説明

電気グリッド線を保持するようにラッカー層をパターニングする方法

【課題】光電子デバイスで使用されるベース基板上に堆積されたラッカー層上に機能的光構造と、電気回路を保持するように構成されている溝とを同時に形成する方法を提供する。
【解決手段】ベース基板202上にラッカー層203を形成し、スタンパーを用いることによってラッカー層203上に溝206及び機能的光構造204を同時に複製することを含む。スタンパーは、第一部分上に溝及び第二部分上に機能的光構造のネガ像を有するあわせ面を有する。機能的光構造204は、光トラッピング又は光取り出しを可能にするように提供される。その後、電気回路208が溝206内に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここで開示される本発明は、一般に、半導体デバイスに関する。より詳しくは、本発明は、半導体デバイスに電気グリッド線を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
透明導電酸化物(TCO)(例:インジウム酸化スズ(ITO)、アンチモンドープされた酸化スズ、カドミウム酸化スズ)は、半導体デバイス(例:有機光電デバイス(OPV)、有機発光デバイス(OLED)及び薄膜光電デバイス(TF-PV))での電極層として汎用される。
【0003】
しかしながら、大面積半導体デバイスの場合、TCO層によって提供される導電度は、十分でない。これは、半導体デバイスでの電圧降下に繋がることが多い。例えば、OLEDの場合、電圧降下は、OLEDでの不均一な光強度として見ることができる。
【0004】
これに対する可能なオプションは、より厚い電極層を使用することである。なぜなら、より厚い電極層を使用すると抵抗が減少し、それによって電圧降下を減少させるからである。しかしながら、より厚い電極層は、透過率を減少させる。従って、電極層によって提供される導電度を増大させるために、電極層の導電度を補うために導電グリッド線が半導体デバイスで使用される。
【0005】
導電グリッド線は、いくつかの方法(例えばフォトリソグラフィー)によって半導体デバイスでの表面上に形成可能である。しかしながら、フォトリソグラフィープロセスと関連したコストは、非常に高い。高価な材料及び装置コストに加えて、フォトリソグラフィープロセスで生成される廃棄物材料の処分も高額である。さらに、フォトリソグラフィープロセスは、単一の生産サイクルで処理される基板要素数が制限されているので、プロセススループットが低い。
【0006】
さらに、導電グリッド線を形成するために使用される従来技術でのプロセスは、形成された表面から導電グリッド線が突出する構造が形成される。この突出部は、半導体デバイスの機能上の問題に繋がる。
【0007】
また、導電グリッド線は、インプリントされた光管理テクスチャーを有する光電子デバイスの内部光取り出し又は光トラッピング層上に堆積される。従って、導電グリッド線の堆積によって、光管理テクスチャーがダメージを受ける場合がある。
【0008】
上記議論に照らすと、従来技術の1又は複数の欠点を克服するために、半導体デバイスに導電グリッド線を転写又は形成する方法における改良に対する要求がある。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、光電子デバイス(例えば、OLED)で使用されるベース基板上に堆積されたラッカー層上に機能的光構造及び電気回路を保持する溝を同時に形成する方法を提供する。機能的光構造及び溝のネガ像を有するスタンパーは、OLEDのラッカー層にスタンピングを行うために使用される。スタンピングの間に溝及び機能的光構造(例:テクスチャー)の両方がラッカー層にインプリントされる。機能的光構造は、光トラッピング又は光取り出しを可能にするように提供される。電気回路(つまり、バスバー)は、導電材料を溝に印刷又は充填するか、他の適切な方法によって、溝内に形成される。
【0010】
バスバーがラッカー層の表面上でなく、ラッカー層に形成された溝内に堆積されるので、ラッカー層の表面からバスバーが突出しない。言い換えると、バスバーは、ラッカー層に形成された溝に堆積される。これは、バスバーの後に堆積された電極層の厚さの不均一性を防ぎ、後の電気的な問題を防ぐ。
【0011】
いくつかの実施形態では、本発明は、光電子デバイスで使用されるベース基板上に堆積されたラッカー層上に機能的光構造及び電気回路を保持するように構成されている1又は複数の溝を同時に形成する方法を提供する。この方法は、ベース基板上にラッカー層を形成し、その後に、第一部分上に1又は複数の溝及び第二部分上に機能的光構造のネガ像を有するあわせ面よって定義されるスタンパーを用いることによってラッカー層上に1又は複数の溝及び機能的光構造を同時に複製することを含む。機能的光構造は、光トラッピング又は光取り出しを可能にする。その後、電気回路は、1又は複数の溝内に形成される。
【0012】
いくつかの実施形態では、電気回路が1又は複数の溝を導電材料で充填することによって形成される。
【0013】
いくつかの実施形態では、ラッカー層は、硬化されるラッカー層を熱、光及び/又は紫外線放射、圧力、電流へ曝すことによって及び/又はラッカー層の材料を例えば発熱反応によって硬化を容易にする反応成分の混合物として選択することによる化学硬化によって、硬化される。
【0014】
いくつかの実施形態では、同時複製は、ラッカー層をガラス転移温度より高い温度へ加熱して軟化させ、次に、スタンパーをラッカー層に押し付け、その後にラッカー層を冷却することによって得られる。
【0015】
いくつかの実施形態では、1又は複数の溝は、長方形断面を有する。
【0016】
電気回路は、光電子デバイスでの電圧降下を効果的に減少させる。さらに、いくつかの実施形態では、電気回路は、ラッカー層から突出しない。
【0017】
いくつかの実施形態では、ラッカー層は、光管理をさらに容易にする散乱粒子を含む。
【0018】
光電子デバイスのいくつかの例示的実施形態は、有機太陽電池(OPV)、有機発光デバイス(OLED)及び薄膜太陽電池(TF-PV)である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
新規であると信じられている本発明の特徴は、添付の請求の範囲で詳細に言及している。本発明は、添付図面と共に次の説明を参照して最もよく理解することができる。これらの図面及び関連する説明は、本発明のいくつかの実施形態を例示するために提供され、本発明の範囲を限定しない。
【0020】
【図1】図1a及び1bは、本発明の実施形態による、それぞれ、例示的OLED及び例示的OPVデバイスでは層のスタックを例示する。
【0021】
【図2a−b】図2a及び2bは、それぞれ、本発明の実施形態による、1又は複数の溝及び機能的光構造の同時複製の後の、例示的光電子デバイスを製造する間の例示的ステージの断面図及び上面図を例示する。
【0022】
【図2c−d】図2c及び2dは、それぞれ、本発明の実施形態による、1又は複数の溝に電気回路を形成した後の、例示的光電子デバイスを製造する間の例示的ステージの断面図及び上面図を例示する。
【0023】
【図3】図3a、3b、3c、及び3dは、本発明の実施形態による、例示的スタンパーの形成の種々のステージの概略図を示す。
【0024】
【図4】図4は、本発明の実施形態による、光電子デバイスを製造する例示的プロセスを説明するフローチャートである。
【0025】
当業者は、図中の要素は、簡潔さ及び明確さのための例示であり、寸法は必ずしも正確ではないことを理解するであろう。例えば、図中の要素のいくつかの寸法は、本発明の理解を向上させるために、他の要素に比べて誇張している。
【0026】
明細書中には説明があって図面には記載していない構造がある場合、そのような構造が明細書から省略されていると解釈すべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明を詳細に説明する前に、本発明が半導体デバイスを製造する方法に関連した方法ステップと装置コンポーネントの組み合わせを利用することに注目すべきである。従って、装置コンポーネント及び方法ステップは、図面中では慣用的な記号を用いて表され、本発明の理解に関連がある部分のみを詳細に表している。これは、当業者にとって明らかな内容を詳細に記載しすぎて本発明の開示をぼやかすことが無いようにするためである。
【0028】
明細書は、本発明の新規であると思われる特徴を規定する請求の範囲で締めくくっているが、本発明は、次の説明と、符号を付した図面からより良く理解されるであろう。
【0029】
本発明の詳細な実施形態をここに開示しているが、開示された実施形態は、本発明の単なる例示であり、本発明は、種々の形態で実施可能であることを理解すべきである。従って、ここで開示される具体的な構造及び機能の詳細は、権利範囲を限定するものと解釈すべきではなく、請求の範囲の基礎となり、かつ本発明を種々の形態で実施する際に当業者に与える教示の代表的な基礎であるとして解釈すべきである。さらに、ここで示される用語とフレーズは、限定的に解釈すべきではなく、本発明の理解可能な説明を提供するためものであると解釈すべきである。
【0030】
本明細書では、「一つ」は、1又は複数を意味している。「他の」は、「少なくとも第2の」を意味しており、「含む」及び/又は「有する」は、他の要素の追加を許容するオープンな用語である。「連結」又は「作動的に連結」は、結合されていることを意味するが、直接である必要はなく、機械的である必要もない。
【0031】
ここで図面を参照すると、本発明の実施形態による、例示的OLED100aでの層のスタックを図1aに示す。OLED100aは、外部光取り出し層102、ベース基板104、内部光取り出し層106、電気回路108、第一電気コンタクト110、1又は複数の有機層112及び114、第二電気コンタクト116及びカバー基板118を含むように示す。カバー基板118は、ベース基板104との間に、内部光取り出し層106、電気回路108、第一電気コンタクト110、1又は複数の有機層112及び114、及び第二電気コンタクト116を封じ込める。
【0032】
説明の目的で、OLED100aは、本発明の説明に関連する層のみを含むように示した。しかしながら、本発明がリストされた層に限定されないことは理解すべきである。いくつかの場合には、OLED100aは、効率を高めるか又は信頼性を向上させるために、本発明の範囲から逸脱することなく追加の層を含んでもよい。
【0033】
OLED100aのいくつかの実例は、有機発光ダイオード(OLED)、白色有機発光ダイオード(W-OLED)、アクティブ-マトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)、パッシブ-マトリックス有機発光ダイオード(PMOLED)、フレキシブル有機発光ダイオード(FOLED)、積層有機発光ダイオード(SOLED)、タンデム有機発光ダイオード、透明有機発光ダイオード(TOLED)、上面発光有機発光ダイオード(TOLED)、底面発光有機発光ダイオード、蛍光ドープされた有機発光ダイオード(F-OLED)及びリン光有機発光ダイオード(PHOLED)を含むがこれに限定されない。
【0034】
ベース基板104は、OLED100aに対して強度を提供し、使用時にOLED100aの発光面としても役立つ。ベース基板104の例は、ガラス、フレキシブルガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、及び他の透明又は半透明材料を含むがこれに限定されない。
【0035】
第一電気コンタクト110及び第二電気コンタクト116は、1又は複数の有機層112及び114を横切って電圧を印加するために使用される。第一電気コンタクト110は、例えば、透明導電酸化物(TCO)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルフォネート)(PEDOT-PSS)のような導電ポリマー層又は薄い金属層で実施可能である。この説明の目的で、第一電気コンタクト110は、TCO層として実施されるように説明される。TCOは、ドープされた金属酸化物であり、TCOの例は、アルミニウム-ドープされた酸化亜鉛(AZO)、インジウム酸化亜鉛(IZO)、ボロンドープされた酸化亜鉛(BZO)、ガリウムドープされた酸化亜鉛(GZO)、フッ素ドープされた酸化スズ(FTO)及びインジウムドープされた酸化スズ(ITO)を含むがこれに限定されない。さらに、第二電気コンタクト116は、電荷キャリアを注入するのに適切な仕事関数を有する金属(例えば、カルシウム、アルミニウム、金、及び銀)で実施可能である。
【0036】
1又は複数の有機層112及び114は、有機エレクトロルミネセンス材料(例:発光ポリマー、蒸着した低分子材料、発光デンドリマ又は分子状にドープされたポリマー)で実施可能である。
【0037】
OLEDでは、1又は複数の有機層112及び114によって放射された光は、ベース基板104を通過する必要がある。しかしながら、高屈折率材料から、より低屈折率材料又は媒体と界面へ光が入射すると、その光は、θc=sin-1(n2/n1)によって定義される臨界角θcより大きい全ての入射角について全反射(TIR)となる(n1及びn2は、それぞれ、高屈折率材料及び低屈折率材料の屈折率である)。同じ理由により、1又は複数の有機層112及び114によって放射された光は、ベース基板104との界面に到達すると、相当な量の光が反射されて1又は複数の有機層112及び114に戻される。
【0038】
これは、機能的光構造を有する内部光取り出し層106の存在によって防止可能である。機能的光構造は、ベース基板104との界面で1又は複数の有機層112又は114によって放射された光の伝播方向を変えることができる。これは、OLED100aへ戻る光の反射(又はTIR)を減少させるのを助ける。内部光取り出し層106上の機能的光構造は、放射された光の伝播方向を回折によって変化させることを容易にするために光の波長のオーダーでの寸法を有する形状を含んでもよい。内部光取り出し層106上の機能的光構造は、放射された光の伝播方向を屈折によって変化させることを容易にするために光の波長より大きい寸法を有する形状を含んでもよい。従って、TIRを除去又は減少させる吸収及び散乱要素として働く機能的光構造を有する内部光取り出し層106の存在は、OLED100aの効率を増大させる。同様に、外部光取り出し層102は、ベース基板104と周囲媒体の間の界面でのTIRを減少又は除去する
【0039】
機能的光構造は、回折又は屈折による光伝播方向の変化を引き起こすことができる。通常、光の波長のオーダーでの寸法を有する機能的光構造は、通常、回折によって光伝播方向を変化させる。回折によって光伝播方向を変化させる機能的光構造の例は1D回折格子及び2D回折格子を含むがこれに限定されない。光の波長より大きい寸法を有する機能的光構造は、通常、屈折によって光伝播方向を変化させる。屈折によって光伝播方向を変化させる機能的光構造の例は、レンズ、コーン、及びピラミッドを含むがこれに限定されない。
【0040】
さらに、大面積OLEDの場合、第一電気コンタクト110のTCO層によって提供される導電度は、十分でなく、大面積OLEDでの電圧降下に繋がる。この電圧降下は、大面積OLEDでの不均一な光強度として見ることができる。これは、第一電気コンタクト110に加えて電気回路108を提供することによって防止可能である。電気回路108は、第一電気コンタクト110によって提供される導電度を補うことができる。電気回路108は、高導電度の金属線又はバスバーのグリッド、又は電気グリッド線、又はベース基板104及び第一電気コンタクト110の全表面に渡って電流パスを提供することができる回路の形態にすることができる。例えば、OLEDでは、これは、均一の電圧が全表面に渡って提供され、不均一な発光をもたらす電圧降下がないことを保証する。図では電気回路108は、内部光取り出し層106に設けられ、これによって、電気回路108が内部光取り出し層106の表面の外に突出せず、それによって第一電気コンタクト110が堆積される平坦な表面を提供するように示している。これは、第一電気コンタクト110の厚さの不均一性を防ぎ、電気的な問題又はデバイス劣化を防ぐ。
【0041】
図1bを参照すると、本発明の実施形態による、例示的OPVデバイス100bでの層のスタックを示す。OPVデバイス100bは、透明基板120、光トラッピング層122、電気回路124、第一電気コンタクト126、1又は複数の有機層128及び130、第二電気コンタクト132及びカバー基板134を含むように示す。
【0042】
OPVデバイス100bでは、1又は複数の有機層128及び130に当たる光は、有機層128及び130を通じた電気の生成を可能にし、この電気は、第一及び第二電気コンタクト126及び132によって外部回路へ取り出される。OPVデバイス100bでは、機能的光構造を含む光トラッピング層122は、OPVデバイス100b内に送られた光の光路を増大させるように提供される。同様に、OLED100aについて説明したように、大面積OPVデバイスの場合、第一電気コンタクト126のTCO層によって提供される導電度は、十分でなく、大面積OPVデバイスでの電圧降下に繋がる。この電圧降下は、第一電気コンタクト126に加えて電気回路124を提供することによって防止可能である。電気回路124は、図1aを用いて定義した電気回路108に特性が類似している。
【0043】
図2aに移ると、例示的光電子デバイス(例えば、FIG1a及び1bに示すOLED100a及びOPV100b)を製造する間の例示的ステージの断面図を示す。図示のステージは、1又は複数の溝206及び機能的光構造204がベース基板202上に配置されたラッカー層203上に複製された後である。図1a及び1bを用いて説明した機能的光構造204は、OLED及びOPVデバイスの場合に、それぞれ、光取り出し及び光トラッピングを可能にする。機能的光構造204は、通常、好ましくは周期的及び本質的にほぼ-周期的の一つである、サブミクロンサイズのマイクロテクスチャーである。1又は複数の溝206は、その中に電気回路を保持するように構成されており、光電子デバイス、つまり、OLED100a又はOPV100bでのより良い電流分布及びより小さい電圧降下を容易にする。
【0044】
機能的光構造は、通常、複製プロセスによって光電子デバイス上に形成される。複製プロセスによれば、機能的光構造204のネガ像に対応するマイクロ-テクスチャー表面を有するスタンパーが、ベース基板202上に堆積されたラッカー層203に接触され、それによってラッカー層203上に機能的光構造204をインプリントする。一実施形態では、ラッカー層203は、光電子デバイスの光管理特性をさらに高める散乱粒子を含むことができる。
【0045】
本発明によれば、機能的光構造204を形成するために使用されるスタンパーは、機能的光構造204のネガ像に加えて1又は複数の溝206のネガ像を含む。スタンパーは、図3を用いてより詳しく説明される。
【0046】
一実施形態では、ラッカー層203を形成するために、硬化材料層(例:光硬化樹脂ラッカー又はゾルゲル材料)がベース基板202上に形成される。
【0047】
その後、機能的光構造204及び1又は複数の溝206のネガ像を有するスタンパーが硬化材料層へ押圧される。これによって、機能的光構造204及び1又は複数の溝206が硬化材料層上に同時に複製又はインプリントされる。
【0048】
図2bに移ると、図2aに示されるステージでの例示的光電子デバイスの上面図は、表面に渡って広がり且つ基板の第一部分を占める溝のグリッドの形態での1又は複数の溝206を示す。さらに、機能的光構造204は、図2bで薄いグレースケールの影を有する部分によって表される第二部分を占めるように見ることができる。
【0049】
図に示される機能的光構造204及び1又は複数の溝206は、単なる図示であり、本発明の説明を容易にする目的で提供される。図は、実寸ではなく、本発明の概念の理解を容易にするために提供されることを理解すべきである。
【0050】
さらに、1又は複数の溝206の断面207は、図2aでは長方形で示しているが、本発明が他の断面(例えば、半球断面、四角形断面、及び楕円断面(これらに限定されない))の1又は複数の溝206を有するもので実施可能であることは当業者に明らかであろう。
【0051】
次に、図2c及び2dは、それぞれ、電気回路が1又は複数の溝206に形成される光電子デバイス(例えば、OLED100a)を製造する例示的ステージの断面図及び上面図を示す。電気回路208は、1又は複数の溝206に形成されるように示している。一実施形態では、電気回路208は、1又は複数の溝206に導電材料を印刷することによって形成される。別の実施形態では、電気回路208は、1又は複数の溝206に導電材料を分注することによって形成される。電気回路208を形成するために使用される導電材料のいくつかの例は、銀、アルミニウム、クロム、スズ、カドミウム及びニッケルを含むがこれに限定されない。例示的実施形態では、電気回路208は、ペーストとして導電材料を1又は複数の溝206に塗布することによって形成される。他の例示的実施形態では、電気回路208は、導電材料を1又は複数の溝206にスクリーン印刷し、その後に熱硬化させることによって形成される。電気回路208を形成するための他の例示的プロセスは、1又は複数の溝206内に堆積される導電材料のエバポレーション、溶融分注(melt dispensing)及び粉末焼結を含むがこれに限定されない。
【0052】
一実施形態では、電気回路208は、機能的光構造204の表面の外に突出しないように形成され、それによって第一電気コンタクト(例えば、TCO層)の次の堆積のための表面に電気回路の突出部によるステップ高が無いようになる。これは、第一電気コンタクトの厚さの不均一性を防ぐのを助け、それによって将来の電気的な問題を防ぐ。例えば、電気回路208の最上面(図2cの電気回路208の最大高さを参照)が上部機能的光構造204の表面(図2cの機能的光構造204の最大高さを参照)と実質的に同じ高さであるので、第一電気コンタクトと機能的光構造204の表面の間のギャップが実質的に存在せず、従って、対応する電気的問題が最小化される。
【0053】
さらに、図2dを参照すると、図2cに示されるステージでの例示的光電子デバイスの上面図は、表面に渡って広がるグリッド線の形態での電気回路208を示す。
【0054】
上記の通り、ラッカー層203上に機能的光構造204及び1又は複数の溝206を生成するためにスタンパーを形成する必要がある。図3a、3b、3c及び3dは、本発明の実施形態による、例示的方法を用いることによって例示的スタンパー300の形成の種々のステージの概略図を示す。当業者は、スタンパー300が本発明の範囲から逸脱することなく他のプロセスによって生成可能であることを理解するであろう。
【0055】
スタンパー300は、ベース308、あわせ面310、機能的光構造204に対応するネガ像312及び1又は複数の溝206に対応するネガ像314を含むように示す。図3a、3b、3c及び3dに示される機能的光構造、1又は複数の溝、及びそのネガ像は、例示的スタンパー300の形成の容易な理解のために提供される例示的図示であり、実寸ではなく、前述の図に示される機能的光構造、1又は複数の溝、及びそのネガ像の形状及びサイズに従っていない。
【0056】
図3aは、機能的光構造204の像304及び1又は複数の溝206の像306を有する父基板302を示す。父基板302は、通常、ベース303の上に形成されたフォトレジスト層を有するベース303を含む。父基板302のベース303の例は、ガラス板、半導体ウエハー及び平坦な金属プレートを含むがこれに限定されない。フォトレジスト層の例は、ノボラックのようないずれの相変化材料であってもよい。像304及び像306は、最終的にラッカー層203上に形成したい機能的光構造204及び1又は複数の溝206に実質的に類似している。
【0057】
一実施形態では、機能的光構造204の像304及び1又は複数の溝206の像306を形成するために、フォトリソグラフィープロセス又は熱リソグラフィープロセスがフォトレジスト層に対して実行される。しかしながら、機能的光構造204の像304及び1又は複数の溝206の像306は、レーザービームレコーディング、電子ビームリソグラフィー、電子投影リソグラフィー、ナノインプリントリソグラフィー、機械加工及びホログラフィーのようなプロセスを用いて形成可能であるを理解すべきである。この方法は、フォトリソグラフィープロセスに関連して説明したが、制限的であることを意図しておらず、むしろ本発明の分かりやすい説明を提供するものである。当業者は、像304及び像306は、いくつかの他のプロセス(この段落で述べたものを含むがこれに限定されない)を用いることによって父基板302上に形成可能であることを理解するであろう。
【0058】
プロセスの間にフォトレジスト層は、集束サブミクロン-サイズレーザースポットを用いることによって局所的に照射される。レーザースポットは、静止したスポット下で基板を動かすか又は静止した基板上でスポットを動かすか又は両方の組み合わせによってによってフォトレジスト層に渡って走査可能である。実際の適用では、半径方向に直線的に移動するレーザースポットと、回転する基板の組合せが使用される。別の実施形態では、x、y-ステージを使用して、基板又はレーザースポットを横方向に動かしてもよい。
【0059】
機能的光構造204の像304及び1又は複数の溝206の像306の詳細は、調節可能である。また、このプロセスは、機能的光構造204の像304として種々の特徴及び形状の形成を可能にする。例えば、基板の一定の直線移動とレーザースポットの連続的強度の組み合わせにより、直線形状の特徴が得られる。パルス変調されたレーザースポットの場合には、点線又は破線形状の特徴が得られる。
【0060】
さらに、機能的光構造204の像304及び1又は複数の溝206の像306の高さは、制御可能である。機能的光構造の像304の横方向サイズ特徴も調節可能である。
【0061】
父基板302の現像後、父基板302のネガレプリカを含むスタンパー300が形成される。父基板302は、ラッカー層203上に形成したい機能的光構造204及び1又は複数の溝206に実質的に類似した像304及び像306を含み、スタンパー300は、機能的光構造204及び1又は複数の溝206のネガ像を含むように形成される。例えば、ラッカー層203上に四角形断面溝を望む場合、父基板302は、対応する四角形断面溝を像306に含み、スタンパー300は、対応する四角形断面凸部を含む。
【0062】
この例示的プロセスでは、フォトリソグラフィーでスタンパー300を直接製造する代わりに、父基板302をフォトリソグラフィーで製造し、電気めっきプロセスを用いることによって父基板302からスタンパー300を形成してもよい。大量生産のためにスタンパー300の複数のレプリカを準備する必要があり、フォトリソグラフィーは、複数のプロセスで実施される高価なプロセスである。従って、例示的プロセスは、父基板302のみをフォトリソグラフィーによって形成し、その後に、スタンパー300の複数のレプリカを電気めっきプロセスを用いることによって父基板302から形成可能である。父基板302からスタンパー300を形成するプロセスは、容易な理解のために、「複写」と称する。
【0063】
一実施形態では、父基板302は、電気めっきプロセスを用いることによって複写可能である。しかしながら、他の方法も可能であることを理解すべきである。図3bに移ると、電気めっき法では父基板302に対して、金属(典型的にはニッケル-合金又は銀-合金)層でスパッタし、めっきプロセスのための導電電極及びシード層306を形成する。一実施形態では、スタンパー300は、フレキシブルスタンパー300にすることができ、この場合、スタンパー300は、電気めっき以外のプロセスによって形成可能である。一つの例示的実施形態では、フレキシブルスタンパー300は、熱可塑性ポリマー又はゴムのキャスティングによって形成される。他の例示的実施形態では、フレキシブルスタンパー300は、エポキシのキャスティング(つまり使用の直前にモノマー及び重合開始剤を予備混合すること)によって形成される。さらに他の例示的実施形態では、フレキシブルスタンパー300は、ラッカー材料の光硬化によって形成される。さらに他の例示的実施形態では、フレキシブルスタンパー300は、金属ペースト又は溶液(例えば、Leitsilber、有機液体中の銀分散液)の分注とその後の熱硬化によって形成される。
【0064】
次に、図3cに移ると、スタンパー300がシード層306の上に成長する。スタンパー300は、典型的には、ニッケル又は銀のような金属である。スタンパー300は、次に、父基板302から取り外され、あわせ面310を有するベース308を含む。あわせ面310は、光電子デバイスのベース基板上に堆積されたラッカー層203と接触するスタンパー300表面である。あわせ面310は、図3dに示すように、あわせ面310の第一部分上に機能的光構造204のネガ像312及びあわせ面310の第二部分上に1又は複数の溝のネガ像314をさらに含む。ネガ像312及びネガ像314は、図3a及び3dに照らして説明可能である。ネガ像312は、像304に相補的であり、その逆も成り立つ。例えば、円錐形状が光電子デバイスのラッカー層203上に形成される機能的光構造で所望される場合、父基板302中の像304は、円錐形状を含み、スタンパー300中の像312は、対応する中空円錐を含む。
【0065】
スタンパー300は、機能的光構造の高度に最適化された効率的なデザインを有するという利点を有する。使用される電気めっき法は、サブミクロンサイズスケールでの寸法まで非常に精度が高く、大面積表面にスケールアップするのが容易且つ安価である。これは、機能的光構造がサブミクロンレベルで制御され且つ正確な距離を有する周期的又はほぼ周期的構造として形成されることを可能にする。さらに、1又は複数の溝のサイズ、断面及び配置は、正確に最適化及び制御可能である。
【0066】
図に示されるスタンパー300、ネガ像312及びネガ像314は、単なる例示であり、本発明の説明を容易にする目的で提供したものである。図は実寸ではなく、本発明の概念の理解を容易にするために提供されることを理解すべきである。
【0067】
図4に移ると、本発明の実施形態による、光電子デバイス(例えばOLED100a)を製造する方法400を示すフローチャートを示す。方法400を説明するために、図1、2a、2b、2c、2d、3a、3b、3c及び3d参照するが、方法400が他の適切なデバイスを製造するために実行可能であることは理解されるであろう。さらに、本発明は、方法400にリストされるステップの順序に限定されない。さらに、方法400は、図4に示されるものより多い又はより少ないステップ数を含むことができる。
【0068】
さらに、この説明の目的のために、方法400は、機能的光構造が光取り出しに使用されるOLEDを参照して説明した。しかしながら、本発明が光トラッピングのような光管理目的のOPVデバイスで実施可能であることは当業者に明らかであろう。
【0069】
方法400は、ステップ402で開始される。ステップ404では、実質的に平坦な表面を有する基板(例えばベース基板104)が提供される。
【0070】
その後、ステップ406では硬化ラッカー材料がラッカー層(例えば、ラッカー層203)を形成するためにベース基板104上に塗布される。硬化ラッカー材料の例は、紫外線硬化材料、光硬化樹脂ラッカー、アクリレート、シリカ又はシリカ-チタニアベースのゾルゲル材料、電子的硬化材料及び例えば発熱反応によって硬化を容易にする反応成分の混合物を含むことができるがこれに限定されない。しかしながら、ラッカー層203は、本発明の範囲から逸脱することなく類似の特性を有する材料で形成可能であることは理解すべきである。例えば、ラッカー層203は、ブラシ又はローラー、分注、スロットダイコーティング、スピン-コーティング、スプレーコーティング、又は印刷を用いることによって堆積可能である。
【0071】
その後、ステップ408では、スタンパー(例えばスタンパー300)が提供される。スタンパー300は、あわせ面310に機能的光構造204のネガ像312及び1又は複数の溝206のネガ像314を含む。ステップ410では、スタンパー300は、硬化ラッカー材料と接触され、機能的光構造204及び1又は複数の溝206をラッカー層203上に同時に複製する。図2aを参照すると、ベース基板202上の1又は複数の溝206及び機能的光構造204の形成を見ることができる。
【0072】
一実施形態では、ステップ410は、複数のサブステップで行うことができる。まず、ラッカー層203がラッカー層203の材料のガラス転移温度のすぐ上の温度にまで加熱される。これは、ラッカー層203を軟化させる。第2に、スタンパー300は、軟化したラッカー層203に対して加圧される。この加圧は、ラッカー層203上に機能的光構造204及び1又は複数の溝206の複製を可能にする。その後、機能的光構造204及び1又は複数の溝206を有するラッカー層203が冷却され、軟化状態から室温での通常硬度に戻る。
【0073】
別の実施形態では、ステップ410は、スタンピングと、その後の光硬化プロセスを用いてラッカー層203の表面上に機能的光構造204及び1又は複数の溝206を固定することによって実施可能である。
【0074】
別の実施形態では、ステップ410は、スタンピングと、その後の加熱を用いてラッカー層203の表面上に機能的光構造204及び1又は複数の溝206を固定することによって実施可能である。
【0075】
さらに別の実施形態では、ラッカー層203及び機能的光構造206がなく、1又は複数の溝は、サブストレート202に直接スタンピングすることによって形成される。
【0076】
方法400は、ラッカー層203上に周期的又はほぼ-周期的機能的光構造204及び1又は複数の溝206を同時に形成することを可能にし、それによって光電子デバイスを製造する間の生産時間を低減する。
【0077】
その後、ステップ411では、電気回路(例えば、電気回路208)が1又は複数の溝206に形成される。一実施形態では、電気回路208は、1又は複数の溝206内に導電材料を印刷することによって形成される。別の実施形態では、電気回路208は、導電材料を1又は複数の溝206内に分注(dispensing)することによって形成される。例示的実施形態では、電気回路208は、ペーストとして導電材料を1又は複数の溝206に塗布することによって形成される。他の例示的実施形態では、電気回路208は、導電材料を1又は複数の溝206にスクリーン印刷し、その後に熱硬化することによって形成される。他の例示的実施形態では、電気回路208は、1又は複数の溝206に導電材料をインクジェット印刷し、その後に熱硬化することによって形成される。電気回路208を形成するための他の例示的プロセスは、1又は複数の溝206内に堆積される導電材料のエバポレーション、溶融分注及び粉末焼結を含むがこれに限定されない。
【0078】
電気回路208の形成の一実例は、銀のペーストのスクリーン印刷と、銀を焼結するためのその後の熱アニーリングを含んでもよい。
【0079】
電気回路208の形成の他の実例は、溶融金属(例:スズ、カドミウム及び他の低融点金属)のインクジェット印刷を含んでもよい。
【0080】
次に、ステップ412では、TCO層(例えば第一電気コンタクト110)は、内部光取り出し層106上に従来の既知の方法で堆積される。第一電気コンタクト110は、種々の方法(例:ディップコーティング、スピンコーティング、ドクターブレード、スプレーコーティング、スクリーン印刷、スパッタリング、ガラスマスタリング、フォトレジストマスタリング、電鋳法、及びエバポレーション)を用いることによって堆積可能である。一実施形態では、第一電気コンタクト110は、アノードとして役立つ。
【0081】
その後、ステップ414では、1又は複数の有機層(例えば1又は複数の有機層112及び114)は、第一電気コンタクト110上に堆積される。1又は複数の有機層112及び114は、種々の方法(例:ディップコーティング、スピンコーティング、ドクターブレード、スプレーコーティング、スクリーン印刷、スパッタリング、ガラスマスタリング、フォトレジストマスタリング、全ての種類のCVD、電鋳法、及びエバポレーション)を用いることによって堆積可能である。
【0082】
その後、ステップ416及び418では、第二電気コンタクト及びカバー基板が従来の方法を用いて形成される。その後、方法400は、ステップ420で完了する。
【0083】
上記の種々の実施形態は、光電子デバイスの機能的光構造及び1又は複数の溝を同時に形成する方法を提供する。本発明によって提供される方法は、いくつかの利点を有する。この方法は、スタンパーの使用を可能にするので、最適化され且つ効率的な機能的光構造を形成するために最も可能性がある技術が使用可能である。また、電気回路を保持するための1又は複数の溝が同時に転写されるので、光電子デバイスを製造する全ステップ数が減少し光電子デバイスを製造する時間とコストが減少する。
【0084】
さらに、本発明に従って(つまり、溝内に)堆積された電気回路は、ラッカー層の表面の外に突出せず、平坦な表面が得られ、この上に、第一電気コンタクトが堆積される。これは、第一電気コンタクトの厚さの不均一性を防ぎ、例えば光電子デバイスでのショートによるその後の電気的な問題又はデバイス劣化を防ぐ。
【0085】
さらに、電気回路が1又は複数の溝内に形成されるので、電気回路の形状及び断面は、1又は複数の溝の断面を制御することによって制御可能である。本発明の前に、電気回路は、スクリーン印刷によってラッカー層上に堆積していた。ガイドするテンプレート(例えば、本発明の1又は複数の溝)が存在しないので、電気回路の形状及び断面は、堆積プロセスによって制御できなかった。本発明は、高アスペクト比(つまり、高さに対する幅の比)の1又は複数の溝(又は電気回路の断面)を有する電気回路を形成し、光管理、応力緩和、又は他の特性のような機能を付与することを可能にする。例えば、特定の断面(例えば、ブロック-形状、V-形状又は放物線形状)の電気回路を得るために、対応する形状の1又は複数の溝をラッカー層上に複製する。
【0086】
V-形状断面の1又は複数の溝が使用される場合、本発明は、より高度な光管理を可能にする。1又は複数の溝に形成されたV-形状電気回路は、光の一部がガラス基板へ導波されることを防ぎ、従って、OLEDでの光取り出しを増大させる。
【0087】
さらに、1又は複数の溝の使用により、電気回路を形成するためにより広い範囲の材料が使用可能になる。例えば、より低粘度の導電材料が、例えば1又は複数の溝にインクジェット印刷することによって、使用可能になる。これは、このような材料が溝の外に広がる機会を減少させる。さらに、例えばスクリーン印刷を用いることによって、より高粘度材料が使用可能である。
【0088】
一般に、従来技術では、電気回路は、第一電気コンタクト(例えば、TCO層)を貫通し、光電子デバイスのショートを引き起こす能力を有していた。しかしながら、本発明では、電気回路は、突出していないので、ショートの機会が最小化される。より低粘度の導電材料が電気回路に使用されると、この利点は、より顕著である。TCO層が堆積される表面がより平滑になり、電気回路突出の効果がさらに最小化されるからである。
【0089】
好ましい実施形態に基づいて本発明の開示を行ってきたが、種々の修正及び改良は、当業者に明らかになるであろう。従って、本発明の精神及び範囲は、前記例によって制限されず、法律によって許容される最も広い意味で理解される。
本明細書中で参照した全ての文献は、ここに参照取り込みされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基板上に機能的光構造及び1又は複数の溝を同時に形成する方法であって、前記1又は複数の溝は、電気回路を保持するように構成されており、前記ベース基板は、光電子デバイスで使用され、前記方法は、
前記ベース基板上にラッカー層を形成し、
スタンパーを用いて前記ラッカー層上に前記1又は複数の溝及び前記機能的光構造を同時に複製し、
前記1又は複数の溝に前記電気回路を形成する工程を備え、
前記スタンパーは、あわせ面によって定義され、前記あわせ面は、前記第一部分上に1又は複数の溝及び前記第二部分上に機能的光構造のネガ像を有し、前記機能的光構造は、光トラッピング及び光取り出しの一つを可能にする、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記電気回路の形成は、前記1又は複数の溝を導電材料で充填することを備える、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記ラッカー層を熱、光、紫外線放射、圧力、電流の少なくとも1つに曝すことによって前記ラッカー層を硬化することをさらに備える、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記ラッカー層用の材料は、反応によって前記ラッカー層の硬化を容易にすることができる1又は複数の反応成分の混合物である、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記複製は、
前記ラッカー層のガラス転移温度より高い温度に前記ラッカー層を加熱し、それによって前記ラッカー層を軟化させ、
前記スタンパーを前記ラッカー層に対して押し付け、それによって前記ラッカー層上に前記1又は複数の溝及び前記機能的光構造の複製を可能にし、
前記ラッカー層を冷却する工程を備える、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記1又は複数の溝は、長方形断面を有する、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記電気回路は、前記ラッカー層から突出しない、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記電気回路は、前記光電子デバイスでは電圧降下を効果的に減少させる、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記ラッカー層は、散乱粒子を備える、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、前記光電子デバイスは、有機太陽電池(OPV)、有機発光デバイス(OLED)及び薄膜太陽電池(TF-PV)の一つである、方法。

【図1】
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【図2a−b】
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【図2c−d】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−216782(P2012−216782A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−49288(P2012−49288)
【出願日】平成24年3月6日(2012.3.6)
【出願人】(508064610)モーザー ベイアー インディア リミテッド (13)
【Fターム(参考)】