説明

電気コネクタ

【課題】本発明は、端子の配置を改良して他の電気部材を収納できるUSBコネクタを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の電気コネクタは、収納スペースが形成される絶縁性本体と、前記絶縁性本体に挿入される端子モジュールと、前記絶縁性本体の収納スペースに挿入される光部材と、を備える。前記端子モジュールは、第1接触部、第1連接部及び第1半田接続部を有する複数の第1導電端子と、第2接触部、第2連接部及び第2半田接続部を有する複数の第2導電端子と、を含む。前記複数の第1半田接続部が、第1連接部の折り曲げによって前後方向に沿う一列に配置される。前記複数の第2半田接続部が、第2連接部の折り曲げによって前後方向に沿う他列に配置される。前記一列の第1半田接続部及び前記他列の第2半田接続部は、前記絶縁性本体の収納スペースの両側に配置される。前記光部材が、前記一列の第1半田接続部と前記他列の第2半田接続部との間に挿入される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタに関し、特に、光部材を含むUSB(Universal Serial Bus)規格に準拠した電気コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術の回路基板に半田接続されるUSBコネクタは、絶縁性本体と、絶縁性本体に固着される複数の導電端子と、絶縁性本体を遮蔽するハウジングと、を備える。各導電端子は、接触部と、接触部から下方向に延在する折曲部と、回路基板に半田接続される半田接続部と、を有する。前記折曲部は横方向に沿う一列に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5769666号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記折曲部が大きいスペースを占めるため、光部材などのような他の電気部材を収納するスペースが得られない。
【0005】
そこで本発明は、上述される従来技術の問題に鑑み、端子の配置を改良して他の電気部材を収納できるUSBコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の電気コネクタは、収納スペースが形成される絶縁性本体と、前記絶縁性本体に挿入される端子モジュールと、前記絶縁性本体の収納スペースに挿入される光部材と、を備える。前記端子モジュールは、第1接触部、第1連接部及び第1半田接続部を有する複数の第1導電端子と、第2接触部、第2連接部及び第2半田接続部を有する複数の第2導電端子と、を含む。前記複数の第1半田接続部が、第1連接部の折り曲げによって前後方向に沿う一列に配置される。前記複数の第2半田接続部が、第2連接部の折り曲げによって前後方向に沿う他列に配置される。前記一列の第1半田接続部と前記他列の第2半田接続部とは、前記絶縁性本体の収納スペースの両側に配置される。前記光部材が前記一列の第1半田接続部と前記他列の第2半田接続部との間に挿入される。
【発明の効果】
【0007】
従来技術と比べると、本発明は以下の長所を有する。本発明の第1導電端子の第1半田接続部と、第2導電端子の第2半田接続部と、は前後方向に沿う二列に配置され、前記収納スペースの両側に位置する。これにより、第1半田接続部と第2半田接続部との間には、光部材が挿入される充分なスペースが設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の電気コネクタの組立斜視図である。
【図2】図1に示す電気コネクタと別の角度から見た組立斜視図である。
【図3】図1に示す電気コネクタの部分の分解斜視図である。
【図4】図1に示す電気コネクタの端子モジュールの斜視図である。
【図5】図1に示す電気コネクタの分解斜視図である。
【図6】図1に示す電気コネクタの別の角度から見た分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1〜図6を参照すると、本発明の電気コネクタ100は、絶縁性本体1と、前記絶縁性本体1に装着されるベース3と、前記ベース3に実装される複数の導電端子と、絶縁性本体1を遮蔽するハウジング4と、絶縁性本体1に挿入される光部材5と、を備える。複数の導電端子は、四つの第1導電端子21と、五つの第2導電端子22と、を含む。四つの第1導電端子21が、USB2.0Aのプラグと電気接続できる。四つの第1導電端子21及び五つの第2導電端子22が、USB3.0Aのプラグと電気接続できる。
【0010】
絶縁性本体1は、基部10と、前記基部10から前方向に延在する舌板11及び底板12と、を備える。前記基部10の頂面には、係合孔1132が形成される。基部10の側面には、凸状部片104が設けられる。前記基部10には、収納スペースが形成される。収納スペースには、収納穴113と、保持孔101と、前記収納穴113及び前記保持孔101の間に設けられるスペーサー102と、が設けられる。前記収納穴113の両側には、前後方向に沿う一対の挿入溝1131が形成される。前記収納スペースの両側には、一対の固定溝103が形成される。前記保持孔101の底面には一対のガイド溝1011が形成される。
【0011】
前記舌板11の上面には、一対の凹溝114が形成される。前記舌板11の下面には、凹部115と、複数のリブ112と、複数のリブ112の間の複数の凹所111と、が形成される。
【0012】
ベース3は、樹脂材料によって製造される。ベース3の下側面32には、複数の第1端子溝321が形成される。ベース3の上側面31には、複数の第2端子溝322が形成される。ベース3の両側には一対の導入リブ33が設けられる。
【0013】
図5〜図6に示すように、各第1導電端子21は、弾力性を具備する第1接触部211と、第1半田接続部213と、第1接触部211及び第1半田接続部213の間に設けられる第1連接部212と、を有する。第1連接部212は、前後方向に沿って延在する第1延在部2121と、第1延在部2121の末端から右方向に折り曲げられる第1折曲部2122と、を有する。四つの第1導電端子21の中の最も左側に位置する第1導電端子21の第1折曲部2122の寸法が、他の第1折曲部2122の寸法より大きい。四つの第1導電端子21の中の最も右側に位置する第1導電端子21の第1折曲部2122の寸法が、他の第1折曲部2122の寸法より小さい。
【0014】
各第2導電端子22は、平板状の第2接触部221と、第2半田接続部223と、第2接触部221及び第2半田接続部223の間に設けられる第2連接部222と、を有する。第2連接部222は、前後方向に沿って延在する第2延在部2221と、第2延在部2221の末端から左方向に傾斜する第2折曲部2222と、を有する。四つの第2導電端子22の中の最も右側に位置する第2導電端子22の第2折曲部2222の寸法が、他の第2折曲部2222の寸法より大きい。四つの第2導電端子22の中の最も左側に位置する第2導電端子22の第2折曲部2222の寸法が、他の第2折曲部2222の寸法より小さい。四つの第1折曲部2122と五つの第2折曲部2222とは、互いに離間する方向に沿って延在し、平行する二つの平面に位置する。
【0015】
ハウジング4は金属材料によって製造される。ハウジング4は、天板41と、底板43と、天板41の側辺から下方向に折り曲げられる一対の側板42と、側板42から下方向に延在する一対の取付足45と、を有する。ハウジング4には、複数の弾力ビーム44が設けられる。ハウジング4の弾力ビーム44は、絶縁性本体1の凹溝114と係合する。
【0016】
光部材5は、主体部51と、主体部51から突出する一対のレンズ521と、一対の導入柱522と、を備える。主体部51には、一対のビーム部512と、一対のリブ511と、が設けられる。
【0017】
図1〜図6に示すように、電気コネクタ100を取り付ける場合、四つの第1導電端子21は、前記ベース3の第1端子溝321に挿入される。五つの第2導電端子22は、ベース3の第2端子溝312に挿入される。第2接触部221が、第1接触部211の前に配置される。第1導電端子21の四つの第1半田接続部213は、ベース3の右側において、前後方向に沿う一列に配置される。第2導電端子22の五つの第2半田接続部223は、ベース3の左側において、前後方向に沿う一列に配置される。これにより、端子モジュールが形成される。
【0018】
この端子モジュールは、一対の導入リブ33が一対の導入溝1131に沿って導入されることによって、絶縁性本体1の収納穴113に装着されて前記凹部115に収納される。第2導電端子22の第2接触部221は、前記凹所111に嵌められる。第1及び第2導電端子21、22の第1及び第2接触部211、221は、舌板11の下面に露出される。第1導電端子21の一列の第1半田接続部213は、一つの固定溝103に挿入されて下方向に延出する。第2導電端子22の一列の第2半田接続部223は、他の固定溝103に挿入されて下方向に延出する。ベース3の係合部片34が、絶縁性本体1の係合孔1132と係合する。最後に、ハウジング3が、絶縁性本体1を遮蔽する。
【0019】
光部材5が絶縁性本体1の保持孔101に挿入される。光部材5の一対のリブ511は、絶縁性本体1の一対のガイド溝1011に挿入される。
【0020】
第1導電端子21の第1半田接続部213と、第2導電端子22の第2半田接続部223と、は前後方向に沿う二列に配置され、前記収納スペースの両側に位置する。これにより、第1半田接続部213と第2半田接続部223との間には、光部材5が挿入される充分なスペースが設けられる。
【0021】
以上、本発明について好ましい実施形態を参照して詳細に説明したが、実施形態はあくまでも例示的なものであり、これらに限定されるものではない。また上述の説明は、本発明に基づき成し得る細部の修正或いは変更などは、いずれも本発明の技術的範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0022】
100 電気コネクタ
1 絶縁性本体
10 基部
101 保持孔
1011 ガイド溝
102 スペーサー
103 固定溝
104 凸状部片
11 舌板
111 凹所
112 リブ
113 収納穴
1131 導入溝
1132 係合孔
114 凹溝
115 凹部
12 底板
21 第1導電端子
211 第1接触部
212 第1連接部
2121 第1延在部
2122 第1折曲部
213 第1半田接続部
22 第2導電端子
221 第2接触部
222 第2連接部
2221 第2延在部
2222 第2折曲部
223 第2半田接続部
3 ベース
31 上側面
312 第2端子溝
32 下側面
321 第1端子溝
33 導入リブ
34 係合部片
4 ハウジング
41 天板
42 側板
421 係合孔
43 底板
44 弾力ビーム
45 取付脚
5 光部材
51 主体部
512 ビーム部
521 レンズ
522 導入柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納スペースが形成される絶縁性本体と、
前記絶縁性本体に挿入され、第1接触部、第1連接部及び第1半田接続部を有する複数の第1導電端子と、第2接触部、第2連接部及び第2半田接続部を有する複数の第2導電端子と、を含む端子モジュールと、
前記絶縁性本体の前記収納スペースに挿入される光部材と、を備え、
複数の前記第1半田接続部が、前記第1連接部の折り曲げによって前後方向に沿う一列に配置され、複数の前記第2半田接続部が、前記第2連接部の折り曲げによって前後方向に沿う他列に配置され、一列の前記第1半田接続部と他列の前記第2半田接続部とは、前記絶縁性本体の前記収納スペースの両側に配置され、前記光部材が一列の前記第1半田接続部と他列の前記第2半田接続部との間に挿入されることを特徴とする電気コネクタ。
【請求項2】
複数の前記第1導電端子は、四つの該第1導電端子を含み、各該第1導電端子の前記第1連接部が、前後方向に沿って延在する第1延在部と、前記第1延在部から前記前後方向と直交する横方向に沿って折り曲げられる第1折曲部と、を含み、
複数の前記第2導電端子は、五つの該第2導電端子を含み、各該第2導電端子の前記第2連接部が、前後方向に沿って延在する第2延在部と、前記第2延在部から傾斜する第2折曲部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項3】
四つの前記第1折曲部と五つの前記第2折曲部とは、互いに離間する方向に沿って延在し、平行する二つの平面に位置することを特徴とする請求項2に記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記絶縁性本体の前記収納スペースの両側には、一列の前記第1半田接続部及び他列の前記第2半田接続部をそれぞれ収納するための一対の固定溝が形成されることを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記電気コネクタが前記収納スペースに挿入されるスペーサーを有し、前記収納スベースが前記スペーサーの挿入によって、収納穴と保持孔とに分割され、前記端子モジュールが前記第1及び第2導電端子が装着されるベースを有し、該ベースが前記収納スペースの前記収納穴に挿入され、前記光部材が、前記保持孔に保持されることを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項6】
前記ベースの両側には一対の導入リブが設けられ、前記収納穴の両側には前記導入リブが挿入される一対の導入溝が形成され、前記光部材には一対のリブが設けられ、前記保持孔には、前記光部材の前記リブが挿入される一対のガイド溝が形成されることを特徴とする請求項5に記載の電気コネクタ。
【請求項7】
前記第1導電端子の前記第1接触部が弾力性を具備し、前記第2導電端子の前記第2接触部が平板状に形成され、前記第2接触部が前記第1接触部の前方に配置され、前記第1導電端子がUSB2.0のプラグと接続し、前記第1導電端子及び前記第2導電端子がUSB3.0のプラグと電気接続することを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−34961(P2011−34961A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153820(P2010−153820)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】