説明

電極構造体、低圧放電ランプ、照明装置および画像表示装置

【課題】本発明は、管径の大きいガラス管の封着性を向上させることを目的とする。また、管径の大きい低圧放電ランプを使用することを目的とするものである。
【解決手段】そしてこの目的を達成するために本発明は、電極101と、一端部が電極101に接続されたリード線102と、リード線102の少なくとも一部を覆うように形成されたガラスビード103とを有する電極構造体100であって、ガラスビード103は、多層構造である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極構造体、低圧放電ランプ、照明装置および画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の低圧放電ランプの管軸を含む断面図を図14(a)に示す。従来の低圧放電ランプ1(以下、「ランプ1」という)は、例えば冷陰極放電ランプであって、ガラス管2と、そのガラス管2の両端部に封着された電極構造体3とを有する。電極構造体3は、電極4と、電極4に接続されたリード線5と、リード線5に被着されたガラスビード6とを有する。
【0003】
そして図14(b)に示すように、電極構造体3は、電極4とリード線5とを抵抗溶接した後に、リード線5に円筒状のガラスビード6を嵌め、ガスバーナー7でガラスビード6を加熱し、溶融することで作製される(例えば、特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−236023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ガラス管2の管径が大きい場合には、ガラスビード6の肉厚を厚くする必要がある。ガラスビード6は、ガラスチューブ(図示せず)を溶融させて作製されるため、肉厚の厚いガラスビードを作製するためには、肉厚の厚いガラスチューブが必要となる。
【0006】
しかしながら、肉厚の厚いガラスチューブを引き伸ばして作製しようとすると、ガラスチューブを引き伸ばす速度を遅くしなければならず、その場合、ガラスチューブにたるみができ、その形状が不安定となるおそれがある。
【0007】
さらに、肉厚の厚いガラスビード6は、ガラスチューブを加熱により溶融させてガラスビードに加工する際、ガラスチューブの内部まで熱が伝わり難くリード線5に被覆させることが難しい。ガラスビード6が被覆される部分は、ランプ1の封止部となるため、ガラスビード6がリード線5にきれいに被覆されていない場合には、ガラス管2の内部空間に空気が入り込んでしまい、ランプ1が不点灯となってしまうおそれがある。
【0008】
よって、本発明に係る電極構造体は、管径の大きいガラス管に封着させ、その封着性を向上させることを目的とする。
【0009】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、ガラス管の管径を大きくした場合に、封着性を向上させることを目的とする。
【0010】
また、本発明に係る照明装置および画像表示装置は、管径の大きい低圧放電ランプを使用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係る電極構造体は、電極と、一端部が前記電極に接続されたリード線と、前記リード線の少なくとも一部を覆うように形成されたガラスビードとを有する電極構造体であって、前記ガラスビードは、多層構造であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る電極構造体は、前記ガラスビードは、前記リード線の線軸方向において、内側の層が外側の層よりも長いことが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る電極構造体は、前記ガラスビードは、前記リード線の線軸方向において、前記電極側における内側の層が外側の層よりも長いことが好ましい。
【0014】
さらに、本発明に係る電極構造体は、前記ガラスビードは、2層構造であって、前記ガラスビードにおける前記電極構造体の長手方向での内側の層の厚みと外側の層の厚みとの比が1:0.5以上1:2以下の範囲内であることが好ましい。
【0015】
また、本発明に係る電極構造体は、前記ガラスビードは、前記電極構造体の長手方向の長さと、前記電極構造体の長手方向に対して略垂直な方向の長さとの比が1:1以上1:4以下の範囲内であることが好ましい。
【0016】
本発明に係る低圧放電ランプは、ガラス管と、前記ガラス管の少なくとも一方の端部に装着された前記電極構造体とを有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、ガラス管と、前記ガラス管の少なくとも一方の端部に封着された多層構造のガラスビードとを有することを特徴とする。
【0018】
本発明に係る照明装置は、前記放電ランプを備えることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る画像表示装置は、前記照明装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る電極構造体は、管径の大きいガラス管に封着させることができ、その封着性を向上させることができる。
【0021】
また、本発明に係る低圧放電ランプは、ガラス管の管径を大きくした場合に、封着性を向上させることができる。
【0022】
さらに、本発明に係る照明装置および画像表示装置は、管径の大きい低圧放電ランプを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電極構造体の長手方向の中心軸を含む断面図
【図2】(a)同じく電極構造体の接続工程の概念図、(b)同じく電極構造体の挿入工程の概念図、(c)同じく電極構造体の加熱工程の概念図
【図3】本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸を含む断面図
【図4】本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸を含む断面図
【図5】本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸を含む断面図
【図6】本発明の第5の実施形態に係る電極構造体の長手方向の中心軸を含む断面図
【図7】(a)同じく電極構造体の接続工程の概念図、(b)同じく電極構造体の挿入工程の概念図、(c)同じく電極構造体の加熱工程の概念図
【図8】本発明の第6の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸を含む断面図
【図9】本発明の第7の実施形態に係る照明装置の分解斜視図
【図10】本発明の第8の実施形態に係る照明装置の一部切欠斜視図
【図11】(a)本発明の第9の実施形態に係る照明装置の正面図、(b)同じく照明装置のA−A´線で切った断面図
【図12】本発明の第10の実施形態に係る画像表示装置の斜視図
【図13】(a)本発明の第1の実施形態に係る電極構造体の変形例1の長手方向の中心軸を含む断面図、(b)同じく電極構造体の変形例2の長手方向の中心軸を含む断面図
【図14】(a)従来の低圧放電ランプの管軸を含む断面図、(b)従来の電極構造体の製造工程の概念図
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る電極構造体の長手方向の中心軸X100を含む断面図を図1に示す。本発明の第1の実施形態に係る電極構造体100(以下、「電極構造体100」という)は、電極101と、一端部が電極101に接続されたリード線102と、リード線102の少なくとも一部を覆うように形成されたガラスビード103とを有する。
【0025】
電極101は、例えば有底筒状であって、内径が2.4[mm]、外径が2.7[mm]、底部の肉厚が0.2[mm]、全長が8.2[mm]であって、ニッケル(Ni)製である。電極101の材料は、ニッケルに限らず、ニオビウム(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)およびタングステン(W)のいずれか一種またはいずれか一種以上を含む合金を用いることができる。電極101は、その外側底面の略中央部においてリード線102の一端面と接続されている。なお、電極101とリード線102とは、直接接続されていてもよいし、例えばニッケル箔やコバール箔からなるろう材を介して接続されていてもよい。また、接続方法としては、レーザー溶接や抵抗溶接等を用いることができる。
【0026】
リード線102は、例えば、電極101の外側底面と一端面が接続され、側面の一部においてガラスビード103に覆われる内部リード102a線と、内部リード線102aの他端面と一端面が接続される外部リード線102bとの継線からなる。
【0027】
内部リード線102aは、線径が0.8[mm]であって、タングステン製である。なお、内部リード線102aは、ガラスビード103の材料として用いるガラスの熱膨張係数に併せた材料を用いることが好ましい。例えば、ガラスビードがコバール線封着用のホウ珪酸ガラスの場合、鉄とニッケルとコバルトとの合金(コバール)を用いることが好ましい。また、ガラスビード103が鉛フリーガラスやソーダガラス等の軟質ガラスの場合、鉄とニッケルとの合金等を用いることが好ましい。
【0028】
なお、内部リード線102aにおける少なくともガラスビード103に覆われている部分の表面には、酸化膜(図示せず)が形成されていることが好ましい。この場合、内部リード線102aとガラスビード103との封着性を向上させることができる。さらに、酸化膜には、FeOが含まれていることが好ましい。この場合、さらに内部リード線102aとガラスビード103との封着性を向上させることができる。
【0029】
外部リード線102bは、線径が0.6[mm]であって、ニッケル製である。外部リード線102bには、ニッケルに限らず、ニッケルとマンガンの合金、ジュメット等を用いてもよい。なお、外部リード線102bの表面は、外部リード線102bの酸化防止のために、半田で覆われていてもよい。
【0030】
ガラスビード103は、略球形状であって、その略中心軸に沿って内部リード線102aを覆って(封着して)おり、タングステン線封着用のホウ珪酸ガラス製である。ガラスビード103は、2層構造であり、内部リード線102aを被覆する内側の層103aと内側の層を被覆する外側の層103bからなる。これにより、ガラスビード103の材料となるガラスチューブの成形が行いやすく、ガラスチューブからガラスビードへの加工の際、1層のガラスビードに対して、十分に加熱して溶融させることができるので、ガラスビードの外径を大きくして、管径の大きいガラス管に封着させることができ、その封着性を向上させることができる。
【0031】
なお、ガラスビード103は、2層構造に限らず、3層構造や4層構造等、電極構造体100を用いて封着するガラス管の内径に合わせて多層構造とすればよい。また、ガラスビード103は、封着性の観点から、封着相手の材料(放電ランプの場合には、ガラス管201)と熱膨張係数が同一の材料、または近似する材料からなることが好ましい。
【0032】
電極構造体100の製造方法について以下に詳細に説明する。電極構造体100の製造方法は、電極101とリード線102とを接続させる接続工程と、リード線102をガラスビード103の材料である多重のガラスチューブ104の空洞に挿入させる挿入工程と、ガラスチューブ104を加熱して溶融させる加熱工程とを有する。以下、図2を用いて各工程を詳細に説明する。
【0033】
図2(a)に示すように、接続工程は、電極101の外側底面にリード線102の一端面を接触させて、例えば抵抗溶接により接続させる。なお、接続方法は、抵抗溶接に限らずレーザー溶接等を用いてもよい。
【0034】
次に、図2(b)に示すように、挿入工程は、リード線の電極が接続されている側と反対側の端部より円筒状のガラスチューブ104の空洞部に挿入する。ガラスチューブ104は、多重であるため、最初に径の小さいガラスチューブ104aの空洞部にリード線102を挿入し、その後に径の大きいガラスチューブ104bに径の小さいガラスチューブ104aを挿入してもよいし、径の大きいガラスチューブ104bの空洞部に径の小さいガラスチューブ104aを挿入した状態で、径の小さいガラスチューブ104aの空洞部にリード線102を挿入してもよい。
【0035】
その後に、図2(b)に示すように、 治具105の一端面に設けられた固定穴105aにリード線102を挿入して固定する。
【0036】
続いて、図2(c)に示すように、加熱工程は、治具105の固定穴105aにリード線102を挿入して固定した状態で、ガラスチューブ104を例えばガスバーナー106により加熱する。これにより、径の小さいガラスチューブ104aおよび径の大きいガラスチューブ104bが共に溶融されることで、リード線102に被覆されるガラスビード103が形成される。
【0037】
上記のとおり、本発明の第1の実施形態に係る電極構造体100は、管径の大きいガラス管に封着させることができ、その封着性を向上させることができる。
【0038】
なお、ガラスビード103は、2層構造であって、ガラスビード103における電極構造体の長手方向の中間部での内側の層103aの厚みmと外側の層103bの厚みnとの比が1:0.5以上1:2以下の範囲内であることが好ましい。この場合、内側の層103aと外側の層103bの材料となるガラスチューブを十分に溶融して、安定した形状のガラスビードを成形することができる。さらには、m:nの比は1:0.8以上1:1.5以下の範囲内であることがより好ましい。
【0039】
また、ガラスビード103は、電極構造体の長手方向の長さrと、電極構造体の長手方向に対して略垂直な方向の長さsとの比が1:1以上1:4以下の範囲内であることが好ましい。この場合、ガラスチューブを溶融させてガラスビードを成形する際、ガラスチューブの内部まで十分に溶融して封着性を向上することができる。さらには、r:sの比は1:1以上1:2以下の範囲内であることがより好ましい。
【0040】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸X200を含む断面図を図3に示す。本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200(以下、「ランプ200」)は、冷陰極蛍光ランプであって、ガラス管201と、ガラス管201の少なくとも一方の端部に設けられた電極構造体100とを備える。
【0041】
ガラス管201は、直管状であり、その管軸に対して垂直に切った断面が略円環形状である。このガラス管201は、例えば外径が6[mm]、内径が5[mm]、全長が1026[mm]であって、その材料は例えばホウ珪酸ガラスである。以下に示すランプ200の寸法は、外径が6[mm]、内径が5[mm]のガラス管201の寸法に対応する値である。ガラス管201の内部には、水銀と希ガスが封入されている。水銀は、例えば3.5[mg]の水銀が封入されている。希ガスは、例えばネオンとアルゴンがAr:5[mol%]、Ne:95[mol%]のモル比の混合ガスが60[Torr]の圧力で封入されている。
【0042】
また、ガラス管201の内面には蛍光体層202が形成されている。蛍光体層202に用いる蛍光体粒子は、例えば、赤色蛍光体粒子(Y23:Eu3+)、緑色蛍光体粒子(LaPO4:Ce3+,Tb3+)および青色蛍光体粒子(BaMg2Al1627:Eu2+)からなる蛍光体で形成されている。
【0043】
また、ガラス管201の内面と蛍光体層202との間には例えば酸化イットリウム(Y23)、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO)等の金属酸化物の保護膜(図示せず)を設けてもよい。これにより、ガラス管のナトリウム成分と水銀との反応を抑制することで、輝度維持率を向上させることができる。
【0044】
なお、ガラス管201の内径は、3[mm]以上9[mm]以下の範囲内であることが好ましい。この場合、一層のガラスビードでは、ガラス管201の封着が難しく、多層のガラスビードにより封着することができる。さらには、ガラス管201の内径は、4[mm]以上9[mm]以下の範囲内であることがより好ましい。この場合、一層のガラスビードでは、ガラス管201の封着が特に難しく、多層のガラスビードにより封着することができる。
【0045】
また、ガラス管の肉厚は、0.3[mm]以上1.2[mm]以下の範囲内であることが好ましい。この場合、ガラス管への封着時にガラスビードの封着に必要な熱を伝えやすくすることができる。さらには、ガラス管の肉厚は、0.4[mm]以上0.8[mm]以下の範囲内であることがより好ましい。
【0046】
電極構造体100は、本発明の第1の実施形態に係る電極構造体100と実質的に同一のものであり、ガラス管201の両端部に封着されている。
【0047】
上記のとおり、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200の構成によれば、ガラス管201の管径を大きくした場合に、封着性を向上させることができる。
【0048】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸X300を含む断面図を図4に示す。本発明の第1の実施形態に係る低圧放電ランプ300(以下、「ランプ300」という)は、内部外部電極蛍光ランプである。
【0049】
ランプ300は、その一端部の外表面に外部電極301を有し、それに伴う構成を除いては本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200と実質的に同じ構成を有している。よって、外部電極301とそれに伴う構成については詳細に説明し、それ以外の点については省略する。
【0050】
外部電極301は、例えば、半田からなり、ガラス管201の一端部の外表面を覆うように形成されている。
【0051】
また、外部電極301は、銀ペーストをガラス管201の電極形成部分の全周に塗布することによって形成してもよいし、金属製のキャップをガラス管201の一端部に被せてもよい。さらに、アルミニウムの金属箔を、シリコーン樹脂に金属粉体を混合した導電性粘着剤(図示せず)によってガラス管201の一端部全体の外周面を覆うように貼着したものであってもよい。なお、導電性粘着剤において、シリコーン樹脂の代わりにフッ素樹脂、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂等を用いてもよい。
【0052】
また、ガラス管201の内面であって、外部電極301が形成された領域に例えば酸化イットリウム(Y)の保護膜を設けてもよい。保護膜(図示せず)を設けることにより、ガラス管201のその部分に水銀イオンが衝撃することによって起こるガラス削れやピンホールを防止することができる。
【0053】
なお、保護膜は、酸化イットリウムに代えて、例えばシリカ(SiO)、アルミナ(Al)、酸化亜鉛(ZnO)、チタニア(TiO)等の金属酸化物を用いてもよい。特に、保護膜が酸化イットリウムやシリカで形成されている場合には、保護膜に水銀が付着し難く、水銀消費が少ない。
【0054】
もっとも、保護膜は、本発明において必須の構成要素ではなく、全く形成されていなくてもよいし、その一方で、ガラス管201の内面の全体に亘って形成されていてもよい。
【0055】
なお、ガラス管の一端部は、ガラスビードを用いずに、ガラス管201の一端部を加熱して溶融させることにより封着されていてもよいし、本発明の第1の実施形態に係る電極構造体100と同様のガラスビード103を用いて封着されていてもよい。
【0056】
上記のとおり、本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプ300に係る構成によれば、ガラス管201の管径を大きくした場合に、封着性を向上させることができる。
【0057】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸X400を含む断面図を図5に示す。本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプ400(以下、「ランプ400」という)は、外部電極蛍光ランプである。
【0058】
ランプ400は、その両端部の外表面に外部電極301を有し、それに伴う構成を除いては本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ300と実質的に同じ構成を有している。よって、外部電極301とそれに伴う構成については詳細に説明し、それ以外の点については省略する。
【0059】
ランプ400は、ガラス管201と、ガラス管201の少なくとも一方の端部に封着された多層構造のガラスビード103とを有する。具体的には、ランプ400は、ガラス管201の一端部が多層構造のガラスビード103で封着されており、他端部がガラスビードを用いずに封着されている。多層のガラスビード103は、本発明の第1の実施形態に係るガラスビード103と実質的に同一のものである。なお、ガラス管201の両端部が多層のガラスビード103により封着されていてもよい。
【0060】
上記のとおり、本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプ400に係る構成によれば、ガラス管201の管径を大きくした場合に、封着性を向上させることができる。
【0061】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る電極構造体の長手方向の中心軸を含む断面図を図6に示す。本発明の第5の実施形態に係る電極構造体500(以下、「電極構造体500」という)は、電極501と、一端部が電極501に接続されたリード線502と、リード線502の少なくとも一部を覆うように形成されたガラスビード503とを有する。具体的には、図6に示すように、電極構造体500は、電極501と、電極501の両端部をそれぞれ担持する一対のリード線502と、ガラスビード503とからなる。
【0062】
電極501は、例えばタングステン製のフィラメントコイルである。電極501には、その巻線部にエミッタ(図示せず)が付着している。エミッタには、例えば(Ba,Sr,Ca)O等を用いることができる。なお、電極501は、タングステン製のフィラメントコイルに限らず、レニウムタングステン製のフィラメントコイルも用いることができる。この場合、電極501がランプ点灯等により加熱されたときの強度を向上させることができる。また、電極501は、電極構造体の中心軸を旋回軸とした二重螺旋構造をであってもよい。
【0063】
リード線502は、例えば、鉄(Fe)とニッケル(Ni)との合金製である。具体的には、50[wt%]以上52[wt%]以下の範囲内のニッケルと、残部の鉄との合金製であることが好ましい。
【0064】
ガラスビード503は、略玉子形状であって、リード線502の線軸に対して垂直に切った断面が略楕円形状となり、2本のリード線502の中点がガラスビード503の略中点を通るようにリード線502を封着しており、例えば鉛フリーガラス製である。
【0065】
ガラスビード503は、2層構造であり、一対のリード線502を被覆する内側の層503aとそれぞれの内側の層を被覆する外側の層503bからなる。これにより、ガラスビードの材料となるガラスチューブの成形が行いやすく、ガラスチューブからガラスビードへの加工の際、1層のガラスビードに対して、十分に加熱して溶融させることができるので、ガラスビードの外径を大きくして、管径の大きいガラス管に封着させることができ、その封着性を向上させることができる。具体的には、内側の層503aは、一対のリード線502をそれぞれ覆うように形成され、それぞれの内側の層503aを外側の層503bがまとめて覆うように形成されている。
【0066】
なお、ガラスビード503は、2層構造に限らず、3層構造や4層構造等、電極構造体500を用いて封着するガラス管の内径に合わせて多層構造とすればよい。また、ガラスビード503は、封着性の観点から、封着相手の材料(放電ランプの場合には、ガラス管201)と同一の材料、または近似する材料からなることが好ましい。
【0067】
電極構造体500の製造方法について以下に詳細に説明する。電極構造体500の製造方法は、電極501とリード線502とを接続させる接続工程と、リード線502をガラスビード503の材料である多重のガラスチューブ504の空洞に挿入させる挿入工程と、ガラスチューブ504を加熱して溶融させる加熱工程とを有する。以下、図7を用いて各工程を詳細に説明する。
【0068】
図7(a)に示すように、接続工程は、電極501の両端部をそれぞれ2本のリード線502により担持させる。具体的には、一対のリード線502のそれぞれ一端部を折り曲げて電極501の両端部を挟み込み、かしめることにより担持されている。
【0069】
次に、図7(b)に示すように、挿入工程は、リード線502の電極501が接続されている側と反対側の端部より円筒状のガラスチューブ504の空洞部に挿入する。ガラスチューブ504は、多重であるため、最初に径の小さいガラスチューブ504aの空洞部に2本のリード線502をそれぞれ挿入し、その後に径の大きいガラスチューブ504bに径の小さいガラスチューブ504aを共に挿入してもよいし、径の大きいガラスチューブ504bの空洞部に径の小さいガラスチューブ504aを2つ挿入した状態で、径の小さいガラスチューブ504aの空洞部にそれぞれ2本のリード線502を挿入してもよい。
【0070】
その後に、図7(b)に示すように、治具505の一端面に設けられた固定穴505aにリード線502を挿入して固定する。
【0071】
なお、接続工程は、挿入工程の後に行ってもよい。この場合、治具により、2本のリード線の間の距離を規制することができ、電極であるフィラメントコイルの形状およびピッチのばらつきを抑制することができる。
【0072】
続いて、図7(c)に示すように、加熱工程は、治具505の固定穴505aにリード線502を挿入して固定した状態で、ガラスチューブ504を例えばガスバーナー506により加熱する。これにより、径の小さいガラスチューブ504aおよび径の大きいガラスチューブ504bが共に溶融されることで、リード線502に被着されるガラスビード503が形成される。
【0073】
なお、接続工程は、加熱工程の後に行ってもよい。この場合、加熱工程において電極が酸化するのを防止することができる。
【0074】
上記のとおり、本発明の第5の実施形態に係る電極構造体500は、管径の大きいガラス管に封着させることができ、その封着性を向上させることができる。
【0075】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸X600を含む断面図を図8に示す。本発明の第6の実施形態に係る低圧放電ランプ600(以下、「ランプ600」という)は、熱陰極蛍光ランプであって、本発明の第5の実施形態に係る電極構造体500を備える点を除いては、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200と実質的に同一の構成を有する。
【0076】
上記のとおり、本発明の第6の実施形態に係る低圧放電ランプ600に係る構成によれば、ガラス管の管径を大きくした場合に、封着性を向上させることができる。
【0077】
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態に係る照明装置の分解斜視図を図9に示す。本発明の第7の実施形態に係る照明装置700(以下、「照明装置700」という)は直下方式のバックライトユニットであり、一つの面が開口した直方体状の筐体701と、この筐体701の内部に収納された複数のランプ200と、ランプ200を点灯回路(図示せず)に電気的に接続するための一対のソケット702と、筐体701の開口部を覆う光学シート類703とを備えている。なお、ランプ200は、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200である。
【0078】
筐体701は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製であって、その内面に銀などの金属が蒸着されて反射面704が形成されている。なお、筐体701の材料としては、樹脂以外の材料、例えば、アルミニウムや冷間圧延材(例えばSPCC)等の金属材料により構成してもよい。また、内面の反射面704として金属蒸着膜以外、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂に炭酸カルシウム、二酸化チタン等を添加することにより反射率を高めた反射シートを筐体701に貼付したものを用いてもよい。
【0079】
筐体701の内部には、ソケット702、絶縁体705およびカバー706が配置されている。具体的に、ソケット702は、ランプ200の配置に対応して筐体701の短手方向(縦方向)に各々所定間隔を空けて設けられている。ソケット702は、例えばステンレスやりん青銅からなる板材を加工したものであって、リード線102が嵌め込まれる嵌込部702aを有している。そして、リード線102を嵌込部702aを押し拡げるように弾性変形させて嵌め込む。その結果、嵌込部702aに嵌め込まれたリード線102は、嵌込部702aの復元力によって押圧され、外れにくくなる。これにより、リード線102を嵌込部702aへ容易に嵌め込むことができつつ、外れにくくすることができる。
【0080】
ソケット702は、互いに隣り合うソケット702同士で短絡しないように絶縁体705で覆われている。絶縁体705は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂で構成されている。なお、絶縁体705は、上記の構成に限定されない。ソケット702はランプ200の動作中に比較的高温となる電極101の近傍にあることから絶縁体705は耐熱性のある材料で構成することが好ましい。耐熱性のある絶縁体705の材料としては、例えば、ポリカーボネート(PC)樹脂やシリコンゴム等を適用することができる。
【0081】
筐体701の内部には、必要に応じた場所にランプホルダ707を設けてもよい。筐体701内側でのランプ200の位置を固定するランプホルダ707は、例えば、ポリカーボネート(PC)樹脂であり、ランプ200の外面形状に沿うような形状を有している。「必要に応じた場所」とは、ランプ200の長手方向の中央部付近のように、ランプ200が例えば全長600[mm]を越えるような長尺のものである場合に、ランプ200のたわみを解消するために必要な場所である。
【0082】
カバー706は、ソケット702と筐体701の内側の空間とを仕切るものであり、例えばポリカーボネート(PC)樹脂で構成し、ソケット702の周辺を保温するとともに、少なくとも筐体701側の表面を高反射性とすることにより、ランプ200の端部の輝度低下を軽減することができる。
【0083】
筐体701の開口部は、透光性の光学シート類703で覆われており、内部にちりや埃などの異物が入り込まないように密閉されている。光学シート類703は、拡散板708、拡散シート709およびレンズシート710を積層してなる。
【0084】
拡散板708は、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂製の板状体であって、筐体701の開口部を塞ぐように配置されている。拡散シート709は、例えばポリエステル樹脂製である。レンズシート710は、例えばアクリル系樹脂とポリエステル樹脂の貼り合せである。これらの光学シート類703は、それぞれ拡散板708に順次重ね合わせるようにして配置されている。
【0085】
上記のとおり、本発明の第7の実施形態に係る照明装置700の構成によれば、管径の大きい低圧放電ランプを使用することができる。
【0086】
(第8の実施形態)
本発明の第8の実施形態に係る照明装置の一部切欠斜視図を図10に示す。本発明の第8の実施形態に係る照明装置800(以下、「照明装置800」という)は、エッジライト方式のバックライトユニットで、反射板801、ランプ200、ソケット(図示せず)、導光板802、拡散シート803およびプリズムシート804から構成されている。
【0087】
反射板801は、液晶パネル側(矢印Q)を除く導光板802の周囲を囲むように配置されており、底面を覆う底面部801bと、ランプ200の配置されている側を除く側面を覆う側面部801aと、ランプ200の周囲を覆う曲面状のランプ側面部801cとで構成されており、ランプ200から照射される光を導光板802から液晶パネル(図示せず)側(矢印Q)に反射させる。また、反射板801は、例えばフィルム状のPETに銀を蒸着したものやアルミ等の金属箔と積層したもの等からなる。
【0088】
ソケットは、本発明の第7の実施形態に係る照明装置700に用いられる接続端子702と実質的に同じ構成を有している。なお、図10において、図示の便宜上により、ランプ200の端部については省略している。
【0089】
導光板802は、反射板801により反射された光を液晶パネル側に導くためのものであって、例えば透光性プラスチックからなり、照明装置800の底面に設けられた反射板801の上に積重されている。なお、導光板802の材料としては、ポリカーボネート(PC)樹脂やシクロオレフィン系樹脂(COP)を適用することができる。
【0090】
拡散シート803は、視野拡大のためのものであって、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂やポリエステル樹脂製の拡散透過機能を有するフィルムからなり、導光板802の上に積重されている。
【0091】
プリズムシート804は、輝度を向上させるためのものであって、例えばアクリル系樹脂とポリエステル樹脂とを貼り合せたシートからなり、拡散シート803の上に積層されている。なお、プリズムシート804の上にさらに拡散板(図示せず)が積層されていてもよい。なお、本実施形態の場合には、ランプ200の周方向における一部分(照明装置800に挿入した場合における導光板802側)を除き、ガラス管201の外面に反射シート(図示せず)を設けたアパーチャ型のランプであってもよい。
【0092】
上記のとおり、本発明の第8の実施形態に係る照明装置800の構成によれば、管径の大きい低圧放電ランプを使用することができる。
【0093】
(第9の実施形態)
本発明の第9の実施形態に係る照明装置の正面図を図11(a)に、図11(a)のA−A´線で切った断面図を図11(b)にそれぞれ示す。本発明の第9の実施形態に係る照明装置900(以下、「照明装置900」という)は、一般照明用の環状蛍光ランプを使用した照明器具である。
【0094】
照明装置900は、本体部901、盤状部902、ランプホルダ903、ソケット904、ランプ905から構成されている。
【0095】
本体部901は、その内部に点灯回路(図示せず)等を収納し、例えばその上部から電気接続部(図示せず)が導出しており、例えばその側面部からランプ905の口金906と電気的に接続するためのソケット904が導出している。
【0096】
盤状部902は、本体部901、ランプホルダ903を支持する部材であり、例えば円盤状の形状を有している。
【0097】
ランプホルダ903は、盤状部902の下面に取付けられており、その下端に設けられた例えばC字状の挟持片によりランプ905を保持し、ランプ905の落下を防止することができる。
【0098】
ランプ905は、環状の熱陰極蛍光ランプであり、形状が環状であることと口金906がランプ905の中間部に位置していることを除いては第6の実施形態に係る低圧放電ランプ600と実質的に同じ構成を有している。
【0099】
上記のとおり、本発明の第9の実施形態に係る照明装置900の構成によれば、管径の大きい低圧放電ランプを使用することができる。
【0100】
(第10の実施形態)
本発明の第10の実施形態に係る画像表示装置の概要を図12に示す。図12に示すように画像表示装置1000は、例えば32[inch]液晶テレビ(液晶表示装置)であり、液晶パネル等を含む液晶画面ユニット1001と本発明の第7の実施形態に係る照明装置700と点灯回路1002とを備える。
【0101】
液晶画面ユニット1001は、公知のものであって、液晶パネル(カラーフィルター基板、液晶、TFT基板等)(図示せず)、駆動モジュール等(図示せず)を備え、外部からの画像信号に基づいてカラー画像を形成する。
【0102】
点灯回路1002は、照明装置700内部のランプ200を点灯させる。そして、ランプ200は、点灯周波数40[kHz]〜100[kHz]、ランプ電流3.0[mA]〜25[mA]で動作される。
【0103】
なお、図12では、画像表示装置1000の光源装置として本発明の第7の実施形態に係る照明装置700に第2の実施形態に係る低圧放電ランプ200を挿入した場合について説明したが、これに限らず、本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプ300や本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプ400や本発明の第6の実施形態に係る低圧放電ランプ600も適用することができる。また、照明装置についても、本発明の第8の実施形態に係る照明装置800も用いることができる。
【0104】
上記のとおり、本発明の第10の実施形態に係る画像表示装置1000の構成によれば、管径の大きい低圧放電ランプを使用することができる。
【0105】
(変形例)
以上、本発明を上記した各実施形態に示した具体例に基づいて説明したが、本発明の内容が各実施形態に示した具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を用いることができる。
1.電極構造体について
(1)電極構造体の変形例1
本発明の第1の実施形態に係る電極構造体の変形例1の長手方向の中心軸X107を含む断面図を図13(a)に示す。本発明の第1の実施形態に係る電極構造の変形例1(以下、「電極構造体107」という)は、ガラスビード108が、リード線102の線軸方向において、内側の層108aが外側の層108bよりも短い点を除いては、本発明の第1の実施形態に係る電極構造体100と実質的に同一の構成を有する。具体的には、リード線102の線軸方向において、ガラスビード108の内側の層108aにおける電極101側の端部が、外側の層108bの電極101側の端部よりも電極101とは反対側に短くなっている。この場合、リード線102とガラスビード108との接触面積を広げることなく、ガラス管とガラスビード108との接触面積を広げることができ、電極構造体107をガラス管に封着させる際、ガラス管を大きく変形させることなく容易に封着させることができる。
【0106】
なお、ガラスビード503は、2層構造に限らず、3層構造や4層構造等、電極構造体100を用いて封着するガラス管の内径に合わせて多層構造とすればよい。この場合、例えばリード線102の線軸方向において、最も内側の層を最も外側の層よりも短くすることができる。さらには、リード線102の線軸方向において、最も内側の層から最も外側の層に向かって短くなっていることが好ましい。この場合さらにガラス管に封着しやすくすることができる。
(2)電極構造体の変形例2
本発明の第1の実施形態に係る電極構造体の変形例2の長手方向の中心軸X109を含む断面図を図13(b)に示す。本発明の第1の実施形態に係る電極構造の変形例2(以下、「電極構造体109」という)は、ガラスビード110が、リード線102の線軸方向において、内側の層110aが外側の層110bよりも長い点を除いて、本発明の第1の実施形態に係る電極構造体100と実質的に同一の構成を有する。具体的には、リード線102の線軸方向において、ガラスビード110の内側の層110aの電極101側の端部が外側の層110bの端部よりも電極101側に長くなっている。この場合、リード線102とガラスビード110との接触面積を大きくさせて、封着性をさらに向上させつつ、電極構造体109をガラス管に封着させる際、溶融したガラス管が電極101に接触することを防止することができる。
【0107】
なお、ガラスビード110は、2層構造に限らず、3層構造や4層構造等、電極構造体100を用いて封着するガラス管の内径に合わせて多層構造とすればよい。この場合、例えばリード線102の線軸方向において、最も内側の層を最も外側の層よりも長くすることができる。さらには、リード線102の線軸方向において、最も内側の層から最も外側の層に向かって短くなっていることが好ましい。この場合ガラスチューブからガラスビード110への加熱を行いやすくすることができる。
2.電子放射性物質について
電極101の表面には、電子放射性物質層(図示せず)が形成されていてもよい。この場合、電子放射性物質層が設けられていないランプに比べてランプ電圧を下げることができる。具体的には、電子放射性物質層は、例えば電極101の内面に形成されている。電子放射性物質層は、例えば希土類元素を含む。冷陰極蛍光ランプにおいて、ランプ電圧を下げるのに効果的なためである。さらに、希土類元素は、ランタン(La)およびイットリウム(Y)のうちいずれか1種以上であることがより好ましい。
【0108】
電子放射性物質層は、さらに珪素(Si)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、硼素(B)、亜鉛(Zn)、ビスマス(Bi)、リン(P)および錫(Sn)のうちいずれか1種以上を含むことが好ましい。この場合、ランプ電圧の低減効果をより持続させることができる。
【0109】
さらに、電子放射性物質層に、セシウム(Cs)化合物が含まれていてもよい。この場合、ランプの暗黒始動特性をさらに向上させることができる。また、電子放射性物質層とは別に、電極101の内面や外面にセシウム化合物を付着させてもよい。なお、セシウム化合物は、例えば、硫酸セシウム、アルミン酸セシウム、ニオブ酸セシウム、タングステン酸セシウム、モリブデン酸セシウムおよび塩化セシウムのうちいずれか1種以上を用いることが好ましい。また、セシウム化合物は、電極101の外側側面に付着されていることがより好ましい。この場合、冷陰極蛍光ランプの製造工程において、セシウム化合物を適度に活性化させやすくすることができる。さらには、電極101の外側側面におけるランプ中央部側の先端部に付着されていることがさらにより好ましい。この場合、冷陰極蛍光ランプの製造工程において、セシウム化合物をさらに活性化させやすくすることができる。
3.ガラス管について
(1)ガラスビード103、ガラスチューブガラス管201の熱膨張係数は、3.0×10−6[K−1]以上10.0×10−6[K−1]以下の範囲内のものを用いることができる。特に、ガラス管201の熱膨張係数は、8.0×10−6[K−1]以上10.0×10−6[K−1]以下の範囲内であることが好ましい。この場合、ガラスの強度が弱くなるため、本発明の作用効果を特に発揮できる。
(2)紫外線吸収について
ガラス管201の材料であるガラスに遷移金属の酸化物をその種類によって所定量をドープすることにより254[nm]や313[nm]の紫外線を吸収することができる。具体的には、例えば酸化チタン(TiO)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収し、組成比率2[mol%]以上ドープすることにより313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化チタンを組成比率5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまうため、組成比率0.05[mol%]以上5.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0110】
また、酸化セリウム(CeO)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化セリウムを組成比率0.05[mol%]以上0.5[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。なお、酸化セリウムに加えて酸化スズ(SnO)をドープすることにより、酸化セリウムによるガラスの着色を抑えることができるため、酸化セリウムを組成比率5.0[mol%]以下までドープすることができる。この場合、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]以上ドープすれば313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、この場合においても酸化セリウムを組成比率が5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまう。
【0111】
また、酸化亜鉛(ZnO)の場合は、組成比率2.0[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化亜鉛を組成比率20[mol%]より多くドープした場合、ガラスが失透してしまうおそれがあるため、酸化亜鉛を2.0[mol%]以上20[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0112】
また、酸化鉄(Fe)の場合は、組成比率0.01[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化鉄を組成比率2.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化鉄を組成比率0.01[mol%]以上2.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
(3)赤外線透過係数について
ガラス管201の材料であるガラス中の水分含有量を示す赤外線透過率係数は、0.3以上1.2以下の範囲、特に0.4以上0.8以下の範囲となるように調整することが好ましい。赤外線透過率係数が1.2以下であれば、長尺の冷陰極放電ランプ等の高電圧印加ランプに適用可能な低い誘電正接を得やすくなり、0.8以下であれば誘電正接が十分に小さくなって、さらに高電圧印加ランプに適用可能となる。
【0113】
なお、赤外線透過率係数(X)は下式で表すことができる。
【0114】
[数1]X=(log(a/b))/t
a:3840[cm−1]付近の極小点の透過率[%]
b:3560[cm−1]付近の極小点の透過率[%]
t:ガラスの厚み
(4)鉛フリーガラスについて
ガラス管201に用いるガラスは、酸化物換算で、SiOが60[wt%]〜75[wt%]、Alが1[wt%]〜5[wt%]、LiOが0[wt%]〜5[wt%]、KOが3[wt%]〜11[wt%]、NaOが3[wt%]〜12[wt%]、CaOが0[wt%]〜9[wt%]、MgOが0[wt%]〜9[wt%]、SrOが0[wt%]〜12[wt%]、BaOが0[wt%]〜12[wt%]の組成を有していてもよい。この場合、鉛成分を含有せず、環境に優しい冷陰極放電ランプを提供することができる。さらには、ガラス管201に用いるガラスは、酸化物換算で、SiOが60[wt%]〜75[wt%]、Alが1[wt%]〜5[wt%]、Bが0[wt%]〜3[wt%]、LiOが0[wt%]〜5[wt%]、KOが3[wt%]〜11[wt%]、NaOが3[wt%]〜12[wt%]、CaOが0[wt%]〜9[wt%]、MgOが0[wt%]〜9[wt%]、SrOが0[wt%]〜12[wt%]、BaOが0[wt%]〜12[wt%]の組成を有していることがより好ましい。
【0115】
また、ガラス管201に用いるガラスは、酸化物換算で、SiOが60[wt%]〜75[wt%]、Alが1[wt%]〜5[wt%]、LiOが0.5[wt%]〜5[wt%]、KOが3[wt%]〜7[wt%]、NaOが5[wt%]〜12[wt%]、CaOが1[wt%]〜7[wt%]、MgOが1[wt%]〜7[wt%]、SrOが0[wt%]〜5[wt%]、BaOが7[wt%]〜12[wt%]の組成を有していてもよい。この場合、ランプへの加工を行いやすく、かつ鉛成分を含有せず、環境に優しい冷陰極蛍光ランプを提供することができる。
【0116】
さらに、ガラス管201に用いるガラスは、酸化物換算で、SiOが65[wt%]〜75[wt%]、Alが1[wt%]〜5[wt%]、Bが0[wt%]〜3[wt%]、LiOが0.5[wt%]〜5[wt%]、 KOが3[wt%]〜7[wt%]、NaOが5[wt%]〜12[wt%]、 CaOが2[wt%]〜7[wt%]、MgOが2.1[wt%]〜7[wt%]、SrOが0[wt%]〜0.9[wt%]、BaOが7.1[wt%]〜12[wt%]の組成を有していてもよい。この場合、鉛成分を含有せず、照明用途に適した電気絶縁性を有し、かつ、失透を起こりにくくすることができる。さらには、ガラス管201に用いるガラスは、酸化物換算で、SiOが65[wt%]〜75[wt%]、Alが1[wt%]〜3[wt%]、Bが0[wt%]〜3[wt%]、LiOが1[wt%]〜3[wt%]、 KOが3[wt%]〜6[wt%]、NaOが7[wt%]〜10[wt%]、 CaOが3[wt%]〜6[wt%]、MgOが3[wt%]〜6[wt%]、SrOが0[wt%]〜0.9[wt%]、BaOが7.1[wt%]〜10[wt%]の組成を有していることがより好ましい。
(5)ガラス管201の形状について
ガラス管201の形状は、直管形状のものに限られず、例えばL字形状、U字形状、コの字形状、渦巻き形状等であってもよい。また、その管軸に対して略垂直に切った断面は、略円形状のものに限られず、例えばトラック形状や角丸形状のような扁平形状や楕円形状等であってもよい。
4.蛍光体層の蛍光体について
(1)紫外線吸収について
例えば、近年、液晶カラーテレビの大型化に伴って、バックライトユニットの開口を塞ぐ拡散板に寸法安定性の良いポリカーボネートが使用されるようになっている。このポリカーボネートは、水銀が発する313[nm]の波長の紫外線により劣化しやすい。このような場合には、波長313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を利用すると良い。なお、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体としては、以下のものがある。
【0117】
(a)青色
ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1−x−ySrEuMg1−zMnAl1017]又は[Ba1−x−ySrEuMg2−zMnAl1627
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0≦z<0.1なる条件を満たす数であることが好ましい。
【0118】
このような蛍光体としては、例えば、ユーロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMgAl1627:Eu2+]、[BaMgAl1017:Eu2+] (略号:BAM−B)や、ユーロピウム付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[(Ba,Sr)MgAl1627:Eu2+]、[(Ba,Sr)MgAl1017:Eu2+](略号:SBAM−B)等がある。
【0119】
(b)緑色
・マンガン不活マグネシウムガレート[MgGa:Mn2+](略号:MGM)
・マンガン付活アルミン酸セリウム・マグネシウム・亜鉛[Ce(Mg,Zn)Al1119:Mn2+](略号:CMZ)
・テルビウム付活アルミン酸セリウム・マグネシウム[CeMgAl1119:Tb3+](略号:CAT)
・ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1−x−ySrEuMg1−zMnAl1017]又は[Ba1−x−ySrEuMg2−zMnAl1627
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0.1≦z≦0.6なる条件を満たす数であり、zは0.4≦x≦0.5であることが好ましい。
【0120】
このような蛍光体としては、例えば、ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMgAl1627:Eu2+,Mn2+]、[BaMgAl1017:Eu2+,Mn2+](略号:BAM−G)や、ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[(Ba,Sr)MgAl1627:Eu2+,Mn2+]、[(Ba,Sr)MgAl1017:Eu2+,Mn2+](略号:SBAM−G)等がある。
【0121】
(c)赤色
・ユーロピウム付活リン・バナジン酸イットリウム[Y(P,V)O:Eu3+](略号:YPV)
・ユーロピウム付活バナジン酸イットリウム[YVO:Eu3+](略号:YVO)
・ユーロピウム付活イットリウムオキシサルファイド[YS:Eu3+](略号:YOS)
・マンガン付活フッ化ゲルマン酸マグネシウム[3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn4+](略号:MFG)
・ジスプロシウム付活バナジン酸イットリウム[YVO:Dy3+](赤と緑の2成分発光蛍光体であり、略号:YDS)
なお、一種類の発光色に対して、異なる化合物の蛍光体を混合して用いても良い。例えば、青色にBAM−B(313[nm]を吸収する。)のみ、緑色にLAP(313[nm]を吸収しない。)とBAM−G(313[nm]を吸収する。)、赤色にYOX(313nmを吸収しない。)とYVO(313[nm]を吸収する。)の蛍光体を用いても良い。このような場合は、前述のように波長313[nm]を吸収する蛍光体が、総重量組成比率で50%より大きくなるように調整することで、紫外線がガラス管外に漏れ出ることをほとんど防止できる。したがって、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を蛍光体層202に含む場合には、上記のバックライトユニットの開口を塞ぐポリカーボネート(PC)からなる拡散板等の紫外線による劣化が抑制され、バックライトユニットとしての特性を長時間維持することができる。
【0122】
ここで、「313[nm]の紫外線を吸収する」とは、254[nm]付近の励起波長スペクトル(励起波長スペクトルとは、蛍光体を波長変化させながら励起発光させ、励起波長と発光強度をプロットしたものである。)の強度を100[%]としたときに、313[nm]の励起波長スペクトルの強度が80[%]以上のものと定義する。すなわち、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体とは、313[nm]の紫外線を吸収して可視光に変換できる蛍光体である。
(2)高色再現について
液晶カラーテレビで代表される液晶表示装置では、近年における高画質化の一環としてなされる高色再現化に伴い、当該液晶表示装置のバックライトユニットの光源として用いられる冷陰極放電ランプや外部電極放電ランプにおいて、再現可能な色度範囲の拡大化の要請がある。
【0123】
このような要請に対して、例えば、以下の蛍光体を用いることで、実施の形態での蛍光体を用いる場合よりも、色度範囲の拡大を図ることができる。具体的には、CIE1931色度図において、高色再現用の当該蛍光体の色度座標値が、実施の形態で使用した3つの蛍光体の色度座標値を結んでできる三角形を含んで色再現範囲を広げる座標に位置する。
【0124】
(a)青色
・ユーロピウム付活ストロンチウム・クロロアパタイト[Sr10(POCl:Eu2+](略号:SCA)、色度座標:x=0.151、y=0.065
上記以外に、ユーロピウム付活ストロンチウム・カルシウム・バリウム・クロロアパタイト[(Sr,Ca,Ba)10(POCl:Eu2+](略号:SBCA)も使用でき、上記波長313(nm)の紫外線も吸収できるSBAM−Bも高色再現用に使用できる。
【0125】
(b)緑色
・BAM−G、色度座標:x=0.139、y=0.574
・CMZ、色度座標:x=0.164、y=0.722
・CAT、色度座標:x=0.267、y=0.663
なお、これらは上述したように、波長313[nm]の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、MGMも高色再現用に使用することもできる。
【0126】
(c)赤色
・YOS、色度座標:x=0.651、y=0.344
・YPV、色度座標:x=0.658、y=0.333
・MFG、色度座標:x=0.711、y=0.287
なお、これらは上述したように、波長313[nm]の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、YVO、YDSも高色再現用に使用することもできる。
【0127】
また、上記で示した色度座標値は各々の蛍光体の粉体のみで測定した代表値であり、測定方法(測定原理)等に起因して、各蛍光体の粉体が示す色度座標値は、上掲した値と若干異なる場合があり得る。参考として上記実施の形態1の各蛍光体の粉体の色度座標値は、YOX(x=0.644、y=0.353)、LAP(x=0.351、y=0.585)、BAM−B(x=0.148、y=0,056)で構成されている。
【0128】
さらに、赤、緑、青の各色を発光させるために用いる蛍光体は各波長につき1種類に限らず、複数種類を組み合わせて用いることとしても良い。
【0129】
ここで、上記の高色再現用の蛍光体粒子を用いて蛍光体層202を形成した場合について説明する。ここでの評価は、CIE1931色度図内においてNTSC規格の3原色の色度座標値を結ぶNTSC三角形(NTSCtriangle)の面積を基準とした、高色再現用の蛍光体を用いた場合の3つの色度座標値を結んでできる三角形の面積の比(以下、NTSC比という。)で行なう。
【0130】
例えば、青色としてBAM−B、緑色としてBAM−G、赤色としてYVOを用いると(例1)NTSC比が92[%]となり、また、青色としてSCA、緑色としてBAM−G、赤色としてYVOを用いると(例2)NTSC比が100[%]となり、また、青色としてSCA、緑色としてBAM−G、赤色としてYOXを用いると(例3)、NTSC比が95[%]となり、例1及び2に比べて輝度を10[%]向上させることができる。
【0131】
なお、ここでの評価に用いた色度座標値は、ランプ等が組み込まれた液晶表示装置とした状態で測定したものである為、カラーフィルターとの組み合わせにより色再現範囲が上記値より前後する可能性がある。
5.封入ガスについて
希ガスには、クリプトンが含まれていてもよい。この場合、低圧放電ランプが冷陰極蛍光ランプである場合に赤外線放射を抑制することができる。さらには、希ガスにクリプトンが0.5[mol%]以上5[mol%]以下の範囲内で含まれていることが好ましい。この場合、ランプ電圧を大きく変化させることなく、冷陰極蛍光ランプの赤外線放射を抑制することができる。例えば、アルゴンが0[mol%]以上9.5[mol%]以下の範囲内、ネオンが90[mol%]以上95.5[mol%]以下の範囲内、クリプトンが0.5[mol%]以上5[mol%]以下の範囲内である。さらには、希ガスにクリプトンが0.5[mol%]以上3[mol%]以下の範囲内で含まれていることがより好ましい。さらには、希ガスにクリプトンが1[mol%]以上3[mol%]以下の範囲内で含まれていることがさらにより好ましい。
6.ランプの種類について
上記の各実施形態においては、低圧放電ランプとして、冷陰極蛍光ランプ、内部外部電極蛍光ランプ、外部電極蛍光ランプおよび熱陰極蛍光ランプを中心に説明したが、ガラス管の内面に蛍光体層の形成されていない紫外線ランプであってもよい。
【0132】
また、直管形状のランプに限らず、L字形状、U字形状、コの字形状、渦巻き形状等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、電極構造体、低圧放電ランプ、照明装置および画像表示装置に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0134】
100、107、109、500 電極構造体
101、501 電極
102、502 リード線
103、108、110、503 ガラスビード
103a、108a、110a 内側の層
103b、108b、110b 外側の層
200、300、400、600 低圧放電ランプ
201 ガラス管
700、800、900 照明装置
1000 画像表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極と、一端部が前記電極に接続されたリード線と、前記リード線の少なくとも一部を覆うように形成されたガラスビードとを有する電極構造体であって、
前記ガラスビードは、多層構造であることを特徴とする電極構造体。
【請求項2】
前記ガラスビードは、前記リード線の線軸方向において、内側の層が外側の層よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の電極構造体。
【請求項3】
前記ガラスビードは、前記リード線の線軸方向において、前記電極側における内側の層が外側の層よりも長いことを特徴とする請求項2に記載の電極構造体。
【請求項4】
前記ガラスビードは、2層構造であって、前記ガラスビードにおける前記電極構造体の長手方向の中間部での内側の層の厚みと外側の層の厚みとの厚みの比が1:0.5以上1:2以下の範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極構造体。
【請求項5】
前記ガラスビードは、前記電極構造体の長手方向の長さと、前記電極構造体の長手方向に対して略垂直な方向の長さとの比が1:1以上1:4以下の範囲内であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極構造体。
【請求項6】
ガラス管と、前記ガラス管の少なくとも一方の端部に封着された請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極構造体とを有することを特徴とする低圧放電ランプ。
【請求項7】
ガラス管と、前記ガラス管の少なくとも一方の端部に封着された多層構造のガラスビードとを有することを特徴とする低圧放電ランプ。
【請求項8】
請求項6または7に記載の低圧放電ランプを備えることを特徴とする照明装置。
【請求項9】
請求項8に記載の照明装置を備えることを特徴とする画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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