説明

電気エネルギー蓄積装置

時間的に変化する電磁場で使用するために構成された電気エネルギー蓄積装置であって、その蓄積装置は、その蓄積装置内で循環するようにその電磁場により誘導される渦電流の能力を妨げるように構成される、少なくとも電極の一部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気エネルギー蓄積装置に関し、かかる蓄積装置を有する機器(例えば、電気装置又は電子装置)に関する。特に、本発明は、例えば誘導充電システムにおいて時間的に変化する電磁場で使用するための電気エネルギー蓄積装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気エネルギー蓄積装置は、一般に後で使用するための電気エネルギー(場合によっては化学的形態であるが)を蓄積するために用いられる装置であり、再充電可能とすることができる。かかる蓄積装置は、比較的短時間(例えば数ミリ秒)に又は比較的長時間(例えば数時間)に電気エネルギーを蓄積することができる。多数の異なるタイプの電気エネルギー蓄積装置、例えばバッテリ(例えば再充電可能なリチウムベースのバッテリ)、スーパーキャパシタ(例えば電気化学二重層キャパシタ)及びハイブリッドのバッテリ−キャパシタ装置が公知である。例えばバッテリは、必要なときに電流を駆動するための電位エネルギーに変換することができる化学エネルギーの形で電気エネルギーを蓄積することができる。
【0003】
誘導電力伝送システムで電気エネルギー蓄積装置(例えばバッテリ)を充電することが公知である。例えばかかる誘導充電システムにおいて時間的に変化する電磁場での電気エネルギー蓄積装置の使用は、熱に対する考慮の点で問題があるとされる。例えばあるリチウムベースの二次電池技術には、安全上の理由で充電中は45℃の最高温度制限がある。充電中に生じるいかなる損失も温度上昇の一因となる。充電中に使用される磁場が電気エネルギー蓄積装置自体に及ぶと、その後、任意の導電性のコンポーネントに係る渦電流の熱に起因して損失が発生することが見いだされている。これらの損失は、電気エネルギー蓄積装置内部に直接発生される熱として現れる損失として熱の考慮に影響を与える。
【発明の概要】
【0004】
本実施形態の第1の側面に係る実施形態に従って、時間的に変化する電磁場で使用するために構成された電気エネルギー蓄積装置が提供される。その蓄積装置は、その蓄積装置内で循環するようにその電磁場により誘導される渦電流の能力を妨げるように構成される、少なくとも電極の一部を含む。
【0005】
かかる渦電流の循環により熱が発生するので、循環する渦電流の能力を妨げることは有利である。一実施形態では、その電極の一部は、かかる渦電流が循環するのを実質的に低減するように、又はかかる渦電流がまったく循環できないように構成することができる。
【0006】
その電極の一部は、その蓄積装置内で循環するようにその電磁場により誘導される渦電流の能力を妨げるように形作られてもよい。すなわち、その電極の一部の物理的構造は、渦電流の循環を妨げるのに有効な構造にすることができる。例えば、その電極の一部の構造は、その蓄積装置内で循環するようにその電磁場により誘導される渦電流の能力を妨げるパターンを有してもよい。例えば、そのパターンはその電極の検査で見ることができる。その電極の一部は、渦電流が流れることができる閉ループが実質的にない、又は比較的少ないように構成することができる。
【0007】
その電極の一部は金属製とすることができる。例えば、その電極の一部は金属で作ることができる。適切な材料の例は、カーボン(例えばアノード用)、例えばLiCoO2、LiMnO2、LiFePO4、LicFePO4F等の金属酸化物(例えばカソード用)、リチウムもしくはリチウムカーボン(例えばアノード用)、銅、アルミニウム、銀、銀の入ったインク又はカーボンを含む。
【0008】
一実施形態では、その電極の一部は、一端でのみその電極の残り部分と電気的に接続される一つ以上の指状に形成することができる。すなわち、時間的に変化する電磁場で使用するために構成された電気エネルギー蓄積装置を提供することができる。その蓄積装置は、一端でのみ電極の残り部分と電気的に接続される一つ以上の指状に形成される、少なくとも電極の一部を含む。かかる指状部(finger)は、概略、細長い部材又は先端もしくは突起部とすることができる。例えば各指状部は、各指状部から突き出ている一つ以上のサブ指状部を有してもよい。
【0009】
各指状部は、概略、滑らかな形状とすることができ、又は実質的に凹凸のある形状とすることができる。一端でのみ接続されることにより、かかる指状部は閉ループ部分を形成できない(他方、その両端が共に接続される場合は閉ループ部分を形成できる)。各指状部は、その電極の幅及び/又はその電極の一部の幅と比較して、概略、狭くすることができる。
【0010】
各指状部は、その長さ方向に沿って一定な、又は変化する横断面を有することができる。例えば、各指状部は、略正方形又は略矩形の横断面を有することができる。一実施形態では、各指状部は、円形又は三角形の横断面を有してもよい。
【0011】
各指状部は、その蓄積装置で循環するようにその電磁場により誘導される渦電流の能力を妨げる大きさとすることができる。すなわち、各指状部は、渦電流が指状部自体に循環するのを妨げるのに十分なほどに、その大きさのそれぞれ(長さ、幅、厚さ)を小さくすることができる。
【0012】
その電極の一部は、一端でのみ共に電気的に接続される複数の指状に形成されてもよい。すなわち、時間的に変化する電磁場で使用するために構成された電気エネルギー蓄積装置を提供することができる。その蓄積装置は、一端でのみ共に電気的に接続される複数の指状に形成される、少なくとも電極の一部を含む。かかる構造は手又は櫛と類似する。その指状部及びその指状部の間の電気的な接続部は、その電極の一部の略全てを構成することができる。その指状部がその電極の一部の過半部分を構成し、その電気的な接続部自体がその電極の一部の小さい方の部分を構成してもよい。そのようにして、その電極の一部は、渦電流が流れる閉ループを実質的に全く有さないようにすることができる。
【0013】
その指状部は略直線としてもよく、各指状部はその長さ方向に沿って略均一の幅を有してもよい。実際に、その電極の指状部は、相互に略同一の幅及び長さを有してもよい。かかる均一構造は、その電極を比較的容易かつ安価に製品の状態にすることができる。例えばその電極の一部は、シートのように概略、薄板状とし、平らにしてもよい。上記の長さと幅に係る大きさはそのシートの面で測ることができ(その面は湾曲していてもよい)、厚さに係る大きさはその面に垂直方向に測ることができる。
【0014】
その電極の指状部の幅は、その電極の一部の幅又は長さと比較して実質的に短くすることができる。例えばその電極の一部は、幅が狭い多数の指状部で構成することができる。その指状部の幅が狭いほど、その指状部で渦電流が循環しづらくなる傾向にある。例として、その電極の指状部の幅は、0.25mmより短く、0.1mmから0.2mmの範囲内の任意の値とすることができる。
【0015】
その電極の隣接する指状部の間の各間隔の幅は、その電極の一部の幅又は長さと比較して実質的に短くすることができる。その間隔を狭くするほど、その電極はより完全に平らになり、その電極の一般的電気性能はよりよくなる。例として、その電極の隣接する指状部の間の各間隔の幅は、0.25mmより短く、0.1mmから0.2mmの範囲内の任意の値とすることができる。
【0016】
例えば、その間隔の幅及び指状部の幅は、相互に同一としてもよく、略均一としてもよい。これにより、上記の電極の製造を促進することできる。
【0017】
その電極の指状部は、例えば櫛構造のように、その電極の同一の共通部分で全て結合してもよい。共通部分は、その電極の片側から反対側へ指状部が突き出るように、その電極の片側に向かって、又は片側に、もしくは片側に沿って配置することができる。その電極は、その電極の共通部分から反対方向に突き出たその指状部の二つのセットを含んでもよい。その場合、その共通部分は、その電極の一部の中心に向かって配置される。
【0018】
指状部を有する電極の一部は、その電極の隣接する指状部の間の間隔をそれぞれ形成する一つ以上のスリットをその一部内に有する略シート状に形成することができる。シートは略平らとすることができる。または、シートは湾曲されたもの、巻かれたもの、又は折られたものとしてもよく、他の何らかの三次元の形状としてもよい。
【0019】
蓄積装置は、略シート状に形成された一部が、その一部のうちの一つをその一部のうちの他の上に積み重ねて層状にされた、複数の電極を含んでもよい。その積み重ねは、隣接する電極の間にはさまれた、電解質層又は分離層を備えてもよい。蓄積装置は角柱の形を有し、その積み重ねはその蓄積装置内部において平面構造で提供されてもよい。蓄積装置は円筒の形を有し、その積み重ねは、その蓄積装置内部において巻き付けられた構造で提供されてもよい。蓄積装置は、例えばいわゆる「ボタン」又は「コイン」形状等の他の形状を有してもよい。
【0020】
時間的に変化する電磁場は、その電磁場が変化又は変動する基本周波数、つまりメイン周波数又は同調周波数を有する。各電極についてのシートの厚さは、その基本周波数における表皮深度の所定比率未満とすることができる。このようにして、磁場は、ほとんど又は全く損失せずにその電極の一部を貫通又は通過することができる。
【0021】
基本周波数は、アプリケーションに応じて変えてもよい。一実施形態では、基本周波数は、数十kHzから数十MHzの範囲内とし、10kHzから500kHzの範囲内の任意の値、例えば323kHzとすることができる。所定比率は、アプリケーションに応じて変えてもよい。一実施形態では、所定比率は、1/5から1/30の範囲内とし、例えば1/6又は1/20とすることができる。
【0022】
蓄積装置が複数の電極を有する場合に、その電極の一部の厚さの合計は、基本周波数における表皮深度の所定比率未満とすることができる。
【0023】
各電極についてのシートは、例えば略0.01mmから0.2mm(例えば、0.01mm)の厚さを持つアルミニウムのシートで形成することができる。
【0024】
各電極は、ポリマー基板の面上に提供される一つ以上の指状部を含む一部を有する金属シートを含んでもよい。各ポリマー基板は、その一つ以上の指状部を有さず、間断ないようにしてもよい。各電極は、その同一のポリマー基板の反対の面上に提供される二つの上記の金属シートを含んでもよい。
【0025】
基板の材料の例は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PI(ポリイミド)、マイラー、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FR−4(Flame Retardent 4)及びCEM−3(合成エポキシ材料3)を含む。かかる基板は、例えば0.01mm〜0.2mmの厚さにすることができる。例えば、0.05mmのPETが基板の材料に適切である。かかる材料は、柔軟なPCBタイプの電極をもたらす。
【0026】
蓄積装置は、例えば金属箔外皮等の外皮を有することができ、その外皮の厚さは、その電磁場の基本周波数における表皮深度の所定比率未満とすることができる。このようにして、磁場は、ほとんど又は全く損失せずに外皮部分を貫通又は通過することができる。例えばその外皮は、略10〜30ミクロンの厚さとすることができる。
【0027】
蓄積装置は、その時間的に変化する電磁場内にあるときに、誘導的に電力を受信するためのコイルを含むことができる。すなわち、蓄積装置は、誘導電力伝送システムにおいて二次ユニットとして働くように備え付けられてもよい。
【0028】
本発明の第2の側面に係る実施形態に従って、時間的に変化する電磁場で使用するために構成された電気エネルギー蓄積装置が提供される。その蓄積装置は、シートの内部からそのシートの端へわたり、且つ一端でのみ共につながった複数のストリップ状にそのシートが形成されるように並べられた一つ以上のスリットをその一部内に有する略シート状に形成される、少なくとも電極の一部を含む。そのように構成された電極は、かかる電磁場内で、渦電流による多大な損失なく使用することができる。
【0029】
本発明の第3の側面に係る実施形態に従って、時間的に変化する電磁場で使用するために構成される電気エネルギー蓄積装置が提供される。その蓄積装置は、蓄積装置内で循環するように電磁場により誘導される渦電流の能力を妨げるように、共につながった複数のストリップを含む電極を含む。そのように構成された電極は、かかる電磁場内で、渦電流による多大な損失なく使用可能とすることができる。
【0030】
本発明の第4の側面に係る実施形態に従って、その変化が基本周波数を有する、時間的に変化する電磁場で使用するために構成される電気エネルギー蓄積装置が提供される。その蓄積装置は、基本周波数における表皮深度の所定比率未満の厚さの略シート状に形成される、少なくとも電極の一部を含む。そのように構成された電極は、その電磁場が電極を貫通するので、かかる電磁場内で、多大な損失なく使用可能とすることができる。
【0031】
基本周波数は、アプリケーションに応じて変えてもよい。一実施形態では、基本周波数は、数十kHzから数十MHzの範囲内とし、10kHzから500kHzの範囲内の任意の値、例えば323kHzとすることができる。所定比率は、アプリケーションに応じて変えてもよい。一実施形態では、所定比率は、1/5から1/30の範囲内とし、例えば1/6又は1/20とすることができる。
【0032】
蓄積装置は、略シート状に形成された一部が、その一部のうちの一つをその一部のうちの他の上に積み重ねて層状にされた複数の電極を含んでもよい。その電極の一部の厚さの合計は、基本周波数における表皮深度の所定比率未満とすることができる。
【0033】
各電極の一部は、その電極の過半部分又はその電極の実質的に全てとすることができる。
【0034】
本発明の第5の側面に係る実施形態に従って、その変化が基本周波数を有する、時間的に変化する電磁場で使用するために構成される電気エネルギー蓄積装置が提供される。その蓄積装置は、基本周波数における表皮深度の所定比率未満の厚さの、金属箔表皮等の表皮を含む。そのように構成された表皮は、その電磁場が表皮を貫通するので、かかる電磁場内で、多大な損失なく使用可能とすることができる。
【0035】
蓄積装置は、例えばバッテリ、スーパーキャパシタ又はハイブリッドのバッテリ−キャパシタ装置等の任意のタイプの電気エネルギー蓄積装置とすることができる。
【0036】
本発明の第6の側面に係る実施形態に従って、前述の本発明の第1の側面〜第5の側面のうちの何れかに従った蓄積装置を含む電気装置又は電子装置が提供される。かかる装置は、電力を必要とする任意の電気装置又は電子装置としてもよく、例えば携帯電話、PDA(携帯情報端末)、ノート型パーソナルコンピュータ、個人向けステレオ機器、MP3プレイヤ及び同類のもの、無線ヘッドセット、自動車充電ユニット、例えば台所用電化製品等の家庭用電化製品、例えばクレジットカード等の個人カード、及び商品の追跡に有用な無線タグ等の、携帯用の電気装置又は電子装置としてもよい。
【0037】
かかる電気装置又は電子装置は、時間的に変化する電磁場内に配置されたときに電磁誘導により無線で電力を受信するのに適している。その電気装置又は電子装置は、電気装置又は電子装置に電流が誘導されるようにその電磁場と結び付くように構成されるコイルと、受信した電力を蓄積装置及び/又は電気装置もしくは電子装置内の他の電気回路に供給するように、電流を蓄積装置及び/又は電気装置もしくは電子装置内の他の電気回路に供給するための電気回路と、をさらに含む。蓄積装置はその電磁場と関連して低損失を引き起こすように構成されるので、コイルが使用されるときに蓄積装置が十分に電磁場の範囲内にあるように、そのコイルは蓄積装置に隣接して位置付けられる。
【0038】
本発明の第7の側面に係る実施形態に従って、前述の本発明の第1の側面〜第5の側面のうちの何れかに従った蓄積装置と、その時間的に変化する電磁場内にあるときに、誘導的に電力を受信するのに用いるコイルと、を含む組み合わせが提供される。
【0039】
本発明の第8の側面に係る実施形態に従って、時間的に変化する電磁場を生成するように作動する一次コイルを有する一次ユニットと、時間的に変化する電磁場内に配置されたときに一次ユニットから電磁誘導により無線で電力を受信するのに適した二次ユニットと、を含む誘導電力伝送システムが提供される。二次ユニットは、二次ユニット内に電流が誘導されるように、その電磁場と結び付くように構成された二次コイルと、前述の本発明の第1の側面〜第5の側面の何れかに従った蓄積装置と、受信した電力を蓄積装置及び/又は二次ユニット内の他の電気回路に供給するように、電流を蓄積装置及び/又は二次ユニット内の他の電気回路に供給するための電気回路と、を含む。かかる蓄積装置はその電磁場と関連して低損失を引き起こすように構成されるため、その一次ユニットは、本発明の実施形態の利益を享受しないシステムの一次ユニットより非効率にできるので、その一次ユニットは、例えばコストを低減した一次ユニットにすることができる。
【0040】
本発明の第9の側面に係る実施形態に従って、前述の本発明の第1の側面〜第5の側面の何れかに従った蓄積装置の製造方法が提供される。その方法は、フォトリソグラフィー及び化学エッチングにより、又はスクリーン印刷処理もしくはスタンピング処理により一つ以上の指状部を形成することを含む。
【0041】
本発明の第10の側面に係る実施形態に従って、時間的に変化する電磁場で使用するために構成された電気コンポーネントが提供される。そのコンポーネントは、そのコンポーネント内で循環するようにその電磁場により誘導される渦電流の能力を妨げるように構成される、少なくとも電気端子又はプレートの一部を含む。例えば、その一部は、一端でのみ共につながった複数の指状に形成することができる。かかるコンポーネントは、例えば、キャパシタもしくはバッテリ又は任意の他の電気コンポーネントとすることができる。
【0042】
一つの側面に係る選択図は、他の側面に等しく適用することができ、逆の場合も同じである。
【0043】
以下の添付の図面を例としてここに参照がなされるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施形態に従ったバッテリの構造に係る概略図である。
【図2】本発明の一実施形態に従ったバッテリの電極の一部に係る概略トポロジー図である。
【図3A】本発明の一実施形態に従ったバッテリに対する二次コイルの取り得る配置を説明する概略図である。
【図3B】本発明の一実施形態に従ったバッテリに対する二次コイルの取り得る配置を説明する概略図である。
【図4A】異なる物質の、異なる厚さの層における代表的な吸収(損失)係数を表すプロット図である。
【図4B】異なる物質の、異なる厚さの層における代表的な反射係数を表すプロット図である。
【図5】本発明の一実施形態に従ったバッテリに用いる電極の一部に係る概略トポロジー図である。
【図6】本発明の異なる実施形態に従ったバッテリに係る二つの取り得る形状を理解するために有用な概略図である。
【図7】本発明の一実施形態に従った誘導電力伝送システムに係る概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
実施形態はバッテリに関して開示されるが、それらの実施形態は本発明の実行例にすぎないことが理解されるべきである。本発明は、より一般には電気エネルギー蓄積装置(例えば、電気回路に使用するエネルギー蓄積装置)に関すると理解されるべきである。
【0046】
図1は、本発明の一実施形態に従ったバッテリの構造に係る概略図である。バッテリ1は、概略、その構造の外端に金属箔外皮2を含み、その金属箔外皮2に対して内側に隣接するスペーサ4を持つ積層構造を有する。これらの外部素子の間に、電極6及び電解質/分離層8を含む中心層のセットが提供される。
【0047】
典型的には、中心層は、例えば正電極−電解質−負電極−電解質の形で、電極6と電解質/分離層8の間に層が交互に積み重なるように構成される。そして、このパターンは、数回、例えば10〜20回繰り返されてもよい。当然、この配置は中心層の配置の一例であり、本発明の他の実施形態は他の配置により形成してもよい。
【0048】
簡単にするために図1に示さないが、金属箔外皮2(及び場合によってはスペーサ4も)は、例えば密閉された入れ物(それを通過する電極用の端子)として機能する外殻を中心層の周りに形成してもよい。
【0049】
他の実施形態では(例えば、ニッケル水素、ニッケルカドミウム等の)異なる電池技術を使用してもよいが、本実施形態におけるバッテリはリチウムイオンポリマー(リチウムポリマー)バッテリである。スーパーキャパシタは、典型的にはリチウムポリマー電池に類似した層構造を使用し、そのため本発明を包含するスーパーキャパシタは、ここに開示されるバッテリの実施形態に類似した形で形成できることが理解される。
【0050】
リチウムポリマー電池技術は、外皮層2の必要条件が他の技術より厳密でないため、本発明によく適している。例えば、リチウムポリマー電池技術のバッテリでは、外皮は圧力容器として機能する必要がなく、それ故に極めて薄くすることができる。
【0051】
本実施形態では、金属箔外皮2は、バッテリが動作するように設計された電磁場の基本周波数(駆動周波数)における表皮深度のわずかな比率の厚さを有するように構成される。
【0052】
一実施形態において、駆動周波数は、数十kHzから数十MHzまでの何れかであることが見込まれる。本実施形態では、例としてバッテリは、数百kHz、例えば323kHzの駆動周波数を持つ時間的に変化する電磁場(代表的には誘導電力伝送システムの)で動作することを意図することが想定される。しかしながら、ここに与えられる大きさ及び他の値は例であり、その値は他の周波数に適合するように調整されてもよいことが理解される。
【0053】
本実施形態では、金属箔外皮2は10〜30ミクロンの厚さのアルミニウム箔である。例示の駆動周波数における表皮深度のわずかな比率(例えば1/6又は1/20)とすることにより、金属箔外皮2によって磁場はほとんど又は全く損失せず金属箔外皮2を通過できるようになる。かかる薄い外皮は、例えばスペーサ4も同様に、より厚いポリマー基材に付着させることにより、又はバッテリを全部もしくは一部においてプラスチックのケース(図示せず)で取り囲むことにより強化してもよい。そのプラスチックのケースは凹凸を有し(rugged)てもよい。しかしながら、適切な(支持についての)機械的特性、及び例えば浸透性(例えば酸素バリアコーティング)等の化学的特性を有するポリマー層が提供され、単独で金属箔外皮2の代わりに用いられてもよい。
【0054】
本実施形態の電極6は、例示の駆動周波数における表皮深度のごくわずかな比率の厚さを有するように構成され、この場合も電極6によって磁場はほとんど又は全く損失することなく電極6を通過できるようになる。これは、例えば導電性ポリマー又はカーボン等の低導電物質を用いることにより達成することができる。
【0055】
特定の物質についての表皮深度は、以下のように簡単に算出することができる。
【数1】

ここで、δは表皮深度であり、σはその物質の導電性であり、μはその物質の浸透性であり、ωはその電磁場の角周波数(周波数(ヘルツ)×2π)である。
【0056】
より高導電性の物質(例えば、金属等の金属物質)において、電極は、渦電流が流れる閉ループが全くない又はほとんどない形にパターン形成してもよい。かかる渦電流は、バッテリが動作するように設計された電磁場により生成される。かかる渦電流は熱として現れる損失を引き起こし、本実施形態は、かかる損失を低減するように、すなわち駆動周波数において又は一般に任意の周波数において低渦電流損失を有するように構成される。
【0057】
一実施形態では、電極は、導電性であるが金属製ではないパターン層で形成されてもよい。かかる層は、例えばカーボン又は金属酸化物とすることができる。
【0058】
図1から理解できるように、本実施形態では、電極6は櫛型の指状部のセットを有する一部を有するように構成される。かかるパターン形成は、フォトリソグラフィー及び基板上の金属層の化学エッチングにより、又は例えばスクリーン印刷もしくはスタンピング等の他の方法により実施することができる。
【0059】
図2は、電極6の一部10に係る概略トポロジー図である。
【0060】
電極の一部10は、一端で共に共通部分14につながった指状部12のセットを含む。本実施形態において、指状部12は、全体の形が櫛の形に類似するように、略直線であり、幅が略均一であり、略均一に間隔があけられる。当然、本発明に係る他の実施形態において、指状部は非均一の形及び間隔としてもよい。
【0061】
本実施形態において、指状部の幅及び間隔は、相互に略同一であり、0.1mm〜0.2mmの範囲内である。これらの幅及び間隔は、実際の実装において、許容できる損失、バッテリ性能及び製造コストを提供するように選択することができる。例えば、渦電流を最小化するように指状部の幅を最小化することができるが、その幅を低減するとバッテリの内部抵抗が増大する。指状部の間隔を最小化することは電極の表面積を最大化し、これにより電極の性能を最大化するが、指状部の間隔を非常に小さくした電極を製造することには費用がかかる。また、指状部の厚さを最小化することはそれらの指状部が使用する駆動周波数における表皮深度の比率を最小化するが、概略、指状部が細いほどそれらを製造するのはより繊細でより高価となる。
【0062】
いくつかのリチウムポリマーのバッテリ技術において、コレクタ電極の金属製の櫛構造は、各電極6を形成するように、間断ないポリマー電極層と結合することができる。本実施形態において、(例えば、柔軟な両面PCBを作るときのように)電極パターンはポリマー基板の両側に形成される。指状部のパターンを形成するために導電性のポリマー層が必要な場合、そのポリマー層は基板の両側にコーティングされる。他の実施形態では、犠牲基板上に金属製の電極の櫛構造を形成し、それからその犠牲基板を間断ないポリマー電極層に変えることにより、電極6が製造される。他の実施形態では、金属製の電極の櫛構造は、間断ないポリマー電極層に直接パターン形成される。さらに他の実施形態では、このアプローチはある状況ではバッテリ性能にある程度の損失をもたらすが、コレクタ電極の材料とポリマー電極の材料の両方が、指状部の(櫛)構造を持つようにパターン形成されてもよい。
【0063】
本実施形態の電池の構造に係る一つの効果は、(誘導電力伝送システムにおける二次コイルである)非シールドの誘導電力受信コイルを、そのシステムにおいて二次コイルの一次コイルへのカップリングに係る過度加温又は過度分解を起こすことなく、その電池の隣に直接配置できるようにすることである。誘導電力受信コイル(二次コイル)は、例えば透過性のコアを持つ、もしくは持たない円盤状の平面円形コイル状に、又は透過性のコアの周りに巻き付けられた側面の棒状コイル状に形成されてもよい。
【0064】
図3A及び3Bは、バッテリ1に隣接した誘導電力伝送システム(時間的に変化する電磁場を生成するのに使用可能な、対応する一次コイルを有するシステム)で使用する上述した二次コイルの配置を説明する概略図である。(斜視図を表す)図3Aにおいて、円盤状の平面円形コイル20は、バッテリ1の主要面(a main face)に隣接する平面に位置付けられ、(断面図を表す)図3Bにおいて、棒状のコア24の周りに巻きつけられた円筒形コイル22では、バッテリ1の主要面と平行にそのコイルの軸が提供される。
【0065】
様々な物質の異なる厚さの層における代表的な吸収(損失)係数が図4Aのプロット図に表される。磁性鋼(416ステンレス鋼)についてのトレースに見られるように、浸透性が高いと表皮深度が小さくなるので、一般的にいうと透過性の物質は好ましくない。アルミニウム合金より導電性の低い金属の金属箔外皮を使用することが、一つの選択肢である。例えば、非磁性の316ステンレス鋼又はチタン合金箔は、同様の厚さのアルミニウム合金より損失が低くなる。反射係数が高いとカップリングに係る損失が生じ、一般にコアを持たない円盤状の受信コイルで使用するのに好ましくない。図4Bは、様々な物質の異なる厚さの層における代表的な反射係数のプロット図を示す。吸収係数及び反射係数は、より複雑な層構造についても算出することができる。本発明の一実施形態に係る実装のための設計の目的は、例えば総吸収係数を0.5%未満に維持し、反射係数を10%未満に維持することである。かかるバッテリは、例えば上述したような二次コイル等の無線の電力受信機に直接隣接して用いることができる。
【0066】
図5は、図2の一部10と取り替えて使用することができる電極6の一部30に係る概略トポロジー図である。当然、本発明の一実施形態に従ったバッテリにおいて、一部10及び一部30は、一緒に(例えば、異なる電極に、又は基盤の異なる面の同じ電極に)使用することができる。
【0067】
電極の一部30は、共通部分36から反対方向に突き出た指状部32及び指状部34の二つのセットを含む。(図2の一部10における共通部分はその一部の片側に向かって、又はまさに片側に位置付けられるのに対して)共通部分36は電極の一部30の中心に向かって位置付けられる。電極の一部10と縮尺比が同様であるとみなして比較すると、指状部32及び指状部34は(長さに関して)指状部12の略半分の大きさであり、従って、指状部12より強く(壊れる可能性を低く)し、内部バッテリの抵抗の低減をもたらすことができることが理解される。
【0068】
図6は、バッテリ1に係る二つの取り得る形状を理解するために有用な概略図である。図6の(A)(斜視図)において、一実施形態におけるバッテリ1は角柱形状40を有する。従って、図6の(B)(断面図)に見られるように、かかるバッテリにおいて、図1のような電極6の積層(及び他の中心層)が平面形状42で提供される。図6(C)(斜視図)において、他の実施形態におけるバッテリ1は円柱形状44を有する。従って、図6(D)(断面図)に見られるように、かかるバッテリにおいて、図1のような電極6の積層(及び他の中心層)が(「スイスロール」のような)巻き付けられた形状46で提供される。当然、本発明は、他の実施形態において、例えばボタン形状又はコイン電池形状等の他の電池形状に拡張される。
【0069】
図7は、本発明の一実施形態に従った、誘導電力伝送システム50に係る概略図である。システム50は一次ユニット52及び二次ユニット54を含む。
【0070】
一次ユニット52は一次コイル56を含み、二次ユニット54は二次コイル20/22及びバッテリ1を含む。一次ユニット52は、時間的に変化する電磁場を生成するようにその一次コイル56を用いるよう作動する。二次ユニット54内の二次コイル20/22は、電流がその二次ユニット54に誘導されるように、一次ユニット52に近接したときに電磁場と結び付くよう構成される。そのようにして、一次ユニットから二次ユニットへの電磁誘導により無線で電力が伝送される。
【0071】
二次ユニット54において、二次コイル20/22は、(誘導電流によって)受信した電力をバッテリ1に(又はより一般的に二次ユニットの電気エネルギー蓄積装置に)及び/又は二次ユニット54の他の電気回路に供給するように接続される。
【0072】
図7に図示しないが、システム50は二つ以上の一次ユニット52及び/又は二つ以上の二次ユニット54を含んでもよいことが理解される。例えば、一つの一次ユニット52が、二つ以上の二次ユニット54に同時に電力を伝送してもよい。同様に、一つの二次ユニット54が、二つ以上の一次ユニット52から同時に電力を受けてもよい。
【0073】
上記した記述は、発明の現在受け入れられている実施形態についての記述である。添付の請求項に定められるように、発明の精神及びより広い側面から逸脱することなく、様々な変更及び変化がなされ得る。添付の請求項は、均等論を含む特許法の原則に従って解釈されるべきである。例えば冠詞「一つの」、「一つの」、「前記」又は「前記」(「a」、「an」、「the」又は「said」)を用いた単数形での請求項の要素のいかなる参照も、その要素を単数に制限するものと見なすべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間的に変化する電磁場で使用するために構成された電気エネルギー蓄積装置であって、
前記蓄積装置は、前記蓄積装置内で循環するように前記電磁場により誘導される渦電流の能力を妨げるように構成される、少なくとも電極の一部を備え、
前記電気エネルギー蓄積装置は、0.5%未満の吸収係数及び10%未満の反射係数を有する、電気エネルギー蓄積装置。
【請求項2】
前記電極の前記一部は、前記蓄積装置内で循環するように前記電磁場により誘導される渦電流の能力を妨げるように形作られる、請求項1に記載の蓄積装置。
【請求項3】
前記電極の前記一部の構造は、前記蓄積装置内で循環するように前記電磁場により誘導される渦電流の能力を妨げるパターンを有する、請求項1又は2に記載の蓄積装置。
【請求項4】
前記電極の前記一部は、渦電流が流れることができる閉ループが実質的にないように構成される、請求項1〜3の何れか一項に記載の蓄積装置。
【請求項5】
前記電極の前記一部は金属製である、請求項1〜4の何れか一項に記載の蓄積装置。
【請求項6】
前記電極の前記一部は、一端でのみ前記電極の残り部分と電気的に接続される一つ以上の指状に形成される、請求項1〜5の何れか一項に記載の蓄積装置。
【請求項7】
前記一つ以上の指状部のそれぞれは、略正方形又は略矩形の横断面を有する、請求項6に記載の蓄積装置。
【請求項8】
前記一つ以上の指状部のそれぞれは、前記蓄積装置内で循環するように前記電磁場により誘導される渦電流の能力を妨げる大きさとする、請求項6又は7に記載の蓄積装置。
【請求項9】
前記電極の前記一部は、一端でのみ共に電気的に接続される複数の前記指状に形成される、請求項6〜8の何れか一項に記載の蓄積装置。
【請求項10】
前記指状部及び前記指状部の間の前記電気的な接続部は、前記電極の前記一部の略全てを構成する、請求項9に記載の蓄積装置。
【請求項11】
前記指状部は略直線である、請求項9又は10に記載の蓄積装置。
【請求項12】
前記電極の前記指状部のそれぞれは、前記指状部の長さ方向に沿って略均一の幅を有する、請求項9〜11の何れか一項に記載の蓄積装置。
【請求項13】
前記電極の前記指状部は、相互に略同一の幅を有する、請求項9〜12の何れか一項に記載の蓄積装置。
【請求項14】
前記電極の前記指状部は、相互に略同一の長さを有する、請求項9〜13の何れか一項に記載の蓄積装置。
【請求項15】
前記電極の前記指状部の幅は、前記電極の一部の幅又は長さと比較して実質的に短い、請求項9〜14の何れか一項に記載の蓄積装置。
【請求項16】
前記電極の前記指状部の幅は、0.25mmより短く、0.1mmから0.2mmの範囲内の任意の値である、請求項9〜15の何れか一項に記載の蓄積装置。
【請求項17】
前記電極の隣接する指状部の間の一つ以上の間隔のそれぞれの幅は、前記電極の一部の幅又は長さと比較して実質的に短い、請求項9〜16の何れか一項に記載の蓄積装置。
【請求項18】
前記電極の隣接する指状部の間の一つ以上の間隔のそれぞれの幅は、0.25mmより短く、0.1mmから0.2mmの範囲内の任意の値である、請求項9〜17の何れか一項に記載の蓄積装置。
【請求項19】
前記電極の前記指状部は、前記電極の同一の共通部分で全て結合される、請求項9〜18の何れか一項に記載の蓄積装置。
【請求項20】
前記共通部分は、前記電極の片側から反対側へ前記指状部が突き出るように、前記電極の前記片側に向かって配置される、請求項19に記載の蓄積装置。
【請求項21】
前記電極は、前記電極の前記共通部分から反対方向に突き出た前記指状部の二つのセットを備える、請求項19に記載の蓄積装置。
【請求項22】
前記共通部分は、前記電極の前記一部の中心に向かって配置される、請求項21に記載の蓄積装置。
【請求項23】
前記指状部を有する前記電極の前記一部は、前記電極の隣接する指状部の間の間隔をそれぞれ形成する一つ以上のスリットを前記一部内に有する略シート状に形成される、請求項9〜22の何れか一項に記載の蓄積装置。
【請求項24】
略シート状に形成された前記一部が、前記一部のうちの一つを前記一部のうちの他の上に積み重ねて層状にされた、複数の前記電極を備える、請求項23に記載の蓄積装置。
【請求項25】
前記積み重ねは、隣接する前記電極の間にはさまれた、電解質層又は分離層を備える、請求項24に記載の蓄積装置。
【請求項26】
角柱の形を有し、
前記積み重ねは、前記蓄積装置内部において平面形状で提供される、請求項24又は25に記載の蓄積装置。
【請求項27】
円筒の形を有し、
前記積み重ねは、前記蓄積装置内部において巻き付けられた形状で提供される、請求項24又は25に記載の蓄積装置。
【請求項28】
前記時間的に変化する電磁場は、基本周波数を有し、
前記電極のそれぞれについての前記シートの厚さは、前記基本周波数における表皮深度の所定比率未満である、請求項23〜27の何れか一項に記載の蓄積装置。
【請求項29】
前記基本周波数は、数十kHzから数十MHzの範囲内にあり、10kHzから500kHzの範囲内の任意の値である、請求項28に記載の蓄積装置。
【請求項30】
前記所定比率は、略1/6から1/20である、請求項28又は29に記載の蓄積装置。
【請求項31】
前記電極の一部の前記厚さの合計は、前記基本周波数における表皮深度の前記所定比率未満である、請求項24を引用する請求項28〜30の何れか一項に記載の蓄積装置。
【請求項32】
前記電極のそれぞれについての前記シートは、0.01mmから0.2mmの厚さを持つ、銅、アルミニウム、銀、銀の入ったインク、カーボン、リチウム、リチウムカーボン又は金属酸化物で形成される、請求項28〜31の何れか一項に記載の蓄積装置。
【請求項33】
前記電極のそれぞれは、ポリマー基板の面上に提供される一つ以上の指状部を備える前記一部を有する金属シートを備える、請求項6〜32の何れか一項に記載の蓄積装置。
【請求項34】
前記ポリマー基板のそれぞれは、前記一つ以上の指状部を有さず、間断ない、請求項33に記載の蓄積装置。
【請求項35】
前記電極のそれぞれは、前記ポリマー基板の反対の面上に提供される二つの前記金属シートを備える、請求項33又は34に記載の蓄積装置。
【請求項36】
略10〜30ミクロンの厚さである金属箔外皮を有する、請求項1〜35の何れか一項に記載の蓄積装置。
【請求項37】
前記時間的に変化する電磁場内にあるときに、誘導的に電力を受信するためのコイルをさらに備える、請求項1〜36の何れか一項に記載の蓄積装置。
【請求項38】
時間的に変化する電磁場で使用するために構成された電気エネルギー蓄積装置であって、
前記電磁場の変化が基本周波数を有し、
前記蓄積装置は、
略シート状に形成される、少なくとも電極の一部と、
前記電極の周りの外皮と、を備え、
前記シートは、前記シートの内部から前記シートの端へわたり、且つ一端でのみ共につながった複数のストリップ状に前記シートが形成されるように並べられた一つ以上のスリットを前記一部内に有し、
前記電極は、前記基本周波数における表皮深さの所定比率未満の厚さを有し、
前記時間的に変化する電磁場は、ほとんど又は全く損失せずに前記外皮を貫通又は通過することができる、電気エネルギー蓄積装置。
【請求項39】
時間的に変化する電磁場で使用するために構成された電気エネルギー蓄積装置であって、
前記蓄積装置は、前記蓄積装置内で循環するように前記電磁場により誘導される渦電流の能力を妨げるように、共につながった複数のストリップを備える電極を備え、
前記電気エネルギー蓄積装置は、0.5%未満の吸収係数及び10%未満の反射係数を有する、電気エネルギー蓄積装置。
【請求項40】
時間的に変化する電磁場で使用するために構成された電気エネルギー蓄積装置であって、
前記電磁場の変化が基本周波数を有し、
前記蓄積装置は、前記基本周波数における表皮深度の所定比率未満の厚さの略シート状に形成される、少なくとも電極の一部を備える、電気エネルギー蓄積装置。
【請求項41】
略シート状に形成された前記一部が、前記一部のうちの一つを前記一部のうちの他の上に積み重ねて層状にされた、複数の前記電極を備える、請求項40に記載の蓄積装置。
【請求項42】
前記電極の一部の前記厚さの合計は、前記基本周波数における表皮深度の前記所定比率未満である、請求項41に記載の蓄積装置。
【請求項43】
それぞれの前記電極の前記一部は、前記電極の過半部分又は前記電極の実質的に全てである、請求項1〜42の何れか一項に記載の蓄積装置。
【請求項44】
時間的に変化する電磁場で使用するために構成された電気エネルギー蓄積装置であって、
前記電磁場の変化が基本周波数を有し、
前記蓄積装置は、前記基本周波数における表皮深度の所定比率未満の厚さの、金属箔表皮等の表皮を備える、電気エネルギー蓄積装置。
【請求項45】
バッテリ、スーパーキャパシタ又はハイブリッドのバッテリ−キャパシタ装置である、請求項1〜44の何れか一項に記載の蓄積装置。
【請求項46】
請求項1〜45の何れか一項に記載の蓄積装置を備える電気装置又は電子装置。
【請求項47】
時間的に変化する電磁場内に配置されたときに電磁誘導により無線で電力を受信するのに適し、
前記電気装置又は前記電子装置は、
前記電気装置又は前記電子装置に電流が誘導されるように前記電磁場と結び付くように構成されるコイルと、
前記受信した電力を前記蓄積装置及び/又は前記電気装置もしくは前記電子装置内の他の電気回路に供給するように、前記電流を前記蓄積装置及び/又は前記電気装置もしくは前記電子装置内の他の電気回路に供給するための電気回路と、をさらに備える、請求項46に記載の電気装置又は電子装置。
【請求項48】
前記コイルは、前記蓄積装置に隣接して位置付けられる、請求項47に記載の電気装置又は電子装置。
【請求項49】
請求項1〜45の何れか一項に記載の蓄積装置と、
前記時間的に変化する電磁場内にあるときに、誘導的に電力を受信するのに用いるコイルと、を備える組み合わせ。
【請求項50】
時間的に変化する電磁場を生成するように作動する一次コイルを有する一次ユニットと、
前記時間的に変化する電磁場内に配置されたときに前記一次ユニットから電磁誘導により無線で電力を受信するのに適した二次ユニットと、を備え、
前記二次ユニットは、
前記二次ユニット内に電流が誘導されるように、前記電磁場と結び付くように構成された二次コイルと、
請求項1〜45の何れか一項に記載の蓄積装置と、
前記受信した電力を前記蓄積装置及び/又は前記二次ユニット内の他の電気回路に供給するように、前記電流を前記蓄積装置及び/又は前記二次ユニット内の他の電気回路に供給するための電気回路と、を備える誘導電力伝送システム。
【請求項51】
フォトリソグラフィー及び化学エッチングにより、又はスクリーン印刷処理もしくはスタンピング処理により前記一つ以上の指状部を形成することを含む、請求項6〜45の何れか一項に記載の蓄積装置の製造方法。
【請求項52】
添付の図面を参照して以上に実質的に記載された通りの、電気エネルギー蓄積装置、電気装置もしくは電子装置、組み合わせ、誘導電力伝送システム又は蓄積装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6(A)】
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【図6(B)】
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【図6(C)】
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【図6(D)】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−528461(P2012−528461A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513128(P2012−513128)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/035371
【国際公開番号】WO2010/138350
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(302070822)アクセス ビジネス グループ インターナショナル リミテッド ライアビリティ カンパニー (122)
【Fターム(参考)】