置に送信する。前記制御装置は、連動対象でない端末装置の端末制御部から描画情報要求を受信すると、前記連動対象の電子黒板装置から項目情報を取得し、取得した項目情報を、前記描画情報要求を受信した連動対象でない端末装置に送信する。該連動対象でない端末装置の端末制御部は、前記制御装置から項目情報を取得すると、取得した項目情報が示す複数の項目を表示部に表示させ、表示部に表示させた複数の項目の中から操作部による選択操作によって選択された項目を表す選択項目情報を前記制御装置に送信する。そして、前記制御装置は、前記連動対象でない端末装置の端末制御部から選択項目情報を受信すると、受信した選択項目情報が示す選択された項目の描画情報を、前記連動対象の電子黒板装置から取得し、取得した描画情報を、前記連動対象でない端末装置に送信する。したがって、電子黒板連動システムは、連動対象でない電子端末装置にも、電子黒板装置に描画された描画情報のうち選択された項目についての描画情報のみを送信することができる。
【0017】
また本発明によれば、前記各電子黒板装置は、端末装置との連動を要求するための第2の連動要求を前記制御装置に送信することを指示する第2の連動要求指示部と、第2の連動要求指示部によって第2の連動要求の指示があると、第2の連動要求を前記制御装置に送信する黒板制御部とを含む。前記制御装置は、前記複数の電子黒板装置の黒板制御部から第2の連動要求を受信したとき、受信した複数の第2の連動要求のうち最先に受信した第2の連動要求を送信した黒板制御部の電子黒板装置を連動対象の電子黒板装置とする。したがって、電子黒板連動システムは、特定の電子黒板装置と特定の端末装置とを連動させることができる。
【0018】
また本発明によれば、情報を描画可能な複数の電子黒板装置と、複数の端末装置と、前記複数の電子黒板装置のうちの1つの電子黒板装置の動作と前記複数の端末装置のうちの1つの端末装置の動作とを連動させて制御する制御装置と、を含み、各端末装置は、電子黒板装置との連動を要求するための連動要求を制御装置に送信することを指示する連動要求指示部と端末制御部とを含み、各電子黒板装置は、端末装置との連動を要求するための第2の連動要求を制御装置に送信することを指示する第2の連動要求指示部と黒板制御部とを含む電子黒板連動システムで実行される電子黒板連動方法によって、電子黒板装置と端末装置とを連動させるにあたって、送信ステップでは、各端末装置の端末制御部が、連動要求指示部によって連動要求が指示されると、指示された連動要求を前記制御装置に送信する。制御ステップでは、制御装置が、複数の端末装置の端末制御部から連動要求を受信したとき、受信した複数の連動要求のうち最先に受信した連動要求を送信した端末制御部の端末装置を連動対象の端末装置とする。そして、第2の送信ステップでは、各電子黒板装置の黒板制御部が、第2の連動要求指示部によって第2の連動要求が指示されると、指示された第2の連動要求を前記制御装置に送信する。したがって、電子黒板連動方法は、電子黒板装置と特定の端末装置とを連動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態である電子黒板連動システム1に含まれる各装置の外観を示す図である。
【図2】電子端末10のブロック図である。
【図3】端末制御装置20のブロック図である。
【図4】電子黒板30のブロック図である。
【図5】電子黒板連動システム1の接続図である。
【図6】端末制御装置20による電子端末10と電子黒板30との関連付けを説明するための図である。
【図7】電子黒板30bに表示される回答欄44の一例を示す図である。
【図8】回答内容の格納手順を説明するための図である。
【図9】格納された回答内容の表示手順を説明するための図である。
【図10】他の電子端末10bへの回答内容の転送手順を説明するための図である。
【図11】電子端末10に送信される回答内容のフォーマットを示す図である。
【図12】電子黒板30に表示される操作ボタンの他の例を示す図である。
【図13】装置間で行われる関連付け手順の動作シーケンスを示す図である。
【図14】電子端末10が実行する転送可能項目取得処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】端末制御装置20が実行する関連付け処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図16】電子黒板30が実行する回答処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図17】装置間で行われる回答格納手順の動作シーケンスを示す図である。
【図18】電子端末10が実行する回答取得処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図19】端末制御装置20が実行する回答転送処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図20】電子黒板30が実行する回答送信処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図21】電子端末10が実行する回答表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の一実施形態である電子黒板連動システム1に含まれる各装置の外観を示す図である。電子黒板連動システム1は、複数の電子端末装置(以下「電子端末」という)10、1つの端末制御装置20、および少なくとも1つの電子黒板装置(以下「電子黒板」という)30を含んで構成される。端末制御装置20は、電子端末10と電子黒板30との連動を制御する。本発明に係る電子黒板連動方法は、電子黒板連動システム1で実行される。
【0021】
電子黒板連動システム1は、たとえば教室や会議室などで用いられるシステムである。電子黒板連動システム1が教室で用いられる場合は、たとえば、各生徒がそれぞれ1台の電子端末10を操作し、教師が端末制御装置20を操作する。電子黒板30は、1台でもよいし、複数台でもよいが、たとえば複数台の電子黒板30の場合、複数台の電子黒板30に同じ問題が描画されるが、1台の電子黒板30が選択され、選択された1台の電子黒板30で、生徒が回答し、教師がその回答の評価と添削とを行う。
【0022】
図1(a)は、電子端末10の外観を示す。端末装置である電子端末10は、端末表示部101、端末タッチパネル104および端末操作キー121を含んで構成される。表示部である端末表示部101は、たとえば液晶ディスプレイによって構成される。操作部である端末タッチパネル104は、たとえばタッチパネルによって構成され、端末表示部101の表示画面上に設けられる。端末操作キー121は、複数の操作キーを含んで構成され、各操作キーはそれぞれの機能が割り当てられている。たとえば、1つの操作キーは、メニュー表示機能が割り当てられており、その操作キーを押下することによって、メニューが端末表示部101に表示される。
【0023】
図1(b)は、端末制御装置20の外観を示す。制御装置である端末制御装置20は、制御表示部201およびキーボード221を含んで構成される。制御表示部201は、たとえば液晶ディスプレイなどの表示装置によって構成される。キーボード221は、たとえば文字、数字および記号などを入力する入力装置によって構成される。
【0024】
図1(c)は、電子黒板30の外観を示す。電子黒板装置である電子黒板30は、黒板表示部301、黒板タッチパネル304および黒板操作キー321を含んで構成される。黒板表示部301は、たとえば液晶ディスプレイによって構成される。黒板タッチパネル304は、たとえばタッチパネルによって構成され、黒板表示部301の表示画面上に設けられる。黒板操作キー321は、複数の操作キーを含んで構成され、各操作キーはそれぞれの機能が割り当てられている。たとえば、1つの操作キーは、メニュー表示機能が割り当てられており、その操作キーを押下することによって、メニューが黒板操作キー321に表示される。
【0025】
図2は、電子端末10のブロック図である。電子端末10は、端末マイクロプロセッサユニット(Micro Processing Unit:以下「MPU」という)100、端末表示部101、端末画像メモリ102、端末画像メモリ制御部103、端末タッチパネル104、端末タッチパネル制御部105、端末キー制御部106、端末音声入出力部107、端末デコードエンコード処理部108、端末主メモリ109、端末外部メモリ制御部110、端末外部メモリ111、端末通信処理部112、端末不揮発性メモリ制御部113、端末転送可能項目保存部114、端末設問/回答保存部115、端末プログラム保管部116および端末操作キー121を含んで構成される。
【0026】
端末制御部である端末MPU100は、たとえばMPUによって構成され、端末主メモリ109に記憶されるプログラムを実行することによって、端末画像メモリ制御部103、端末タッチパネル制御部105、端末キー制御部106、端末デコードエンコード処理部108、端末外部メモリ制御部110、端末通信処理部112および端末不揮発性メモリ制御部113を制御する。たとえば、端末MPU100は、メモリ間でのデータ転送を制御し、各制御部や各処理部に制御命令を発行して制御や処理を実行させ、各入力装置からの割り込み処理を行い、あるいは、受け取ったデータに対する処理を行う。
【0027】
端末画像メモリ102は、端末表示部101に表示させる画像情報を端末画像メモリ制御部103から受け取ると、受け取った画像情報を記憶し、記憶した画像情報を読み出して端末表示部101に送って表示させる。端末画像メモリ制御部103は、端末画像メモリ102を制御し、端末MPU100から受け取った画像情報を端末画像メモリ102に送って画像として端末表示部101に表示させる。
【0028】
端末タッチパネル104は、指やタッチペンなどの指示具が触れた端末表示部101の表示画面上の位置を表す位置情報を端末タッチパネル制御部105に送る。端末タッチパネル制御部105は、端末タッチパネル104を制御し、端末タッチパネル104から受け取った位置情報を端末MPU100に送る。端末MPU100は、端末タッチパネル制御部105から受け取った位置情報に基づいて、指示具が端末表示部101の表示画面に表示されている画像のどの位置に触れたかを認識する。
【0029】
端末キー制御部106は、端末操作キー121を含む図示しないキー操作部を制御する。端末キー制御部106は、端末操作キー121に含まれる複数の操作キーのうちで操作された操作キーを表す操作キー情報を端末MPU100に送る。端末MPU100は、端末キー制御部106から受け取った操作キー情報に基づいて、どの操作キーが操作されたかを認識する。
【0030】
端末表示部101の表示画面に表示されている画像の表示内容に対するページ送り、ページ戻し、行スクロール、左右スクロール、拡大、および縮小などの操作は、端末タッチパネル104もしくはキー操作部に含まれる端末操作キー121を使用して行われる。端末MPU100は、端末タッチパネル104に対する操作、端末操作キー121に対する操作、または端末表示部101の表示画面に表示された操作ボタンに対する操作が、端末制御装置20に対して何かを要求する操作である場合、それぞれの要求を、端末通信処理部112を経由して、端末制御装置20に対して送信する。
【0031】
端末音声入出力部107は、端末スピーカ117および端末マイクロフォン(以下「マイク」という)118を含んで構成される。端末デコードエンコード処理部108は、端末音声入出力部107を制御する。端末デコードエンコード処理部108は、端末MPU100から受け取った情報を、端末スピーカ117によって音として出力し、端末マイク118で聴取した音をデジタル化し、デジタル化した情報を端末MPU100に送る。
【0032】
端末主メモリ109は、端末MPU100で実行されるプログラムを端末プログラム保管部116から読み出して記憶する。端末MPU100は、端末主メモリ109に記憶されるプログラムを実行する。
【0033】
端末外部メモリ制御部110は、端末外部メモリ111を制御する。端末外部メモリ制御部110は、端末MPU100から受け取った情報を端末外部メモリ111に書き込み、端末MPU100からの指示に従って、端末外部メモリ111から読み出した情報を端末MPU100に送る。端末外部メモリ111は、たとえばユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus:略称「USB」)メモリ、またはセキュアデジタル(Secure Digital:略称「SD」)カードによって構成される。
【0034】
端末通信処理部112は、たとえば通信装置によって構成され、端末MPU100からの指示に従って、端末制御装置20と情報の送受信を行う。端末通信処理部112は、端末MPU100から受け取った情報を端末制御装置20に送信し、端末制御装置20から受信した情報を端末MPU100に送る。
【0035】
端末不揮発性メモリ制御部113は、端末転送可能項目保存部114、端末設問/回答保存部115および端末プログラム保管部116を制御する。端末転送可能項目保存部114、端末設問/回答保存部115および端末プログラム保管部116は、たとえばフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置によって構成される。端末不揮発性メモリ制御部113は、端末MPU100から受け取った情報を、端末MPU100からの指示に従って、端末転送可能項目保存部114、端末設問/回答保存部115または端末プログラム保管部116に書き込み、端末MPU100からの指示に従って、端末転送可能項目保存部114、端末設問/回答保存部115または端末プログラム保管部116から読み出した情報を端末MPU100に送る。
【0036】
端末転送可能項目保存部114は、端末制御装置20を介して、電子黒板30から受信した転送可能項目を記憶する。転送可能項目は、電子黒板30から転送可能な情報の項目を表す。転送可能項目は、たとえば設問、回答、および添削などの項目を含む。設問は、電子黒板3に描画された問題である。回答は、その問題に対して入力されて描画された回答である。添削は、その回答に対して入力されて描画された添削である。端末設問/回答保存部115は、端末制御装置20を介して、電子黒板30から受信した設問、回答および添削の内容を記憶する。転送可能項目は、項目情報である。設問、回答および添削の内容は、描画情報である。以下、設問、回答および添削の内容のことを、単に「回答内容」ともいう。設問、回答および添削というとき、回答に対する教師の評価も含む。
【0037】
端末プログラム保管部116は、端末MPU100によって実行されるプログラム、および端末MPU100がプログラムを実行するために必要な情報を記憶する。端末プログラム保管部116に記憶されるプログラムは、実行形式に変換されたコードであり、端末主メモリ109にコピーされ、端末MPU100は、端末主メモリ109にコピーされたプログラムを実行する。
【0038】
図3は、端末制御装置20のブロック図である。端末制御装置20は、複数の電子黒板30のうちの1つの電子黒板30の動作と複数の電子端末10のうちの1つの電子端末10の動作とを連動させて制御する。端末制御装置20は、制御MPU200、制御表示部201、制御画像メモリ202、制御画像メモリ制御部203、マウス204、マウス制御部205、制御キー制御部206、制御外部メモリ207、制御外部メモリ制御部208、制御主メモリ209、制御通信処理部210、ハードディスク装置(Hard Disk Drive:略称「HDD」)制御部211、紐付け情報保存部212、制御設問/回答保存部213、制御転送可能項目保存部214、制御プログラム保管部215およびキーボード221を含んで構成される。
【0039】
制御MPU200は、たとえばMPUによって構成され、制御主メモリ209に記憶されるプログラムを実行することによって、制御画像メモリ制御部203、マウス制御部205、制御キー制御部206、制御外部メモリ制御部208、制御通信処理部210およびHDD制御部211を制御する。たとえば、端末MPU100は、メモリとHDDとの間でのデータ転送を制御し、各制御部や各処理部に制御命令を発行して制御や処理を実行させ、各入力装置からの割り込み処理を行い、あるいは、受け取ったデータに対する処理を行う。
【0040】
制御画像メモリ202は、制御表示部201に表示させる画像情報を制御画像メモリ制御部203から受け取ると、受け取った画像情報を記憶し、記憶した画像情報を読み出して制御表示部201に送って表示させる。制御画像メモリ制御部203は、制御画像メモリ202を制御し、制御MPU200から受け取った画像情報を制御画像メモリ202に送って画像として制御表示部201に表示させる。
【0041】
マウス204は、たとえばマウスなどの入力装置によって構成され、制御表示部201に表示させる操作用のポインタ、メニューおよび操作ボタンを操作するために用いられる。マウス204は、制御表示部201の表示画面に表示されるポインタを移動させるための移動情報、およびクリックが行われたことを表すクリック情報をマウス制御部205に送る。マウス制御部205は、マウス204から受け取った移動情報およびクリック情報を制御MPU200に送る。制御MPU200は、マウス制御部205から受け取った移動情報に基づいて、表示画面に表示させるポインタを移動させ、また、マウス制御部205から受け取ったクリック情報に基づいて、制御表示部201の表示画面に表示された画像、たとえばメニューおよび操作ボタンなどに対する操作を認識する。
【0042】
制御キー制御部206は、キーボード221を制御する。制御キー制御部206は、キーボード221に含まれる複数のキーのうちで操作されたキーを表すキー情報を制御MPU200に送る。制御MPU200は、制御キー制御部206から受け取ったキー情報に基づいて、どのキーが操作されたかを認識する。制御外部メモリ207および制御外部メモリ制御部208は、図1に示した端末外部メモリ111および端末外部メモリ制御部110と同じであり、重複を避けるために説明は省略する。
【0043】
制御主メモリ209は、制御MPU200で実行されるプログラムを制御プログラム保管部215から読み出して記憶する。制御MPU200は、制御主メモリ209に記憶されるプログラムを実行する。
【0044】
制御通信処理部210は、たとえば通信装置によって構成され、制御MPU200からの指示に従って、電子端末10および電子黒板30と情報の送受信を行う。制御通信処理部210は、制御MPU200から受け取った情報を、制御MPU200からの指示に従って、電子端末10または電子黒板30に送信し、電子端末10および電子黒板30から受信した情報を制御MPU200に送る。
【0045】
HDD制御部211は、紐付け情報保存部212、制御設問/回答保存部213、制御転送可能項目保存部214および制御プログラム保管部215を制御する。紐付け情報保存部212、制御設問/回答保存部213、制御転送可能項目保存部214および制御プログラム保管部215は、たとえばHDDなどの不揮発性の記憶装置によって構成される。HDD制御部211は、制御MPU200から受け取った情報を、制御MPU200からの指示に従って、紐付け情報保存部212、制御設問/回答保存部213、制御転送可能項目保存部214または制御プログラム保管部215に書き込み、制御MPU200からの指示に従って、紐付け情報保存部212、制御設問/回答保存部213、制御転送可能項目保存部214または制御プログラム保管部215から読み出した情報を制御MPU200に送る。
【0046】
紐付け情報保存部212は、紐付け情報を記憶する。紐付け情報は、複数の電子端末10のうちの連動対象の電子端末10と、複数の電子黒板30のうちの連動対象の電子黒板30とを紐付ける、つまり関連付ける情報である。制御設問/回答保存部213は、電子黒板30から受信した設問、回答および添削の内容を記憶する。制御転送可能項目保存部214は、電子黒板30から受信した転送可能項目を記憶する。
【0047】
制御プログラム保管部215は、制御MPU200によって実行されるプログラム、および制御MPU200がプログラムを実行されるために必要な情報を記憶する。制御プログラム保管部215に記憶されるプログラムは、実行形式に変換されたコードであり、制御主メモリ209にコピーされ、制御MPU200は、制御主メモリ209にコピーされたプログラムを実行する。
【0048】
図4は、電子黒板30のブロック図である。情報を描画可能な電子黒板30は、黒板MPU300、黒板表示部301、黒板画像メモリ302、黒板画像メモリ制御部303、黒板タッチパネル304、黒板タッチパネル制御部305、黒板キー制御部306、黒板音声入出力部307、黒板デコードエンコード処理部308、黒板主メモリ309、黒板外部メモリ制御部310、黒板外部メモリ311、黒板通信処理部312、黒板不揮発性メモリ制御部313、連動情報保存部314、黒板設問/回答保存部315、黒板プログラム保管部316および黒板操作キー321を含んで構成される。
【0049】
黒板制御部である黒板MPU300は、たとえばMPUによって構成され、黒板画像メモリ制御部303、黒板タッチパネル制御部305、黒板キー制御部306、黒板デコードエンコード処理部308、黒板外部メモリ制御部310、黒板通信処理部312および黒板不揮発性メモリ制御部313を制御する。たとえば、黒板MPU300は、メモリ間でのデータ転送を制御し、各制御部や各処理部に制御命令を発行して制御や処理を実行させ、各入力装置からの割り込み処理を行い、あるいは、受け取ったデータに対する処理を行う。
【0050】
黒板画像メモリ302は、黒板表示部301に表示させる画像情報を黒板画像メモリ制御部303から受け取ると、受け取った画像情報を記憶し、記憶した画像情報を読み出して黒板表示部301に送って表示させる。黒板画像メモリ制御部303は、黒板画像メモリ302を制御し、黒板MPU300から受け取った画像情報を黒板画像メモリ302に送って画像として黒板表示部301に表示させる。
【0051】
黒板タッチパネル304、黒板タッチパネル制御部305、黒板スピーカ317および黒板マイク318を含む黒板音声入出力部307、黒板デコードエンコード処理部308、黒板外部メモリ制御部310および黒板外部メモリ311は、図1に示した端末タッチパネル104、端末タッチパネル制御部105、端末音声入出力部107、端末デコードエンコード処理部108、端末外部メモリ制御部110および端末外部メモリ111と同じであり、重複を避けるために説明は省略する。
【0052】
黒板キー制御部306は、黒板操作キー321を含む図示しないキー操作部を制御する。黒板キー制御部306は、黒板操作キー321に含まれる複数の操作キーのうちで操作された操作キーを表す操作キー情報を黒板MPU300に送る。黒板MPU300は、黒板キー制御部306から受け取った操作キー情報に基づいて、どの操作キーが操作されたかを認識する。
【0053】
黒板表示部301に表示されている画像の表示内容に対するページ送り、ページ戻し、行スクロール、左右スクロール、拡大、および縮小などの操作は、黒板タッチパネル304もしくはキー操作部に含まれる黒板操作キー321を使用して行われる。黒板MPU300は、黒板タッチパネル304に対する操作、黒板操作キー321に対する操作、または黒板表示部301の表示画面に表示された操作ボタンに対する操作が、端末制御装置20に対して何かを要求する操作である場合、それぞれの要求を、黒板通信処理部312を経由して、端末制御装置20に対して送信する。
【0054】
黒板主メモリ309は、黒板MPU300で実行されるプログラムを黒板プログラム保管部316から読み出して記憶する。黒板MPU300は、黒板主メモリ309に記憶されるプログラムを実行する。黒板主メモリ309に記憶されるプログラムは、本発明に係る制御プログラムおよび問題出題アプリケーションプログラム(以下「問題出題アプリ」または「問題アプリ」という)を含む。制御プログラムのことを、以下、電子黒板連動アプリともいう。
【0055】
黒板通信処理部312は、たとえば通信装置によって構成され、黒板MPU300からの指示に従って、端末制御装置20と情報の送受信を行う。黒板通信処理部312は、黒板MPU300からから受け取った情報を端末制御装置20に送信し、端末制御装置20から受信した情報を黒板MPU300に送る。
【0056】
黒板不揮発性メモリ制御部313は、連動情報保存部314、黒板設問/回答保存部315および黒板プログラム保管部316を制御する。連動情報保存部314、黒板設問/回答保存部315および黒板プログラム保管部316は、たとえばフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置によって構成される。黒板不揮発性メモリ制御部313は、黒板MPU300から受け取った情報を、黒板MPU300からの指示に従って、連動情報保存部314、黒板設問/回答保存部315または黒板プログラム保管部316に書き込み、黒板MPU300からの指示に従って、連動情報保存部314、黒板設問/回答保存部315または黒板プログラム保管部316から読み出した情報を黒板MPU300に送る。
【0057】
連動情報保存部314は、連動情報を記憶する。連動情報は、転送可能項目および設問回答保存情報を含む。設問回答保存情報は、設問、回答および添削の内容を黒板設問/回答保存部315に保存しているか否か、つまり記憶しているか否かを示す情報である。黒板設問/回答保存部315は、問題出題アプリによって出題され、黒板表示部301の表示画面に描画、つまり表示された設問、黒板表示部301の表示画面に表示された設問に対して回答者が描画、つまり入力した回答、その回答に対して教師が入力した添削の内容を記憶する。
【0058】
黒板プログラム保管部316は、黒板MPU300によって実行されるプログラム、および黒板MPU300がプログラムを実行されるために必要な情報を記憶する。黒板プログラム保管部316に記憶されるプログラムは、実行形式に変換されたコードであり、黒板主メモリ309にコピーされ、黒板MPU300は、黒板主メモリ309にコピーされたプログラムを実行する。
【0059】
黒板主メモリ309に記憶される問題出題アプリは、制御プログラムを実行する黒板MPU300が、端末制御装置20から問題アプリ起動要求を受信したときに、起動され、黒板MPU300は、問題出題アプリの実行を開始する。また、問題出題アプリを実行する黒板MPU300は、端末制御装置20から設問表示要求を受信したとき、設問を黒板表示部301の表示画面に表示する。
【0060】
図5は、電子黒板連動システム1の接続図である。各電子端末10、端末制御装置20および各電子黒板30は、ネットワーク2によって接続される。ネットワーク2は、たとえばローカルエリアネットワーク(Local Area Network:略称「LAN」)あるいはワイドエリアネットワーク(Wide Area Network:略称「WAN」)などのネットワークによって構成される。各電子端末10は、ネットワーク2を介して、端末制御装置20と情報を送受信する。各電子黒板30は、ネットワーク2を介して、端末制御装置20と情報を送受信する。
【0061】
電子黒板連動システム1は、ネットワーク2に接続される電子端末10、端末制御装置20および電子黒板30によって、たとえば電子教室環境を構築する。以下、電子教室環境を例にして説明するが、本発明は、電子教室環境に限定されるものではなく、会議や講演などにも適用可能である。
【0062】
図6は、端末制御装置20による電子端末10と電子黒板30との関連付けを説明するための図である。たとえば、電子黒板連動システム1が電子教室環境である場合、電子端末10は、各生徒に1台ずつ割り当てられ、各生徒は自分に割り当てられている電子端末10を操作する。端末制御装置20は、教師によって操作される。電子黒板30は、教師および生徒によって操作される。
【0063】
各電子黒板30は、端末制御装置20から問題アプリ起動要求を受信すると、問題出題アプリを起動する。各電子黒板30は、問題出題アプリを起動した後、端末制御装置20から設問表示要求を受信すると、問題出題アプリによって出題される問題を、設問として、それぞれの黒板表示部301に表示する。
【0064】
各電子端末10は、端末制御装置20から回答ボタン表示要求を受信すると、回答ボタン151を、それぞれの端末表示部101に表示する。同様に、各電子黒板30は、端末制御装置20から回答ボタン表示要求を受信すると、回答ボタン351を、それぞれの黒板表示部301に表示する。回答ボタン151は、連動要求指示部である。回答ボタン351は、第2の連動要求指示部である。
【0065】
各電子端末10は、回答ボタン151が操作されると、電子黒板装置30との連動を要求するための連動要求(以下、「紐付け要求」ともいう)を、端末制御装置20に送信する。端末制御装置20は、電子端末10から連動要求を受信すると、最先に受信した連動要求を送信した電子端末10を連動対象の電子端末10とし、紐付け情報保存部212に登録する。登録は、連動対象の電子端末10を識別するための電子端末識別情報を紐付け情報保存部212に記憶することによって行う。
【0066】
各電子黒板30は、回答ボタン351が操作されると、電子端末10との連動を要求するための連動要求を、端末制御装置20に送信する。端末制御装置20は、電子黒板30から連動要求を受信すると、最先に受信した連動要求を送信した電子黒板30を連動対象の電子黒板30とし、紐付け情報保存部212に登録する。登録は、連動対象の電子黒板30を識別するための電子黒板識別情報を紐付け情報保存部212に記憶することによって行う。電子端末10との連動を要求するための連動要求は、第2の連動要求である。
【0067】
紐付け情報保存部212に記憶された電子端末識別情報および電子黒板識別情報によって、連動対象の電子端末10と連動対象の電子黒板30との紐付け、つまり関連付けが行われる。関連付けられた電子端末識別情報と電子黒板識別情報とが紐付け情報である。図6に示した例では、電子端末10aが、連動対象の電子端末10であり、電子黒板30bが、連動対象の電子黒板30である。
【0068】
端末制御装置20は、連動対象である電子黒板30bから回答電子黒板情報および転送可能項目を取得する。回答電子黒板情報は、連動対象となった電子黒板30bの電子黒板識別情報である。端末制御装置20は、取得した回答電子黒板情報、つまり電子黒板識別情報を、紐付け情報保存部212に記憶する。また、端末制御装置20は、取得した転送可能項目を電子端末10aに送信する。電子端末10aは、端末制御装置20から転送可能項目を受信すると、受信した転送可能項目を端末転送可能項目保存部114に記憶する。
【0069】
図7は、電子黒板30bに表示される回答欄44の一例を示す図である。電子黒板30bに表示された回答欄44に描画された文字列「ABC」40は、生徒によって入力された回答である。回答を丸く囲んでいる丸印41は、教師による評価であり、丸印41が正解であることを示している。回答の右横に描画されている文字列「AACでもOK」42は、教師によって入力された添削である。
【0070】
図8は、回答内容の格納手順を説明するための図である。電子端末10aは、端末制御装置20から転送可能項目を受信すると、回答転送要求操作画面45を端末表示部101に表示する。回答転送要求操作画面45は、「回答転送要求」という画面タイトル、回答転送要求項目欄451、および実行ボタン453が表示される。
【0071】
回答転送要求項目欄451には、「問題」、「回答」および「添削内容」の項目があり、各項目の先頭に四角のチェックボックス452が設けられている。チェックボックス452にチェックマークを付すことによって、その項目を選択することができ、選択された項目の内容の転送を要求することができる。実行ボタン453は、押下することによって、選択された項目の内容の転送を端末制御装置20に要求することができる。
【0072】
電子端末10aは、実行ボタン453が押下されると、選択された項目の内容の転送を要求する回答転送要求を端末制御装置20に送信する。回答転送要求は、選択された項目の内容の転送を要求する情報である。端末制御装置20は、電子端末10aから、回答転送要求を受信すると、受信した回答転送要求を電子黒板30bに送信する。電子黒板30bは、端末制御装置20から回答転送要求を受信すると、受信した回答転送要求が示す選択された項目の内容を、回答として端末制御装置20に送信する。端末制御装置20は、電子黒板30bから、回答を受信すると、受信した回答を電子端末10aに送信する。電子端末10aは、端末制御装置20から回答を受信すると、受信した回答を端末設問/回答保存部115に記憶する。
【0073】
図9は、格納された回答内容の表示手順を説明するための図である。図9(a)は、端末表示部101に表示された回答表示要求操作画面46を示す図である。回答表示要求操作画面46は、たとえば端末表示部101に表示される回答表示ボタンを押下することによって表示される。回答表示要求操作画面46は、「回答表示」という画面タイトル、回答表示要求項目欄461、および実行ボタン463が表示される。
【0074】
回答表示要求項目欄461には、「問題」、「回答」および「添削内容」の項目があり、各項目の先頭に四角のチェックボックス462が設けられている。チェックボックス462にチェックマークを付すことによって、その項目を選択することができ、選択された項目の表示を要求することができる。実行ボタン463は、押下することによって、選択された項目の内容の表示を要求することができる。
【0075】
図9(b)は、端末表示部101に表示された回答表示画面47を示す図である。回答表示要求項目欄461でいずれかの項目が選択されて、実行ボタン463が押下されると、回答表示画面47が端末表示部101に表示される。図9(b)に示した回答表示画面47には、問題欄471、回答欄472および実行ボタン473が表示されている。問題欄471は、設問の内容を表示する欄である。回答欄472は、回答、評価および添削の内容を表示する欄である。図9(b)に示した回答欄472には、図7に示した電子黒板30bに表示した回答、評価および添削と同じ内容が表示されている。
【0076】
図10は、他の電子端末10bへの回答内容の転送手順を説明するための図である。他の電子端末10bは、連動対象である電子端末10aを除く残余の電子端末10のうちのいずれか1つの電子端末10である。すなわち、他の電子端末10bは、連動対象でない電子端末10である。
【0077】
電子端末10が連動対象でない場合、生徒は、たとえば端末表示部101に表示されたメニューから回答転送要求を選択すると、回答転送要求画面48が表示される。回答転送要求画面48は、「回答転送要求」という画面タイトルおよび実行ボタン483が表示される。実行ボタン483は、押下することによって、転送可能項目の転送を要求する転送可能項目要求を端末制御装置20に送信することができる。実行ボタン483は、描画情報要求指示部である。転送可能項目要求は、描画情報要求である。
【0078】
端末制御装置20は、電子端末10bから転送可能項目要求を受信したとき、転送可能項目が制御転送可能項目保存部214に記憶されているとき、制御転送可能項目保存部214から転送可能項目を読み出し、読み出した転送可能項目を電子端末10bに送信する。端末制御装置20は、電子端末10bから転送可能項目要求を受信したとき、転送可能項目が制御転送可能項目保存部214に記憶されていないとき、転送可能項目要求を電子黒板30bに送信する。そして、端末制御装置20は、電子黒板30bから転送可能項目を受信すると、受信した転送可能項目を電子端末10bに送信する。
【0079】
電子端末10bは、端末制御装置20から転送可能項目を受信すると、受信した転送可能項目を端末転送可能項目保存部114に記憶するとともに、受信した転送可能項目を回答転送要求操作画面45として表示する。回答転送要求操作画面45での回答内容の格納手順は、図8に示した回答転送要求操作画面45と同じであり、重複を避けるために説明は省略する。
【0080】
図11は、問題出題アプリで生成される回答情報のフォーマット50を示す図である。問題出題アプリで生成される回答情報は、図11に示したフォーマット50の様式で、問題出題アプリから電子黒板連動アプリ、つまり制御プログラムに渡される。
【0081】
回答情報のフォーマット50は、アプリケーション名51、問題の項目52、答案の項目53、添削の項目54、正解の項目55、および全体(画面キャプチャ)の項目56を含む。アプリケーション名51は、回答情報を生成したアプリケーションプログラムの名称であり、本実施形態では、アプリケーション名51は、「問題出題アプリ」である。
【0082】
問題の項目52は、問題出題アプリによって出題された問題、つまり設問の内容を表す項目である。答案の項目53は、生徒が回答欄44に入力した回答の内容を表す項目である。添削の項目54は、教師が、回答欄44に回答された回答に対して入力した添削の内容を表す項目である。正解の項目55は、問題出題アプリが予め用意している正解である。問題、答案、添削および正解の各項目52〜55の内容は、ファイルとして記憶され、形式およびファイル名が示される。形式は、各項目の内容が記憶されるファイルのファイル形式であり、ファイル名は、各項目の内容が記憶されるファイルの名称である。ファイル形式は、たとえばテキスト形式およびイメージ形式がある。
【0083】
全体(画面キャプチャ)の項目56は、黒板表示部301に描画された設問、回答、評価、および添削の内容の全体の画像をキャプチャして、つまり取り込んで、ファイルとして記憶するか否かを選択する項目である。「Yes」が選択されると、全体の画像をキャプチャして記憶し、「No」が選択されると、全体の画像をキャプチャせず、記憶も行わない。「Yes」が選択された場合、キャプチャした画像を記憶するファイル名が示される。
【0084】
図12は、電子黒板30に表示される操作ボタンの他の例を示す図である。図12に示した表示画面には、回答完了ボタン352およびキャンセルボタン353が表示されている。回答完了ボタン352およびキャンセルボタン353は、教師が操作する操作ボタンである。回答完了ボタン352は、設問に対する回答、ならびに回答に対する評価および添削の入力が完了したとき、教師が操作する。キャンセルボタン353は、設問に対する回答、ならびに回答に対する評価および添削の入力をキャンセルするとき、教師が操作する。
【0085】
図13は、装置間で行われる関連付け手順の動作シーケンスを示す図である。関連付け手順は、連動対象の電子端末10と連動対象の電子黒板30とを関連付ける手順である。
【0086】
シーケンスS1では、端末制御装置20は、問題出題アプリ起動要求(以下「問題アプリ起動要求」ともいう)をすべての電子黒板30、たとえば電子黒板30aおよび電子黒板30bに送信する。シーケンスS2では、すべての電子黒板30、たとえば電子黒板30aおよび電子黒板30bは、端末制御装置20から問題アプリ起動要求を受信すると、それぞれ問題アプリを起動し、起動終了を端末制御装置20に送信する。
【0087】
シーケンスS3では、端末制御装置20は、電子黒板30aおよび電子黒板30bのそれぞれから起動終了を受信すると、設問表示要求を電子黒板30aおよび電子黒板30bに送信する。シーケンスS4では、電子黒板30aおよび電子黒板30bは、端末制御装置20から設問表示要求を受信すると、それぞれ設問を黒板表示部301に表示する。
【0088】
シーケンスS5では、端末制御装置20は、すべての電子端末10、たとえば電子端末10aおよび電子端末10b、ならびにすべての電子黒板30、たとえば電子黒板30aおよび電子黒板30bに、回答ボタン表示要求を送信する。シーケンスS6では、電子端末10aおよび電子端末10bは、端末制御装置20から回答ボタン表示要求を受信すると、それぞれ回答ボタン151を表示する。シーケンスS7では、電子黒板30aおよび電子黒板30bは、端末制御装置20から回答ボタン表示要求を受信すると、それぞれ回答ボタン351を表示する。
【0089】
シーケンスS8では、電子端末10aは、生徒によって回答ボタン151が押下されると、電子黒板30との連動要求を、端末制御装置20に送信する。シーケンスS9では、端末制御装置20は、電子端末10から電子黒板30との連動要求を受信すると、最先に受信した連動要求を送信した電子端末10、この場合、電子端末10aを、連動対象の電子端末10として紐付け情報保存部212に登録する。シーケンスS10では、端末制御装置20は、端末登録済みを、連動対象でない電子端末10、この場合、電子端末10bに送信する。電子端末10bは、端末登録済みを受信すると、表示していた回答ボタン151を消去する。
【0090】
シーケンスS11では、生徒あるいは教師によって1つの電子黒板30、たとえば電子黒板30aが選択され、電子黒板30aの回答ボタン351が押下されると、電子黒板30aは、連動要求および転送可能項目を端末制御装置20に送信する。シーケンスS12では、端末制御装置20は、電子黒板30から連動要求および転送可能項目を受信すると、最先に受信した連動要求を送信した電子黒板30、この場合、電子黒板30aを、連動対象の電子黒板30として紐付け情報保存部212に登録する。そして、端末制御装置20は、受信した転送可能項目を制御転送可能項目保存部214に記憶する。
【0091】
シーケンスS13では、端末制御装置20は、黒板登録済みを、連動対象でない電子黒板30、この場合、電子黒板30bに送信する。電子黒板30bは、黒板登録済みを受信すると、表示していた回答ボタン351を消去する。シーケンスS14では、端末制御装置20は、電子端末10a(図では「端末」という)と電子黒板30aとの紐付け処理を行う。具体的には、端末制御装置20は、紐付け情報保存部212に登録した連動対象の電子端末10aと、紐付け情報保存部212に登録した連動対象の電子黒板30aとを関連付ける。
【0092】
シーケンスS15では、生徒は、シーケンスS4で電子黒板30aの黒板表示部301に表示された設問に対して、黒板表示部301に触れることによって回答を記入する。シーケンスS16では、教師は、生徒が記入した回答に対して、黒板表示部301に触れることによって、評価および添削を記入する。シーケンスS17では、教師が回答完了ボタン352を操作すると、電子黒板30aは、回答完了を端末制御装置20に送信する。
【0093】
シーケンスS18では、端末制御装置20は、電子黒板30aから回答完了を受信すると、回答完了を電子端末10aに送信し、引き続いて、制御転送可能項目保存部214から転送可能項目を読み出し、読み出した転送可能項目を電子端末10aに送信する。シーケンスS19では、電子端末10aは、端末制御装置20から回答完了および転送可能項目を受信すると、受信した転送可能項目を端末転送可能項目保存部114に保存、つまり記憶する。
【0094】
図14は、電子端末10が実行する転送可能項目取得処理の処理手順を示すフローチャートである。転送可能項目取得処理は、電子端末10が連動要求を送信し、転送可能項目を取得する処理である。端末MPU100は、電子端末10の電源が投入され、動作可能状態になると、ステップA1に移る。
【0095】
ステップA1では、端末MPU100は、回答ボタン表示要求があったか否かを判定する。端末MPU100は、端末制御装置20から回答ボタン表示要求を受信したとき、回答ボタン表示要求があったと判定し、ステップA2に進み、端末制御装置20から回答ボタン表示要求を受信しなかったとき、回答ボタン表示要求がなかったと判定し、ステップA1に戻る。ステップA2では、端末MPU100は、回答ボタン151を、図6に示すように、端末表示部101に表示する。
【0096】
ステップA3では、端末MPU100は、端末表示部101に表示された回答ボタン151に対して、指示具による端末タッチパネル104へのタッチ、つまり押下があったか否かを判定する。端末MPU100は、回答ボタン151に対して、指示具によるタッチがあったとき、ステップA4に進み、回答ボタン151に対して、指示具によるタッチがなかったとき、ステップA8に進む。ステップA4では、端末MPU100は、電子黒板との連動要求を端末制御装置20に送信する。電子黒板との連動要求を送信することによって、電子黒板との連動要求を送信した電子黒板30で生徒が回答を行うと、回答を行った生徒が、他の生徒および教師に対して宣言することになる。ステップA3,A4は、送信ステップである。
【0097】
ステップA5では、端末MPU100は、電子黒板30での回答操作が完了するまで待機する。端末MPU100は、端末制御装置20から回答完了を受信したとき、電子黒板30での回答操作が完了したと判定し、ステップA6に進み、回答完了を受信しなかったとき、電子黒板30での回答操作が完了しなかったと判定し、ステップA5に戻る。ステップA6では、端末MPU100は、端末制御装置20から転送可能項目を受信する。ステップA7では、端末MPU100は、受信した転送可能項目を端末転送可能項目保存部114に保存、つまり記憶して、図18に示すフローチャートのステップA30に進む。
【0098】
ステップA8では、端末MPU100は、他の端末の登録を受信したか否かを判定する。端末MPU100は、端末制御装置20から端末登録済みを受信したとき、他の端末の登録を受信したと判定し、ステップA9に進み、端末制御装置20から端末登録済みを受信しなかったとき、他の端末の登録を受信しなかったと判定し、ステップA3に戻る。端末MPU100は、ステップA3とステップA8とで、回答ボタン151がタッチされるか、または端末制御装置20から端末登録済みを受信するまで待機する。ステップA9では、端末登録済みを受信した端末MPU100は、端末表示部101に表示した回答ボタン151を消去して、図18に示すフローチャートのステップA30に進む。
【0099】
図15は、端末制御装置20が実行する関連付け処理の処理手順を示すフローチャートである。関連付け処理は、端末制御装置20が連携対象の電子端末10と連携対象の電子黒板30とを関連付ける処理である。制御MPU200は、端末制御装置20の電源が投入され、動作可能状態になると、ステップB1に移る。
【0100】
ステップB1では、制御MPU200は、全電子黒板30へ問題出題アプリ起動要求を送信する。ステップB2では、制御MPU200は、問題アプリの起動が完了したか否かを判定する。制御MPU200は、全電子黒板30から起動完了を受信したとき、問題アプリの起動が完了したと判定し、ステップB3に進み、全電子黒板30から起動完了を受信しなかったとき、問題アプリの起動が完了しなかったと判定し、ステップB2に戻り、全電子黒板30から問題アプリの起動完了を受信するまでステップB2で待機する。
【0101】
ステップB3では、制御MPU200は、全電子黒板30へ設問表示要求を送信する。ステップB4では、制御MPU200は、回答ボタン表示要求を、全電子端末10および全電子黒板30に送信する。ステップB5では、制御MPU200は、電子端末回答ボタン指示フラグTおよび電子黒板回答ボタン指示フラグWを、「0」に初期化する。電子端末回答ボタン指示フラグTおよび電子黒板回答ボタン指示フラグWは、「0」のとき、回答ボタン151または回答ボタン351による指示がなかったこと、つまり紐付けが未完了であることを示し、「1」のとき、回答ボタン151または回答ボタン351による指示があったこと、つまり紐付けが完了していることを示す。
【0102】
ステップB6では、制御MPU200は、電子端末10および電子黒板30からの紐付け要求、つまり連動要求を受信可能状態、つまり連動要求を受け付ける状態にする。ステップB7では、制御MPU200は、紐付け要求を受信したか否かを判定する。制御MPU200は、紐付け要求を受信したとき、ステップB8に進み、紐付け要求を受信しなかったとき、ステップB7に戻り、電子端末10からの紐付け要求および電子黒板30からの紐付け要求を受信するまで待機する。
【0103】
ステップB8では、制御MPU200は、電子端末回答ボタン指示フラグTが「1」であるか否かを判定する。制御MPU200は、電子端末回答ボタン指示フラグTが「1」であるとき、ステップB13に進み、電子端末回答ボタン指示フラグTが「1」でないとき、ステップB9に進む。
【0104】
ステップB9では、制御MPU200は、電子端末10の回答ボタン押下情報があったか否かを判定する。制御MPU200は、ステップB7で受信した紐付け要求が電子端末10からの紐付け要求であったとき、電子端末10の回答ボタン押下情報があったと判定し、ステップB10に進み、ステップB7で受信した紐付け要求が電子端末10からの紐付け要求でなかったとき、電子端末10の回答ボタン押下情報がなかったと判定し、ステップB13に進む。ステップB9,B10は、制御ステップである。
【0105】
ステップB10では、制御MPU200は、電子端末回答ボタン指示フラグTを「1」とし、電子端末情報を紐付け情報保存部212に保存、つまり記憶する。電子端末情報は、受信した連動要求を送信した電子端末10の電子端末識別情報、たとえば端末名と、受信した連動要求を送信した電子端末10のインターネットプロトコル(Internet Protocol:略称「IP」)アドレス、またはメディアアクセスコントロール(Media Access Control:略称「MAC」)アドレスを含む。すなわち、制御MPU200は、電子端末情報を紐付け情報保存部212に記憶することによって、受信した連動要求を送信した電子端末10を連動対象の電子端末10として登録する。
【0106】
ステップB11では、制御MPU200は、他の電子端末10に端末登録済み(図では「登録済」という)を送信する。ステップB12では、制御MPU200は、電子黒板回答ボタン指示フラグWが「1」であるか否かを判定する。制御MPU200は、電子黒板回答ボタン指示フラグWが「1」であるとき、ステップB17に進み、電子黒板回答ボタン指示フラグWが「1」でないとき、ステップB7に戻る。
【0107】
ステップB13では、制御MPU200は、電子黒板30の回答ボタン押下情報があったか否かを判定する。制御MPU200は、ステップB7で受信した紐付け要求が電子黒板30からの紐付け要求であったとき、電子黒板30の回答ボタン押下情報があったと判定し、ステップB14に進み、ステップB7で受信した紐付け要求が電子黒板30からの紐付け要求でなかったとき、電子黒板30の回答ボタン押下情報がなかったと判定し、ステップB7に戻る。
【0108】
ステップB14では、制御MPU200は、電子黒板回答ボタン指示フラグWを「1」とし、電子黒板情報を紐付け情報保存部212および制御転送可能項目保存部214に保存、つまり記憶する。電子黒板情報は、受信した連動要求を送信した電子黒板30の電子黒板識別情報、たとえば装置名と、受信した連動要求を送信した電子黒板30のIPアドレスまたはMACアドレス、および転送可能項目を含む。すなわち、制御MPU200は、電子黒板情報を紐付け情報保存部212に記憶することによって、受信した連動要求を送信した電子黒板30を連動対象の電子黒板30として登録するとともに、電子黒板30から送信された転送可能項目を制御転送可能項目保存部214に記憶することによって、電子黒板30の転送可能項目を登録する。
【0109】
ステップB15では、制御MPU200は、他の電子黒板30(図では「黒板」という)に黒板登録済み(図では「登録済」という)を送信する。ステップB16では、制御MPU200は、電子端末回答ボタン指示フラグTが「1」であるか否かを判定する。制御MPU200は、電子端末回答ボタン指示フラグTが「1」であるとき、ステップB17に進み、電子端末回答ボタン指示フラグTが「1」でないとき、ステップB7に戻る。
【0110】
ステップB17では、制御MPU200は、紐付け処理を行う。具体的には、制御MPU200は、紐付け情報保存部212に記憶した電子端末情報と、紐付け情報保存部212に記憶した電子黒板情報とを関連付ける。すなわち、端末制御装置20は、紐付け情報保存部212に登録した連動対象の電子端末10aと、紐付け情報保存部212に登録した連動対象の電子黒板30aとを関連付ける。
【0111】
ステップB18では、制御MPU200は、連動対象の電子黒板30での添削が完了するまで待機する。制御MPU200は、電子黒板30から回答完了を受信したとき、電子黒板30での添削が完了したと判定し、ステップB19に進み、電子黒板30から回答完了を受信しなかったとき、電子黒板30での添削が完了しなかったと判定し、ステップB18に戻る。ステップB19では、制御MPU200は、連動対象の電子端末10に回答完了、およびステップB14で制御転送可能項目保存部214に記憶した転送可能項目を送信して、図19に示すフローチャートのステップB30に進む。
【0112】
図16は、電子黒板30が実行する回答処理の処理手順を示すフローチャートである。回答処理は、電子黒板30が連動要求を送信し、設問に対する回答および添削等を行う処理である。黒板MPU300は、電子黒板30の電源が投入され、動作可能状態になると、ステップC1に移る。
【0113】
ステップC1では、黒板MPU300は、問題アプリ起動要求を受信したか否かを判定する。黒板MPU300は、問題アプリ起動要求を受信したとき、ステップC2に進み、問題アプリ起動要求を受信しなかったとき、ステップC1に戻り、端末制御装置20から問題アプリ起動要求を受信するまで待機する。ステップC2では、黒板MPU300は、問題アプリを起動し、起動完了を端末制御装置20に送信する。
【0114】
ステップC3では、黒板MPU300は、設問表示要求を受信したか否かを判定する。黒板MPU300は、設問表示要求を受信したとき、ステップC4に進み、設問表示要求を受信しなかったとき、ステップC3に戻り、端末制御装置20から設問表示要求を受信するまで待機する。ステップC4では、黒板MPU300は、設問を黒板表示部301に表示し、設問表示完了を端末制御装置20に送信する。
【0115】
ステップC5では、黒板MPU300は、回答ボタン表示要求を受信したか否かを判定する。黒板MPU300は、回答ボタン表示要求を受信したとき、ステップC6に進み、回答ボタン表示要求を受信しなかったとき、ステップC5に戻り、端末制御装置20から回答ボタン表示要求を受信するまで待機する。ステップC6では、黒板MPU300は、回答ボタン351を黒板表示部301に表示する。
【0116】
ステップC7では、黒板MPU300は、黒板表示部301に表示された回答ボタン351に対して、指示具による黒板タッチパネル304へのタッチ、つまり押下があったか否かを判定する。黒板MPU300は、回答ボタン351に対して、指示具によるタッチがあったとき、ステップC8に進み、回答ボタン351に対して、指示具によるタッチがなかったとき、ステップC13に進む。ステップC8では、黒板MPU300は、電子端末10との連動要求、および転送可能項目を端末制御装置20に送信する。ステップC9では、黒板MPU300は、回答完了ボタン352およびキャンセルボタン353を、図12に示すように、黒板表示部301に表示する。ステップC7,C8は、第2の送信ステップである。
【0117】
ステップC10では、黒板MPU300は、キャンセル操作があったか否かを判定する。黒板MPU300は、キャンセルボタン353が押下されたとき、キャンセル操作があったと判定し、ステップC15に進み、キャンセルボタン353が押下されなかったとき、キャンセル操作がなかったと判定し、ステップC11に進む。ステップC11では、黒板MPU300は、回答完了操作があったか否かを判定する。黒板MPU300は、回答完了ボタン352が押下されたとき、回答完了操作があったと判定し、ステップC12に進み、回答完了ボタン352が押下されなかったとき、回答完了操作がなかったと判定し、ステップC10に戻る。
【0118】
ステップC12では、黒板MPU300は、回答完了情報を端末制御装置20へ送信し、図20に示すフローチャートのステップC30に進む。回答完了情報は、回答完了ボタン352が操作されたことを表す情報であり、上述した回答完了のことである。ステップC13では、黒板MPU300は、他の電子黒板30にて回答操作があったか否かを判定する。黒板MPU300は、端末制御装置20から黒板登録済みを受信したとき、他の電子黒板30にて回答操作があったと判定し、ステップC14に進み、端末制御装置20から黒板登録済みを受信しなかったとき、他の電子黒板30にて回答操作がなかったと判定し、ステップC7に戻る。黒板MPU300は、ステップC7およびステップC13で、回答ボタン351がタッチされるか、または端末制御装置20から黒板登録済みを受信するまで待機する。
【0119】
ステップC14では、黒板登録済みを受信した黒板MPU300は、黒板表示部301に表示した回答ボタン351を消去して、ステップC3に戻る。ステップC15では、黒板MPU300は、回答キャンセル情報を端末制御装置20へ送信し、回答ボタン351を消去後、ステップC3に戻る。回答キャンセル情報は、キャンセルボタン353が操作されたことを表す情報である。
【0120】
図17は、装置間で行われる回答格納手順の動作シーケンスを示す図である。回答格納手順は、連動対象の電子端末10が、連動対象の電子黒板30で出題された設問、その設問に対する回答、およびその回答に対する添削の内容を取得して記憶する手順である。
【0121】
シーケンスS30では、電子端末10は、転送可能項目要求を端末制御装置20に送信する。シーケンスS31では、端末制御装置20は、受信した転送可能項目要求を送信した電子端末10に、転送可能項目を送信する。電子端末10は、端末制御装置20から転送可能項目を受信すると、受信した転送可能項目を端末転送可能項目保存部114に記憶する。シーケンスS30およびシーケンスS31は、連動対象でない電子端末10の場合に行われる手順である。
【0122】
シーケンスS32では、電子端末10は、端末転送可能項目保存部114から転送可能項目を読み出し、読み出した転送可能項目を端末表示部101に表示する。シーケンスS33では、生徒が、端末表示部101に表示された転送可能項目の中から回答転送項目を選択する。回答転送項目は、転送可能項目のうち転送を要求する項目である。シーケンスS34では、電子端末10は、端末制御装置20に回答転送要求を送信する。回答転送要求は、回答転送項目の内容の転送を要求する。
【0123】
シーケンスS35では、端末制御装置20は、電子端末10から回答転送要求を受信したとき、端末制御装置20内に回答内容(図では「内容」という)、つまり回答転送項目の内容が保存されていない場合、電子黒板30に回答内容を要求する。すなわち、端末制御装置20は、回答内容の転送要求を電子黒板30に送信する。シーケンスS36では、電子黒板30は、端末制御装置20から回答内容の転送要求を受信すると、回答内容、つまり回答転送項目の内容を端末制御装置20に送信する。
【0124】
シーケンスS37では、端末制御装置20は、電子黒板30から回答内容を受信すると、受信した回答内容を電子端末10に送信する。シーケンスS38では、電子端末10は、端末制御装置20から回答内容を受信すると、受信した回答内容を端末設問/回答保存部115に保存、つまり記憶する。
【0125】
図18は、電子端末10が実行する回答取得処理の処理手順を示すフローチャートである。回答取得処理は、連携対象の電子端末10が回答を取得して格納する処理である。図14に示したフローチャートのステップA7またはステップA9が実行された後、ステップA30に移る。
【0126】
ステップA30では、端末MPU100は、回答転送要求の操作があったか否かを判定する。端末MPU100は、たとえば端末表示部101に表示されたメニューから回答転送要求が選択されたとき、回答転送要求の操作があったと判定し、ステップA31に進み、端末表示部101に表示されたメニューから回答転送要求が選択されなかったとき、回答転送要求の操作がなかったと判定し、図21に示すフローチャートのステップA60に進む。
【0127】
ステップA31では、端末MPU100は、自電子端末10が特定者の端末であるか否かを判定する。端末MPU100は、端末制御装置20から転送可能項目を受信して端末転送可能項目保存部114に記憶しているとき、自電子端末10が特定者の端末であると判定し、ステップA34に進み、端末制御装置20から転送可能項目を受信しておらず、端末転送可能項目保存部114に転送可能項目を記憶していないとき、自電子端末10が特定者の端末でないと判定し、ステップA32に進む。
【0128】
ステップA32では、端末MPU100は、転送可能項目要求を端末制御装置20に送信する。ステップA33では、端末MPU100は、端末制御装置20から転送可能項目を受信したか否かを判定する。端末MPU100は、端末制御装置20から転送可能項目を受信したとき、受信した転送可能項目を端末転送可能項目保存部114に記憶して、ステップA34に進み、端末制御装置20から転送可能項目を受信しなかったとき、ステップA33に戻る。ステップA34では、端末MPU100は、端末転送可能項目保存部114から転送可能項目を読み出し、読み出した転送可能項目を、図8に示すように、回答転送要求操作画面45として、端末表示部101に表示する。
【0129】
ステップA35では、端末MPU100は、回答転送項目を選択する操作が行われたか否かを判定する。端末MPU100は、回答転送要求操作画面45に示されるチェックボックス452にチェックマークが付されたとき、回答転送項目を選択する操作が行われたと判定し、ステップA42に進み、回答転送要求操作画面45に示されるチェックボックス452にチェックマークが付されなかったとき、回答転送項目を選択する操作が行われなかったと判定し、ステップA36に進む。
【0130】
ステップA36では、端末MPU100は、実行操作が行われたか否かを判定する。端末MPU100は、回答転送要求操作画面45に示される実行ボタン453が操作されたとき、実行操作が行われたと判定し、ステップA37に進み、回答転送要求操作画面45に示される実行ボタン453が操作されなかったとき、実行操作が行われなかったと判定し、ステップA35に戻る。
【0131】
ステップA37では、端末MPU100は、項目の設定があるか否かを判定する。端末MPU100は、選択項目が設定されているとき、項目の設定があると判定し、ステップA38に進み、選択項目が設定されていないとき、項目の設定がないと判定し、ステップA30に戻る。ステップA38では、端末MPU100は、端末制御装置20に回答転送要求を送信する。ステップA39では、端末MPU100は、回答内容の受信が完了したか否かを判定する。端末MPU100は、回答内容の受信が完了したとき、ステップA40に進み、回答内容の受信が完了しなかったとき、ステップA39に戻り、回答内容の受信が完了するまで待機する。
【0132】
ステップA40では、端末MPU100は、受信した回答内容を端末設問/回答保存部115に保存、つまり記憶する。ステップA41では、端末MPU100は、回答表示ボタンを端末表示部101に表示して、図21に示すフローチャートのステップA60に進む。回答表示ボタンは、回答表示要求操作画面46を表示するための操作ボタンである。ステップA42では、端末MPU100は、選択項目、つまり選択された回答転送項目を、端末主メモリ109に記憶して設定し、ステップA35に戻る。
【0133】
図19は、端末制御装置20が実行する回答転送処理の処理手順を示すフローチャートである。回答転送処理は、端末制御装置20が回答内容を転送する処理である。図15に示したフローチャートのステップB19が実行された後、ステップB30に移る。
【0134】
ステップB30では、制御MPU200は、回答転送要求があったか否かを判定する。制御MPU200は、電子端末10から回答転送要求を受信したとき、回答転送要求があったと判定し、ステップB31に進み、電子端末10から回答転送要求を受信しなかったとき、回答転送要求がなかったと判定し、ステップB37に進む。
【0135】
ステップB31では、制御MPU200は、回答内容(図では「回答」という)が保存されているか否かを判定する。制御MPU200は、回答内容が制御設問/回答保存部213に記憶されているとき、回答内容が保存されていると判定し、ステップB35に進み、回答内容が制御設問/回答保存部213に記憶されていないとき、回答内容が保存されていないと判定し、ステップB32に進む。ステップB32では、制御MPU200は、電子黒板30に回答転送要求を送信する。
【0136】
ステップB33では、制御MPU200は、回答内容の受信が完了したか否かを判定する。制御MPU200は、回答内容の受信が完了したとき、ステップB34に進み、回答内容の受信が完了しなかったとき、ステップB33に戻り、回答内容を受信するまで待機する。ステップB34では、制御MPU200は、受信した回答内容を制御設問/回答保存部213に記憶する。ステップB35では、制御MPU200は、要求された電子端末10(図では「端末」という)、すなわちステップB30で受信した回答転送要求を送信した電子端末10に、回答内容を送信する。
【0137】
ステップB36では、制御MPU200は、キャンセル操作があったか否かを判定する。制御MPU200は、キャンセル操作があったとき、図15に示したフローチャートのステップB3に戻り、キャンセル操作がなかったとき、ステップB30に戻る。ステップB37では、制御MPU200は、転送可能項目要求があったか否かを判定する。制御MPU200は、電子端末10から転送可能項目要求を受信したとき、転送可能項目要求があったと判定し、ステップB38に進み、電子端末10から転送可能項目要求を受信しなかったとき、転送可能項目要求がなかったと判定し、ステップB30に戻る。ステップB38では、制御MPU200は、転送可能項目を電子端末10に送信して、ステップB36に進む。
【0138】
図20は、電子黒板30が実行する回答送信処理の処理手順を示すフローチャートである。回答送信処理は、電子黒板30が回答内容を送信する処理である。黒板MPU300は、図16に示したフローチャートのステップC12またはステップC15が実行された後、ステップC30に移る。
【0139】
ステップC30では、黒板MPU300は、回答内容の要求があったか否かを判定する。黒板MPU300は、回答転送要求を受信したとき、回答内容の要求があったと判定し、ステップC31に進み、回答転送要求を受信しなかったとき、回答内容の要求がなかったと判定し、図16に示したフローチャートのステップC3に戻る。ステップC31では、黒板MPU300は、回答内容を端末制御装置20に送信して、図16に示したフローチャートのステップC3に戻る。
【0140】
図21は、電子端末10が実行する回答表示処理の処理手順を示すフローチャートである。回答表示処理は、電子端末10が回答内容を表示する処理である。端末MPU100は、図18に示したフローチャートのステップA41が実行された後、またはステップA30の判定でYESで分岐した後、ステップA60に移る。
【0141】
ステップA60では、端末MPU100は、回答表示操作があったか否かを判定する。端末MPU100は、端末表示部101に表示した回答表示ボタンが操作されたとき、回答表示操作があったと判定し、ステップA61に進み、端末表示部101に表示した回答表示ボタンが操作されなかったとき、回答表示操作がなかったと判定し、ステップA67に進む。ステップA61では、端末MPU100は、表示可能内容選択メニューを、たとえば回答表示要求操作画面46として、端末表示部101に表示する。
【0142】
ステップA62では、端末MPU100は、回答転送項目を選択する操作が行われたか否かを判定する。端末MPU100は、回答表示要求操作画面46に示されるチェックボックス462にチェックマークが付されたとき、回答転送項目を選択する操作が行われたと判定し、ステップA68に進み、回答表示要求操作画面46に示されるチェックボックス462にチェックマークが付されなかったとき、回答転送項目を選択する操作が行われなかったと判定し、ステップA63に進む。
【0143】
ステップA63では、端末MPU100は、実行操作が行われたか否かを判定する。端末MPU100は、回答表示要求操作画面46に示される実行ボタン463が操作されたとき、実行操作が行われたと判定し、ステップA64に進み、回答転送要求操作画面45に示される実行ボタン463が操作されなかったとき、実行操作が行われなかったと判定し、ステップA62に戻る。
【0144】
ステップA64では、端末MPU100は、項目の設定があるか否かを判定する。端末MPU100は、選択項目が設定されているとき、項目の設定があると判定し、ステップA65に進み、選択項目が設定されていないとき、項目の設定がないと判定し、ステップA61に戻る。
【0145】
ステップA65では、端末MPU100は、設定項目が記憶されているか否かを判定する。端末MPU100は、設定された選択項目の内容が端末設問/回答保存部115に記憶されているとき、設定項目が記憶されていると判定し、ステップA66に進み、設定された選択項目の内容が端末設問/回答保存部115に記憶されていないとき、設定項目が記憶されていないと判定し、ステップA69に進む。
【0146】
ステップA66では、端末MPU100は、選択された項目の内容を端末表示部101に表示して、図14に示したフローチャートのステップA1に戻る。ステップA67では、端末MPU100は、キャンセル操作があったか否かを判定する。端末MPU100は、キャンセル操作があったとき、図14に示したフローチャートのステップA1に戻り、キャンセル操作がなかったとき、図14に示したフローチャートのステップA1に戻る。
【0147】
ステップA68では、端末MPU100は、選択項目、つまり選択された回答転送項目を、端末主メモリ109に記憶して設定し、ステップA62に戻る。ステップA69では、端末MPU100は、エラーを端末表示部101に表示して、図14に示したフローチャートのステップA1に戻る。
【0148】
このように、情報を描画可能な複数の電子黒板30と、複数の電子端末10と、前記複数の電子黒板30のうちの1つの電子黒板30の動作と前記複数の電子端末10のうちの1つの電子端末10の動作とを連動させて制御する端末制御装置20と、を含む電子黒板連動システム1で、電子黒板30と電子端末10とを連動させるにあたって、各電子端末10は、電子黒板30との連動を要求するための連動要求を端末制御装置20に送信することを指示する回答ボタン151と、回答ボタン151によって連動要求が指示されると、指示された連動要求を端末制御装置20に送信する端末MPU100とを含む。そして、端末制御装置20は、複数の電子端末10の端末MPU100から連動要求を受信したとき、受信した複数の連動要求のうち最先に受信した連動要求を送信した端末MPU100の電子端末10を連動対象の電子端末10とする。したがって、電子黒板連動システム1は、電子黒板30と特定の電子端末10とを連動させることができる。
【0149】
さらに、端末制御装置20は、連動対象の電子黒板30に描画された描画情報、たとえば設問、回答および添削の内容を、該連動対象の電子黒板30から取得し、取得した描画情報を前記連動対象の電子端末10に送信する。したがって、電子黒板連動システム1は、電子黒板30に描画された情報、たとえば設問、回答および添削の内容を特定の電子端末10に送信することができる。
【0150】
さらに、各電子端末10は、端末表示部101および選択操作を行うための端末タッチパネル104をさらに含む。各電子黒板30は、前記描画情報を複数の項目に分類して項目ごとに描画するとともに、該複数の項目を表す項目情報、たとえば転送可能項目を記憶する。端末制御装置20は、前記連動対象の電子黒板30から前記項目情報を取得し、取得した項目情報を前記連動対象の電子端末10に送信する。前記連動対象の電子端末10の端末MPU100は、端末制御装置20から項目情報を受信すると、受信した項目情報が示す複数の項目を端末表示部101に表示させ、端末表示部101に表示させた複数の項目の中から端末タッチパネル104による選択操作によって選択された項目を表す選択項目情報を端末制御装置20に送信する。そして、端末制御装置20は、前記連動対象の電子端末10の端末MPU100から選択項目情報を受信すると、受信した選択項目情報が示す選択された項目の描画情報を、前記連動対象の電子黒板30から取得し、取得した描画情報を前記連動対象の電子端末10に送信する。したがって、電子黒板連動システム1は、電子黒板30に描画された描画情報、たとえば設問、回答および添削の内容のうち選択された項目についての描画情報のみを特定の電子端末10に送信することができる。
【0151】
さらに、各電子端末10は、描画情報を要求するための転送可能項目要求を端末制御装置20に送信することを指示する実行ボタン483をさらに含む。端末MPU100は、実行ボタン483によって転送可能項目要求が指示されると、転送可能項目要求を端末制御装置20に送信する。端末制御装置20は、連動対象でない電子端末10の端末MPU100から転送可能項目要求を受信すると、前記連動対象の電子黒板30から項目情報、たとえば転送可能項目を取得し、取得した項目情報を、転送可能項目要求を受信した連動対象でない電子端末10に送信する。該連動対象でない電子端末10の端末MPU100は、端末制御装置20から項目情報を取得すると、取得した項目情報が示す複数の項目を端末表示部101に表示させ、端末表示部101に表示させた複数の項目の中から端末タッチパネル104による選択操作によって選択された項目を表す選択項目情報を端末制御装置20に送信する。そして、端末制御装置20は、前記連動対象でない電子端末10の端末MPU100から選択項目情報を受信すると、受信した選択項目情報が示す選択された項目の描画情報、たとえば設問、回答および添削の内容を、前記連動対象の電子黒板30から取得し、取得した描画情報を、前記連動対象でない電子端末10に送信する。したがって、電子黒板連動システム1は、連動対象でない電子端末10にも、電子黒板30に描画された描画情報、たとえば設問、回答および添削の内容のうち選択された項目についての描画情報のみを送信することができる。
【0152】
さらに、各電子黒板30は、電子端末10との連動を要求するための第2の連動要求を端末制御装置20に送信することを指示する回答ボタン351と、回答ボタン351によって第2の連動要求の指示があると、第2の連動要求を端末制御装置20に送信する黒板MPU300とを含む。端末制御装置20は、前記複数の電子黒板30の黒板MPU300から第2の連動要求を受信したとき、受信した複数の第2の連動要求のうち最先に受信した第2の連動要求を送信した黒板MPU300の電子黒板30を連動対象の電子黒板30とする。したがって、電子黒板連動システム1は、特定の電子黒板30と特定の電子端末10とを連動させることができる。
【0153】
さらに、情報を描画可能な複数の電子黒板30と、複数の電子端末10と、前記複数の電子黒板30のうちの1つの電子黒板30の動作と前記複数の電子端末10のうちの1つの電子端末10の動作とを連動させて制御する端末制御装置20と、を含み、各電子端末10は、電子黒板30との連動を要求するための連動要求を端末制御装置20に送信することを指示する回答ボタン151と端末MPU100とを含み、各電子黒板30は、電子端末10との連動を要求するための第2の連動要求を端末制御装置20に送信することを指示する回答ボタン351と黒板MPU300とを含む電子黒板連動システム1で実行される電子黒板連動方法によって、電子黒板30と電子端末10と連動させるにあたって、ステップA3,A4では、各電子端末10の端末MPU100が、回答ボタン151によって連動要求が指示されると、指示された連動要求を端末制御装置20に送信する。ステップB9,B10では、端末制御装置20が、複数の電子端末10の端末MPU100から連動要求を受信したとき、受信した複数の連動要求のうち最先に受信した連動要求を送信した端末MPU100の電子端末10を連動対象の電子端末10とする。そして、ステップC7,C8では、各電子黒板30の黒板MPU300が、回答ボタン351によって第2の連動要求が指示されると、指示された第2の連動要求を端末制御装置20に送信する。したがって、電子黒板連動方法は、電子黒板30と特定の電子端末10とを連動させることができる。
【符号の説明】
【0154】
1 電子黒板連動システム
2 ネットワーク
10 電子端末
20 端末制御装置
30 電子黒板
100 端末MPU
101 端末表示部
102 端末画像メモリ
103 端末画像メモリ制御部
104 端末タッチパネル
105 端末タッチパネル制御部
106 端末キー制御部
107 端末音声入出力部
108 端末デコードエンコード処理部
109 端末主メモリ
110 端末外部メモリ制御部
111 端末外部メモリ
112 端末通信処理部
113 端末不揮発性メモリ制御部
114 端末転送可能項目保存部
115 端末設問/回答保存部
116 端末プログラム保存部
117 端末スピーカ
118 端末マイク
121 端末操作キー
200 制御MPU
201 制御表示部
202 制御画像メモリ
203 制御画像メモリ制御部
204 マウス
205 マウス制御部
206 制御キー制御部
207 制御外部メモリ
208 制御外部メモリ制御部
209 制御主メモリ
210 制御通信処理部
211 HDD制御部
212 紐付け情報保存部
213 制御設問/回答保存部
214 制御転送可能項目保存部
215 制御プログラム保存部
221 キーボード
300 黒板MPU
301 黒板表示部
302 黒板画像メモリ
303 黒板画像メモリ制御部
304 黒板タッチパネル
305 黒板タッチパネル制御部
306 黒板キー制御部
307 黒板音声入出力部
308 黒板デコードエンコード処理部
309 黒板主メモリ
310 黒板外部メモリ制御部
311 黒板外部メモリ
312 黒板通信処理部
313 黒板不揮発性メモリ制御部
314 連動情報保存部
315 黒板設問/回答保存部
316 黒板プログラム保存部
317 黒板スピーカ
318 黒板マイク
321 黒板操作キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を描画可能な複数の電子黒板装置と、複数の端末装置と、前記複数の電子黒板装置のうちの1つの電子黒板装置の動作と前記複数の端末装置のうちの1つの端末装置の動作とを連動させて制御する制御装置と、を含む電子黒板連動システムであって、
各端末装置は、電子黒板装置との連動を要求するための連動要求を制御装置に送信することを指示する連動要求指示部と、連動要求指示部によって連動要求が指示されると、指示された連動要求を制御装置に送信する端末制御部とを含み、
制御装置は、複数の端末装置の端末制御部から連動要求を受信したとき、受信した複数の連動要求のうち最先に受信した連動要求を送信した端末制御部の端末装置を連動対象の端末装置とすることを特徴とする電子黒板連動システム。
【請求項2】
前記制御装置は、連動対象の電子黒板装置に描画された描画情報を、該連動対象の電子黒板装置から取得し、取得した描画情報を前記連動対象の端末装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の電子黒板連動システム。
【請求項3】
前記各端末装置は、表示部および選択操作を行うための操作部をさらに含み、
前記各電子黒板装置は、前記描画情報を複数の項目に分類して項目ごとに描画するとともに、該複数の項目を表す項目情報を記憶し、
前記制御装置は、前記連動対象の電子黒板装置から前記項目情報を取得し、取得した項目情報を前記連動対象の端末装置に送信し、
前記連動対象の端末装置の端末制御部は、前記制御装置から項目情報を受信すると、受信した項目情報が示す複数の項目を表示部に表示させ、表示部に表示させた複数の項目の中から操作部による選択操作によって選択された項目を表す選択項目情報を前記制御装置に送信し、
前記制御装置は、前記連動対象の端末装置の端末制御部から選択項目情報を受信すると、受信した選択項目情報が示す選択された項目の描画情報を、前記連動対象の電子黒板装置から取得し、取得した描画情報を前記連動対象の端末装置に送信することを特徴とする請求項2に記載の電子黒板連動システム。
【請求項4】
前記各端末装置は、描画情報を要求するための描画情報要求を前記制御装置に送信することを指示する描画情報要求指示部をさらに含み、
前記端末制御部は、描画情報要求指示部によって描画情報要求が指示されると、描画情報要求を前記制御装置に送信し、
前記制御装置は、連動対象でない端末装置の端末制御部から描画情報要求を受信すると、前記連動対象の電子黒板装置から項目情報を取得し、取得した項目情報を、前記描画情報要求を受信した連動対象でない端末装置に送信し、
該連動対象でない端末装置の端末制御部は、前記制御装置から項目情報を取得すると、取得した項目情報が示す複数の項目を表示部に表示させ、表示部に表示させた複数の項目の中から操作部による選択操作によって選択された項目を表す選択項目情報を前記制御装置に送信し、
前記制御装置は、前記連動対象でない端末装置の端末制御部から選択項目情報を受信すると、受信した選択項目情報が示す選択された項目の描画情報を、前記連動対象の電子黒板装置から取得し、取得した描画情報を、前記連動対象でない端末装置に送信することを特徴とする請求項3に記載の電子黒板連動システム。
【請求項5】
前記各電子黒板装置は、端末装置との連動を要求するための第2の連動要求を前記制御装置に送信することを指示する第2の連動要求指示部と、第2の連動要求指示部によって第2の連動要求の指示があると、第2の連動要求を前記制御装置に送信する黒板制御部とを含み、
前記制御装置は、前記複数の電子黒板装置の黒板制御部から第2の連動要求を受信したとき、受信した複数の第2の連動要求のうち最先に受信した第2の連動要求を送信した黒板制御部の電子黒板装置を連動対象の電子黒板装置とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子黒板連動システム。
【請求項6】
情報を描画可能な複数の電子黒板装置と、複数の端末装置と、前記複数の電子黒板装置のうちの1つの電子黒板装置の動作と前記複数の端末装置のうちの1つの端末装置の動作とを連動させて制御する制御装置と、を含み、各端末装置は、電子黒板装置との連動を要求するための連動要求を制御装置に送信することを指示する連動要求指示部と端末制御部とを含み、各電子黒板装置は、端末装置との連動を要求するための第2の連動要求を制御装置に送信することを指示する第2の連動要求指示部と黒板制御部とを含む電子黒板連動システムで実行される電子黒板連動方法であって、
各端末装置の端末制御部が、連動要求指示部によって連動要求が指示されると、指示された連動要求を前記制御装置に送信する送信ステップと、
制御装置が、複数の端末装置の端末制御部から連動要求を受信したとき、受信した複数の連動要求のうち最先に受信した連動要求を送信した端末制御部の端末装置を連動対象の端末装置とする制御ステップと、
各電子黒板装置の黒板制御部が、第2の連動要求指示部によって第2の連動要求が指示されると、指示された第2の連動要求を前記制御装置に送信する第2の送信ステップとを含むことを特徴とする電子黒板連動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−103374(P2013−103374A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247563(P2011−247563)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】