説明

電気コネクタ

【課題】簡易な構成によって、インピーダンスの微調整、及びクロストークの発生防止をすることを可能とする。
【解決手段】多極配置された信号線SCaを覆うように配置された導電性カバー13に、信号線SCaの両側の位置において当該信号線SCaに向かって突出する電磁調整部13b4を設け、信号線SCaに対して導電性カバー13の電磁調整部13b4を近接配置し、電磁調整部13b4と信号線SCaとの距離を適宜に調整することで、両者間に介在する絶縁物質の誘電率、つまりインピーダンスの調整を可能とし、高周波特性の向上を図るように構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多極配置された信号線を覆うように導電性カバーを配置した電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、種々の電気機器において、互いに嵌合接続可能に構成された一対の電気コネクタを使用して、複数本の細線同軸ケーブルやフレキシブル配線基板等の各種信号伝送媒体を印刷配線基板に接続することが広く行われている。そのときの一対の電気コネクタとしては、例えば下記の特許文献1および2に記載されているように信号伝送媒体の端末部分が連結されるプラグコネクタ(第1コネクタ)と、印刷配線基板上に実装されるリセプタクルコネクタ(第2コネクタ)とが使用され、リセプタクルコネクタにプラグコネクタが嵌合されることにより電気的な接続が行われるようになっている。
【0003】
このような電気コネクタにおいては、信号の電送を行う信号に対応した信号線が多極状に配置されているが、電磁波、電界、あるいは磁界の侵入、あるいは漏洩を防止する、いわゆるEMI(電磁波障害)対策のために、多極配置された信号線を覆うようにして導電性カバーが設けられることが多い。
【0004】
一方、近年においては、電送される信号が高周波化・多極化されつつあることから、EMI対策の一層の強化が要請されているとともに、高周波に対するインピーダンスの微調整が必要となりつつある。特に、信号線とコンタクトとの結線部分においては、信号線が露出状態となっているためにインピーダンスの不整合が起きやすく、伝送特性が低下するおそれがある。また、高周波の信号線間における、いわゆるクロストークの発生を防止することも必要となってきている。
【0005】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−173018号公報
【特許文献2】特開2009−129731号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、簡易な構成によって、インピーダンスの微調整を可能とし、しかもクロストークの発生を防止することができるようにした電気コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため本発明にかかる電気コネクタでは、多極配列された信号線を有する信号伝送媒体の端末部分が接続されるものであって、前記信号伝送媒体の信号線を覆うように導電性カバーが装着された電気コネクタにおいて、前記導電性カバーに、前記信号線に向かって突出する電磁調整部が設けられ、その電磁調整部は、前記多極配列の方向において前記信号線の両側に配置された構成になされている。
【0009】
このような構成を有する電気コネクタによれば、信号線に対して導電性カバーの電磁調整部が近接配置されることから、それらの電磁調整部と信号線との距離を適宜に調整することで、両者間に介在する絶縁物質の誘電率、つまりインピーダンスの調整が可能となり、高周波特性の向上を図ることが可能となる。
【0010】
また、本発明における前記電磁調整部は、前記信号線と、当該信号線が半田付けされる導電端子との接続部分に配置されていることが望ましい。
【0011】
このような構成を有する電気コネクタによれば、インピーダンスの不整合を生じやすい部分における調整が直接的かつ効率的に行われる。
【0012】
また、本発明における前記電磁調整部は、前記導電性カバーを前記信号線に向かって窪ませることにより形成されていることが望ましい。
【0013】
このような構成を有する電気コネクタによれば、電磁調整部が容易に形成されることから、生産性が向上される。
【0014】
さらに、本発明における前記電磁調整部は、前記信号線を中心として略円弧状に前記信号線を覆う湾曲形状に形成されていることが望ましい。
【0015】
このような構成を有する電気コネクタによれば、信号線から電磁調整部に至るまでの距離が均等化されることから、インピーダンスの整合がさらに良好に行われる。
【発明の効果】
【0016】
以上述べたように本発明にかかる電気コネクタは、多極配置された信号線を覆うように配置された導電性カバーに、信号線の両側の位置において当該信号線に向かって突出する電磁調整部を設け、信号線に対して導電性カバーの電磁調整部を近接配置し、電磁調整部と信号線との距離を適宜に調整することで、両者間に介在する絶縁物質の誘電率、つまりインピーダンスの調整を可能とし、高周波特性の向上を図るように構成したものであるから、簡易な構成によって、インピーダンスの微調整、及びクロストークの発生防止をすることができ、電気コネクタの性能又は信頼性を低廉かつ大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる細線同軸ケーブル用電気コネクタを相手コネクタに嵌合する前の状態を後方側から表した外観斜視説明図である。
【図2】図1にかかる電気コネクタ同士が嵌合された電気コネクタ組立体を後方側から表した外観斜視説明図である。
【図3】図1及び図2に示された電気コネクタ組立体の平面説明図である。
【図4】図3中の IV−IV 線に沿った横断面説明図である。
【図5】図3中の V−V 線に沿った横断面説明図である。
【図6】図3中の VI−VI 線に沿った縦断面説明図である。
【図7】図1〜図6に示されたプラグコネクタ(第1コネクタ)において導電性カバーを取り外した状態を後方側から表した外観斜視説明図である。
【図8】図7に示されたプラグコネクタ(第1コネクタ)に使用されている導電性カバーの単体構造を後方側から表した外観斜視説明図である。
【図9】図6中の IX 部で囲まれた部位を拡大して表した部分縦断面説明図である。
【図10】本発明の第2の実施形態における図9相当の部分縦断面説明図である。
【図11】本発明の第3の実施形態における図9相当の部分縦断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を、複数本の細線同軸ケーブルを印刷配線基板側に接続する電気コネクタに適用した実施形態の説明を図面に基づいて詳細に行う。
【0019】
[電気コネクタ組立体の全体構成]
まず、図1〜図9に示された本発明の第1の実施形態にかかる電気コネクタ組立体は、信号伝送媒体としての細線同軸ケーブルSCの端末部が連結された本発明にかかるプラグコネクタ1と、そのプラグコネクタ1が上方側から嵌合されるリセプタクルコネクタ2と、からなる垂直嵌合型コネクタにより構成されている。そのうちのリセプタクルコネクタ2は、図示を省略した印刷配線基板上に接続脚部が接合されて実装されるように構成されており、当該リセプタクルコネクタ2の上方に配置されたプラグコネクタ1が、前記印刷配線基板と略直交する方向である図1下方向に向かって下降されることによって、リセプタクルコネクタ2の嵌合凹部の内方側にプラグコネクタ1の嵌合凸部が差し込まれ、それにより両コネクタ1,2どうしの嵌合操作が行われる構成になされている。以下において、印刷配線基板は「水平方向」に延在するように配置されているものとし、プラグコネクタ1を差し込む方向を「下方向」、その反対側の抜き出す方向を「上方向」とする。
【0020】
[コネクタ本体部の概要]
これらのプラグコネクタ1、及びリセプタクルコネクタ2は、細長状をなすように形成されたコネクタ本体部を構成する絶縁ハウジング11,21を有している。以下において、これら絶縁ハウジング11,21の長手方向を「コネクタ長手方向」と呼び、当該コネクタ長手方向、及び上述した上下方向の双方に直交する方向を「前後方向」と呼ぶこととする。
【0021】
また、上述したコネクタ本体部としての絶縁ハウジング11,21には、互いに同一の形状をなす複数体の導電端子(コンタクト)12,22が、コネクタ長手方向に沿って適宜のピッチ間隔で交互に多極配列されている。そして、上述したようにリセプタクルコネクタ2に対してプラグコネクタ1が下方向に向かって差し込まれ、それら両コネクタ1,2同士の嵌合操作が完了したときには、特に図4に示されているように、当該両コネクタ1,2にそれぞれ設けられた導電端子(コンタクト)12,22の接点部同士が、互いに圧接するようにして接触されて電気的な接続が行われるように構成されている。
【0022】
このとき、上述した両コネクタ1,2の嵌合凸部及び嵌合凹部は、絶縁ハウジング11,21の互いに対向する部位を、コネクタ長手方向に沿って凸形状及び凹形状に延在するように形成したものであって、それら絶縁ハウジング11,21の凸形状部分及び凹形状部分には、上述した導電端子(コンタクト)12,22の接点部が配置され、両コネクタ1,2の嵌合時に電気的及び機械的な嵌合関係が形成されるようになっている。この点については後述する。
【0023】
また、プラグコネクタ1の絶縁ハウジング11の外表面には、金属製の導電性カバー13が装着されているが、そのプラグコネクタ1側に設けられた導電性カバー13は、プラグコネクタ1の上面側と後述する「前端縁部」との、ほぼ全面を覆うように装着されている。この点についても後述する。
【0024】
[信号伝送媒体の概要]
一方、細線同軸ケーブル(信号伝送媒体)SCの端末部分は、プラグコネクタ1の前後方向における一端側縁部に連結されており、コネクタ長手方向に沿って複数本の細線同軸ケーブルSCが多極状をなすように並列されている。以下、この細線同軸ケーブルSCの端末部分が連結されている長尺状側の端縁部を「後端縁部」と呼び、それと反対側の前方側の長尺状端縁部を「前端縁部」と呼ぶこととする。さらに、これらプラグコネクタ1の「後端縁部」及び「前端縁部」に対応するリセプタクルコネクタ2の各長尺状端縁部についても、同様に「後端縁部」及び「前端縁部」と呼ぶこととする。
【0025】
それらの各細線同軸ケーブル(信号伝送媒体)SCの端末部分には、被覆材が皮剥きされることによって、ケーブル中心導体(信号線)SCa及びケーブル外部導体(シールド線)SCbが露出されている。そして、当該細線同軸ケーブルSCの中心軸心に沿うように配置されたケーブル中心導体SCaが、上述したプラグコネクタ1における各導電端子(コンタクト)12のそれぞれに一括して半田接続されていて、後述するように、リセプタクルコネクタ2の各導電端子(コンタクト)22のそれぞれに接続されることによって信号伝送回路が形成される。なお、プラグコネクタ1の各導電端子12と、細線同軸ケーブルSCとの接続は、かしめ接続、圧接接続等により行うことも可能である。
【0026】
一方、ケーブル中心導体SCaの外周側を取り囲むように配置されたケーブル外部導体SCbは、上下一対配置されたグランドバーSCc,SCcの間において上下に挟持された状態で、多極配列方向に一括して半田接続されることにより保持されている。これらのグランドバーSCc,SCcは、プラグコネクタ1の導電性カバー13に接触して電気的な接続が行われている。
【0027】
[プラグコネクタ・シェル構造]
ここで、プラグコネクタ1に装着された導電性カバー13は、コネクタ長手方向に長尺状をなす薄板金属部材を適宜の形状に曲げ形成された構成になされており、プラグコネクタ1の上面側と「前端縁部」との、ほぼ全面を覆うとともに、両コネクタ1,2同士の嵌合後においては、後述するようにリセプタクルコネクタ2を含む電気コネクタ組立体の略全体を上方側から覆うように構成されており、電磁波障害(EMI)に対する電磁遮蔽の効果を得る上で好ましい構造になされている。
【0028】
その導電性カバー13は、プラグコネクタ1の前方側部分を覆う前方側導電性カバー13aと、プラグコネクタ1の上方側部分を覆う平面側導電性カバー13bとを有している。平面側導電性カバー13bにおける後端側及び両端側の各縁部には、下方に向かって突出する固定片13b1及び13b2が複数体形成されており、それらの固定片13b1及び13b2が、絶縁ハウジング11に係合することによって導電性カバー13の全体が所定の位置に取り付けられている。また、その平面側導電性カバー13bにおける両端側の縁部には、弾性可撓性を有する接続舌片13b3が、下方に向かって片持ち状をなすようにそれぞれ形成されている。それらの各接続舌片13b3は、後述するリセプタクルコネクタ2側に設けられたホールドダウン23に弾性的に圧接してグランド回路の電気的な接続を行う構成になされている。
【0029】
また、その導電性カバー13の平面側導電性カバー13bは、上述したように多極配置された導電端子(コンタクト)12を上方側から覆うように略水平に延在する平板状部材から形成されているが、当該平面側導電性カバー13bのやや前方よりの部位には、ケーブル中心導体(信号線)SCaに向かって突出する電磁調整部13b4が複数設けられている。これらの電磁調整部13b4は、コネクタ長手方向、つまり多極配列の方向に沿って略等間隔で配置されており、特に図9に示されているように、多極配列の方向において各信号線SCaの両側に相当する位置に配置されている。
【0030】
より具体的には、上述した各電磁調整部13b4は、信号線であるケーブル中心導体SCaと、後述するようにケーブル中心導体SCaが半田付けされる導電端子(コンタクト)12との接続部分の上方位置であって、かつ多極配列方向において隣接するケーブル中心導体(信号線)SCa同士の間部分(極間部分)において、下方に突出するように形成されている。そして、これらの各電磁調整部13b4における下方側の突出部分における角部が、ケーブル中心導体(信号線)SCaに対して上方側から近接するように配置されている。
【0031】
このような各電磁調整部13b4の製造方法としては、例えば導電性カバー13に対するプレス加工が採用され、平面側導電性カバー13bに対して上方側からプレス加工を施すことで、下方に向かって断面略矩形状をなすように窪ませることにより電磁調整部13b4が形成されている。
【0032】
[導電端子(コンタクト)の構造]
一方、上述した導電端子(コンタクト)12は、特に図4に示されているように、絶縁ハウジング11の上面に沿って略水平に延在する接続ビーム部12aと、その接続ビーム部12aの後端側から下方に向かって突出する嵌合ビーム部12bとを有している。そのうちの接続ビーム部12aには、細線同軸ケーブル(信号伝送媒体)SCのケーブル中心導体SCaが上方側から載置されて半田付けされるとともに、当該接続ビーム部12aの後端側に連設された嵌合ビーム部12bは、略U字状をなして下方に湾曲するように延出している。この嵌合ビーム部12bは、後述するリセプタクルコネクタ2の導電端子(コンタクト)22に対して圧接され、それによって信号回路が形成されるようになっている。
【0033】
[リセプタクルコネクタ・シェル構造]
このような構造を有するプラグコネクタ1に対して、上述したリセプタクルコネクタ2に設けられた絶縁ハウジング21には、コネクタ長手方向の両端部分に、同方向の外方側にそれぞれ突出するように折り曲げ形成されたホールドダウン23,23が取り付けられている。これらの各ホールドダウン23は、コネクタ長手方向の外方側に向かって略水平に突出する部分を有しており、その外方突出部分が、図示を省略した印刷配線基板上のグランド導電路(図示省略)に対して半田接合され、それによって電気的な接続(グランド接続)が行われるとともに、リセプタクルコネクタ2全体の固定が行われる構成になされている。
【0034】
[リセプタクルコネクタ・接続脚部構造]
さらに、リセプタクルコネクタ2の絶縁ハウジング21に取り付けられた導電端子(コンタクト)22は、絶縁ハウジング21の前端縁部から前方側に向かって略水平に突出する接続ビーム部22aを有しており、それらの各接続ビーム部22aが、前述した印刷配線基板上の信号導電路(図示省略)に半田接合されて電気的な接続が行われ、信号伝送回路が構成されるようになっている。
【0035】
[導電端子(コンタクト)の構造]
また、その導電端子(コンタクト)22の前方側部分を構成している接続ビーム部22aの後端側には、略S字状に湾曲して延出する嵌合ビーム部22bが後方側に向かって突出するように連設されている。この嵌合ビーム部22bにおける後端側の立ち上がり部分は、弾性的な可撓性を有するように形成されており、そこに設けられた接点部に対して、前述したプラグコネクタ1の導電端子(コンタクト)12が圧接され、それによって信号回路が形成されるようになっている。
【0036】
このような構成を有する本実施形態にかかるプラグコネクタ1においては、細線同軸ケーブル(信号伝送媒体)SCのケーブル中心導体(信号線)SCaに対して、導電性カバー13に設けられた電磁調整部13b4が近接するように配置されていることから、それらの電磁調整部13b4とケーブル中心導体(信号線)SCaとの距離を適宜に調整することで、両者間に介在する絶縁物質の誘電率、つまりインピーダンスの調整が可能となり、高周波特性の向上を図ることが可能となる。
【0037】
特に、本実施形態にかかる電磁調整部13b4は、インピーダンスの不整合を生じやすいケーブル中心導体(信号線)SCaと導電端子(コンタクト)12との接続部分に配置されているため、インピーダンスの調整が直接的かつ効率的に行われる。
【0038】
さらに、本実施形態における電磁調整部13b4は、ケーブル中心導体(信号線)SCaに向かって導電性カバー13を窪ませることで容易な成形を可能としていることから、電気コネクタの生産性が向上されるようになっている。
【0039】
一方、上述した第1の実施形態と同一の構成部材に対して同一の符号を付した図10にかかる第2の実施形態においては、電磁調整部13b4’の角部に相当する部位が、滑らかな傾斜面をなすように形成されている。このような形状の電磁調整部13b4’を設けておけば、細線同軸ケーブル(信号伝送媒体)SCのケーブル中心導体(信号線)SCaに対して、電磁調整部13b4’を、より近接させて配置することが可能となり、上述した高周波特性が更に向上される。
【0040】
更に、前述した第1の実施形態と同一の構成部材に対して同一の符号を付した図11にかかる第3の実施形態にかかる電磁調整部13b4’’は、細線同軸ケーブル(信号伝送媒体)SCのケーブル中心導体(信号線)SCaの延在方向に対して直交する断面形状が、略円弧形状をなすように湾曲形成されていて、当該電磁調整部13b4’’が、ケーブル中心導体(信号線)SCaを中心として略円弧状に覆う湾曲形状に形成されている。
【0041】
このような構成を有する本実施形態によれば、細線同軸ケーブル(信号伝送媒体)SCのケーブル中心導体(信号線)SCaから電磁調整部13b4’’に至るまでの距離が、より均等化されることとなり、インピーダンスの整合が一層良好に行われる。
【0042】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であるというのはいうまでもない。
【0043】
例えば、上述した実施形態では、同一の形状をなす導電端子(コンタクト)を配置しているが、互いに異なる形状をなす導電端子を交互に多極配列した電気コネクタに対しても本発明は同様に適用することが可能である。
【0044】
また、本発明は、上述した実施形態のような細線同軸ケーブル用コネクタに限定されることはなく、細線同軸ケーブルと絶縁ケーブルとが複数混合したタイプの電気コネクタについても同様に適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上のように本発明は、各種電気機器に使用される多種多様な電気コネクタに対して広く適用することが可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 プラグコネクタ
10 コネクタ本体部
11 絶縁ハウジング
12 導電端子(コンタクト)
12a 接続ビーム部
12b 嵌合ビーム部
13 導電性カバー
13a 前方側導電性カバー
13b 平面側導電性カバー
13b1,13b2 固定片
13b3 接続舌片
13b4 電磁調整部
2 リセプタクルコネクタ
21 絶縁ハウジング
22 導電端子(コンタクト)
22a 接続ビーム部
22b 嵌合ビーム部
23 ホールドダウン
SC 細線同軸ケーブル(信号伝送媒体)
SCa ケーブル中心導体(信号線)
SCb ケーブル外部導体(シールド線)
SCc グランドバー
13b4’,13b4’’電磁調整部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多極配列された信号線を有する信号伝送媒体の端末部分が接続されるものであって、
前記信号伝送媒体の信号線を覆うように導電性カバーが装着された電気コネクタにおいて、
前記導電性カバーに、前記信号線に向かって突出する電磁調整部が設けられ、
その電磁調整部は、前記多極配列の方向において前記信号線の両側に配置されていることを特徴とする電気コネクタ。
【請求項2】
前記電磁調整部が、前記信号線と、当該信号線が半田付けされる導電端子との接続部分に配置されていることを特徴とする請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記電磁調整部が、前記導電性カバーを前記信号線に向かって窪ませることにより形成されていることを特徴とする請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記電磁調整部が、前記信号線を中心として略円弧状に前記信号線を覆う湾曲形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電気コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−110031(P2013−110031A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255476(P2011−255476)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(592028846)第一精工株式会社 (94)
【Fターム(参考)】