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電気スイッチ機構及び電気スイッチ機構を使用したエアハウス
説明

電気スイッチ機構及び電気スイッチ機構を使用したエアハウス

【課題】空気層膜の膨らみ厚が設定値になるように自動調整する電気スイッチ機構と、電気スイッチ機構を使用して稼働させるエアハウスを提供する。
【解決手段】空気層膜12へ当たる接触子16を有する厚み検出腕部17と、厚み検出腕部17を中立位置Lを中心として傾動及び復元が可能に支持する軸受け部18と、厚み検出腕部17が中立位置Lから一方向へ傾くとオン又はオフ動作するスイッチ部19と、軸受け部18及びスイッチ部19を支持し、且つ厚み検出腕部17の接触子16を空気層膜12に対し一定の位置関係に配置し、且つ調整可能に支持する取付手段22とから成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、合成樹脂シートを2枚重ね合わせて袋状の空気層膜を形成し、同空気層膜へファンにより空気を吹き入れて膨張させた空気層膜の膨らみ厚が設定値になるように自動調整する検出手段としての電気スイッチ機構と、この電気スイッチ機構を使用して稼働させるエアハウスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から野菜・花卉の栽培に利用される通例のビニルハウスは、一枚のビニルシートで外気を遮断するだけでは断熱性が甚だ不十分で高価な暖房設備を整える必要があり、特に冬季には暖房燃料費が相当に嵩んで農業経営を圧迫させるという問題があった。このような条件下で、できるだけ現行設備を変更することなく対処する方法として、下記の特許文献1〜3には透光性の合成樹脂シートを2枚重ね合わせ、その二重シート内に送風機により空気を強制的に吹き入れて膨張させ空気層膜を形成し、同空気層膜により断熱効果を向上させるエアハウスが開示されており、実用にも供されている。
【0003】
しかしながら、上記特許文献1〜3には、前記空気層膜の膨らみ厚を適切に調整する構成については殆ど記載されていない。一般に空気層膜を有するエアハウスは、フィルム間に送風機によって空気を送風したままにし、送風された空気はフィルム同士の隙間や排気孔(送風機のファン)から自然に流出するのに任せている。したがって、送風機を稼働させ続けて電気代が嵩むし、空気層膜を限界まで膨らませ続けてシート材が伸び、強度を損なって寿命を低下させる問題が生じている。
また、空気層膜は膨らみ厚が30cm以上になると断熱効果が殆ど変わらないことから、必要充分な膨らみ厚である15cm〜20cmを効果的なオンオフスイッチ機構により保持できれば効率的な構成となる。しかし、上記の特許文献1〜3は、そのようなスイッチ機構を発揮できる構成ではない。
【0004】
ところで、特許文献4には、空気層膜内への空気量を制御して膨らみ厚を適切な設定値に調整する構成のエアハウスが開示されている。即ち、空気漏れのない密閉型の二重シートに磁気型の近接センサーを設け、同近接センサーと送風機が膨らみ調整盤を通して直結されており、膜内送風量を限定して施設の形状に合わせた適切な膨らみ厚に調整できる点が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−255291号公報
【特許文献2】特開平10−28484号公報
【特許文献3】特開2004−33065号公報
【特許文献4】特開2010−35537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した特許文献4は、近接センサーにより送風量を制御して膨らみ厚を適切な設定値に調整している点は認められる。しかし、この構造は複雑な構成で空気漏れのない密閉型の二重シートにのみ実施できるものであり、空気層膜内の空気を自然に排出する一般的なエアハウスにおいては適用できないものである。更に、一度設定した膨らみ厚で形成した空気層膜の膨らみ厚を常に検出して、その膨らみ厚が常に一定量となるようにファン型送風機の発停を制御するオン、オフスイッチ機構ではない。
したがって、シートの強度を保ち且つ必要充分な断熱性を発揮する空気層膜の適切な膨らみ厚を効果的に保持する電気スイッチ機構、特に、空気層膜内の空気が自然に抜ける安価なエアハウスにも適用できる電気スイッチ機構と、この同電気スイッチ機構を使用して稼働させるエアハウスが所望されているが、未だにそのような技術は見聞きしないし、開示もない。
【0007】
本発明の目的は、上記の課題点を解決することであり、空気層膜の膨らみ厚が設定値に到達したことを検出して電気信号に変換でき、前記電気信号を利用して空気層膜へ空気を吹き込むファンの駆動制御を行う電気スイッチ機構と、この電気スイッチ機構を使用して空気層膜の膨らみ具合、ひいては空気層膜で構成したエアハウスの膨らみ具合を簡易に自動制御する構成のエアハウスを提供することにある。
本発明の更なる目的は、簡易な構造で一般的なエアハウスなどに容易に適用でき、経済的で使い勝手がすこぶる良く、汎用性に優れた電気スイッチ機構、及びこの電気スイッチ機構を用いたエアハウスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る電気スイッチ機構は、
合成樹脂シートを2枚重ね合わせて気密な袋状の空気層膜を形成し、同空気層膜へファンで空気を吹き入れて膨張させた際の空気層膜の膨らみ厚を検出する電気スイッチ機構であって、
空気層膜へ当たる接触子を有する厚み検出腕部と、前記厚み検出腕部を中立位置を中心として傾動及び復元が可能に支持する軸受け部と、前記厚み検出腕部が中立位置から一方向へ傾くとオン又はオフ動作するスイッチ部と、前記軸受け部及びスイッチ部を支持し、且つ前記厚み検出腕部の接触子を空気層膜に対し一定の位置関係に配置し、且つ調整可能に支持する取付手段とから成ることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載した発明に係る電気スイッチ機構において、
厚み検出腕部は、剛な棒材、又はその基部が可撓性に富む弾性体で構成され、同弾性体より先端部が剛な棒材で構成とされていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載した発明に係る電気スイッチ機構を使用したエアハウスは、
合成樹脂シートを2枚重ね合わせて気密な袋状の空気層膜でハウス構造が形成され、同空気層膜へファンで空気を吹き入れて膨張させて使用するエアハウスにおいて、
前記エアハウスの空気層膜に対し、上記請求項1及び2に記載した電気スイッチ機構が、エアハウスの骨材へ取付手段で取り付けられ、厚み検出腕部の接触子を空気層膜に対して一定の関係配置に取り付けると共に、そのスイッチ部が小型ファンの駆動回路のオン、オフスイッチとして構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1〜3に記載した電気スイッチ機構及び電気スイッチ機構を使用したエアハウスは、以下の効果を奏する。
本発明の電気スイッチ機構は、空気層膜へ当たる接触子を有する厚み検出腕部と、前記厚み検出部腕部を中立位置を中心として傾動及び復元が可能に支持する軸受け部と、前記厚み検出腕部が中立位置から一方向へ傾くとオン又はオフ動作するスイッチ部と、取付手段とで構成したので、これをエアハウスの骨材へ取付手段で容易に且つ自在に取り付けて使用できると共に、その際に、厚み検出腕部の接触子を、空気層膜に対してその膨らみ厚の設定値を検出する配置に調整して取り付ければ、空気層膜の膨らみ厚が設定値に到達したことを検出して電気信号に変換でき、前記電気信号を利用して空気層膜へ空気を吹き込むファンの駆動制御を効果的に行なって、空気層膜の膨らみ厚を常に設定値に保持できる。また、この電気スイッチ機構を空気層膜で構成したエアハウスに使用して、その膨らみ厚を適切に自動制御すると、必要充分な断熱効果を常に安定して得ることができ、暖房費を最小限に抑えられる。
また、スイッチ機構は取付手段により取り付けられる構成であるため、エアハウスの骨材を使用して容易に適用可能であり、上記厚み検出腕部の位置を現場合わせで自在に設定でき非常に使い勝手が良い。のみならず、季節や作物によって変わる適切な膨らみ厚にも容易に対応できるため汎用性に優れたエアハウスを実現できる。
【0012】
更に、厚み検出腕部は、その基部が可撓性に富む弾性体で構成されて、厚み検出腕部の一方向への動きに対するスイッチ部の切り替え接点に余裕(幅)を持たせている。したがって、空気層膜を構成するシート材が強風などによりバタつく程度でファンを誤作動させてしまうことを防止できるほか、ファンの稼働率を従来に比して1/8程度に抑えられて経済的である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明が実施されるエアハウスの全体斜視図である。
【図2】二重シートの間に空気を吹き入れる小型ファンの取付構造を示す斜視図である。
【図3】電気スイッチ機構と小型ファンをエアハウスに取り付けた状態を示す図である。
【図4】電気スイッチ機構の全体構成を示す図である。
【図5】スイッチ部の内部構成を示す拡大図である。
【図6】電気スイッチ機構の動作原理を示す参考図である。
【図7】電気スイッチ機構の異なる実施例を示す参考図である。
【図8】電気スイッチ機構の異なる実施例を示す参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、合成樹脂シートを2枚重ね合わせて気密な袋状の空気層膜12を形成し、同空気層膜12へ小型ファン11で空気を吹き入れて膨張させた空気層膜12の膨らみ厚を検出する電気スイッチ機構15である。
この電気スイッチ機構15は、空気層膜12へ当たる接触子16を有する厚み検出腕部17と、前記厚み検出部腕部17の中立位置Lを中心として傾動可能に支持する軸受け部18と、前記厚み検出腕部17が中立位置Lから一方向へ傾くとオン又はオフ動作するスイッチ部19と、前記スイッチ部19を支持し前記厚み検出腕部17を空気層膜12に対し一定の関係配置に調整可能に支持する取付手段22とから成る。
【実施例1】
【0015】
以下に、本発明を図示した実施例に基づいて説明する。
本発明の電気スイッチ機構15は、合成樹脂シートを2枚重ね合わせて気密な袋状の空気層膜12を形成して成る所謂エアハウス1に好適に実施されるものである。
図1は、請求項1に記載した発明に係る電気スイッチ機構15(以下、単にスイッチ機構と云う。)が実施されるエアハウスの実施形態を概略的に示している。
このエアハウス1に実施する、支柱2、梁3、垂木4、棟木5等所謂ハウスフレームは格別に新規ではなく、従来一般のビニルハウスに実施するハウスフレーム、又は上記した工法に開示したハウス構造(エアハウス)に実施するハウスフレームと略同様である。また、屋根面6は、内外シート7、8から成る二重シートの間へ空気を強制的に吹き入れて空気層膜12を形成する構成とされている。
【0016】
即ち、前記エアハウス1は、その屋根面6の全面にわたり、透光性の合成樹シート7、8を内外2枚重ね合わせ、そのシート7、8の周縁をシート止め材9、10などで機密にシールして成る二重シートの空気層膜12内へ空気を強制的に吹き込み膨張させた空気層膜構造とされ、図2に示したように、前記二重シートの内側シート8へハウス1の内側から小型軽量のファン11が直接取り付けられ、同小型ファン11の空気吹き出し口が前記空気層膜12に向かって直接開口されている。
【0017】
具体的には、小型ファン11を内側シート8の内側面にあてがい、同内側シート8の外側面にあてがわれた押さえ縁14とで同シート8をサンドイッチ状に挟み、ボルト接合して取り付けられている。因みに、内側シート8の小型ファン11を取り付ける箇所は空気の出入りが可能な大きさと形状に開口されている。
なお、前記合成樹脂シート7、8は、耐用性に優れているポリオレフィン系シートやフッ素系シートを使用することが好ましい。外側シート7の厚みは、約0.1〜0.15mmとされ、内側シート8の厚みは、0.1mm程度のフィルムが使用されている。また、内張カーテンの場合には、0.05〜0.075mm程度のフィルムを使用している。
本発明を実施するエアハウス1は、前記空気層膜構造を屋根面6にのみ設けて実施しているが、この限りではなく、屋根面6及び側壁面13並びに妻面25の全てに設けて実施しても良いし、屋根面6及び側壁面13並びに内張カーテンなど、必要に応じて任意に選択して実施しても良い。
【0018】
次に、上記のように構成された空気層膜12が形成されて成るエアハウス1の、同空気層膜12の膨らみ厚を検出する電気スイッチ機構を図3〜図6に基づいて説明する。
前記スイッチ機構15は、前記空気層膜12を構成する内側シート8と当たり、同シートの厚みの変化に追従する接触子16を有する厚み検出腕部17と、前記厚み検出腕部17が中立位置Lを中心にして傾動及び復元可能に支持する軸受け部18と、前記厚み検出腕部17が中立位置Lから一方向へ傾くとオン又はオフ動作するスイッチ部19と、前記軸受け部18及びスイッチ部19を含むケーシングを支持し、前記厚み検出腕部17の接触子16を空気層膜12に対し一定の位置関係に配置し、且つ調整可能に支持する取付手段22とから構成されている。
このスイッチ機構15は、図3に示すように、ハウスフレームの屋根面6の骨材である垂木4へ取付固定されており、前記小型ファン11と電線C等で直結状態とされ、そのスイッチ部19が小型ファン11の駆動回路のオン、オフスイッチとして構成されている。具体的な取付構造については後述する。
【0019】
前記厚み検出腕部17の先端部に設けられた接触子16は、二重シートの内側シート8に接触するゴム製の球体とされている。勿論この限りではなく平板形状にして実施しても良い。この厚み検出腕部17は、軸受け部18により中立位置Lを保持可能に支持されている。したがって、上述したように中立位置Lがスイッチの接点(オンオフ切り替え位置)となり、中立位置Lを上下方向に少しでも動くとオンオフ動作が行われる構成である。
しかし、上記スイッチ機構15を、本実施例のようにエアハウスに実施すると二重シートが風によりなびいてばたつきが生じる。すると、シート7、8が激しく動き前記中立位置L(接点)の上下を行ったり来たりして、その都度スイッチ部19によるオンオフ動作が生じ無駄に小型ファン11を発停させてしまう。
こうした点を解決するべく、本実施例では、厚み検出腕部17の基部は、可撓性に富む弾性体で構成されており、具体的にはコイルスプリング材17aである。このコイルスプリング材17aより先端部は、剛な棒材17bで構成されている(図5参照)。
このコイルスプリング材17aには、スイッチ部19に内蔵された復元板バネ19aより小さい反力のものを使用して、厚み検出腕部17の一方向への動きに対するスイッチ部19の接点の切り替え幅に余裕を持たせる構成とされている。つまり、厚み検出腕部17の一方向へ動き(倒れ)が復元板バネ19aの反力以内であれば、スイッチ部19が作動することはない。具体的に、スイッチ部19の接点の切り替え幅は、中立位置L〜L1までの範囲に広げることができる。この厚み検出腕部17の中立位置L〜L1は、同腕部17の基端を支持する軸受け部18を支点として約20°の範囲であり、空気層膜12の膨らみ厚にすると約3〜5cmである。すると、小型ファンの稼働率を従来に比して1/8にでき、且つ、空気層膜12の最適膨らみ厚である15cm〜20cmを確実に保持して経済的且つ効率的である。前記シート材7、8が強風などによりバタついて動くのは約1〜2cm程度であるので、上記のように接点の切り替え幅を広くしておけば小型ファン11を誤作動させてしまうことを防止できる。
上記の点から本実施例の中立位置Lは、空気層膜12の膨らみ厚が15cmの位置であり、L1は膨らみ厚20cmの位置となる。したがって、スイッチ機構15は、厚み検出腕部17が空気層膜12の膨らみ厚15cmとなる位置(中立位置L)を基準に設けられる。
【0020】
前記した厚み検出腕部17の構成はこの限りではなく、図7に示したスイッチ機構15’の通り、厚み検出腕部17’を剛な棒材のみで実施する場合もある。つまり、外側シートを温室の外郭とし、温室内に内側カーテンを設ける場合には、内側カーテンは外側シートと分離された構成であるため風などが生じても内側カーテンがばたつく虞はない。こうした場合においては、中立位置Lで直ちにオンオフ動作を行わせる棒材で成る厚み検出腕部17’を有するスイッチ機構15’が有効である。
【0021】
前記スイッチ部19内には、可動可能に軸受け部18に支持されている厚み検出腕部17の基端部の侵入を許容し、その動きをスイッチ回路へ伝達させる構成とされている。
即ち、図5に示すように、厚み検出腕部17の基端部には突起部17cが設けられており、この突起部17cと接触する復元板バネ19aが、台座19bに支持され、高さの異なるもう一方の台座19cに向かって傾斜を付けて固定されている。
この復元板バネ19aの下端面には、同復元板バネ19aに反力を発揮させるバネ部材19dが設けられ、先端部には、前記台座19cに支持された接触端子19eと接触し、厚み検出部腕部17の動きがバネ部材19dの反力超えると両者を切り離すことでスイッチ回路をオンオフ作動させる構成とされている。
また、上記したスイッチ部材19a〜19eを格納するスイッチ部19のケーシングには、図4に示すように、スイッチ部19の角度と位置を微調整可能な調整用長孔20が設けられおり、前記スイッチ部材19a〜19eと左右方向へ首振り可能に蝶ナット19fで固定する構成とされている。
【0022】
斯くすると、図4、図6に示すように、厚み検出腕部17が第一の中立位置Lに来ると、スイッチ部19の復元板バネ19aは接触端子19eと接触するオン状態(電通状態)となり小型ファン11を稼働させる。同小型ファン11の稼働により空気層膜12が膨らみ、その膨らみに伴って厚み検出腕部17が下方へ湾曲して追随する。第二の中立位置L1まではスイッチ部19の復元板バネ19aの反力内であるため小型ファン11は稼働を続け空気の吹き入れが行われる。
しかし、厚み検出腕部17が中立位置L1になると、厚み検出腕部17のコイルスプリング材17aの反力が復元板バネ19aの反力を上回り、同厚み検出腕部17の突起部17cが復元板バネ19aを押しつけ、同復元板バネ19aと上記接触端子19eとを切り離してオフ状態(非電通状態)とし小型ファン11を停止させる。
その後、空気層膜12内の空気が小型ファン11やシート止め材などの隙間から抜けてしぼんで行くに伴い、厚み検出腕部17もコイルスプリング材17aの復元力により上方へ追随する。厚み検出腕部17が前記中立位置L地点まで来ると、上記したようにスイッチ部19の復元板バネ19aは接触端子19eと接触するオン状態(電通状態)となり小型ファン11を稼働させる。この動作を自動的に繰り返すことにより、空気層膜12の膨らみ厚を常に検出し、最適な膨らみ厚に調整することができる。
因みに、図示することは省略したが、上記スイッチ部19には手動に切り替える切り替えスイッチが設けられている。これは台風や積雪時に空気層膜12を限界まで膨らませることで二次的被害を予防するためである。
【0023】
上記構成とされたスイッチ機構15の取付構造としては、図3に示すように、取付位置を調整可能なユニバーサルジョイントなどと称される取付金具22によりエアハウス1の垂木4(骨材)へ連結されている。つまり、図4に示すように、スイッチ部19の一端から垂木4へ向かって伸びる腕部21の上下面を挟み込んでボルト接合する接合部22aと、垂木4を掴み持つ円弧形状の掴み部22bとで成る取付金具22により垂木4へ連結される。
因みに、前記掴み部22bは半割形状であると作業性がよい。
取付方法としては、予め取付金具22を垂木4の適切な箇所に用意しておき、スイッチ機構15のスイッチ部19から伸びる腕部21の先端部の上下面を、取付金具22の接合部22a、22aで挟み、同接合部22aに設けたボルト孔と、やはり腕部21の先端に設けたボルト孔とを一致させ、ボルト23を各ボルト孔へ通しナット24で締め付けて、同スイッチ機構15をエアハウス1へ取り付ける。締め付ける際には、スイッチ機構15の厚み検出腕部17の位置と角度を空気層膜12に対して適切な位置つまり上記した中立位置Lとなるように調整する。
【0024】
また、厚み検出腕部17を空気層膜12との適切な中立位置Lへ位置決めする手段として、上記したスイッチ部19のケーシングに設けられた左右方向に開口した調整用長孔20を利用して微調整をすることができる。つまり、取付金具22によりある程度の中立位置を決めて垂木4へ固定し、前記調整用長孔20により微調整をすることで誰でも容易に適切な位置に取り付けることができる。
また、最適膨らみ厚を変更する必要がある場合には、前記取付金具22のボルト23・ナット24を一旦緩め、スイッチ機構15を適切な位置と角度に修正した上で、前記ボルト23ナット24を締め付けるだけで、容易に変更可能である。勿論、数センチ程度の調整あれば上記調整用長孔20により調整すればよい。したがって、季節や作物によって変わる適切な膨らみ厚に取付位置を自在に調整できて使い勝手が良く、利便性の高いエアハウスを実現できる。
【実施例2】
【0025】
上記実施例1で説明した電気スイッチ機構15は、この限りではない。要するに、オンオフスイッチ機構であり、厚み検出腕部のコイルスプリング材の反力が、スイッチ部の復元板バネより小さくし、厚み検出腕部の移動によるスイッチ部の接点の切り替え幅を広くするリミットスイッチであれば実施可能である。
例えば、図7に示したようにヒンジカバー型のリミットスイッチ26であって、接触子27aを有する厚み検出腕部27の中央位置に湾曲可能でスイッチ部29内の復元板バネ(図示省略)より反力の小さなコイルスプリング材28を装備させて実施することもできる。
【0026】
以上に本発明を図示した実施例に基づいて説明したが、本発明は、上記実施例の構成に限定されない。その目的と要旨を逸脱しない範囲において、当業者が必要に応じて行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のため言及する。例えば、温室の外郭をなす外側シートが取り付けられ、温室内に内側カーテンを取り付けて、上記外側シートと内側カーテンの間に空気を吹き入れて成るエアハウスにおいても、このスイッチ機構は実施可能である。その際、屋根面6のみならず、側壁面13、妻面25にも上記構成を実施できることを付言する。
【符号の説明】
【0027】
1 エアハウス
2 支柱
3 梁
4 垂木
5 棟木
6 屋根面
7 シート(外側)
8 シート(内側)
11 小型ファン
12 空気層膜
13 側壁面
14 押さえ縁
15 スイッチ機構
16 接触子
17 厚み検出腕部
18 軸受け部
19 スイッチ部
19a 反力板バネ
19b、c台座
19d バネ部材
19e 接触端子
20 調整用長孔
21 腕部
22 取付手段
23 ボルト
24 ナット
25 妻面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂シートを2枚重ね合わせて気密な袋状の空気層膜を形成し、同空気層膜へファンで空気を吹き入れて膨張させた際の空気層膜の膨らみ厚を検出する電気スイッチ機構であって、
空気層膜へ当たる接触子を有する厚み検出腕部と、前記厚み検出腕部を中立位置を中心として傾動及び復元が可能に支持する軸受け部と、前記厚み検出腕部が中立位置から一方向へ傾くとオン又はオフ動作するスイッチ部と、前記軸受け部及びスイッチ部を支持し、且つ前記厚み検出腕部の接触子を空気層膜に対し一定の位置関係に配置し、且つ調整可能に支持する取付手段とから成ることを特徴とする、電気スイッチ機構。
【請求項2】
厚み検出腕部は、剛な棒材、又はその基部が可撓性に富む弾性体で構成され、同弾性体より先端部が剛な棒材で構成されていることを特徴とする、請求項1に記載した電気スイッチ機構。
【請求項3】
合成樹脂シートを2枚重ね合わせて気密な袋状の空気層膜でハウス構造が形成され、同空気層膜へファンで空気を吹き入れて膨張させて使用するエアハウスにおいて、
前記エアハウスの空気層膜に対し、上記請求項1及び2に記載した電気スイッチ機構が、エアハウスの骨材へ取付手段で取り付けられ、厚み検出腕部の接触子を空気層膜に対して一定の関係配置に取り付けると共に、そのスイッチ部が小型ファンの駆動回路のオン、オフスイッチとして構成されていることを特徴とする、電気スイッチ機構を使用したエアハウス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−253703(P2011−253703A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126539(P2010−126539)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(000221568)東都興業株式会社 (57)
【Fターム(参考)】