説明

電気エネルギーユニットとスペーサ

電気エネルギーユニット(2、102、202、302)は複数の電気エネルギーセル(4)を備えており、当該電気エネルギーセルは、積重方向に積重されて1つのセルブロックとなり、セルブロックの内部で並列および/あるいは直列に互いに接続されており、電気エネルギーセルは、互いにほぼ面平行にセルから突き出ている、平型に形成された導体(14)を備え、導体の主要面は積重方向に対してほぼ垂直に配列されており、1つのセルの導体は積重方向で見て少なくとも部分的に互いに覆い隠すことなく、1つのセルの各導体は、積重方向に続くセルのそれぞれ1つの導体を、積重方向で見て少なくとも部分的に覆い隠す。電気エネルギーユニットは、向かい合う導体間の電気的接続が、連続するセルの導体間のスペースに設けられているスルー接触するあるいはスルー接触しないスペーサ(20、120、220、520、620)によって構築されることによって優れており、スペーサは、応力装置(10、506、508、524、526)による圧力で導体間に挟み込まれ、当該応力装置は完全に導体の外部に設けられている。本発明は、そのような電気エネルギーユニット内の連続するセルの導体間で用いられるためのスペーサにも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、1つのブロックに積重された複数の電気エネルギーセルから成る電気エネルギーユニットと、電気エネルギーセルの電流導体の間に用いられるスペーサとに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、ガルバニ一次セルから成るバッテリー、ガルバニ二次セルから成る蓄電池、積重されてモジュールに統合されたコンデンサーと燃料セルのように、1つのブロックに積重された複数の電気エネルギーセルから電気エネルギーユニットを構成することは、既知である。
【0003】
特に、1つあるいは複数の貯蔵セルから構成されている、電気エネルギーを貯蔵するためのバッテリー(一次貯蔵装置)と蓄電池(二次貯蔵装置)とが知られており、当該貯蔵セルにおいて、充電電流を加えると、電解質内もしくは電解質間で、カソードとアノードの間の電気化学的充電反応で電気エネルギーが化学エネルギーに変換され、それによって貯蔵され、かつ電気消費物が設置されると、電気化学的放電反応で化学エネルギーが電気エネルギーに変換される。その際一次貯蔵装置は通例、1度だけ充電され、放電後は処分されるが、二次貯蔵装置は、複数回(数百回から1万回以上)の充電と放電のサイクルが可能である。その際述べておくべきことは、周知のように何度も充電サイクルを経験するたとえば車両用バッテリーのように、蓄電池も時としてバッテリーと呼ばれるということである。
【0004】
最近数年間で、リチウム化合物ベースの一次貯蔵装置と二次貯蔵装置が重要性を増している。これらは高いエネルギー密度と熱に対する安定性とを備え、少ない自己放電で一定の電圧を供給し、かついわゆるメモリ効果がない。
【0005】
エネルギー貯蔵装置と特にリチウムバッテリーとリチウム蓄電池を薄いプレート状に作ることが知られている。リチウムイオンセルの機能原理については、例示的に非特許文献1が指摘される。
【0006】
実際にたとえば自動車用バッテリーあるいはその他の車両用バッテリーで獲得に努められる電圧と容量とを達成するために、複数のセルを1つの積重物として設け、かつそれらの導体を適切な方法で相互接続することが必要である。個々のセルの相互接続は通例、導体が突き出ている、セルの(通常「上部」と定義される)幅狭の面で行われる。特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4から、そのような相互接続の構造体が知られている。
【0007】
特許文献5から、個々のセルが1つのハウジングにはめ込まれている、類似の構造体が知られている。ここでは、個々のセルはハウジングの個々の区画に緩く据えられており、上部に突出する接触部はボルトによって互いに接合されている。構造体全体は、蓋によって上部から閉鎖されている。
【0008】
まだ未公開の発展形から、薄い直方形の複数のガルバニセルを、最大の面積を持つその面(平面)が互いに対向しあるいは接触し、保持装置内で成型されているように、1つあるいは複数の積重物に統合することが知られている。
【0009】
複数の平型セルが2つの圧力プレートの間に積重されており、積重物は、圧力プレートの間に延伸する引張ロッド(植え込みボルトもしくはシリンダヘッドネジ)によって結合される、活字で詳細に裏付けられていない構造体も、発明者に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第2008/128764号
【特許文献2】国際公開第2008/128769号
【特許文献3】国際公開第2008/128770号
【特許文献4】国際公開第2008/128771号
【特許文献5】特開平07−282841
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Dr.K.C.メラー、Dr.M.ヴィンター、「一次リチウムバッテリーと再充電可能リチウムバッテリー、一次リチウム蓄電池と再充電可能リチウム蓄電池」無機化学テクノロジーの実習、グラーツ工科大学、2005年2月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本願発明の課題は、セルのブロック形成と接触とを改善できる複数の電気エネルギーセルから成る、電気エネルギーユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本課題は、独立請求項の特徴によって解決される。本発明の有利なさらなる形態は、従属請求項の対象である。
【0014】
本発明の第1の観点に従った電気エネルギーユニットは複数の電気エネルギーセルを備えており、当該電気エネルギーセルは、積重方向に積重されて1つのセルブロックとなり、セルブロックの内部で並列および/あるいは直列に互いに接続されており、電気エネルギーセルは、互いにほぼ面平行にセルから突き出ている、平型に形成された導体を備え、導体の主要面は積重方向に対してほぼ垂直に配列されており、1つのセルの導体は積重方向で見て少なくとも部分的に互いに覆い隠すことなく、1つのセルの各導体は、積重方向に続くセルのそれぞれ1つの導体を、積重方向で見て少なくとも部分的に覆い隠す。電気エネルギーユニットは、向かい合う導体間の電気的接続が、連続するセルの導体間のスペースに設けられているスルー接触するあるいはスルー接触しないスペーサによって構築されることによって優れており、スペーサは、応力装置による圧力で導体間に挟み込まれ、当該応力装置は完全に導体の外部に設けられている。
【0015】
電気エネルギーユニットとは、本発明の枠内では、電気エネルギーを放出することもできる部材と理解され得る。電気エネルギーセルとは、本発明の枠内では、電気エネルギーを放出することもできる、構造上内蔵型のセルと理解され得る。これは、中に貯蔵されたエネルギーを一度だけ放出できるガルバニ一次セル、あるいは複数回充電と放電とがなされ得るガルバニ二次セル、あるいは燃料セル、あるいはコンデンサセルなどであってよい。特に、ガルバニ二次セルのことであってよく、セルの少なくとも1つの電磁的にアクティブな材料は、リチウムあるいはリチウム化合物を備えている。適切な電気的接続によって、電気エネルギーセルは電気エネルギーユニットを形成する。導体とは、本発明の枠内では、ガルバニセルの内部における電気化学的にアクティブな部分と接合されており、かつセルの端子としても用いられる、外部からアクセス可能な接続部と理解され得る。平面体とは、本発明の枠内では、2つの平行する主要面を備える物体であって、主要面に対して平行な、物体に束縛されたデカルト座標系の2つの空間方向におけるその広がりは、第3の空間方向における広がりよりもはるかに大きい物体と理解され得る。その際第3の空間方向は、物体の厚さ方向と定義されている。スペーサとは、本発明の主旨においては、バッテリーの積重方向におけるその広がりが、連続する貯蔵セルの2つの導体間の間隔に相当する構成要素と理解される。スペーサは、両導体に軽く接触し、これらの間で緩く移動可能であり、外部から導体へ面法線の圧力がかかる場合には導体間で挟まれることになる。スルー接触とは、本発明の主旨においては、向かい合う導体間の電気的接合の構築と理解される。
【0016】
本発明のこの観点に従った電気エネルギーユニットには、スペーサは導体の間に緩く配置されるだけでよく、導体間の唯一の応力プロセスによって固定されるという利点もある。たとえば、導体間の接合要素を個々に固定する必要はない。応力装置が外れた場合にも、セルブロック全体を解体する必要なしに、スペーサを取り外して交換することができる。反対に、スペーサが適切に形成され保持される場合、セルブロック全体を解体する必要なしに、個々のセルを取り外して交換することができる。
【0017】
電気エネルギーユニットはさらに、応力装置が、力を発生させるための力発生要素を備えており、力発生要素は、積重方向に、直接導体とスペーサの構造体に対して作用することによって優れ得る。
【0018】
電気エネルギーユニットはさらに、応力装置が、力を発生させるための力発生要素と力伝達要素とを備えており、力伝達要素は、力発生要素によって及ぼされた力を、導体とスペーサの構造体に伝達することによって優れ得る。
【0019】
電気エネルギーユニットはさらに、応力装置が、導体の傍を通り過ぎて積重物の長さにわたって延在する引張ロッドとクランプ要素とを備えており、クランプ要素は、引張ロッドによって及ぼされた力を、導体を切断する平面に伝達することによって優れ得る。
【0020】
そのような電気エネルギーユニットは、引張ロッドがスペーサ内の孔を貫通して延在するように構成されていてよい。
【0021】
電気エネルギーユニットはさらに、応力装置が少なくとも1つのアクチュエータを備えており、当該アクチュエータの作動力は直接、あるいは梃子や継手などを介して、積重方向に外部から導体とスペーサの構造体に作用することによって優れ得る。
【0022】
そのような電気エネルギーユニットは、アクチュエータが、機械式特に手動で、あるいは電動式、電磁式、油圧式、空気圧式、圧電式に制御可能であるように構成されていてよい。
【0023】
電気エネルギーユニットはさらに、導体と接するスペーサが、導体との電気的接合を構築するタップ装置を備えることによって優れ得る。
【0024】
そのような電気エネルギーユニットは、タップ装置が、片面接触するスペーサに備わっており、当該スペーサはスルー接触しないスペーサであるように構成されていてよい。片面接触するスペーサとは、本発明の主旨においては、スペーサの1つの面だけへの電気的接合を構築するスペーサと理解される。そのような片面接触するスペーサは、直列接続の端子電圧(定格電位)をタップするために、貯蔵セルの直列接続の最初と最後の導体(端子)にそれぞれ設けられていてよい。そのような片面接触するスペーサは、スルー接触しないスペーサであって、セルブロック内部で、互いに上下に直列接続されているセルの2つのグループを互いに並列に接続するためにも用いられてよい。それに対してタップ装置が、スルー接触するスペーサに備わっていれば、セルブロック内の中間電位をタップすることができる。
【0025】
電気エネルギーユニットはさらに、電気エネルギーユニットの第1接続端子と第2接続端子とが備わっていることによって優れ得、第1接続端子は、セルブロックの最初のセルの第1極性の導体と接合されており、第2接続端子は、セルブロックの最後のセルの第2極性の導体と接合されている。接続端子とは、本発明の主旨においては、電気エネルギーユニットの外部からも接触可能で、それゆえ電気的接合が構築可能な接触部と理解され得る。
【0026】
そのような電気エネルギーユニットは、セルが積重方向に、極性方向が交互になって設けられているように構成されていてよい。このようにして、導電性のあるスペーサあるいは導電性のないスペーサが、連続する導体間に容易に交互に設けられることによって、特に容易にセルの直列接続が、これらのスペーサによって実現可能である。上記で片面接触するスペーサとの関連で記述されているように、並列接続も容易に実現可能である。並列接続は、セルの極性方向の一致によっても実現され得、当該セルのそれぞれ同一の端子が、スルー接触するスペーサによって接合されている。並列接続されたそれぞれ複数のセルから成るグループの直列接続は、それぞれ極性方向の異なる、連続したグループのセルが設けられており、かつ1つのグループの最後のセルと次のグループの最初のセルとの間に、スルー接触するスペーサとスルー接触しないスペーサとがはめ込まれることによって実現され得る。
【0027】
そのような電気エネルギーユニットは、複数のセルから成るセルブロックが2つの圧力プレートの間に挟み込まれており、当該圧力プレートは、好適には引張アンカーによって、応力がかけられている。このようにしてセルは、容易かつ確実に統合され、固定され得る。
【0028】
電気エネルギーユニットはさらに、電気エネルギーセルがガルバニセル好適には二次セルであり、特にセルの電磁的にアクティブな材料は、リチウムあるいはリチウム化合物を備えていることによって優れ得る。
【0029】
本発明のさらなる観点に従えば、セル積重物内の連続する2つの電気エネルギーセルの導体間で用いるためのスペーサが提案され、当該スペーサは、導電性のない材料から作られており、かつ導体間のスペースの間隔で、平行する2つの端面と、端面の少なくとも1つに電気的に接触するための接触要素を受容するための少なくとも1つの第1受容装置と、端面とは別のスペーサの面から出ている接触要素との電気的接合を構築するための接続要素を受容するための第2受容装置とを備える。
【0030】
接触要素として、本発明の主旨においては、スペーサの1つの端面に向かい合う面に対して電気的接触を構築するために設計かつ設置されている、各装置あるいは構造上の形態あるいは各部材部分が理解される。受容装置として、本発明の主旨においては、接触要素を受容するために設計かつ設置されている、各装置あるいは構造上の形態が理解される。
【0031】
本発明のさらなる観点に従えば、セル積重物内の連続する2つの電気エネルギーセルの導体間で用いるためのスペーサが提案され、当該スペーサは、導電性のない材料から成る中心部分と、当該中心部分をサンドウィッチ状かつ平行に囲む、導電性のある材料から成る2つの外側部分とを備え、外側部分はスペーサの端面を定義し、端面間の間隔は、セル積重物内で連続する2つの電気エネルギーセルの導体間のスペースの間隔に相当し、両端面とは別の外面に少なくとも2つの窪みが備わっており、当該窪みの1つは、外側部分の1つとの接合を備えるが、別の外側部分との接合はなく、別の窪みは、該別の外側部分との接合を備えるが、該1つの外側部分との接合はなく、窪みは端面とは別のところに形成されている。
【0032】
窪みとして、本発明の主旨においては、1つの面(端面とは別の面)からスペーサに入れられている、孔あるいは掘削孔あるいはその他の形成物が理解される。
【0033】
そのようなスペーサは、外側部分によって定義されている端面で、連続する貯蔵セルの電流導体と当接する。外側部分は、導電性のない中心部分によって電気的に互いに絶縁されているので、電流導体間の接合はない。しかし窪み間の橋架によって、外側部分間の導電性のある接合がもたらされ得、その結果電流導体間のスルー接触が構築される。他方で、窪みの1つを介して、外側部分の1つへの接合が構築され得、それによって、そこに当接する電流導体の電位がタップされ得る。
【0034】
そのような窪みは2つより多く備わっていてよい。
【0035】
本願発明の、請求項に挙げられたさらなる特徴、課題、利点は、添付の図に関連して作成された、好ましい実施例の以下の記述からより明確に明らかとなるであろう。図に示されるのは以下である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1実施例としての、部分的に切断されたバッテリーの上面図である。
【図2】2つのバッテリーセルの間で図1の線II−IIに沿って切断され、付属の矢印の視線方向で見た、図1のバッテリーの横断面図である。
【図3】一連の導体とスペーサとが一線に並んで図1の線III−IIIに沿って切断され、付属の矢印の視線方向で見た、図1のバッテリーの縦断面図である。
【図4】付属の矢印の視線方向で見た、図3の線IV−IVに沿った中心平面を通る横断面図の、取り付け部材のない図3のスペーサの拡大図である。
【図5】図4の矢印Vの視線方向で見た、図4のスペーサの側面図である。
【図6】横方向孔と軸方向孔とが並んで図4の線VI−VIに沿って切断され、付属の矢印の視線方向で見た、片面接触する構造で取り付け部材を有する図4のスペーサの水平断面図である。
【図7】本発明の第2実施例としての、スルー接触する構造で取り付け部材を有するスペーサの部分横断面図である。
【図8】本発明の第2実施例としての、スルー接触する構造で取り付け部材を有するスペーサの縦断面図である。
【図9】片面接触する構造で取り付け部材を有する図7のスペーサの図である。
【図10】片面接触する構造で取り付け部材を有する図8のスペーサの図である。
【図11】本発明の第3実施例としての、スルー接触する構造で取り付け部材を有するスペーサの部分横断面図である。
【図12】本発明の第3実施例としての、スルー接触する構造で取り付け部材を有するスペーサの縦断面図である。
【図13】本発明の第3実施例としての、スルー接触する構造で取り付け部材を有するスペーサの上面図である。
【図14】片面接触する構造で取り付け部材を有する図7のスペーサの図である。
【図15】片面接触する構造で取り付け部材を有する図8のスペーサの図である。
【図16】部分的な分解図における、圧力要素としての圧力ネジを有する、本願発明の第4実施例におけるバッテリーの、図3の細部XVIの拡大図である。
【図17】部分的な分解図における、圧力要素としての圧力セルを有する、本願発明の第5実施例におけるバッテリーの、図16に対応する細部の図である。
【図18】組み立てられた構造で圧力要素としての引張アンカーを有する、本願発明の第6実施例におけるバッテリーの、図16に対応する細部の図である。
【図19】図18の線XIX−XIXに沿って切断され、付属の矢印の視線方向で見た、図18の細部の切断上面図である。
【図20】図18と図19の実施例のバッテリーの、図2の切断過程に対応する図である。
【図21】図18と図19の実施例のバッテリーの、図3の切断過程に対応する図である。
【図22】本発明の第7実施例におけるスペーサの水平断面図である。
【図23】図22のスペーサの側面図である。
【図24】図23に対応するこの実施例の、背向するスペーサの側面図である。
【図25】図23に対応するこの実施例の、背向するスペーサの側面図である。
【図26】本発明の第8実施例における末端部材の上面図である。
【図27】付属の矢印の視線方向で見た、図26の線XXVII−XXVIIに沿った図26の末端部材の縦断面図である。
【図28】アクティブな状態の、図27に対応する末端部材の図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
指摘されるべきは、図の描写は概略的であり、本発明の理解にとって重要な特徴の再現に限定しているということである。さらに指摘されるべきは、描写の明確性に対してのみ、図で再現される寸法と大きさの割合との責任があり、決して限定的あるいは排他的に理解されるべきではないということである。
【0038】
添付の図に基づいて、具体的な実施例とその可能なヴァリエーションとの正確な記述が続く。様々な実施例において同一の部材が用いられる限りにおいては、当該部材には同一のあるいは対応する参照符号が付けられている。この記述の枠内においては、参照数字が100の倍数だけ互いに異なる部材は、同じあるいは類似の機能を備える。それぞれの実施例の特性に基づいて、異なるあるいはさらなる観点がもたらされない限りは、実施例との関連ですでに説明済みの特徴とその機能とを繰り返して説明することはほとんどしない。それでもなお、明確に別のことが挙げられておらず、あるいは明らかに技術的に無意味でない限り、実施例とそのヴァリエーションの特徴と構造と効果とは、別の実施例とそのヴァリエーションに転用され得る。
【0039】
本願発明の基本的な第1の実施例は、図1に概略的に表わされている。図1は、8つの貯蔵セル4を有するバッテリー2の、部分的に切断された上面図であって、当該貯蔵セル4は、端面側の2つの圧力プレート6、8(端面圧力プレート6、カウンタ圧力プレート8)の間に積重されており、引張アンカー10とナット12とによって応力がかけられている。図においては、圧力プレート6、8と、その中に含まれる部材とが切断されているが、圧力プレート6、8の間に設けられた部材は切断されていない。積重物内部の貯蔵セル4の位置は、(i)から(viii)の通し番号が付されている。
【0040】
引張アンカー10は、ブロックアンカー10とも呼ばれ、それは、貯蔵セル4を1つのブロックにして応力をかけるというその機能を明示している。引張アンカー10のためのナット12は回転不能にしかし軸方向には移動可能に、接続圧力プレート6の対応する凹部に軸受けされている。ナット12は好適には、四角ナットあるいは六角ナットである。(圧力プレート6、8は、貯蔵セル4の面全体に圧力をかけることができる。当該圧力プレート6、8は、貯蔵セル4の内側部品の機械的負荷を小さくとどめるためにあるいは完全に回避するために、代替的に、貯蔵セル4の1つの、場合によっては強化された縁部領域にのみ圧力をかけることができる。)
【0041】
貯蔵セル4は、広がっている2つの平面あるいは端面(正面と背面)と4つの幅狭面(側面とも呼ばれる左右の面と、上面と下面)とを有する、平型で直方体形の本体を備える。貯蔵セル4は、それぞれその平型の正面と背面で互いに載置されて、1つの積重物を形成する。貯蔵セル4の積重方向は、本発明の枠内では、バッテリー2の軸方向とも呼ばれる。
【0042】
貯蔵セル4は、好ましいこの実施例においては、リチウム蓄電池セルである(本願の枠内では、蓄電池すなわち二次貯蔵装置もバッテリーと呼ばれる)。各貯蔵セル4の本体は、電気エネルギーを貯蔵し放出するための電気化学的反応(充電反応と放電反応)が行われるアクティブな部品を収納している。図において詳細に表わされていない、アクティブな部品の内部構造は、2種類(カソードとアノード)の電気化学的にアクティブな電極ホイルと、電流を集め、電気化学的にアクティブな領域に送りあるいは当該領域から送り出すための導電性のあるホイルと、2種類の電気化学的にアクティブな領域を互いに分離するためのセパレータホイルとから成る、平型で積層された積重物に相当する。電気化学的にアクティブな電極ホイルの少なくとも1種類は、リチウムあるいはリチウム化合物を備える。この構造は技術的によく知られており、ここでさらに掘り下げる必要はない。参考までに、明細書の冒頭で挙げられた、メラー/ヴィンターによる従来技術が引き合いに出されるが、その限りにおいてその開示内容は、関連付けによって完全に含まれるであろう。
【0043】
上面として定義された、各セル4の幅狭面から、2つの導体14(14+、14−)が、セル4の内部から外部に向かって垂直に突き出ている。導体14は、アクティブな領域内部で、電気化学的にアクティブなカソード領域とアノード領域と接合されており、セル4のカソード接続部とアノード接続部として用いられる。特に、導体14+はセル4のプラス端子を形成し、導体14−はセル4のマイナス端子を形成する。導体14は、たとえば銅あるいはアルミニウムのような導電性の良好な材料から作られている。接触を改善するために、たとえば銀あるいは金のコーティング(蒸着、めっきなど)が備わっていてよい。導体14は平面状の構造物であり、その幅と高さは、その厚さよりも明らかに大きく、その高さはその幅よりも明らかに小さい。導体14は、セル4の上面に、互いにほぼ面平行に、かつ幅方向にも厚さ方向にもずらされて設けられている。導体14の横断面図は、端面で見ても側面から見ても互いに重なり合うことはなく、その突起部は、これらの視線方向それぞれに、互いに間隔を備えている。導体14の配置は、セル4の上面の各対称軸に対して鏡面対称である。
【0044】
セル4は、導体14+、14−の極性方向が交互になって積重されている。言い換えれば、第1のセル4(i)はセルブロック内で、その負極導体14−が図で右側にあり、その正極導体14+が図で左側にあるように設けられている。次のセル4(ii)は極性方向が逆に、すなわち、その正極導体14+が図で右側にあり、その負極導体14−が図で左側にあるように設けられている。さらなるセル4の極性方向は、最後の(8番目の)セル4(viii)に至るまでそれぞれさらに交互になっている。それによって、積重方向で、正極導体14+と負極導体14−とが交互になる。
【0045】
接続圧力プレート6内には、ポケット16が形成されている。ポケット16は、その中に2つの接続クランプ18(18+、18−)が設けられている凹部である。接続クランプ18は外部からアクセス可能で、バッテリー2の端子を形成する。特に、接続クランプ18+はバッテリー2のプラス端子を形成し、接続クランプ18−はバッテリー2のマイナス端子を形成する。ポケット16には、バッテリー2と個々のセル4を制御するためのさらなる構成要素(詳細には表わされず)も設置されている。
【0046】
2つのセル4の連続する導体14の間に、それぞれスペーサ20が設けられている。スペーサ20は、スルー接触装置22か、片面接触装置23のどちらかを備えるか、あるいは接続装置を備えない。スルー接触装置22は、導体14がスペーサ20の両側に堅固に当接している場合、導体14間の電気的接合を構築するよう構成されている。片面接触装置23は、導体14がスペーサ20の両側に堅固に当接している場合、スペーサの外部からタップが可能となるように、両導体14の1つと電気的接合が構築されるよう構成されている。スペーサ20にスルー接触装置22も片面接触装置23もない限りにおいては、導体14は、スペーサ20の両側で、確実に電気的に互いに分離されている。スルー接触装置22を有するスペーサ20は、スルー接触するあるいはスルー接触に構成されたスペーサであり、片面接触装置23を有するスペーサ20は、片面接触するあるいは片面接触に構成されたスペーサであり、接続装置22あるいは23がないスペーサ20は、接触しないあるいは接触なしに構成されたスペーサであると、言える。
【0047】
長さを補償する目的で、最初と最後のセル4(i)、4(viii)の導体14+、14−には、積重方向で外部を向いている面に、末端部材21a、21bが設けられており、当該末端部材は、その長さがスペーサ20とは異なっており、それぞれの導体14と圧力プレート6、8との間の間隔を埋める。このようにして、圧力プレート6、8の間に、スペーサ20と導体14と末端部材21a、21bとの閉鎖された柱体ができる。
【0048】
接続圧力プレート6内に、圧力仲介部材26を有するそれぞれ1つの圧力要素24が、圧力仲介部材が接続圧力プレート6内の開口部54を貫通して突出するよう設けられている。開口部54はそれぞれ、スペーサ20と導体14と末端部材21a、21bとの柱体の1つの延長にあり、その結果圧力仲介部材はそれぞれ、末端部材21a、21bの1つに載置されている。圧力要素24が作動するとすぐに、当該圧力要素は、付属する圧力仲介部材26を介して、対応する末端部材21a、21bとひいてはスペーサ20と導体14と末端部材21a、21bとから成る柱体全体とに圧力をかける。このようにして、外部から軸方向の圧力が、スペーサ20と末端部材21a、21bと導体14との構造体にかけられ、スペーサ20と末端部材21a、21bとは固定され、接続装置22、23による持続的な接触が保証される。
【0049】
圧力要素24と圧力伝達部材26の正確な構造は、さらなる実施例との関連でより正確に検討される。圧力要素24と圧力伝達部材26の名称は、一方では力を生み出し、他方ではこの力を圧力として、スペーサ20と導体14と末端部材21a、21bとの柱体に伝達する機能に関係する。バッテリー2の各面の圧力要素24と圧力仲介部材26(図1)とは、1つの構成部材にまとまってよく、たとえば、接続圧力プレート6に螺入されていてそこから末端部材21aもしくは21bを押圧する簡単なシリンダヘッドネジによって実現されていてよく、その際開口部54は、単なるネジ孔である。適切な処置によって、圧力複合体が駆動中に意図せず解体しないようにすることができる。
【0050】
本実施例の複数のセル4は、互いに直列接続に接合されている。しかも、第1の4つのセル4(i)から4(iv)はセル4のグループAを形成し、第2の4つのセル4(v)から4(viii)はセル4のグループBを形成し、それぞれ1つの直列接続を形成する。この目的のために、グループAにおいては、スペーサ20は、第1のセル4(i)の正極導体14+と次のセル4(ii)の負極導体14−との間と、セル4(ii)の正極導体14+と次のセル4(iii)の負極導体14−との間と、セル4(iii)の正極導体14+と最後のセル4(iv)の負極導体14−との間に、それぞれ1つのスルー接触装置22を備える。それに対応してグループBにおいては、スペーサ20は、第1のセル4(v)の正極導体14+と次のセル4(vi)の負極導体14−との間と、セル4(vi)の正極導体14+と次のセル4(vii)の負極導体14−との間と、セル4(vii)の正極導体14+と最後のセル4(viii)の負極導体14−との間に、それぞれ1つのスルー接触装置22を備える。その他のスペーサ20はすべて、スルー接触しない。
【0051】
バッテリー2のセル4のグループ(直列接続)AとBの端子電位は、以下のようにタップされる。セル4(i)(グループAの最初のセル)の負極導体14−と次のセル4(ii)の正極導体14+との間のスペーサ20には、片面接触装置23が備わっており、当該片面接触装置23は、負極側で接触し、負極端子導線28−を介して負極接続クランプ18−と接合されている。同様に、セル4(v)(第2のグループBの最初のセル)の負極導体14−と次のセル4(vi)の正極導体14+との間のスペーサ20には、片面接触装置23が備わっており、当該片面接触装置23は、負極側で接触し、負極端子導線30−を介して負極接続クランプ18−と接合されている。セル4(iv)(第1のグループAの最後のセル)の正極導体14+と前のセル4(iii)の負極導体14−との間のスペーサ20には、片面接触装置23が備わっており、当該片面接触装置23は、正極側で接触し、正極端子導線28+を介して正極接続クランプ18+と接合されている。同様に、セル4(viii)(第2のグループBの最後のセル)の正極導体14+と前のセル4(vii)の負極導体14−との間のスペーサ20には、片面接触装置23が備わっており、当該片面接触装置23は、正極側で接触し、正極端子導線30+を介して正極接続クランプ18+と接合されている。
【0052】
記述されたやり方で、バッテリー2内のセル4の任意の電気的接続が実現され得る。たとえば、図1のセル4(iv)と4(v)のスペーサ20の片面接触装置23を取り除き、その代わりにセル4(iv)の正極導体14+とセル4(v)の負極導体14−との間に同様に、スルー接触装置22を有するスペーサ20をはめ込めば、バッテリー2内のすべてのセルの直列接続が実現される。言い換えれば、セル4の直列接続を実現するためには、連続するセル4の導体14間に、スルー接触するスペーサ20と接触しないスペーサ20とが交互に存在する。セルのグループ内で分岐がタップされるべき場所では、スルー接触22が取り除かれ、それぞれのバッテリー端子18+、18−と接合されている片面接触のスペーサ20、23が備えられる。
【0053】
図2と図3とにおいて、この実施例に従ったバッテリー2の構造がより正確に表わされている。その際図2は横断面図であり、切断面は図1の線II−IIに沿って第2のセル4(ii)と第3のセル4(iii)との間の平面で延在し、図3は縦断面図であり、切断面は図1の線III−IIIに沿って導体14とスペーサ20、21a、21bの連続体の中心平面で延在する。
【0054】
図2の描写に従えば、スペーサ20は長方形の横断面を備え、各セル4の上面は左半分と右半分とに、スペーサ20が嵌っているそれぞれ1つの窪み32を備える。当該スペーサ20はそれによって、側面方向にかつ下方に向かって固定されている。上に向かってスペーサは、蓋(詳細に表わされず)によって抑えられ、当該蓋は、接続圧力プレート6のショルダ部34とカウンタ圧力プレート8のショルダ部35とに嵌る。セル4は下の角に、切り欠き部36(角凹部)を備え、当該切り欠き部36にブロックアンカー10が延在し、セル4の整列を可能にする。
【0055】
図2の切断平面(図1の線II−II)は、第2のセル4(ii)と第3のセル4(iii)との間でスペーサ20を切断している。スペーサ20は一般的に、直方体形である。軸方向(セル4の積重方向、図2の図面平面に対して垂直)でのその広がりは、導体14間の間隔に相当する。スペーサ20は中心の軸方向の孔40を備え、当該中心の軸方向の孔は、スルー接触装置22あるいは片面接触装置23を受容するのに用いられ、他の場合には空のままであってよい。
【0056】
図3の切断平面(図1の線III−III)は、図1の右側で、しかもスペーサ20の孔40が一線に並んで、圧力複合体のスペーサ20を切断している。図1の接続配置に従えば、スペーサ20はこの側では、そのセル4(i)から最後のセル4(viii)まで順番に、片面接触装置23、スルー接触装置22、片面接触装置23、スルー接触装置なし、片面接触装置23、スルー接触装置22、片面接触装置23を備える。この実施例においては、スルー接触装置22は、導電性のあるスルー接触ボルト22によって実現されており、当該スルー接触ボルト22は軸方向孔40に受容されており、スペーサ20の軸方向の長さ全体にわたって延伸する。片面接触装置23は、それぞれ1つの導電性のある接触ボルト23aと1つの絶縁ボルト23bとによって実現されており、これらのボルトは軸方向孔40に受容されており、合わせるとスペーサ20の軸方向の長さ全体と同じ長さになる。接触ボルト23aと絶縁ボルト23bとの間には、外部への接触を可能にするそれぞれ1つの接触ピン44が挟み込まれている。接触が行われるべきでない場所では、軸方向孔40は空のままである。強度の理由から必要であれば、そこに、カウンタ圧力ベアリングとして、絶縁材料から成るボルトが備わっていてもよい。
【0057】
スペーサ20と接触要素の構造は、図4から図6においてより正確に表わされている。図4と図5は、まず接触要素のないスペーサ20を示している。
【0058】
図4は、スペーサ20の拡大された横断面図であり、視線方向は図2に、すなわちセル4の積重方向に対応し、切断平面は、積重方向で見てスペーサ20の中心平面を通って延在する。スペーサ20は、電気的に絶縁性のある材料から成る直方体形の本体38を備える。上で説明されたように、軸方向孔40はスペーサ20の中心を通って延在する。さらに横方向孔42が、スペーサ20の一方の側から別の側に、同様に中心を延在する。横方向孔42は、本体38の中心を水平に通って延在し、それゆえ軸方向孔40を切断する。横方向孔42は(一般性を制限することなしに)、直径が軸方向孔40よりも小さい。
【0059】
図5は、側面からのスペーサ20の図である。この図においては、線IV−IVを通る図4の切断具合が明示されている。導体14の位置は、点線で示唆されている。
【0060】
スルー接触する構造においては、スルー接触ボルト22(図3参照)が軸方向孔40にはめ込まれる。
【0061】
図6は、図4と図5の線VI−VIに沿ったスペーサ20の水平断面図であって、片面接触する構造で取り付け部材を有する。ここでも導体14の位置が、点線で示唆されている。図6の描写に従えば、接触ピン44が、一方の側から横方向孔42にはめ込まれており、接触ボルト23aと絶縁ボルト23bとが、向かい合う側から軸方向孔40にはめ込まれており、これらのボルトは、接触ピン44を自らの間に挟みこむ。接触ワイヤは、絶縁ボルト23bと接触ボルト23aの中に押し入る。絶縁ボルト23bと接触ボルト23aの、内側に向いた端面にノッチが備わっていてもよく、その形状は接触ピン44の横断面に対応して形成されている。この場合、回転不能に取り付けるために、ボルト23a、23bは、外側面に突起物を備えてよく、(スペーサ20の)本体38の軸方向孔40に、当該突起物を受容するノッチが備わっていてよい(詳細に表わされず)。代替的に、接触ピン44は、その端部が平らにされていてよい。挟み込むことよって、接触ピン44と接触ボルト23aとの間の確実な電気的接触が構築される。
【0062】
接触ピン44を受容するための横方向孔42は、スペーサ20の全幅にわたって延在し、その結果両側から接触することができる。接触ピン44は、側面でスペーサ20から突出しており、ソケット46などによって端子導線28もしくは30に接続される。代替的には、接触ピン44とソケット46とは、長いピンを有する1つのプラグを実現できる。
【0063】
スルー接触ボルト22と接触ボルト23aと接触ピン44とは、導電性の良好な材料から作られている。導電材料としては、銅、真鍮、青銅などが問題となるが、たとえば鋼、アルミニウム、洋銀などのような別の材料も考えられ得る。接触部間の移動抵抗を減らすために、接触面に銀メッキあるいは金メッキが施されてよい。接触をさらに強化するために、接触面が粗面化されてよい。
【0064】
スペーサ20と絶縁ボルト23bとは、電気的に絶縁性のある材料から作られている。絶縁材料としては、プラスチック、ゴム、セラミックスなどが問題となる。
【0065】
確実な圧力接触が行われるようにするために、スペーサ20はボルト22、23a、23bよりも可塑性があってよい。ボルト22、23a、23bとスペーサ20の公差は、ボルト22、23a、23bがスペーサ20の中で姿を消してしまわないように、互いに合わされているべきである。対応する接触要素を有する2つあるいは3つあるいはそれ以上の軸方向孔40も、考えられ得る。
【0066】
この実施例のヴァリエーションにおいて、ボルトをスリーブと代えてよい。これによって材料費と重量とを節約することができ、それによって、対応する接触の可能性を有する複数の軸方向孔40がある場合、特に影響を受ける。
【0067】
力の流れの理由から、かつ材料を傷めないために、特にボルト22、23a、23b(あるいはスリーブ)が導体14を破損するのを回避するために必要である限りにおいて、接触しないスペーサ20にカウンタボルト(あるいはカウンタスリーブ)が備えられていてよい。
【0068】
図7から図10までは、本願発明の第2実施例として、スルー接触する構造と片面接触する構造で取り付け部材を有するスペーサ120を示しており、当該スペーサ120は前の実施例のスペーサの実施ヴァリエーションである。図7と図9の視線方向は図4の視線方向に対応し、図7はおよそ半面だけが切断されており、図9は切断されておらず、図8と図10の視線方向は図5の視線方向に対応するが、中心平面で切断されている(付属の矢印を有する、図7の線VIII−VIIIもしくは図9の線X−X参照)。
【0069】
図7と図8は、スルー接触する構造でのこの実施例のスペーサ120を示している。スペーサ120は、電気的に絶縁性のある材料から成る直方体形の本体138を備える。本体138は上面に、正面と背面とに鞍状に延びる切れ目のない窪み148を備える。窪み148に適合するU字型の接触板122は、本体138に当接するように、上から窪み148に嵌められる。接触板122は、本体138にそれぞれ形成された盲ネジ孔150に螺入されている2つのネジ152によって上から保持される。U字型の接触板122は、スペーサ120の正面から背面への電気的接合を構築し、それによって本発明の主旨におけるスルー接触装置を形成する。
【0070】
図9と図10は、片面接触する構造でのスペーサ120を示している。この構造では、L字型の接触板123が、片側から窪み148に嵌められており、長辺部はスペーサ120の端面の1つに当接し、短辺部はスペーサ120の上面に当接する。L字型の接触板123は、その短辺部がスペーサ120の中心部を越えて突出しているが、別の端面にまでは至らず、スルー接触する構造に対応するネジ152によって固定されている。長辺部で接触板123は、そこの導体(14、図2参照)に当接する。ネジ152の1つの下に接触シュー144が置かれており、端子導線28もしくは30がそこで終わっている。長辺部に向かい合う側では、窪み148から残された縁部149で、スペーサ120がそこの導体(14、図2参照)に隣接する。それによってL字型の接触板123は、連続する導体14の絶縁と、長辺部の側での導体の端子電位の減少とを可能にする。それゆえ当該接触板123は、片面接触装置を形成する。
【0071】
接触板122、123は、導電性の良好な材料から作られている。これに関する選択肢、代替、ヴァリエーションには、第1実施例のスルー接触ボルト22と接触ボルト23aに関連して上で述べられたことが当てはまる。
【0072】
この実施例のスペーサ120は、第1実施例でのスペーサ20の代わりであり、当該スペーサのように、それぞれ望ましい構造で使用される。接触しない構造では、スペーサは両側で、窪み148から残された縁部149で導体14に隣接し、連続する導体14間の間隔とクランプ接合とを保証する。
【0073】
ケーブルシュー144は、アイボルトあるいはフォークとして形成されていてよく、端子導線28もしくは30のためのクリンプ部材あるいはネジクランプを備えてよい。ケーブルシュー144は、鉤状あるいはアイレット状に曲げられた、端子導線28もしくは30の末端部に代えられてもよい。
【0074】
図11から図15までは、本願発明の第3実施例として、スルー接触する構造と片面接触する構造で取り付け部材を有するスペーサ220を示しており、当該スペーサ220は前述の実施例のスペーサの実施ヴァリエーションである。
【0075】
図11は、スルー接触する構造でのこの実施例のスペーサ220の部分切断図であり、視線方向と切断具合とは、ほぼ図7の状況に対応する。図12は、矢印の方向で見た、図11の線XII−XIIに沿ったスペーサ220の縦断面図である。図13は、スペーサ220の上面図である(図11の矢印XIII参照)。
【0076】
スペーサ220は、電気的に絶縁性のある材料から成る直方体形の本体238を備える。本体238は、正面と背面との間に、水平かつ切れ目のないスリット240と、正面と背面とに、スリット240から上方に延伸するそれぞれ1つの窪み248とを備える(図15参照)。図11から図13の描写に従えば、接触板222はスリット240を貫通して延伸し、本体238の端面の両側で、さらに窪み248内で上方に延在する。(組立て前には接触板222は、平面のあるいは片側だけ屈曲した半製品として存在する。組み立てるために接触板222は、スリット240に押し込まれ、それから上方に屈曲させられる。)ネジで接触板222を固定する必要はない。接触板222はスペーサ220の1つの端面から別の端面への電気的接合を構築し、本発明の主旨におけるスルー接触装置を形成する。
【0077】
この実施例のスペーサ222の本体238は上面に、横方向ノッチ242と、スリット240にまで達しかつ円筒形の皿穴251を有する、中心部のネジ孔250とを備える。皿穴251は、横方向ノッチ242よりもほんのわずかだけ深く本体238の中に入り込んでいる。
【0078】
図14は、片面接触する構造でのスペーサ220の横断面図であり、図4の描写に対応する。図15は、矢印の方向で見た、図14の線XV−XVに沿ったスペーサ220の縦断面図である。
【0079】
片面接触する構造では、L字型の接触板223が片側からスリット240内に押し込まれ、窪み248に嵌め込まれ、長辺部は窪み248の中でスペーサ220の正面あるいは背面に当接し、短辺部はスリット240内に突出する。L字型の接触板223は、その短辺部がスペーサ220の中心部を越えて突出しているが、向かい合う面にまでは至らず、ネジ孔250にねじ込まれたシリンダヘッドネジ252によって固定されている。ネジ頭は皿穴251の中に埋没する。接触板223は、長辺部でそこの導体14に当接する。端子導線28もしくは30は、スペーサ220の外部から横方向ノッチ242を通って延伸し、シリンダヘッドネジ252によって一緒に固定されるケーブルシュー244で終わる。長辺部に向かい合う側では、窪み248から残された縁部249(図11参照)で、スペーサ220がそこの導体14に隣接する。それによってL字型の接触板223は、連続する導体14の絶縁と、長辺部の側での導体の端子電位の減少とを可能にする。それによって当該接触板223は、本発明の主旨における片面接触装置を形成する。
【0080】
接触板222、223は、導電性の良好な材料から作られている。これに関する選択肢、代替、ヴァリエーションには、第1実施例のスルー接触ボルト22と接触ボルト23aに関連して上で述べられたことが当てはまる。
【0081】
この実施例のスペーサ220は、第1実施例あるいは第2実施例でのスペーサ20もしくは120の代わりであり、当該スペーサのように、それぞれ望ましい構造で使用される。接触しない構造では、スペーサは両側で、窪み248から残された縁部249で隣接し、連続する導体14間の間隔とクランプ接合とを保証する。
【0082】
すべての実施例において、スペーサ20、120、220に関してスルー接触装置は、中間電位の減少が当該箇所で可能であるように、実施され得る。第2実施例と第3実施例とでは、接触シュー144、244を有する備えられたネジ152、252は、スルー接触する接触板122、222とともに使用されてもよい。第1実施例では、電位の減少したスルー接触装置を形成するために、スルー接触ボルト22の代わりに2つの接触ボルト23aが用いられてよい。このやり方で、バッテリー2、102、202などの複数の定格電圧を実現することができる。
【0083】
以下の実施例は、圧力複合体の実現におけるヴァリエーションに関する。
【0084】
図16は、本願発明の第4実施例としてのバッテリー302の、図3の細部XVIに対応する一領域の拡大図である。
【0085】
この実施例のバッテリー302は、その構造において、第1実施例のバッテリー2に対応する。当該バッテリー302は、第1実施例の接続圧力プレート6に対応する接続圧力プレート306を備える。末端部材21a、21bを含めた、導体14とスペーサ20とのクランプ複合体を作るための圧力は、接続圧力プレート306から生み出される。
【0086】
この実施例のバッテリー302の接続圧力プレート306は、末端部材21a(反対側に末端部材21bがある)の位置で開口する貫通孔354を備える。貫通孔354は外部に向かって、雌ネジ356を有して拡大している。雌ネジ356は好適には、細目ネジ特にセルフロックネジである。セルフロックネジとは、ここでは、締められた状態から緩めるために大きなトルクが必要であり、それゆえ自動的に緩むことはあり得ないように、その幾何学形状が設計されているネジと理解される。
【0087】
この実施例においては、圧力要素と圧力仲介部材とは、ヘッドネジ324によって共通して形成される。ヘッドネジ324は、頭のネジ山324bと六角穴324cとを有するネジ頭324aを備える。頭のネジ山とはここでは、ネジの頭に入れられている雄ネジと理解され、ヘッドネジとは、頭のネジ山を有するネジと理解される。頭のネジ山324bは、接続圧力プレート306の雌ネジ356に対応する。ネジ頭324aには、端面側の面取り部326aを有する円筒状のプランジャ326が接続しており、当該プランジャ326の外径は、貫通孔354の直径に対応する。プランジャ326と貫通孔354とは、嵌め合わさるよう設計されていてよいが、しかしこの嵌め合わせは、ネジ止めが動かなくならないよう充分な遊びを備えていなくてはならない。
【0088】
組立て時には、面取り部326aを有するプランジャ326が貫通孔354にはめ込まれ、それから頭のネジ山324bが雌ネジ356にねじ込まれて締められるが、締め付けトルクは、プランジャ326の端面での必要な圧力に関して設定されている。
【0089】
それによって、頭のネジ山324bと六角穴324cとを有するヘッドネジ324のネジ頭324aは、圧力要素を形成し、ヘッドネジ324のプランジャ326は、圧力仲介部材を形成する。
【0090】
ヘッドネジ324の代わりに、1つの単純なシリンダヘッドネジあるいは複数のシリンダヘッドネジなどが用いられてよい。しかしながらヘッドネジを用いれば、より小さいネジピッチが実現可能なため、セルフロックの特性を有するネジの形成が容易になる。セルフロックネジを形成する代わりにあるいはそれに加えて、組立て後にカウンタキャップ(詳細に表わされず)が取り付けられてよい。カウンタキャップとはここでは、長さがその直径よりも短いヘッドレスのネジと理解される。カウンタキャップは、プーラーなどを受容するための偏心の2つの孔を備えてよい。
【0091】
図17は、本願発明の第5実施例としてのバッテリー402のための、図16と同じ部分図を示している。
【0092】
この実施例のバッテリー402は、その構造において、第1実施例のバッテリー2に対応する。当該バッテリー402は、第1実施例の接続圧力プレート6に対応する接続圧力プレート406を備える。末端部材21a、21bを含めた、導体14とスペーサ20とのクランプ複合体を作るための圧力は、接続圧力プレート406から生み出される。
【0093】
この実施例のバッテリー402の接続圧力プレート406は、末端部材21a(反対側に末端部材21bがある)の位置で開口する貫通孔454を備える。貫通孔454は、外部に向かっては円筒形の皿穴455と、さらに拡大したその開始領域においては雌ネジ456(ネジ山開始)を備える。雌ネジ456は好適には、細目ネジ特にセルフロックネジである。
【0094】
この実施例においては、圧力要素と圧力仲介部材とは、端面側で広がっているプランジャ426aを有する押し棒426を駆動する圧力セル424によって形成される。
【0095】
取り付け時には、圧力セル424は皿穴455にはめ込まれ、プランジャ426は貫通孔454内に突出する。それから皿穴455は、キャップ458によって閉鎖される。キャップ458は、接続圧力プレート406の雌ネジ456に対応する雄ネジ458aを備える。キャップ458はさらに、当該キャップを締め付けあるいは緩めるためのプーラーを受容することに使われる、偏心の2つの盲穴458bと中心の開口部458cとを備える。中心の開口部458cを通って、圧力セル424のための接続導線460が延在する。
【0096】
圧力セル424は、多様なやり方で形成されていてよい。基本的なのは、所定の好適には制御可能な圧力あるいは押し棒426の所与の経路でプランジャが操作可能であることである。駆動は、電動式、電磁式、圧電式、油圧式あるいは空気圧式であってよい。移動要素として、形状記憶部材が用いられてもよい。圧力セルが起動されると、押し棒426は軸方向に外に出され、プランジャ426aが末端部材21aを押圧する。導体14とスペーサ20と末端部材21a、21bとから成る圧力複合体に応力がかけられ、接触部は確実に押圧される。特に有利には、押し棒が外に出た状態でロックされるよう、圧力セル424が設計されている。
【0097】
(スラストベアリングとしてのキャップ458を有する)圧力セル424は圧力要素を形成し、プランジャ426aを有する押し棒426は圧力仲介部材を形成する。キャップ458を用いる代わりに、この実施例のヴァリエーションでは、圧力セル424自身が螺入可能であってよく、そうであれば雌ネジ456はより長くなり、皿穴455は場合によってはなくなってもよいであろう。
【0098】
図18から図21までは、本願発明の第6実施例としての、さらなる圧力導入コンセプトを有するバッテリー502の細部と全体図とを示している。
【0099】
図18は、この実施例のバッテリー502のための、図16あるいは図17と同じ部分図を示している。図19は、図18の線XIX−XIXに沿って切断された、同じ領域の水平断面図を示している。図20は、2つのセル4の間の、バッテリー502の横断面図である。見た目は、図2に対応する。図21は縦断面図である。見た目は、ほぼ図3に対応する。
【0100】
この実施例のバッテリー502は、その基本的な構造において、第1実施例のバッテリー2に対応する。圧力プレート506、508は、第1実施例の圧力プレート6、8に対応する。スペーサ520と末端部材521a、521bは、第1実施例のスペーサ20と末端部材21a、21bとに対応する。第1実施例のスペーサ20にあるような軸方向孔40の代わりに、この実施例のスペーサ520は、直方体形あるいはバー型のインサート522、523a、523b(第1実施例のスルー接触ボルト22、接触ボルト23a、絶縁ボルト23bに対応)がはめ込まれている長方形のシャフトを備える。導体とスペーサとのクランプ複合体を作るための圧力は、接続圧力プレート506から導入される。
【0101】
接続圧力プレート506内には、圧力要素と圧力仲介部材とを受容するために使われるポケット506aが形成されている。スペーサ520、521a、521bは、この実施例においては、導体14よりも高くに延伸し、接触要素522、523a、523bを受容するために使われるシャフト540に加えて、導体14の平面の上方にさらなる軸方向孔を備える。
【0102】
スペーサ520、521a、521b内の付加的な軸方向孔を貫通して、それぞれ2つの引張アンカー524が、バッテリー502のセル4の導体14の上方で延在している。引張アンカー524は、対応して寸法付けられた、カウンタ圧力プレート508の凹部508a内のそのヘッドで支えられ、接続圧力プレート506のポケット506aの中にまで延伸し、そこでナット525で終わる。引張アンカー524とナット525とは、この実施例においてスペーサ520と末端部材521a、521bとに応力をかけるための圧力要素を形成する。言及されるべきは、ブロックアンカー10に加えて引張アンカー524が備わっていることである。ブロックアンカー10と機能を異ならせるために、引張アンカー524は、以下において「接触アンカー」524とも呼ばれる。
【0103】
圧力伝達部材は、ブリッジ526と圧力ボルト527とによって形成されている。圧力ボルト527は、導体14のシャフト540の位置で、接続圧力プレート506の貫通孔内にあり、末端部材521a(もしくは別の側の521b)を突く。ブリッジ526は、バッテリー内部に対向しかつバッテリー502の横方向に延在する溝526aを有するバー型の部材である。溝526aによって2つの支持ラインが形成され、そのうち1つは接触アンカー524の上方のポケット506aの壁にあり、もう1つは圧力ボルト527の位置にある。接触アンカー524は、上の支持ラインの下方でブリッジ526を貫通して延在し、ブリッジ526の2つの支持ラインの間を力の方向が延在するように、ナット525が外部からブリッジ526を押圧する。それによってブリッジ526は、接触アンカー524の引張力を圧力ボルト527に伝達し、ひいては、導体14とスペーサ520、521a、521bとから成る複合体に確実に応力をかける梃子を形成する。
【0104】
図20の描写に従えば、セル4は、スペーサ520を受容するための上面に、窪み(図2の32参照)を備えていない。スペーサ520、521a、521bは、接触アンカー524によってその位置で保持され、その結果いわゆる窪みが不要である。
【0105】
同様にセルは、下面に切り欠き部を備えていない。むしろセル4は、下のブロックアンカー10の上に立っている。ブロックアンカー10は長いシリンダヘッドネジで、そのヘッドは、対応して寸法付けられた、接続圧力プレート506の皿穴506bにあり、カウンタ圧力プレート508のネジ穴508bに螺合されている(位置は逆であってもよい)。引張アンカー524は、たとえば四角ヘッドあるいは外側複歯ヘッドによってカウンタプレートに回転不能に軸受されており、接続圧力プレート506の側ではブリッジ526と螺合されている。螺合部はすべて、導体14を含むセル4の輪郭の上部あるいは下部にある。端子導線28、30も、導体平面の上部でガイドされている。すべての引張アンカー(ブロックアンカー10と接触アンカー524)を緩めれば、個々のセル4をセルブロックの側面から引き抜いて交換することができる(図20の両矢印「X」)。スペーサは接触アンカーによって保持されるので、外れることはない。
【0106】
接触アンカー524はブロックアンカー10から独立しているが、その効果を促進する。言い換えれば、接触アンカー524を締めることによって、セルブロックに応力をかけるために役立つ付加的な圧力が圧力プレート506、508にかけられる。しかし接触アンカー524は後から取り付けられるので、ブロックアンカー10の引張力は、セルブロックを維持するのに充分なものでなくてはならない。片側に常に負荷がかかるのを回避するために、接触アンカー524の取り付け後あるいはその直前に、下にあるブロックアンカー10の締め付けトルクを上げてよい。特定の前提の下では、上のブロックアンカー10をなくしてもよい。
【0107】
詳細には表わされていないが、組立ては、圧力プレート506、508の1つから行われなくてはならないことが、適切な処置によって証明され得る。たとえば、引張アンカー510が同様に、カウンタ圧力プレート508の雌ネジに螺合されていてよく、そのヘッドは直接ブリッジ526の上にあり、当該箇所で適切な工具によって締められる。
【0108】
この実施例のヴァリエーションにおいては、接触アンカーは、ほぼ引張力のない、スペーサ520、521a、521bのためのガイド棒に縮小してよいが、一方で接触は、図1から図17の原則に従って、それとは別に行われる。この場合、ブリッジ526がなくてよい。
【0109】
前述の実施例では、接触アンカーは、圧力プレート506、508の貫通孔を貫通して延在し、半径方向に支えられている。さらなるヴァリエーションにおいては、圧力プレート506、508は、上記の貫通孔の代わりに、上から延在するスリットを備えており、当該スリットを通って接触アンカー524が、上に向かって取り除かれ得、しかもその上に設けられたスペーサ520と末端部材521a、521bを一緒に取り除くことができる。
【0110】
さらなるヴァリエーションにおいては、スペーサ520と末端部材521a、521bは、当該スペーサ520と末端部材521a、521bが導体14の平面の上方で接触するように、接触アンカー524の延在部領域で隆起部を備える。このやり方で、軸方向に堅固な、スペーサ520と末端部材521a、521bとの複合体が提供され、個々のセル4を取り外す際に、スペーサ520あるいは末端部材521a、521bが望ましくなく軸方向に緩んで移動することが回避され得る。接触アンカー524の平面上方でブリッジ526の支持圧力に対する効果的なスラストベアリングも形成され、ポケット506aの内壁が望ましくなく変形することが回避され得る。
【0111】
この実施例のさらなるヴァリエーションにおいては、ブロックアンカーがセルの外部の側面にあってよい。この場合セルを、セルブロックから下に向かって引き抜いて交換することができる。
【0112】
図22と図23とにおいては、本発明のさらなる実施例としてのスペーサ620が示されている。その際図22は、スペーサ620の水平断面図であり、図23は、図22の矢印XXIIIの視線方向での側面図である。
【0113】
この実施例におけるスペーサ620は、2つの導電層638bにサンドイッチ状に囲まれている絶縁層638aを備える。この層構造は、スペーサ620の本体と呼ばれ得る。導電層638bは、絶縁層638aに比べて薄い。導電層638bは、バッテリー2の積重方向で見て、スペーサ620の正面と背面とを形成し、当該正面と背面とは、バッテリーセルの電流導体と接触している(図においては、電流導体14は点線で示唆されている)。
【0114】
スペーサ620の側面の各々に、2つの盲穴658が、部分的に絶縁層638aと部分的に導電層638bの1つとにあるように形成されている。盲穴658は、1つの水平面で積重方向に前後している。そうしてスペーサ620の各側面で、1つの盲穴658が導電層638bの1つを切断し、もう1つの盲穴658がもう1つの導電層638bを切断する。
【0115】
導電層638bは、互いに導電性のある接合を備えていない。それゆえスペーサ620は、先に記述されたように、接触しないスペーサ620として用いられ得る。
【0116】
スペーサ620の側面の盲穴658にはめ込まれる導電ブリッジ622によって、導電層638b間の導電性のある接合が構築される。導電ブリッジ622によって、スペーサ620は、スルー接触するスペーサ620として用いられ得る。特に、導電層638bと導電ブリッジ622とは、本発明の主旨におけるスルー接触装置を形成する。
【0117】
ピン644とプラグハウジング646とを有するプラグは、スペーサ620の側面にある盲穴658に合うように設計されている。プラグハウジング646には固定ネジ647が備わっており、当該固定ネジ647によって、バッテリー2の端子導線28/30が固定されてクランプ可能である。(導電ブリッジ622のない)盲穴658の1つにプラグ644、646をはめ込むことによって、スペーサ620は片側接触するよう構成されている。なぜなら、ピン644を介して導電性のある接合が、導電層638bの1つからスペーサ620の外部に向かって行われるからである。特に、導電層638bの1つとプラグ644、646とは、本発明の主旨における片面接触装置を形成する。
【0118】
この実施例のスペーサ620は、導電ブリッジ622もプラグ644、646も使用でき、それゆえスペーサ620のスルー接触する構造でも、この箇所で占める電位をタップできるように設計されている。
【0119】
複数の導電ブリッジ622を用いることでより大きな導電横断面を実現するために、この実施例のスペーサ620の少なくとも1つの側面に複数組の盲穴658が設けられていてもよい。
【0120】
盲穴658の直径は、スペーサ620の両側面で同じあるいは異なっていてよい。
【0121】
絶縁層638aは、本発明の主旨において中心部分であり、導電層638bは、本発明の主旨において外側部分である。盲穴658と凹部662は、本発明の主旨において窪みである。
【0122】
図24は図23の見た目に対応し、この実施例のスペーサ620のヴァリエーションを示している。その際ソケット660が、盲穴(658、図22と図23参照)の箇所に固定されて設けられている。ソケット660の内径は、プラグピンの外径に適合されている。ソケット660を用いれば、導電層638bとプラグピン644との間の導電接合の改善に役立つ。
【0123】
図25は図23の見た目に対応し、この実施例のスペーサ620のさらなるヴァリエーションを示している。その際スペーサ620の側面には、盲穴(658、図22と図23参照)の代わりに、長方形の横断面の窪み662がそれぞれ、絶縁層638aの、導電層638bに対向する面に形成されている。窪み662は、ポケットあるいは切れ目のないノッチとして形成されていてよい。この実施例においては、窪み662にはめ込む際にそれぞれの導電層638bと接触する長方形の導電横断面のプラグあるいはブリッジ(詳細に表わされず)が用いられる。
【0124】
実施例のさらなるヴァリエーションにおいては、導電層638b間の接触を構築するための孔および/あるいは窪みは、片側だけに設けられていてよい。
【0125】
実施例のさらなるヴァリエーションにおいては、導電層638b間の接触を構築するための孔および/あるいは窪みは、スペーサ620の上面にもあるいはそこだけに設けられていてよい。
【0126】
図26から図28までには、本発明のさらなる実施例としての、電流導体とスペーサの連続体に圧力を導入するためのさらなる可能性が示されている。その際図26は、末端部材721bの上面図を示しており、図27は図26の線XXVII−XXVIIに沿った末端部材721bの縦断面図を示しており、図28は起動状態の図27に対応する末端部材721bの図を示している。
【0127】
末端部材721bは、バッテリーの電流導体14と接続圧力プレート6あるいはカウンタ圧力プレート8との間に設けられている。末端部材721bは、図26の描写に従えば、その上面に2つのネジ孔768を備える。
【0128】
図27は、ネジ孔768の1つを通る末端部材721bの縦断面図を示している(縦断面図として、本願の枠内においては、バッテリーの積重方向に対して平行に延在する垂直平面での断面と理解される)。末端部材721bは、直方体形の本体764によって形成される。その下面から、ノッチ766が、1つの側面から別の側面に横方向に延在する。ノッチ766は、下面の幅狭のスリットから本体764の内側に向かって、ネジ孔768の定格直径に相当する幅にまで広がる横断面形状を備える。ノッチ766は、末端部材721bの上半分で終わる。ノッチ766によって、本体764に、当該本体764の上部分から下に向かって突き出る2つの辺部764aが定義される。
【0129】
図28は、シリンダヘッドネジ770がネジ孔768に螺入されることによって、いかにして末端部材721bの辺部764aが押しのけられ、それによって互いに押し広げられるかを明示している。バッテリー(2、図1から図3などを参照)に取り付けられた状態で、辺部764aは、軸方向に、電流導体とスペーサとの構造体を圧迫し、そうして確実なクランプ複合体を作る。圧力は、シリンダヘッドネジ770の螺入深さによって良好に調節され得る。
【0130】
2つより多くのネジ孔768があってよく、場合によってはネジ孔768が1つでも充分である。
【0131】
辺部764aは、圧力導入を最適化するために、外側で(すなわち末端部材721aの正面と背面で)やや凸型に丸くなっていてよい。
【0132】
本願発明の機能原理と構造原理は、わずかな調整で、側面で向かい合う導体を有するセルにも適用可能である。
【0133】
本願発明のさらなる形態においては、すべての引張アンカー(接触アンカーとブロックアンカー)および/あるいはその他の応力要素とクランプ要素は電動式、圧電式、油圧式、空気圧式に、あるいは形状記憶要素などを介しての遠隔制御で緩められ、締められてよい。考えられ得るのは、梃子、ラック、継手、トグルあるいはウォームギアを介して、引張アンカーあるいはその他の応力要素とクランプ要素を一緒に操作することである。
【0134】
選択的に、機能障害(過熱、過電圧、電圧低下など)の際にセルブロックを自動的に切ること、および事故の場合には手動あるいは自動でセルを交換することが意図されていてよい。
【0135】
前述のいくつかの実施例においては、スペーサはその面のほぼ中心にたった1つの軸方向孔40を備える。孔40(とひいては接触の位置)をさらに外側にあるいは内側に移動させることも可能であり、あるいは複数の孔(とひいては複数の接触箇所)あるいは、第4実施例のように、長方形の横断面図のシャフト540と接触要素を備えることも可能である。
【0136】
セル4の導体14の形態は、導体が互いにほぼ面平行にセルから突き出ており、導体の主要面が積重方向に対してほぼ垂直に配列されており、1つのセルの導体は積重方向で見て少なくとも部分的に(ここではまったく)互いに覆い隠すことなく、1つのセルの各導体は、積重方向に続くセルのそれぞれ1つの導体を、積重方向で見て少なくとも部分的に(ここでは完全に)覆い隠すという限りでは、本発明に役立つ。前述の基本的な実施形態のヴァリエーションにおいては、セル4の導体14は、1つの平面で互いに並列して設けられていてもよい。さらなるヴァリエーションにおいては、導体14は、厚さ方向にずらされて設けられている限りでは、部分的に互いに覆い隠されてもよい。1つのセル4の導体14+、14−が、端面から見て覆い隠されている場合、導体14に孔あるいは切抜口が備わっていてよく、当該孔あるいは切抜口は、組み立てられたセルブロックで互いに一直線に並び、かつそれらを通って正極端子導線28、30がガイドされてよい。端子導線28は、ショートを回避するために、それとは関係なく絶縁されていてよい。
【0137】
さらなるヴァリエーションにおいては、端子を間違えて構成しにくくするために、導体14の厳密に対称的な構造が、少なくとも1つの点において破られていてよい。たとえば、電流導体14+、14−の1つが、もう1つの電流導体よりも幅が広くてよい。根本的なことは、セルの導体が積重方向で見て少なくとも部分的に互いに遮蔽せず、その結果スペーサ20は連続するセル4の導体14の間に設置可能であるということである。
【0138】
スペーサ20と接触装置22、23の構成は、さらなるヴァリエーションを可能にする。根本的なことは、スペーサ20は導体14の間に設けられており、接触装置22、23を備え、外部からの圧力によって導体14の間で挟み込まれ、同時に、接触が行われる場所で当該接触が保証されるということである。スペーサは、たとえば完全に、絶縁材料あるいは導電材料から作られていてよい。片面接触(端子電位のタップ)は、たとえば絶縁性のあるスペーサと中間クランプされた導電突起部とによって行われる。
【0139】
前述の実施例においては、1つのバッテリー2は、直列接続されている8つの貯蔵セル4によって形成された。バッテリー内のセル4の数とその相互接続が、バッテリーの電圧とバッテリーの容量とに関する基準値に基づいて、合理的な各構成を採用できることは当然である。
【0140】
前述の実施例においては、それぞれ交互の極性方向を有する貯蔵セル4が、バッテリーブロックに取り付けられている。さらなるヴァリエーションにおいては、セルの極性方向が各セルの後に変化せず、それぞれ同じ極性方向を有する連続するセル4のペアあるいはより大きなグループが取り付けられていることが意図されていてよい。そうすればペアあるいはグループは、それぞれ並列接続を形成することができ、連続するペアあるいはグループは、直列に接続され得る。このために、1つのペアあるいは1つのグループ内部で、同じ面で前後に並んでいる同一の極性の導体が、接触要素(接触スリーブ、接触シューあるいは接触ブリッジ)によって電気的に接合され得る。1つのペアあるいは1つのグループから次のペアあるいは次のグループへの移行部には、片側に接触要素と、別の片側に絶縁要素とがはめ込まれる。特に大きな容量のセルブロックが望ましく、かつ個々のセルのセル電圧が充分であるならば、ブロック内のすべてのセルが同じ極性を有して設けられていてもよく、各側の導体は、それぞれ接触要素によって互いに接合されていてよい。
【0141】
上記では、本発明が、その好ましい実施例といくつかのヴァリエーションとに基づいて記述された。具体的な実施例によって、特許請求される発明が図解され、かつ例を用いて説明されたが、しかしそれに限定されないことは当然である。本発明自体は請求項の一般的な理解によってのみ定義され、限定されている。様々な実施例および/あるいはヴァリエーションの特徴は、それぞれの利点を活用するために、組み合わせられおよび/あるいは交換され得ることも当然である。
【0142】
貯蔵セル4は、本発明の主旨においては電気エネルギーセルである。バッテリー2、102、202、302は、本発明の主旨においては電気エネルギーユニットである。セル4の積重物は、本発明の主旨においてはセルブロックである。接続クランプ18+、18−は、本発明の主旨においては接続端子である。プラスとマイナスは、本発明の主旨においては極性である。
【0143】
上記の符号の説明は、記述の不可欠な構成部分であることを、はっきりと指摘しておく。
【符号の説明】
【0144】
2 バッテリー
4 貯蔵セル
6 接続圧力プレート
8 カウンタ圧力プレート
10 引張アンカー
12 ナット
14+、14− 正極導体、負極導体
16 クランプポケット
18+、18− 正極接続クランプ、負極接続クランプ
20 スペーサ
21a、21b 末端部材
22 スルー接触装置(ボルト)
23 片面接触装置
23a 接触ボルト
23b 絶縁ボルト
24 圧力要素
26 圧力伝達部材
28+、28− 正極端子導線、負極端子導線(第1グループA)
30+、30− 正極端子導線、負極端子導線(第2グループB)
32 窪み
34、35 ショルダ部
36 切り欠き部
38 本体
40 軸方向孔
42 横方向孔
44 接合ピン
46 ソケット
54 ガイド開口部
120 スペーサ(第2実施例)
122 接触板(両面)
123 接触板(片面)
138 本体
144 ケーブルシュー
148 窪み
149 縁部
150 盲ネジ孔
152 ネジ
220 スペーサ(第3実施例)
222 接触板(両面)
223 接触板(片面)
238 本体
240 スリット
242 横方向ノッチ
244 ケーブルシュー
248 窪み
249 縁部
250 ネジ孔
251 円筒形皿穴
252 ネジ
302 バッテリー(第4実施例)
306 端面プレート
324 圧力ネジ
324a ネジ頭
324b 雄ネジ
324c 六角穴
326 (合わせ)ピン
326a 面取り部
354 (合わせ)孔
356 ネジ皿穴
402 バッテリー(第5実施例)
406 端面プレート
424 圧力要素
426 圧力棒
426a 末端ディスク
454 貫通孔
455 皿穴
456 ネジ山開始
458 キャップ
458a 雄ネジ
458b 盲穴
458c 貫通孔
460 導線
502 バッテリー(第6実施例)
504 バッテリーセル
506 接続圧力プレート
506a ポケット
506b 皿穴
508 カウンタ圧力プレート
508a 凹部
508b ネジ孔
520 スペーサ
521a、521b 末端部材
522 バー
523a 接触バー
523b 絶縁バー
524 接触アンカー
525 ナット
526 ブリッジ
527 圧力ボルト
540 シャフト
620 スペーサ(第7実施例)
622 導電ブリッジ
638a 絶縁層
638b 導電層
644 プラグピン
646 プラグハウジング
647 固定ネジ
658 盲穴
660 ソケット(ヴァリエーション)
662 凹部(ヴァリエーション)
721b 末端部材(第8実施例)
764 本体
764a 辺部
766 ノッチ
768 ネジ孔
770 シリンダヘッドネジ
i、ii…viii セル4の数表示
A、B セル4のグループ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積重方向に積重されて1つのセルブロックとなり、該セルブロックの内部で並列および/あるいは直列に互いに接続されている複数の電気エネルギーセルを有する電気エネルギーユニットであって、前記電気エネルギーセルは、互いにほぼ面平行に該セルから突き出ている、平型に形成された導体を備え、該導体の主要面は積重方向に対してほぼ垂直に配列されており、1つのセルの導体は積重方向で見て少なくとも部分的に互いに覆い隠すことなく、1つのセルの各導体は、積重方向に続くセルのそれぞれ1つの導体を、積重方向で見て少なくとも部分的に覆い隠す電気エネルギーユニットにおいて、
向かい合う導体間の電気的接続が、連続するセルの導体間のスペースに設けられているスルー接触するあるいはスルー接触しないスペーサによって構築され、該スペーサは、応力装置による圧力で前記導体間に挟み込まれ、前記応力装置は完全に前記導体の外部に設けられていることを特徴とする電気エネルギーユニット。
【請求項2】
前記応力装置が、力を発生させるための力発生要素を備えており、該力発生要素は、積重方向に、直接導体とスペーサの構造体に対して作用することを特徴とする請求項1に記載の電気エネルギーユニット。
【請求項3】
前記応力装置が、力を発生させるための力発生要素と力伝達要素とを備えており、該力伝達要素は、前記力発生要素によって及ぼされた力を、導体とスペーサの構造体に伝達することを特徴とする請求項1に記載の電気エネルギーユニット。
【請求項4】
前記応力装置が、前記導体の傍を通り過ぎて積重物の長さにわたって延在する引張ロッドとクランプ要素とを備えており、該クランプ要素は、前記引張ロッドによって及ぼされた力を、前記導体を切断する平面に伝達することを特徴とする請求項1に記載の電気エネルギーユニット。
【請求項5】
前記引張ロッドが前記スペーサ内の孔を貫通して延在することを特徴とする請求項4に記載の電気エネルギーユニット。
【請求項6】
前記応力装置が少なくとも1つのアクチュエータを備えており、該アクチュエータの作動力は直接、あるいは梃子や継手などを介して、積重方向に外部から導体とスペーサの構造体に作用することを特徴とする請求項1に記載の電気エネルギーユニット。
【請求項7】
前記アクチュエータが、機械式特に手動で、あるいは電動式、電磁式、油圧式、空気圧式、圧電式に制御可能であることを特徴とする請求項6に記載の電気エネルギーユニット。
【請求項8】
導体と接するスペーサが、該導体との電気的接合を構築するタップ装置を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の電気エネルギーユニット。
【請求項9】
前記タップ装置が、片面接触するスペーサに備わっており、該スペーサはスルー接触しないスペーサであることを特徴とする請求項8に記載の電気エネルギーユニット。
【請求項10】
前記電気エネルギーユニットの第1接続端子と第2接続端子とが備わっており、前記第1接続端子は、セルブロックの最初のセルの第1極性の導体と接合されており、前記第2接続端子は、セルブロックの最後のセルの第2極性の導体と接合されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の電気エネルギーユニット。
【請求項11】
前記セルが積重方向に、極性方向が交互になって設けられていることを特徴とする請求項8に記載の電気エネルギーユニット。
【請求項12】
複数の前記セルから成るセルブロックが2つの圧力プレートの間に挟み込まれており、該圧力プレートは、好適には引張アンカーによって、応力がかけられていることを特徴とする請求項8から10のいずれか一項に記載の電気エネルギーユニット。
【請求項13】
前記電気エネルギーセルがガルバニセル好適には二次セルであり、特に前記セルの電磁的にアクティブな材料は、リチウムあるいはリチウム化合物を備えていることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の電気エネルギーユニット。
【請求項14】
セル積重物内の連続する2つの電気エネルギーセルの導体間で用いるためのスペーサであって、該スペーサは、導電性のない材料から作られており、かつ前記導体間のスペースの間隔で、平行する2つの端面と、前記端面の少なくとも1つに電気的に接触するための接触要素を受容するための少なくとも1つの第1受容装置と、前記端面とは別の前記スペーサの面から出ている前記接触要素との電気的接合を構築するための接続要素を受容するための第2受容装置とを備えるスペーサ。
【請求項15】
セル積重物内の連続する2つの電気エネルギーセルの導体間で用いるためのスペーサであって、該スペーサは、導電性のない材料から成る中心部分と、該中心部分をサンドウィッチ状かつ平行に囲む、導電性のある材料から成る2つの外側部分とを備え、該外側部分は前記スペーサの端面を定義し、該端面間の間隔は、セル積重物内で連続する2つの電気エネルギーセルの導体間のスペースの間隔に相当し、前記両端面とは別の外面に少なくとも2つの窪みが備わっており、該窪みの1つは、前記外側部分の1つとの接合を備えるが、別の前記外側部分との接合はなく、別の前記窪みは、前記別の外側部分との接合を備えるが、前記1つの外側部分との接合はなく、前記窪みは前記端面とは別のところに形成されているスペーサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公表番号】特表2013−517605(P2013−517605A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549263(P2012−549263)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【国際出願番号】PCT/EP2010/007844
【国際公開番号】WO2011/088881
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(511173550)リ−テック・バッテリー・ゲーエムベーハー (85)
【Fターム(参考)】