説明

電気コネクタ

【課題】耐蝕性に優れている保持装置を有する電気コネクタを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、CPUを配線基板に接続するための電気コネクタにおいて、絶縁本体と、前記絶縁本体に装着され、前記CPU及び配線基板を接続する導電端子と、前記CPUを押える固定カバー、及び前記固定カバーを保持するための保持枠とを含む保持装置と、を含み、前記固定カバーと保持枠とのうち少なくとも一つはフェライト系ステンレス鋼材料で製作され、その表面が耐熱性の有機フイルムに覆われていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタに関し、特に、パーソナルコンピューターなどのCPU(中央演算処理装置)を配線基板に接続するための電気コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術のCPUを配線基板に接続するための電気コネクタは、一般にCPUを支持するための絶縁本体と、CPUを配線基板に接続固定するための保持装置と、絶縁本体に装着され、CPUに電気的に接続される導電端子と、を含む。前記保持装置は、CPUを押える固定カバーと、固定カバーを保持する保持枠とを有し、固定カバーと保持枠とは一体的または分離的に設けられ、金属板をプレス成型したものである。この保持枠及び固定カバー用の金属材料としては、従来の鉄、オーステナイト系ステンレス鋼が使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術の電気コネクタの保持装置は、鉄、オーステナイト系ステンレス鋼等の金属材料を使用するので、原料費が高く、耐蝕性に優れていないという欠点を有するので、改良された新型の電気コネクタを提供することが必要となる。
【0004】
本発明は、耐蝕性に優れている保持装置を有する電気コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明は、CPUを配線基板に接続するための電気コネクタにおいて、絶縁本体と、前記絶縁本体に装着され、前記CPU及び配線基板を接続する導電端子と、前記CPUを押える固定カバー、及び前記固定カバーを保持するための保持枠を含む保持装置と、を含み、前記固定カバーと保持枠とのうち少なくとも一方はフェライト系ステンレス鋼材料で製作され、その表面が耐熱性の有機フイルムに覆われていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
従来の技術に比べると、本発明は以下の長所を有し、前記固定カバーと保持枠とのうち少なくとも一方はフェライト系ステンレス鋼材料で製作され、その表面が耐熱性の有機フイルムに覆われていることによって、保持装置の耐蝕性が向上し、且つフェライト系ステンレス鋼が安価であるので、製造コストが低減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図1乃至図3を参照し、本発明の電気コネクタ1の実施形態について詳細に説明する。電気コネクタ1は、CPU(図示せず)と配線基板(図示せず)とを機械的且つ電気的に接続するのに用いられる。
【0008】
電気コネクタ1は、絶縁本体11と、絶縁本体11に装着され、CPU及び配線基板に接続するための導電端子(図示せず)と、保持装置2とを含む。保持装置2は、絶縁本体の底部に配置される保持枠12と、保持枠12の一端に軸支される固定カバー14と、保持枠12の一端に軸支される駆動部材15とを有する。
【0009】
図3を参照すると、本実施形態においては、保持装置2の保持枠12と固定カバー14とのうち少なとも一方は、フェライト系ステンレス鋼(例えばSUS430、SUS434、SUS436等)材料を使用し、且つ、その表面は耐熱性の有機フイルム4に覆われている。前記有機フイルム4は、シリコーン(Silicones)、パーフルオロポリエーテル(Perfluoropolyethers;略称PFPEとする)、パーフルオロエーテル(Perfluoroethers)、及びポリフェニレンエーテル(Polyphenylene ethers)等のうちいずれかから成る場合もある。
【0010】
必要に応じて、前記保持枠12と、固定カバー14と、駆動部材15とが全てフェライト系ステンレス鋼材料で製作されても良い。フェライト系ステンレス鋼は安価であるので、製造コストを低減できる。フェライト系ステンレス鋼材料は、加工過程において酸化クロムフイルム3が連続しない箇所があり、使用する際に耐蝕性が低下するので、保持装置2の表面が耐熱性の有機フイルム4に覆われることによって、酸化クロムフイルム3の連続しない箇所を密封させ、使用する際に錆が生じることを避け、耐蝕性が向上される。
【0011】
以上、本発明について、好ましい実施形態を参照して詳細に説明したが、実施形態は、あくまでも例示的なものであり、これらに限定されるものではない。また、前記の説明は、本発明に基づきなしうる細部の修正或は変更など、いずれも本発明の登録請求範囲に属するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る電気コネクタの斜視図である。
【図2】本発明に係る電気コネクタの分解図である。
【図3】保持装置の材料組成の概略図である。
【符号の説明】
【0013】
1 電気コネクタ
2 保持装置
3 酸化クロムフイルム
4 有機フイルム
11 絶縁本体
12 保持枠
14 固定カバー
15 駆動部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CPUを配線基板に接続するための電気コネクタにおいて、
絶縁本体と、
前記絶縁本体に装着され、前記CPUと配線基板とに接続される導電端子と、
前記CPUを押える固定カバーと、前記固定カバーを保持するための保持枠とを含む保持装置と、を含み、
前記固定カバーと保持枠とのうち少なくとも一方はフェライト系ステンレス鋼材料で製作され、その表面が耐熱性の有機フイルムに覆われていることを特徴とする電気コネクタ。
【請求項2】
前記固定カバーと前記保持枠とは、フェライト系ステンレス鋼材料で製作されることを特徴とする、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記固定カバーと前記保持枠との表面には、耐高温的な有機フイルムによって覆われていることを特徴とする、請求項2に記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記有機フイルムは、シリコーン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロエーテル、及びポリフェニレンエーテル等のいずれか一つから成ることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のうち何れかの一項に記載の電気コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−164108(P2009−164108A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−267835(P2008−267835)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】