説明

電気ストーブ

【課題】 人体センサにより人体の存在が検知できなければ発熱体の出力を低下させた省エネ運転に移行する電気ストーブを提供する。
【解決手段】 発熱体2に通電することで暖房運転をおこなう電気ストーブ1の本体ケース部5に人体センサ11を設置し、操作部15にある人体スイッチ20がON操作され、更に首振りスイッチ17がON操作された時、首振りモータ21を駆動している間は人体センサ11での人体検知をおこなわず、所定時間経過後に首振りモータ21を停止させ人体センサ11での人体検知をおこない、連続で所定回数以上人体の存在が検知されなかった時、首振りモータ21を停止させ発熱体2の出力を下げた省エネ運転に移行する制御にすることで、電気ストーブ1の周囲に存在する人体を正確に検知して適切な暖房運転をおこなうことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、人体の存在を検知する人体センサを備えた電気ストーブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものにおいて、発熱体を設置した本体ケース部とこれを支持する支持体を備えたベース部が下部に設置され、本体ケース部を左右に首振りさせる首振りモータによって首振り運転を可能とし、本体ケース部に人体の存在を検知する人体センサを備え、タイマ・リセット回路を有する制御部を備えた電気ストーブにおいて、人体センサが人体の存在を検知した時のみ発熱体に通電し、首振り運転の少なくとも一周期より長い時間で人体センサが人体の存在を検知しなかったら、発熱体の通電を遮断し首振りモータを停止させ、停止後に人体を検知してもリセット回路を解除しなければ発熱体へ再通電しないものがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許2506886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この従来のものでは、周囲の温度変化から人体の存在を判断する焦電型の人体センサの場合、発熱体に通電した状態で首振り運転をおこなって本体ケース部を左右に動かすと、発熱体から放出した熱の反射や温度分布等から周囲の温度変化を捉えて、電気ストーブの周囲に人が存在しない時であっても人体センサに入射する熱量が変化していると判断して、電気ストーブの周囲に人体が存在しないにもかかわらず発熱体へ通電し続けていることがあり、電力を無駄に消費している場合があった。
【0005】
また、首振り運転の少なくとも一周期より長い時間で人体センサが人体の存在を検知しなければ発熱体の通電を遮断し首振りモータを停止させて、リセット回路を解除しなければ発熱体へ再通電しない制御では、採暖者が電気ストーブの周囲から少しの間だけ離れる様な場合であっても発熱体への通電が切れて周囲の温度が下がり、しかも再通電させるにはリセット回路を解除しなければならないので手間がかかることから、使用勝手が悪い問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、発熱体を正面に備えた本体ケース部と、該本体ケース部を支持する支持体と、該支持体の下部に設置されたベース部と、前記本体ケース部を左右に首振りさせる首振りモータと、該首振りモータの駆動を開始させる首振りスイッチと、前記本体ケース部に備えた人体の存在を検知する人体センサと、該人体センサでの検知結果に基づいて前記発熱体の出力を制御する制御部とを備えた電気ストーブにおいて、前記人体センサでの人体検知を開始させる人体スイッチを備え、前記制御部は、前記首振りスイッチと前記人体スイッチとがON操作されたら、前記首振りモータが駆動している時は前記人体センサでの人体検知をせず、前記首振りモータの駆動開始から所定時間経過したら、前記首振りモータを停止させ前記人体センサでの人体検知を開始するものである。
【0007】
また、請求項2では、前記制御部は、前記首振りモータを停止させた時、前記本体ケース部の停止位置を毎回変化させるものである。
【0008】
また、請求項3では、前記制御部は、前記人体センサで人体検知が連続でされなかった回数をカウントし、所定回数以上をカウントしたら、前記首振りモータを停止させ前記発熱体の出力を低下させるものである。
【0009】
また、請求項4では、前記首振りモータを停止させ前記発熱体の出力を低下させたら報知する報知部を設けたものである。
【0010】
また、請求項5では、前記制御部は、前記首振りモータを停止させ前記発熱体の出力を低下させた後に前記人体センサで人体の存在が検知されたら、前記首振りモータを駆動させ前記発熱体の出力を元の設定値に戻すものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明の請求項1によれば、首振りモータを駆動している時は人体センサでの人体検知をせず、首振りモータの駆動開始から所定時間経過後に首振りモータを停止して人体センサで人体検知を開始する制御にしたので、本体ケース部を首振りすることによる温度変化の影響がない時に人体センサによって人体の存在を検知することで、電気ストーブ周囲の人体の存在を正確に検知することが可能となる。
【0012】
また、請求項2によれば、首振りモータを停止させた時、本体ケース部の停止位置が前回停止した時と同一の位置とならないようにすることで、本体ケース部を首振りした時の範囲内に存在する人体を確実に人体センサで検知することが可能となる。
【0013】
また、請求項3によれば、人体センサが連続で人体検知できなかった回数をカウントし、所定回数以上をカウントしたら、首振りモータを停止させ発熱体の出力を低下させることで、一時的に電気ストーブの周囲から離れた直後に発熱体の出力が低下することがなく、適切な暖房運転をおこなうことができる。
【0014】
また、請求項4によれば、首振りモータを停止させ発熱体の出力を低下させたら報知する報知部を設けたことで、暖房運転の状態が変化したことを容易に知ることができる。
【0015】
また、請求項5によれば、首振りモータを停止させ発熱体の出力を低下させた後に人体センサで人体検知したら、首振りモータを駆動させ発熱体の出力を元の設定値に戻すので、一旦、人体の存在がないと判断して首振りモータを停止させ発熱体の出力を低下させた後でも人体の存在が検知されれば、特別な操作を必要とせず自動で首振りモータや発熱体の出力を元の状態に復帰させることから使用勝手がよくなるものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の一実施形態を示す正面図
【図2】同発明の側面図
【図3】同発明の平面図
【図4】同発明の制御ブロック図
【図5】同発明の省エネ運転の動作を説明するフローチャート
【図6】同発明の首振り運転あり時の省エネ制御の動作を説明するフローチャート
【図7】同発明の首振り運転なし時の省エネ制御の動作を説明するフローチャート
【図8】同発明の首振りモータと人体センサの動作を説明する図
【図9】同発明の首振り運転時間における首振り往復回数と周波数の関係を説明する図往復回数を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、この発明を適用した電気ストーブの一実施形態を図面に基づいて説明する。
1はステンレスヒーターに遠赤セラミックの塗料を塗布して、遠赤外線を放射するヒーターで構成された発熱体2を2本備えた電気ストーブである。また、3は電気ストーブ1の下部を構成するベース部、4はベース部3に設置され発熱体2を内部の所定位置に備えた本体ケース部5を支持する支持体である。
【0018】
前記本体ケース部5には、2本の発熱体2の背面を覆い放射される熱を前方に反射する反射板6と、発熱体2の前方を覆って人の指が入り込むことを阻止することで発熱体2に接触して火傷するのを防止するガード体7とが備えられている。
【0019】
このガード体7は、左右に1本ずつ備えた縦ロット8と、該縦ロット8の間にあり人の指が侵入できない間隔を保った複数の横ロット9とで形成されている。また、10は横ロット9の最上端及び最下端に設置され該横ロット9と同一形状、同一寸法で、中央部分を内側に折り曲げて指の侵入を阻止する規制ロットである。
【0020】
11は本体ケース部5の下部に備えられ周囲の温度変化から人体を検知する焦電型の人体センサ、12は設定温度の強弱を5段階3色のLEDランプで表示する表示部、13は一定間隔毎に発熱体2へ通電することで電力をセーブしたゆらぎ運転が実施されたら点灯するゆらぎランプ、14は人体センサ11により電気ストーブ1の周囲に人が存在しないと判断したら発熱体2の出力を低下させる省エネ運転が実施されたら点灯する省エネランプである。
【0021】
15は本体ケース部5の上面に設置された操作部であり、つまみを回転させることで電源のON/OFF操作及び390Wから1100Wの範囲で発熱体2の出力を10段階の温度レベルから調節可能な調節つまみ16と、本体ケース部5を左右に往復させる首振り運転の開始と停止を指示する首振りスイッチ17と、30分、1時間、2時間、3時間から選択した時間後に電源をOFFにする設定が可能な切りタイマースイッチ18と、一定間隔毎に発熱体2へ通電して電力のセーブが可能なゆらぎ運転の開始と停止を指示するゆらぎスイッチ19と、人体センサ11による人体検知を開始させ省エネ運転に移行する省エネ運転制御の開始を指示する人体スイッチ20とが設けられている。
【0022】
21は支持体4の上端にあり本体ケース部5の中心と連結されている首振りモータであり、首振りスイッチ17をON操作することで正面方向から約70度まで左右に角度を可変させることができる。また、22は首振りモータ21の上部にあり電気ストーブ1を持ち上げて移動することを可能とする取手である。
【0023】
23は操作部15の下部に設置されマイコン等で構成された制御部であり、操作部15で操作された各種スイッチにより電源のON/OFFや温度調節、首振り運転等の通常の暖房運転を制御する通常運転制御手段24と、人体スイッチ20がON操作された後に省エネ運転に移行する制御をおこなう省エネ運転制御手段25と、省エネ運転に移行した時に報知音を発生させる報知部26とを備えている。
【0024】
前記通常運転制御手段24は、調節つまみ16が操作されて電源ONとなったら、調節つまみ16で調節した温度レベルとなるよう発熱体2の出力を調節し、表示部12に調節した温度レベルの出力に応じた色彩と点灯位置のLEDを発光させ、調節つまみ16が電源OFFの位置に調節されたら、発熱体2への通電を停止して通常の暖房運転を終了する。また、電源ONの状態で首振りスイッチ17がON操作されたら、首振りモータ21を駆動させて本体ケース部5の首振り運転を開始させ、首振りスイッチ17がOFF操作されたら首振り運転を停止させる。また、タイマースイッチ18により電源をOFFにする時間が選択されたら、選択された時間経過後に発熱体2への通電を停止させる。また、ゆらぎスイッチ19がON操作されたら、ゆらぎランプ13を点灯させて発熱体2への電力供給を一定間隔毎に停止することで出力を抑えたゆらぎ運転をおこない、ゆらぎスイッチ19がOFF操作されたら、ゆらぎランプ13を消灯して調節つまみ16で設定された温度レベルとなるよう発熱体2の出力を調節する。
【0025】
次に、省エネ運転制御手段25で制御する省エネ運転に関して、図5から図7で示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、調節つまみ16を操作して電源ON状態にしたら所定の温度レベルに調節することで発熱体2の出力を390Wから1100Wの範囲内での設定値にし(S101)、省エネ運転制御手段25は、人体スイッチ20がON操作されたか判断して(S102)、ON操作されていれば、首振りスイッチ17がON操作され首振り運転をおこなっているか判断する(S103)。首振りスイッチ17がON操作され首振り運転をおこなっていれば、首振り運転あり時の省エネ運転制御に移行し(S104)、首振りスイッチ17がON操作されておらず首振り運転をおこなっていなければ、首振り運転なし時の省エネ運転制御に移行する(S105)。
【0026】
S104及びS105でそれぞれ省エネ運転制御が終了したら、省エネ運転制御手段25は、人体センサ11で人体の存在が検知できないか判断し(S106)、人体の存在が検知できなければ省エネ運転を継続し(S107)、人体の存在を検知したら、首振りスイッチ17がON操作されたか判断し(S108)、ON操作されていれば、再度首振りあり時の省エネ運転制御をおこない、ON操作されていなければ、再度首振りなし時の省エネ運転制御をおこなう。
【0027】
S107で省エネ運転を継続したら、省エネ運転制御手段25は、調節つまみ16が電源OFF位置に調節されたか判断し(S109)、電源OFF位置に調節されていれば、発熱体2への通電を停止させて省エネ運転を終了し、電源OFF位置に調節されていなければ、再度S106で人体センサ11による人体検知をおこなう。
【0028】
次に、S104の首振りあり時の省エネ運転に関して説明する。
省エネ運転制御手段25は、人体スイッチ20がON操作されてから首振りモータ21が駆動した時間をカウントし(S201)、駆動開始から所定時間である64秒が経過したか判断する(S202)。駆動開始から64秒経過していれば、図8にあるように首振りモータ21を停止させ、停止時間のカウントを開始する(S203)。
【0029】
S203で首振りモータ21の停止時間のカウントが開始されたら、省エネ運転制御手段25は、図8にあるように人体センサ11により人体検知を開始し(S204)、人体の存在を検知できたか判断する(S205)。人体の存在が検知できなければ、今回の停止時間中に人体の存在が検知できなかったのが初回なのか判断して(S206)、人体検知なしの判断が初回であれば、人体検知なしをカウントする(S207)。
【0030】
S205で人体の存在が検知されたか、S206で人体検知されなかったのが初回でなかった、もしくはS207で人体検知なしをカウントしたら、省エネ運転制御手段25は、図8にあるように首振りモータ21の駆動停止から15秒経過したか判断し(S208)、15秒経過していれば人体センサ11での人体検知を停止して(S209)、15秒経過していなければ再びS205で人体センサ11での人体検知をおこなう。
【0031】
S209で人体センサ11での人体検知を停止したら、省エネ運転制御手段25は、人体センサ11で人体検知なしと判断されのが初回もしくは前回から連続か判断し(S210)、人体検知なしの判断が初回か連続であれば、人体検知なしと判断してカウントした回数を算出し(S211)、人体検知なしの判断が初回ではないか前回から連続して検知されていなければ、前回までにカウントした人体検知なしの回数をリセットして人体検知なしの検知回数をゼロにする(S212)。
【0032】
S211で人体検知なしと判断してカウントした回数を算出したら、省エネ運転制御手段25は、算出したカウント数と所定回数である20回とを比較し(S213)、カウント数が20回以上であると判断したら、省エネランプ14を点灯させ、報知部26から報知音を数秒程度鳴らし、表示部12の表示を発熱体2が低出力であることを示す緑色に変化させて、発熱体2の出力を79Wに低下させた省エネ運転を開始する(S214)。また、S212で人体検知なしのカウント数をリセットしたかS213で人体検知なしのカウント数が20回未満であれば、首振りモータ21を駆動させ(S215)、再度S201で首振りモータ21の駆動時間のカウントを開始する。
【0033】
このように、首振りモータ21を駆動させて首振り運転をおこなっている時は人体センサ11による人体検知をおこなわず、首振りモータ21を停止している時にのみ人体検知をおこなう制御にしたことで、首振り運転時における室内の温度変化により人体の存在を検知する焦電型の人体センサ11での人体検知の精度を高めることができ、人体センサ11の誤検知を防止することで適切な暖房運転をおこなえる。
【0034】
次に、S105の首振りなし時の省エネ運転に関して説明する。
省エネ運転制御手段25は、人体スイッチ20がON操作されてから発熱体2に通電された時間のカウントを開始し(S301)、同時に人体センサ11による人体検知を開始する(S302)。
【0035】
S302で人体センサ11での人体検知を開始したら、省エネ運転制御手段25は、電気ストーブ1の周囲に人体が存在しないか判断し(S303)、人体が存在しないと判断したら、発熱体2への通電時間が10分以上経過したか判断して(S304)、10分以上通電していると判断したら次のステップに進み、通電時間のカウントが10分未満であれば、再度S303で人体センサ11による人体検知をおこなう。
【0036】
S304で発熱体2への通電時間が10分以上経過していると判断したら、省エネ運転制御手段25は、省エネランプ14を点灯させ、報知部26から報知音を数秒程度鳴らし、表示部12の表示を発熱体2が低出力であることを示す緑色に変化させて、発熱体2の出力を79Wに低下させた省エネ運転を開始する(S305)。
【0037】
このように、首振り運転なしの時における省エネ運転制御について、人体センサ11で人体の存在が検知されず発熱体2の通電時間が10分以上経過していた時に省エネ運転へ移行することで、人が静止している状態で室内の温度変化がない時であっても10分間での温度変化から人体の存在有無を判断するので、人体センサ11の誤検知により省エネ運転へ移行することを防止できる。
【0038】
ここで、首振りあり時の省エネ運転制御における首振りモータ21の駆動開始から停止させるまでの駆動時間について詳述する。
首振りモータ21の回転速度は周波数によって差が生じるため、自国の商用電源の周波数が東西で50Hzと60Hzに分かれていることから、首振り運転をおこなうと本体ケース部5が首振り運転開始位置から元の位置まで往復して戻る時間に差が生じる。このため、首振りモータ21の駆動時間を首振りモータ21の回転速度で除した値が整数になると、首振りモータ21の駆動時間が終わって停止時間になった時、本体ケース部5が常に同じ方向を向いて停止することとなるため、首振り運転の範囲内に存在する人体存在を正確に検知できない問題がある。
【0039】
例えば、首振りモータ21の回転速度が50Hzの時は4.2rpm、60Hzの時は5rpmの場合、省エネ運転制御における首振りモータ21の駆動時間を60秒に設定すると、図9で示すように50Hzの時は首振りモータ21の駆動時間を回転速度で除した数が整数にならないので毎回違う位置で停止するが、60Hzの時は同様の計算をおこなうと整数になるため毎回同じ位置で停止する。このことから、首振りモータ21の駆動時間をどちらの周波数での回転速度で除しても整数にならない時間(例えば64秒)に設定することで、本体ケース部5の停止位置を毎回変えることができ、首振り運転の範囲内において人体センサ11による人体検知を正確に実施することが可能となる。
【0040】
また、S208で首振りモータ21を停止させ人体センサ11で人体検知をおこなう停止時間について、人体センサ11で安定して人体検知が可能となるには数秒かかることから、図9のように人体センサ11による人体検知が安定して実施可能な停止時間(例えば15秒)を設定することで、首振り運転停止時の人体検知を正確におこなうことが可能となる。
【0041】
また、S210で人体センサ11により人体の存在が検知されなかったのが初回か前回から連続の場合にのみ人体検知なしの回数をカウントする制御にすることで、採暖者が電気ストーブ1の周囲から少しの間だけ離れて戻ってくるような時、首振りモータ21を停止させ人体センサ11での人体検知をおこなって人体検知なしの判断をしても、連続して人体検知なしと判断されなければ人体検知なしのカウント数をリセットするため、採暖者が電気ストーブ1の周囲から少しの間だけ離れた時、不意に省エネ運転を開始することがない。
【0042】
また、S213で人体センサ11によって人体検知なしと判断されたカウント数が連続で20回以上にならなければ省エネ運転に移行しない制御にすることで、温度変化で人体を検知する焦電型の人体センサ11では温度変化がなければ周囲に人体の存在がないと判断するため、採暖者が電気ストーブ1の周囲で静止していると人体検知ができなかったが、人体センサ11で人体検知なしと判断されたカウント数が20回以上という長時間に渡る制御と、様々な角度で人体検知センサ11での人体検知をおこなうことから、より正確に人体検知をおこなうことができ、適切に省エネ運転へ移行することが可能となる。
【0043】
以上のように、電気ストーブ1の本体ケース部5に人体センサ11を設置し、首振りモータ21を駆動させて本体ケース部5の首振り運転をおこなうものについて、人体スイッチ20をON操作して省エネ運転制御をおこなう時に首振り運転をおこなっていれば、所定時間首振りモータ21を駆動させている間は人体センサ11による人体検知をおこなわず、所定時間経過後に首振りモータ21を停止して人体センサ11による人体検知を開始し、連続で所定回数以上人体の存在が検知できなければ発熱体2の出力を低下させた省エネ運転に移行する制御にすることで、周囲の温度変化から人体の存在を検知する焦電型の人体センサ11での人体検知の精度を向上させて適切に省エネ運転へ移行させることができ、省エネ運転に移行した後に人体センサ11で人体の存在を検知したら、発熱体2の出力を元の設定値に戻し首振りモータ21を駆動させて省エネ運転前の運転状態に戻すので、省エネ運転の解除に手間がかからず採暖者の使用感を向上させたものとなっている。
【符号の説明】
【0044】
1 電気ストーブ
2 発熱体
3 ベース部
4 支持体
5 本体ケース部
11 人体センサ
17 首振りスイッチ
20 人体スイッチ
21 首振りモータ
23 制御部
26 報知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱体を正面に備えた本体ケース部と、該本体ケース部を支持する支持体と、該支持体の下部に設置されたベース部と、前記本体ケース部を左右に首振りさせる首振りモータと、該首振りモータの駆動を開始させる首振りスイッチと、前記本体ケース部に備えた人体の存在を検知する人体センサと、該人体センサでの検知結果に基づいて前記発熱体の出力を制御する制御部とを備えた電気ストーブにおいて、前記人体センサでの人体検知を開始させる人体スイッチを備え、前記制御部は、前記首振りスイッチと前記人体スイッチとがON操作されたら、前記首振りモータが駆動している時は前記人体センサでの人体検知をせず、前記首振りモータの駆動開始から所定時間経過したら、前記首振りモータを停止させ前記人体センサでの人体検知を開始することを特徴とする電気ストーブ。
【請求項2】
前記制御部は、前記首振りモータを停止させた時、前記本体ケース部の停止位置を毎回変化させることを特徴とする請求項1記載の電気ストーブ。
【請求項3】
前記制御部は、前記人体センサで人体検知が連続でされなかった回数をカウントし、所定回数以上をカウントしたら、前記首振りモータを停止させ前記発熱体の出力を低下させることを特徴とする請求項1、2のいずれか一項に記載の電気ストーブ。
【請求項4】
前記首振りモータを停止させ前記発熱体の出力を低下させたら報知する報知部を設けたことを特徴とする請求項3に記載の電気ストーブ。
【請求項5】
前記制御部は、前記首振りモータを停止させ前記発熱体の出力を低下させた後に前記人体センサで人体の存在が検知されたら、前記首振りモータを駆動させ前記発熱体の出力を元の設定値に戻すことを特徴とする請求項3記載の電気ストーブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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