説明

電気めっき槽

【課題】アノード、カソード及び電解液を含む酸性電気めっき槽において、アノードで発生する気体によって添加剤が酸化することを防止する電極、および電気めっき方法を提供する。
【解決手段】電気めっきに使用するアノード1は、キャリヤ4とコーティング層5からなる陽極基材2、および、薄い織物6と格子または網7からなるスクリーン3等から構成される2相または3相以上とすること、また、電解液は70 mg/lを超える塩化物、及び陰イオン、酸素酸からなるポリアニオン、酸無水物の陽イオンまたはヘテロポリアニオンである、モリブデン、バナジウム、ジルコニウム、タンタル、タングステン、ハフニウムまたはチタンからなる群から選択された少なくとも一つの元素を5〜5000 mg/l、好ましくは200〜1200 mg/lの濃度で含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気めっき槽、特に、アノード、カソードおよび電解液を含む酸性電気めっき槽に関する。
【背景技術】
【0002】
前述のタイプの電気めっき槽は従来技術でよく知られており、本明細書において改めて文書的証拠を提示する必要はない。
【0003】
電気めっき、例えば、銅めっき、ニッケルめっき、亜鉛めっきまたはスズめっきは、可溶性アノードまたは不溶性アノードを用いて行われる。活性アノードとも呼ばれる可溶性アノードの場合、アノードは電解時溶液中に溶け出す。不活性アノードとも呼ばれる不溶性アノードでは、アノードは電解時溶液中に溶出しない。一般的には、不溶性アノードは、キャリアおよび活性層と呼ばれるコーティング層から構成される。この場合、通常、チタン、ニオブ、ステンレススチールまたはその他の不活性金属がキャリアの材料として使われるが、いずれにしても、電解条件下で不導体化する金属を用いることとなる。通常、活性層の材料としては、白金、イリジウム若しくはその他の貴金属、これらの混合酸化物またはこれら元素の化合物のような伝導性材料を用いる。本発明では、活性層はキャリア表面に直接塗布されてもよく、キャリアから離れて配置される基材に保持されてもよい。基材の場合においても、ステンレススチール、チタン等といったキャリアに使用される材料を用いることが可能である。
【0004】
一般に、電気めっきは、直流、正パルス電流または負パルス電流により行うことが可能である。
【0005】
従来技術では、電気めっき槽に添加剤を加えることが知られている。この添加剤は、例えば、光沢剤として使われたり硬度および/または分散を増すのに使われる。本発明では、添加剤として有機化合物を用いるのが好ましい。
【0006】
電気めっき槽の操作時において、酸素または塩素のような気体が不溶性アノードにおいて発生する。これらの気体により電気めっき槽に含まれる添加剤が酸化されることがあるため、添加剤の一部、場合によっては全てが分解されることがある。この場合、主に二つの問題が生じる。一つは添加剤を頻繁に交換しなければならないことであり、もう一つは添加剤の分解産物が故障の原因となるため電気めっき槽を頻繁に交換、浄化または修理しなければならないことである。これは不経済であるばかりでなく、環境に負荷を与える点でも適当ではない。
【0007】
この問題を解決するために、特許文献1は、イオン交換膜によってアノードとカソードを仕切ったアルカリ性電気めっき槽を開示している。この発明は、有機化合物がアノードとは接触しないので添加物がほとんど酸化されないという利点がある。しかし、この電気めっき槽には多くの計装を必要とすることが欠点である。なぜなら、この電気めっき槽は、アノード側には陽極液を入れた密閉系のボックスが、カソード側には陰極液を入れた密閉系のボックスが必要だからである。その他に、この電気めっき槽には高い電圧が必要であるため、経済性に劣るという問題がある。しかし、特許文献1の電気めっき槽では、チューブ内壁のコーティングにアノードを用いるような場合には全く適用できないことが決定的な欠点である。
【0008】
それを受けて、特許文献2は、陽極基材と陽極基材用のスクリーンから構成されるアノードを提案している。このようなアノードを用いることにより、特許文献1の電気めっき槽と比較して計装を削減することができる。しかし、カソードにおいて層の厚みに不均一な分布が生じるという問題がある。さらに、スクリーンを設けたにもかかわらず、例えば酸素のような気体がアノードに生成することがあるため、電気めっき槽の中に含まれる試薬(例えば添加剤)が酸化される可能性がある。従って、特許文献2に記載されている解決手段でも試薬が分解されるので経済的ではなく、余分な装置を要することにもなる。
【0009】
特許文献3は、酸性での銅めっきにおいて、銅の電解析出のために負パルス電流を用いることを開示している。この発明において使用されている電解液は例えば10〜500 mg/であり、通常は80 mg/l程度の塩素含有量を有する。
【0010】
特許文献4は、銅の電解析出のために、銅電解液を含んだポリビニールピロリドンを開示している。この発明において開示されている電解液は70 mg/lのHClを含んでいるが、これは、68 mg/lの塩化物含有量に相当する。
【0011】
特許文献5は、塩化物含有量が20〜200 mg/lである銅の電解析出のための電解液を開示している。
【0012】
特許文献6も銅電解液を開示している。この電解液は1〜300 g/lの酸、好ましくは150〜250 g/lの酸を含む。さらに、HClが好適な酸として開示されている。実施例に記述される塩化物含有量は約50 mg/lである。
特許文献7は、パルス電気めっき法に使用する銅電解液を含んだ塩化物を開示している。
【特許文献1】欧州特許第1102875B1号
【特許文献2】独国特許第10261493A1号
【特許文献3】PCT特許第2004/038070A2号
【特許文献4】米国特許第2002/0036144号
【特許文献5】米国特許第2003/085133A1号
【特許文献6】米国特許第6,610,192号
【特許文献7】米国特許第5,972,192号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述した従来技術の課題に基づき、本発明は、直流、正パルス電流または負パルス電流用の改良型電気めっき槽であって、上述の課題の克服を可能とする電気めっき槽を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明が提示する電気めっき槽の第1の態様は、アノード1、カソード及び電解液を含んだ酸性電気めっき槽であって、前記アノード1は2相または3相以上であり、前記電解液は70 mg/l以上の塩化物、及び陰イオン、酸素酸からなるポリアニオン、酸無水物の陽イオンまたはヘテロポリアニオンである、モリブデン、バナジウム、ジルコニウム、タンタル、タングステン、ハフニウムまたはチタンからなる群から選択された少なくとも一つの元素を5〜5000 mg/lの濃度で含むことを特徴とする電気めっき槽である。
【0015】
さらに、本発明が提示する電気めっき槽は、上記元素の濃度が200〜1200 mg/lであることを特徴とする電気めっき槽である。
【0016】
本発明が提示する電気めっき槽の第2の態様は、前記電解液が90 〜5000 mg/lの塩化物を含む電気めっき槽である。また、本発明の好ましい態様によれば、電解液の塩化物濃度は100 〜300 mg/lが好ましく、より好ましくは120 〜250 mg/lである。
【0017】
本発明が提示する電気めっき槽の第3の態様は、前記アノード1が陽極基材2及びスクリーン3から構成されることを特徴とする電気めっき槽である。
【0018】
本発明が提示する電気めっき槽の第4の態様は、前記陽極基材2がキャリア4及びキャリアの上に塗布されるコーティング層5から構成されることを特徴とする電気めっき槽である。キャリア4はステンレススチール製またはチタン製であることが好ましく、コーティング層5はイリジウム混合酸化物製または白金製であることが好ましい。
【0019】
本発明が提示する電気めっき槽の第5の態様は、前記スクリーン3がキャリア4から離れて配置されており、材質はプラスチック製または金属製であることを特徴とする電気めっき槽である。
【0020】
本発明が提示する電気めっき槽の第6の態様は、前記スクリーン3が薄い織物であることを特徴とする電気めっき槽である。
【0021】
本発明が提示する電気めっき槽の第7の態様は、前記スクリーン3がチタン製の格子または網7であることを特徴とする電気めっき槽である。
【0022】
本発明が提示する電気めっき槽の第8の態様は、前記スクリーン3が不導電性材料で作製される薄い織物6であることを特徴とする電気めっき槽である。また、前記不導電性材料が、プラスチック、グラスファイバーまたは鉱物繊維であることを特徴とし、さらに前記プラスチックはポリプロピレンであることを特徴とする電気めっき槽である。
【0023】
本発明が提示する電気めっき槽の第9の態様は、前記スクリーン3が、チタン製の格子または網7とポリプロピレン製の薄い織物6の二つの部分からなり、ポリプロピレン製の薄い織物6は陽極基材2とチタン製の格子または網7との間に設けられることを特徴とする電気めっき槽である。
【0024】
本発明が提示する電気めっき槽の第10の態様は、銅電解液を特徴とする電気めっき槽である。
【0025】
本発明が提示する電気めっき方法の第1の態様は、上述した電気めっき槽を使用する電気めっきの方法である。
【0026】
本発明が提示する電気めっき方法の第2の態様は、直流、正パルス電流または負パルス電流による電気めっきにより電解析出を行うことを特徴とする電気めっきの方法である。
【0027】
本発明が提示する電気めっき方法のその他の態様は、上記の電気めっき槽を電気めっきのために用いる方法、さらに、上記の電気めっき槽を、被めっき材を縦方向とした操作または横方向とした操作から選択された少なくとも一つの方向の操作に用いる電気めっきの方法である。
【0028】
2相または3相以上のアノードを、高含有量の塩化物、すなわち、70 mg/lを越える濃度の塩化物と組み合わせて用いると、優れたコーティングが得られることが判明した。本発明は、特に、銅電解液の場合に適している。なぜなら、塩化物含有量が多くなるにつれて、銅の結晶構造がより微細となるばかりでなく、膜厚偏差もより良好になるからである。
【0029】
さらに、電流密度を高くすることができるため、銅の電解析出が速やかになる。また、本発明の電気めっき槽は、より安価な酸化銅の使用が可能となるため経済性にも優れている。
【0030】
陰イオンまたは酸素酸からなるポリアニオン、強酸性溶液においてはその酸性無水物の陽イオンまたはシリコメタレート(silicometallates)のようなヘテロポリアニオンである、モリブデン、バナジウム、ジルコニウム、タンタル、タングステン、ハフニウムまたはチタンからなる群から選択された元素を添加することにより、結晶性および層厚偏差においてさらに明瞭な改善が得られる。
【0031】
本発明によって得られる利点は予期されたものではなかった。なぜなら、活性アノードを有する電解液の塩化物含有量は一般的には約80 mg/lの桁であり、また、もしそうでなければ銅電極は不導体化するからである。その他、活性アノードを使用する場合、塩化物の含有量が高いと分解産物の濃縮が起こり、比較的短い時間内に活性炭処理を必要とするからである。
【0032】
上述した高含有量の塩化物に関する従来技術の問題は、本発明により解決することができる。なぜなら、この発明は、2相または3相以上の不活性アノードを高含有量の塩化物と組み合わせて使用するものだからである。本発明において、電解液は90 〜5000 mg/lの塩化物を含む。また、本発明の好ましい態様によれば、電解液の塩化物濃度は100 〜300 mg/lが好ましく、より好ましくは120 〜250 mg/lである。
【0033】
本発明における「2相または3相以上の」アノードとは、陽極基材とスクリーンから構成されるアノードを意味する。本発明において、陽極基材は第1相であり、スクリーンは第2相である。陽極基材そのものは、キャリアと活性層から構成される。本発明では、キャリアの材料は、チタン、ニオブ、ステンレススチールまたはその他の不活性金属であってもよい。活性層は、キャリアから離して配置してもよいし、キャリアに直接塗布してもよい。活性層としては、特に、イリジウム、白金、その他の貴金属、それらの化合物及びそれらの混合酸化物が適している。
【0034】
アノードのスクリーンはキャリアから離して配置するのが好ましく、材質としてはプラスチック製または金属製であることが好ましい。また、スクリーンは、格子若しくは網または薄い織物であってもよい。スクリーンの第1の態様はチタン製の格子または網からなり、第2の態様はポリプロピレン製の薄い織物からなる。スクリーンの実施態様としては、第1の部分がチタン製の格子または網、第2の部分がポリプロピレン製の薄い織物という二つの部分で構成されるのが好ましい。本発明では、ポリプロピレン製の薄い織物は、陽極基材とチタン製の格子または網の間に配置される。上記の二つの部分を備えたスクリーンを有するアノードは3相となる。
【0035】
この2相または3相以上のアノードでは、酸素による電解液の著しい汚染が回避されるため、試薬の過剰な消費を抑えることができる。従って、本発明による電気めっき槽は、経済性に優れている。
【0036】
さらに、添加剤は、ごく少量の酸素で酸化されることによって僅かに分解されるに過ぎないので、例えば活性炭処理または伝統的な酸化処理によって電解液を浄化する必要がある場合でも、その処理の時期を遅らせることができる。この点を確かめるためのテストでは、本発明による電気めっき槽の稼働時間は、従来技術の電気めっき槽に比べて300%も増加することが示された。
【0037】
さらに、本発明では、上述した特徴を有する電気めっき槽を使用した電気めっき法も開示する。本発明では、電解析出は直流で行われるのが好ましい。これにより、微細な結晶構造を得ることが可能となり、電解析出しためっき層の物理的特性が改善される。本発明による電気めっき槽は、被めっき材を横方向にしてめっき処理の操作をしても縦方向にしてめっき処理の操作をしてもよい。
【0038】
本発明による電気めっき槽は、直流以外にパルス電流によるめっき処理にも適している。
【0039】
本発明による電気めっき槽は塩化物含有量に応じて様々な層厚偏差を得ることができるため、従来の電気めっき槽による層厚偏差よりも全体として優れた層厚偏差を得ることが可能となる。プリント基板に直径の異なる10個のスルーホールを形成し、その内壁表面を本発明による電気めっき槽によりめっき処理した場合の平均層厚偏差は、他の工程上のパラメータは不変として、下記の通り塩化物含有量に依存する。
【0040】
75 mg/l塩化物では、平均72%の層厚偏差が得られる
100 mg/l塩化物では、平均89%の層厚偏差が得られる。
125 mg/l塩化物では、平均102%の層厚偏差が得られる。
150 mg/l塩化物では、平均125%の層厚偏差が得られる。
175 mg/l塩化物では、平均132%の層厚偏差が得られる。
250 mg/l塩化物では、平均99%の層厚偏差が得られる。
なお、上記層厚偏差の%は、予定した層厚に対する実際のめっき処理により得た層厚の割合を示したものである。
【発明の効果】
【0041】
上記の実施例が示すように、本発明の電気めっき槽により層厚偏差を改善することが可能となる。
【0042】
また、不活性アノードを用いれば、電解液中の消費した銅を補充するのに、酸化銅または他の銅化合物を使用することが可能となる。塩化物含有量が低くなればなるほど、酸化銅が高価となるため、酸化銅の価格は塩化物含有量に大きく依存することとなる。本発明では、塩化物含有量の高いものを使用するため、銅の再生のために安価な酸化銅を使用することができる。従って、本発明の利点は、経済性にもある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
本発明のその他の具体的態様は、図1を用いて説明する。図1は、本発明のアノードの側面概略図である。
【0044】
陽極基材2そのものは、キャリア4、およびコーティング層5すなわち活性層より構成される。キャリア4は、ステンレススチール、チタン等であることが好ましく、一方、コーティング層5は、イリジウム混合酸化物、白金等であることが好ましい。
【0045】
コーティング層5は、前記キャリア4に直接塗布されてもよいし、キャリア4とは離れて配置される基材に保持されてもよい。図1の実施態様では、コーティング層5とキャリア4の間は離れており、キャリア4とコーティング層5の間の距離をaという符号で表している。この距離aは、例えば、数10ミリメートルである。また、コーティング層5は、ステンレススチール、チタン等によって作製される基材に保持されている。
【0046】
アノード1のスクリーン3は、図1では二つの部分で構成されている。スクリーン3の第1部分は、プラスチック(例えば、ポリプロピレン)、ガラスファイバー若しくは鉱物繊維のような不導電性材料で作製した薄い織物6または多孔性で不導電性のダイアフラムでもよい。
【0047】
スクリーン3の第2部分は、チタン製の格子または網7からなる。スクリーン3は、陽極基材2とは離れて配置され、陽極基材2とポリプロピレン製の薄い織物6間の距離bは、0.01から10 mmの間が好ましい。スクリーン3の第2部分であるチタン製のグリッドまたは網7も、スクリーン3の第1部分であるポリプロピレン製の薄い織物6とは離れて配置され、距離cは0.1 mmから10 mmの間が好ましい。ただし、上記以外の距離であっても、電気めっき槽の適用分野に応じて変更可能である。つまり、上記の距離表示は、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明のアノード1の概略側面図である。このアノード1は陽極基材2とスクリーン3とからなる。
【図2】図2は、層厚偏差を示すグラフであり、塩化物含有量は同一だが、モリブデン濃度が異なる。
【図3】図3は、塩化物含有量に応じた層厚偏差を示すグラフである。
【符号の説明】
【0049】
1 アノード
2 陽極基材
3 スクリーン
4 キャリア
5 コーティング層
6 薄い織物
7 格子または網
a 距離
b 距離
c 距離


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノード1、カソード及び電解液を含んだ酸性電気めっき槽であって、前記アノード1は2相または3相以上であり、前記電解液は70 mg/l以上の塩化物、及び陰イオン、酸素酸からなるポリアニオン、酸無水物の陽イオンまたはヘテロポリアニオンである、モリブデン、バナジウム、ジルコニウム、タンタル、タングステン、ハフニウムまたはチタンからなる群から選択された少なくとも一つの元素を5〜5000 mg/lの濃度で含むことを特徴とする、電気めっき槽。
【請求項2】
前記元素の濃度が200〜1200 mg/lであることを特徴とする、請求項1に記載の電気めっき槽
【請求項3】
前記電解液が90 〜5000 mg/lの塩化物を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の電気めっき槽。
【請求項4】
前記電解液が100 〜300 mg/lの塩化物を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の電気めっき槽。
【請求項5】
前記電解液が120 〜250 mg/lの塩化物を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の電気めっき槽。
【請求項6】
前記アノード1が陽極基材2及びスクリーン3から構成されることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電気めっき槽。
【請求項7】
前記陽極基材2がキャリア4及びコーティング層5から構成されることを特徴とする、請求項6に記載の電気めっき槽。
【請求項8】
前記キャリア4がステンレススチール製またはチタン製であることを特徴とする、請求項7に記載の電気めっき槽。
【請求項9】
前記コーティング層5がイリジウム混合酸化物製または白金製であることを特徴とする、請求項7に記載の電気めっき槽。
【請求項10】
前記スクリーン3がキャリア4から離れて配置されており、プラスチック製または金属製であることを特徴とする、請求項6乃至9のいずれか1項に記載の電気めっき槽。
【請求項11】
前記スクリーン3が薄い織物であることを特徴とする、請求項6乃至10のいずれか1項に記載の電気めっき槽。
【請求項12】
前記スクリーン3がチタン製の格子または網7であることを特徴とする、請求項11に記載の電気めっき槽。
【請求項13】
前記スクリーン3が不導電性材料で作製される薄い織物6であることを特徴とする、請求項11に記載の電気めっき槽。
【請求項14】
前記不導電性材料で作製される薄い織物がプラスチック、グラスファイバーまたは鉱物繊維の薄い織物であることを特徴とする、請求項13に記載の電気めっき槽。
【請求項15】
前記プラスチックがポリプロピレンであることを特徴とする、請求項14に記載の電気めっき槽。
【請求項16】
前記スクリーン3がチタン製の格子または網(7)及びポリプロピレン製の薄い織物6の二つの部分からなり、ポリプロピレン製の薄い織物6は陽極基材2とチタン製の格子または網7との間に設けられることを特徴とする、請求項6乃至15のいずれか1項に記載の電気めっき槽。
【請求項17】
前記電解液が銅電解液であることを特徴とする、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の電気めっき槽。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれか1項に記載の電気めっき槽を使用することを特徴とする、電気めっきの方法。
【請求項19】
直流、正パルス電流または負パルス電流を用いた電気めっきにより電解析出を行うことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
請求項1乃至17のいずれか1項に記載の電気めっき槽を電気めっきのために用いる方法。
【請求項21】
請求項1乃至17のいずれか1項に記載の電気めっき槽を、被めっき材を縦方向とした操作または横方向とした操作から選択された少なくとも一つの方向の操作に用いる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−307344(P2006−307344A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−121511(P2006−121511)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【出願人】(505319072)エントーン インク. (7)
【氏名又は名称原語表記】Enthone Inc.
【Fターム(参考)】