説明

電気ケーブル又は電線の製造に特に有用な熱架橋可能なポリオルガノシロキサン組成物

本発明は、高温架橋処理、すなわち、約100〜200℃あるいは必要であれば250℃までの材料温度における架橋処理により、シリコーンエラストマーにすることができるポリオルガノシロキサン組成物に関する。また、本発明は、耐火性の電線又は電気ケーブルの一部を構成する覆い又は一次絶縁体を製造するための当該組成物の使用に関する。そして最後に、本発明は、当該組成物を用いて製造される耐火性の電線又は電気ケーブルに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温架橋処理、すなわち、約100〜200℃あるいは必要であれば250℃までの材料温度における架橋処理により、シリコーンエラストマーにすることができるポリオルガノシロキサン組成物に関する。また、本発明は、耐火性の電線又は電気ケーブルの覆い又は一次絶縁体の一部を、特に押し出し成形によって製造するための当該組成物の使用に関する。そして最後に、本発明は、当該組成物を用いて製造される耐火性の電線又は電気ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
「耐火性の電線又は電気ケーブル」という表現は、少なくとも灰凝集や煙濃度に関して高い防火性能を保証することが要求される電線又は電気ケーブルを定義することを意図している。耐火性の電線又は電気ケーブルによって示されるべき特徴は多くの国の法的規制項目を形成し、厳格な標準化が行われた。
【0003】
電気ケーブルは、公知技術と同様、通常、銅又はアルミニウムを用いた一芯導線で構成される。これら一芯導線は、それぞれ、シリコーンエラストマーを用いた1又はそれ以上の同心円層で形成された覆い又は一次絶縁体で保護されている。この覆い、又はこれらの覆い(複芯の導線の場合)の周りには、特に、ガラス繊維及び/又は鉱物繊維を用いた1又はそれ以上の包装剤、及び/又は、1又はそれ以上の補強充填剤が設けられている。そして、さらにその周りには1又はそれ以上の外部カバーが設けられている。複芯の導線の場合、包装剤及び/又は補強充填剤は、一芯導線の周りに配置され(それぞれその一次絶縁体を備えている)、全ての一芯導線に共通した覆いを構成している。電気ケーブルの一部を形成するシリコーンエラストマーは基本的に一次絶縁体の構成材料であるが、比率を変えて、包装剤、及び/又は、補強充填剤(複芯の導線の場合には共通の覆いを構成している)、及び/又は、外部カバーに設けてもよい。
【0004】
各一芯導線の覆い又は一次絶縁体を構成するシリコーンエラストマーを用いた同心円層の数、及び、各同心円層の壁の厚さは、基本的に、上記基準項目に従った稼働を維持するために課される要求に依存する。一般的に言えば、少なくとも約0.5mm、好ましくは、少なくとも約0.8mmの厚さの1層又は2層の同心円層を用いることによってそのような稼働をすることが望ましい。
【0005】
例えば、フランス国において、電気ケーブルの耐火性試験に関し、さらにその試験に適合しなければならない1つの重要な基準は、基準NFC32−070CR1であり、それは限定条件下で燃焼する電気ケーブルの稼働時間に関する。耐火性は、電気ケーブルの稼働のための十分な絶縁性の維持を可能にするような灰の生産量に基づいており、それは特定の凝集性を示すことが求められている。この試験において、各ケーブルサンプルは、金属チューブ内に設けられており、その金属チューブ自体は、50分間で920℃に到達し、その温度がその後15分間維持される加熱炉内に設けられている。この試験の間、ケーブルサンプルは規則的な衝撃を受ける(衝撃は、1分間に2回金属チューブを打つ衝撃棒により与えられる)。当該試験は、当該ケーブルに接続され、わずかの電圧で機能するコントロールランプが試験の最後(すなわち、65分後)でも消灯しなければ、合格とされる。複数回の試験のうち、少なくとも80%が合格していれば、上記基準を満たすものとされる。
【0006】
耐火性試験に関し、また満たさなければならないもう一つの重要な基準は、国際基準 IEC 61 034のパート1及び2である(IECは、国際電気技術委員会の略称である)。当該基準は、限定条件下における電気ケーブルの燃焼によって発生する煙の濃度の測定値に関する。この試験において、光線透過率は、限定条件下におけるアルコールの炎で電気ケーブルを燃焼させて発生した煙により不透明となった27m3の体積の小さなチャンバー内で測定される。光線透過率が少なくとも60%であれば、上記基準を満たすものとされる。
【0007】
上記各基準は、延焼の抑制という観点から、少なくともその一次絶縁体材料が特定の研究対象である電線や電気ケーブルに対してだけ満たされ得る。実際、公知技術により、適切なポリオルガノシロキサン組成物の高温架橋処理で得られるシリコーンエラストマーを用いた一次絶縁体材料は延焼抑制試験に合格することが観察されている。シリコーンエラストマーが燃焼すると、特定の凝集性を備えた灰の絶縁物質に転化し、エラストマーの分解で生じる揮発性残渣の自己発火に由来する白煙を発生する。
【0008】
公知技術において、高温で架橋してシリコーンエラストマーに転化することが可能なポリオルガノシロキサン組成物は、火災の際に、特定の凝集性を備えた絶縁性の灰物質を形成し、ケーブルの燃焼時間を長引かせるように、過酸化物の触媒作用で架橋するポリオルガノシロキサン重合体と、流動型及び/又は薄板型の増量剤とを備え、単独で存在してもよく、白金又は酸化金属と結合していてもよい。上述したものは、ZnO(流動剤として)及びマイカ(薄板状増量剤として)、さらにはそれらが随意的に白金及び/又は例えば酸化チタン及びFe34等の酸化金属と結合したものの使用を提案しているEP−A−0 467 800に記載されている。
【0009】
従来技術の例として、国際公開第01/34696号には、
−ポリオルガノシロキサン重合体を少なくとも1種含む成分a)を100部と、
−少なくとも1種の補強充填剤を5〜80部と、
−有機過酸化物を0.2〜8部と、
−マイカを8〜30部と、
−酸化亜鉛を6〜20部と、
−ポリオルガノシロキサン組成物の高温架橋化の分野において慣用的に用いられる少なくとも1種の添加物を0〜15部と、
を含み、
前記組成物は、さらにその他の必須の成分として、
−白金、白金化合物及び/又は白金錯体を0.0010〜0.02部と、
−酸化チタンを2〜10部と、
−少なくとも1種の増量剤を含む成分i)を50〜120部と、
を含むことを特徴とする、高温で架橋してシリコーンエラストマーに転化することができるポリオルガノシロキサン組成物が開示されている。
【0010】
他の組成物として、国際公開第01/34705号には、
a)少なくとも1種のポリオルガノシロキサン重合体と、
b)少なくとも1種の補強充填剤と、
c)有機過酸化物と、
d)マイカと、
e)酸化亜鉛と、
f)随意的に、ポリオルガノシロキサン組成物の高温架橋化の分野において慣用的に用いられる少なくとも1種の添加物と、
を含み、
前記組成物は、さらにその他の必須の成分として、
g)白金、白金化合物及び/又は白金錯体と、
h)酸化チタンと、
i)少なくとも1種の増量剤と、
j)珪灰石類に属する少なくとも1種の鉱物と、
を含むことを特徴とする、高温で架橋して改良された耐火性を有するシリコーンエラストマーに転化することができるポリオルガノシロキサン組成物が開示されている。
【0011】
最後に、国際公開第2004/064081号には、
a)少なくとも1種のポリオルガノシロキサン重合体と、
b)少なくとも1種の補強充填剤と、
c)有機過酸化物と、
d)マイカと、
e)酸化亜鉛と、
f)随意的に、ポリオルガノシロキサン組成物の高温架橋化の分野において慣用的に用いられる少なくとも1種の添加物と、
g)白金、白金化合物及び/又は白金錯体と、
h)酸化チタンと、
i)少なくとも1種の増量剤と、
j)随意的に、珪灰石類に属する少なくとも1種の鉱物と、
を含み、
前記組成物の増量剤i)は、表面処理済みの水酸化アルミニウム(Al(OH)3)粉末で構成されることを特徴とする、高温で架橋してシリコーンエラストマーに転化することができるポリオルガノシロキサン組成物の使用が開示されている。
【特許文献1】国際公開第01/34696号パンフレット
【特許文献2】国際公開第01/34705号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2004/064081号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、これまで提案されてきた、このような高温で架橋してシリコーンエラストマーに転化することができるポリオルガノシロキサン組成物は、特に当該組成物の製造及び使用という観点から完全に満足できるものではない。具体的には、これらの組成物には、工業生産の際や、電線又は電気ケーブルの製造工程における押し出し成形の際の取り扱い(又は処理性)を複雑にさせる粘着性を有するという欠点がある。さらに、セラミック化、電気ケーブルの燃焼により発生する煙の低濃度化、エージング前後の機械的特性、及び、製造物の使用の容易性(又は処理可能性)という観点から、妥協案がなお検討されている。
【0013】
従って、本発明の目的は、少なくとも以下の点;
・本発明に係る組成物全てについて、一方で、500ボルトにおいて基準NFC32−070CR1に適合する良好な灰凝集力、
・基準IEC61 034のパート1及び2に従って、80%以上の透過率という目標を一般的に達成させる低煙濃度の良好な維持能力、
を意識した、単に一次絶縁体を形成するときでさえ耐火性能がとても高く、従来技術のように弊害のある粘着性をもはや有さず、工業生産において重要な利点である処理容易性を備えたポリオルガノシロキサン組成物をより容易に処理して形成することができる電線及び電気ケーブルを提供し得る、高温で架橋してシリコーンエラストマーに転化することができるポリオルガノシロキサン組成物を作製することである。
【0014】
本発明のもう一つの目的もまた、改良された燃焼安定性を備えると同時に、未回復状態及び回復状態のいずれにおいても、特にIEC 2のケーブル基準(特に、ショアA硬度、引っ張り強度、破線長及び弾性率の点から)に従って200℃の温度下で10日経過した後でも良好な機械特性を備える、高温で架橋するポリオルガノシロキサン組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
高温で架橋してシリコーンエラストマーに転化することができるポリオルガノシロキサン組成物が現在発見されており、それは本発明の第一の主題を構成し、少なくとも灰凝集力や煙濃度に関する上述の改良点を実現する一方で、形成されるシリコーンエラストマーの良好な機械的特性を得ることを目的として、特に、従来技術を使用したときと比べて改良された耐火性を備えた電線又は電気ケーブルの製造分野において用いることができる。
【0016】
より詳細には、本発明はその第1の主題において、
a)少なくとも1種のポリオルガノシロキサン重合体と、
b)少なくとも1種の補強充填剤と、
c)少なくとも1種の有機過酸化物と、
d)マイカと、
e)酸化亜鉛と、
f)随意的に、ポリオルガノシロキサン組成物の高温架橋化の分野において慣用的に用いられる少なくとも1種の添加物と、
g)白金、白金化合物及び/又は白金錯体と、
h)酸化チタンと、
i)少なくとも1種の増量剤と、
j)随意的に、珪灰石類に属する少なくとも1種の鉱物と、
k)少なくとも1種の半補強充填剤k)と、
を含み、
前記組成物の半補強充填剤k)が、
−焼成カオリン粉末、好ましくは化学的に表面処理された焼成カオリン粉末、
−タルク、
−例えば、ビニルシラン、アミノシラン又は(反応性又は非反応性の)シリコンオイルによって表面処理された、又は、表面処理されていない炭酸カルシウム、及び、
−それらの混合物
で構成される群から選択されることを特徴とする、高温で架橋してシリコーンエラストマーに転化することができ、特に耐火性が改良された電線又は電気ケーブルの製造の分野で用いることができるポリオルガノシロキサン組成物に関する。
【0017】
つまり、本出願人は、本発明の組成物における特別な半補強充填剤k)の使用により、電線又は電気ケーブルの利用において優れた妥協が提供され、さらに、
−劣化(200℃で10日)の前後におけるエラストマーの良好な機械的特性、
−良好な灰凝集力、
−良好な低煙濃度維持能力、
−良好な押し出し特性、及び、
−従来の組成物に対する、改良された組成物の使用(又は処理性)の容易性
を得ることが可能となることを発見した。
【0018】
カオリンは、大部分が以下の種:Al23.2SiO2.2H2Oで構成されるアルミノケイ酸塩である。カオリンの物理的特性は、高温(700〜1200℃)で処理(焼成)されて変化している。焼成は、粒子をより白くしており、粒子の親水性及び導電性を低下させている。焼成カオリンの化学的表面処理の特性は、(反応性又は非反応性)シリコーンオイル、ビニルシラン又はアミノシランに基づく処理の選好に限定されない。
【0019】
限定されないが、それらの濃度は約2.6であり、比表面積は8〜20m2/gである。また、粒子径は0.5〜1.5μmである。
【0020】
このように、本発明に係る組成物は、0〜4重量%、好ましくは、0.01〜3重量%のビニル基を含む少なくとも1種のポリオルガノシロキサン重合体a)を含んでいる。これらのポリオルガノシロキサン重合体a)が25℃で50000〜1000000mPa.sの粘性を有するときはオイルと呼ばれるが、1000000mPa.sを超えるときはゴムと呼ばれる。本発明の組成物において、ポリオルガノシロキサン重合体は、オイル、ゴム又は混合物である。これらのポリオルガノシロキサン重合体は、ジオルガノシロキサン鎖が本質的に化学式R2SiOの群で構成された線状重合体である。この鎖は、化学式R3Si0.5の一群及び/又はOR’基で両端が終了する。これらの化学式において:
− Rは、同一又は異なるものであり、以下のような一価の炭化水素基を表す。;例えば、メチル、エチル、プロピル、オクチル、オクタデシル等のアルキル基;例えば、フェニル、トリル、キシリル等のアリル基;例えば、ベンジル、フェネチル等のアラルキル基;例えば、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロヘキセニル基等のシクロアルキル基及びシクロアルケニル基;例えば、ビニル又はアリル基等のアルケニル基;例えば、シアノエチル基等のアルカリル基及びシアノアルキル基;例えば、クロロメチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、クロロフェニル、ジブロモフェニル及びトリフルオロメチルフェニル基等のハロアルキル、ハロアルケニル及びハロアリル基;
− R’は、水素原子、1〜4の炭素原子を含むアルキル基、又は、β−メトキシエチル基を表す。
【0021】
好ましくは、R群の少なくとも60%がメチル基である。しかしながら、ジオルガノポリシロキサン鎖について、R2SiO以外の群、例えば、RSiO1.5及び/又はSiO2の群は、2%の比率を超えない程度に微量に存在していてもよい(この%値は、100シリコーン原子当たりのT及び/又はQの群の数を示す)。
【0022】
化学式R2SiO及びRSiO0.5の群、及び、OR’基の具体的な例としては、以下のようなものであってもよい。
(CH32SiO、CH3(CH2=CH)SiO、CH3(C65)SiO、(C652SiO、CH3(C25)SiO、(CH3CH2CH2)CH3SiO、CH3(n−C37)SiO、(CH33SiO0.5、(CH32(CH2=CH)SiO0.5、CH3(C652SiO0.5、CH3(C65)(CH2=CH)SiO0.5
OH、−OCH3、−OC25、−O−n−C37、−O−iso−C37、−O−n−C49、−OCH2CH2OCH3
【0023】
これらのオイルやゴムは、シリコーン製品として販売されている。また、それらは、公知技術によって製造されていてもよい。
【0024】
補強充填剤b)は、熱分解シリカ、沈降シリカ、又は、それら2種の混合物で構成されている。使用し得るシリカとしては、微粒子径、大抵は0.1μm以下の径、及び、一般的には約50〜300m2/g以上の範囲の、重量に対する比表面積の高い割合を特徴とする増量剤で構成されている。この種のシリカは、商業的に利用できる製品であり、シリコーンゴム産業において周知である。これらのシリカは、発熱工程(いわゆる発熱シリカ又はヒュームドシリカ)、あるいは、ウェット工程(沈降シリカ)によって製造される。また、これらのシリカは、通常この目的で使用されるオルガノシロキサン組成物で処理されていてもよく、処理されていなくてもよい。化学的性質及び製造工程は、完成後のエラストマーで強化作用を発揮し得るならば、本発明の目的にとって重要ではない。もちろん、種々のシリカを切断して用いてもよい。
【0025】
成分c)を含む有機過酸化物は、シリコーンエラストマーを形成する組成物に対して架橋剤として機能するそれらの試剤のいずれか1つであってもよい。従って、それは、例えば、ジターシャルブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、モノクロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ターシャルブチルパーアセテート、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジパーベンゾエート、及び、2,5−ビス(ターシャルブチルパーオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン等のような、シリコーンエラストマーと共に用いられることが知られている過酸化物又は過酸エステルのいずれかであってもよい。押し出し成形による電気ケーブル又は電線の製造の間、過酸化物の選択は、実際はエラストマーを回復させるために採用する工程(架橋工程)による。架橋工程が、例えば、熱風炉及び/又は(赤外線)放射を用いた圧力存在下で行われるとき、用いられる過酸化物は、好ましくは、モノクロロベンゾイルパーオキサイド、及び/又は、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドである。架橋工程が、例えば、蒸気管を用いた圧力存在下で行われるとき、用いられる過酸化物は、好ましくは、2,5−ビス(ターシャルブチルパーオキシ)−2,5−ジメチルヘキサンである。
【0026】
本発明の組成物の成分d)を含むマイカは、白雲母タイプ又は金雲母タイプのものであってもよい。マイカの粒子径は、組成物の成分において均一分散し得るほど小さければ、特に重要ではない。マイカは、好ましくは、100μmより小さい粒子径の粉末状又は粉状のものが用いられる。
【0027】
本発明の組成物の成分e)を含む酸化亜鉛は、白色又はわずかに黄色がかった粉末である。
【0028】
成分g)の白金は、基本的な白金族、又は、特に塩化白金酸(例えば、ヘキサクロロ白金酸 H2PtCl6);又は、白金混合物及び有機製品の混合物、例えば、特に白金の混合物及びビニルオラガノシロキサンの混合物(例えば、カールシュテット混合物)、化学式(PtCl2.olefin)2及びH(PtCl3.olefin)で表される化合物(ここで、olefinは、エチレン、プロピレン、ブチレン、シクロヘキセン又はスチレンを示す)の混合物、及び、塩化白金及びシクロプロパンの混合物を形成していてもよい。
【0029】
酸化チタンh)は、白色の粉末である。
【0030】
増量剤i)は、より一般的には、結晶シリカ又はアルミナ、又は、これら2種の混合物である。アルミナとしては、分散性の高いアルミナを用いるのが有利である。このアルミナは、周知の形態でドープされてもよく、されなくてもよい。もちろん、種々のアルミナを切断して用いてもよい。限定されないが、このようなアルミナの例として、Baikowski社のアルミナA125、CR125及びD65CR、又は、Nabaltec社のアルミナ(例えば、AP40VS1)を用いても良い。
【0031】
結晶シリカは、しばしば0.1μmより大きい粒子径を有している。「結晶シリカ」という用語は、破砕石英及び珪藻土を意味するものとして理解される。もちろん、種々の結晶シリカを切断して用いてもよい。増量剤i)は、好ましくは、破砕石英である。
【0032】
本発明の組成物は、さらに、任意の成分として、珪灰石群に属する鉱物j)を少なくとも1種含んでいる。珪灰石群は、次の鉱物種を有している。メタケイ酸カルシウム(CaSiO3)又は珪灰石;混合メタケイ酸カルシウムナトリウム(NaCa2HSi39)又は曹灰針石;及び、混合メタケイ酸カルシウムマンガン[CaMn(SiO32]又はバスタム石。もちろん、これらの様々な種の混合物を用いることも可能である。成分j)を1種用いるとすると、珪灰石が好ましい。珪灰石は、2つの形態で存在する。すなわち、化学者にα−CaSiO3として表示されて、通常自然な状態で発見される珪灰石自身、及び、疑似珪灰石又はβ−CaSiO3である。より好ましくは、珪灰石α−CaSiO3が用いられる。珪灰石種に属する鉱物種j)は、表面処理されていなくてもよいし、水酸化アルミニウム粉末に関して上述したタイプのオルガノシリコーン化合物で処理されていてもよい。
【0033】
具体的に上述した成分a)、b)、c)、d)、e)、g)、h)、i)及びj)に加えて、本発明に係る組成物は、さらに随意的に、例えば、特に、少なくとも1種の抗構造化物f1);及び/又は、少なくとも1種のポリシロキサン樹脂f2);及び/又は、少なくとも1種の安定化剤f3);及び/又は、染色された電線及び電気ケーブルを製造するための少なくとも1種の顔料f4);及び/又は、少なくとも1種のホウ素化合物f5)等の、1種又はそれ以上の補助的な添加物f)を含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明の好ましい実施形態によれば、当該組成物は、高温で架橋してシリコーンエラストマーに転化することができる組成物であり、ポリオルガノシロキサン重合体a)100重量部に対し:
−補強充填剤b)を15〜100部と、
−有機過酸化物c)を0.2〜8部と、
−マイカd)を0.5〜30部と、
−酸化亜鉛e)を0.2〜10部と、
−補助添加物f)を0〜15部と、
−(基本的な)白金族で示される成分g)を0.0005〜0.02重量部(すなわち、5〜200ppm)と、
−酸化チタンh)を0.5〜10部と、
−増量剤i)を20〜100部と、
−珪灰石群に属する1種又はそれ以上の種j)を0〜10部、及び、
−半補強充填剤k)を1〜100部、好ましくは20〜80部、さらに好ましくは40〜70部と、
を含んでいる。
【0035】
補助添加物f)に戻れば、それらの1種又はそれ以上が用いられるとき、より具体的には(ポリオルガノシロキサン重合体100重量部当たり)、補助添加物f)は、
−25℃で10〜3000mPa.sの粘性を有し、両端が水酸基で終結するポリジメチルシロキサンオイル、及び/又は、25℃で10〜1000mPa.sの粘性を有し、両端が水酸基で終結するポリ(メチルビニル)シロキサンオイルに基づく抗構造化物f1)を0.1〜15重量部;及び/又は、
−本質的に、R'''3SiO0.5及びSiO4/2の群(R'''は、随意的に、7炭素原子未満のハロゲン化した1価の炭化水素族であり、SiO4/2に対するR'''3SiO0.5の重量比が0.5/1〜1/2/1である。)で構成されるMQと呼ばれる樹脂;本質的にHR'''2SiO0.5及びSiO2の群(R'''は、上述したものであり、SiO2に対するHR'''2SiO0.5の重量比は、0.5/1〜10/1である。)で構成されるM'Q樹脂;で示されるポリシロキサン樹脂f2)を0.1〜5部、及び/又は、
−例えば、特に、鉄オクトエートやセリウムオクトエート(より具体的には、0.01〜1部の比率範囲);酸化セリウム、水酸化セリウム又は酸化鉄(より具体的には、0.1〜4部の比率範囲);酸化物CaO、酸化物MgO(より具体的には、0.01〜0.4部の比率範囲);等の鉄やセリウムの塩等の有機酸の金属塩の安定化剤f3)を0.01〜4部;及び/又は、
−有色顔料f4)を0.01〜5部;及び/又は、
−例えば炭素原子を1〜3個有するアルキルエステル型のホウ酸及びその誘導体等のホウ素化合物f5)を0.01〜3部含み;
−添加物の総量は、1種又はそれ以上が用いられるとき、通常得られる組成物の場合は15重量部であり、好ましい組成物の場合は12重量部であり、さらに好ましい組成物の場合は10重量部である。
【0036】
本発明の1つの好ましい実施形態によれば、灰凝集性を改善するために、水酸化セリウムが合計0.1〜10部存在している。
【0037】
本発明に係る組成物を製造するために、種々の成分が、任意の順で組み込むことができるシリコーンエラストマー業界で周知の装置を用いて密接に混ざり合わされる。
【0038】
さらに、本発明の第2の主題によれば、本発明は、特に、耐火性電線又は電気ケーブルの構成に用いられる覆い又は一芯導線の一次絶縁体の製造について示されるポリオルガノシロキサン組成物の使用に関する。
【0039】
第3の主題によれば、本発明は、第1の主題に従い、ポリオルガノシロキサン組成物を用いて製造される電線又は電気ケーブルに関する。
【0040】
そのような使用という脈絡の中で、本発明の組成物は、標準的な方法、特に、押し出し法によって導線の周りに堆積する。このように堆積する材料は、その後、シリコーンエラストマーで構成された一次絶縁体を形成するために、加熱により架橋される。加熱時間は、もちろん材料の温度や作業圧力で異なる。材料の温度は、一般的に、100〜200℃の範囲である。例えば、クロスヘッドを備えた連結押し出しラインや共押し出しラインを用いて2層又はそれ以上の層を同時に堆積させることが可能である。
【0041】
本発明は、また、耐火電線又は電気ケーブルの構成に用いられる1又はそれ以上の一芯導線の覆い又は一次絶縁体の製造のための本発明の第1の主題によれば、ポリオルガノシロキサン組成物の使用に関し、前記組成物を各一芯導線の周りに堆積させる工程と、その後100〜200℃の範囲の材料温度まで加熱することによりそれを架橋させてシリコーンエラストマーに転化させる工程とを備えている。本発明は、また、上述したようなポリオルガノシロキサン組成物の使用により製造された耐火電線又は電気ケーブルに関する。
【0042】
本発明に係る電線又は電気ケーブルは、煙濃度が、基準IEC61 034のパート1に従って80%の光透過率を実現する程度に低く、500ボルトの電圧下で基準NFC32−070CR1に適合する。
【0043】
本発明の他の特徴や利点は、以下にもっぱら指摘している実施例を考慮すればより明確となる。
【0044】
(実施例及び比較例A)
1.本発明に係る組成物(すべての部は、重量によって示されている。)
1.1 準備
以下のものを、室温(23℃)で2時間、Z型の刃を有するミキサー粉砕機の中で混合した。
− 120ppmのビニル基を含み、25℃で2000万mPa.sの粘性を有する、ジメチルビニルシロキシ基で両端が終結するポリジメチルシロキサンであるポリオルガノシロキサンa)65部
− 鎖内に720ppmのビニル基を含み、25℃で2000万mPa.sの粘性を有する、トリメチルシロキシ基で両端が終結するポリジメチルメチルビニルシロキサンであるポリオルガノシロキサンa)35部
− D4(オクタメチルシクロテトラシロキサン)−200m2/gの比表面積を有している、処理した熱分解シリカb)20部
− 150m2/gの比表面積を有している熱分解シリカb)13部
− 9重量%の水酸基を含み、25℃で50mPa.sの粘性を有する、ジメチルヒドロキシシロキシ基で両端が終結するポリジメチルシロキサンオイルf1)3部
− 9重量%の水酸基を含み、鎖内に3重量%のビニル基を含み、25℃で25mPa.sの粘性を有する、メチルビニルヒドロキシシロキシ基で両端が終結するポリメチルビニルシロキサンオイルf1)2部
− 白雲母型マイカd)1.8部
− 酸化亜鉛e)5部
− 熱分解TiO2h)2.8部
− Wollastonite Tremin 283−800TSTという商品名でQuartz Werke社が販売しているメチルアルコキシシランで処理されたα−CaSiO3(珪灰石)j)3.5部
− ジビニルテトラメチルジシロキサンに配位された白金を10重量%含む白金錯体(Karstedt錯体)のジビニルテトラメチルジシロキサン溶液の場合、白金族g)0.0025部
− 酸化カルシウムf3)0.29部
− オクト酸鉄f3)0.4部
− Ce(OH)4f3)2部
− E600という商品名でSifraco社(パリ、フランス国)が販売している粉砕石英である増量剤i)48.5部
− B2211という商品名でBurgess社(米国)が販売しているアミノシランで表面処理された焼成カオリンである増量剤k)41.6部
【0045】
その後、上記により得られた混合物を2ロール粉砕機で処理し、その混合物内に触媒c)を形成する有機過酸化物を加える。
【0046】
1.2 組成物の特性
上述のミキサーで得られた均質物の一部は、100部当たり2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド1.5部で触媒され、その後、電気ケーブルの製造に用いる押出成形機の中へ設けるためにストライプ状に切断される。電気ケーブルの製造は、シリコーンエラストマーで形成された厚さ0.81mmの覆い又は一次絶縁体が周りに設けられた、直径1.38mmの一芯の銅線を備えた、直径3mmのケーブルを製造する際の標準的な構成をしている。これは、一芯導線を、上述の均質なポリオルガノシロキサン組成物でコーティングし、250℃に温度設定された熱風炉(物質製造温度は130〜140℃に設定)で46秒間架橋処理することによって得られる。その後、標準化されたサンプルをケーブルから取り出し、以下の特性を評価する。
− 基準NFC32−070による500ボルトでの灰凝集性、及び、
− 基準IEC 61 034のパート1による煙濃度(透過率%)
【0047】
その後、2mm厚のプラークを形成させるために、この均質物を115℃で8分間、適当な成形型で加工する。このようにして、後硬化されない(non−postcured:NPC)状態でプラークが得られる。その後、プラークの一部に、200℃で10日間のエージング又は後硬化(post−curing:PC)処理を施す。続いて、これら全てのプラークに係る標準化されたサンプルを取り出し、以下の特性を評価する。
− 基準DIN 53505によるショアA硬度(HSA
− 基準AFNOR NF T 46002による引っ張り強度(TS)[MPa]
− 前記基準による破線長(E/B)[%]
− 前記基準による100%での弾性率(E/M)[MPa]
得られた結果は、後述する表1に示す。
【0048】
2.比較例に係る組成物
2.1 準備
以下のものを、室温(23℃)で2時間、Z型の刃を有するミキサー粉砕機の中で混合した。
− 120ppmのビニル基を含み、25℃で2000万mPa.sの粘性を有する、ジメチルビニルシロキシ基で両端が終結するポリジメチルシロキサンであるポリオルガノシロキサンa)66.61部
− 鎖内に720ppmのビニル基を含み、25℃で2000万mPa.sの粘性を有する、トリメチルシロキシ基で両端が終結するポリジメチルメチルビニルシロキサンであるポリオルガノシロキサンa)33.39部
− D4(オクタメチルシクロテトラシロキサン)−200m2/gの比表面積を有している、処理した熱分解シリカb)19.07部
− 150m2/gの比表面積を有している熱分解シリカb)12.4部
− 9重量%の水酸基を含み、25℃で50mPa.sの粘性を有する、ジメチルヒドロキシシロキシ基で両端が終結するポリジメチルシロキサンオイルf1)2.86部
− 9重量%の水酸基を含み、鎖内に3%のビニル基を含み、25℃で25mPa.sの粘性を有する、メチルビニルヒドロキシシロキシ基で両端が終結するポリメチルビニルシロキサンオイルf1)1.91部
− 白雲母型マイカd)9.61部
− 酸化亜鉛e)4.89部
− 熱分解TiO2h)3.46部
− Wollastonite Tremin 283−800TSTという商品名でQuartz Werke社が販売しているメチルアルコキシシランで処理されたα−CaSiO3(珪灰石)j)6.62部
− ジビニルテトラメチルジシロキサンに配位された白金を10重量%含む白金錯体(Karstedt錯体)のジビニルテトラメチルジシロキサン溶液の場合、白金族g)0.003部
− 酸化カルシウムf3)0.28部
− オクト酸鉄f3)0.39部
− Ce(OH)4f3)2.76部、及び、
− Aluminium hydroxyde AP 40 VS1という商品名でNabaltec社が販売しているビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン1重量%で処理された水酸化アルミニウムである増量剤i)66.17部
【0049】
その後、上記により得られた混合物を2ロール粉砕機で処理し、その混合物内に有機過酸化物c)を加える。
【0050】
混合物の使用の容易性(又は処理可能性)は、粉砕機の2つのロールによって評価される。混合物は、以下の基準により評価される。
0 = ロールに対して非常に粘着しており、ロールによる処理ができない。
1−2 = 粘着しており、ロールによる処理が困難である。
3−4 = わずかに粘着している。
5 = 粘着しておらず、混合物は刃によって容易に処理される。
【0051】
2.2 組成物の特性
この特性は、上述の1.2で示したように評価する。
【0052】
【表1】

【0053】
このように、本発明によれば、処理可能性、セラミック化、煙濃度、及び、機械的特性に関し、望ましい妥協案が得られることがわかる。
【0054】
さらに、本発明に係るエラストマーの200℃で10日間のエージング前後の機械的特性は、比較例に対して20〜30%改善されている。本発明では架橋結合前の組成物に粘着性がないのに対し、比較例では、粘着性がある。このように、本発明に係る組成物は比較例に比べて容易に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温で架橋してシリコーンエラストマーに転化することができ、特に耐火性が改良された電線又は電気ケーブルの製造の分野で用いることができるポリオルガノシロキサン組成物であって、
a)少なくとも1種のポリオルガノシロキサン重合体と、
b)少なくとも1種の補強充填剤と、
c)少なくとも1種の有機過酸化物と、
d)マイカと、
e)酸化亜鉛と、
f)随意的に、ポリオルガノシロキサン組成物の高温架橋化の分野において慣用的に用いられる少なくとも1種の添加物と、
g)白金、白金化合物及び/又は白金錯体と、
h)酸化チタンと、
i)少なくとも1種の増量剤と、
j)随意的に、珪灰石類に属する少なくとも1種の鉱物と、
k)少なくとも1種の半補強充填剤k)と、
を含み、
前記組成物の半補強充填剤k)が、
−焼成カオリン粉末、好ましくは化学的に表面処理された焼成カオリン粉末、
−タルク、
−例えば、ビニルシラン、アミノシラン又は(反応性又は非反応性の)シリコンオイルによって表面処理された、又は、表面処理されていない炭酸カルシウム、及び、
−それらの混合物
で構成される群から選択されることを特徴とする、ポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項2】
請求項1に記載されたポリオルガノシロキサン組成物において、
ポリオルガノシロキサン重合体a)100重量部に対し:
−補強充填剤b)を15〜100部と、
−有機過酸化物c)を0.2〜8部と、
−マイカd)を0.5〜30部と、
−酸化亜鉛e)を0.2〜10部と、
−補助添加物f)を0〜15部と、
−白金元素で示される成分g)を0.0005〜0.02重量部(すなわち、5〜200ppm)と、
−酸化チタンh)を0.5〜10部と、
−増量剤i)を20〜100部と、
−珪灰石群に属する1種又はそれ以上の種j)を0〜10部、及び、
−半補強充填剤k)を1〜100部、好ましくは20〜80部、さらに好ましくは40〜70部と、
を含むポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたポリオルガノシロキサン組成物において、
前記成分a)は、0〜4重量%のビニル基を含み、25℃で100万mPa.s超の粘性を有するポリオルガノシロキサン重合体の少なくとも1種からなることを特徴とするポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載されたポリオルガノシロキサン組成物において、
前記成分b)は、シリカ、アルミナ、又は、それら2種の混合物であることを特徴とするポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載されたポリオルガノシロキサン組成物において、
前記成分i)は、オルガノアルコキシシランで処理された水酸化アルミニウムの少なくなくとも1種からなることを特徴とするポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載されたポリオルガノシロキサン組成物において、
前記成分j)は、それが用いられるとき、
メタケイ酸カルシウム(CaSiO3)又は珪灰石;
混合メタケイ酸カルシウムナトリウム(NaCa2HSi39)又は曹灰針石;及び、
混合メタケイ酸カルシウムマンガン[CaMn(SiO32]又はバスタム石;
から選択される種のうち少なくとも1種からなることを特徴とするポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載されたポリオルガノシロキサン組成物において、
随意的な前記成分f)は、それが用いられるとき、
少なくとも1種の抗構造化物f1);及び/又は、
少なくとも1種のポリシロキサン樹脂f2);
少なくとも1種の安定化剤f3);及び/又は、
少なくとも1種の顔料f4);及び/又は、
少なくとも1種のホウ素化合物f5)
からなることを特徴とするポリオルガノシロキサン組成物。
【請求項8】
耐火性の電線又は電気ケーブルを形成に用いる1又はそれ以上の一芯導線の覆い又は一次絶縁体を製造するための、請求項1〜7のいずれかに記載されたポリオルガノシロキサン組成物の使用であって、
前記組成物を各一芯導線の周りに堆積させた後、100〜200℃の範囲の材料温度まで加熱することによりそれを架橋させてシリコーンエラストマーに転化させるポリオルガノシロキサン組成物の使用。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれかに記載された組成物の請求項8に記載された使用により製造された耐火性の電線又は電気ケーブル。
【請求項10】
請求項9に記載された電線又は電気ケーブルにおいて、
(1)煙濃度が、基準IEC61 034のパート1に従って80%の光透過率を実現する程度に低く、
(2)500ボルトの電圧下で基準NFC32−070CR1に適合する、
電線又は電気ケーブル。

【公表番号】特表2009−544763(P2009−544763A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504642(P2009−504642)
【出願日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際出願番号】PCT/EP2007/003248
【国際公開番号】WO2007/115834
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(507421304)ブルースター・シリコーン・フランス・エスアエス (62)
【氏名又は名称原語表記】BLUESTAR SILICONES FRANCE SAS
【住所又は居所原語表記】21,AVENUE GEORGES POMPIDOU F−69486 LYON CEDEX 03 FRANCE
【Fターム(参考)】